JP6666522B2 - 地下鉄の限られた空間において人員通路でのスタンピードを防止する方法 - Google Patents

Description

本発明は、地下鉄でのスタンピード（ｓｔａｍｐｅｄｅ）を防止する方法に関し、具体的には地下鉄の限られた空間おいて人員通路でのスタンピードを防止する方法に関し、地下鉄安全の技術分野に属する。

近年、中国の都市鉄道輸送は急激な発展を遂げ、路線の長さ、車両の数、旅客数等の指標は全て大幅に増加している。「第１２次５カ年計画」期間において、中国の都市鉄道輸送の交通走行距離は３６００キロメートルを突破し、全国地下鉄の毎日旅客数は４０００万人を超えている。将来の五年間、中国の都市鉄道輸送業界は、建設のピークを迎えており、２０２０年「第１３次５カ年計画」が終了する際、中国の都市鉄道輸送の総走行距離は６０００キロメートルに達すると予測されている。ところが、地下鉄の地下浅埋設空間は限られており、かつ相対的に閉塞されているため、特に、事故発生の場合、内部にいる人員の避難過程が混雑し過ぎて、スタンピード事故が発生しやすいため、避難通路には、スタンピード事故の発生を防止し、人命および財産の安全を保障する効果的な方法が早急に必要である。

本発明は、地下鉄の限られた空間において人員通路でのスタンピードを防止する方法を提供することを目的とする。該方法によれば、人数および人の混雑度に対するリアルタイムな監視を実現することができ、混雑の際には空間を迅速に拡張することにより人を迅速に避難させ、人の混雑度を低減し、スタンピードを防止する目的を達成する。

上記目的を達成するための本発明に係る地下鉄の限られた空間において人員通路でのスタンピードを防止する方法は、
歩行者通行量センサを人員通路（３）に配置するステップＳ１であって、該歩行者通行量センサはデータ伝送ケーブルを介して制御ホストに接続されており、該制御ホストは該データ伝送ケーブルを介してスタンピード防止装置（２）に接続されており、該人員通路は前記人員通路の長手方向に対して三日月型に凹むように湾曲自在で本来は平行に対向する２つの壁面（１）によって構成され、該スタンピード防止装置は前記壁面を湾曲させる油圧シリンダを備えていることと、
前記歩行者通行量センサが、前記人員通路（３）においてリアルタイムに監視した人数および人の混雑状況に関する信号を、前記データ伝送ケーブルを介して前記制御ホストに伝送するステップＳ２と、
前記制御ホストが、システムプログラムに基づき前記歩行者通行量センサの前記信号を分析することにより人の混雑レベルを判断し、人の混雑レベルに基づいて前記人員通路において前記人員通路を湾曲させる必要があるか否かを判断するステップＳ３と、
前記制御ホストが判断した混雑レベルが重度混雑または混雑である場合、スタンピード事故の発生可能性があるため、前記制御ホストが前記スタンピード防止装置に前記人員通路を湾曲させるための拡張指令を出力する一方、前記制御ホストが判断した混雑レベルが非混雑である場合、前記制御ホストが前記スタンピード防止装置に前記拡張指令を出力しないステップＳ４と、
前記スタンピード防止装置が前記制御ホストから前記拡張指令を受信すると、前記スタンピード防止装置は前記油圧シリンダを作動させて本来は平行に対向する２つの前記壁面をその長手方向に対して三日月型に凹むように湾曲させて、前記人員通路の許容可能な最大歩行者通行量を増加させ、スタンピード事故の発生を防止するステップＳ５と、を含む。

本発明のさらなる改良として、人の混雑状況は、重度混雑、混雑および非混雑の３つのレベルに分けられる。

本発明のさらなる改良として、重度混雑とは１平方メートルあたりの立ち人数が５人を超えることであり、混雑とは１平方メートルあたりの立ち人数が３〜５人のことであり、非混雑とは１平方メートルあたりの立ち人数が２人未満のことである。

本発明のさらなる改良として、スタンピード防止装置は、油圧シリンダ、支持壁面および収縮可能なロールブラインドを含み、前記油圧シリンダのシリンダブロックは三日月形緩衝空間領域の壁に固定されており、油圧シリンダのピストンロッド端は移動可能な壁面に固定されている。

本発明のさらなる改良として、移動可能な壁面は独立した長方体形であり、収縮可能なロールブラインドにより接続されており、一字形または円弧形を成すことができる。

従来技術に比べて、本発明はスタンピードの発生直前の非常時に、人員避難緩衝空間を迅速に広げることができる。本発明はインテリジェント制御を採用し、日常生活の過程において混雑またはスタンピード事故が発生すると、システムは迅速に反応し、通路空間を拡張し、人を迅速に避難させるため、スタンピード事故の発生を防止するだけでなく、外部の救助人員が内部に立ち入って救助を行い、内部の人を外へ避難させることにも役立つ。本発明に係る三日月形緩衝空間領域は、予め人員通路の両側に掘削されており、移動可能な壁面と収縮ロールブラインドとの間はヒンジ方式により接続されており、通常の場合、収縮可能なロールブラインドは壁体内に収縮されており、制御ホストは制御室内に配置されており、歩行者通行量センサは人員通路に設置されており、スタンピード防止装置は人員通路の左右両側に設置されており、混雑の際には直ちに空間を拡張し、混雑度を減少させ、スタンピード事故の発生を防止する。

本発明に係る構造を示すための図である。 本発明に係る制御構造のブロック図である。

以下、図面を参照しながら、本発明についてさらに説明する。
図１および図２に示すように、地下鉄の限られた空間において人員通路でのスタンピード防止方法は、
歩行者通行量センサを人員通路３に配置するステップＳ１であって、該歩行者通行量センサはデータ伝送ケーブルを介して制御ホストに接続されており、制御ホストはデータ伝送ケーブルを介してスタンピード防止装置２に接続されており、スタンピード防止装置２の頂端は移動可能な壁面１および手すりに接続されていることと、
歩行者通行量センサが、動作する際に人員通路３においてリアルタイムに監視した人数および人の混雑度を、データ伝送ケーブルを介して制御ホストに伝送するステップＳ２と、
制御ホストが、システムプログラムに基づき歩行者通行量センサの信号を分析することにより人の混雑レベルを判断し、人の混雑レベルに基づいて人員通路において三日月形緩衝空間領域４を拡張する必要があるか否かを判断するステップＳ３と、
歩行者通行量センサにより監視されたデータに基づく判断が混雑である場合、スタンピード事故が発生する可能性があるため、制御ホストが、異なる混雑度に基づき、異なる拡張指令を出力するステップＳ４と、
スタンピード防止装置２が、制御ホストからの指令を受信した後、移動可能な壁面１および手すりが収縮を開始するように制御することにより本来平行である２つの壁面を両側へ凹むようにし、三日月形緩衝空間領域４を形成することにより該通路の許容可能な最大歩行者通行量を瞬時に増加させ、スタンピード事故の発生を防止するステップＳ５と、を含む。

さらに、人の混雑状況は、重度混雑、混雑および非混雑の３つのレベルに分けられる。

さらに、重度混雑は１平方メートルあたりの立ち人数が５人を超えることであり、混雑は１平方メートルあたりの立ち人数が３〜５人のことであり、非混雑は１平方メートルあたりの立ち人数が２人未満のことである。

さらに、スタンピード防止装置２は、油圧シリンダ、支持壁面および収縮可能なロールブラインドを含み、前記油圧シリンダのシリンダブロックは三日月形緩衝空間領域４の壁に固定されており、油圧シリンダ４のピストンロッド端は移動可能な壁面１に固定されている。

さらに、移動可能な壁面１は独立した長方体形であり、収縮可能なロールブラインドにより接続されており、一字形または円弧形を成すことができる。

〔実施例１〕
（ステップＳ１）
歩行者通行量センサを人員通路３に配置し、該歩行者通行量センサはデータ伝送ケーブルを介して制御ホストに接続されており、制御ホストはデータ伝送ケーブルを介してスタンピード防止装置２に接続されており、スタンピード防止装置２の頂端は移動可能な壁面１および手すりに接続されている。

（ステップＳ２）
歩行者通行量センサが、動作する際に人員通路３においてリアルタイムに監視した人数が１００人であるとすれば、歩行者通行量センサはデータ伝送ケーブルを介してデータ信号を制御ホストに伝送する。

（ステップＳ３）
制御ホストが、システムプログラムに基づき歩行者通行量センサの信号を演算することで、人員通路における人員密度が１平方メートルあたり５人であることを取得し、人員通路における混雑レベルが重度混雑であると判断し、人員通路において三日月形緩衝空間領域４を拡張する必要があると判断する。

（ステップＳ４）
制御ホストは、歩行者通行量センサにより監視されたデータを分析して混雑であると判断する場合、スタンピード事故が発生する可能性があるため、制御ホストは、混雑度に基づき、スタンピード防止装置２に三日月形緩衝空間領域４を拡張する指令を出力する。

（ステップＳ５）
スタンピード防止装置２は、制御ホストからの指令を受信した後、油圧シリンダが上から下へそれぞれ２ｍ、３ｍ、３ｍ、２ｍ収縮するように制御することにより本来平行である２つの移動可能な壁面１を両側へ凹むようにし、三日月形緩衝空間領域４を形成することにより該通路の許容可能な最大歩行者通行量を瞬時に増加させ、スタンピード事故の発生を防止する。

さらに、人の混雑状況は、重度混雑、混雑および非混雑の３つのレベルに分けられる。

さらに、上記人の混雑状況のレベル分けの基準として、重度混雑は１平方メートルあたりの立ち人数が５人を超えることであり、上記混雑は１平方メートルあたりの立ち人数が３〜５人のことであり、上記非混雑は１平方メートルあたりの立ち人数が２人未満のことである。

さらに、上記スタンピード防止装置２は、油圧シリンダ、支持壁面および収縮可能なロールブラインドを含み、油圧シリンダの底端は三日月形緩衝空間領域４の壁に固定されており、他端は移動可能な壁面１に固定されており、移動可能な壁面１は独立した長方体形であり、収縮可能なロールブラインドにより接続されており、一字形または円弧形を成すことができる。

１ 壁面、
２ スタンピード防止装置、
３ 人員通路、
４ 三日月形緩衝空間領域。

Claims (5)

1. 歩行者通行量センサを人員通路（３）に配置するステップＳ１であって、該歩行者通行量センサはデータ伝送ケーブルを介して制御ホストに接続されており、該制御ホストは該データ伝送ケーブルを介してスタンピード防止装置（２）に接続されており、該人員通路は前記人員通路の長手方向に対して三日月型に凹むように湾曲自在で本来は平行に対向する２つの壁面（１）によって構成され、該スタンピード防止装置は前記壁面を湾曲させる油圧シリンダを備えていることと、
   前記歩行者通行量センサが、前記人員通路（３）においてリアルタイムに監視した人数および人の混雑状況に関する信号を、前記データ伝送ケーブルを介して前記制御ホストに伝送するステップＳ２と、
   前記制御ホストが、システムプログラムに基づき前記歩行者通行量センサの前記信号を分析することにより人の混雑レベルを判断し、人の混雑レベルに基づいて前記人員通路において前記人員通路を湾曲させる必要があるか否かを判断するステップＳ３と、
   前記制御ホストが判断した混雑レベルが重度混雑または混雑である場合、スタンピード事故の発生可能性があるため、前記制御ホストが前記スタンピード防止装置に前記人員通路を湾曲させるための拡張指令を出力する一方、前記制御ホストが判断した混雑レベルが非混雑である場合、前記制御ホストが前記スタンピード防止装置に前記拡張指令を出力しないステップＳ４と、
   前記スタンピード防止装置が前記制御ホストから前記拡張指令を受信すると、前記スタンピード防止装置は前記油圧シリンダを作動させて本来は平行に対向する２つの前記壁面をその長手方向に対して三日月型に凹むように湾曲させて、前記人員通路の許容可能な最大歩行者通行量を増加させ、スタンピード事故の発生を防止するステップＳ５と、
   を含む、ことを特徴とする地下鉄の限られた空間において人員通路でのスタンピードを防止する方法。
2. 前記混雑レベルは、重度混雑、混雑および非混雑の３つのレベルに分けられることを特徴とする請求項１に記載の地下鉄の限られた空間において人員通路でのスタンピードを防止する方法。
3. 前記重度混雑とは１平方メートルあたりの立ち人数が５人を超えることであり、前記混雑とは１平方メートルあたりの立ち人数が３〜５人のことであり、前記非混雑とは１平方メートルあたりの立ち人数が２人未満のことである、ことを特徴とする請求項２に記載の地下鉄の限られた空間において人員通路でのスタンピードを防止する方法。
4. 前記油圧シリンダの一端は前記壁面に接続される一方、前記油圧シリンダの他端は前記人員通路の外側に設けた三日月形緩衝空間領域（４）の壁面に固定されている、ことを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載の地下鉄の限られた空間において人員通路でのスタンピードを防止する方法。
5. 前記人員通路を形成する２つの壁面のそれぞれは独立した長方体形であり、一字形または円弧形を成すことができるロールブラインドである、ことを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載の地下鉄の限られた空間において人員通路でのスタンピードを防止する方法。