JP6665686B2 - 復調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、搬送波と、ベース信号が変調された変調信号とが合成された合成信号から、ベース信号を復調する復調装置に関する。
特許文献1には、ジャイロセンサのエレメントを自励共振回路から出力される信号を用いて振動させ、この信号を搬送波とし、搬送波に対して角速度に応じた信号であるベース信号が変調された変調信号が合成された合成信号から、同期検波を用いてベース信号を抽出する技術が開示されている。
特開2015−21782号公報
しかしながら、ジャイロセンサ等のセンサが出力する信号は0点がドリフト(すなわち変動)することが知られている。したがって、精度のよいベース信号を得るためには、逐次変動する0点を推定する必要がある。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、合成信号からベース信号を復調する復調装置において、精度のよいベース信号を得るようにすることにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、発明の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するための本発明は、搬送波に対してベース信号が変調された変調信号が合成された合成信号から、ベース信号を復調する復調装置(20)であって、基準電圧信号を出力するバンドギャップリファレンス回路(40)と、搬送波に同期した半周期である前半の半周期において合成信号を積分した値と、前半の半周期に続く後半の半周期において合成信号を積分した値と、の差を表す検波値を取得する検波値取得部(S120、S210)と、搬送波に変調信号が合成されていない状態の検波値である0点検波値と、バンドギャップリファレンス回路が出力する基準電圧信号を1周期分積分した値を表す基準信号値との相関関係を表す式を記憶している記憶部(80)と、基準電圧信号を積分して基準信号値を演算する基準信号値演算部(S120、S210)と、記憶部に記憶されている相関関係を表す式に、基準信号値演算部が演算した基準信号値を代入して、0点検波値を推定した0点推定値を決定する0点推定部(S220)と、検波値取得部が取得した検波値と0点推定部が決定した0点推定値との差異に基づいて、ベース信号を抽出する信号抽出部(S230)と、を備える。
本発明では、検波値取得部は、搬送波に同期した半周期である前半の半周期において合成信号を積分した値と、前半の半周期に続く後半の半周期において合成信号を積分した値と、の差を表す検波値を取得する。
この検波値は、ベース信号にオフセット値が含まれた値である。そのため、精度のよいベース信号を抽出するためには検波値からオフセット値を除去する必要がある。本発明者は、搬送波に変調信号が合成されていない状態の検波値である0点検波値は、バンドギャップリファレンス回路が出力する基準電圧信号を1周期分積分した値を表す基準信号値と高い相関があることを見出した。そこで、本発明では、0点検波値と基準信号値との相関関係を表す式を記憶部に記憶する。
基準信号値演算部は、基準電圧信号を積分して基準信号値を演算する。この基準信号値を記憶部に記憶している相関関係を表す式に代入することで、検波値以外から0点検波値を推定した0点推定値を決定できる。0点推定値を推定できるので、検波値取得部が取得した検波値と0点推定値との差異に基づいてベース信号を抽出することができる。このようにしてベース信号を抽出するので、精度のよいベース信号を得ることができる。
実施形態のジャイロセンサ装置1の構成図である。 図1のエレメント10の振動方向を示す説明図である。 図1の自励共振駆動回路30を示す構成図である。 図1のTAD61を示す構成図である。 図1の加減算器62における減算を説明するグラフである。 図1のデジタル補正回路70が実行する補正回路処理を示すフローチャートである。 0点検波値の時間変化の一例を示す図である。 図7と同じ時間帯におけるBGR値の時間変化を示す図である。 比較例の手法におけるアラン分散の時間変化グラフである。 本実施形態におけるアラン分散の時間変化グラフである。
[1.実施形態]
[1−1.構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すジャイロセンサ装置1は、エレメント10と、センサ回路部20とを備えている。ジャイロセンサ装置1は、例えば乗用車等の車両に搭載される。
センサ回路部20は、自励共振駆動回路30、バンドギャップリファレンス回路40、切替回路50、デジタル同期検波回路60、デジタル補正回路70、EPROM80を備えている。センサ回路部20が復調装置に相当する。
[1−1−1.エレメントの構成]
エレメント10には、自励共振駆動回路30から駆動信号Sdrが入力される。このエレメント10は、ここでは図2に示す公知のMEMS音叉型エレメントであるとする。エレメント10は、駆動信号Sdrが入力されることにより、駆動信号Sdrが示す周波数で振動する。駆動信号Sdrによる振動を、以下、駆動振動とし、駆動振動を表す波を搬送波Cwとする。
このエレメント10に回転方向の外力Swが加えられると、図2に示すように、エレメント10は、搬送波Cwに対して(すなわち駆動振動に対して)、直交する方向にも振動する。この振動は、エレメント10に加えられる外力Swが、駆動振動により変調された信号であるので、以下、センサ変調信号Smとする。センサ変調信号Smは、搬送波Cwに対して位相が90度ずれた信号である。
エレメント10からは、搬送波Cwに対応する自励共振のモニタ信号(以下、モニタ信号という)と、搬送波Cwにセンサ変調信号Smが重畳した信号である合成信号CSwとが出力される。なお、エレメント10から出力されるモニタ信号および合成信号CSwはアナログ信号である。また、モニタ信号は、センサ変調信号Smを含んでいてもよい。
[1−1−2.自励共振系の構成]
自励共振駆動回路30にはモニタ信号が入力され、この信号に基づいて駆動信号Sdrを生成する。本実施形態の自励共振駆動回路30には、特許文献1に開示されている自励共振回路と同じものを用いることができる。すなわち、自励共振駆動回路30は、図3に示すように、リングオシレータ31と、時間デジタル値変換回路(time to digital converter、以下、TDC)32と、デジタル制御発振回路(digitally controlled oscillator、以下、DCO)33と、制御回路34とを備えている。
リングオシレータ31はデジタル発振回路である。このリングオシレータ31は、公知の構成であり、リング状に連結された複数の反転回路を有しており、各反転回路により、パルス信号として入力された入力信号を順次反転して周回させる。各反転回路に対応した複数の出力端子からは、各反転回路での反転動作時間の定数倍を1周期とするパルス信号がそれぞれ出力される。複数の出力端子から出力されるパルス信号は、TDC32およびDCO33に入力される。
TDC32には、モニタ信号が入力されるとともに、DCO33から駆動信号Sdrがフィードバックされて入力される。TDC32は、駆動信号Sdrに対するモニタ信号の位相差をデジタル時間情報として検出する。この位相差は、具体的には、駆動信号Sdrのパルス立ち上がり時間からモニタ信号の立ち上がり時間までの時間差を計測することになる。この時間差の計測において、TDC32は、リングオシレータ31が発生するパルス信号をクロックパルスとして用いる。
DCO33は、制御回路34から入力される制御信号に基づく周期の駆動信号Sdrを出力する。この周期の決定において、DCO33は、リングオシレータ31からのパルス信号をクロックパルスとして用いる。DCO33が出力する駆動信号Sdrは、エレメント10に入力されるとともに、TDC32へも入力される。
制御回路34は、TDC32が検出した位相差が、予め設定された共振位相差となるように、駆動信号Sdrの周期(換言すれば駆動信号Sdrの周波数)を制御する。この制御は、DCO33にデジタル信号である制御信号を出力することで行う。なお、共振位相差とは、ある物体が共振状態となっているときにおいて、外力の位相と物体の振動の位相との位相差である。この共振位相差は略90度であることが知られている。ただし、種々の条件により、90度からややずれることもあり、共振位相差の具体的数値としては、例えば87度とされることもある。
制御回路34が駆動信号Sdrの周波数を制御する理由は、エレメント10に入力される外力Swの位相に対するエレメント10の振動位相のずれは、周波数に依存することが知られているからである。具体的には、共振周波数よりも低い周波数では、外力Swの位相に対するエレメント10の振動位相の位相遅れは、略90度である共振位相差よりも小さい位相遅れとなる。一方、共振周波数よりも高い周波数では、外力Swの位相に対する振動子の振動位相の位相遅れは、共振位相差よりも大きい位相遅れとなる。よって、駆動信号Sdrの周波数を高くしたり低くしたりすることで、検出される位相差を調整できる。
[1−1−3.信号検知系の構成]
バンドギャップリファレンス回路40は、シリコン等の物質のバンドギャップを利用した周知の基準電圧発生回路であり、所定の基準電圧を発生する。基準電圧の値は、たとえば1.8Vである。この基準電圧に基づいて、TAD61などの回路が動作する。
切替回路50は、TAD61に合成信号CSwを入力する状態と、TAD61にバンドギャップリファレンス回路40が出力する基準電圧の信号(以下、基準電圧信号Vr)を入力する状態とを切り替える。切替回路50には、自励共振駆動回路30から駆動信号Sdrが入力され、この駆動信号Sdrの1周期毎に、TAD61に合成信号CSwを入力する状態と、TAD61に基準電圧信号Vrを入力する状態とを切り替える。
デジタル同期検波回路60は、同期検波によりエレメント10からの出力である合成信号CSwからベース信号Sbaを取り出す回路である。ベース信号Sbaは具体的には、エレメント10に外力Swが加えられることで生じるエレメント10の回転角速度を表す角速度信号である。デジタル同期検波回路60は、時間AD変換回路(以下、TAD)61と、加減算器62を備える。
TAD61は、特許文献1にも開示されている公知の構成であり、たとえば、図4に示す構成を備える。図4に示すTAD61は、NANDゲート611と、リング状に連結された偶数個数のインバータ612とがリング状に連結されているリングゲート遅延回路613と、カウンタ614と、ラッチ回路615と、パルスセレクタ616と、エンコーダ617と、信号処理回路618を備えている。なお、インバータ612はパルス信号遅延ユニットであり、リングゲート遅延回路613はパルス遅延回路である。
TAD61は、入力電圧変動型のAD変換回路であり、NANDゲート611、インバータ612には、入力信号Vinとして、合成信号CSwあるいは基準電圧信号Vrが入力される。入力信号Vinのレベルに応じて、パルス信号Pinがリングゲート遅延回路613を周回する時間が変化する。カウンタ614は、パルス信号Pinがリングゲート遅延回路613を周回する回数をカウントする。ラッチ回路615は、カウンタ614の計数値をラッチする。パルスセレクタ616は、リングゲート遅延回路613におけるパルス信号Pinの周回位置を検出する。エンコーダ617は、パルスセレクタ616が検出している周回位置をデジタル値で出力する。
信号処理回路618は、ラッチ回路615、エンコーダ617からの信号に基づいて、サンプリングクロック信号CKsが入力される毎に、パルス信号Pinがリングゲート遅延回路613を周回した回数と周回位置に対応したデジタルデータDTを決定する。
本実施形態では、サンプリングクロック信号CKsの周波数(すなわち、サンプリング周波数fs)は、搬送波周波数fcの2倍に設定されている。すなわち、サンプリング周期Tsは、搬送波周期Tcの0.5倍に設定されている。なお、TAD61は、自励共振駆動回路30から駆動信号Sdr(すなわち搬送波Cw)を取得して、サンプリングクロック信号CKsの発生タイミングを決定する。また、搬送波周期Tcは、合成信号CSwやセンサ変調信号Smの1周期と一致する。
この構成により、TAD61は、サンプリング周期Tsの間の入力信号Vinの積分値を出力する。
加減算器62は、TAD61が出力する前半信号レベルと後半信号レベルとの差を算出する。ここで、前半信号レベルは、搬送波Cwの前半の半周期における入力信号Vinを積分した値であり、後半信号レベルは、搬送波Cwの後半の半周期における入力信号Vinを積分した値である。また、加減算器62は、TAD61が出力する前半信号レベルと後半信号レベルとの和も算出する。
入力信号Vinとして合成信号CSwがTAD61に入力されている状態での上記差は検波値となる。検波値とは、合成信号CSwに含まれるセンサ変調信号Smの搬送波1周期分の積分値を表す。
図5(a)は、合成信号CSwに含まれているセンサ変調信号Smを概念的に示し、図5(b)は、合成信号CSwを概念的に示す。また、図5(c)はサンプリング周期Tsを示し、図5(d)は、TAD61が出力するデジタルデータDTを示す。
TAD61が出力するデジタルデータが合成信号CSwのデジタルデータであれば、加減算器62は、図5に示す前半サンプリング区間Sefの合成信号CSwの積分値と、後半サンプリング区間Sebの合成信号CSwの積分値との差を算出する。これは、図5(b)に示す面積S3−面積S4を算出していることを意味する。
前半サンプリング区間Sefは、搬送波Cwの極大値から開始し、搬送波Cwの極小値までの区間である。また、センサ変調信号Smは搬送波Cwの位相と90度ずれているので、前半サンプリング区間Sefは、センサ変調信号Smの0度から180度までとなっている。
後半サンプリング区間Sebは、搬送波Cwの極小値から開始し、搬送波Cwの極大値までの区間である。また、後半サンプリング区間Sebは、センサ変調信号Smの180度から360度までの区間である。
搬送波Cwは正弦波であるため、前半サンプリング区間Sefにおける搬送波Cwの積分値と、後半サンプリング区間Sebにおける搬送波Cwの積分値とは等しい。したがって、前半サンプリング区間Sefの合成信号CSwの積分値と、後半サンプリング区間Sebの間の合成信号CSwの積分値との差を算出することで、搬送波Cwの成分が除去される。
一方、面積S3−面積S4は、センサ変調信号Smにとっては、図5(a)に示す面積S1−面積S2を演算していることになる。これは、事実上、図5(a)に示す面積Saと面積Sbの和を算出していることになる。よって、この差は、センサ変調信号Smの検波値、すなわちベース信号Sbaを表している。
また、入力信号Vinとして基準電圧信号VrがTAD61に入力されている状態で加減算器62が算出する上記和は、搬送波Cwの1周期分の基準電圧信号Vrを積分した値を表す。この値を以下、BGR値とする。BGR値は基準信号値に相当し、BGR値を演算するので、加減算器62は基準信号値演算部に相当する。
ところで、検波値の0点レベルは、外的要因の変化等により変動する。外的要因には、例えば温度がある。0点レベルが変化するため、加減算器62が演算した検波値には、オフセット成分が含まれている。したがって、精度のよいベース信号Sbaを得るためには、検波値からオフセット成分を除去する必要がある。そのためには、検波値の0点レベルを適宜推定する必要がある。
そこで、デジタル補正回路70は、図6に示す補正回路処理を周期的に実施することによって、検波値の0点レベルを推定した上でベース信号Sbaを抽出する処理、および、0点推定に用いる式の定数を更新するキャリブレーションを実施する。記憶部に相当するEPROM80には、0点推定に用いる式(以下、0点推定式)が記憶されている。なお、補正回路処理は、デジタル補正回路70等のハードウェアで実現されてもよく、補正回路処理に相当するプログラムをCPUが実行するソフトウェアで実現されてもよい。
[1−2.処理]
補正回路処理では、図6に示すように、まずステップ(以下、ステップを省略する)S110にて、ジャイロセンサ装置1に与えられる角速度が0であるか否かを判定する。本実施形態の処理では、自車両の角速度が0であるか否かを判定する。例えば車速やパーキングブレーキの作動状態等、自車両が停止していることを判定するための情報を取得し、自車両が停止していることが認識できた場合に、自車両の角速度が0であると判定する。なお、ジャイロセンサ装置1が静止していることを検知する他のセンサを用いて角速度が0であるか否かを判定してもよい。
角速度が0であれば、合成信号CSwにはセンサ変調信号Smが合成されていないとみなすことができる状態である。このときは、S120〜S140の処理にてキャリブレーションを実施する。一方、角速度が0でなければ、S210〜S230の処理にてベース信号Sbaである角速度信号を抽出する処理を実施する。
キャリブレーションでは、まず、S120で、BGR値および検波値をそれぞれ取得する。切替回路50は、駆動信号Sdrの1周期毎に、TAD61に合成信号CSwを入力する状態と、TAD61に基準電圧信号Vrを入力する状態とを切り替えるので、デジタル同期検波回路60は、検波値およびBGR値を、それぞれ1周期おきに出力する。また、駆動信号Sdrが示す周波数で振動する波が搬送波Cwである。したがって、搬送波Cwの2周期分の期間でBGR値と検波値とがそれぞれ1つずつ取得できる。なお、角速度が0のときの検波値を、以下、0点検波値とする。
S130では、0点推定式の切片を演算する。この式は、BGR値と0点検波値との相関関係を表す回帰直線の式である。発明者は、BGR値と0点検波値との間に、高い相関関係があり、この相関関係は、一次関数で表されることを発見した。
上記の発見により、BGR値と0点検波値との関係は式1で表現できる。
(式1) 0点検波値=傾き×BGR値+切片
図7には0点検波値の時間変化の一例を示している。また、図8に同じ時間帯におけるBGR値の時間変化を示す。この図7、図8に示す0点検波値とBGR値を元データとして、500回の移動平均値を用いた相関係数、一次関数の傾き、切片は、それぞれ、相関係数が約0.95、傾きが約0.10、切片が約−266×10であった。相関係数が約0.95であることから、BGR値と0点検波値は、高い相関があると言える。
加えて、BGR値を式1に代入して推定した0点検波値(以下、0点推定値)は、ジャイロセンサの特性評価で広く用いられているアラン分散も良好であった。図9は、比較例として示すアラン分散の時間変化グラフであり、図10が本実施形態におけるアラン分散の時間変化グラフである。図9の比較例は、本発明者が先にした出願において開示した手法におけるアラン分散である。先にした出願において開示した手法は、BGR値に代えてバイアス値を用いている点において相違するが、本実施形態と同様、バイアス値と0点検波値との相関関係を示す式を用いて0点検波値を推定する。
図9、図10ともに、アラン分散を評価した値は0点補正結果である。つまり、図9、図10ともに、0点補正結果のアラン分散である。0点補正結果は、0点検波値を分子とし、分母は0点推定値である。よって、分母は、図9の場合は、0点検波値とバイアス値との相関関係を表す式にバイアス値を代入した値であり、図10の場合は、0点検波値とBGR値との相関関係を表す式にBGR値を代入した値である。アラン分散は、測定時間間隔τが1秒のときの値で評価するのが一般的である。
図9の例では、τ=1秒のときのアラン分散は100deg/hrであるのに対して、図10の例では、τ=1秒のときのアラン分散は60deg/hrである。よって、本実施形態は、本発明者が先にした出願において開示した手法よりもアラン分散がよいと言える。
後述するS210以降の処理では、式1を用いて0点推定値を都度算出して、精度のよいベース信号Sbaが抽出できるようにしている。
また、式1の傾きおよび切片は、温度等により変動する。したがって、より精度のよいベース信号Sbaを抽出するためには、傾きおよび切片を、随時、更新することが好ましい。しかし、一組のBGR値および0点検波値のみでは、切片および傾きのいずれか一方しか算出することができない。
実験を重ねるにつれて、傾きの値は概ね一定であり、切片のみに多少のばらつきが生じることも分かった。そこで、本実施形態では、傾きの値については予め設定された固定値とし、S130では、上記式1にBGR値と0点検波値とを代入することによって式1の切片を演算する。
続くS140では、EPROM80に記憶している式1の切片の値を、S130で演算した値に更新する。このS140が定数更新部に相当する。なお、EPROM80に記憶されている式1の切片および傾きの初期値は、予め設定された値となっている。
S110の判断において角速度が0でないと判断した場合にはS210を実行する。S210の処理は、S120と同じであり、BGR値および検波値をそれぞれ取得する。なお、S210およびS120は、検波値を取得しているので検波値取得部に相当する。
S220では、EPROM80に記憶されている式1に、S210で取得したBGR値を代入して0点推定値を算出する。このS220が0点推定部に相当する。
S230では、S210で取得した検波値とS220で演算した0点推定値との差をベース信号Sbaとして抽出する。このS230が信号抽出部に相当する。なお、このベース信号Sbaは、すでに説明したように、角速度信号である。
[1−3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)本実施形態では、S210にて検波値を取得する。この検波値はオフセット値が含まれた値になっている。そのため、精度のよいベース信号Sbaを抽出するためには検波値からオフセット値を除去する必要がある。
本発明者は、搬送波Cwにセンサ変調信号Smが合成されていない状態の検波値である0点検波値は、前述したように、BGR値と高い相関があることを見出した。そこで、EPROM80に、BGR値から0点推定値を算出する式1を記憶しておき、S210で取得したBGR値をする。このBGR値を式1に代入して0点推定値を算出する。ベース信号Sbaは、S210で取得した検波値と0点推定値との差異に基づいて抽出するので、精度のよいベース信号Sbaを得ることができる。
(1b)また、本実施形態では、角速度が0のときに、S120でBGR値と0点検波値を取得し、これらBGR値と0点検波値を用いて、S130、S140で、EPROM80に記憶している式1の切片を更新する。
切片の値は温度等により変化するため、式1の切片の値を更新することで、より精度のよい0点推定値を算出できるようになる。その結果、より精度のよいベース信号Sbaを得ることができる。
(1c)上記のジャイロセンサ装置1においてデジタル補正回路70は、搬送波Cwおよびセンサ変調信号Smの成分を含むアナログ信号をデジタルデータに変換することによって合成信号CSwを生成するTAD61を備える。このようなジャイロセンサ装置1によれば、デジタルデータである合成信号CSwからベース信号Sbaを復調することができる。
[2.他の実施形態]
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(2a)上記実施形態では、S120〜S140を実行して、式1の切片を逐次更新するキャリブレーションを実行していたが、このキャリブレーションを実行しなくてもよい。切片を更新しないとしても、式1を用いて0点推定値を算出し、その0点推定値と検波値とに基づいてベース信号Sbaを抽出すれば、0点推定値で補正しない場合よりはベース信号Sbaの精度は向上する。
(2b)上記実施形態では、搬送波Cwの極大値や極小値から始まる周期においてBGR値を得るよう構成したが、搬送波Cwの極大値や極小値に限らず、任意のタイミングから1周期の検知を開始してもよい。
(2c)上記実施形態では、キャリブレーションにおいて切片の値を更新していたが、これに代えて、傾きの値を更新してもよい。
(2d)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
1:ジャイロセンサ装置 10:エレメント 20:センサ回路部 30:自励共振駆動回路 31:リングオシレータ 34:制御回路 40:バンドギャップリファレンス回路 50:切替回路 60:デジタル同期検波回路 62:加減算器 70:デジタル補正回路 80:EPROM 611:NANDゲート 612:インバータ 613:リングゲート遅延回路 614:カウンタ 615:ラッチ回路 616:パルスセレクタ 617:エンコーダ 618:信号処理回路

Claims (5)

  1. 搬送波に対してベース信号が変調された変調信号が合成された合成信号から、前記ベース信号を復調する復調装置(20)であって、
    基準電圧信号を出力するバンドギャップリファレンス回路(40)と、
    前記搬送波に同期した半周期である前半の半周期において前記合成信号を積分した値と、前記前半の半周期に続く後半の半周期において前記合成信号を積分した値と、の差を表す検波値を取得する検波値取得部(S120、S210)と、
    前記搬送波に前記変調信号が合成されていない状態の前記検波値である0点検波値と、前記バンドギャップリファレンス回路が出力する前記基準電圧信号を1周期分積分した値を表す基準信号値との相関関係を表す式を記憶している記憶部(80)と、
    前記基準電圧信号を積分して前記基準信号値を演算する基準信号値演算部(62)と、
    前記記憶部に記憶されている前記相関関係を表す式に、前記基準信号値演算部が演算した前記基準信号値を代入して、前記0点検波値を推定した0点推定値を決定する0点推定部(S220)と、
    前記検波値取得部が取得した前記検波値と前記0点推定部が決定した前記0点推定値との差異に基づいて、前記ベース信号を抽出する信号抽出部(S230)と、を備えた復調装置。
  2. 請求項1に記載の復調装置であって、
    前記相関関係を表す式は、前記基準信号値の一次関数で前記検波値を表す式である復調装置。
  3. 請求項2に記載の復調装置であって、
    前記搬送波に前記変調信号が合成されていない状態で前記検波値取得部が取得した前記検波値と、前記基準信号値演算部が演算した前記基準信号値とに基づいて、前記記憶部に記憶している前記一次関数の切片および傾きのいずれか一方を更新する定数更新部(S140)を備えた復調装置。
  4. 請求項3に記載の復調装置であって、
    前記一次関数の傾きは予め設定されており、
    前記定数更新部は、前記切片を更新する復調装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の復調装置であって、
    アナログ信号である前記合成信号をデジタルデータに変換するAD変換回路(61)と、前記AD変換回路が出力したデジタルデータの前記合成信号の、前記搬送波に同期した前半の半周期分と後半の半周期分との差を算出する減算器(62)とを備えたデジタル同期検波回路(60)と、
    前記AD変換回路にアナログ信号である前記合成信号を入力する状態と、前記AD変換回路に前記バンドギャップリファレンス回路が出力した前記基準電圧信号を入力する状態とを切り替える切替回路(50)と、を備えた復調装置。
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