従来、光TDM技術を用いたネットワークとして、例えばPONがブロードバンドアクセス網を構成する一手段として検討又は導入されている。PONは、光ファイバ網の途中に分岐装置(光カプラ)が挿入された、1本の光ファイバが複数の加入者で共有可能な光ネットワークである。但し、上述したOLTが新規ONUとの距離を測定してID(ONUの識別子)を付与し新規ONUを登録する処理を、以降、IEEE系のPONにおける呼称であるディスカバリ処理と称す。
ブロードバンドアクセス網におけるPONでは、局舎に配置されるOLTと、ユーザ宅に配置されるONUとが光ファイバ及び光カプラを介して接続される。通常、1台のOLTに対して複数台のONUが接続され、このOLT−ONU間において、TDM又はTDMA(Time Division Multiple Access)を適用して光の領域でデータの多重分離を行いつつデータを伝送することにより、光ファイバ心線やOLT等のリソースが複数ユーザで共用可能となっている。なお、OLTは局舎側の光回線終端装置であり、ONUは、ユーザ宅側の光回線終端装置としての加入者装置である。
PONの物理トポロジとしては、ツリー構成が多く採用されているが、リング構成も検討されている。
図5はリングトポロジにPONを適用した場合の光集線ネットワークシステム10の構成を示すブロック図である。
図5に示す光集線ネットワークシステム10は、代表ノードとしての光伝送装置11と、ノードとしての複数の光伝送装置12,13,14とが、物理的に独立した2本の信号伝送路としての第1光ファイバ(第1光伝送路)16及び第2光ファイバ(第2光伝送路)17によってリング状に接続されている。この2本のリング状の光ファイバ16,17の伝送路によって、互いに異なる方向(相反方向)又は同一方向の、右回り方向と左回り方向にデータを伝送できる。なお、光伝送装置11は代表ノード11とも称し、各光伝送装置12,13,14はノード12,13,14とも称す。
代表ノード11は、複数のIO(入出力処理)部20a〜20nと、OLT21と、光多重分離部23a,23bとを備えて構成されている。OLT21は、SW(スイッチ)部25と、OSU(Optical Subscriber Unit)26a,26bと、DWBA(Dynamic Wavelength and Bandwidth Assignment)機能部27とを備えて構成されている。
ノード12,13,14は何れも同構成であり、ノード13に代表して示すように、光多重分離部31a,31bと、ONU(Optical Network Unit)32a,32bと、SW部33と、複数のIO部34a〜34nとを備えて構成されている。
代表ノード11において、複数のIO部20a〜20nは、代表ノード11の外部の複数のホストコンピュータ(ホストともいう)41a〜41nと1対1で接続され、ホスト41a〜41nと信号送受信を行う。ノード13においても、上記と同じ複数のIO部34a〜34nに、ノード13の外部の複数のホスト43a〜43nが、1対1で接続されている。他のノード12,14においても、同様に図示せぬIO部にホスト42a〜42n,44a〜44n(図示は1つのみ)が1対1で接続されている。
代表ノード11のIO部20a〜20nは、ホスト41a〜41nから送信されて来たクライアント信号(又はクライアントデータ)を終端してSW部25へ送信し、また、SW部25からの信号をクライアント信号としてホスト41a〜41nへ送信する。
SW部25は、通常の電気パケットスイッチであり、L2−SW(レイヤ2スイッチ)と同等なスイッチである。このSW部25は、事前に設定されたMACアドレス(Media Access Control address)とポートとの対応テーブルに従い、MACアドレスによる宛先のホスト(例えば41a)へ、OSU26aからのパケットデータをSW部25及びIO部20aを介して転送する。
OSU26a,26bは、PDS(Passive Double Star)方式の光回線終端装置である。このOSU26a,26bは、ノード12〜14のONU32a,32bからの光バーストデータを受信してSW部25へ出力し、また、SW部25からのパケットデータを受け取り、ONU32a,32bへ光データ送信する。この構成では、OSU26a,26bとONU32a,32b間がPON区間となっている。なお、光データ送信(又は伝送)を、単にデータ送信(又は伝送)ともいう。
DWBA機能部27は、動的波長帯域割当の機能を有する。動的波長帯域割当とは、ノード12〜14のONU32a,32bに対して複数波長を総合した総帯域を効率良く分配すべく、動的な波長切替も考慮しながらトラヒック量に応じて動的に帯域を割り当てることである。
代表ノード11の光多重分離部23a,23bは、第1及び第2光ファイバ16,17を介して伝送される光信号としてのデータに対して、多重化、分離、スルー(通過)の何れかの処理を行う。例えば、光多重分離部23aは、OSU26aからのパケットデータを多重化して第1光ファイバ16を介してノード12へ伝送し、この伝送と異なる波長によるノード12からの第1光ファイバ16を介した光バーストデータを分離してOSU26aへ出力する処理を行う。
ノード12〜14における光多重分離部31a,31bも、上記同様に多重化、分離、スルーの何れかの処理を行う。例えば、ノード13の光多重分離部31aは、ONU32aからのパケットデータを多重化して第1光ファイバ16を介してノード12へ伝送する。ノード13の光多重分離部31aは、ノード14からの光バーストデータを分離してONU32aへ出力し、又は、ノード14からの光バーストデータをスルーしてノード12へ伝送する処理を行う。
ONU32a,32bは、PONに係るデータの送受信を行う。このONU32a,32bは、代表ノード11のOSU26a,26bからの光データを受信してSW部33へ出力し、また、SW部33からのパケットデータを受信して、OSU26a,26bへ光バースト送信する。IO部34a〜34nは、ホスト43a〜43nから送信されて来たクライアント信号を終端してSW部33へ送信し、また、SW部33からの信号をクライアント信号としてホスト43a〜43nへ送信する。
このような構成のシステム10において、例えば図6に示すノード13のONU32aが、ホスト43aからの受信データをOLT21へ送信する場合、制御信号としてのトラフィック通知信号(後述)及び帯域割当結果通知信号(後述)を、ONU32aとOLT21間で送受信した後に、その受信データをOLT21へ送信する。これは、他のノード12,14のONU32aにおいても同様である。この通信動作は、動的帯域割当を行った際のデータ伝送である。
トラフィック通知信号は、ONU32aがホスト43aから受信するデータのトラフィック量をOLT21へ通知する信号であり、トラフィック量が書き込まれる。
帯域割当結果通知信号は、OLT21が、トラフィック通知信号を受信後に、後述のDBA(dynamic bandwidth allocation:動的帯域割当)演算により割り当てられた帯域を該当ONU32aへ通知する信号である。DBA演算とは、トラフィック量に応じた帯域を動的に割り当てる演算であり、ここでは、トラフィック通知信号に含まれるトラフィック量に応じた帯域を動的に割り当てる処理を行う。この帯域割当結果通知信号は、ノード31への割当帯域が書き込まれる。
ONU32aは、帯域割当結果通知信号で通知される割当帯域を使用してホスト43aからの受信データを、OLT21へ送信する。
次に、動的帯域割当を行った際のデータ伝送によって、ONU32aが、ホスト43aからのデータを受信後にOLT21へ送信するまでの動作を、図6に示すシーケンス図を参照して説明する。
時刻t1において、ノード13のONU32aが、ホスト43aからのデータを受信したとする。この受信後、ONU32aが、受信データのトラフィック量をトラフィック通知信号に書き込んで、時刻t2において、第1光ファイバ16を介してOLT21へ送信する。この送信されたトラフィック通知信号は、時刻t3において、OLT21で受信される。この受信後、OLT21のOSU26a(図5)は、DBA演算によって、トラフィック通知信号を送信してきたノード13への割当帯域を演算し、この帯域を、帯域割当結果通知信号に書き込み、時刻t5において、第1光ファイバ16を介して該当ONU32aへ送信する。DBA演算の時間taは、時刻t3〜t5間の時間であるとする。
その送信された帯域割当結果通知信号は、時刻t6においてONU32aで受信される。ここで、ONU32aは、上記時刻t2でのトラフィック通知信号の送信後、時刻t4でホスト43aからデータD2を受信しているとする。このため、ONU32aは、時刻t2〜t7で受信したデータに係るトラフィック量が書き込まれたトラフィック通知信号をOLT21へ送信する。このトラフィック通知信号は、時刻t2での最初の送信以降、一定間隔でOLT21へ送信される。
この送信されたデータD2に係るトラフィック通知信号は、時刻t8においてOLT21で受信されて、DBA演算が行われる。ここで、前回のDBA演算の開始時刻t3から、今回のDBA演算の開始時刻t8の間の時間TがDBA周期となる。なお、時刻t6〜t13間の時間もDBA周期Tとなる。
一方、ONU32aは、上記時刻t6での帯域割当結果通知信号の受信後に、上記時刻t1でホスト43aから受信したデータD1を、その帯域割当結果通知信号で示される割当帯域にて、時刻t9においてOLT21へ送信する。ここで、データD1の受信時刻t1から、データD1の送信時刻t9の間の時間tcが、ONU32aのデータD1の受信から送信までの待ち時間となる。
上記時刻t9で送信されたデータD1は、時刻t10においてOLT21で受信される。OLT21は、受信データD1を時刻t11でホスト41aへ送信する。また、OLT21は、上記時刻t8で受信したトラフィック通知信号に基づきDBA演算を行って割当帯域を求め、この割当帯域を帯域割当結果通知信号に書き込み、時刻t12において該当ONU32aへ送信する。この送信された帯域割当結果通知信号が時刻t13において、ONU32aで受信され、その割当帯域でデータD2が時刻t16にてOLT21へ送信される。OLT21は、時刻t17でデータD2を受信し、時刻t18でホスト41aへ送信する。
なお、ONU32aは、上記時刻t16でのデータD2の送信前に、時刻t14において、一定周期のトラフィック通知信号をOLT21へ送信しており、時刻t15でOLT21が受信しているとする。
このような動的帯域割当を行った際のデータ伝送での通信においては、ONU32aがホスト43aからのデータ(例えばデータD1)を受信後に、トラフィック通知信号を送信し、OLT21でのDBA演算(演算時間ta)を経た帯域割当結果通知信号の受信後に、データD1をOLT21へ送信するようになっている。
一方、ONU32aからのデータ伝送の帯域を100Mbps等に固定する固定帯域割当モードによる通信もある。この固定帯域割当モードでは、帯域が固定されるのでOLT21でのDBA演算は無く、OLT21からONU32aへ送信される制御信号に一定周期のデータ送信タイミングが格納されている。このため、ONU32aはホスト43aからの受信データを一定周期のタイミングでOLT21へ送信する。
PONでは、新規のONUが増設された際に、プラグ&プレイにより新規ONUがネットワークに接続された際に自動的に使用可能となるように設計されている。この自動的な使用を可能とするために、OLTが、新規ONUとの距離に相当するRTT(Round-TripTime)をレンジング処理により測定して、新規ONUの接続情報を登録するディスカバリ処理が行われるようになっている。RTT処理とは、OLTが通信相手のOSU等に信号を発信してから応答が帰ってくるまでに掛かる時間を測定して、OSUとの距離を測定するものである。
図7に従来のOLTとONU間のディスカバリ動作のシーケンス図を示し、その説明を行う。図7に符号32aで既存ONUを示し、符号32cで新規ONUを示す。
前提条件として、破線で示す新規ONU32cが、ノード13内に新規に増設され、この際、新規ONU32cにホスト43bが接続されたとする。なお、新規にノード及びONUの双方が増設される場合もある。また、以降の説明において、ディスカバリをDisと省略する場合もある。
時刻t21において、既存ONU32aが、ホスト43aからのデータD1を受信したとする。この後、OLT21が、時刻t22において、ディスカバリゲート信号(Disゲート信号)を第1光ファイバ16を介してONU側へ送信したとする。Disゲート信号には、新規ONU32cをディスカバリ処理で検索するためのディスカバリ実行指示情報(Dis実行指示情報)と、送信禁止指示情報とが格納される。この送信禁止を指示する他に、送信指示を与えないで送信禁止状態を作り出すという方法でもよい。送信禁止指示情報は、OLT21が新規ONU32cとの間でディスカバリ処理を実行可能とする時間(期間)である。言い換えれば、既存ONU32aをデータ送信禁止状態とするための情報である。
OLT21から送信されたDisゲート信号は、時刻t22aにおいて、新規ONU32c及び既存ONU32aで受信される。既存ONU32aは、Disゲート信号内の送信禁止指示情報を受信した時刻t22aから送信禁止状態となる。この送信禁止指示情報を受信して送信禁止状態とする方法は、一例であって、上述したように、送信指示が来ない状態としても送信禁止状態を作り出すことができる。この送信禁止状態は、後述のように割当帯域及びデータの送信タイミングを格納したゲート信号を受信する時刻27aまでの間、送信禁止期間(時刻t22a〜27a)として継続する。
つまり、OLT21は、ONU側へDisゲート信号を送信(時刻t22)後に、既存ONU32aを送信禁止状態とし、ディスカバリ処理を実行可能な時間経過後に、既存ONU32aへゲート信号を送信(時刻t27)して送信禁止状態を解除する。言い換えれば、Disゲート信号の受信時刻t22aと、ゲート信号の受信時刻t27aとの間の時間帯に、既存ONU32aのデータ送信禁止期間を設定する。
一方、新規ONU32cは、時刻t22aでDisゲート信号内のDis実行指示情報を受信すると、時刻t24において、ディスカバリリクエスト信号(Disリクエスト信号)をOLT21へ送信する。Disリクエスト信号は、新規ONU32cがノード13に新規に接続設定された際の接続通知情報が格納されている。なお、ディスカバリリクエスト信号の呼称は一例である。
OLT21は、時刻t24aでDisリクエスト信号を受信すると、その中の接続通知情報から、新規ONU32cに係る接続情報を図示せぬ記憶手段に記憶する。更に、OLT21は、その記憶された新規ONU32cの接続情報をレジスタ信号に格納し、時刻t25において新規ONU32cへ送信する。この送信されたレジスタ信号が、時刻t25aにおいて新規ONU32cで受信されると、新規ONU32cは、そのレジスタ信号中の自ONU32cの接続情報を図示せぬ記憶手段に記憶して設定する。なお、レジスタ信号の呼称は一例である。
一方、レジスタ信号を送信したOLT21は、時刻t26において、接続情報設定確認を行うゲート信号を新規ONU32cへ送信する。このゲート信号を時刻t26aで受信した新規ONU32cは、接続情報設定の確認を行い、設定済みであれば、設定済み情報を格納したレジスタ応答信号を、時刻t28において送信する。このレジスタ応答信号は、時刻t28aにおいて、OLT21で受信される。なお、レジスタ応答信号の呼称は一例である。
一方、OLT21は、上記時刻t26でゲート信号を送信した直後の時刻t27において、既存ONU32aへ、当該既存ONU32aに対する割当帯域及び送信タイミングを格納したゲート信号を送信する。このゲート信号が時刻t27aにて既存ONU32aで受信されると、既存ONU32aは、送信禁止状態を解除する。この解除によりデータ送信が可能となる。この後、時刻t29において、既存ONU32aは、ホスト43aから受信したデータD1をOLT21へ送信し、この後、時刻t30において、データD2を送信する。これら送信されたデータD1は、時刻t29aにてOLT21で受信され、時刻t29bにてホスト41aへ送信される。データD2は、時刻t30aにてOLT21で受信され、時刻t30bにてホスト41aへ送信される。
この種の従来技術として特許文献1に記載の装置がある。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
<実施形態の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る光集線ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。但し、図1に示す光集線ネットワークシステム(システム)10Aにおいて、図5に示した従来のシステム10に対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図1に示す実施形態のシステム10Aは、従来のシステム10と同様に、代表ノード11A及び複数のノード12A,13A,14Aが、物理的に独立した2本の信号伝送路としての第1光ファイバ16及び第2光ファイバ17によってリング状に接続されている。この2本のリング状の光ファイバ16,17の伝送路によって、互いに異なる方向(相反方向)又は同一方向の、右回り方向と左回り方向にデータを伝送できる。なお、光伝送装置11Aは代表ノード11Aとも称し、各光伝送装置12,13,14はノード12,13,14とも称す。
代表ノード11Aは、複数のIO部20a〜20nと、OLT21Aと、光多重分離部23a,23bとを備えて構成されている。OLT21Aは、SW部25と、複数のOSU26Aa,26Abと、DWBA機能部27Aとを備えて構成されている。DWBA機能部27Aは、制御IF(インターフェイス)28を介してSW部25に接続されると共に、各OSU26Aa,26Abにも接続されている。更に、DWBA機能部27Aは、制御IF28を介して代表ノード11Aの外部のOpS(オペレーションシステム)50に接続されている。制御IF28はIO部20a〜20nにも接続されている。
代表ノード11Aにおいて、複数のIO部20a〜20nは、背景技術で説明したように、外部装置としての複数のホストコンピュータ(ホスト)41a〜41nと1対1で接続されて、ホスト43a〜43nと信号送受信を行うSNI−LTである。これらのIO部20a〜20nは、ホスト41a〜41nから送信されて来たクライアント信号(又はクライアントデータ)を終端してSW部25へ送信し、また、SW部25からの光バーストデータをクライアント信号に変換してホスト41a〜41nへ送信する。
ノード12A〜14Aの各IO部34a〜34nにも、外部の複数のホスト42a〜42n,43a〜43n,44a〜44nが1対1で接続されている。
代表ノード11AのSW部25は、前述したように、事前に設定されたMACアドレスとポートとの対応テーブルに従い、MACアドレスによる宛先のホスト(例えば41a)へ、OSU26AaからのフレームデータをIO部20aを介して転送する。
OLT21A内のOSU26Aa,26Abは、各ノード12A〜14AのONU32Aa,32Abからの光バーストデータを受信してSW部25へ出力し、また、SW部25からのパケットデータを受け取り、各ONU32Aa,32Abへ光データ送信する。この構成では、OLT21AのOSU26Aa,26Abと各ONU32Aa,32Ab間がPON区間となっている。
図2にOSU26Aa,26Abの構成を示す。OSU26Aa,26Abは、同構成であるため、基本的には一方のOSU26Aaを代表して説明を行う。OSU26Aaは、ポート1a,1bを介してSW部25に接続されたクライアントPHY部(符号化/復号化等を行うレイヤ1の処理機能部)51と、クラシファイア部52と、バッファ部としてのキュー部52a,52bと、キュー読出部53,54と、制御情報管理部55と、RTT情報管理部56と、TS(タイムスロット)割当情報管理部57と、送信禁止時間算出部58と、データMUX(マルチプレクサ)部59と、PON−PHY部60と、OAM(Operations, Administration, Maintenance)関連処理部60aと、送信部62と、受信部63と、制御IF64とを備えて構成されている。なお、送信禁止時間算出部58を、算出部58とも称し、データMUX部59を、MUX部59とも称す。
図2には、OLT21A内のDWBA機能部27Aの構成も示す。DWBA機能部27Aは、演算結果通知部65と、DBA演算部67と、DWA(Dynamic Wavelength Allocation:動的波長割当)演算部68と、トラフィック情報保持部69と、制御IF部70とを備えて構成されている。
図3にONU32Aa,32Abの構成を示す。ONU32Aa,32Abは、同構成であるため、基本的には一方のONU32Aaを代表して説明を行う。ONU32Aaは、ポート2a,2bを介してSW部33に接続されたクライアントPHY部(符号化/復号化、等を行うレイヤ1の処理機能部)71と、クラシファイア部72と、バッファ部としてのキュー部72a,72bと、キュー読出部73,74と、キューモニタ部75と、通知信号作成部77と、トラフィック情報作成指示部78と、データMUX部(MUX部ともいう)79と、PON−PHY部80と、OAM関連処理部80aと、送信指示情報キュー部81と、送信部82と、受信部83と、制御情報管理部84と、ディスカバリゲート処理部(Disゲート処理部)85と、待ち時間設定部86と、ディスカバリリクエスト生成部(Disリクエスト生成部)87と、制御IF部88とを備えて構成されている。
ここで、システム10Aの特徴処理について説明する。
OSU26Aaの制御IF64(図2)には、パーソナルコンピュータ(パソコン)等の端末機が接続される。端末機では、保守者等の操作により、ディスカバリ処理のオン/オフ設定が可能となっている。このディスカバリ処理のオン時に、新規ONU検索が定期的に行われる。なお、パソコンでディスカバリ処理をオンとする場合、メトロ網であれば、ディスカバリ処理を実施するビルやNEを指定可能とするのが好ましい。
TS割当情報は、各ノード12A〜14Aの既存のONU32Aa(各ONU32Aa)に割り当てられたTS情報である。TS割当情報管理部57(図2)で管理されるTSの情報には、OLT21Aと各ONU32Aaとの通信に用いられるTSの内、各ONU32Aaに割り当てられた割当TS情報と、未だ何も割り当てられていない未割当TS情報と、故障時に新規ONUに交換される前の交換前ONUに割り当てられていた交換前TS情報とが含まれている。
TSについて図4を参照して更に説明する。但し、図4に符号32A4で示すONUは新規ONUであり、符号32A1,32A2,32A3で示すONUは既存ONUであるとする。割当TS情報は、既存ONU32A1のTS1と、既存ONU32A2のTS2と、既存ONU32A3のTS3とである。TS1は、時刻t41−t42間、時刻t49−t50間で示すように、所定時間間隔(例えば一定時間間隔)に割り当てられている。TS2は、時刻t42−t43間、時刻t50−t51間、TS3は、時刻t43−t44間、時刻t51−t52間で示すように、各々所定時間間隔(例えば一定時間間隔)に割り当てられている。
未割当TS情報は、TS5,TS6,TS7,TS8が該当する。交換前TS情報は、例えばTSb(図示せず)とする。更に、TS4は、後述のように新規ONU32A4に割り当てられる新規割当TSである。
図2に示すOLT21Aは、上記オン時のRTT情報(遅延情報)及びTS割当情報の取得により、RTT情報から新規ONU32A4が増設又は交換により新規に設定された状態を検知する。OLT21Aは、RTT情報からOLT21Aと新規ONU32A4間の往復遅延時間による距離を検知し、この距離(又は往復遅延時間)から新規ONU32A4の増設又は交換を検知する。つまり、既に設置されている既存ONU32A1〜32A3の距離以外の距離が検知されれば、この検知された距離のONUが新規ONU32A4として検知される。
ここで、新規ONU32A4が増設により新規に設定されたとすると、OLT21Aは、新規ONU32A4までのRTT情報に応じた未割当TS(例えば、図4に示すTS4)を、未割当TS情報の中から検索して新規ONU32A4(図4)に割り当てる。この新規に割り当てられるTS4が、新規割当TS4である。
OLT21Aは、新規割当TS4の時間幅の時刻、即ち図4の時刻t44とt45とを、送信禁止期間Pの情報として既存ONU32A1〜32A3へ通知する。この通知を受けた既存ONU32A1〜32A3は、通知時刻t44とt45の時間幅の周期タイミング(新規割当TS4に対応)をデータの送信禁止期間Pとして保持する。この保持された送信禁止期間Pは、上述したように未割当TS中の何れかに該当しており、既存ONU32A1〜32A3に割り当てられたTS割当時間帯とは異なる新規割当TS4に対応している。このため、新規ONU32A4がデータ送信中に、既存ONU32A1〜32A3のデータ送信を禁止することができる。
また、OLT21Aは、新規割当TS4の上記周期タイミングを新規ONU32A4へ通知する。この通知を受けた新規ONU32A4は、新規割当TS4の周期タイミングをデータの送信期間として保持する。この保持された送信期間は、上述したように未割当TS中の何れかに該当しており、既存ONU32A1〜32A3が使用しないTSの時間帯なので、既存ONU32A1〜32A3のデータ送信を妨げることが無くなる。
一方、新規ONU32A4が交換により新規に設定されたとすると、OLT21Aは、交換前TS情報の中から、新規ONU32A4の交換前のONU32Aaが使用していたTSb(図示せず)を新規ONU32A4に割り当てる。
但し、新規ONU32A4が交換されたものであることは、次のように検知される。例えば、あるONUのRTT情報と、これに対応付けられたONUのID番号(ONU固有情報)とが取得されたとする。この際に、取得RTT情報は既存RTT情報と同じであるが、取得ID番号は既存ID番号と異なっている場合に、その取得情報のONUが、旧ONUから新規ONUに交換されたものであることが検知できる。
上述した未割当TS情報及び交換前TS情報の双方が使用可能で何れか一方を割り当てる処理は、ブロードバンドアクセス網に適用可能である。一方、交換前TS情報のみを用いる処理は、都市レベルのエリアを対象としたメトロリング網(メトロ網)に適用可能である。
図2に示すOSU26Aa,26Abの特徴は、制御情報管理部55と、RTT情報管理部56と、TS割当情報管理部57と、送信禁止時間算出部58とを備え、後述の特徴処理を行うようにした点にある。なお、制御情報管理部55、RTT情報管理部56、TS割当情報管理部57及び送信禁止時間算出部58は、請求項記載の導出手段を構成する。
図2に示すOAM関連処理部60aは、ONU32Aa,32Abとの間で送受するOAM信号の処理を行う。OAM信号とは、ネットワークの運用・管理・保守を行うために流れる信号であり、イーサネット(登録商標)の場合は、Ethernet OAM情報(OAMフレーム)として経路に流れる。
クライアントPHY部51は、ポート1a,1bを介してホスト41a(図1)との間で送受信されるデータの符号化及び復号化等を行うレイヤ1の処理機能部である。
クラシファイア部52は、ホスト41aから受信した下りのデータ(ONU32Aaへのデータ)をキュー部52aに格納する。この格納されるデータは、キュー読出部53で読み出され、MUX部59へ入力される。
MUX部59は、その入力されるデータと、制御情報管理部55から出力される各ONU32Aaへの制御信号としてのゲート信号、ディスカバリゲート信号(Disゲート信号)及びレジスタ信号と、OAM関連処理部60aからのOAM関連情報(OAM信号)とを多重化する。この多重化されたデータ信号は、PON−PHY部60を介して送信部62から光多重分離部23a,23bを介して各ONU32Aaへ送信される下りデータとなる。
キュー部52bは、受信部63での受信後にPON−PHY部60を介して入力される各ONU32Aaからのデータを順次保持する。この保持されたデータは、キュー読出部54で順次読み出されてクライアントPHY部51からポート1b,1aを介してホスト41a(図1)へ送信される。
制御情報管理部55は、受信部63での受信後にPON−PHY部60を介して入力されるONU32Aaからのトラフィック情報を抽出し、DWBA機能部27Aのトラフィック情報保持部(保持部ともいう)69へ出力する。ここで、トラフィック情報とは、ONU32Aaがホスト43aから受信したデータのトラフィック量を示す。このトラフィック量は、ONU32Aaからトラフィック通知信号(図6参照)としてOLT21Aへ送信される。また、制御情報管理部55は、OAM関連処理部60aからの情報を、制御情報に反映する処理を行う。
DWBA機能部27Aにおいて、DBA演算部67は、保持部69に保持されたトラフィック量に応じて、ONU32Aaがデータ送信を行う際に使用する帯域(割当帯域)をDBA演算によって求め、この割当帯域を演算結果通知部65へ出力する。
DWA演算部68は、保持部69に保持されたトラフィック量に応じて、ONU32Aaがデータ送信を行う際に使用する波長(割当波長)をDBA演算によって求め、この割当波長を演算結果通知部65へ出力する。
演算結果通知部65は、割当帯域及び割当波長を制御情報管理部55へ通知する。この際、制御情報管理部55は、その通知された割当帯域及び割当波長と、ONU送信タイミングとを、制御信号としてのゲート信号に格納してONU32Aaへ送信する指示を行う。
OSU26Aaの制御IF64には、パソコン等の端末機が接続され、保守者等の端末機の操作により、ディスカバリ処理のオン/オフ設定が可能となっている。
制御情報管理部55は、上記ディスカバリ処理のオン時に、システム10A内の各ONU32AaのRTT情報と、割当中TS情報及び未割当TS情報を含むTS割当情報とを取得して管理する。この際、増設又は変更により新規に接続された新規ONU32A4の接続位置のRTT情報も取得されて管理される。
更に、制御情報管理部55は、RTT情報管理部56に、新規ONU32A4が接続された位置のRTT情報を算出部58へ出力させると共に、TS割当情報管理部57に、TS割当情報内の未割当TS情報を算出部58へ出力させる。
算出部58は、新規ONU32A4までのRTT情報に応じた未割当TSを、未割当TS情報の中から検索して、新規割当TS4(図4)とする。更に、算出部58は、新規割当TS4の時間幅の時刻t44とt45(図4)との間を送信禁止期間Pとして算出し、制御情報管理部55へ出力する。
制御情報管理部55は、新規割当TS4の時間幅の時刻t44とt45間の送信禁止期間Pの情報をDisゲート信号(図4)に格納して、新規ONU32A4及び既存ONU32A1〜32A3へ通知する。なお、送信禁止期間Pの情報は、この開始時刻又は開始タイミング(t44)と終了時刻又は終了タイミング(t45)とで表される。
制御情報管理部55は、Disゲート信号の送信後に、新規ONU32A4から、上記開始タイミング(時刻t44)で返信されて来るDisリクエスト信号(図4)を受信した際に、新規ONU32A4の新規割当TS4を含む接続情報を格納するレジスタ信号(図4)を、新規ONU32A4へ通知する。この通知後、制御情報管理部55は、新規ONU32A4への情報設定確認を行うゲート信号と、既存ONU32A1〜32A3の各々の割当帯域及び割当波長と、ONU送信タイミングとを格納するゲート信号とを該当ONU32A1〜32A4へ送信する。この送信後、制御情報管理部55は、新規ONU32A4から送信されて来たレジスタ応答信号を受信した際に、新規ONU32A4への新規割当TS4をこの周期タイミングと共に管理する。
また、制御情報管理部55は、新規ONU32A4が交換により新規に設定された場合は、交換前TS情報の中から、新規ONU32A4の交換前のONU32Aaが使用していたTSb(図示せず)を新規ONU32A4に割り当てる。この割り当てられたTSbは新規ONU32A4へ送信されて設定される。
次に、図3に示すONU32Aa,32Abの特徴は、制御情報管理部84と、Disゲート処理部85と、待ち時間設定部(設定部ともいう)86と、Disリクエスト生成部(生成部ともいう)87とを備え、後述の特徴処理を行うようにした点にある。なお、制御情報管理部84、Disゲート処理部85、待ち時間設定部86及びDisリクエスト生成部87は、請求項記載の設定手段を構成する。
クライアントPHY部71は、ポート2a,2bを介してホスト43a(図1)との間で送受信されるデータの符号化及び復号化等を行うレイヤ1の処理機能部である。
クラシファイア部72は、ホスト43aから受信したデータをバッファ部としてのキュー部72aに格納する。この格納されるデータは、キューモニタ部75でその格納量等が監視されると共に、キュー読出部73で読み出され、MUX部79へ入力される。
MUX部79は、その入力される通常のデータと、後述の通知信号作成部77で作成された通知信号である上りキュー情報、下りキュー情報、遅延情報、並びに、OAM関連処理部80aからのOAM関連情報、更には、レポート信号を多重化する。この多重化されたデータ信号は、PON−PHY部80を介して送信部82から光多重分離部31a又は31bを介してOLT21A(図1)へ送信される上りデータとなる。
トラフィック情報作成指示部78は、ホスト43aからの受信データのトラフィック量の情報をレポート信号に格納する指示を、通知信号作成部77へ出力する。
通知信号作成部77は、キューモニタ部75からの入力情報及びトラフィック情報作成指示部78からの指示情報に応じて通知信号を作成してMUX部79へ入力する。また、レポート信号をMUX部79へ入力する。
OAM関連処理部80aは、OLT21Aとの間で送受するOAM信号の処理を行う。OAM信号とは、ネットワークの運用・管理・保守を行うために流れる信号であり、イーサネット(登録商標)の場合は、OAMフレームとして経路に流れる。
一方、OLT21Aからのゲート信号等を含む下りデータは、光多重分離部31a,31bを介して受信部83で受信され、PON−PHY部80へ入力される。PON−PHY部80は、入力データからOAMフレームを分離してOAM関連処理部80aへ出力する。OAM関連処理部80aは、そのOAMフレームからOLT21Aとの間の伝送路の遅延を検出し、この検出された遅延情報をMUX部79へ入力する。この入力される遅延情報は、最終的にOLT21のDWBA機能部27(図1)へ通知される。
PON−PHY部80は、受信部83で受信されたOLT21Aからのデータをキュー部72bへ出力する。キュー部72bは、その各ONU32Aaからのデータを順次保持する。この保持されたデータは、キュー読出部74で順次読み出されてクライアントPHY部71からポート2b,2aを介してホスト43a(図1)へ送信される。
また、PON−PHY部80は、OLT21Aからの下り信号としてのDisゲート信号、レジスタ信号、ゲート信号等を含む下り制御信号が受信部83から入力された際に、下り制御信号を制御情報管理部84へ出力する。
制御情報管理部84は、下り制御信号の中のDisゲート信号をDisゲート処理部85へ出力する。
Disゲート処理部85は、Disゲート信号に格納された新規割当TS4の送信禁止期間Pの情報を設定部86へ出力する。
設定部86は、既存ONU32A1〜32A3のものであれば、入力された送信禁止期間Pの開始時刻(図4のt44)と終了時刻(図4のt45)とを検知し、この開始時刻と終了時刻とを送信禁止期間Pとして保持して設定する。一方、新規ONU32A4のものであれば、送信禁止期間Pの開始時刻(t44)でDisリクエスト信号(図4)を送信するまでの待ち時間を保持して設定、言い換えれば、Disリクエスト信号を送信する送信タイミング(t44)を保持して設定する。
生成部87は、既存ONU32A1〜32A3のものであれば、上記設定された送信禁止期間Pの時間帯では、データ送信を行わないように指示する情報を送信指示情報キュー部81に格納する。一方、生成部87は、新規ONU32A4のものであれば、上記設定された送信タイミングとなった場合に、新規ONU登録のリクエストを行うDisリクエスト信号を生成して、送信指示情報キュー部81に格納する。これにより送信指示情報キュー部81は、送信部82にDisリクエスト信号の送信指示を行い、この指示に応じてレジスタ応答信号がOLT21Aへ送信される。
また、設定部86は、OLT21Aからの新規ONU32A4の新規割当TS4(図4)を含む接続情報を格納するレジスタ信号を受信した際に、新規割当TS4を含む接続情報を保持して設定する。生成部87は、設定部86に新規割当TS4を含む接続情報が設定された際に、レジスタ応答信号を送信する指示情報を送信指示情報キュー部81へ格納する。これにより送信指示情報キュー部81は、送信部82にレジスタ応答信号の送信指示を行い、この指示に応じてレジスタ応答信号がOLT21Aへ送信される。
また、生成部87は、設定部86に新規割当TS4が設定された際に、この設定された新規割当TS4の時間幅のタイミングでデータ送信を行う指示情報を送信指示情報キュー部81へ格納する。これにより送信指示情報キュー部81は、キュー読出部73及び送信部82にデータ送信指示を行い、この指示に応じてホスト43aから受信されてキュー部72aに保持されたデータが、OLT21Aへ送信される。
また、設定部86は、交換により新規に設定された新規ONU32A4のものである場合、OLT21Aから送信されて来た、交換前のONU32Aaに割り当てられていたTSb(図示せず)を保持して設定する。生成部87は、そのTSbの時間幅のタイミングでデータ送信を行う指示情報を送信指示情報キュー部81へ格納する。
<実施形態の動作>
次に、本実施形態の光集線ネットワークシステム10Aにおいて、OLT21AのONU32Aaに対するデータ送信割当の動作を、図4のシーケンス図を参照して説明する。
まず、図2に示すOSU26Aaの制御IF64に接続されたパソコンにおいて、保守者の操作によりディスカバリ処理のオン設定が行われたとする。このオン時に、OLT21AにおけるOSU26Aaの制御情報管理部55は、システム10A内の全ONU32Aa(図1)のRTT情報及びTS割当情報を取得し、この全RTT情報からONU32A4(図4)が新規に増設された状態を検知したとする。この検知した制御情報管理部55の制御により、RTT情報管理部56から新規ONU32A4の接続位置のRTT情報が算出部58へ出力され、TS割当情報管理部57からTS割当情報内の未割当TS情報が算出部58へ出力される。
次に、算出部58は、新規ONU32A4までのRTT情報に応じた未割当TSを、未割当TS情報の中から検索して新規割当TS4とする。更に、算出部58は、新規割当TS4の時間幅の時刻t44とt45(図4)を送信禁止期間Pとして算出し、制御情報管理部55へ出力する。
制御情報管理部55は、新規割当TS4の時間幅の時刻t44とt45間の送信禁止期間Pを図4に示すDisゲート信号に格納し、時刻t42aにおいて、新規ONU32A4及び既存ONU32A1〜32A3へ送信する。この送信された送信禁止期間Pの情報が時刻t43において、新規ONU32A4及び既存ONU32A1〜32A3で受信される。
既存ONU32A1〜32A3では、受信されたDisゲート信号が、図3に示す受信部83で受信され、PON−PHY部80及び制御情報管理部84を経由してDisゲート処理部85へ出力される。Disゲート処理部85は、Disゲート信号に格納された新規割当TS4の送信禁止期間Pの情報を待ち時間設定部(設定部)86へ出力する。設定部86は、その送信禁止期間Pの情報である図4に示す開始時刻t44と終了時刻t45とを検知し、この間を、送信禁止期間Pとして設定する。この設定された送信禁止期間Pでは、既存ONU32A1〜32A3のデータ送信が禁止状態となる。
一方、新規ONU32A4では、受信されたDisゲート信号が上記同様にDisゲート処理部85に入力される。この処理部85は、図4に示す送信禁止期間Pの開始時刻t44でDisリクエスト信号を送信する送信タイミングt44を設定部86に保持して設定する。
この設定後、生成部87は、上記設定された送信タイミングの時刻t44において、新規ONU登録のリクエストを行うDisリクエスト信号を生成し、送信指示情報キュー部81へ出力することにより、送信部82からDisリクエスト信号をOLT21Aへ送信する。この送信されたDisリクエスト信号が、時刻t44bにおいて、OLT21Aで受信される。
OLT21Aの制御情報管理部55は、新規ONU32A4から送信されて来たDisリクエスト信号を基に、新規ONU32A4の新規割当TS4を含む接続情報をレジスタ信号に格納し、このレジスタ信号を、時刻t46aにおいて、新規ONU32A4へ送信する指示を行う。この指示に応じて送信されたレジスタ信号が、時刻t46bにおいて、新規ONU32A4で受信されたとする。
新規ONU32A4において、設定部86は、その受信されたレジスタ信号に基づき、新規割当TS4を保持して設定する。この新規割当TS4の設定は、時刻t52−t53間を参照する。
一方、OLT21Aの制御情報管理部55は、上記時刻t46aでレジスタ信号を送信後に、時刻t47aにおいて情報設定確認を行うゲート信号を新規ONU32A4へ送信し、時刻t48aにおいて既存ONU32A1〜32A3の各々の割当帯域及び割当波長と、ONU送信タイミングとを格納させたゲート信号を、既存ONU32A1〜32A3へ送信する。これら送信されたゲート信号は、時刻t48bにおいて新規ONU32A4で受信され、時刻t49において既存ONU32A1〜32A3で受信される。
次に、既存ONU32A1は、時刻t49−t50間のTS1において、ゲート信号中の割当帯域及び割当波長と、ONU送信タイミングとに基づき、ホスト43a(図2)から受信したデータをOLT21Aへ送信する。同様に、既存ONU32A2は、時刻t50−t51間のTS2において、データをOLT21Aへ送信し、既存ONU32A3は、時刻t51−t52間のTS3において、データをOLT21Aへ送信する。
一方、上記時刻t48bでゲート信号を受信した新規ONU32A4において、生成部87が、設定部86における新規割当TS4を含む接続情報の設定を確認すると、レジスタ応答信号を送信する指示情報を送信指示情報キュー部81へ格納する。これにより、時刻t51aにおいて、送信指示情報キュー部81の指示に応じて送信部82がレジスタ応答信号をOLT21Aへ送信する。この送信されたレジスタ信号は、時刻t51bにてOLT21Aで受信され、OLT21Aの制御情報管理部55が新規ONU32A4への新規割当TS4をこの周期タイミングと共に管理する。
この他、制御情報管理部55が、ディスカバリ処理のオン時に取得したシステム10A内の全ONU32AaのRTT情報及びTS割当情報の取得により、新規ONU32A4が交換により新規に設定されたことを検知したとする。この場合、TS割当情報内の交換前TS情報の中から、新規ONU32A4の交換前のONU32Aaが使用していたTSb(図示せず)を新規ONU32A4に割り当てる。この割り当てられたTSbは新規ONU32A4へ送信されて設定される。
上記実施形態では、OLT21Aと各ノード12A〜14AのONU32Aaとが2本の光ファイバ16,17で接続された構成で説明したが、1本の光ファイバ16又は17で接続された構成においても、同様に新規ONU32A4へのTS割当によるデータ送信を実施することが可能である。
<実施形態の効果>
以上説明した実施形態の特徴及びその効果を説明する。
本実施形態のシステム10Aは、外部装置としてのホスト41a〜41n,…,44a〜44nとの間で送受信される信号を終端し、制御主体となる光回線終端装置としてのOLT21Aを有する。このOLT21Aと、制御主体に対して客体となる光回線終端装置としてのONU32Aa,32Abを有する複数の光伝送装置としてのノード12A〜14Aとが、少なくとも1本の光伝送路としての光ファイバ16でリング状に接続されている。光ファイバ16を経由して、OLT21Aから各ノード12A〜14Aへデータが下り伝送され、各ノード12A〜14AからOLT21Aへデータが上り伝送されるようになっている。
(1)OLT21Aは、複数のノード12A〜14AのONU32Aa(各ONU32Aa)までの往復遅延時間であるRTT情報と、各ONU32Aaに割り当てられたタイムスロットを示すTSの情報であるTS割当情報とを取得する。この取得されたRTT情報の中から新規に設定された新規ONU32A4のRTT情報を検知した際に、この検知されたRTT情報に応じた未割当TSを新規割当TS4として当該新規ONU32A4に割り当てる。この割り当てられた新規割当TS4の時間幅を送信禁止期間として導出する導出手段を備える。なお、導出手段は、制御情報管理部55、RTT情報管理部56、TS割当情報管理部57及び送信禁止時間算出部58で構成されている。
ONU32Aaは、導出された送信禁止期間に対応する新規割当TS4の周期タイミングを、新規ONU32A4のデータ送信期間として設定する設定手段を備える構成とした。なお、設定手段は、制御情報管理部84、Disゲート処理部85、待ち時間設定部86及びDisリクエスト生成部87で構成されている。
この構成によれば、OLT21Aで導出された送信禁止期間に対応する新規割当TS4の周期タイミングが、新規ONU32A4に対してデータ送信期間として設定される。その新規割当TS4は、未割当TS中の何れかに該当しており、既存ONU32A1〜32A3が使用しないTSの時間帯である。このため、既存ONU32A1〜32A3のデータ送信を妨げないように、新規ONU32A4にデータ送信のための新規割当TS4を割り当てることができる。
つまり、新規ONU32A4が増設された際に、ディスカバリ処理によって、既存ONU32A1〜32A3において従来のような比較的長いデータ送信禁止期間(待ち時間)が発生することが無くなり、データ送信の待ち時間による遅延を抑制することができる。遅延が発生しないので、遅延の延びによる遅延ゆらぎも抑制することができる。従って、新規ONU32A4の設定時において、既存ONU32A1〜32A3のONU32Aaデータ伝送時の低遅延化及び低遅延揺らぎ化を実現することができる。
(2)設定手段が、新規ONU32A4以外の既存ONU32A1〜32A3に対して、導出された送信禁止期間に対応する新規割当TS4の周期タイミングをデータ送信禁止期間として設定するようにした。
この構成によれば、OLT21Aで導出された送信禁止期間に対応する新規割当TS4の周期タイミングが、既存ONU32A1〜32A3にはデータ送信禁止期間として設定される。この設定されたデータ送信禁止期間は、新規ONU32A4に対して設定された新規割当TS4と同じ周期タイミングであるため、新規ONU32A4がデータ送信を行う時には、既存ONU32A1〜32A3からはデータ送信が行われないので、確実にデータの衝突を防止することができる。
(3)導出手段は、前記取得されたRTT情報の中から、RTT情報は既存ONU32A1〜32A3のRTT情報と同じだが、ONU32Aa固有情報が既存ONU32A1〜32A3には存在しない新規ONU32A4を検知した際に、新規ONU32A4が交換により新規に設定されたことを検知し、この検知時に、交換前のONU32Aaに割り当てられていたTSを新規ONU32A4に割り当てる処理を行うようにした。
この構成によれば、新規ONU32A4が、故障した既存ONU32A1〜32A3と交換されたものである場合、その既存ONU32A1〜32A3に割り当てられていたTSを新規ONU32A4に割り当てるので、従来のような比較的長いデータ送信禁止期間(待ち時間)が発生することが無くなる。このため、新規ONU32A4の設定時において、既存ONU32A1〜32A3のONU32Aaデータ伝送時の低遅延化及び低遅延揺らぎ化を実現することができる。
その他、具体的な構成について、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。