JP2018072271A - 自励共振回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】、自励共振回路を利用した計測装置の精度を向上させる場合にも、起動時間を短縮することが可能になる自励共振回路を提供する。
【解決手段】初期動作として、DCO14が出力する駆動信号の周波数を、TDC13によって検出される位相差が概略共振範囲内となるまでスイープさせる制御回路15と、基準クロックパルスを出力する基準発振回路16と、基準発振回路16から出力された基準クロックパルスについてTDC13で検出したデジタル時間情報と、不揮発性メモリ50に記憶されている、自励共振回路の動作温度別の、基準クロックパルスについてのデジタル時間情報とスイープ範囲との対応関係とから、自励共振回路の現在の動作温度に応じたスイープ範囲を決定する掃引範囲決定回路17とを備え、制御回路15は、掃引範囲決定回路17で決定した範囲に絞ってスイープさせる。
【選択図】図2

Description

本発明は、自励共振回路に関するものである。
特許文献1には、振動子を共振させつつ、その振動子の変位を検出することで物理量を検出するジャイロセンサといった、自励共振回路を利用した計測装置が開示されている。特許文献1に開示の技術では、初期動作において、デジタル制御発振回路が出力する駆動信号の周波数を、エレメントの共振周波数よりも十分低い周波数からその共振周波数よりも十分に高い範囲内で、エレメントの振動子が概略共振状態となるまで周波数掃引(つまり、スイープ)させる。そして、概略共振状態となった後に、デジタル制御発振回路で発生させる信号の周波数を調整する。
特開2013−164296号公報
ジャイロセンサといった、自励共振回路を利用した計測装置の精度は、振動子のQ値を高くすることで向上させることができる。しかしながら、特許文献1に開示の技術では、振動子のQ値を高くすると、駆動信号の周波数をスイープする範囲に対して、振動子が概略共振状態となる範囲が狭くなる。よって、振動子が概略共振状態となるまでスイープするのに時間がかかり、起動時間が長くなってしまう。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、自励共振回路を利用した計測装置の精度を向上させる場合にも、起動時間を短縮することが可能になる自励共振回路を提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、発明の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明の自励共振回路は、振動子を自励共振させる自励共振回路であって、入力されるデジタル値に応じた周波数の信号を、振動子を駆動させるための駆動信号として出力するデジタル制御発振回路(14)と、振動子の振動を検出した検出信号とデジタル制御発振回路から出力された駆動信号との位相差をデジタル時間情報として検出する時間デジタル値変換回路(13)と、初期動作として、デジタル制御発振回路が出力する駆動信号の周波数を、時間デジタル値変換回路によって検出される位相差が概略共振状態を示す位相差の範囲として予め設定された概略共振範囲内となるまで周波数掃引させる制御回路(15)と、基準クロックパルスを出力する基準発振回路(16)と、基準発振回路から出力された基準クロックパルスについて時間デジタル値変換回路で検出したデジタル時間情報と、自励共振回路の動作温度別に、基準クロックパルスについてのデジタル時間情報と周波数掃引の範囲との対応関係を記憶しているメモリ(50)に記憶されている対応関係とから、自励共振回路の現在の動作温度に応じた周波数掃引の範囲を決定する範囲決定回路(17)とを備え、制御回路は、範囲決定回路で決定した範囲に絞って周波数掃引させる。
時間デジタル値変換回路が検出する位相差の時間分解能は、自励共振回路の動作温度に応じて変動する温度特性を持つ。よって、時間デジタル値変換回路によって検出される位相差が概略共振範囲内となる、デジタル制御発振回路が出力する駆動信号の周波数は、自励共振回路の動作温度に応じて変動する。従って、自励共振回路の取り得る動作温度の範囲の全てに対応できるように周波数掃引の範囲を決定しようとすると、振動子が概略共振状態となる範囲に対して周波数掃引の範囲が広くなり過ぎてしまう。これに対して、本発明によれば、自励共振回路の現在の動作温度に応じた周波数掃引の範囲を決定することが可能になる。よって、自励共振回路の現在の動作温度に応じて、振動子が概略共振状態となる範囲に対する周波数掃引の範囲をより狭く決定することが可能になる。従って、振動子のQ値を高くした場合であっても、振動子が概略共振状態となる範囲に対する周波数掃引の範囲をより狭くすることが可能になる。その結果、自励共振回路を利用した計測装置の精度を向上させる場合にも、起動時間を短縮することが可能になる。
ジャイロセンサ1の概略的な構成の一例を示す図である。 自励共振回路10の概略的な構成の一例を示す図である。 不揮発性メモリ50に記憶されている対応関係の一例を表す模式図である。 掃引範囲決定回路17でのスイープ範囲の再決定について説明するための図である。 自励共振回路10での概略共振関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図面を参照しながら、開示のための複数の実施形態を説明する。なお、説明の便宜上、複数の実施形態の間において、それまでの説明に用いた図に示した部分と同一の機能を有する部分については、同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。同一の符号を付した部分については、他の実施形態における説明を参照することができる。
(実施形態1)
<ジャイロセンサ1の概略構成>
以下、本発明の実施形態1について図面を用いて説明する。図1に示すように、ジャイロセンサ1は、自励共振回路10、エレメント20、初段回路30、信号検出回路40、及び不揮発性メモリ50を備えている。これらの構成のうち、エレメント20、初段回路30、及び信号検出回路40は、一般的なジャイロセンサに用いられる構成と同じである。ジャイロセンサ1は、振動式ジャイロセンサであって、車載されるMEMSジャイロセンサであるものとする。このジャイロセンサ1が請求項の車載される機器に相当する。
自励共振回路10は、エレメント20の出力信号に基づいて駆動信号を生成する。自励共振回路10については後に詳述する。エレメント20は、例えば公知のMEMSジャイロセンサに用いられるエレメントである。エレメント20は、振動子、振動子を振動させる電界を発生させる電極、及び振動子と電極との間の静電容量を検出する信号検出部を備えている。エレメント20は、自励共振回路10から入力される駆動信号が示す周波数で振動子を振動させ、振動子が外力により変位するのに応じて変化する静電容量を検出する。
初段回路30は、CV変換回路及びコンパレータを備えている。このCV変換回路は、エレメント20の信号検出部が検出する静電容量を電圧信号に変換する。この電圧信号は、エレメント20の振動子の角速度を示す角速度信号に、振動子の振動により生じる電圧変化の信号が重畳した信号である。コンパレータは、CV変換回路が出力する電圧信号と所定の閾値とを比較し、比較結果を示す信号(以下、検出信号)を出力する。
信号検出回路40は、初段回路30から入力される検出信号から角速度信号を取り出す。信号検出回路40は、同期検波部、ローパスフィルタ、及び増幅調整部を備えている。同期検波部には、自励共振回路10から出力される駆動信号が基準信号として入力される。同期検波部は、この基準信号を用いて同期検波を行うことで、検出信号から駆動信号周期の成分(以下、駆動信号成分)を除去する。
検出信号は、角速度信号と駆動信号成分と直流成分とに分けられる。共振状態においてエレメント20に入力される外力に対して、エレメント20の出力信号の位相は略90度ずれるので、駆動信号により振動子が共振していることにより生じる駆動信号成分は、基準信号として入力される駆動信号に対して位相が90度ずれている。そこで、同期検波部は、検出信号と基準信号を乗算処理することにより、基準信号に対して略90度の位相ずれがある駆動信号成分を検出信号から除去する。同期検波部で検波された信号は、さらにローパスフィルタで高周波成分が除去され、増幅調整部で感度補正及び信号増幅が行われて出力される。なお、感度補正係数は不揮発性メモリ50に記憶されているものとする。
<自励共振回路10の概略構成>
続いて、図2を用いて、自励共振回路10の概略構成についての説明を行う。図2に示すように、自励共振回路10は、初段回路11、リングオシレータ12、時間デジタル値変換回路(TDC:time to digital converter)13、デジタル制御発振回路(DCO:digitally controlled oscillator)14、制御回路15、基準発振回路16、及び掃引範囲決定回路17を備えている。
初段回路11は、前述した初段回路30と同様のものであって、エレメント20の信号検出部が検出する静電容量を電圧信号に変換し、この電圧信号と所定の閾値とを比較し、比較結果を示す検出信号をTDC13へ出力する。
リングオシレータ12は、デジタル発振回路である。このリングオシレータ12としては、公知の構成を用いることができる。一例として、リングオシレータ12は、リング状に連結された複数の反転回路を有しており、各反転回路により、パルス信号として入力された入力信号を順次反転して周回させる。また、各反転回路に対応した複数の出力端子からは、各反転回路での反転動作時間の定数倍を1周期とするパルス信号がそれぞれ出力される。複数の出力端子から出力されるパルス信号は、TDC13及びDCO14に入力される。また、リングオシレータ12は、ゲート遅延回路を備えているものとすればよい。
TDC13には、初段回路11から検出信号が入力されるとともに、DCO14から駆動信号がフィードバックされて入力される。なお、初段回路11が出力する検出信号は、その初段回路11のコンパレータによりパルス信号とされている。また、DCO14が出力する駆動信号もパルス信号である。TDC13は、駆動信号に対する検出信号の位相遅れ(つまり、位相差)をデジタル時間情報(以下、TDCデータ)として検出する。この位相差は、具体的には、駆動信号のパルス立ち上がり時間から検出信号のパルス立ち上がり時間までの時間差を計測することになる。この時間差の計測において、TDC13は、リングオシレータ12が発生するパルス信号をクロックパルスとして用いる。
DCO14は、制御回路15から入力される制御信号に基づく周期の駆動信号を出力する。この周期の決定において、DCO14は、リングオシレータ12からのパルス信号をクロックパルスとして用いる。DCO14が出力する駆動信号は、エレメント20に入力されるとともに、TDC13へも入力される。
制御回路15は、TDC13が検出した位相差が、予め設定された共振位相差となるように、駆動信号の周期を制御する。言い換えると、駆動信号の周波数を制御する。この制御は、DCO14にデジタル信号である制御信号を出力することで行う。なお、共振位相差とは、ある物体が共振状態となっているときの、外力の位相と物体の振動の位相との位相差である。この共振位相差は略90度であることが知られている。ただし、種々の条件により、90度からややずれることもあり、共振位相差の具体的数値としては、例えば87度とされることもある。
制御回路15が駆動信号の周波数を制御するのは、振動子に入力される外力の位相(本実施形態では駆動信号の位相)に対する振動子の振動位相(本実施形態では検出信号の位相)のずれは、周波数に依存することが知られているからである。具体的には、共振周波数よりも低い周波数では、外力の位相に対する振動子の振動位相の位相遅れは、略90度である共振位相差よりも小さい位相遅れとなる。一方、共振周波数よりも高い周波数では、外力の位相に対する振動子の振動位相の位相遅れは、共振位相差よりも大きい位相遅れとなる。よって、駆動信号の周波数を高くしたり低くしたりすることで、検出される位相差を調整できる。なお、共振位相差よりも小さい位相遅れの場合、両位相は同相であり、共振位相差よりも大きい位相遅れの場合、両位相は逆相であることになる。
駆動信号の周波数を高くしたり低くしたりすることで、検出される位相差を調整できることから、制御回路15は、次の周波数調整処理を行う。周波数調整処理では、検出される位相差が共振位相差よりも小さい場合には周波数を高くする。これにより、検出される位相差が大きくなり、検出される位相差が共振位相差に近づくことになる。一方、検出される位相差が共振位相差よりも大きい場合には周波数を低くする。これにより、検出される位相差が小さくなり、やはり、検出される位相差が共振位相差に近づくことになる。
制御回路15は、ジャイロセンサ1での計測開始時等の初期動作において、周波数調整処理を行う。そのため、検出信号には、角速度信号成分は含まれず、検出信号の位相を駆動信号成分由来の信号とみなすことができる。また、制御回路15は、初期動作において、エレメント20の振動子を概略共振状態とするための概略共振制御処理を行ってから、周波数調整処理を行う。以下では、制御回路15での概略共振制御処理について説明する。
概略共振制御処理では、制御回路15が、DCO14が出力する駆動信号の周波数をスイープ(つまり、周波数掃引)させる。スイープ範囲は、掃引範囲決定回路17が決定したスイープ範囲とする。また、制御回路15は、振動子が概略共振状態であると判断したら、その時点で周波数のスイープを終了させるものとする。一例として、制御回路15は、TDC13により検出した位相差が、概略共振状態であるとみなせる予め設定された概略共振範囲内である場合に、概略共振状態であると判断する。概略共振範囲は、一例としては、共振位相差の90%〜110%とする。
なお、駆動信号の周波数をスイープさせていき、概略共振状態となる場合、検出信号の波形は振幅が急に大きくなる。そこで、別途、検出信号をデジタル信号とするADコンバータを備えている場合には、そのADコンバータが出力する信号の振幅から概略共振状態を判断してもよい。制御回路15は、概略共振状態と判断した場合に、周波数調整処理を行う。すなわち、制御回路15は、DCO14が出力する駆動信号の周波数を、振動子が概略共振状態となるまでスイープさせた後に、TDC13によって検出された位相差が、振動子を共振させるために予め設定された共振位相差と一致するように、DCO14で発生させる信号の周波数を調整する周波数調整処理を行う。
基準発振回路16は、基準クロックパルス(以下、基準CLK)をTDC13へ出力する。一例として、1MHzのクロックパルスを基準クロックパルスとする。基準発振回路16は、ジャイロセンサ1の起動時に発振動作を開始し、基準CLKを出力する。一方、基準発振回路16から出力された基準CLKの周波数がTDC13でデジタル時間情報化された場合に、基準発振回路16の発振動作を停止し、基準CLKの出力を停止する。
掃引範囲決定回路17は、自励共振回路10の現在の動作温度に応じたスイープ範囲を決定する。これは、TDC13及びDCO14の時間分解能が温度特性を持ち、動作温度による値のずれが生じることに、対応するためである。この掃引範囲決定回路17が請求項の範囲決定回路に相当する。自励共振回路10の動作温度は、ジャイロセンサ1の動作温度と言い換えてもよい。掃引範囲決定回路17は、TDC13が出力する基準CLKの周波数のTDCデータと、不揮発性メモリ50に記憶されている対応関係とを比較することで、自励共振回路10の現在の動作温度に応じたスイープ範囲を決定する。
TDC13が出力する基準CLKの周波数のTDCデータとは、基準発振回路16から出力された基準CLKの周波数をTDC13でデジタル時間情報化したものである。また、不揮発性メモリ50に記憶されている対応関係は、自励共振回路10の動作温度別の、基準CLKについてのTDCデータとスイープ範囲との対応関係であるものとする。よって、この不揮発性メモリ50が請求項のメモリに相当する。
ここで、不揮発性メモリ50に記憶されている対応関係の一例について図3を用いて説明を行う。図3は、不揮発性メモリ50に記憶されている対応関係の一例を表す模式図である。一例として、対応関係は、図3に示すように、少なくとも3点の動作温度別の、基準CLKについてのTDCデータとスイープ範囲との対応関係であることが好ましい。また、少なくとも3点の動作温度は、ジャイロセンサ1の使用が想定される環境に基づいて設定した室温(例えば25℃とする)と、この室温よりも低温側の温度と、この室温よりも高温側の温度とであることが好ましい。
図3の例では、動作温度が室温である25℃の場合にTDC13が出力する基準CLKの周波数のTDCデータと、動作温度が25℃の場合に応じたスイープ範囲とが対応付けられている。また、動作温度が室温よりも高温である85℃の場合にTDC13が出力する基準CLKの周波数のTDCデータと、動作温度が85℃の場合に応じたスイープ範囲とが対応付けられている。さらに、動作温度が室温よりも低温である−40℃の場合にTDC13が出力する基準CLKの周波数のTDCデータと、動作温度が−40℃の場合に応じたスイープ範囲とが対応付けられる。各動作温度に応じたスイープ範囲とは、それぞれの動作温度における、振動子が自励共振すると推測される周波数近辺に絞ったスイープ範囲である。また、対応関係で用いられる少なくとも3点の動作温度の上限値と下限値とは、ジャイロセンサ1の使用が想定される環境の上限温度と下限温度とすればよい。
ここで、図3の例を用いて、掃引範囲決定回路17でのスイープ範囲の決定についての説明を行う。まず、掃引範囲決定回路17は、TDC13が出力する基準CLKの周波数のTDCデータの入力を受ける。このTDCデータは、自励共振回路10の現在の動作温度に応じた値となっている。掃引範囲決定回路17は、このTDCデータと、不揮発性メモリ50に記憶されている対応関係とを比較し、例えば線形補間等の補間によって、このTDCデータに対応するスイープ範囲を決定する。例えば、このTDCデータが、対応関係のうちの動作温度別のTDCデータを用いた線形補間から、28℃のTDCデータに相当した場合には、対応関係のうちの動作温度別のスイープ範囲を用いた線形補間から、28℃に対応するスイープ範囲を推算する。そして、推算したスイープ範囲を、自励共振回路10の現在の動作温度に応じたスイープ範囲と決定する。これによれば、不揮発性メモリ50に記憶しておく対応関係のデータ量を減らしつつも、線形補間によって様々な動作温度に応じたスイープ範囲を決定することが可能になる。
また、掃引範囲決定回路17は、制御回路15が掃引範囲決定回路17で決定したスイープ範囲に絞ってスイープさせたにもかかわらず、TDC13によって検出される位相差が概略共振範囲内とならなかった場合には、決定済みのスイープ範囲よりも範囲を拡大してスイープ範囲を再度決定する。概略共振範囲内とならなかった場合とは、概略共振状態とならなかった場合と言い換えることもできる。概略共振範囲内とならなかった場合には、決定済みのスイープ範囲よりも周波数が大きい側か小さい側かどちらに概略共振状態となるポイントがずれていたのかが不明である。よって、掃引範囲決定回路17は、決定済みのスイープ範囲を拡大してスイープ範囲を再度決定する場合には、図4に示すように、決定済みのスイープ範囲(図4のA参照)よりも周波数が大きい側と小さい側との両側に範囲を拡大してスイープ範囲を再度決定する(図4のB参照)ことが好ましい。掃引範囲決定回路17でスイープ範囲を再度決定した場合、制御回路15は、スイープ済みの範囲を再度スイープする無駄を軽減するために、スイープ済みの範囲を除く範囲に絞ってスイープさせることが好ましい。
<自励共振回路10での概略共振関連処理>
ここで、図5のフローチャートを用いて、自励共振回路10での、初期動作において振動子を概略共振状態とする処理(以下、概略共振関連処理)の流れの一例について説明を行う。図5のフローチャートは、ジャイロセンサ1が電力供給を受けて起動したときに開始する。一例として、ジャイロセンサ1は、ジャイロセンサ1が搭載される車両のイグニッション電源がオンになったときに電力供給を受けて起動する構成とすればよい。
まず、ステップS1では、基準発振回路16が、基準CLKをTDC13へ出力する。ステップS2では、TDC13が、基準発振回路16から出力された基準CLKの周波数をデジタル時間情報化したTDCデータを出力する。ステップS3では、基準発振回路16が基準CLKの出力を停止する。
ステップS4では、掃引範囲決定回路17が、S2で出力されたTDCデータと、不揮発性メモリ50に記憶されている対応関係とから、線形補間によって自励共振回路10の現在の動作温度に応じたスイープ範囲を決定する。ステップS5では、制御回路15が、S4で決定したスイープ範囲内のスイープを開始させる。
ステップS6では、スイープによって振動子が概略共振状態となった場合(S6でYES)には、概略共振関連処理を終了し、制御回路15が周波数調整処理を開始する。一方、スイープによって振動子が概略共振状態となっていない場合(S6でNO)には、ステップS7に移る。ステップS7では、決定済みのスイープ範囲内のスイープが終了した場合(S7でYES)には、ステップS8に移る。一方、決定済みのスイープ範囲内のスイープが終了していない場合(S7でNO)には、S6に戻ってスイープを継続する。
ステップS8では、掃引範囲決定回路17が、決定済みのスイープ範囲よりも範囲を拡大してスイープ範囲を再度決定する。ステップS9では、制御回路15が、S8で再決定したスイープ範囲内のスイープを開始させる。なお、前述したように、再決定したスイープ範囲内をスイープさせる場合には、スイープ済みの範囲を除いてスイープさせることが好ましい。
<実施形態1のまとめ>
実施形態1の構成によれば、自励共振回路10の現在の動作温度に応じて、エレメント20の振動子が概略共振状態となる範囲に対するスイープ範囲をより狭く決定することが可能になる。従って、自励共振回路10の利用が想定される環境で取り得る動作温度の範囲の全てに対応できるようにスイープ範囲を広く決定する必要がなく、振動子が概略共振状態となる範囲に対してスイープ範囲が広くなり過ぎてしまうことを防ぐことができる。従って、ジャイロセンサ1の精度を向上させるために振動子のQ値を高くした場合であっても、振動子が概略共振状態となる範囲に対するスイープ範囲をより狭く決定することが可能になる。その結果、自励共振回路10を利用したジャイロセンサ1の精度を向上させる場合にも、起動時間を短縮することが可能になる。
また、実施形態1の構成によれば、TDC13とDCO14とが、同じリングオシレータ12が発生するクロックパルスを用いることから、TDC13が検出する位相差の時間分解能と、DCO14が発振する駆動信号の時間分解能とが同じとなる。よって、検出信号の周期と駆動信号の周期とが一致することになり、TDC13が検出した位相差を、周波数を制御するための位相差の値として直接利用することができる。
さらに、実施形態1の構成によれば、基準発振回路16から出力された基準CLKの周波数がTDC13でデジタル時間情報化された場合に、基準CLKの出力を停止させる。よって、基準CLKが出力され続けることによるノイズの発生を抑えるとともに、消費電力を抑えることが可能になる。
また、実施形態1の構成によれば、ジャイロセンサ1の使用が想定される環境に基づいて設定した室温と、この室温よりも低温側の温度と、この室温よりも高温側の温度との少なくとも3点の動作温度別の、基準CLKについてのTDCデータとスイープ範囲との対応関係を用いた補間によって、基準CLKの周波数のTDCデータに対応するスイープ範囲を決定する。補間によって得られるデータの精度は、補間に用いるデータに値が近いデータの方が高くなる。よって、実施形態1の構成によれば、ジャイロセンサ1の使用頻度が高いと考えられる、自励共振回路10の現在の動作温度が室温付近である場合におけるスイープ範囲を特に精度良く決定できる。
(実施形態2)
前述の実施形態では、TDC13とDCO14は、同一のリングオシレータ12が発生するクロックパルスを用いていたが、必ずしもこれに限らない。例えば、TDC13とDCO14とに対してそれぞれ専用のクロックパルス発振回路を設ける構成としてもよい。
(実施形態3)
前述の実施形態では、ジャイロセンサ1の起動時に基準CLKの出力を開始し、この基準CLKの周波数がTDC13でデジタル時間情報化された場合に基準CLKの出力を停止させる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、基準CLKの出力の開始と停止とのタイミングを他のタイミングとする構成としてもよい。
(実施形態4)
前述の実施形態では、不揮発性メモリ50に記憶されている対応関係が、少なくとも3点の動作温度別の、基準CLKについてのTDCデータとスイープ範囲との対応関係である構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、不揮発性メモリ50に記憶されている対応関係が、2点の動作温度別の、基準CLKについてのTDCデータとスイープ範囲との対応関係である構成としてもよい。
(実施形態5)
前述の実施形態では、TDC13が出力する基準CLKの周波数のTDCデータと不揮発性メモリ50に記憶されている対応関係とから、補間によって、自励共振回路10の現在の動作温度に応じたスイープ範囲を決定する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、不揮発性メモリ50に記憶されている対応関係に含まれるTDCデータのうち、TDC13が出力する基準CLKの周波数のTDCデータに最も近いTDCデータに対応付けられているスイープ範囲を、自励共振回路10の現在の動作温度に応じたスイープ範囲を決定する構成としてもよい。この構成を採用する場合、概略共振状態となるスイープ範囲の決定精度向上のために、実施形態1の構成よりも対応関係の組数を増やすことが好ましい。
(実施形態6)
前述の実施形態では、自励共振回路10がジャイロセンサ1で用いられる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。本発明は、自励共振回路を利用したあらゆる計測装置に適用できる。例えば、ジャイロセンサに限定されるものではなく、その他の自励共振センサ、例えば共振式圧力センサにも適用できる。また、センサ以外に、マイクロスキャナにも本発明は適用できる。
(実施形態7)
前述の実施形態では、自励共振回路10が、車載のジャイロセンサ1で用いられる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば自励共振回路10は、車載以外の計測装置で用いられる構成としてもよい。
なお、本発明は、上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態及び変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 ジャイロセンサ(車載される機器、MEMSジャイロ)、10 自励共振回路、11 初段回路、12 リングオシレータ、13 TDC(時間デジタル値変換回路)、14 DCO(デジタル制御発振回路)、15 制御回路、16 基準発振回路、17 掃引範囲決定回路(範囲決定回路)、20 エレメント、30 初段回路、40 信号検出回路、50 不揮発性メモリ(メモリ)

Claims (9)

  1. 振動子を自励共振させる自励共振回路であって、
    入力されるデジタル値に応じた周波数の信号を、前記振動子を駆動させるための駆動信号として出力するデジタル制御発振回路(14)と、
    前記振動子の振動を検出した検出信号と前記デジタル制御発振回路から出力された駆動信号との位相差をデジタル時間情報として検出する時間デジタル値変換回路(13)と、
    初期動作として、前記デジタル制御発振回路が出力する駆動信号の周波数を、前記時間デジタル値変換回路によって検出される前記位相差が概略共振状態を示す位相差の範囲として予め設定された概略共振範囲内となるまで周波数掃引させる制御回路(15)と、
    基準クロックパルスを出力する基準発振回路(16)と、
    前記基準発振回路から出力された前記基準クロックパルスについて前記時間デジタル値変換回路で検出した前記デジタル時間情報と、前記自励共振回路の動作温度別に、前記基準クロックパルスについての前記デジタル時間情報と前記周波数掃引の範囲との対応関係を記憶しているメモリ(50)に記憶されている前記対応関係とから、前記自励共振回路の現在の動作温度に応じた前記周波数掃引の範囲を決定する範囲決定回路(17)とを備え、
    前記制御回路は、前記範囲決定回路で決定した範囲に絞って前記周波数掃引させる自励共振回路。
  2. 請求項1において、
    前記基準発振回路は、前記自励共振回路を用いる機器の起動時に前記基準クロックパルスの出力を開始し、前記基準クロックパルスについて前記時間デジタル値変換回路で前記デジタル時間情報を検出した場合に前記基準クロックパルスの出力を停止する自励共振回路。
  3. 請求項1又は2において、
    前記範囲決定回路は、前記基準発振回路から出力された前記基準クロックパルスについて前記時間デジタル値変換回路で検出した前記デジタル時間情報が前記対応関係に含まれない場合には、前記対応関係に含まれる前記デジタル時間情報を用いた補間によって、前記基準クロックパルスについて前記時間デジタル値変換回路で検出した前記デジタル時間情報に対応する前記周波数掃引の範囲を決定し、前記自励共振回路の現在の動作温度に応じた前記周波数掃引の範囲とする自励共振回路。
  4. 請求項3において、
    前記対応関係は、少なくとも3点の前記動作温度別の、前記基準クロックパルスについての前記デジタル時間情報と前記周波数掃引の範囲との対応関係である自励共振回路。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    クロックパルスを発生するリングオシレータ(12)を備え、
    前記時間デジタル値変換回路は、前記リングオシレータが発生するクロックパルスに基づいて位相差を計測し、
    前記デジタル制御発振回路は、前記リングオシレータが発生するクロックパルスに基づいて時間を計測することで、入力されるデジタル値に応じた周波数の駆動信号を出力する自励共振回路。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、
    前記範囲決定回路は、前記制御回路が前記範囲決定回路で決定した範囲に絞って前記周波数掃引させたにもかかわらず、前記時間デジタル値変換回路によって検出される前記位相差が前記概略共振範囲内とならなかった場合に、決定済みの前記周波数掃引の範囲よりも範囲を拡大して前記周波数掃引の範囲を再度決定し、
    前記制御回路は、前記範囲決定回路で再度決定した範囲を前記周波数掃引させる自励共振回路。
  7. 請求項6において、
    前記制御回路は、前記範囲決定回路で再度決定した範囲を前記周波数掃引させる場合に、掃引済みの範囲を除く範囲に絞って前記周波数掃引させる自励共振回路。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項において、
    車載される機器で用いられる自励共振回路。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項において、
    MEMSジャイロセンサで用いられる自励共振回路。
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