JP6664640B1 - 導電性充填剤の製造方法、導電性充填剤、導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物および半導体装置 - Google Patents

導電性充填剤の製造方法、導電性充填剤、導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物および半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6664640B1
JP6664640B1 JP2018248920A JP2018248920A JP6664640B1 JP 6664640 B1 JP6664640 B1 JP 6664640B1 JP 2018248920 A JP2018248920 A JP 2018248920A JP 2018248920 A JP2018248920 A JP 2018248920A JP 6664640 B1 JP6664640 B1 JP 6664640B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive
addition reaction
curable silicone
coated
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018248920A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020097713A (ja
Inventor
越智 豊
豊 越智
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Handa Co Ltd
Original Assignee
Nihon Handa Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Handa Co Ltd filed Critical Nihon Handa Co Ltd
Priority to JP2018248920A priority Critical patent/JP6664640B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6664640B1 publication Critical patent/JP6664640B1/ja
Publication of JP2020097713A publication Critical patent/JP2020097713A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Abstract

【課題】導電性等の優れる導電性充填剤とその製造方法、導電性、接合強度、引張強さおよび伸びが優れた硬化物となる導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物、および、導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物により半導体素子を被覆し硬化してなる、信頼性の優れた半導体装置を提供する。【解決手段】表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子を,エポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理する,導電性充填剤の製造方法、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子の表面層に,エポキシ基含有オルガノアルコキシランの部分的加水分解縮合物が被着している導電性充填剤、該導電性充填剤を含有する導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物、および、該導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の硬化物により半導体素子が被覆されている半導体装置。【選択図】図1

Description

本発明は、導電性充填剤の製造方法、導電性充填剤、導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物、および半導体装置に関する。
詳しくは、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子を、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理する、導電性充填剤の製造方法、かくして製造される導電性充填剤、該導電性充填剤を含有する導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物、および、この導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の硬化物により半導体素子が被覆されている半導体装置に関する。
熱伝導性、導電性を有する無機質系や金属系などの熱伝導性、導電性充填剤を含有する液状導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物は、電気・電子部品用の放熱性の接着剤、ポツテイング剤、保護コーティング剤として使用されている。ケイ素原子結合アルケニル基を有する液状オルガノポリシロキサンとケイ素原子結合水素原子を有する液状オルガノポリシロキサンと付加反応触媒と導電性充填剤を必須成分とする付加反応硬化型の液状シリコーン組成物は、例えば、特許文献1(特開平2−97559号公報)や特許文献2(特開平2−41362号公報)に開示されている。このような液状導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物は、硬化して耐熱性や導電性が優れた低応力のエラストマー状になるため、電気・電子部品用の放熱性の接着剤、ポツテイング剤、保護コーティング剤として使用されており、半導体素子と放熱板の接着剤としても使用されている。なお、銀等の金属系の粒子状充填剤は、熱伝導性のみならず導電性も優れる。
このような導電性シリコーンエラストマー組成物は導電性をより高めるため、特許文献3(特開平2−238054号公報)には、大量の銀粒子を含有する導電性の付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物が提案されている。この組成物の硬化物は導電性も優れているが、市販の銀粒子は製造時に凝集を防止するための分散剤(被覆剤)として脂肪酸等の有機物が残存しており、その表面がこの有機物により処理またはコーティングされた状態になっている。このような銀粒子を付加反応硬化型シリコーン組成物に配合すると、その硬化物の導電性は向上するが、熱安定性が著しく低下し、また、これを用いた半導体装置の信頼性が著しく低下するという問題がある。
このため、特許文献4(特開2004−83905号公報)には、この硬化物の熱安定性を改善する目的で、表面が脂肪酸で処理またはコーティングされた銀粒子を、エポキシ基含有化合物およびエポキシ樹脂用硬化剤により、処理またはコーティングした熱伝導充填剤が提案されている。しかしながら、この熱伝導充填剤(導電性充填剤)を含有する液状もしくはペースト状の導電性シリコーンエラストマー組成物の硬化物は、引張強さおよび柔軟性が十分ではないという問題があることに本発明者は気付いた。
また、特許文献5(特開平8−302196号公報)には、銀粒子をシリコーン化合物、特には、少なくとも1個のヒドロシリル基を有するシリコーン化合物で表面処理した導電性充填剤が提案されており、シリコーン組成物に配合した場合にその組成物の硬化性、物理的特性及び熱的特性を損なうことなく、高い導電性を付与することができると記載されている。しかしながら、この導電性充填剤を、液状もしくはペースト状の付加反応硬化型シリコーン組成物に配合すると、その硬化物は引張強さ、伸び、および、接着強さが低いという問題があることに本発明者は気付いた。
特開平2−97559号公報 特開平2−41362号公報 特開平2−238054号公報 特開2004−83905号公報 特開平8−302196号公報
本発明者らは、上記の課題について鋭意検討した結果、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子を、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理されてなる導電性粒子であれば、かかる問題がないことを見出して本発明に到達した。
本発明の目的は、付加反応硬化型シリコーン組成物、特には液状もしくはペースト状の付加反応硬化型シリコーン組成物に配合した場合、この組成物の硬化物の引張強さ、柔軟性および接合強度が優れる導電性充填剤およびその製造方法、この導電性充填剤を含有する、硬化物の引張強さ、柔軟性および接合強度が優れる導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物、および、この導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物により半導体素子を被覆し硬化してなる信頼性の優れた半導体装置を提供することにある。
かかる課題は、以下により達成される。
[1]表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子を、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理することを特徴とする、導電性充填剤の製造方法。
[2]表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子のエポキシ基含有オルガノアルコキシシランによる表面処理は、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子とエポキシ基含有オルガノアルコキシシラン自体またはその有機溶剤溶液とを混合し、混合物から表面処理された該導電性粒子を分離することを特徴とする、[1]に記載の導電性充填剤の製造方法。
[3]エポキシ基含有オルガノアルコキシシランが、グリシドキシアルキルトリアルコキシシランまたはで2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキルトリアルコキシシランあることを特徴とする、[1]または[2]に記載の導電性充填剤の製造方法。
[4]グリシドキシアルキルトリアルコキシシランが3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランであることを特徴とする、[3]に記載の導電性充填剤の製造方法。
[5]表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子がエポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理されていることを特徴とする、導電性充填剤。
[6]表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子の表面層に、エポキシ基含有オルガノアルコキシランの部分的加水分解縮合物が被着していることを特徴とする、導電性充填剤。
[7]エポキシ基含有オルガノアルコキシシランがグリシドキシアルキルトリアルコキシシランまたは2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキルトリアルコキシシランであることを特徴とする、[5]または[6]に記載の導電性充填剤。
[8]グリシドキシアルキルトリアルコキシシランが3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランであることを特徴とする、[7]に記載の導電性充填剤。
[9]表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子がエポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理されている、導電性粒子、または、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子の表面層に、エポキシ基含有オルガノアルコキシランの部分的加水分解縮合物が被着している、導電性充填剤を含有することを特徴とする、導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
[9−1]導電性粒子が導電性金属粒子であることを特徴とする、[9]に記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
[9−2]導電性金属粒子が銀粒子であることを特徴とする、[9−1]に記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
[9−3]前記導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物中に前記導電性充填剤を60〜95質量%含有することを特徴とする、[9]−[9−2]のいずれかに記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
[10]導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物を構成する付加反応硬化型シリコーン組成物が、(A)ケイ素原子結合アルケニル基を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン、(B)ケイ素原子結合水素原子を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン、および、(C)付加反応用触媒からなることを特徴とする、[9]−[9−3]のいずれかに記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
[11] 付加反応用触媒が付加反応用白金系触媒であり、さらに(D)付加反応用白金系触媒による付加反応の制御剤、または、(D)付加反応用白金系触媒による付加反応の制御剤と(E)接着性付与剤を含有する、[10]に記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
[12]表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子がエポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理されている導電性粒子、または、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子の表面層に、エポキシ基含有オルガノアルコキシランの部分的加水分解縮合物が被着している、導電性充填剤を含有する導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の硬化物により半導体素子が被覆されていることを特徴とする、半導体装置。
[12−1]導電性粒子が導電性金属粒子であることを特徴とする、[12]に記載の半導体装置。
[12−2]
導電性金属粒子が銀粒子であることを特徴とする、[12−1]に記載の半導体装置。
[12−3]前記導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物中に前記導電性充填剤を60〜95質量%含有することを特徴とする、[12]−[12−2]のいずれかに記載の半導体装置。
[13]半導体素子が、[12]に記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の硬化物を介して放熱板に接着していることを特徴とする、[12]−[12−3]のいずれかに記載の半導体装置。
本発明の導電性充填剤の製造方法によると、非硬化性シリコーン組成物および硬化性シリコーン組成物、特には付加反応硬化型シリコーン組成物などに優れた導電性を付与することができる導電性充填剤を簡易に効率よく製造することができるという効果がある。
本発明の導電性充填剤は、非硬化性シリコーン組成物および硬化性シリコーン組成物、特には付加反応硬化型シリコーン組成物などに優れた導電性を付与することができ、しかも、硬化性シリコーン組成物、特には付加反応硬化型シリコーン組成物においては、硬化物の引張強さおよび伸びが大きく、かつ、せん断接着強さが大きいという効果がある。
本発明の導電性充填剤を含有する導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物は、優れた強度、柔軟性および接合強度を有する接合剤となるという効果がある。
本発明の半導体装置は、半導体素子がこのような導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の硬化物により被覆されているので、信頼性に優れるという効果がある。
本発明の半導体装置の一例であるLSIの断面図である。
本発明の導電性充填剤の製造方法は、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子を、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理することを特徴とする。
導電性粒子の材質は優れた導電性を有するものであればよく、金、銀、銅、パラジウム、アルミニウム、ニツケル、スズおよびそれらの合金のような金属;シリカ、ガラス、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、などの無機物質;窒化アルミニウム、アルミナ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫化アルミニウムなどの金属化合物が例示されるが、導電性の点で銀粒子であることが好ましい。銀粒子は、還元銀、アトマイズ銀、電解銀等のいずれでもよいが、焼結性の点で金属塩の還元法、特には湿式還元法により製造される還元銀粒子であることが好ましい。なお、銀粒子等の金属粒子は、優れた導電性および熱伝導性を有する。
導電性粒子の形状は、球状、粒状、涙滴状、繊維状、柱状、フレーク状、板状、破砕状、コイル状が例示されるが、球状、粒状、涙滴状、フレーク状または板状であることが好ましく、特には、球状、粒状または涙滴状であることが好ましい。その粒径は微粒子状であればよく、限定されないが、平均粒径(メジアン径D50)が0.01〜50μmであることが好ましく、0.1〜5μmであることがより好ましい。
平均粒径が50μmを越えると、本発明の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の硬化物の導電性が十分に得られない恐れがあり、0.01μm未満の場合、表面活性が強すぎて保存安定性が低下する恐れがあるからである。
これらの平均粒径は、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した粒度分布の体積基準の積算分率50%値、すなわち、メジアン径(D50値)である。
導電性粒子の表面を被覆する有機アミン化合物は特に限定されず、1級、2級もしくは3級のアルキルアミン類、ジアミン類、トリアミン類、アルキルアミドアミン類、N−アルキルエタノールアミン類、N−アルキルモルホリン、その他の有機アミン化合物が例示される。
有機アミン化合物として、具体的には、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、オレイルアミン、2−エチルヘキシルオキシプロピルアミンおよび3−ラウリルオキシプロピルアミン等のアルキルアミン類;エチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N´−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N´−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、N,N´−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン等のジアミン類;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジブチレントリアミン、N−アミノエチルピペラジン等のトリアミン類が例示される。
なお、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子や導電性ナノ銀粒子は、バインダー樹脂成分を含まない導電性銀ペーストの主剤として公知である(例えば、特開2012−119132、特開2016−72595)が、硬化性シリコーン組成物用の導電性充填剤として記載された特許文献は見出されていない。
導電性金属粒子が金属塩の湿式還元法により製造される場合は、凝集を防止するため、通常その製造工程中に分散剤や表面保護剤が添加される。導電性金属粒子が銀微粒子である場合は、凝集を防止するため、その製造工程中に例えば有機アミン化合物が添加される(例、特開2015−82385の実施例1−実施例3)ので、還元銀粒子が有機アミン化合物で被覆される。
なお、湿式還元法による製造時に有機アミン化合物が添加されない場合、あるいは、有機アミン化合物が添加され、還元金属粒子が有機アミン化合物で被覆された場合であっても、そのように製造された還元金属粒子(例、還元銀粒子)に、有機アミン化合物を後から添加してもよい。
後添加の方法は、液体または粉末状の有機アミン化合物を還元金属粒子(例、還元銀粒子)と直接混合する方法、有機アミン化合物を可溶な揮発性溶剤に溶解しておき、その中に還元銀粒子を加えた後、揮発性溶剤を除去する方法が例示される。また、導電性金属粒子がフレーク状である場合は、ボールミル等で導電性金属粒子をフレーク化する際に、粒子同士の凝集を防止するため、潤滑剤あるいは滑剤である有機アミン化合物を添加することが行われている。添加の方法は、液体、粉末または揮発性溶剤による溶液状の有機アミン化合物を添加する方法が例示される。
本発明の導電性粒子の製造方法においては、表面が有機アミン化合物で被覆された導電性粒子を、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理する。エポキシ基含有オルガノアルコキシシランは、ケイ素原子に結合するアルコキシ基を2個または3個有する。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が例示され、特には反応性に優れるメトキシ基、ついでエトキシ基であることが好ましい。また、エポキシ基はグリシドキシアルキル基(好ましくは、グリシドキシプロピル基)中のエポキシ基であることが好ましい。
このようなエポキシ基含有オルガノアルコキシシランとして、グリシドキシアルキルトリアルコキシシランとグリシドキシプロピル(メチル)ジアルコキシシランと2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキルトリアルコキシシランが例示される。グリシドキシアルキルトリアルコキシシランとして3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルジメトキシシラン等が例示され、グリシドキシプロピル(メチル)ジアルコキシシランとして3−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシランが例示され、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキルトリアルコキシシランとして2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが例示されるが、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランであることが好ましい。
本発明の導電性充填剤は、上述したように、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子を、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理することにより製造することができる。
表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子をエポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理するには、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランは、通常、常温で液状であるので、エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン自体またはその有機溶剤溶液に、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子を浸漬し、よく撹拌した後、静置して沈降分離した導電性粒子を取り出す。あるいは、エポキシ基含有オルガノアルコキシラン自体またはその有機溶剤溶液と、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子をよく混合した後、静置して沈降分離した導電性粒子を取り出す。
エポキシ基含有オルガノアルコキシランを溶解するための有機溶剤は、常温で液状であり、揮発性のものが好ましい。アルコール(例、エタノール、プロパノール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エステル(例、エチルアセテート)、脂肪族炭化水素系溶剤(例、オクタン、シクロヘキサン)、芳香族炭化水素系溶剤(例、トルエン、キシレン)が例示される。
エポキシ基含有オルガノアルコキシランを溶解するための有機溶剤としてエタノールを使用すると、日本薬局方のエタノール(エタノール99.5容量%以上)でも、微量(例えば、0.1容量%)の水を含有しているので、エポキシ基含有オルガノアルコキシランが部分的に加水分解され、部分的加水分解縮合物が生成して、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子の表面層に被着する。
その結果、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子の表面層に、エポキシ基含有オルガノアルコキシランの部分的加水分解縮合物が被着した導電性粒子が形成される。換言すれば、導電性粒子を被覆している有機アミン化合物にエポキシ基含有オルガノアルコキシランの部分的加水分解縮合物が被着した導電性粒子が形成される。
エポキシ基は有機アミン化合物のアミノ基と反応しやすいので、表面が有機アミン化合物により被覆された該導電性粒子は、エポキシ基含有オルガノアルコキシランと有機アミン化合物との反応物、もしくは、エポキシ基含有オルガノアルコキシランの部分加水分解縮合物と有機アミン化合物との反応物被膜により被覆されていると言うことができる。その結果、表面処理効果が向上するので、無水エタノールは好ましい有機溶剤である。無水エタノールの含水量は、0.05〜0.3容量%が好ましい。
エポキシ基含有オルガノアルコキシラン自体またはその有機溶剤溶液に、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子を浸漬し、撹拌する工程、あるいは、エポキシ基含有オルガノアルコキシラン自体またはその有機溶剤溶液と、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子とを混合する工程は、大気雰囲気下で、常温でおこなってもよく、40〜100℃程度に加温しておこなってもよい。撹拌時間と混合時間は、5分間〜10時間が好ましい。
沈降分離して取り出した導電性粒子は、風乾あるいは真空乾燥等で乾燥することが好ましく、乾燥前に清浄な有機溶剤ですすぎ洗いして、表面に付着した過剰なエポキシ基含有オルガノアルコキシシランを除去してもよい。このようにして製造された導電性充填剤は、撥水性または親水性のいずれであってもよい。
なお、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子を、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理された導電性粒子、および、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子の表面層に、エポキシ基含有オルガノアルコキシランの部分的加水分解縮合物が被着した導電性粒子は、更にオルガノシラザンにより処理してもよい。
オルガノシラザンは、分子中にSi−N結合を有する有機ケイ素化合物の総称であり、オルガノジシラザン、オルガノトリシラザンが好ましい。ヘキサメチルジシラザン、sym−テトラメチルジビニルジシラザン、オクタメチルトリシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザンが例示されるが、反応性と入手容易性の点でヘキサメチルジシラザンであることが好ましい。
とりわけ、ヘキサメチルジシラザンは、周知のトリメチルシリル基供与体であり、活性水素を有する化合物(例えば、シラノール基含有化合物、カルボン酸、アルコール、有機アミン、フェノール類)をトリメチルシロキシ化もしくはトリメチルシリル化して疎水性にする作用があることが知られている。
したがって、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子を、エポキシ基含有オルガノアルコキシランにより表面処理した導電性粒子、および、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子の表面層に、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランの部分的加水分解縮合物が被着した導電性粒子を、さらにヘキサメチルジシラザンにより処理すると、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランの部分的加水分解縮合物中のシラノール基をトリメチルシリル化して疎水性にすることができる。その結果、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子を被覆している,エポキシ基含有オルガノアルコキシランの部分的加水分解縮合物中のシラノール基はトリメチルシロキシ基になる。
したがって、オルガノシラザン処理は、疎水化処理と言うことができる。
エポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理された,表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子、または、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子の表面層に、エポキシ基含有オルガノアルコキシランの部分的加水分解縮合物が被着した導電性粒子を、さらにオルガノシラザンと混合して反応させる方法は、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子を、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランと混合して反応させる方法に準じて行うことができる。すなわち、オルガノシラザンが常温で液状である場合は、オルガノシラザンをそのまま用いても良く、あるいは、アセトン等の溶剤により希釈した溶液として用いても良い。オルガノシラザンが常温で固体状の場合もアセトン等に溶解して行うことができる。そして、このエポキシ基含有オルガノアルコキシシランと反応させた導電性粒子を、オルガノシラザンに浸漬し、撹拌混合して反応させた後、ろ過または沈降分離により導電性粒子を取り出すことにより製造できる。反応は常温でおこなっても良く、40〜100℃に加温しておこなっても良い。取り出した導電性粒子は、風乾あるいは真空乾燥等で乾燥するのが好ましく、乾燥前に清浄な揮発性溶剤ですすぎ洗いして、表面に付着した過剰なオルガノシラザンを除去しても良い。
本発明の製造方法で製造された導電性充填剤は、硬化性シリコーン組成物(例えば、付加反応硬化型シリコーン組成物、有機過酸化物硬化型シリコーン組成物、室温硬化性シリコーン組成物)、非硬化性シリコーン組成物(例えば、シリコーンオイルコンパウンド)などに優れた導電性を付与する充填剤として有用である。
特には、液状またはペースト状の付加反応硬化型シリコーン組成物、付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物に配合する導電性充填剤として有用である。
その配合量は、その導電性、比重、目的とする導電性などによって変わるが、通常は硬化性シリコーン組成物中およびに非硬化性シリコーン組成物中に、60〜95質量%であり、好ましくは80〜94質量%である。
本発明の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物において、母材となるシリコーン組成物は付加反応硬化型シリコーン組成物が好ましい。付加反応硬化型は、ヒドロシリレーション反応硬化型とも称される。特には、作業性の点で、常温で液状もしくはペースト状の付加反応硬化型シリコーン組成物であることが好ましい。
このような付加反応硬化型シリコーン組成物は、(A)ケイ素原子結合アルケニル基を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン、(B)ケイ素原子結合水素原子を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン、(C)付加反応用触媒を必須成分としており、さらに(D)付加反応制御剤を含有することにより、常温での付加反応による増粘を抑制して十分な作業時間が確保できる。
さらに(E)接着性付与剤を含有することにより硬化途上で接触している基材に接着性の優れた付加反応硬化型シリコーン組成物となる。
本発明の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物は、(A)成分〜(C)成分、(A)成分〜(D)成分、または、(A)成分から〜(E)成分、および、導電性充填剤をミキサー等により混合することにより容易に製造できる。混合する際の温度は、混合中に付加反応が進行しないように、常温、例えば、30℃以下で、かつ結露しない温度であることが好ましい。
(A)成分は本発明の導電性付加反応硬化型シリコーン組成物の主成分であり、ケイ素原子結合アルケニル基が(B)成分中のケイ素原子結合水素原子と付加反応して架橋する。したがって、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基が2個のときは(B)成分中のケイ素原子結合水素原子は3個以上であることが好ましく、(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が2個のときは(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基は3個以上であることが好ましい。
(A)成分の分子構造は、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、環状、網状が例示されるが、硬化後に弾性を有するゴム状またはゲル状、すなわち、エラストマー状にするため、直鎖状または一部分枝を有する直鎖状が好ましい。
アルケニル基としてビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基が例示されるが、ビニル基であることが好ましい。
(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基の結合位置は、分子鎖末端、分子鎖側鎖、その両方がある。(A)成分中のアルケニル基以外のケイ素原子結合基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フエニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フエネチル基等のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の非置換もしくは置換一価炭化水素基が例示される。それらのうちでは工業的に容易に製造できるメチル基が最も一般的であり、ついでメチル基とフエニル基の両方が一般的である。
(A)成分の25℃における粘度は、付加反応硬化型シリコーン組成物の取り扱い性と硬化後の物性の点で10〜100,000mPa・sが好ましく、100〜10,000mPa・sがより好ましい。(A)成分の粘度が10mPa・sよりも低い場合には、硬化物の機械的な強度が充分でない傾向があり、100,000mPa・sよりも高い場合は粘稠すぎて、液状またはペースト状の付加反応硬化型シリコーン組成物となりにくいからである。
(A)成分の代表例として、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖のジメチルポリシロキサンもしくはジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサンコポリマー、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサンコポリマー、末端がジメチルビニルシロキシ基とトリメチルシロキシ基封鎖の直鎖状ジメチルポリシロキサン、末端がジメチルビニルシロキシ基とトリメチルシロキシ基封鎖の分岐状メチルポリシロキサン、上記ポリシロキサンのメチル基の一部をフエニル基で置換したポリシロキサンがある。(A)成分は2種以上を併用してもよい。
(B)成分は(A)成分の付加反応用架橋剤であり、そのケイ素原子結合水素原子が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基と付加反応して架橋する。(B)成分の分子構造は、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、網状が例示される。ケイ素原子結合水素原子の結合位置は、分子鎖末端、分子鎖側鎖、その両方がある。(B)成分中の水素原子以外のケイ素原子に結合した基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フエニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基が例示される。メチル基が最も一般的であり、メチル基とフエニル基の両方がついで一般的である。(B)成分の25℃における粘度は、0.1〜10,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、1〜1000mPa・sの範囲内であることがより好ましい。代表例として両末端トリメチルシロキシ基、両末端ジメチルシロキシ基封鎖のメチルハイドロジエンポリシロキサン(すなわち、メチル水素ポリシロキサン)もしくはジメチルシロキサン・メチルハイドロジエンシロキサンコポリマー、環状メチルハイドロジエンシロキサンオリゴマー、テトラキス(ジメチルハイドロジエンシロキシ)シランがある。(B)成分2種以上を併用してもよい。
(B)成分の配合量は、(A)成分を架橋してゴム状またはゲル状にするのに充分な量であり、そのケイ素原子結合水素原子と(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基のモル比が0.3〜5となるような量が例示される。硬化物がゲル状である場合は0.3〜0.8が好ましく、ゴム状である場合は0.8〜5が好ましい。同一モル比でも(A)成分の分子量とケイ素原子結合アルケニル基の含有量および(B)成分の分子量とケイ素原子結合水素原子の含有量によって(A)成分と(B)成分の重量比が違うので、(A)成分100質量部当たりの(B)成分の配合量は規定できないが、通常1〜30質量部である。
(C)成分は、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基と(B)成分中のケイ素原子結合水素原子間の付加反応を促進するための触媒、すなわち、付加反応用触媒であり、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒が例示される。
性能と入手容易性の点で白金系触媒が好ましく、白金微粉末、白金担持シリカ微粉末、白金担持活性炭、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、白金のジオレフィン錯体、白金のジケトン錯体、白金のジアルケニルテトラアルキルジシロキサン錯体、これらの白金系触媒を含有する熱可塑性樹脂微粒子が例示される。
(C)成分は、触媒量、すなわち、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基と(B)成分中のケイ素原子結合水素原子をヒドロシレーシヨン反応させるのに充分な量配合される。白金系触媒であると、この触媒中の白金原子が組成物中に質量単位で0.1〜100ppmが一般的である。(C)成分は2種以上を併用してもよい。
(D)付加反応制御剤は、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基と(B)成分中のケイ素原子結合水素原子間の付加反応速度を調節して、常温での硬化を抑制しつつ、加熱により急速に硬化するようにするためのものである。3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フエニルブチノール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、ベンゾトリアゾールが例示される。(D)成分の配合量は、付加反応硬化型シリコーン組成物中に通常0.01〜5質量%であり、好ましくは0.05〜1質量%である。
(A)成分と(B)成分と(C)成分のほかに(D)成分を含有することにより、付加反応硬化型シリコーン組成物を常温では増粘しにくくて作業性が優れ、加熱すると急速に硬化する、熱硬化性にすることができる。
(E)接着性付与剤は、ケイ素原子結合アルケニル基もしくは水素原子を少なくとも1個と同一ケイ素原子に結合した少なくとも2個のアルコキシ基を有するオルガノシランあるいはオルガノシロキサンオリゴマーが好ましい。オルガノシロキサンオリゴマーの分子構造としては、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、環状が例示される。本成分中のケイ素原子結合アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基が例示され、特に、ビニル基であることが好ましい。ケイ素原子結合アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基が例示され、同一ケイ素原子に結合したメトキシ基であることが好ましい。アルケニル基およびアルコキシ基以外のケイ素原子結合基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フエニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フエネチル基等のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基等のグリシドキシアルキル基;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基等の(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキル基;4−オキシラニルブチル基、8−オキシラニルオクチル基等のオキシラニルアルキル基が例示される。組成物の硬化時に接触している各種基材に対して良好な接着性を付与することができることから、一分子中の少なくとも1個のエポキシ基含有一価有機基を有することが好ましい。
接着付与剤の例として、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ハイドロジエントリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマーとの部分縮合物、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランと両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマーとの部分縮合物がある。接着付与剤は常温で液状であり、25℃における粘度が1〜500mPa・sの範囲内であることが好ましい。その配合量は、(A)成分100質量部に対して通常0.1〜5質量部である。
本発明の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物は、使用時の作業性の点で、常温で液状またはペースト状であり、熱硬化性であることが好ましい。
本発明の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の硬化物は、エラストマー状である。すなわち、ゴム状またはゲル状(一部が架橋したいわゆる半硬化状)である。ゴム状である場合は、導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物と称することができる。
本発明の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物は、同時に熱伝導性を有していてもよい。
本発明の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物における導電性充填剤の配合量は、その導電性、比重、目的とする導電性などによって変わるが、通常は組成物中に60〜95質量%であり、好ましくは80〜94質量%である。
本発明の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物は、付加反応硬化型シリコーン組成物と本発明の導電性充填剤を、ミキサー等により均一に混合することにより、容易に製造できる。混合する際の温度は、混合中に、付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の付加反応が進行しないように、常温、例えば、30℃以下で、かつ、結露しない温度であることが好ましい。
本発明の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物には、本発明の目的に反せず、効果を阻害しない限り、補強性充填剤(例えば、フュームドシリカ)、増量充填剤(例えば、石英粉)、溶剤、着色剤、難燃剤、非反応性シリコーンオイル等の添加剤を配合してもよい。
本発明の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物は、硬化物がエラストマー状(ゴム状またはゲル状)であって、電気・電子部品用の接着剤、封止剤、ポッティング剤、保護被覆剤等として有用であり、特には、半導体素子と放熱板間の接着剤(TIM1)として有用である。上記付加反応硬化型シリコーン組成物が(A)成分〜(C)成分からなると室温でも硬化するが、(A)成分〜(D)成分からなると常温では増粘しにくく、加熱により急速に硬化する。加熱温度は、50〜250℃の範囲内であることが好ましく、100〜200℃の範囲内であることがより好ましい。
本発明の半導体装置では、半導体素子が上記の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の硬化物である導電性シリコーンエラストマーにより被覆されている。このとき、半導体素子の一部が被覆されていてもよく、全体が被覆されていてもよい。半導体素子が上記の導電性シリコーンエラストマーを介して他の部材(例、放熱板)に接着していてもよい。半導体素子としては、ダイオード、トランジスタ、サイリスタ、モノリシツクIC、あるいはハイブリツドIC中の半導体素子が例示される。また、半導体装置としては、ダイオード、トランジスタ、サイリスタ、モノリシツクIC、ハイブリツドIC、LSI、VLSI、IGBTが例示される。
図1は、本発明の半導体装置の一例であるLSIの断面図である。図1のLSIでは、半導体素子4が回路用基板1上に搭載されており、半導体素子4と外部リードに接続した配線2とが金製の電極(バンプ)3により電気的に接続されている。半導体素子4の裏面上に放熱板6が載置されており、半導体素子4と放熱板6の間に導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物である導電性シリコーンゴム5が存在し、この導電性シリコーンゴム5は半導体素子4と放熱板6の両方によく接着している。導電性シリコーンゴム5は、熱伝導性も有するので、半導体素子4が発生する熱を、放熱板6を通して効率よく放散できる。
回路用基板1の材質としては、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、ベークライト樹脂、フェノール樹脂等の有機樹脂;セラミツクス;銅、アルミニウム等の金属が例示される。配線2の材質としては、金、銅、銀−パラジウムが例示される。金製の電極(バンプ)3のおける金以外の材質としては、金合金が例示される。放熱板6の材質としてはアルミニウム、銅、ニツケル等の導電性良好な金属が例示される。この回路用基板1には半導体素子4の他に、抵抗、コンデンサー、コイル等の電子部品が搭載されていてもよい。
本発明の半導体装置を製造するには、例えば、半導体素子4を回路用基板1上に搭載し、次いで、この半導体素子4と回路用基板1に印刷された配線2とを金製の電極(バンプ)3により電気的に接続した後、この半導体素子4の裏面上に本発明の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物(硬化後は導電性シリコーンゴム5となる)を塗布し、その上に放熱板6を載せ、例えば、100〜200℃で加熱する。
本発明の製造方法により製造される導電性充填剤、導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物および半導体装置を実施例により詳細に説明する。
実施例と比較例中の平均粒径は、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した粒度分布の体積基準の積算分率50%値、すなわち、メジアン径(D50値)である。
実施例と比較例中の粘度は回転式粘度計により25℃において測定した値である。また、導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物の体積抵抗率、引張強さおよび伸び、導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物により接合された金属製部材接合体のせん断接着強さ、半導体装置の信頼性は次のようにして測定した。
なお、実施例および比較例において使用している、表面がステアリン酸で被覆された銀粒子、および、表面が有機アミン化合物で被覆された銀粒子は、国内メーカー発売の市販品もしくは以下の方法により自社内で製造したものである。また、実施例および比較例において使用している化学薬品は国内メーカー発売の市販品である。
[表面がステアリン酸で被覆された銀粒子の製造方法、および、表面が有機アミン化合物で被覆された銀粒子の製造方法]
まず、特開昭54−121270の実施例に記載の、[硝酸銀水溶液とホルマリンおよびステアリン酸を反応させ、反応液からステアリン酸で被覆された銀粒子を分離する方法]に準じて、表面がステアリン酸で被覆された平均粒径が1.0μmの粒状銀粒子を得た。ステアリン酸の量は、0.3質量%である。
次に、試薬1級のエタノール50ml中に、表面がステアリン酸で被覆された銀粒子10gとヘキシルアミン1gを加えて撹拌することにより、銀粒子を被覆しているステアリン酸を実質的にヘキシルアミンで置換して、表面がヘキシルアミンで被覆された平均粒径が1.0μmの銀粒子を得た。ヘキシルアミンの量は0.2質量%である。ステアリン酸がヘキシルアミンにより実質的に置換されたことは、ヘキシルアミンで置換した銀粒子の空気中における示差熱分析において、ステアリン酸の分解ピークが実質的に検出されないことにより確認した。
[導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物の体積抵抗率]
ペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を縦横5cm×5cm、深さ2mmの金型に流し込み、150℃の大気雰囲気の熱風循環式オーブン中で1時間、加熱して硬化して取り出した試験体を、JIS K 7194に準じて、体積抵抗率(単位;Ω・cm)を測定した。
[導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物の引張強さおよび伸び]
ペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を縦横5cm×5cm、深さ2mmの金型に流し込み、150℃の大気による熱風循環式オーブン中で1時間、加熱して硬化して得た導電性シリコーンゴムシートについて、JIS K 6251に準じて、引張強さおよび伸び(破断時伸び)を測定した。
[導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物により接合された金属製部材接合体のせん断接着強さ]
幅25mm×長さ70mm、厚さ1.0mmの銀メッキ基板(銀純度99.9%)上に、10mmの間隔をおいて4つの開口部(2.5mm×2.5mm)を有する100μm厚のメタルマスクを用いて、ペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を印刷塗布し、その上にサイズが2.5mm×2.5mm×0.5mmの銀チップ(銀純度99.9%以上)を載せ、これを150℃の大気による熱風循環式オーブン中で1時間、加熱して硬化し、銀メッキ基板と銀チップを接合した。
得られた接合強度測定用試験体を、接着強さ試験機の試験体取付け具にセットし、銀チップの側面を接着強さ試験機の押圧棒により押厚速度23mm/分で押圧し、接合部がせん断破壊したときの荷重をもって接着強さ(単位;MPa)とした。
[半導体装置の信頼性]
図1に示す半導体装置を作成した。すなわち、表面に印刷により形成された配線2および端部に外部リードを有するガラス繊維強化エポキシ樹脂製の回路用基板1上に半導体素子4を搭載した後、半導体素子4と配線2とを金製の電極(バンプ)3により電気的に接続した。この半導体素子4の裏面上に、ペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物をディスペンサーにより塗布した後、アルミニウム製の放熱板6を貼り付け、直ちに150℃の大気による熱風循環式オーブン中で1時間、加熱して、半導体素子4と放熱板6が導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物5により接着した半導体装置20個を作成した。
このようにして作成した半導体装置について、−55℃で30分間、+150℃で30分間を1サイクルとするサーマルサイクル(熱衝撃)試験を100サイクル行なった後、半導体素子4と放熱板6の間の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物5について、半導体素子4との間の剥離、および放熱板6との間の剥離の有無を顕微鏡で観察し、剥離しているものを不良として、その不良率(%)を求めた。
実験室に設置している、撹拌羽付きミキサーに、エタノール(研究実験用、関東化学株式会社製、水含有量0.1v/v%)100gに3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3gを溶解した溶液と、表面がヘキサデシルアミンで被覆された平均粒径が3μmである球状銀粒子A30g(ヘキサデシルアミンの含有量0.8質量%)を投入し、70℃で3時間撹拌した。撹拌後、室温で10分間静置して銀粒子を沈降させた後、上澄み液を抜き出し、残差にエタノールを100g添加して15分間撹拌した。撹拌後、10分間静置して銀粒子を沈降させた後、上澄み液を抜き出し、残差である銀粒子を室温(約25℃)で24時間風乾して、表面がヘキサデシルアミンで被覆された平均粒径が3μmである球状銀粒子Aであって、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランにより表面処理された導電性球状銀粒子Bを得た。
なお、実験室にて、上記上澄み液を平坦なガラス板上に流し拡げて、風乾したところ、透明なゲル状被膜が生成した。このゲル状被膜は水を撥水性であった。出発物質である3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランはさらさらした液体であるので、この被膜は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分的加水分解縮合物からなるということができる。したがって、表面がヘキサデシルアミンで被覆された平均粒径が3μmである球状銀粒子Aは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分的加水分解縮合物被膜により被覆されているということができる。
また、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのエポキシ基および3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分的加水分解縮合物のエポキシ基は、球状銀粒子Aの表面を被覆しているヘキサデシルアミンの一級アミノ基と開環付加反応して結合し、別のエポキシ基が生成した2級アミノ基と開環付加反応して結合し、2級アミノ基は3級アミノ基に変化しているということができる。
なぜなら、実施例において、表面が3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランにより表面処理された導電性球状銀粒子Bを配合した導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物は、加熱するとゴム状に硬化するからである。ヘキサデシルアミンは、付加反応硬化型シリコーン組成物における(C)成分である付加反応用触媒に作用して付加反応の進行を阻害する触媒毒となり得るが、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランにより表面処理された導電性球状銀粒子Bを配合した導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物においては、触媒毒の作用がみられないからである。
実施例1において、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの代わりに、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを使用した以外は同様にして、表面がヘキサデシルアミンで被覆された平均粒径が3μmである球状銀粒子Aであって、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランにより表面処理されてなる導電性球状銀粒子Cを得た。
実施例1において、表面がヘキサデシルアミンで被覆された平均粒径が3μmである球状銀粒子A30gの代わりに、表面がヘキシルアミンで被覆された平均粒径が1μmである粒状銀粒子D(ヘキシルアミンの含有量0.3質量%)を使用した以外は同様にして、表面がヘキシルアミンで被覆された平均粒径が1μmである球状銀粒子Dであって、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランにより表面処理されてなる導電性粒状銀粒子Eを得た。
[比較例1]
実験室に設置している、撹拌羽付きミキサーに、エタノール(研究実験用、関東化学株式会社製、水含有量0.1v/v%)100gに3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3gを溶解した溶液と、表面がステアリン酸で被覆された平均粒径が1μmである粒状銀粒子F30g(ステアリン酸の含有量0.3質量%)を投入し、70℃で3時間撹拌した。室温で10分間静置して銀粒子を沈降させた後、上澄み液を抜き出し、再度、エタノールを100g添加して15分間撹拌した。10分間静置して銀粒子を沈降させた後、上澄み液を抜き出し、銀粒子を室温(約25℃)で24時間風乾して、表面がステアリン酸で被覆された平均粒径が1μmである粒状銀粒子Fであって、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランにより表面処理されてなる導電性粒状銀粒子Gを得た。
[比較例2]
実験室に設置している、撹拌羽付きミキサーに、エタノール(研究実験用、関東化学株式会社製、水含有量0.1v/v%)100gに3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3gを溶解した溶液と、表面が脂肪酸で被覆されていないアトマイズ法による平均粒径が1.5μmである球状銀粒子H30g(脂肪酸の含有なし)を投入し、70℃で3時間撹拌した。室温で10分間静置して銀粒子を沈降させた後、上澄み液を抜き出し、再度、エタノールを100g添加して15分間撹拌した。10分間静置して銀粒子を沈降させた後、上澄み液を抜き出し、銀粒子を室温で24時間風乾して、表面が脂肪酸で被覆されていないアトマイズ法による平均粒径が1.5μmである球状銀粒子Hであって、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランにより表面処理されてなる導電性粒状銀粒子Iを得た。
実験室に設置している、撹拌羽付きミキサー中で、(A)成分としての、粘度が5000mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖直鎖状ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=0.13質量%)100質量部、(B)成分としての、粘度が5mPa・sである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル水素シロキサン共重合体(1)(ケイ素原子に結合した水素基の含有量=0.73質量%)1.9質量部と粘度5mPa・sの分子鎖両末端ジメチル水素シロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(2)(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.28重量%)0.9質量部、(C)成分としての、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(本組成物において、白金金属が質量単位で5ppmとなる量)、(D)成分としての、3−フエニル1−ブチン−3−オール(本組成物において、質量単位で500ppmとなる量)、および、(E)成分としての、平均単位式:
Figure 0006664640
で示されるオルガノポリシロキサン1.1質量部を均一に混合して、粘度が2.5Pa・sである液状の付加反応硬化型シリコーン組成物を調製した。
ついで、この付加反応硬化型シリコーン組成物8質量部に、実施例1で調製した銀粒子B92質量部を加えて均一に混合して、粘度が158Pa・sであるペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を調製した。
この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物の体積抵抗率、引張強さ、伸び、金属製部材接合体のせん断接着強さ、および、この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を使用した半導体装置の信頼性を測定した結果を表1にまとめて示した。この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物は、導電性が高く、引張強さおよび伸びが大きく、しかも、せん断接着強さが大きいので、半導体装置の信頼性が優れることがわかった。
実施例4において、実施例1で調製した銀粒子Bの代わりに、実施例2で調製した銀粒子Cを使用した以外は実施例4と同様にして、粘度が151Pa・sであるペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を調製した。
この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物の体積抵抗率、引張強さ、伸び、金属製部材接合体のせん断接着強さ、および、この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を使用した半導体装置の信頼性を測定した結果を表1にまとめて示した。この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物は、導電性が高く、引張強さおよび伸びが大きく、しかも、せん断接着強さが大きいので、半導体装置の信頼性が優れることがわかった。
実施例4において、実施例1で調製した銀粒子Bの代わりに、実施例3で調製した銀粒子Eを使用した以外は実施例4と同様にして、粘度が220Pa・sであるペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を調製した。
この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物の体積抵抗率、引張強さ、伸び、金属製部材接合体のせん断接着強さ、および、この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を使用した半導体装置の信頼性を測定した結果を表1にまとめて示した。この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物は、導電性が高く、引張強さおよび伸びが大きく、しかも、せん断接着強さが大きいので、半導体装置の信頼性が優れることがわかった。
[比較例3]
実施例4において使用した実施例1で調製した導電性銀粒子Bの代わりに、実施例1における表面がヘキサデシルアミンで被覆された平均粒径が3μmである球状銀粒子A(ヘキサデシルアミンの含有量0.8質量%)をそのまま使用した以外は実施例4と同様にして、粘度が172Pa・sであるペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を調製した。
この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物は、加熱してもゴム状に硬化しなかった。
銀粒子の表面被覆剤であるヘキサデシルアミンが、付加反応硬化型シリコーン組成物における(C)成分である付加反応用触媒に作用して、付加反応の進行を阻害したためと解せる。結果を表2にまとめて示した。
[比較例4]
実施例4において使用した実施例1で調製した導電性銀粒子Bの代わりに、比較例1で調製した銀粒子Gを使用した以外は実施例4と同様にして、粘度が244Pa・sであるペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を調製した。
この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物の体積抵抗率、引張強さ、伸び、金属製部材接合体のせん断接着強さ、および、この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を使用した半導体装置の信頼性を測定した結果を表2にまとめて示した。この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物は、導電性は高いものの、引張強さおよび伸びが小さく、しかも、せん断接着強さが小さいので、半導体装置の信頼性が低いことがわかった。
[比較例5]
実施例4において使用した、実施例1で調製した導電性銀粒子Bの代わりに、比較例2で調製した銀粒子Iを使用した以外は実施例4と同様にして、粘度が190Pa・sであるペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を調製した。
この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物の体積抵抗率、引張強さ、伸び、金属製部材接合体のせん断接着強さ、および、この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を使用した半導体装置の信頼性を測定した結果を表2にまとめて示した。この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物は、導電性が大きく劣り、引張強さおよび伸びが小さく、しかも、せん断接着強さが小さいので、半導体装置の信頼性が低いことがわかった。
[比較例6]
実施例1において、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの代わりに、メチルトリメトキシランを使用した以外は同様にして、表面がヘキサデシルアミンで被覆された平均粒径が3μmである球状銀粒子Aであって、表面がメチルトリメトキシシランにより表面処理された球状銀粒子Jを得た。
[比較例7]
実施例4において、実施例1で調製した球状銀粒子Bの代わりに、比較例6で調製したメチルトリメトキシシランにより表面処理された球状銀粒子Jを使用した以外は実施例4と同様にして、粘度が145Pa・sであるペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を調製した。
この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物の体積抵抗率、引張強さ、伸び、金属製部材接合体のせん断接着強さ、および、この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を使用した半導体装置の信頼性を測定した結果を表3にまとめて示した。この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物は、引張強さおよび伸びが小さく、導電性が劣り、しかも、せん断接着強さが小さいので、半導体装置の信頼性が低いことがわかった。
[比較例8]
特許文献5(特開平8−302196)の実施例に記載されたAgNo.2に準じて、シリコーン化合物により表面が被覆された銀粒子を製造した。具体的には、市販品の還元法により製造された,表面被覆剤を有しない平均粒径が1.1μmの粒状銀粒子K500g、末端トリメチルシリルジメチルシロキサン(粘度5000mPa・s)450g、末端トリメチルシリルジメチルハイドロジェンシロキサン(メチルハイドロジェンシロキサン単位の数は平均で約40個)50g、n−ヘキサン500mlおよび平均粒径0.5mmのジルコニア製ビーズ適量を、直径約15cm、長さ約20cmの円筒容器に投入し、回転数40rpmにて10時間運転した。その後、内容物をろ過して過剰なシリコーン化合物を除去した後、減圧乾燥してシリコーン化合物により表面被覆された平均粒径が2.2μmのフレーク状銀粒子Lを得た。
[比較例9]
実施例4において、実施例1で調製した球状銀粒子Bの代わりに、比較例8で調製したシリコーン化合物により表面処理されたフレーク状銀粒子Lを使用した以外は実施例4と同様にして、粘度が170Pa・sであるペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を調製した。
この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物の体積抵抗率、引張強さ、伸び、金属製部材接合体のせん断接着強さ、および、この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を使用した半導体装置の信頼性を測定した結果を表3にまとめて示した。この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物は、引張強さおよび伸びが小さく、しかも、しかも、せん断接着強さが小さいので、半導体装置の信頼性が低いことがわかった。
Figure 0006664640
Figure 0006664640
Figure 0006664640
1 回路配線基板
2 配線
3 金製の電極(バンプ)
4 半導体素子(ダミー素子である)
5 導電性シリコーンゴム
6 アルミニウム製の放熱板(冷却フィン)
産業上の利用分野
本発明の導電性充填剤の製造方法は、非硬化性シリコーン組成物、硬化性シリコーン組成物などに優れた導電性と保存安定性を付与することができる導電性充填剤を製造するのに有用である。
本発明の導電性充填剤は、非硬化性シリコーン組成物、硬化性シリコーン組成物などに配合して優れた導電性等を付与するのに有用である。
本発明の導電性充填剤を含有する導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物は、電気・電子部品用の接着剤、封止剤、ポツテイング剤、保護被覆剤等として有用であり、半導体素子と放熱板間の接着剤としても有用である。本発明の半導体装置は、ダイオード、トランジスタ、サイリスタ、モノリシツクIC、ハイブリツドIC、LSI、VLSI、IGBTなどとして有用である。

Claims (13)

  1. 表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子を、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理することを特徴とする、導電性充填剤の製造方法。
  2. 表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子のエポキシ基含有オルガノアルコキシシランによる表面処理は、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子とエポキシ基含有オルガノアルコキシシラン自体またはその有機溶剤溶液とを混合し、混合物から表面処理された該導電性銀粒子を分離することを特徴とする、請求項1に記載の導電性充填剤の製造方法。
  3. エポキシ基含有オルガノアルコキシシランが、グリシドキシアルキルトリアルコキシシランまたは2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキルトリアルコキシシランあることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の導電性充填剤の製造方法。
  4. グリシドキシアルキルトリアルコキシシランが3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランであることを特徴とする、請求項3に記載の導電性充填剤の製造方法。
  5. 表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子がエポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理されていることを特徴とする、導電性充填剤。
  6. 表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子の表面層に、エポキシ基含有オルガノアルコキシランの部分的加水分解縮合物が被着していることを特徴とする、導電性充填剤。
  7. エポキシ基含有オルガノアルコキシシランがグリシドキシアルキルトリアルコキシシランまたは2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキルトリアルコキシシランであることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の導電性充填剤。
  8. グリシドキシアルキルトリアルコキシシランが3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランであることを特徴とする、請求項7に記載の導電性充填剤。
  9. 表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子がエポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理されている、導電性粒子、または、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子の表面層に、エポキシ基含有オルガノアルコキシランの部分的加水分解縮合物が被着している、導電性充填剤を含有することを特徴とする、導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
  10. 導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物を構成する付加反応硬化型シリコーン組成物が、(A)ケイ素原子結合アルケニル基を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン、(B)ケイ素原子結合水素原子を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン、および、(C)付加反応用触媒からなることを特徴とする、請求項9に記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
  11. 付加反応用触媒が付加反応用白金系触媒であり、さらに、(D)付加反応用白金系触媒による付加反応の制御剤、または、(D)付加反応用白金系触媒による付加反応の制御剤と(E)接着性付与剤を含有する、請求項10に記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
  12. 表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子がエポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理されている導電性粒子、または、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子の表面層に、エポキシ基含有オルガノアルコキシランの部分的加水分解縮合物が被着している、導電性充填剤を含有する導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の硬化物により半導体素子が被覆されていることを特徴とする、半導体装置。
  13. 半導体素子が、請求項12に記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の硬化物を介して放熱板に接着していることを特徴とする、請求項12に記載の半導体装置。
JP2018248920A 2018-12-18 2018-12-18 導電性充填剤の製造方法、導電性充填剤、導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物および半導体装置 Active JP6664640B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018248920A JP6664640B1 (ja) 2018-12-18 2018-12-18 導電性充填剤の製造方法、導電性充填剤、導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物および半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018248920A JP6664640B1 (ja) 2018-12-18 2018-12-18 導電性充填剤の製造方法、導電性充填剤、導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物および半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6664640B1 true JP6664640B1 (ja) 2020-03-25
JP2020097713A JP2020097713A (ja) 2020-06-25

Family

ID=70000754

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018248920A Active JP6664640B1 (ja) 2018-12-18 2018-12-18 導電性充填剤の製造方法、導電性充填剤、導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物および半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6664640B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114517016B (zh) * 2022-02-21 2023-01-24 江西蓝星星火有机硅有限公司 一种高回弹低压变混炼胶及其制备方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61176661A (ja) * 1985-01-31 1986-08-08 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 金属粉含有重合体組成物
JPH10158507A (ja) * 1996-11-29 1998-06-16 Sumitomo Bakelite Co Ltd 高比重樹脂組成物
JP4070345B2 (ja) * 1999-02-15 2008-04-02 信越化学工業株式会社 熱伝導性窒化ほう素微粉末、該微粉末を含有する熱伝導性シリコーン組成物、及び絶縁放熱シート
US20060155010A1 (en) * 2005-01-11 2006-07-13 Mclaughlin Joanne S Surface treatment of metallic fillers for organic resins
JP2007048558A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Tokai Carbon Co Ltd 燃料電池用セパレータ材とその製造方法
JP2008198595A (ja) * 2007-01-16 2008-08-28 Mitsubishi Chemicals Corp 金属微粒子インクペースト及び有機酸処理金属微粒子
EP2240628B1 (en) * 2007-12-27 2014-03-19 Posco Resin coated steel sheet and its use in a display panel
JP5307670B2 (ja) * 2009-09-10 2013-10-02 ハリマ化成株式会社 低温硬化可能な導電性ペースト
CN102079847A (zh) * 2009-11-27 2011-06-01 东莞市立高电子制品有限公司 一种光敏银浆导电胶及其制备方法
JP2012007118A (ja) * 2010-06-28 2012-01-12 Jsr Corp 複合粒子の製造方法
US20120295098A1 (en) * 2011-05-19 2012-11-22 Trillion Science, Inc. Fixed-array anisotropic conductive film using surface modified conductive particles
JP6121001B2 (ja) * 2014-08-29 2017-04-26 三井金属鉱業株式会社 導電体の接続構造及びその製造方法、導電性組成物並びに電子部品モジュール
CN104479298B (zh) * 2014-12-29 2017-02-22 宁波大榭开发区综研化学有限公司 导电树脂组合物及其制备方法
JP6675155B2 (ja) * 2015-05-20 2020-04-01 京セラ株式会社 半導体用ダイアタッチペースト及び半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020097713A (ja) 2020-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109890900B (zh) 单组分可固化型导热硅脂组合物和电子/电气组件
US7074849B2 (en) Silver-filled electrically conductive organosiloxane compositions
EP0757080B1 (en) Curable organosiloxane compositions and semiconductor devices
KR101280277B1 (ko) 절연성 액상 다이 결합제 및 반도체 디바이스
JP5534837B2 (ja) 熱伝導性シリコーンゴム組成物
JP6014299B2 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物及び半導体装置
JP3420473B2 (ja) シリコーン系接着性シート、その製造方法、および半導体装置
CN108026437B (zh) 热软化性导热性硅脂组合物、导热性被膜的形成方法、散热结构和功率模块装置
JP6339761B2 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性部材
JP2009286855A (ja) 熱伝導性シリコーン組成物および電子装置
WO2013191116A1 (en) Method of forming thermal interface material and heat dissipation structure
WO2014188667A1 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物
JP6791815B2 (ja) 熱伝導性シリコーン樹脂組成物
JP2868986B2 (ja) 導電性シリコーンゴム組成物
JP2009235279A (ja) 熱伝導性成形体およびその製造方法
JP4393817B2 (ja) 熱伝導性充填剤、熱伝導性シリコーンエラストマー組成物および半導体装置
JP3519779B2 (ja) 接着剤および半導体装置
JP6664640B1 (ja) 導電性充填剤の製造方法、導電性充填剤、導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物および半導体装置
JP6656509B1 (ja) 導電性充填剤の製造方法、導電性付加反応硬化型シリコーン組成物および半導体装置
JP2003128920A (ja) 硬化性液状シリコーン組成物および半導体装置
JP5086514B2 (ja) 熱伝導性硬化性液状ポリマー組成物および半導体装置
JP5648290B2 (ja) 電子装置およびその製造方法
WO2022038888A1 (ja) 硬化性オルガノポリシロキサン組成物、熱伝導性部材および放熱構造体
TW200406449A (en) Thermoconductive filler, thermoconductive silicone elastomer composition, and semiconductor device
CN118139930A (zh) 含金刚石颗粒的可固化导热组合物

Legal Events

Date Code Title Description
A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190513

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190513

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191015

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6664640

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191112

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250