JP6666697B2 - 大豆タンパク含有粉末組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、大豆タンパクを含有する粉末状の組成物に関する。また本発明は、大豆タンパクの食味を改善する方法に関する。
大豆タンパクは、そのゲル化能、乳化性を利用し、食品素材として広く用いられている。また、大豆タンパクの1種であるβ−コングリシニンは血中中性脂肪低減作用を有することが報告され、大豆タンパクは健康食品素材としても注目されている。
大豆タンパクには特有の穀物臭があり、食品素材として用いた際に、食品の風味を悪化させる問題がある。これを解決する技術も報告されており、例えば特許文献1には、大豆タンパクにD−キシロースとグリシンとを配合することにより、大豆タンパクに特有の青豆臭を低減できたことが記載されている。
特開2000−312562号公報
しかし、上記特許文献1記載の技術では、大豆タンパクの青臭さがやや改善されるものの、その改善のレベルは十分とはいえない。また、大豆タンパクは青臭さに加え、強い苦味を有する。それ故、青臭さを低減するだけでは、食品素材に要求される食しやすい風味の大豆タンパクを得ることはできない。
本発明は、大豆タンパク特有の青臭さと苦味が共に効果的に抑えられ、且つ異味の発現も抑えられた大豆タンパク含有粉末組成物の提供に関する。また本発明は、大豆タンパクが有する青臭さと苦味を共に効果的に抑えることができ、且つ、異味の発現も抑えることができる、大豆タンパクないし大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法の提供に関する。さらに本発明は、大豆タンパク特有の青臭さと苦味が共に効果的に抑えられ、且つ異味の発現も抑えられた大豆タンパク含有飲食品の製造方法の提供に関する。
本発明者らは、大豆タンパクに対し、マルチトールとアルギニンを特定量、特定量比で配合して均質に混合することにより、大豆タンパクが有する特有の青臭さと苦味をいずれも効果的に低減でき、且つ、マルチトールやアルギニン由来の異味の発現も抑えられることを見い出した。すなわち、マルチトール及びアルギニンを特定量、特定量比で大豆タンパクと混合して均質化することにより、大豆タンパクを食べやすい食味へと改質できることを見い出した。
本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
本発明は、大豆タンパクと、該大豆タンパク100質量部に対し、10.0〜30.0質量部のマルチトールと、0.20〜3.00質量部のアルギニンとを含有する大豆タンパク含有粉末組成物及びこれを含有する飲食品を提供するものである。
また本発明は、大豆タンパクと、該大豆タンパク100質量部に対し、10.0〜30.0質量部のマルチトールと、0.20〜3.00質量部のアルギニンとを混合することを含む、大豆タンパクの食味改善方法を提供するものである。
また本発明は、大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法であって、飲食品中に、該飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、10.0〜30.0質量部のマルチトールと、0.20〜3.00質量部のアルギニンとを配合することを含む、大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法を提供するものである。
また本発明は、大豆タンパク含有飲食品の製造方法であって、飲食品中に、該飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、10.0〜30.0質量部のマルチトールと、0.20〜3.00質量部のアルギニンとを配合することを含む、大豆タンパク含有飲食品の製造方法を提供するものである。
本発明の大豆タンパク含有粉末組成物は、大豆タンパク特有の青臭さと苦味が共に効果的に抑えられ、且つ異味の発現も抑えられ、食しやすい。また本発明の大豆タンパクの食味改善方法によれば、大豆タンパク特有の青臭さと苦味を共に効果的に抑えることができ、且つ、異味の発現も抑えることができる。また本発明の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法によれば、飲食品中に配合された大豆タンパク特有の青臭さと苦味を共に効果的に抑えることができ、且つ異味の発現も抑えることができる。さらに本発明の大豆タンパク含有飲食品の製造方法によれば、大豆タンパク特有の青臭さと苦味が共に効果的に抑えられ、且つ異味の発現も抑えられた大豆タンパク含有飲食品を得ることができる。
本発明の大豆タンパク含有粉末組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)の好ましい実施形態について以下に説明する。
本発明の組成物に用いる大豆タンパクは、脱脂大豆から分離される水溶性タンパク質画分を乾燥して粉末化したものである。本発明に用いる大豆タンパクは、大豆由来のタンパク質の含有量が85質量%以上であり、88質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。本発明に用いる大豆タンパク中、大豆由来のタンパク質の含有量は100質量%であってもよく、通常は99質量%以下であり、98質量%以下であってもよく、96質量%以下であってもよい。本発明に用いる大豆タンパクは、所謂「分離大豆タンパク」であることが好ましい。
上記大豆タンパクの原料として用いる上記脱脂大豆は、大豆から油分を取り除いた残部である。脱脂大豆からの油分の除去は、ヘキサン等の有機溶媒を用いて常法により行うことができる。上記脱脂大豆は水溶性窒素指数(NSI)が90以上であることが好ましい。
本発明の組成物に用いる大豆タンパクの調製方法に特に制限はなく、例えば、「大豆の機能と科学」、朝倉書店、2012年7月20日発行、第164ページを参照することができる。より詳細には、まず、脱脂大豆から希アルカリ溶液(pH8〜9)でタンパク質を抽出し、その後、抽出液中の不溶成分を遠心分離で除去し、次いで抽出液のpHを4.5にしてタンパク質を沈殿させ、遠心分離によって沈殿したタンパク質(カード)を回収し、カードを水洗後、水に懸濁してから噴霧乾燥を行う。この乾燥は通常、懸濁液のpHを7付近に調整してから実施される。また、噴霧乾燥の前に殺菌等を目的として加熱処理を施してもよい。但し、本発明に用いる大豆タンパクの調製方法は上記に限定されるものではない。
本発明の組成物に用いる大豆タンパクは、β−コングリシニンを含有することが好ましい。大豆タンパク中のβ−コングリシニンの含有量は、生理効果の観点から10質量%以上が好ましく、12質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。上記大豆タンパク中のβ−コングリシニンの含有量の上限に特に制限はなく、通常は50質量%以下であり、40質量%以下であってもよく、30質量%以下であってもよく、25質量%以下であってもよい。
大豆タンパク中のβ−コングリシニンの含有量は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定することができる。
上記大豆タンパクとして、市販の大豆タンパク含有製剤を用いることもできる。かかる大豆タンパク含有製剤として、例えば、プロリーナ250(商品名、不二製油社製)、プロリーナ700(商品名、不二製油社製)、ALPHA5800(商品名、デュポン社製)、CLARISOY 170(商品名、ADM社製)を挙げることができる。
本発明の組成物は、マルチトールを特定量含有する。マルチトールを含有することにより、大豆タンパクが有する青臭さを効果的にマスキングすることができる。
本発明の組成物中、マルチトールの含有量は、大豆タンパクの含有量100質量部に対し、10.0〜30.0質量部である。青臭さをより効果的にマスキングする観点から、本発明の組成物中、マルチトールの含有量を、大豆タンパクの含有量100質量部に対し、12.0質量部以上とすることがより好ましく、14.0質量部以上とすることがさらに好ましい。また、異味をより抑える観点から、本発明の組成物中、マルチトールの含有量を、大豆タンパクの含有量100質量部に対し、28.0質量部以下とすることが好ましく、26.0質量部以下とすることがより好ましく、24.0質量部以下とすることがさらに好ましい。
大豆タンパク含有粉末組成物中のマルチトールの含有量は、高速液体クロマトグラフ法により測定することができる。
本発明の大豆タンパク含有粉末組成物は、アルギニンを特定量含有する。このアルギニンはL−アルギニンであってもD−アルギニンであっても、これらの混合物であってもよい。通常はL−アルギニンが用いられる。アルギニンは、それ自体苦味を有するアミノ酸であるにもかかわらず、大豆タンパクと混合することにより、大豆タンパクの苦味を効果的に抑えることができる。すなわち本発明者らは、苦味を有するアルギニンを大豆タンパクに特定量配合した際に、大豆タンパクが有する苦味が増強されるどころか、逆に大豆タンパクの苦味が効果的に抑制され、さらにマルチトールの青臭さのマスキングと相俟って、大豆タンパクのくせのある食味を食べやすい食味へと改質できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明の組成物中、アルギニンの含有量は、大豆タンパクの含有量100質量部に対し、0.20〜3.00質量部である。苦味をより効果的にマスキングする観点から、本発明の組成物中のアルギニンの含有量は、大豆タンパクの含有量100質量部に対し、0.22質量部以上がより好ましく、0.30質量部以上がさらに好ましく、0.35質量部以上がさらに好ましく、0.40質量部以上がさらに好ましい。また同様の観点及び異味低減の観点から、本発明の組成物中、アルギニンの含有量を、大豆タンパクの含有量100質量部に対し、2.50質量部以下とすることが好ましく、2.22質量部以下とすることがより好ましく、1.80質量部以下とすることがさらに好ましい。
大豆タンパク含有粉末組成物中のアルギニンの含有量は、アミノ酸自動分析法により測定することができる。
本発明の組成物中、アルギニンの含有量に対するマルチトールの含有量の比(マルチトール/アルギニン、質量比)は、青臭さ、苦味、異味の発生をより効果的に抑える観点から、10〜100が好ましく、10〜80がより好ましく、12〜60がさらに好ましく、15〜60がさらに好ましい。
本発明の組成物は、大豆タンパク、マルチトール及びアルギニンからなる形態でもよいし、大豆タンパク、マルチトール及びアルギニンの他に、例えば、糖類、食塩、各種調味料、各種調味ベース、各種添加剤、各種賦形剤、着色剤、香料、油脂類等(以下、「任意成分」ともいう。)を含有してもよい。
本発明の組成物中、大豆タンパクの含有量、マルチトールの含有量及びアルギニンの含有量は、合計で、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。本発明の組成物中、大豆タンパクの含有量、マルチトールの含有量及びアルギニンの含有量の合計が100質量%でない場合、残部は上記任意成分で構成されることが好ましい。
本発明の組成物は飲食品に用いることができる。すなわち、本発明の組成物をそのまま飲食品として摂取することができ、また、本発明の組成物を配合した飲食品を調製し、摂取することができる。本発明の組成物を用いた飲食品として、例えば、本発明の組成物をそのまま、あるいは各種調味料や各種具材等と混合して、調味料(ドレッシング、マヨネーズ等)やふりかけとした形態;本発明の組成物をそのまま、あるいは各種一般飲料(豆乳、牛乳、清涼飲料水等)と混合して、飲料とした形態;本発明の組成物をそのまま、あるいは各種一般食品(粉末スープ、ゼリー、アイスクリーム等)と混合して、食品とした形態;本発明の組成物をそのまま、あるいは賦形剤、添加剤等を混合して健康食品(タブレット状、粉末状等の健康食品)とした形態を挙げることができる。
本発明の組成物を用いた飲食品は、上記の例に限定されるものではなく、本発明の組成物を含有する飲食品はすべて、上述した本発明の組成物を用いた飲食品に包含される。
続いて、本発明の大豆タンパクの食味改善方法(以下、「本発明の食味改善方法A」という。)について説明する。本発明の食味改善方法Aは、大豆タンパクの食味を、マルチトールとアルギニンの両者を混合することにより改善する方法である。
本発明の食味改善方法Aに用いる大豆タンパクは、上述した本発明の組成物に用いる大豆タンパクと同じであり、好ましい形態も同じである。
本発明の食味改善方法Aでは、大豆タンパク100質量部に対し、10.0〜30.0質量部のマルチトールを混合する。大豆タンパクの青臭さをより効果的にマスキングする観点から、大豆タンパク100質量部に対し、マルチトールの混合量を12.0質量部以上とすることが好ましく、14.0質量部以上とすることがより好ましい。また、異味をより抑える観点から、大豆タンパク100質量部に対し、マルチトールの混合量を28.0質量部以下とすることが好ましく、26.0質量部以下とすることがより好ましく、24.0質量部以下とすることがさらに好ましい。
本発明の食味改善方法Aでは、上記マルチトールに加えて、大豆タンパク100質量部に対し、0.20〜3.00質量部のアルギニンを混合する。このアルギニンはL−アルギニンであってもD−アルギニンであっても、これらの混合物であってもよい。通常はL−アルギニンが用いられる。大豆タンパクの青臭さをより効果的にマスキングする観点から、大豆タンパク100質量部に対し、アルギニンを0.22質量部以上混合することが好ましく、0.30質量部以上混合することすることがより好ましく、0.35質量部以上混合することがさらに好ましく、0.40質量部以上混合することがさらに好ましい。また、同様の観点及び異味低減の観点から、大豆タンパク100質量部に対し、アルギニンの混合量を2.50質量部以下とすることが好ましく、2.22質量部以下とすることがより好ましく、1.80質量部以下とすることがさらに好ましい。
本発明の食味改善方法Aにおいて、アルギニンの混合量に対するマルチトールの混合量の比(マルチトール/アルギニン、質量比)は、青臭さ、苦味、異味の発生をより効果的に抑える観点から、10〜100が好ましく、10〜80がより好ましく、12〜60がさらに好ましく、15〜60がさらに好ましい。
続いて、本発明の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法(以下、「本発明の食味改善方法B」という。)について説明する。本発明の食味改善方法Bは、飲食品に配合された大豆タンパクの食味を、当該飲食品にマルチトールとアルギニンの両者を配合することにより改善し、これにより当該飲食品の食味を改善する方法である。
本発明の食味改善方法Bにおいて、飲食品に含有される大豆タンパクは、上述した本発明の組成物に用いる大豆タンパクと同じであり、好ましい形態も同じである。
本発明の食味改善方法Bでは、飲食品中に、該飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、10.0〜30.0質量部のマルチトールを配合する。大豆タンパクの青臭さをより効果的にマスキングする観点から、飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、当該飲食品中へのマルチトールの配合量を12.0質量部以上とすることが好ましく、14.0質量部以上とすることがより好ましい。また、異味をより抑える観点から、飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、当該飲食品中へのマルチトールの配合量を28.0質量部以下とすることが好ましく、26.0質量部以下とすることがより好ましく、24.0質量部以下とすることがさらに好ましい。
本発明の食味改善方法Bでは、上記マルチトールに加えて、飲食品中に、飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、0.20〜3.00質量部のアルギニンを混合する。このアルギニンはL−アルギニンであってもD−アルギニンであっても、これらの混合物であってもよい。通常はL−アルギニンが用いられる。大豆タンパクの青臭さをより効果的にマスキングする観点から、飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、当該飲食品中へのアルギニンの配合量を0.22質量部以上とすることが好ましく、0.30質量部以上とすることすることがより好ましく、0.35質量部以上とすることがさらに好ましく、0.40質量部以上とすることがさらに好ましい。また、同様の観点及び異味低減の観点から、飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、当該飲食品中へのアルギニンの配合量を2.50質量部以下とすることが好ましく、2.22質量部以下とすることがより好ましく、1.80質量部以下とすることがさらに好ましい。
本発明の食味改善方法Bにおいて、飲食品中へのアルギニンの配合量に対するマルチトールの配合量の比(マルチトール/アルギニン、質量比)は、青臭さ、苦味、異味の発生をより効果的に抑える観点から、10〜100が好ましく、10〜80がより好ましく、12〜60がさらに好ましく、15〜60がさらに好ましい。
続いて本発明の大豆タンパク含有飲食品の製造方法(以下、「本発明の製造方法」という。)について説明する。本発明の製造方法は、飲食品に配合された大豆タンパクの食味を、当該飲食品にマルチトールとアルギニンの両者を配合することにより改善し、これにより食味が改善された飲食品を得る方法である。
本発明の製造方法において、飲食品に含有される大豆タンパクは、上述した本発明の組成物に用いる大豆タンパクと同じであり、好ましい形態も同じである。
本発明の製造方法では、飲食品中に、該飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、10.0〜30.0質量部のマルチトールを配合する。大豆タンパクの青臭さをより効果的にマスキングする観点から、飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、当該飲食品中へのマルチトールの配合量を12.0質量部以上とすることが好ましく、14.0質量部以上とすることがより好ましい。また、異味をより抑える観点から、飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、当該飲食品中へのマルチトールの配合量を28.0質量部以下とすることが好ましく、26.0質量部以下とすることがより好ましく、24.0質量部以下とすることがさらに好ましい。
本発明の製造方法では、上記マルチトールに加えて、飲食品中に、飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、0.20〜3.00質量部のアルギニンを混合する。このアルギニンはL−アルギニンであってもD−アルギニンであっても、これらの混合物であってもよい。通常はL−アルギニンが用いられる。青臭さをより効果的にマスキングする観点から、飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、当該飲食品中へのアルギニンの配合量を0.22質量部以上とすることが好ましく、0.30質量部以上とすることすることがより好ましく、0.35質量部以上とすることがさらに好ましく、0.40質量部以上とすることがさらに好ましい。また、同様の観点及び異味低減の観点から、飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、当該飲食品中へのアルギニンの配合量を2.50質量部以下とすることが好ましく、2.22質量部以下とすることがより好ましく、1.80質量部以下とすることがさらに好ましい。
本発明の製造方法において、飲食品中へのアルギニンの配合量に対するマルチトールの配合量の比(マルチトール/アルギニン、質量比)は、青臭さ、苦味、異味の発生をより効果的に抑える観点から、10〜100が好ましく、10〜80がより好ましく、12〜60がさらに好ましく、15〜60がさらに好ましい。
上述した実施形態に関し、本発明は以下の大豆タンパク含有粉末組成物及び飲食品、並びに、大豆タンパクあるいは大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法及び大豆タンパク含有飲食品の製造方法を開示する。
<1>
大豆タンパクと、該大豆タンパク100質量部に対し、10.0〜30.0質量部のマルチトールと、0.20〜3.00質量部のアルギニンとを含有する大豆タンパク含有粉末組成物。
<2>
前記大豆タンパクが、脱脂大豆から分離される水溶性タンパク質画分を乾燥して粉末化したものである、前記<1>に記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<3>
上記脱脂大豆の水溶性窒素指数(NSI)が、好ましくは90以上である、前記<2>に記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<4>
前記大豆タンパク中、大豆由来のタンパク質の含有量が、好ましくは85質量%以上であり、より好ましくは88質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である、前記<1>〜<3>に記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<5>
前記大豆タンパク中、大豆由来のタンパク質の含有量が100質量%であってもよく、通常は99質量%以下であり、98質量%以下であってもよく、96質量%以下であってもよい、前記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<6>
前記大豆タンパク中、大豆由来のタンパク質の含有量が、好ましくは85〜100質量%であり、より好ましくは88〜99質量%であり、さらに好ましくは90〜98質量%であり、さらに好ましくは90〜96質量%である、前記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<7>
前記大豆タンパクが、好ましくは分離大豆タンパクである、前記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<8>
前記大豆タンパクが、好ましくはβ−コングリシニンを含有する、前記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<9>
前記大豆タンパク中、β−コングリシニンの含有量が、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは12質量%以上であり、さらに好ましくは15質量%以上である、前記<8>に記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<10>
前記大豆タンパク中、β−コングリシニンの含有量が、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは25質量%以下である、前記<8>又は<9>に記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<11>
前記大豆タンパク中、β−コングリシニンの含有量が、好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは12〜40質量%であり、さらに好ましくは15〜30質量%であり、さらに好ましくは15〜25質量%である、前記<8>〜<10>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<12>
前記大豆タンパク含有粉末組成物中、マルチトールの含有量が、大豆タンパクの含有量100質量部に対し、好ましくは12.0質量部以上であり、より好ましくは14.0質量部以上である、前記<1>〜<11>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<13>
前記大豆タンパク含有粉末組成物中、マルチトールの含有量が、大豆タンパクの含有量100質量部に対し、好ましくは28.0質量部以下であり、より好ましくは26.0質量部以下であり、さらに好ましくは24.0質量部以下である、前記<1>〜<12>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<14>
前記大豆タンパク含有粉末組成物中、マルチトールの含有量が、大豆タンパクの含有量100質量部に対し、好ましくは12.0〜28.0質量部であり、より好ましくは14.0〜26.0質量部であり、さらに好ましくは14.0〜24.0質量部である、前記<1>〜<13>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<15>
前記アルギニンがL−アルギニン及び/又はD−アルギニンであり、好ましくはL−アルギニンである、前記<1>〜<14>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<16>
前記大豆タンパク含有粉末組成物中、アルギニンの含有量が、大豆タンパクの含有量100質量部に対し、好ましくは0.22質量部以上であり、より好ましくは0.30質量部以上であり、さらに好ましくは0.35質量部以上であり、さらに好ましくは0.40質量部以上である、前記<1>〜<15>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<17>
前記大豆タンパク含有粉末組成物中、アルギニンの含有量が、大豆タンパクの含有量100質量部に対し、好ましくは2.50質量部以下であり、より好ましくは2.22質量部以下であり、さらに好ましくは1.80質量部以下である、前記<1>〜<16>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<18>
前記大豆タンパク含有粉末組成物中、アルギニンの含有量が、大豆タンパクの含有量100質量部に対し、好ましくは0.22〜2.50質量部であり、より好ましくは0.30〜2.22質量部であり、さらに好ましくは0.35〜1.80質量部であり、さらに好ましくは0.40〜1.80質量部である、前記<1>〜<17>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<19>
前記大豆タンパク含有粉末組成物中、アルギニンの含有量に対するマルチトールの含有量の比(マルチトール/アルギニン、質量比)が、好ましくは10〜100であり、より好ましくは10〜80であり、さらに好ましくは12〜60であり、さらに好ましくは15〜60である、前記<1>〜<18>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<20>
前記大豆タンパク含有粉末組成物が、大豆タンパク、マルチトール及びアルギニンからなり、又は、大豆タンパク、マルチトール及びアルギニンの他に、糖類、食塩、調味料、調味ベース、添加剤、賦形剤、着色剤、香料及び油脂類から選ばれる1種又は2種以上を含有する、前記<1>〜<19>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<21>
前記大豆タンパク含有粉末組成物中、大豆タンパクの含有量、マルチトールの含有量及びアルギニンの含有量が合計で、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは85質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である、前記<1>〜<20>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<22>
前記大豆タンパク含有粉末組成物が、好ましくは、飲食品であるか、又は、飲食品に配合して食される、前記<1>〜<21>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
<23>
前記<1>〜<22>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有粉末組成物を含有する飲食品。
<24>
大豆タンパクと、該大豆タンパク100質量部に対し、10.0〜30.0質量部のマルチトールと、0.20〜3.00質量部のアルギニンとを混合することを含む、大豆タンパクの食味改善方法。
<25>
前記大豆タンパクが、脱脂大豆から分離される水溶性タンパク質画分を乾燥して粉末化したものである、前記<24>に記載の食味改善方法。
<26>
上記脱脂大豆の水溶性窒素指数(NSI)が、好ましくは90以上である、前記<25>に記載の食味改善方法。
<27>
前記大豆タンパク中、大豆由来のタンパク質の含有量が、好ましくは85質量%以上であり、より好ましくは88質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である、前記<24>〜<26>のいずれか1つに記載の食味改善方法。
<28>
前記大豆タンパク中、大豆由来のタンパク質の含有量が100質量%であってもよく、通常は99質量%以下であり、98質量%以下であってもよく、96質量%以下であってもよい、前記<24>〜<27>のいずれか1つに記載の食味改善方法。
<29>
前記大豆タンパク中、大豆由来のタンパク質の含有量が、好ましくは85〜100質量%であり、より好ましくは88〜99質量%であり、さらに好ましくは90〜98質量%であり、さらに好ましくは90〜96質量%である、前記<24>〜<28>のいずれか1つに記載の食味改善方法。
<30>
前記大豆タンパクが、好ましくは分離大豆タンパクである、前記<24>〜<29>のいずれか1つに記載の食味改善方法。
<31>
前記大豆タンパクが、好ましくはβ−コングリシニンを含有する、前記<24>〜<30>のいずれか1つに記載の食味改善方法。
<32>
前記大豆タンパク中、β−コングリシニンの含有量が、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは12質量%以上であり、さらに好ましくは15質量%以上である、前記<31>に記載の食味改善方法。
<33>
前記大豆タンパク中、β−コングリシニンの含有量が、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは25質量%以下である、前記<31>又は<32>に記載の食味改善方法。
<34>
前記大豆タンパク中、β−コングリシニンの含有量が、好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは12〜40質量%であり、さらに好ましくは15〜30質量%であり、さらに好ましくは15〜25質量%である、前記<31>〜<33>のいずれか1つに記載の食味改善方法。
<35>
前記マルチトールの混合量が、前記大豆タンパク100質量部に対し、好ましくは12.0質量部以上であり、より好ましくは14.0質量部以上である、前記<24>〜<34>のいずれか1つに記載の食味改善方法。
<36>
前記マルチトールの混合量が、前記大豆タンパク100質量部に対し、好ましくは28.0質量部以下であり、より好ましくは26.0質量部以下であり、さらに好ましくは24.0質量部以下である、前記<24>〜<35>のいずれか1つに記載の食味改善方法。
<37>
前記マルチトールの混合量が、前記大豆タンパク100質量部に対し、好ましくは12.0〜28.0質量部であり、より好ましくは14.0〜26.0質量部であり、さらに好ましくは14.0〜24.0質量部である、前記<24>〜<36>のいずれか1つに記載の食味改善方法。
<38>
前記アルギニンがL−アルギニン及び/又はD−アルギニンであり、好ましくはL−アルギニンである、前記<24>〜<37>のいずれか1つに記載の食味改善方法。
<39>
前記アルギニンの混合量が、前記大豆タンパク100質量部に対し、好ましくは0.22質量部以上であり、より好ましくは0.30質量部以上であり、さらに好ましくは0.35質量部以上であり、さらに好ましくは0.40質量部以上である、前記<24>〜<38>のいずれか1つに記載の食味改善方法。
<40>
前記アルギニンの混合量が、前記大豆タンパク100質量部に対し、好ましくは2.50質量部以下であり、より好ましくは2.22質量部以下であり、さらに好ましくは1.80質量部以下である、前記<24>〜<39>のいずれか1つに記載の食味改善方法。
<41>
前記アルギニンの混合量が、前記大豆タンパク100質量部に対し、好ましくは0.22〜2.50質量部であり、より好ましくは0.30〜2.22質量部であり、さらに好ましくは0.35〜1.80質量部であり、さらに好ましくは0.40〜1.80質量部である、前記<24>〜<40>のいずれか1つに記載の食味改善方法。
<42>
前記アルギニンの混合量に対するマルチトールの混合量の比(マルチトール/アルギニン、質量比)が、好ましくは10〜100であり、より好ましくは10〜80であり、さらに好ましくは12〜60であり、さらに好ましくは15〜60である、前記<24>〜<41>のいずれか1つに記載の食味改善方法。
<43>
大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法であって、飲食品中に、該飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、10.0〜30.0質量部のマルチトールと、0.20〜3.00質量部のアルギニンとを配合することを含む、大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<44>
前記大豆タンパクが、脱脂大豆から分離される水溶性タンパク質画分を乾燥して粉末化したものである、前記<43>に記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<45>
上記脱脂大豆の水溶性窒素指数(NSI)が、好ましくは90以上である、前記<44>に記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<46>
前記大豆タンパク中、大豆由来のタンパク質の含有量が、好ましくは85質量%以上であり、より好ましくは88質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である、前記<43>〜<45>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<47>
前記大豆タンパク中、大豆由来のタンパク質の含有量が100質量%であってもよく、通常は99質量%以下であり、98質量%以下であってもよく、96質量%以下であってもよい、前記<43>〜<46>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<48>
前記大豆タンパク中、大豆由来のタンパク質の含有量が、好ましくは85〜100質量%であり、より好ましくは88〜99質量%であり、さらに好ましくは90〜98質量%であり、さらに好ましくは90〜96質量%である、前記<43>〜<47>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<49>
前記大豆タンパクが、好ましくは分離大豆タンパクである、前記<43>〜<48>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<50>
前記大豆タンパクが、好ましくはβ−コングリシニンを含有する、前記<43>〜<49>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<51>
前記大豆タンパク中、β−コングリシニンの含有量が、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは12質量%以上であり、さらに好ましくは15質量%以上である、前記<50>に記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<52>
前記大豆タンパク中、β−コングリシニンの含有量が、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは25質量%以下である、前記<50>又は<51>に記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<53>
前記大豆タンパク中、β−コングリシニンの含有量が、好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは12〜40質量%であり、さらに好ましくは15〜30質量%であり、さらに好ましくは15〜25質量%である、前記<50>〜<52>のいずれか1つに記載の食味改善方法。
<54>
前記飲食品中への前記マルチトールの配合量が、前記飲食品中への前記大豆タンパクの配合量100質量部に対し、好ましくは12.0質量部以上であり、より好ましくは14.0質量部以上である、前記<43>〜<53>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<55>
前記飲食品中への前記マルチトールの配合量が、前記飲食品中への前記大豆タンパクの配合量100質量部に対し、好ましくは28.0質量部以下であり、より好ましくは26.0質量部以下であり、さらに好ましくは24.0質量部以下である、前記<43>〜<54>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<56>
前記飲食品中への前記マルチトールの配合量が、前記飲食品中への前記大豆タンパクの配合量100質量部に対し、好ましくは12.0〜28.0質量部であり、より好ましくは14.0〜26.0質量部であり、さらに好ましくは14.0〜24.0質量部である、前記<43>〜<55>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<57>
前記アルギニンがL−アルギニン及び/又はD−アルギニンであり、好ましくはL−アルギニンである、前記<43>〜<56>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<58>
前記飲食品中への前記アルギニンの配合量が、前記飲食品中への前記大豆タンパクの配合量100質量部に対し、好ましくは0.22質量部以上であり、より好ましくは0.30質量部以上であり、さらに好ましくは0.35質量部以上であり、さらに好ましくは0.40質量部以上である、前記<43>〜<57>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<59>
前記飲食品中への前記アルギニンの配合量が、前記飲食品中への前記大豆タンパクの配合量100質量部に対し、好ましくは2.50質量部以下であり、より好ましくは2.22質量部以下であり、さらに好ましくは1.80質量部以下である、前記<43>〜<58>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<60>
前記飲食品中への前記アルギニンの配合量が、前記飲食品中への前記大豆タンパクの配合量100質量部に対し、好ましくは0.22〜2.50質量部であり、より好ましくは0.30〜2.22質量部であり、さらに好ましくは0.35〜1.80質量部であり、さらに好ましくは0.40〜1.80質量部である、前記<43>〜<59>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<61>
前記アルギニンの配合量に対する前記マルチトールの配合量の比(マルチトール/アルギニン、質量比)が、好ましくは10〜100であり、より好ましくは10〜80であり、さらに好ましくは12〜60であり、さらに好ましくは15〜60である、前記<43>〜<60>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<62>
大豆タンパク含有飲食品の製造方法であって、飲食品中に、該飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、10.0〜30.0質量部のマルチトールと、0.20〜3.00質量部のアルギニンとを配合することを含む、大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
<63>
前記大豆タンパクが、脱脂大豆から分離される水溶性タンパク質画分を乾燥して粉末化したものである、前記<62>に記載の大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
<64>
前記脱脂大豆の水溶性窒素指数(NSI)が、好ましくは90以上である、前記<63>に記載の大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
<65>
前記大豆タンパク中、大豆由来のタンパク質の含有量が、好ましくは85質量%以上であり、より好ましくは88質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である、前記<62>〜<64>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
<66>
前記大豆タンパク中、大豆由来のタンパク質の含有量が100質量%であってもよく、通常は99質量%以下であり、98質量%以下であってもよく、96質量%以下であってもよい、前記<62>〜<65>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
<67>
前記大豆タンパク中、大豆由来のタンパク質の含有量が、好ましくは85〜100質量%であり、より好ましくは88〜99質量%であり、さらに好ましくは90〜98質量%であり、さらに好ましくは90〜96質量%である、前記<62>〜<66>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
<68>
前記大豆タンパクが、好ましくは分離大豆タンパクである、前記<62>〜<67>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
<69>
前記大豆タンパクが、好ましくはβ−コングリシニンを含有する、前記<62>〜<68>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
<70>
前記大豆タンパク中、β−コングリシニンの含有量が、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは12質量%以上であり、さらに好ましくは15質量%以上である、前記<69>に記載の大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
<71>
前記大豆タンパク中、β−コングリシニンの含有量が、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは25質量%以下である、前記<69>又は<70>に記載の大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
<72>
前記大豆タンパク中、β−コングリシニンの含有量が、好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは12〜40質量%であり、さらに好ましくは15〜30質量%であり、さらに好ましくは15〜25質量%である、前記<69>〜<71>のいずれか1つに記載の食味改善方法。
<73>
前記飲食品中への前記マルチトールの配合量が、前記飲食品中への前記大豆タンパクの配合量100質量部に対し、好ましくは12.0質量部以上であり、より好ましくは14.0質量部以上である、前記<62>〜<72>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
<74>
前記飲食品中への前記マルチトールの配合量が、前記飲食品中への前記大豆タンパクの配合量100質量部に対し、好ましくは28.0質量部以下であり、より好ましくは26.0質量部以下であり、さらに好ましくは24.0質量部以下である、前記<62>〜<73>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
<75>
前記飲食品中への前記マルチトールの配合量が、前記飲食品中への前記大豆タンパクの配合量100質量部に対し、好ましくは12.0〜28.0質量部であり、より好ましくは14.0〜26.0質量部であり、さらに好ましくは14.0〜24.0質量部である、前記<62>〜<74>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
<76>
前記アルギニンがL−アルギニン及び/又はD−アルギニンであり、好ましくはL−アルギニンである、前記<62>〜<75>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
<77>
前記飲食品中への前記アルギニンの配合量が、前記飲食品中への前記大豆タンパクの配合量100質量部に対し、好ましくは0.22質量部以上であり、より好ましくは0.30質量部以上であり、さらに好ましくは0.35質量部以上であり、さらに好ましくは0.40質量部以上である、前記<62>〜<76>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
<78>
前記飲食品中への前記アルギニンの配合量が、前記飲食品中への前記大豆タンパクの配合量100質量部に対し、好ましくは2.50質量部以下であり、より好ましくは2.22質量部以下であり、さらに好ましくは1.80質量部以下である、前記<62>〜<77>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
<79>
前記飲食品中への前記アルギニンの配合量が、前記飲食品中への前記大豆タンパクの配合量100質量部に対し、好ましくは0.22〜2.50質量部であり、より好ましくは0.30〜2.22質量部であり、さらに好ましくは0.35〜1.80質量部であり、さらに好ましくは0.40〜1.80質量部である、前記<62>〜<78>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
<80>
前記アルギニンの配合量に対する前記マルチトールの配合量の比(マルチトール/アルギニン、質量比)が、好ましくは10〜100であり、より好ましくは10〜80であり、さらに好ましくは12〜60であり、さらに好ましくは15〜60である、前記<62>〜<79>のいずれか1つに記載の大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[調製例1] 大豆タンパク含有粉末組成物の調製
大豆タンパク含有製剤としてプロリーナ250(商品名、不二製油社製、大豆タンパク含有量:90質量%、β−コングリシニン含有量:18質量%)、マルチトールとしてレシス(商品名、三菱商事フードテック社製)、アルギニンとしてL−アルギニンを、下記表1に示す配合比で均質に混合し、大豆タンパク含有粉末組成物(実施例1〜7)を調製した。
また、上記マルチトール及びアルギニンに代えて、特開2000−312562号公報の実施例に記載のD−キシロース及びグリシンを用いて、大豆タンパク含有粉末組成物(比較例1)を調製した。
[試験例1] 官能試験(水溶液)
上記調製例1で調製した各大豆タンパク含有粉末組成物を常温の水150mLに溶解して水溶液を調製した。得られた水溶液を飲んだ際に感じる大豆タンパク特有の青臭さ及び苦味と、配合したマルチトールやアルギニン、あるいはD−キシロースやグリシン由来の異味を、下記評価基準により評価した。結果を下記表1に示す。なお、各評価は専門パネル3名により実施した。各大豆タンパク含有粉末組成物の評価において、専門パネル3名の評価結果はすべて同じとなった。
<青臭さの評価基準>
5:青臭さを感じない。
4:青臭さをほとんど感じない。
3:青臭さをあまり感じない。
2:青臭さを感じる。
1:青臭さを強く感じる。
<苦味の評価基準>
5:苦味を感じない。
4:苦味をほとんど感じない。
3:苦味をあまり感じない。
2:苦味を感じる。
1:苦味を強く感じる。
<異味の評価基準>
5:異味を感じない。
4:異味をほとんど感じない。
3:異味をあまり感じない。
2:異味を感じる。
1:異味が強い。
Figure 0006666697
上記表1に示されるように、マルチトール及びアルギニンの組み合わせを含有しない比較例1の組成物では、大豆タンパク由来の風味とは異なる異味(配合したD−キシロース及びグリシン由来の異味)を感じた。また、青臭さが十分に改善されず、苦味も強く感じる結果となった。
これに対し、マルチトールとアルギニンの両者を本発明で規定する量含有する実施例1〜7の組成物は、青臭さと苦味のいずれも改善され、且つ、異味の発現も抑えられていた。
[調製例2]大豆タンパク含有粉末組成物の調製(大豆タンパク含有スープの調製)
スイートコーンパウダー(CEDENCO)(商品名、ヤスマ社製)4.0g、上白糖2.0g、食塩0.5g、クリーミングパウダー(商品名:ニューラクトND−106M、和光堂社製)0.5g、グルタミン酸ナトリウム0.2g、オニオンパウダーLBCP(商品名、ヤスマ社製)0.3g、及び、大豆タンパク含有製剤としてプロリーナ250(商品名、不二製油社製、大豆タンパク含有量:90質量%、β−コングリシニン含有量:18質量%)15.0gを配合した混合物を基本組成とし、この混合物に、マルチトールとしてレシス(商品名、三菱商事フードテック社製)、アルギニンとしてL−アルギニンを、下記表2に示す配合比となるように配合し、大豆タンパク含有粉末組成物(粉末コーンスープ)を得た。ここに熱湯150mLを注いてコーンスープ(実施例8〜17、比較例2〜18)を調製した。
[試験例2] 官能試験(コーンスープ)
上記調製例2で調製したコーンスープを飲んだ際に感じる大豆タンパク特有の青臭さ及び苦味と、配合したマルチトールやアルギニン由来の異味を、上記試験例1と同様にして評価した。結果を下記表2に示す。なお、各評価は専門パネル3名により実施した。各コーンスープの評価において、専門パネル3名の評価結果はすべて同じとなった。
Figure 0006666697
Figure 0006666697
上記表2に示される通り、マルチトールとアルギニンのいずれも配合しない場合、青臭さが強く、苦味も強かった(比較例2)。またマルチトールを本発明で規定するよりも少量配合した場合でも、青臭さと苦味は全く改善されなかった(比較例3)。一方、マルチトールを本発明で規定するよりも少量配合した場合でも、アルギニンを本発明で規定する量配合することにより、苦味を改善することができた。しかし、この場合、青臭さを十分に改善するには至らなかった(比較例4)。
また、マルチトールの配合量を本発明の規定内にまで高めることにより、青臭さが改善する傾向が認められるものの、アルギニンを併用しないと、その改善効果は十分でなく、また苦みを十分に改善するには至らなかった(比較例5、7)。逆にアルギニンの配合量を本発明で規定するよりも高めた場合、異味の発現を抑えることはできなかった(比較例6、8)。
また、マルチトールの配合量を本発明で規定するよりも高めた場合、アルギニンの配合量によっては青臭さや苦味を改善することができるが、異味の発現を十分に抑えることができなかった(比較例9〜13)。
また、マルチトールを配合せず、アルギニンのみを配合した場合、苦味は改善しうるが、青臭さを十分に改善できなかった(比較例14〜18)。また、比較例14〜17と比較例18の比較から、アルギニンには苦味のマスキング効果が認められるものの、その配合量が多すぎると、苦味のマスキング効果が消失することもわかった。
これに対し、マルチトールとアルギニンの両者を本発明で規定する量配合した場合、青臭さ、苦味、異味のいずれの評価項目においても3〜5の評価となり、大豆タンパク特有の青臭さと苦味が共に効果的に抑えられ、且つ、異味の発現も抑えられ、食べやすい食味となることがわかった(実施例8〜17)。

Claims (6)

  1. 大豆タンパクと、該大豆タンパク100質量部に対し、14.8質量部を越えて24.0質量部以下のマルチトールと、0.30〜3.00質量部のアルギニンとを含有し、アルギニンの含有量に対するマルチトールの含有量の比(質量比)が12〜60である大豆タンパク含有粉末組成物。
  2. 前記大豆タンパク中、β−コングリシニンの含有量が10質量%以上である、請求項1記載の大豆タンパク含有粉末組成物。
  3. 請求項1又は2記載の大豆タンパク含有粉末組成物を含有する飲食品。
  4. 大豆タンパクと、該大豆タンパク100質量部に対し、14.8質量部を越えて24.0質量部以下のマルチトールと、0.30〜3.00質量部のアルギニンとを、アルギニンの含有量に対するマルチトールの含有量の比(質量比)を12〜60として混合することを含む、大豆タンパクの食味改善方法。
  5. 大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法であって、飲食品中に、該飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、14.8質量部を超えて24.0質量部以下のマルチトールと、0.30〜3.00質量部のアルギニンとを、アルギニンの含有量に対するマルチトールの含有量の比(質量比)を12〜60として配合することを含む、大豆タンパク含有飲食品の食味改善方法。
  6. 大豆タンパク含有飲食品の製造方法であって、飲食品中に、該飲食品中への大豆タンパクの配合量100質量部に対し、14.8質量部を超えて24.0質量部以下のマルチトールと、0.30〜3.00質量部のアルギニンとを、アルギニンの含有量に対するマルチトールの含有量の比(質量比)を12〜60として配合することを含む、大豆タンパク含有飲食品の製造方法。
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