JP6670819B2 - 微生物の殺菌方法及び衣料の抑臭方法 - Google Patents

微生物の殺菌方法及び衣料の抑臭方法 Download PDF

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Description

本発明は、微生物の殺菌方法及び衣料の抑臭方法に関する。より具体的には、本発明は
、モラクセラ属の細菌の殺菌方法及び衣料の抑臭方法に関する。
衣類、洗濯機、風呂水といった対象物には様々な微生物が存在していることが知られて
いる。微生物は対象物に付着した有機汚れや対象物中に存在する有機汚れを代謝すること
で、様々なニオイを発生し、嗅覚的不快感を助長する。これらの微生物を殺菌する方法と
して、次亜塩素酸塩などの強い酸化剤やカチオン系抗菌剤で処理する方法が知られている
抗菌性を有する化合物を含有する衣料用の洗浄剤組成物を使用することで、衣料に抗菌
性を付与し、菌の発生を抑制する方法が提案されている。特許文献1及び2には、液体洗
浄剤組成物に用いられる抗菌剤として、水溶性カチオン系抗菌性化合物が開示されている
。アニオン系化合物の有用基剤に関する報告例は少ないが、非特許文献1にはSDS(Sod
ium dodecyl sulphate)を低pHで菌に接触させる方法が記載されている。非特許文献2
にはC12ABS(Alkyl Benzene sulfonate)の殺菌力が多価カチオン存在下で増強され
ることが記載されている。
特開2001−214191号公報 特開平7−53995号公報
Richard E. Glover, et al., "An EPR investigation of surfactant action on bacterial membranes", FEMS Microbiology Letters 177 (1952)57-62 J. G. Voss, EFFECT OF INORGANIC CATIONS ON BACTERICIDAL ACTIVITY OF ANIONIC SURFACTANTS, J. Bacteriol, 86 (1963) 207-211
特許文献1又は2に記載のカチオン系殺菌剤を用いた殺菌技術は、アニオン界面活性剤
が共存すると殺菌性が低下する課題がある。
また、着用などにより使用した衣料を洗濯しても、落としきれなかった微生物や皮脂汚
れが衣料に僅かに残存する場合がある。洗濯後に衣料を乾燥する際に、衣料に残存する微
生物が皮脂汚れを代謝し、臭い成分を発生させる場合がある。発生した臭い成分が付着し
た衣料を着用した後に、発汗等の水分が衣料に再付着した時に、臭い成分が水の蒸発と共
に揮散し、臭いを感じる場合がある。
即ち、本発明の要旨は下記の〔1〕〜〔4〕に関する。
〔1〕下記の(A)成分、(B)成分及び液体媒体を含有してなる液体組成物とモラクセ
ラ属の細菌とを接触させる工程を含む、モラクセラ属の細菌の殺菌方法。
(A)成分:アルキルベンゼンスルホン酸塩
(B)成分:アルキル硫酸エステル塩。
〔2〕下記の(A)成分及び(B)成分を併用する、(A)成分又は(B)成分によるモ
ラクセラ属の細菌の殺菌力の向上方法。
(A)成分:アルキルベンゼンスルホン酸塩
(B)成分:アルキル硫酸エステル塩。
〔3〕下記の(A)成分及び(B)成分を併用する、(A)成分又は(B)成分によるモ
ラクセラ属の細菌の殺菌スペクトルの拡大方法。
(A)成分:アルキルベンゼンスルホン酸塩
(B)成分:アルキル硫酸エステル塩。
〔4〕下記の(A)成分、(B)成分及び液体媒体を含有してなる液体組成物と衣料とを
接触させる工程を有する、衣料の抑臭方法。
(A)成分:アルキルベンゼンスルホン酸塩
(B)成分:アルキル硫酸エステル塩。
本発明によれば、風呂の残り水、衣料又は洗濯機内等に存在するモラクセラ属の細菌を
殺菌することができ、特定のモラクセラ属の細菌だけでなく、モラクセラ属に属する広範
囲の細菌を殺菌することができるので、本発明における液体組成物を衣料に接触させるこ
とにより、衣料を抑臭することができる。
衣類、水や洗濯機等の環境下に存在するモラクセラ属の細菌の中には同属のものであっ
ても、異なる複数の種が存在することが一般的に知られている。非特許文献1又は非特許
文献2に記載のアルキルベンゼンスルホン酸やアルキル硫酸エステルを用い、さらに多価
カチオンを使用したり、低pHにしても殺菌できるモラクセラ属の細菌が限定される課題
があることを本発明者らは見出した。
そこで、本願においては、アルキルベンゼンスルホン酸塩とアルキル硫酸エステル塩の
2種類の化合物と液体媒体を含む液体組成物をモラクセラ属の細菌と接触させることで、
様々な種のモラクセラ属の細菌に対して殺菌性を示す殺菌方法を提供できることを明らか
にした。
さらに本願においては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩及び
液体媒体を含有する液体組成物と予め接触させた衣料を、洗濯後に乾燥させた後、再び着
用などにより使用した際に発汗等により水分が再付着した場合であっても、衣料からの臭
いの発生を抑制できることを明らかにした。
〔(A)成分〕
(A)成分はアルキルベンゼンスルホン酸塩である。アルキル基の炭素数は、高い殺菌
性が得られる点から、炭素数10以上が好ましく、炭素数11以上がより好ましい。液体
組成物中への配合性の観点から、炭素数16以下が好ましく、炭素数14以下がより好ま
しく、炭素数13以下がさらに好ましい。(A)成分の入手性の点で、前記アルキル基は
、脂肪族アルキル基であることが好ましい。
(A)成分としては、異なる炭素数のアルキル基を有する化合物の混合物であってもよ
く、その場合は、殺菌性を高める点から、(A)成分中の炭素数11のアルキル基を有す
るアルキルベンゼンスルホン酸塩〔(A11)成分〕、炭素数12のアルキル基を有するア
ルキルベンゼンスルホン酸塩〔(A12)成分〕及び炭素数13のアルキル基を有するアル
キルベンゼンスルホン酸塩〔(A13)成分〕の合計質量と全(A)成分の質量との比が、
〔(A11)成分+(A12)成分+(A13)成分〕/(A)成分=0.6以上、1以下であ
ることが好ましい。微生物、特にモラクセラ属の細菌に対して(A)成分の吸着性を高め
る点から、該比は0.7以上が好ましく、0.8以上がより好ましく、0.85以上がさ
らに好ましい。液体組成物中に(A)成分が溶解及び/又は分散し安定に存在する観点か
ら、該比は0.99以下が好ましく、0.97以下がより好ましく、0.95以下がさら
に好ましい。
アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、1価の無機金属塩、例えばナトリウム塩及び
カリウム塩から選ばれる1種以上の塩、2価の無機金属塩、例えばカルシウム塩、マグネ
シウム塩及び鉄(II)塩から選ばれる1種以上の塩、総炭素数が2〜6のアルカノールア
ンモニウム塩、例えば2−ヒドロキシエチルアンモニウム塩、N−メチル−N−(2−ヒ
ドロキシエチル)アンモニウム塩、N−メチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)
アンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩などを挙げることができる。
〔(B)成分〕
本発明における(B)成分は、アルキル硫酸エステル塩であり、殺菌性の観点から、ア
ルキル基の炭素数は10以上が好ましく、12以上がより好ましい。液体組成物中におい
て固体析出せず安定に存在できる点からアルキル基の炭素数は16以下が好ましく、14
以下がより好ましい。
(B)成分としては、異なる炭素数のアルキル基を有する化合物の混合物であってもよ
く、その場合は、殺菌性を高める点から、(B)成分中の炭素数12のアルキル基を有す
るアルキル硫酸エステル塩〔(B12)成分〕及び炭素数14のアルキル基を有するアルキ
ル硫酸エステル塩〔(B14)成分〕の合計質量と全(B)成分の質量との比は、〔(B12
)成分+(B14)成分〕/(B)成分=0.6以上、1以下が好ましい。液体組成物中に
(B)成分が固体析出することなく安定に存在する観点から、該比は0.7以上が好まし
く、0.8以上がより好ましく、0.9以上がさらに好ましい。殺菌性の点から該比は0
.99以下が好ましく、0.97以下がより好ましく、0.95以下がさらに好ましい。
また、(B)成分中に(B12)成分及び(B14)成分を含む場合には、(B14)成分と
(B12)成分との質量比は、(B14)成分/(B12)成分=0.3以上、1以下が好まし
く、殺菌性をより高める点から、0.35以上、0.95以下がより好ましく、0.4以
上、0.9以下がさらに好ましく、0.45以上、0.85以下がよりさらに好ましく、
0.5以上、0.75以下がよりさらに好ましい。
(B)成分の疎水性が高まり菌への吸着性が増加することで、殺菌性をより高める点で
、(B14)成分と(B12)成分との質量比は、0.3以上が好ましく、0.35以上がよ
り好ましく、0.4以上がさらに好ましく、0.45以上がよりさらに好ましく、0.5
以上がよりさらに好ましい。(B)成分が液体媒体中で結晶化しにくくなることで、殺菌
効果を高める点で、(B14)成分と(B12)成分との質量比は、1以下が好ましく、0.
95以下がより好ましく、0.9以下がさらに好ましく、0.85以下がよりさらに好ま
しく、0.75以下がよりさらに好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、1価の無機金属塩、例えばナトリウム塩及びカリウ
ム塩から選ばれる1種以上の塩、2価の無機金属塩、例えばカルシウム塩、マグネシウム
塩及び鉄(II)塩から選ばれる1種以上の塩、総炭素数が2〜6のアルカノールアンモニ
ウム塩、例えば2−ヒドロキシエチルアンモニウム塩、N−メチル−N−(2−ヒドロキ
シエチル)アンモニウム塩、N−メチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アンモ
ニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩などを挙げることができる。
〔(C)成分〕
(C)成分は、下記一般式(1)で表される化合物である。(C)成分は一般的に汚れ
に対する洗浄基剤や、殺菌剤として用いられる場合がある。従って、液体組成物がさらに
(C)成分を含有する態様も、本発明に包含される。しかしながら、本発明者は意外にも
、(C)成分を配合することで(A)成分と(B)成分による殺菌効果が阻害される場合
があることを見出した。よって本発明においては、液体組成物が(C)成分を含有しない
態様がより好ましい。
1O−(AO)n−H (1)
〔式中、R1基は、炭素数10以上、16以下の炭化水素基、AO基は、エチレンオキシ
基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基、nは1以上、20以下の数である。〕
1基は、炭素数12以上が好ましく、そして14以下が好ましい。炭化水素基として
は、アルキル基が好ましい。nは、殺菌効果を阻害しない点で、16以下が好ましく、1
2以下がより好ましく、10以下がより好ましく、8以下がより好ましく、7以下がより
好ましく、6以下がより好ましく、5以下がより好ましく、4以下がより好ましく、3以
下がより好ましい。(A)成分と(B)成分と液体媒体とを含有する液体組成物への溶解
性の点から、nとしては2以上が好ましい。
本発明における(C)成分としては、AO基の数が異なる複数の化合物から構成される
混合物であっても良い。この場合、質量基準として最も含有量の多い化合物のAO基の数
をnとする。また、最も含有量が多い化合物が複数存在する場合には、AO基の数が最も
大きい化合物のAO基の数をnとする。
〔液体媒体〕
液体媒体は、(A)成分と(B)成分をモラクセラ属の細菌あるいは衣料に接触させる
ための媒体として用いられる。液体媒体としては、(A)成分、(B)成分及び任意成分
(例えば金属イオン)が溶解及び/又は分散できる化合物であれば特に限定はされない。
液体媒体の例としては、炭素数1以上、3以下の1価のアルコール、例えば、メタノール
、エタノール、イソプロパノールが挙げられる。また、炭素数2以上、6以下の2価以上
、6価以下の多価アルコール、例えばエチレングリコール、グリセリン、ソルビトールか
ら選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。取り扱いの容易性の点から水を使用すること
が好ましい。水を使用する場合、イオン交換水、蒸留水あるいは水道水を特に限定なく用
いることができる。液体媒体を構成する成分としては、1種類であってもよく、2種類以
上であってもよい。
〔液体組成物〕
本明細書における液体組成物は、(A)成分、(B)成分及び液体媒体を含むものであ
る。本発明者は、(A)成分であるアルキルベンゼンスルホン酸塩と、(B)成分である
アルキル硫酸エステル塩を併用することで、微生物、特にモラクセラ属の細菌への(A)
成分と(B)成分の合計の吸着量が向上し、殺菌効果が高まっていると考えている。
液体組成物中の(A)成分と(B)成分との質量比は、(A)成分/(B)成分=0.
2以上、9以下であればより高い殺菌性を有することができる。より種々のモラクセラ属
の細菌に対してより高い殺菌性を有する点で、0.3以上、8以下が好ましく、0.4以
上、7以下がより好ましく、0.5以上、6以下がさらに好ましく、0.6以上、5以下
がよりさらに好ましく、0.7以上、4以下がよりさらに好ましく、0.8以上、3以下
がよりさらに好ましく、0.9以上、2以下がよりさらに好ましい。
該液体組成物のpHとしては、該液体組成物をJIS Z8802:2011記載の方
法により20℃で測定したpHが3以上、11以下であることが使用の容易性の点から好
ましい。pHが3以上、6未満の液体組成物、又は10以上液体組成物においては、殺菌
性が向上するためより好ましい。しかしながら、pH6以上、10以下という、微生物が
増殖しやすく、一般的な殺菌剤でも殺菌しにくい環境下においても、本発明の技術によれ
ば、効果的に殺菌でき、且つ多様な種のモラクセラ属の細菌を殺菌することができる。本
発明の効果をより享受できる点でpHは6以上9.5以下が好ましく、6.5以上、9以
下がより好ましい。
液体組成物が液体媒体として水を含む場合、水の含有量は、取り扱いの容易性の点で6
0質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ま
しい。
液体組成物中の(A)成分と(B)成分の含有量の合計は、より高い殺菌性を得る点で
、20ppm以上が好ましく、30ppm以上が好ましく、50ppm以上がより好まし
く、70ppm以上がよりさらに好ましい。経済性の点で1000ppm以下が好ましく
、800ppm以下がさらに好ましく、600ppm以下がより好ましく、400ppm
以下がよりさらに好ましく、300ppm以下がよりさらに好ましい。
液体組成物中の(C)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計のモル数に対す
る(C)成分のモル数の比として、〔(C)成分のモル数〕/〔(A)成分と(B)成分
の合計のモル数〕が1.0以下であり、0.8以下が好ましく、0.7以下がより好まし
く、0.6以下がより好ましく、0.5以下がより好ましく、0.4以下がより好ましく
、0.3以下がより好ましく、0.2以下がより好ましく、0.1以下がより好ましく、
0.05以下がより好ましく、0即ち(C)成分を含まないことがよりさらに好ましい。
本発明において、nの数が異なる複数の化合物が存在する場合には、最も含有量の多い(
C)成分のnの数で求めた分子量を用いてモル数を算出する。
〔微生物〕
本発明が適用可能な微生物は特に限定されないが、とりわけ、特開2013−1897
1号公報に記載のモラクセラ属の細菌に対してより効果的である。モラクセラ・オスロエ
ンシス及びモラクセラ・エスピーから選ばれる1種以上の細菌が本発明の対象として好ま
しい。これらの細菌は使用した衣料上に多く存在し、衣料を洗濯・脱水後〜乾くまで臭う
臭い物質の原因微生物として知られている。使用された衣料上には様々な属や種の微生物
が共存している。
〔金属イオン:任意成分〕
(A)成分と(B)成分を含む液体組成物中には、任意の成分として金属イオンを含有
することができる。金属イオンを(A)成分と(B)成分と共存させることで、殺菌性の
向上、臭い発生の抑制効果又は殺菌スペクトルを拡大させることができる。液体組成物中
で(A)成分及び(B)成分と相互作用し、殺菌性の向上、臭い発生抑制効果の向上、又
は殺菌スペクトルの拡大効果を得られる点で、液体組成物中でイオンに解離した金属イオ
ンであることが重要である。金属イオンとしては、1族の金属イオン、2族の金属イオン
及び8族の金属イオンから選ばれる1種以上の金属イオンが好ましい。本願において金属
の族は、理科年表、2010年度版、丸善(2009年10月発行)、国立天文台編、3
67頁に記載の元素の周期表(長周期型)に記載の族の分類を用いる。
1族の金属イオンの具体例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウム
イオンから選ばれる1種以上の金属イオンが挙げられる。入手性の点でナトリウムイオン
及びカリウムイオンから選ばれる1種以上の金属イオンが好ましく、ナトリウムイオンが
好ましい。2族の金属イオンの具体例としては、マグネシウムイオン及びカルシウムイオ
ンから選ばれる1種以上の金属イオンが挙げられる。8族の金属イオンとしては鉄(II)イ
オンが挙げられる。
殺菌性の向上、臭い発生の抑制効果又は殺菌スペクトルを拡大の点で、1族の金属イオ
ン及び2族の金属イオンから選ばれる1種以上の金属イオンが好ましく、2族の金属イオ
ンがより好ましい。前記金属イオンの対イオンとしては、一般的に入手できるものが使用
できる。具体的には、塩素イオン、炭酸イオン、硫酸イオン及び硝酸イオンから選ばれる
1種以上のイオンが挙げられる。
液体組成物中の金属イオンの含有量は、実施例に記載の方法により求められる殺菌活性
値が2.0以上になるのに充分な量を含有させれば良い、具体的な含有量は微生物の種類
によって異なるが、該殺菌活性値が2.0以上になる量を簡易に求めることができる。1
族の金属イオンの場合には、より高い殺菌効果を得る点で、液体組成物中の3mM以上含
有することが好ましく、4mM以上がより好ましく、5mM以上がさらに好ましく、10
mM以上がよりさらに好ましく、15mM以上がよりさらに好ましく、20mM以上がよ
りさらに好ましい。経済性の点で、100mM以下が好ましく、50mM以下がより好ま
しく、30mM以下がよりさらに好ましい。
2族の金属イオン又は8族の金属イオンを使用する場合には、より高い殺菌効果を得る
点で、液体組成物中にそれぞれ0.01mM以上が好ましく、0.02mM以上がより好
ましく、0.03mM以上がさらに好ましく、0.05mM以上がよりさらに好ましく、
0.07mM以上がよりさらに好ましく、0.1mM以上がよりさらに好ましい。経済性
の点で、100mM以下が好ましく、50mM以下がより好ましく、30mM以下がより
さらに好ましい。
〔殺菌方法〕
本発明の殺菌方法は、(A)成分、(B)成分及び液体媒体を含有してなる液体組成物
とモラクセラ属の細菌とを接触させる工程を含む。液体組成物には上記(C)成分がさら
に含まれていても構わないが、殺菌効果の観点から(C)成分を含まないことがより好ま
しい。接触工程における液体組成物の温度は、殺菌効果の点で、0℃以上、40℃以下が
好ましい。本発明の殺菌方法を用いれば、より低い温度でも殺菌効果を得ることができる
。本発明による殺菌効果を実感しやすい点において、35℃以下が好ましく、30℃以下
がより好ましい。殺菌の速度がより速い点で、5℃以上が好ましく、10℃以上がより好
ましい。
接触工程の時間としては、より高い殺菌効果を得る点で、2分以上が好ましく、5分以
上がより好ましく、10分以上がさらに好ましく、15分以上がよりさらに好ましい。経
済性の点から60分以下が好ましく、30以下がより好ましく、20分以下がさらに好ま
しい。
モラクセラ属の細菌の殺菌方法の発明においては、かかる殺菌活性値の数値が高い方が
好ましく、殺菌活性値が0.5以上向上していれば、有意に殺菌性能が向上していると理
解することができ、本明細書においては、実施例に記載の方法で求められる殺菌活性値が
2.0以上であることを合格とし、好ましくは5.0以上、より好ましくは6.0以上で
ある。
本発明の殺菌方法の具体的な態様としては、以下のものが挙げられる。
少なくとも(A)成分、(B)成分及び液体媒体から構成される成分を混合して液体組
成物を調製し、好ましくは、0℃以上、40℃以下の温度に設定する。次いで、例えば洗
濯後の衣料を液体組成物に好ましくは2分以上、60分以下浸漬する。かかる操作を行う
ことにより、衣料に存在するモラクセラ属の細菌を殺菌することができる。
〔(A)成分又は(B)成分のモラクセラ属の細菌に対する殺菌力の向上方法〕
本願では、(A)成分及び(B)成分を併用することで、(A)成分又は(B)成分の
モラクセラ属の細菌に対する殺菌力を向上させる方法を提供することができる。上記(C
)成分をさらに併用しても構わないが、殺菌効果の観点から(C)成分を併用しないこと
がより好ましい。
より具体的には、殺菌力の向上方法(1)として、(A)成分及び(B)成分を液体媒
体と併用させることで、(A)成分又は(B)成分のみによるモラクセラ属の細菌に対す
る殺菌力をより向上させることができる。殺菌力の向上方法(2)として、(A)成分及
び(B)成分から選ばれるいずれかの成分並びにモラクセラ属の細菌のを含有する系に、
残りの成分を含有させるという方法が挙げられる。
モラクセラ属の細菌に対する殺菌力の向上方法は、実施例に記載の方法により求められ
る殺菌活性値を0.5以上向上させる方法であり、好ましくは1.0以上向上させる方法
であり、2.0以上が好ましく、3.0以上がより好ましく、4.0以上がさらに好まし
く、5.0以上がよりさらに好ましい。
〔(A)成分又は(B)成分のモラクセラ属の細菌に対する殺菌スペクトルの拡大方法〕
本願では、(A)成分及び(B)成分を併用することで、(A)成分又は(B)成分の
モラクセラ属の細菌に対する殺菌スペクトルを拡大する方法を提供することができる。上
記(C)成分をさらに併用しても構わないが、殺菌効果の観点から(C)成分を併用しな
いことがより好ましい。
(A)成分又は(B)成分を使用して、2価の金属イオンをさらに使用したり、微生物
と接触させた時のpHを下げることで、殺菌性が向上することは公知技術として知られて
いる。しかしながら、公知技術では、同じモラクセラ属に属する細菌でも、種によっては
、殺菌できるモラクセラ属の細菌と、殺菌できないモラクセラ属の細菌が存在することが
明らかとなった。そこで、本明細書においては、(A)成分と(B)成分を併用すること
により、殺菌できる属ならびに種が拡大できることを明らかにした。
〔衣料の抑臭方法〕
本明細書では、(A)成分、(B)成分及び液体媒体を含有してなる液体組成物と衣料
とを接触させる工程を有する衣料の抑臭方法を提供する。上記(C)成分をさらに併用し
ても構わないが、抑臭効果の観点から(C)成分を併用しないことがより好ましい。
本明細書における衣料の抑臭とは、前記液体組成物と着用などで使用した衣料とを接触
させ、衣料が乾燥した後に再度水が衣料に付着した際に発生する衣料からの臭いが抑制さ
れることを意味する。本発明の実施者は、例えば着用により使用した衣料を、前記液体組
成物を用いて接触させ、乾燥させることで、衣料を再度着用し、発汗による水で衣料が再
度濡れた場合に発生する臭いを抑制でき、快適に生活することができる。
前記液体組成物と衣料とを接触させる場合、液体組成物の体積(リットル)と衣料の質
量(kg)の比(浴比)として、〔液体組成物の体積(リットル)〕/〔衣料の質量(k
g)〕=1以上、50以下であることが、衣料に抑臭効果を付与する点で好ましい。衣料
全体に均一に抑臭効果を付与する点で、2以上が好ましく、5以上がより好ましく、10
以上がさらに好ましい。液体組成物の量が少なくて済む経済性の点で、40以下が好まし
く、30以下がより好ましい。
前記液体組成物と衣料との接触工程の温度は、抑臭効果の点で、0℃以上、40℃以下
が好ましい。本発明の抑臭方法を用いれば、より低い温度でも衣料に抑臭効果を付与する
ことができる。本発明の抑臭効果を実感しやすい点において、35℃以下が好ましく、3
0℃以下がより好ましい。抑臭効果をより高める点で、5℃以上が好ましく、10℃以上
がより好ましい。
前記接触工程の時間としては、より高い抑臭効果を得る点で、2分以上が好ましく、5
分以上がより好ましく、10分以上がさらに好ましく、15分以上がよりさらに好ましい
。経済性の点から60分以下が好ましく、30以下がより好ましく、20分以下がさらに
好ましい。
以下、本発明を実施例等に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例等により何ら限
定されるものではない。
以下の実施例等で使用した成分を下記に示す。
(A)成分:アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(デシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム/ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム/ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム/トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム=10/30/35/25(質量比)
、分子量:346.5)
(B)成分:アルキル硫酸エステルナトリウム(ラウリル硫酸エステルナトリウム/
ミリスチル硫酸エステルナトリウム/パルミチル硫酸エステルナトリウム=55/35/
10(質量比)、分子量:303.4)
(C)成分:前記一般式(1)において、各基が以下の化合物。
(c−1):R1基がラウリル基、AO基がエチレンオキシ基及びnが8の化合物(分
子量:538)
(c−2):R1基がラウリル基、AO基がエチレンオキシ基及びnが3の化合物(分
子量:318)
(c−3):R1基がラウリル基、AO基がエチレンオキシ基及びnが1の化合物(分
子量:230)
(c−4):R1基がラウリル基、AO基がエチレンオキシ基、nが2〜18までの複
数の化合物を含む混合物であって、質量基準で最も含有量が多い化合物のnの数が15で
あるもの(nが15の化合物の分子量:846)
なお、(c−4)成分をガスクロマトグラフィーで分析して得られたチャートの面積%
をその化合物の質量%とみなして、(c−4)中の混合物における各化合物の分布を求め
た。結果は次の通りであった。
n=2の化合物:0.3質量%
n=3の化合物:0.5質量%
n=4の化合物:0.6質量%
n=5の化合物:0.9質量%
n=6の化合物:1.3質量%
n=7の化合物:1.9質量%
n=8の化合物:2.7質量%
n=9の化合物:3.9質量%
n=10の化合物:5.5質量%
n=11の化合物:7.5質量%
n=12の化合物:10.0質量%
n=13の化合物:13.0質量%
n=14の化合物:15.5質量%
n=15の化合物:15.6質量%
n=16の化合物:11.7質量%
n=17の化合物:6.5質量%
n=18の化合物:2.6質量%
実施例1〜5、比較例1〜2
以下の実験では、殺菌対象としてモラクセラ・エスピー4−9株(分離株)を用いて、
(A)成分と(B)成分との質量比と殺菌活性値の関係を調べた。
〔液体組成物の調製〕
イオン交換水(0°DH)に下記の濃厚硬度調整水を添加して、硬度を10°DHに調
整した。次に、この水1リットルあたり炭酸水素ナトリウムを0.16g及び1M塩酸水
溶液を0.3g添加した。次に、pHを0.1N NaOH水溶液で調整し、20℃にお
けるpHが9.0の液体媒体を得た。
この液体媒体に、(A)成分と(B)成分との合計含有量が200ppmで、(A)成
分と(B)成分との質量比が表1に記載の値になるように、(A)成分と(B)成分とを
添加し、均一な水溶液となるように撹拌して液体組成物を得た。この液体組成物中の20
℃におけるpHは8.0であり、カルシウムイオンは1.1mMであり、且つマグネシウ
ムイオンは0.7mMであった。
なお、濃厚硬度調整水は、上記のものとは別のイオン交換水に、塩化カルシウム(無水
)を66.7g/L、塩化マグネシウム(6水和物)を29.6g/Lとなるように添加
して調製されたものであった。この濃厚硬度調整水におけるCa/Mg比(質量比)は4
/1であり、硬度は4000°DHであった。
〔殺菌活性値の測定〕
テストチューブに前記の液体組成物の10mLを入れ、そこに、微生物液を100μL
添加し、液体組成物中の最終菌濃度が、1.0×107CFU/mLになるように試験液
を調製した。テストチューブミキサーにて150r/minで15分間攪拌した。液体組
成物と微生物液は予め25℃に調整し、撹拌操作も25℃の環境下で行った。なお、微生
物液の調製方法としては、供試細菌の種類と最終菌濃度の点以外は、下記の〔評価用衣料
の作製〕で説明した調製方法と同じ方法を採用した。
次いで、試験液から500μLを分取し、4500μLのLP希釈液(日本製薬(株)
製)に懸濁することで試験液を不活化した。不活化された試験液を10倍に希釈し、SC
DLP寒天培地にて混釈後、37℃にて静置培養(24時間)を行った。培地上に現れた
コロニー数を計測し、コロニー数の常用対数値を算出した。この値を「常用対数値(試験
液)」とした。
液体組成物の代わりに液体媒体を用いて、同様に微生物液の添加、撹拌、希釈及び培養
を行って、培地上に現れたコロニー数を計測し、コロニー数の常用対数値を算出した。こ
の値を「常用対数値(ブランク)」とした。
〔(常用対数値(ブランク)〕とそれぞれの実施例(又は比較例)における〔(常用対
数値(試験液)〕との差を、それぞれの実施例(又は比較例)における殺菌活性値とした
。殺菌活性値の値が大きいほどその液体組成物の殺菌効果が高いことを意味し、本明細書
においては殺菌活性値が2.0以上の例を合格と判断した。
Figure 0006670819
表1から、(A)成分のみ(比較例1)又は(B)成分のみ(比較例2)を含有した液
体組成物中でモラクセラ属の細菌を接触させるよりも、(A)成分及び(B)成分の両方
を含有した液体組成物中でモラクセラ属の細菌を接触させる方が、高い殺菌効果が達成で
きることが分かった。さらに、(A)成分と(B)成分とを併用することで、それぞれの
成分を単独で使用するよりも殺菌力を向上できることが分かった。
試験例1〜7
以下の実験では、殺菌対象のモラクセラ属の細菌の種類、(A)成分と(B)成分との
質量比及び(A)成分と(B)成分の合計含有量を表2に記載のように設定して、実施例
1と同じ方法で実験を行った。結果を表2に示す。表2の「殺菌活性値」の欄において、
「0*」のカラムは液体組成物中に(A)成分が含まれない場合(「(B)成分のみ」と
略記する。)の値であり、「100/0*」のカラムは液体組成物中に(B)成分が含ま
れない場合(「(A)成分のみ」と略記する。)の値である。
Figure 0006670819
試験例1〜3で使用したモラクセラ属の細菌の株は、(A)成分による殺菌効果が高い
種であった。そして、(A)成分と(B)成分の合計含有量を、(B)成分のみではあま
り殺菌効果が見られない程度の量に設定した。表2からは、そのような低濃度の含有量に
おいても、(A)成分と(B)成分を併用することで殺菌活性値が2.0を超えており、
十分な殺菌効果が発揮されていることが分かった。さらに、(A)成分と(B)成分を特
定の比率の範囲内とすることで、(B)成分の殺菌力が向上していることが分かる。
試験例4〜7では、(A)成分と(B)成分の合計含有量を揃えて、モラクセラ属の異
なる4種の菌株に対する殺菌活性値を試験した。(B)成分のみではモラクセラ・エスピ
ー101A株に対してのみ有効であり(試験例4)、また(A)成分のみではモラクセラ
・エスピー4−9株が殺菌されていない(試験例6)ことが分かった。しかし、(A)成
分と(B)成分を併用することで、モラクセラ属の異なる4種の菌株の全てに対する殺菌
活性値を2.0以上とすることができ、このことから、両者を併用することによって、(
A)成分単独又は(B)成分単独による殺菌スペクトルを拡大できることが分かった。
実施例6、比較例3〜5
以下の実験では、(A)成分と(B)成分を併用することで、衣料から発生する臭いを
抑える効果、すなわち抑臭効果が生じるかどうかについて検討した。
表3に示す組成の組成物A〜Dを調製した。
次いで、組成物A、C及びDのそれぞれについて、(A)成分と(B)成分の合計含有
量が250ppmとなるようにイオン交換水で希釈して、液体組成物を調製した。得られ
る液体組成物において、マグネシウムとカルシウムの質量比率がマグネシウム/カルシウ
ム=2/8となるように、かつ硬度が5°DHとなるように、塩化マグネシウム及び塩化
カルシウムを添加した。組成物Bについては、上記と同じマグネシウムとカルシウムの質
量比率・硬度となるように、塩化マグネシウム及び塩化カルシウムを添加し、イオン交換
水で希釈して、液体組成物を得た。得られたそれぞれの液体組成物の20℃におけるpH
は8.5であった。
次いで、200mL容器に25℃の液体組成物100mL及び5cm×5cmに切断し
た下記の評価用衣料を5枚入れ、さらに浴比が15になるように、5cm×5cmに裁断
した綿メリヤス布を入れた。次いで、往復振とう培養機を用いて、150往復/min、
25℃の条件下で、10分間、評価用衣料と液体組成物とを接触させた。その後、評価用
衣料を取り出し、液体組成物に浸漬する前の評価用衣料の質量の1.3倍の質量になるよ
うに手で絞って、過剰量の液体組成物を除いた。
絞られた後の評価用衣料を吊り下げた状態で、23℃、50%RHの環境下で12時間
静置した。その後、評価用衣料1枚に対して0.1gのイオン交換水が付着するように、
スプレーバイアルを用いて、イオン交換水を評価用衣料に噴霧した。水が付着した評価用
衣料を滅菌シャーレに入れて蓋をした後、25℃で1時間静置した。その後、評価用衣料
について、香料評価の訓練を受けた専門評価者5人により、評価用衣料から発生する臭い
の強さを下記の基準で評価し、平均値を求めた。なお、平均値が3.2以上のものを合格
とした。
〔臭いの強さの評価基準〕
組成物Bを含有する液体組成物を用いて処理した評価用衣料から発生する臭いが最も強
かったため、この場合の臭気を1として、次のようにランク付けした。
1:組成物Bの場合と同等の強い臭いを感じる。
2:組成物Bの場合と同様の臭いを感じるが、臭いの強さはやや弱い。
3:組成物Bの場合と同様の臭いをわずかに感じる。
4:評価用衣料からの臭いは殆ど感じられない。
〔評価用衣料の作製〕
なお、評価用衣料は次のようにして作製した。
SCDLP寒天培地(和光純薬社製)にモラクセラ・エスピー4−1株(分離株)を供
試細菌として塗抹し、35℃で24時間静置培養を行った。培養後の菌体を遠心分離(8
000×g、10分)にかけて上清を取り除いた後、生理食塩水5mLに懸濁し、再度遠
心分離(8000×g、10分)にかけて上清を取り除き、生理食塩水を用いてOD600
=1.0(約108CFU/mL)となるようにして微生物液を調製した。
家庭の中で使用と洗濯を繰り返した木綿の中古タオルを5cm×5cmの正方形に切断
し滅菌したものを用意した。この断片1枚あたり前記微生物液0.1mLを植菌し、37
℃、80%RHの環境下で24時間静置したものを評価用衣料とした。
Figure 0006670819
その結果、(A)成分と(B)成分を含む組成物Aを用いた実施例6は、臭気がほとん
ど感じられず、優れた抑臭効果を発揮することが分かった。一方で、比較例4〜5では、
抑臭効果がほとんど認められなかった。
試験例8〜16
以下の実験では、殺菌対象のモラクセラ属の細菌としてモラクセラ・エスピー4−1株
(分離株)を用いて、(A)成分と(B)成分との質量比を1に設定し、液体組成物中の
(A)成分と(B)成分の合計の含有量を250ppmに設定して、さらに表4に示すよ
うに(C)成分の種類や(A)成分と(B)成分の合計のモル数に対する(C)成分のモ
ル数の比と殺菌活性値の関係を調べた。試験方法としては、実施例1と同じ方法で実験を
行った。
Figure 0006670819
試験例8〜12を見ると、(A)成分と(B)成分の合計のモル数に対する(C)成分
のモル数の比が0に近い程、高い殺菌活性値を示すことが分かった。
試験例12〜14又は試験例11と15を見ると、(C)成分のアルキレンオキシ基の
数が大きい程、殺菌活性値が低くなり、殺菌性が低下していることが分かった。
試験例16から、複数の化合物から構成される混合物を(C)成分として用いた場合で
あっても、一定の殺菌活性を発揮することが分かった。
本発明の方法は、洗濯後の衣料の臭いを抑制する衣料用消臭剤の分野に好適に用いられ
る。

Claims (4)

  1. 下記の(A)成分、(B)成分、(C)成分及び液体媒体を含有してなる液体組成物とモラクセラ属の細菌とを接触させる工程を含み、(C)成分と、(A)成分と(B)成分の合計とのモル比が〔(C)成分のモル数〕/〔(A)成分と(B)成分の合計のモル数〕で0.2以上1.0以下であり、液体組成物のpHが6以上9以下である、モラクセラ属の細菌の殺菌方法:
    (A)成分:アルキルベンゼンスルホン酸塩
    (B)成分:アルキル硫酸エステル塩
    (C)成分:下記一般式(1)で表される化合物
    1O−(AO)n−H (1)
    〔式中、R1基は、炭素数10以上、16以下の炭化水素基、AO基は、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基、nは1以上、20以下の数である。〕。
  2. 液体組成物中の(A)成分と(B)成分との質量比が、(A)成分/(B)成分=0.2以上、9以下である、請求項1記載の殺菌方法。
  3. 液体組成物中の(A)成分と(B)成分の含有量の合計が、20ppm以上、1000ppm以下である、請求項1又は2記載の殺菌方法。
  4. (A)成分のアルキル基の炭素数が10以上、16以下であり、(B)成分のアルキル基の炭素数が10以上、16以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の殺菌方法。
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