JP6664640B1 - 導電性充填剤の製造方法、導電性充填剤、導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
Description
詳しくは、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子を、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理する、導電性充填剤の製造方法、かくして製造される導電性充填剤、該導電性充填剤を含有する導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物、および、この導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の硬化物により半導体素子が被覆されている半導体装置に関する。
[1]表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子を、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理することを特徴とする、導電性充填剤の製造方法。
[2]表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子のエポキシ基含有オルガノアルコキシシランによる表面処理は、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子とエポキシ基含有オルガノアルコキシシラン自体またはその有機溶剤溶液とを混合し、混合物から表面処理された該導電性粒子を分離することを特徴とする、[1]に記載の導電性充填剤の製造方法。
[3]エポキシ基含有オルガノアルコキシシランが、グリシドキシアルキルトリアルコキシシランまたはで2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキルトリアルコキシシランであることを特徴とする、[1]または[2]に記載の導電性充填剤の製造方法。
[4]グリシドキシアルキルトリアルコキシシランが3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランであることを特徴とする、[3]に記載の導電性充填剤の製造方法。
[6]表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子の表面層に、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランの部分的加水分解縮合物が被着していることを特徴とする、導電性充填剤。
[7]エポキシ基含有オルガノアルコキシシランがグリシドキシアルキルトリアルコキシシランまたは2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキルトリアルコキシシランであることを特徴とする、[5]または[6]に記載の導電性充填剤。
[8]グリシドキシアルキルトリアルコキシシランが3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランであることを特徴とする、[7]に記載の導電性充填剤。
[9]表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子がエポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理されている、導電性粒子、または、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子の表面層に、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランの部分的加水分解縮合物が被着している、導電性充填剤を含有することを特徴とする、導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
[9−1]導電性粒子が導電性金属粒子であることを特徴とする、[9]に記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
[9−2]導電性金属粒子が銀粒子であることを特徴とする、[9−1]に記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
[9−3]前記導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物中に前記導電性充填剤を60〜95質量%含有することを特徴とする、[9]−[9−2]のいずれかに記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
[10]導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物を構成する付加反応硬化型シリコーン組成物が、(A)ケイ素原子結合アルケニル基を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン、(B)ケイ素原子結合水素原子を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン、および、(C)付加反応用触媒からなることを特徴とする、[9]−[9−3]のいずれかに記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
[11] 付加反応用触媒が付加反応用白金系触媒であり、さらに(D)付加反応用白金系触媒による付加反応の制御剤、または、(D)付加反応用白金系触媒による付加反応の制御剤と(E)接着性付与剤を含有する、[10]に記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
[12−1]導電性粒子が導電性金属粒子であることを特徴とする、[12]に記載の半導体装置。
[12−2]
導電性金属粒子が銀粒子であることを特徴とする、[12−1]に記載の半導体装置。
[12−3]前記導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物中に前記導電性充填剤を60〜95質量%含有することを特徴とする、[12]−[12−2]のいずれかに記載の半導体装置。
[13]半導体素子が、[12]に記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の硬化物を介して放熱板に接着していることを特徴とする、[12]−[12−3]のいずれかに記載の半導体装置。
本発明の導電性充填剤は、非硬化性シリコーン組成物および硬化性シリコーン組成物、特には付加反応硬化型シリコーン組成物などに優れた導電性を付与することができ、しかも、硬化性シリコーン組成物、特には付加反応硬化型シリコーン組成物においては、硬化物の引張強さおよび伸びが大きく、かつ、せん断接着強さが大きいという効果がある。
本発明の導電性充填剤を含有する導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物は、優れた強度、柔軟性および接合強度を有する接合剤となるという効果がある。
本発明の半導体装置は、半導体素子がこのような導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の硬化物により被覆されているので、信頼性に優れるという効果がある。
平均粒径が50μmを越えると、本発明の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の硬化物の導電性が十分に得られない恐れがあり、0.01μm未満の場合、表面活性が強すぎて保存安定性が低下する恐れがあるからである。
これらの平均粒径は、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した粒度分布の体積基準の積算分率50%値、すなわち、メジアン径(D50値)である。
後添加の方法は、液体または粉末状の有機アミン化合物を還元金属粒子(例、還元銀粒子)と直接混合する方法、有機アミン化合物を可溶な揮発性溶剤に溶解しておき、その中に還元銀粒子を加えた後、揮発性溶剤を除去する方法が例示される。また、導電性金属粒子がフレーク状である場合は、ボールミル等で導電性金属粒子をフレーク化する際に、粒子同士の凝集を防止するため、潤滑剤あるいは滑剤である有機アミン化合物を添加することが行われている。添加の方法は、液体、粉末または揮発性溶剤による溶液状の有機アミン化合物を添加する方法が例示される。
表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子をエポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理するには、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランは、通常、常温で液状であるので、エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン自体またはその有機溶剤溶液に、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子を浸漬し、よく撹拌した後、静置して沈降分離した導電性粒子を取り出す。あるいは、エポキシ基含有オルガノアルコキシラン自体またはその有機溶剤溶液と、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子をよく混合した後、静置して沈降分離した導電性粒子を取り出す。
その結果、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子の表面層に、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランの部分的加水分解縮合物が被着した導電性粒子が形成される。換言すれば、導電性粒子を被覆している有機アミン化合物にエポキシ基含有オルガノアルコキシシランの部分的加水分解縮合物が被着した導電性粒子が形成される。
エポキシ基は有機アミン化合物のアミノ基と反応しやすいので、表面が有機アミン化合物により被覆された該導電性粒子は、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランと有機アミン化合物との反応物、もしくは、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランの部分加水分解縮合物と有機アミン化合物との反応物被膜により被覆されていると言うことができる。その結果、表面処理効果が向上するので、無水エタノールは好ましい有機溶剤である。無水エタノールの含水量は、0.05〜0.3容量%が好ましい。
沈降分離して取り出した導電性粒子は、風乾あるいは真空乾燥等で乾燥することが好ましく、乾燥前に清浄な有機溶剤ですすぎ洗いして、表面に付着した過剰なエポキシ基含有オルガノアルコキシシランを除去してもよい。このようにして製造された導電性充填剤は、撥水性または親水性のいずれであってもよい。
とりわけ、ヘキサメチルジシラザンは、周知のトリメチルシリル基供与体であり、活性水素を有する化合物(例えば、シラノール基含有化合物、カルボン酸、アルコール、有機アミン、フェノール類)をトリメチルシロキシ化もしくはトリメチルシリル化して疎水性にする作用があることが知られている。
したがって、オルガノシラザン処理は、疎水化処理と言うことができる。
特には、液状またはペースト状の付加反応硬化型シリコーン組成物、付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物に配合する導電性充填剤として有用である。
その配合量は、その導電性、比重、目的とする導電性などによって変わるが、通常は硬化性シリコーン組成物中およびに非硬化性シリコーン組成物中に、60〜95質量%であり、好ましくは80〜94質量%である。
このような付加反応硬化型シリコーン組成物は、(A)ケイ素原子結合アルケニル基を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン、(B)ケイ素原子結合水素原子を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン、(C)付加反応用触媒を必須成分としており、さらに(D)付加反応制御剤を含有することにより、常温での付加反応による増粘を抑制して十分な作業時間が確保できる。
さらに(E)接着性付与剤を含有することにより硬化途上で接触している基材に接着性の優れた付加反応硬化型シリコーン組成物となる。
(A)成分の分子構造は、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、環状、網状が例示されるが、硬化後に弾性を有するゴム状またはゲル状、すなわち、エラストマー状にするため、直鎖状または一部分枝を有する直鎖状が好ましい。
(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基の結合位置は、分子鎖末端、分子鎖側鎖、その両方がある。(A)成分中のアルケニル基以外のケイ素原子結合基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フエニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フエネチル基等のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の非置換もしくは置換一価炭化水素基が例示される。それらのうちでは工業的に容易に製造できるメチル基が最も一般的であり、ついでメチル基とフエニル基の両方が一般的である。
性能と入手容易性の点で白金系触媒が好ましく、白金微粉末、白金担持シリカ微粉末、白金担持活性炭、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、白金のジオレフィン錯体、白金のジケトン錯体、白金のジアルケニルテトラアルキルジシロキサン錯体、これらの白金系触媒を含有する熱可塑性樹脂微粒子が例示される。
(C)成分は、触媒量、すなわち、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基と(B)成分中のケイ素原子結合水素原子をヒドロシレーシヨン反応させるのに充分な量配合される。白金系触媒であると、この触媒中の白金原子が組成物中に質量単位で0.1〜100ppmが一般的である。(C)成分は2種以上を併用してもよい。
(A)成分と(B)成分と(C)成分のほかに(D)成分を含有することにより、付加反応硬化型シリコーン組成物を常温では増粘しにくくて作業性が優れ、加熱すると急速に硬化する、熱硬化性にすることができる。
本発明の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の硬化物は、エラストマー状である。すなわち、ゴム状またはゲル状(一部が架橋したいわゆる半硬化状)である。ゴム状である場合は、導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物と称することができる。
本発明の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物は、同時に熱伝導性を有していてもよい。
実施例と比較例中の平均粒径は、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した粒度分布の体積基準の積算分率50%値、すなわち、メジアン径(D50値)である。
実施例と比較例中の粘度は回転式粘度計により25℃において測定した値である。また、導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物の体積抵抗率、引張強さおよび伸び、導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物により接合された金属製部材接合体のせん断接着強さ、半導体装置の信頼性は次のようにして測定した。
なお、実施例および比較例において使用している、表面がステアリン酸で被覆された銀粒子、および、表面が有機アミン化合物で被覆された銀粒子は、国内メーカー発売の市販品もしくは以下の方法により自社内で製造したものである。また、実施例および比較例において使用している化学薬品は国内メーカー発売の市販品である。
まず、特開昭54−121270の実施例に記載の、[硝酸銀水溶液とホルマリンおよびステアリン酸を反応させ、反応液からステアリン酸で被覆された銀粒子を分離する方法]に準じて、表面がステアリン酸で被覆された平均粒径が1.0μmの粒状銀粒子を得た。ステアリン酸の量は、0.3質量%である。
次に、試薬1級のエタノール50ml中に、表面がステアリン酸で被覆された銀粒子10gとヘキシルアミン1gを加えて撹拌することにより、銀粒子を被覆しているステアリン酸を実質的にヘキシルアミンで置換して、表面がヘキシルアミンで被覆された平均粒径が1.0μmの銀粒子を得た。ヘキシルアミンの量は0.2質量%である。ステアリン酸がヘキシルアミンにより実質的に置換されたことは、ヘキシルアミンで置換した銀粒子の空気中における示差熱分析において、ステアリン酸の分解ピークが実質的に検出されないことにより確認した。
ペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を縦横5cm×5cm、深さ2mmの金型に流し込み、150℃の大気雰囲気の熱風循環式オーブン中で1時間、加熱して硬化して取り出した試験体を、JIS K 7194に準じて、体積抵抗率(単位;Ω・cm)を測定した。
ペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を縦横5cm×5cm、深さ2mmの金型に流し込み、150℃の大気による熱風循環式オーブン中で1時間、加熱して硬化して得た導電性シリコーンゴムシートについて、JIS K 6251に準じて、引張強さおよび伸び(破断時伸び)を測定した。
幅25mm×長さ70mm、厚さ1.0mmの銀メッキ基板(銀純度99.9%)上に、10mmの間隔をおいて4つの開口部(2.5mm×2.5mm)を有する100μm厚のメタルマスクを用いて、ペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を印刷塗布し、その上にサイズが2.5mm×2.5mm×0.5mmの銀チップ(銀純度99.9%以上)を載せ、これを150℃の大気による熱風循環式オーブン中で1時間、加熱して硬化し、銀メッキ基板と銀チップを接合した。
図1に示す半導体装置を作成した。すなわち、表面に印刷により形成された配線2および端部に外部リードを有するガラス繊維強化エポキシ樹脂製の回路用基板1上に半導体素子4を搭載した後、半導体素子4と配線2とを金製の電極(バンプ)3により電気的に接続した。この半導体素子4の裏面上に、ペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物をディスペンサーにより塗布した後、アルミニウム製の放熱板6を貼り付け、直ちに150℃の大気による熱風循環式オーブン中で1時間、加熱して、半導体素子4と放熱板6が導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物5により接着した半導体装置20個を作成した。
このようにして作成した半導体装置について、−55℃で30分間、+150℃で30分間を1サイクルとするサーマルサイクル(熱衝撃)試験を100サイクル行なった後、半導体素子4と放熱板6の間の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物5について、半導体素子4との間の剥離、および放熱板6との間の剥離の有無を顕微鏡で観察し、剥離しているものを不良として、その不良率(%)を求めた。
また、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのエポキシ基および3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分的加水分解縮合物のエポキシ基は、球状銀粒子Aの表面を被覆しているヘキサデシルアミンの一級アミノ基と開環付加反応して結合し、別のエポキシ基が生成した2級アミノ基と開環付加反応して結合し、2級アミノ基は3級アミノ基に変化しているということができる。
実験室に設置している、撹拌羽付きミキサーに、エタノール(研究実験用、関東化学株式会社製、水含有量0.1v/v%)100gに3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3gを溶解した溶液と、表面がステアリン酸で被覆された平均粒径が1μmである粒状銀粒子F30g(ステアリン酸の含有量0.3質量%)を投入し、70℃で3時間撹拌した。室温で10分間静置して銀粒子を沈降させた後、上澄み液を抜き出し、再度、エタノールを100g添加して15分間撹拌した。10分間静置して銀粒子を沈降させた後、上澄み液を抜き出し、銀粒子を室温(約25℃)で24時間風乾して、表面がステアリン酸で被覆された平均粒径が1μmである粒状銀粒子Fであって、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランにより表面処理されてなる導電性粒状銀粒子Gを得た。
実験室に設置している、撹拌羽付きミキサーに、エタノール(研究実験用、関東化学株式会社製、水含有量0.1v/v%)100gに3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3gを溶解した溶液と、表面が脂肪酸で被覆されていないアトマイズ法による平均粒径が1.5μmである球状銀粒子H30g(脂肪酸の含有なし)を投入し、70℃で3時間撹拌した。室温で10分間静置して銀粒子を沈降させた後、上澄み液を抜き出し、再度、エタノールを100g添加して15分間撹拌した。10分間静置して銀粒子を沈降させた後、上澄み液を抜き出し、銀粒子を室温で24時間風乾して、表面が脂肪酸で被覆されていないアトマイズ法による平均粒径が1.5μmである球状銀粒子Hであって、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランにより表面処理されてなる導電性粒状銀粒子Iを得た。
この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物の体積抵抗率、引張強さ、伸び、金属製部材接合体のせん断接着強さ、および、この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を使用した半導体装置の信頼性を測定した結果を表1にまとめて示した。この導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物は、導電性が高く、引張強さおよび伸びが大きく、しかも、せん断接着強さが大きいので、半導体装置の信頼性が優れることがわかった。
実施例4において使用した実施例1で調製した導電性銀粒子Bの代わりに、実施例1における表面がヘキサデシルアミンで被覆された平均粒径が3μmである球状銀粒子A(ヘキサデシルアミンの含有量0.8質量%)をそのまま使用した以外は実施例4と同様にして、粘度が172Pa・sであるペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を調製した。
銀粒子の表面被覆剤であるヘキサデシルアミンが、付加反応硬化型シリコーン組成物における(C)成分である付加反応用触媒に作用して、付加反応の進行を阻害したためと解せる。結果を表2にまとめて示した。
実施例4において使用した実施例1で調製した導電性銀粒子Bの代わりに、比較例1で調製した銀粒子Gを使用した以外は実施例4と同様にして、粘度が244Pa・sであるペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を調製した。
実施例4において使用した、実施例1で調製した導電性銀粒子Bの代わりに、比較例2で調製した銀粒子Iを使用した以外は実施例4と同様にして、粘度が190Pa・sであるペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を調製した。
実施例1において、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの代わりに、メチルトリメトキシランを使用した以外は同様にして、表面がヘキサデシルアミンで被覆された平均粒径が3μmである球状銀粒子Aであって、表面がメチルトリメトキシシランにより表面処理された球状銀粒子Jを得た。
実施例4において、実施例1で調製した球状銀粒子Bの代わりに、比較例6で調製したメチルトリメトキシシランにより表面処理された球状銀粒子Jを使用した以外は実施例4と同様にして、粘度が145Pa・sであるペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を調製した。
特許文献5(特開平8−302196)の実施例に記載されたAgNo.2に準じて、シリコーン化合物により表面が被覆された銀粒子を製造した。具体的には、市販品の還元法により製造された,表面被覆剤を有しない平均粒径が1.1μmの粒状銀粒子K500g、末端トリメチルシリルジメチルシロキサン(粘度5000mPa・s)450g、末端トリメチルシリルジメチルハイドロジェンシロキサン(メチルハイドロジェンシロキサン単位の数は平均で約40個)50g、n−ヘキサン500mlおよび平均粒径0.5mmのジルコニア製ビーズ適量を、直径約15cm、長さ約20cmの円筒容器に投入し、回転数40rpmにて10時間運転した。その後、内容物をろ過して過剰なシリコーン化合物を除去した後、減圧乾燥してシリコーン化合物により表面被覆された平均粒径が2.2μmのフレーク状銀粒子Lを得た。
実施例4において、実施例1で調製した球状銀粒子Bの代わりに、比較例8で調製したシリコーン化合物により表面処理されたフレーク状銀粒子Lを使用した以外は実施例4と同様にして、粘度が170Pa・sであるペースト状の導電性付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を調製した。
2 配線
3 金製の電極(バンプ)
4 半導体素子(ダミー素子である)
5 導電性シリコーンゴム
6 アルミニウム製の放熱板(冷却フィン)
本発明の導電性充填剤は、非硬化性シリコーン組成物、硬化性シリコーン組成物などに配合して優れた導電性等を付与するのに有用である。
本発明の導電性充填剤を含有する導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物は、電気・電子部品用の接着剤、封止剤、ポツテイング剤、保護被覆剤等として有用であり、半導体素子と放熱板間の接着剤としても有用である。本発明の半導体装置は、ダイオード、トランジスタ、サイリスタ、モノリシツクIC、ハイブリツドIC、LSI、VLSI、IGBTなどとして有用である。
Claims (13)
- 表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子を、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理することを特徴とする、導電性充填剤の製造方法。
- 表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子のエポキシ基含有オルガノアルコキシシランによる表面処理は、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子とエポキシ基含有オルガノアルコキシシラン自体またはその有機溶剤溶液とを混合し、混合物から表面処理された該導電性銀粒子を分離することを特徴とする、請求項1に記載の導電性充填剤の製造方法。
- エポキシ基含有オルガノアルコキシシランが、グリシドキシアルキルトリアルコキシシランまたは2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキルトリアルコキシシランであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の導電性充填剤の製造方法。
- グリシドキシアルキルトリアルコキシシランが3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランであることを特徴とする、請求項3に記載の導電性充填剤の製造方法。
- 表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子がエポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理されていることを特徴とする、導電性充填剤。
- 表面が有機アミン化合物により被覆された導電性銀粒子の表面層に、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランの部分的加水分解縮合物が被着していることを特徴とする、導電性充填剤。
- エポキシ基含有オルガノアルコキシシランがグリシドキシアルキルトリアルコキシシランまたは2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキルトリアルコキシシランであることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の導電性充填剤。
- グリシドキシアルキルトリアルコキシシランが3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランであることを特徴とする、請求項7に記載の導電性充填剤。
- 表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子がエポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理されている、導電性粒子、または、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子の表面層に、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランの部分的加水分解縮合物が被着している、導電性充填剤を含有することを特徴とする、導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
- 導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物を構成する付加反応硬化型シリコーン組成物が、(A)ケイ素原子結合アルケニル基を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン、(B)ケイ素原子結合水素原子を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン、および、(C)付加反応用触媒からなることを特徴とする、請求項9に記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
- 付加反応用触媒が付加反応用白金系触媒であり、さらに、(D)付加反応用白金系触媒による付加反応の制御剤、または、(D)付加反応用白金系触媒による付加反応の制御剤と(E)接着性付与剤を含有する、請求項10に記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物。
- 表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子がエポキシ基含有オルガノアルコキシシランにより表面処理されている導電性粒子、または、表面が有機アミン化合物により被覆された導電性粒子の表面層に、エポキシ基含有オルガノアルコキシシランの部分的加水分解縮合物が被着している、導電性充填剤を含有する導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の硬化物により半導体素子が被覆されていることを特徴とする、半導体装置。
- 半導体素子が、請求項12に記載の導電性付加反応硬化型シリコーンエラストマー組成物の硬化物を介して放熱板に接着していることを特徴とする、請求項12に記載の半導体装置。
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