JP6720834B2 - 自励共振回路 - Google Patents
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Description
<ジャイロセンサ1の概略構成>
以下、本発明の実施形態1について図面を用いて説明する。図1に示すように、ジャイロセンサ1は、自励共振回路10、エレメント20、初段回路30、信号検出回路40、及び不揮発性メモリ50を備えている。これらの構成のうち、エレメント20、初段回路30、及び信号検出回路40は、一般的なジャイロセンサに用いられる構成と同じである。ジャイロセンサ1は、振動式ジャイロセンサであって、車載されるMEMSジャイロセンサであるものとする。このジャイロセンサ1が請求項の車載される機器に相当する。
続いて、図2を用いて、自励共振回路10の概略構成についての説明を行う。図2に示すように、自励共振回路10は、初段回路11、リングオシレータ12、時間デジタル値変換回路(TDC:time to digital converter)13、デジタル制御発振回路(DCO:digitally controlled oscillator)14、制御回路15、基準発振回路16、及び掃引範囲決定回路17を備えている。
ここで、図5のフローチャートを用いて、自励共振回路10での、初期動作において振動子を概略共振状態とする処理(以下、概略共振関連処理)の流れの一例について説明を行う。図5のフローチャートは、ジャイロセンサ1が電力供給を受けて起動したときに開始する。一例として、ジャイロセンサ1は、ジャイロセンサ1が搭載される車両のイグニッション電源がオンになったときに電力供給を受けて起動する構成とすればよい。
実施形態1の構成によれば、自励共振回路10の現在の動作温度に応じて、エレメント20の振動子が概略共振状態となる範囲に対するスイープ範囲をより狭く決定することが可能になる。従って、自励共振回路10の利用が想定される環境で取り得る動作温度の範囲の全てに対応できるようにスイープ範囲を広く決定する必要がなく、振動子が概略共振状態となる範囲に対してスイープ範囲が広くなり過ぎてしまうことを防ぐことができる。従って、ジャイロセンサ1の精度を向上させるために振動子のQ値を高くした場合であっても、振動子が概略共振状態となる範囲に対するスイープ範囲をより狭く決定することが可能になる。その結果、自励共振回路10を利用したジャイロセンサ1の精度を向上させる場合にも、起動時間を短縮することが可能になる。
前述の実施形態では、TDC13とDCO14は、同一のリングオシレータ12が発生するクロックパルスを用いていたが、必ずしもこれに限らない。例えば、TDC13とDCO14とに対してそれぞれ専用のクロックパルス発振回路を設ける構成としてもよい。
前述の実施形態では、ジャイロセンサ1の起動時に基準CLKの出力を開始し、この基準CLKの周波数がTDC13でデジタル時間情報化された場合に基準CLKの出力を停止させる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、基準CLKの出力の開始と停止とのタイミングを他のタイミングとする構成としてもよい。
前述の実施形態では、不揮発性メモリ50に記憶されている対応関係が、少なくとも3点の動作温度別の、基準CLKについてのTDCデータとスイープ範囲との対応関係である構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、不揮発性メモリ50に記憶されている対応関係が、2点の動作温度別の、基準CLKについてのTDCデータとスイープ範囲との対応関係である構成としてもよい。
前述の実施形態では、TDC13が出力する基準CLKの周波数のTDCデータと不揮発性メモリ50に記憶されている対応関係とから、補間によって、自励共振回路10の現在の動作温度に応じたスイープ範囲を決定する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、不揮発性メモリ50に記憶されている対応関係に含まれるTDCデータのうち、TDC13が出力する基準CLKの周波数のTDCデータに最も近いTDCデータに対応付けられているスイープ範囲を、自励共振回路10の現在の動作温度に応じたスイープ範囲を決定する構成としてもよい。この構成を採用する場合、概略共振状態となるスイープ範囲の決定精度向上のために、実施形態1の構成よりも対応関係の組数を増やすことが好ましい。
前述の実施形態では、自励共振回路10がジャイロセンサ1で用いられる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。本発明は、自励共振回路を利用したあらゆる計測装置に適用できる。例えば、ジャイロセンサに限定されるものではなく、その他の自励共振センサ、例えば共振式圧力センサにも適用できる。また、センサ以外に、マイクロスキャナにも本発明は適用できる。
前述の実施形態では、自励共振回路10が、車載のジャイロセンサ1で用いられる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば自励共振回路10は、車載以外の計測装置で用いられる構成としてもよい。
Claims (9)
- 振動子を自励共振させる自励共振回路であって、
入力されるデジタル値に応じた周波数の信号を、前記振動子を駆動させるための駆動信号として出力するデジタル制御発振回路(14)と、
前記振動子の振動を検出した検出信号と前記デジタル制御発振回路から出力された駆動信号との位相差をデジタル時間情報として検出する時間デジタル値変換回路(13)と、
初期動作として、前記デジタル制御発振回路が出力する駆動信号の周波数を、前記時間デジタル値変換回路によって検出される前記位相差が概略共振状態を示す位相差の範囲として予め設定された概略共振範囲内となるまで周波数掃引させる制御回路(15)と、
基準クロックパルスを出力する基準発振回路(16)と、
前記基準発振回路から出力された前記基準クロックパルスについて前記時間デジタル値変換回路で検出した前記デジタル時間情報と、前記自励共振回路の動作温度別に、前記基準クロックパルスについての前記デジタル時間情報と前記周波数掃引の範囲との対応関係を記憶しているメモリ(50)に記憶されている前記対応関係とから、前記自励共振回路の現在の動作温度に応じた前記周波数掃引の範囲を決定する範囲決定回路(17)とを備え、
前記制御回路は、前記範囲決定回路で決定した範囲に絞って前記周波数掃引させる自励共振回路。 - 請求項1において、
前記基準発振回路は、前記自励共振回路を用いる機器の起動時に前記基準クロックパルスの出力を開始し、前記基準クロックパルスについて前記時間デジタル値変換回路で前記デジタル時間情報を検出した場合に前記基準クロックパルスの出力を停止する自励共振回路。 - 請求項1又は2において、
前記範囲決定回路は、前記基準発振回路から出力された前記基準クロックパルスについて前記時間デジタル値変換回路で検出した前記デジタル時間情報が前記対応関係に含まれない場合には、前記対応関係に含まれる前記デジタル時間情報を用いた補間によって、前記基準クロックパルスについて前記時間デジタル値変換回路で検出した前記デジタル時間情報に対応する前記周波数掃引の範囲を決定し、前記自励共振回路の現在の動作温度に応じた前記周波数掃引の範囲とする自励共振回路。 - 請求項3において、
前記対応関係は、少なくとも3点の前記動作温度別の、前記基準クロックパルスについての前記デジタル時間情報と前記周波数掃引の範囲との対応関係である自励共振回路。 - 請求項1〜4のいずれか1項において、
クロックパルスを発生するリングオシレータ(12)を備え、
前記時間デジタル値変換回路は、前記リングオシレータが発生するクロックパルスに基づいて位相差を計測し、
前記デジタル制御発振回路は、前記リングオシレータが発生するクロックパルスに基づいて時間を計測することで、入力されるデジタル値に応じた周波数の駆動信号を出力する自励共振回路。 - 請求項1〜5のいずれか1項において、
前記範囲決定回路は、前記制御回路が前記範囲決定回路で決定した範囲に絞って前記周波数掃引させたにもかかわらず、前記時間デジタル値変換回路によって検出される前記位相差が前記概略共振範囲内とならなかった場合に、決定済みの前記周波数掃引の範囲よりも範囲を拡大して前記周波数掃引の範囲を再度決定し、
前記制御回路は、前記範囲決定回路で再度決定した範囲を前記周波数掃引させる自励共振回路。 - 請求項6において、
前記制御回路は、前記範囲決定回路で再度決定した範囲を前記周波数掃引させる場合に、掃引済みの範囲を除く範囲に絞って前記周波数掃引させる自励共振回路。 - 請求項1〜7のいずれか1項において、
車載される機器で用いられる自励共振回路。 - 請求項1〜8のいずれか1項において、
MEMSジャイロセンサで用いられる自励共振回路。
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