JP6664288B2 - 電動機の制御装置 - Google Patents

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本発明は、電動機の制御装置に関するものである。
電動機の制御装置は、例えばレゾルバのような角度検出手段が検出した回転子の角度情報を用いて、速度制御やトルク制御といった電動機の駆動制御を行う。角度検出手段が検出する角度情報には、角度検出手段の特性に起因して検出誤差が含まれるのが一般的である。この検出誤差を含む角度情報を用いて、電動機の駆動制御が行われると、電動機の回転速度や出力トルクに脈動が発生する可能性がある。そのため、角度検出手段が検出した角度情報に含まれる検出誤差を適切に補正する必要がある。
上記の課題解決を目的とした従来技術として、特許文献1、2がある。特許文献1は、電動機の理想回転角度を設定し、その理想回転角度と実検出角度との差を求めることで、実検出角度に含まれる検出誤差を補償する技術を開示する。
特許文献2は、モータの磁極位置を検出する磁気位置センサーが検出した検出信号の検出誤差を補償する技術を開示する。具体的には、特許文献2は、無負荷状態において、モータの出力トルクを0にするdq電流指令値を与えたときのdq電流指令値の位相差βと、実際のdq軸電流の位相差βとの位相ズレ量を求め、検出誤差を補償する技術を開示する。
特開2013−72686号公報 特開2007−318894号公報
しかし、特許文献1では、検出誤差を精度良く求めるために、補償対象となる電動機を、一定の回転速度で正確に駆動する必要がある。補償対象となる電動機の実検出角には、上述のように検出誤差が含まれている。そのため、特許文献1は、正確に一定速度で電動機を駆動させることが困難である。
また、特許文献1において、別途、電動機を強制的に一定速度で駆動させるための外部装置を電動機に接続し、電動機を一定速度で駆動させることも考えられるが、この場合、装置のコストアップ及び装置の大型化を招くという問題が発生する。
特許文献2では、無負荷状態で求められた位相ズレ量を用いて磁気位置センサーの検出誤差が補償されているので、負荷がかかった状態において、検出信号の検出誤差を正確に補償できない可能性がある。
本発明は、電動機を一定速度で駆動させる外部装置を接続しなくても回転子の検出角度に含まれる検出誤差を精度良く補償する電動機の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る電動機の制御装置は、
前記電動機の回転子の回転角度に応じて周期的に変動する検出誤差と前記回転角度の真値とを含む前記回転子の実回転角度を検出する角度検出部と、
前記電動機の実出力トルクを検出するトルク検出部と、
前記実回転角度を駆動制御に用いることで発生する前記実出力トルクの周期的な変動から前記検出誤差を推定する推定部と、
前記推定された検出誤差に基づいて、前記実回転角度に含まれる検出誤差を補償する補償部とを備え、
前記実回転角度は、前記真値を変数とする三角関数に誤差ゲインを乗じた誤差関数と、前記真値との和で表され、
前記推定部は、前記実回転角度と前記実出力トルクとの関係を示す運動方程式に、複数の前記実回転角度と複数の前記実出力トルクとを入力し、最小二乗法によって前記誤差ゲインを決定することにより、前記検出誤差を推定する。
本態様によれば、検出誤差を含んだ実回転角度を駆動制御に用いることで発生する実出力トルクの周期的な変動に基づいて検出誤差が推定されている。周期的に変動する検出誤差を含んだ実回転角度を電動機の駆動制御に用いた場合、実出力トルクには、検出誤差と同じ周期で、検出誤差の大きさに応じた脈動が発生する。そのため、実回転角度と実出力トルクが同時に分かれば、実回転角度に含まれる検出誤差を正確に推定できる。したがって、本態様は、実回転角度に含まれる検出誤差を正確に推定できる。
また、本態様は、実回転角度と実出力トルクとに着目しているので、電動機の回転速度を一定にする必要はない。よって、本態様は、回転速度を一定に保持するための外部装置を用いることなく、検出誤差を推定できる。したがって、本態様は、コストの増大及び装置規模の増大を抑制できる。
本態様によれば、実回転角度と実出力トルクとの関係を示す運動方程式を用いて検出誤差が推定されているので、検出誤差を精度良く推定できる。
検出誤差は、回転角度に応じて周期的に変動するので、回転角度の真値を変数とする三角関数に誤差ゲインを乗じた誤差関数で表すことができる。本態様は、この誤差関数と真値との和で実回転角度が表された運動方程式を用いている。そして、本態様は、この運動方程式に複数の実回転角度と複数の実出力トルクとを入力し、最小二乗法によって、誤差ゲインを決定することで、検出誤差を推定する。そのため、検出誤差を精度良く推定できる。なお、メモリ量の削減の観点から、本態様は、逐次最小二乗法を用いても良い。
上記態様において、前記推定部は、前記最小二乗法によって決定された誤差ゲインで表された前記誤差関数から、複数の回転角度と複数の検出誤差とを対応付けた対応情報を生成し、
前記補償部は、前記実回転角度に対応する検出誤差を前記対応情報から決定し、決定した検出誤差を用いて前記実回転角度を補償してもよい。
本態様によれば、最小二乗法によって決定された誤差ゲインで表された誤差関数から、複数の回転角度と複数の検出誤差とを対応付けた対応情報が事前に生成される。そして、本態様によれば、実回転角度に対応する検出誤差を対応情報から決定し、決定した検出誤差を用いて実回転角度を補償する。そのため、実回転角度に応じた検出誤差を速やかに決定できる。
上記態様において、前記電動機に流れる電流を検出する電流検出部を更に備え、
前記トルク検出部は、前記検出された電流に基づいて、前記実出力トルクを算出してもよい。
本態様によれば、電流検出部により検出された電流に基づいて、実出力トルクが算出されているので、比較的、装置規模の大きなトルク検出装置を用いることなく、実出力トルクを検出できる。そのため、本態様は、装置規模の増大を更に抑制できる。
上記態様において、前記角度検出部は、レゾルバで構成されてもよい。
レゾルバは、回転子の回転角度に応じて検出誤差が周期的に変動するので、上記の態様を用いることで、検出誤差を正確に推定できる。
本発明によれば、外部装置を接続しなくても回転子の検出角度に含まれる検出誤差を精度良く補償することができる。
本発明の実施の形態1に係る電動機の制御装置の構成を示すブロック図である。 推定部における処理の流れを示すブロック線図である。 対応情報の説明図である。 本発明の実施の形態2に係る制御装置の構成を示すブロック図である。 トルク推定部に注目したブロック図である。
以下、本発明の実施の形態に係る電動機(以下、「モータ」と記述する。)の制御装置について図面を参照しながら説明する。永久磁石同期電動機をはじめとした3相ブラシレスモータの速度制御は、近年、ベクトル制御が用いられることが一般的である。したがって、本実施の形態においても、モータの速度制御として、ベクトル制御を採用する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電動機の制御装置1の構成を示すブロック図である。制御装置1は、モータMを制御する制御装置である。
制御装置1は、減算器11、速度制御部12、電流指令生成部13、減算器14a,14b、電流制御部15、dq/uvw変換部16、インバータ17、トルク検出部19、角度検出部20、uvw/dq変換部21、推定部22、補償部23、加算器24、乗算器25、及び速度算出部26を備える。
図1において、減算器11、速度制御部12、電流指令生成部13、減算器14a,14b、電流制御部15、dq/uvw変換部16、uvw/dq変換部21、推定部22、補償部23、加算器24、乗算器25、及び速度算出部26は、例えば、CPU、ROM等を備えるコンピュータにより構成される。
減算器11は、目標速度から速度検出値を減算し、速度偏差を算出する。目標速度は、モータMが適用される装置に応じて異なる。例えば、モータMが建設機械のウィンチドラムや上部旋回体や下部走行体の駆動に用いられるのであれば、操作レバーの操作量に応じた値に目標速度は設定される。また、モータMが電気自動車やハイブリッド自動車の走行モータに適用されるのであれば、アクセルの操作量に応じた値に目標速度は設定される。
速度制御部12は、減算器11から速度偏差が入力され、この速度偏差を0にするためのトルク指令値を算出する。ここで、速度制御部12は、例えばPID(比例・積分・微分)制御やPI(比例・積分)制御を用いてトルク指令値を算出すればよい。
電流指令生成部13は、トルク指令値に基づいて、d軸の目標電流値Id_refとq軸の目標電流値Iq_refとを算出する。ここで、電流指令生成部13は、例えば、トルク指令値に対して予め定められた値を目標電流値Id_ref,Iq_refとして生成すればよい。
減算器14aは、目標電流値Id_refからd軸の実電流値Idを減算し、d軸の電流偏差を算出する。減算器14bは、目標電流値Iq_refからq軸の実電流値Iqを減算し、q軸の電流偏差を算出する。
電流制御部15は、減算器14aからのd軸の電流偏差を0にするためのd軸の電圧指令値vdを算出すると共に、減算器14bからのq軸の電流偏差を0にするためのq軸の電圧指令値vqを算出する。電圧指令値vdはモータMに出力する電圧の界磁成分を制御する指令値であり、電圧指令値vqはモータMに出力する電圧のトルク成分を制御するための指令値である。ここで、電流制御部15は、例えば、PID制御、PI制御を用いて電圧指令値vd,vqを算出すればよい。
dq/uvw変換部16は、電圧指令値vd,vqを、乗算器25から出力された電気角αを用いて座標変換し、UVWの3相からなるPWM信号を生成し、インバータ17に出力する。
インバータ17は、例えば、3相のインバータで構成され、3相のPWM信号からUVWの3相の交流電力を生成し、モータMに出力する。
モータMは、例えば、3相の電動機で構成され、インバータ17から出力されるUVWの3相の交流電力に従って駆動される。例えば、制御装置1がクレーンやショベルカーといった建設機械に適用されるのであれば、モータMは、上部旋回体を旋回させたり、ウィンチドラムを回転させたりする。また、制御装置1が電気自動車に適用されるのであれば、電気自動車を走行させる。
トルク検出部19は、例えば、モータMの回転軸に加わるトルクを直接的に検出する計測装置で構成されている。そして、トルク検出部19は、検出したトルクをトルク検出値として推定部22に出力する。
角度検出部20は、例えば、レゾルバで構成され、モータMの回転子の回転角度を検出し、検出した回転角度を角度検出値θsとして出力する。ここで、角度検出値θsとしては、例えば、基準回転位置に対する回転子の回転角度が採用できる。なお、速度検出値は、例えば、回転子が所定の第1方向(例えば、右回りの方向)に回転している場合、プラスの値を持ち、回転子が第1方向とは反対の第2方向(例えば、左回りの方向)に回転した場合は、マイナスの値を持つようにして、プラスマイナスの符号を用いて回転方向を区別してもよい。
uvw/dq変換部21は、電流センサ31,32,33で検出された交流電流Iu,Iv,Iwを、乗算器25で算出された電気角αを用いて座標変換し、d,q軸の実電流値Id,Iqを算出し、減算器14a,14bに出力する。
乗算器25は、角度検出値θsとモータMの極対数とを用いてモータMの電気角αを算出する。詳細には、乗算器25は、角度検出値θsに1/極対数を乗じることで、電気角αを算出すればよい。
速度算出部26は、角度検出部20で検出された角度検出値θsを微分し、モータMの回転速度を算出し、速度検出値として減算器11及び乗算器25に出力する。
電流センサ31,32,33は、それぞれ、例えば、ホール素子を利用したホール式の電流センサで構成され、U,V,W相の交流電流Iu,Iv,Iwを検出する。
以上が制御装置1の基本構成であり、速度検出値が目標速度に追従するように、モータMがフィードバック制御される。
推定部22は、検出誤差を含む角度検出値θs(実回転角度)をモータMの駆動制御に用いることで発生するトルク検出値τd(実出力トルク)の周期的な変動から検出誤差を推定する。
補償部23は、推定部22により推定された検出誤差に基づいて、角度検出値θsに含まれる検出誤差を補償する。
実施の形態1において、制御装置1の動作は、検出誤差を推定する推定フェーズと、推定フェーズで推定された検出誤差を用いて、角度検出値θsに含まれる検出誤差を除去する補償フェーズとに分けられる。推定部22は、推定フェーズで動作し、補償部23は、補償フェーズで動作する。
<推定フェーズ>
推定フェーズでは、推定部22は、角度検出値θsとトルク検出値τdとの関係を示す運動方程式に、角度検出値θsとトルク検出値τdを入力し、逐次最小二乗法を適用することで、検出誤差を推定する。
式(1)は、推定フェーズで用いられる運動方程式である。
Figure 0006664288
θs:検出誤差を含む角度検出値
θ:角度検出値の真値
τd:トルク検出値
J:モータMの慣性モーメント
N:レゾルバの倍角数
Δc:検出誤差のコサイン成分の誤差ゲイン
Δs:検出誤差のサイン成分の誤差ゲイン
ここで、角度検出値θsは、下記の式(2)で表される。
Figure 0006664288
式(2)において、右辺第1項は真値θを示し、右辺の第2項と第3項とは、検出誤差を示す。
トルク検出部19は、レゾルバで構成されている。レゾルバで検出される検出誤差は、モータMの回転角度に応じて周期的に変動する特性を持つ。詳細には、検出誤差は、レゾルバの倍角数をN(Nは自然数)とした場合、cos(Nθ)とsin(Nθ)とを一次結合した数式で表される。したがって、検出誤差は、式(2)の第2項と第3項とに示すような誤差関数(Δc・cos(Nθ)+Δs・sin(Nθ))で表すことができる。この式から分かるように、誤差関数は、モータMが1/N回転する間に360度変化する特性を持つ。なお、倍角数Nは、レゾルバの仕様から事前に設定された値が採用できる。
一方、角度検出値θsとトルク検出値τdとは、回転系の運動方程式:Jθs’’=τd+Δτで表すことができる。但し、ΔτはJθs’’で示す角度検出値θsに基づくモータMの出力トルクとトルク検出値τdとのトルク差である。なお、θs’’に検出誤差が含まれていないならば、Δτ=0となる。数式内に示す「・」は記載の制約上、本文中では、「’」で表している。「・」は1階微分を示し、「・・」は2階微分を示す。
この回転系の運動方程式に式(2)を代入してトルク差Δτを表すと、式(1)が得られる。
式(1)を、誤差ゲインΔc,Δsについて整理すると、式(3)が得られる。
Figure 0006664288
推定フェーズでは、同時に検出された角度検出値θsとトルク検出値τdとを式(3)の左辺に入力し、逐次最小二乗法を適用し、誤差ゲインΔc,Δsを推定する。
逐次最小二乗法では、式(4)に示すように、変数zと、変数yと、変数Rとを用いて、推定パラメータP(ハット)を繰り返し計算することで、誤差ゲインΔc,Δsを決定する。なお、数式中に示す「∧」は推定値であることを示す記号であり、本文中では記載の制約上、(ハット)と表す。
Figure 0006664288
ここで、推定パラメータP(ハット)は、式(5)で表され、変数z、真値θに対応する変数θ、変数y、変数Rは、それぞれ、式(6),(7),(8),(9)で表される。
Figure 0006664288
添え字のnは、n番目に算出されたデータであることを示すインデックスであり、1以上の整数である。
式(5)に示すように、推定パラメータP(ハット)は、推定対象となる誤差ゲインΔc,Δsを示す2行1列の行列である。
式(6)に示すように、変数zは、状態変数と称される変数であり、2行1列の行列で表される。式(6)において、1行目は、式(3)において、右辺第1項のΔcに乗じられた括弧内の数式を示し、2行目は、式(3)において、右辺第2項のΔsに乗じられた括弧内の数式を示す。但し、式(6)では、式(3)のθは、θ→θ(ハット)で表されている。
式(7)に示すように、変数θ(ハット)は、式(2)において、右辺第1項のθをθ→θ(ハット)と表し、右辺第2項及び第3項のcos及びsinの括弧内のθをθ→θn−1(ハット)と表し、θs→θs(k+n)と表し、Δc→Δcn−1、Δs→Δsn−1と表したものである。逐次最小二乗法では、n個のデータ群を1セットとして推定パラメータP(ハット)を算出する処理を、複数サイクル繰り返すことにより、推定パラメータPを推定する。したがって、角度検出値θs(k+n)のkは、サイクル数を特定するためのインデックスを表す。例えば、角度検出値θs(k+1)は、kサイクル目の1番目の角度検出値を表す。この場合、角度検出値θs(k)の値として、k−1サイクル目までに得られたθsを用いればよいので、k−1サイクル目までの推定に用いられた(k−1)・n個の角度検出値θsの値をメモリに保存しておく必要がない。よって、逐次最小二乗法はメモリ消費量を抑制できる。このことは、トルク検出値τd(k+n)も同じである。
式(8)に示すように変数yは、式(3)の左辺のθs’’をθs’’→θs’’(k+n)と表し、式(3)の左辺のτdをτd→τd(k+n)で表したものである。
式(9)に示すように変数Rは、変数Rn−1と、変数zと、を用いて表される行列式である。式(9)において、Iは単位行列を示し、Tは転置行列を示す。
図2は、推定部22における処理の流れを示すブロック線図である。まず、推定部22は、角度検出値θs(k+n)及びトルク検出値τd(k+n)が入力されると、式(7)を用いて変数θ(ハット)を算出する(ブロック216)。ここで、角度検出値θs(k+n)とトルク検出値τd(k+n)とはサンプリング周期Tsで順次に入力される。
なお、1回目の処理では、式(7)の右辺のΔcn−1,Δsn−1、θn−1(ハット)が未知である。そこで、推定部22は、Δcn−1,Δsn−1,θ(ハット)に事前に設定された初期値(Δc,Δs,θ(ハット))を入力すればよい。事前に設定された初期値(Δc,Δs,θ(ハット))としては、推定される値を見越して、その値に近い値を採用すればよい。また、2回目以降のブロック216では、推定部22は、ブロック215で算出された推定パラメータP(ハット)=[Δc Δs]を[Δcn−1 Δsn−1]として、式(7)に入力すればよい。
次に、推定部22は、ブロック216で算出されたθ(ハット)を1階微分してθ’(ハット)を算出し(ブロック217)、θ(ハット)を2階微分してθ’’(ハット)を算出し(ブロック218)、θ(ハット)に1/zを乗じ、θn−1(ハット)を算出する(ブロック219)。
なお、1回目の式(7)の処理では、θn−1(ハット)として初期値が用いられるので、ブロック219の処理は省略される。ブロック217における2(z−1)/Ts(z+1)は、1階微分を示す離散伝達関数である。ブロック218における2(z−1)/Ts(z+1)は、2階微分の離散伝達関数である。Tsはサンプリング周期を表す。
次に、推定部22は、θ’’(ハット)と、θ’(ハット)と、θ(ハット)とを式(6)に入力し、変数zを算出する(ブロック214)。
上記の処理と並行して、推定部22は、式(8)を用いて変数yを算出する処理を行う(ブロック213)。
ブロック213の前処理として、推定部22は、トルク検出値τd(k+n)に「1/J」を乗じてτd(k+n)/Jを算出する処理(ブロック211)と、角度検出値θs(k+n)を2階微分し、θs’’(k+n)を算出する処理(ブロック212)とを行う。
次に、推定部22は、ブロック214で得られた変数zと、前回求めた変数Rn−1とを式(9)に入力し、変数Rを算出する(ブロック215)。なお、1回目の処理では、式(9)のRn−1が未知である。そこで、推定部22は、Rn−1に事前に設定された初期値(R)を入力すればよい。事前に設定された初期値(R)としては、推定される値を見越して、その値に近い値を採用すればよい。
次に、推定部22は、ブロック213で算出された変数yとブロック214で算出された変数zと、前回求めた推定パラメータPn−1(ハット)とを式(4)に入力し、推定パラメータP(ハット)=[Δc Δs]を算出する(ブロック215)。なお、1回目の処理では、推定パラメータPn−1が未知である。そこで、推定部22は、推定パラメータPn−1に事前に設定された初期値(P=[Δc Δs])を入力すればよい。
上記の逐次最小二乗法の処理を繰り返すことで、最初、適当に初期値を与えた誤差ゲインΔc,Δsが徐々に真値に収束していく。なお、逐次最小二乗法の処理を繰り返す回数としては、誤差ゲインΔc,Δsが収束することが見込まれる回数が採用されればよい。
誤差ゲインΔc,Δsが推定されると、推定部22は、この誤差ゲインΔc,Δsを式(2)に入力し、θ−θs=Δc・cos(Nθ)+Δs・sin(Nθ))と変形することで検出誤差θc(=θ−θs)を求める。そして、推定部22は、確定した検出誤差θcと角度検出値θsとの対応関係を示す誤差テーブル302(対応情報)を生成する。
図3は、誤差テーブル302の説明図である。図3において、グラフ301は、検出誤差θcを示す誤差関数のグラフであり、縦軸はθcを示し、横軸はθsを示している。グラフ301において、検出誤差θcは、θc=0を中心に、角度検出値θsに応じて周期的に一定の振幅で変動していることが分かる。
誤差テーブル302は、(θs1,θc1)、(θs2,θc2)、・・・というように、複数の角度検出値θsと、検出誤差θcとを対応付けて記憶する。推定部22は、複数の代表的な角度検出値θsを検出誤差θcを示すグラフ301に示す誤差関数に入力することで、複数の代表的な検出誤差θcを算出し、誤差テーブル302を生成すればよい。推定部22は、誤差テーブル302を生成すると、推定フェーズを終了する。
<補償フェーズ>
図1に参照を戻す。推定フェーズが終了すると、制御装置1は、推定フェーズで得られた誤差テーブル302を用いて補償フェーズを実行する。
補償フェーズでは、まず、補償部23に角度検出値θsがサンプリング周期Tsで入力される。なお、補償フェーズでは、トルク検出値τdは用いられないので、トルク検出部19は出力トルクを検出しない。
補償部23は、入力された角度検出値θsに対応する検出誤差θcを推定部22が生成した誤差テーブル302を参照して決定し、決定した検出誤差θcにマイナス1を乗じ、誤差補償値(−θc)を算出する。なお、誤差テーブル302に入力された角度検出値θsが登録されていなければ、補償部23は、誤差テーブル302を線形補完することにより、入力された角度検出値θsに対応する検出誤差θcを決定すればよい。
次に、加算器24は、補償部23から出力された誤差補償値(−θc)を角度検出値θsに加算することで、真値θ(=θs−θc)を算出する。速度算出部26は、算出された真値θを用いて速度検出値を算出する。以後、制御装置1は、真値θを用いてモータMを速度制御する。
このように、実施の形態1の制御装置1によれば、角度検出値θsとトルク検出値τdとの関係を示す運動方程式(式(1))に角度検出値θsとトルク検出値τdとを入力することで、検出誤差θcが推定される。ここで、周期的に変動する検出誤差θcを含んだ角度検出値θsをモータMの駆動制御に用いた場合、トルク検出値τdには、検出誤差θcと同じ周期で、検出誤差θcの大きさに応じた脈動が発生する。そのため、角度検出値θsとトルク検出値τdとが同時に分かれば、角度検出値θsに含まれる検出誤差θcを正確に推定できる。また、レゾルバの検出誤差θcは、図3のグラフ301に示すように、角度検出値θsに応じて周期的に変動する三角関数で表される。よって、本態様は、式(1)の運動方程式に角度検出値θsとトルク検出値τdとを入力し、逐次最小二乗法を適用して、誤差ゲインΔc,Δsを推定することが可能となり、検出誤差θcを正確に推定できる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る制御装置1Aの構成を示すブロック図である。実施の形態1の制御装置1Aは、トルク検出部19に代えて、トルク推定部27を備えたことを特徴とする。なお、実施の形態2において実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省く。
トルク推定部27は、uvw/dq変換部21により算出された実電流値Id,Iqをを用いて、トルク検出値τdを推定する。
図5は、トルク推定部27に注目したブロック図である。ここでは、モータMがブラシレスモータの一例である永久磁石式同期電動機であるものとする。この場合、トルク推定部27は、図5に示すように、式(10)を用いてトルク検出値τdを推定できる。
τd=Pa(ψaIq+1/2(Lq−Ld)IdIq) (10)
Pa:モータMの極対数
ψa:モータMの鎖交磁束
Ld:モータMのd軸のインダクタンス
Lq:モータMのq軸のインダクタンス
なお、極対数Pa、鎖交磁束ψa、インダクタンスLd,LqはモータMの仕様に基づく既知の値を持つ。ここでは、式(10)が用いられたが、トルク推定部27は、モータMの種類に応じて異なる式を用いてトルク検出値τdを推定すればよい。例えば、トルク推定部27は、実電流値Idに所定の係数を乗じた値をトルク検出値τdとして推定してもよい。
推定フェーズでは、トルク推定部27により推定されたトルク検出値τdを用いて、実施の形態1と同様に検出誤差θcが推定される。
このように、実施の形態2に係る制御装置1Aによれば、トルク推定部27によりトルク検出値τdが推定されている。ここで、トルク推定部27は、例えば、CPU等のプロセッサにより構成されている。また、トルク推定部27は、既存の電流センサ31,32,33を用いてトルク検出値τdを推定できる。そのため、制御装置1Aは、専用の計測機械を用いてトルク検出値τdを検出する必要がない。よって、制御装置1Aは、装置のコスト及び規模を抑制できる。
(変形例1)
実施の形態1では、逐次最小二乗法を用いて検出誤差θcが推定されていたが、本発明はこれに限定されず、最小二乗法を用いて検出誤差θcを推定してもよい。
(変形例2)
実施の形態1では、推定フェーズにおいて、最終的に誤差テーブル302を生成するとして説明したが、本発明はこれに限定されず、最終的に誤差関数を生成してもよい。この場合、補償部23は、角度検出値θsを誤差関数に入力して検出誤差θcを決定すればよい。
(変形例3)
実施の形態1では、推定フェーズと補償フェーズとに分けて処理が行われていたが、本発明はこれに限定されず、両フェーズを分けることなく検出誤差θcの推定及び補償をリアルタイムに行ってもよい。
この場合、推定部22は、トルク検出値τdと角度検出値θsとが入力される都度、式(1)の運動方程式を用いて誤差ゲインΔc,Δsを求め、検出誤差θcを求めればよい。そして、補償部23は、算出された検出誤差θcを用いて角度検出値θsを補償すればよい。この場合、モータMの制御回数が増大するにつれて、検出誤差θcの補償精度を高めることができる。
(変形例4)
実施の形態1では、角度検出部20としてレゾルバが採用されたが、本発明はこれに限定されず、モータMの回転子の回転角度に応じて検出誤差θcが周期的に変動する特性を持つ角度検出器であれば、どのような角度検出器が採用されてもよい。
1,1A 制御装置
11 減算器
12 速度制御部
13 電流指令生成部
14a,14b 減算器
15 電流制御部
16 dq/uvw変換部
17 インバータ
19 トルク検出部
20 角度検出部
21 uvw/dq変換部
22 推定部
23 補償部
24 加算器
25 乗算器
26 速度算出部
27 トルク推定部
31,32,33 電流センサ
301 グラフ
302 誤差テーブル

Claims (4)

  1. 電動機の制御装置であって、
    前記電動機の回転子の回転角度に応じて周期的に変動する検出誤差と前記回転角度の真値とを含む前記回転子の実回転角度を検出する角度検出部と、
    前記電動機の実出力トルクを検出するトルク検出部と、
    前記実回転角度を駆動制御に用いることで発生する前記実出力トルクの周期的な変動から前記検出誤差を推定する推定部と、
    前記推定された検出誤差に基づいて、前記実回転角度に含まれる検出誤差を補償する補償部とを備え
    前記実回転角度は、前記真値を変数とする三角関数に誤差ゲインを乗じた誤差関数と、前記真値との和で表され、
    前記推定部は、前記実回転角度と前記実出力トルクとの関係を示す運動方程式に、複数の前記実回転角度と複数の前記実出力トルクとを入力し、最小二乗法によって前記誤差ゲインを決定することにより、前記検出誤差を推定する、電動機の制御装置。
  2. 前記推定部は、前記最小二乗法によって決定された誤差ゲインで表された前記誤差関数から、複数の回転角度と複数の検出誤差とを対応付けた対応情報を生成し、
    前記補償部は、前記実回転角度に対応する検出誤差を前記対応情報から決定し、決定した検出誤差を用いて前記実回転角度を補償する請求項1記載の電動機の制御装置。
  3. 前記電動機に流れる電流を検出する電流検出部を更に備え、
    前記トルク検出部は、前記検出された電流に基づいて、前記実出力トルクを算出する請求項1又は2に記載の電動機の制御装置。
  4. 前記角度検出部は、レゾルバで構成される請求項1〜3のいずれかに記載の電動機の制御装置。
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