JP6662286B2 - 膜電極接合体の製造方法、膜電極接合体、および、固体高分子形燃料電池 - Google Patents

膜電極接合体の製造方法、膜電極接合体、および、固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、膜電極接合体の製造方法、膜電極接合体、および、膜電極接合体を備える固体高分子形燃料電池に関する。
固体高分子形燃料電池は、例えば特許文献1に記載のように、プロトン伝導性を有する高分子膜を電解質として用いる燃料電池である。図22は、固体高分子形燃料電池の構造の一例を示す断面図である。
図22に示されるように、高分子電解質膜110は、1つの側面であるカソード接触面110aと、カソード接触面110aとは反対側の側面であるアノード接触面110bとを有している。カソード接触面110aには、電極触媒層120Cが接触し、電極触媒層120Cと多孔質拡散層130Cとがこの順に積層されている。アノード接触面110bには、電極触媒層120Aが接触し、電極触媒層120Aと多孔質拡散層130Aとがこの順に積層されている。電極触媒層120Cは、カソードである空気極を構成し、電極触媒層120Aは、アノードである燃料極を構成する。
カソード接触面110aにおいて、電極触媒層120Cの外周縁と多孔質拡散層130Cの外周縁とよりも外側には、ガスケット層140Cが配置されている。アノード接触面110bにおいて、電極触媒層120Aの外周縁と多孔質拡散層130Aの外周縁とよりも外側には、ガスケット層140Aが配置されている。膜電極接合体100は、高分子電解質膜110、電極触媒層120C,120A、多孔質拡散層130C,130A、および、ガスケット層140C,140Aから形成されている。一対のセパレータ150C,150Aは、膜電極接合体100を挟持している。
カソード側の電極触媒層120Cには、セパレータ150Cに形成されたガス流路160Cから、酸素を含む酸化剤ガスが供給される。アノード側の電極触媒層120Aには、セパレータ150Aに形成されたガス流路160Aから、水素を含む燃料ガスが供給される。触媒の存在下で酸化剤ガスと燃料ガスとが電極反応を進めることによって、カソードとアノードとの間に起電力が生じる。この間に、ガスケット層140C,140Aは、電極触媒層120C,120Aに供給されるガスが固体高分子形燃料電池から漏れることを抑える。

特開2012−74331号公報
ところで、膜電極接合体100の製造工程では、まず、各電極触媒層120C,120Aが、それに対応する接触面110a,110bに積層される。次いで、各ガスケット層140C,140Aが、それに対応する接触面110a,110bの周縁部に貼り合わせられる。続いて、各多孔質拡散層130C,130Aが、それに対応する電極触媒層120C,120Aの上に積層される。
ここで、ガスケット層140C,140Aの寸法と電極触媒層120C,120Aの寸法とを予め精密に合わせこむことは困難であるため、ガスケット層140C,140Aが高分子電解質膜110に貼り合わせられるとき、電極触媒層120Cとガスケット層140Cとの間、また、電極触媒層120Aとガスケット層140Aとの間に隙間が形成される場合がある。高分子電解質膜110において、電極触媒層120Cとガスケット層140Cとの間の隙間と対向する部位は、セパレータ150Cに対して露出する露出部分であって、酸化剤ガスに直接曝される。また、高分子電解質膜110において、電極触媒層120Aとガスケット層140Aとの間の隙間と対向する部位も、セパレータ150Aに対して露出する露出部分であって、燃料ガスに直接曝される。また、露出部分は、電極触媒層120C,120Aおよびガスケット層140C,140Aのいずれにも押さえられていないため、露出部分には、発電時の高分子電解質膜110の膨潤や収縮に伴う応力が集中する。このように、高分子電解質膜110における露出部分は、高分子電解質膜110の劣化を進める要因の1つである。
本発明は、電極触媒層とガスケット層との間から高分子電解質膜が露出することを抑えることのできる膜電極接合体の製造方法、膜電極接合体、および、固体高分子形燃料電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決する膜電極接合体の製造方法は、支持基材の上面に、ガスケット層を含む転写用部材を配置する第1工程と、前記支持基材の上面の中で前記転写用部材から露出する部分に、インクの塗工によって電極触媒層を成膜して、前記支持基材と前記転写用部材と前記電極触媒層とを有する層状体を形成する第2工程と、接触面を有する高分子電解質膜に前記層状体を押し付けて、前記接触面に前記ガスケット層および前記電極触媒層を圧着する第3工程と、を含む。
上記製造方法によれば、電極触媒層の成膜時に、ガスケット層と電極触媒層との寸法が合わせられ、電極触媒層とガスケット層とは、高分子電解質膜の接触面に同時に転写される。したがって、電極触媒層とガスケット層との間に隙間が形成されて高分子電解質膜が露出することが抑えられる。
上記製造方法において、前記転写用部材は、前記ガスケット層と転写用接合層とを含み、前記第1工程では、前記支持基材の上面と前記ガスケット層との間に前記転写用接合層が位置するように、前記転写用部材を配置し、前記接触面に圧着された前記ガスケット層および前記電極触媒層から、前記支持基材および前記転写用接合層を剥離する第4工程をさらに含んでもよい。
上記製造方法によれば、ガスケット層と支持基材とが転写用接合層によって貼り合わされるため、支持基材へのガスケット層の固定が容易である。
上記製造方法において、前記ガスケット層は、ガスケット基材とガスケット接合層とを含み、前記ガスケット基材は、前記転写用接合層と前記ガスケット接合層とに挟まれてもよい。
上記製造方法によれば、ガスケット基材と高分子電解質膜とがガスケット接合層によって接合されるため、ガスケット層と高分子電解質膜との密着性が高められる。
上記製造方法において、前記転写用接合層は、前記ガスケット基材よりも前記支持基材に対して強い接着力を有してもよい。
上記製造方法によれば、ガスケット層から、転写用接合層を支持基材とともに容易に剥離することができる。
上記製造方法において、前記転写用部材は、前記ガスケット層であり、前記ガスケット層は、前記支持基材の上面に沿って配置される多層体であり、前記多層体は、前記接触面と前記ガスケット層とを接合するための第1接合層と、前記支持基材の上面と前記ガスケット層とを接合するための第2接合層と、前記第1接合層と前記第2接合層とに挟まれてこれらと接合するガスケット基材とを含んでもよい。
上記製造方法によれば、ガスケット層とガスケット層を挟む部材とが接合層によって接合されるため、ガスケット層とガスケット層を挟む部材との密着性が高められる。
上記製造方法は、前記接触面に圧着された前記ガスケット層および前記電極触媒層から、前記支持基材を剥離する第4工程をさらに含み、前記第2接合層は、前記支持基材よりも前記ガスケット基材に対して強い接着力を有してもよい。
上記製造方法によれば、支持基材をガスケット層から容易に剥離することができる。
上記製造方法は、前記支持基材を剥離した後に、多孔質拡散層を配置する第5工程をさらに含み、前記第5工程において、前記多孔質拡散層は、前記電極触媒層に圧着され、かつ、前記ガスケット層の前記第2接合層に接着されてもよい。
上記製造方法によれば、多孔質拡散層の固定に、ガスケット層として電極触媒層とともに高分子電解質膜の接触面に配置された第2接合層が用いられる。したがって、別途、接合層を形成せずとも、高分子電解質膜、電極触媒層、および、ガスケット層を含む多層体に多孔質拡散層を保持させることができる。
上記製造方法において、前記転写用部材は、前記ガスケット層であり、前記ガスケット層は、前記層状体が前記高分子電解質膜に押し付けられたときに、前記接触面と前記支持基材の上面とに接合する接合層を含んでもよい。
上記製造方法によれば、ガスケット層が接合層とガスケット基材とを有する場合と比較して、ガスケット層を構成する部品の数を削減することができる。
上記製造方法は、前記接触面に圧着された前記ガスケット層および前記電極触媒層から、前記支持基材を剥離する第4工程をさらに含み、前記ガスケット層としての前記接合層は、前記支持基材よりも前記高分子電解質膜に対して強い接着力を有してもよい。
上記製造方法によれば、支持基材をガスケット層から容易に剥離することができる。
上記製造方法は、前記支持基材を剥離した後に、多孔質拡散層を配置する第5工程をさらに含み、前記多孔質拡散層を配置する工程において、前記多孔質拡散層は、前記電極触媒層に圧着され、かつ、前記ガスケット層としての前記接合層に接着されてもよい。
上記製造方法によれば、多孔質拡散層の固定に、ガスケット層として電極触媒層とともに高分子電解質膜の接触面に配置された接合層が用いられる。したがって、別途、接合層を形成せずとも、高分子電解質膜、電極触媒層、および、ガスケット層を含む多層体に多孔質拡散層を保持させることができる。
上記製造方法において、前記支持基材が、多孔質体を含み、前記第3工程では、前記層状体が前記高分子電解質膜に押し付けられることによって、前記多孔質体から多孔質拡散層が形成されてもよい。
上記製造方法によれば、支持基材が多孔質拡散層として利用される。そのため、支持基材からガスケット層および電極触媒層が高分子電解質膜に転写された後に支持基材が剥離され、別途多孔質拡散層が配置される製造方法と比較して、膜電極接合体の製造に必要な部材を削減することができるとともに、膜電極接合体の製造工程の工程数を削減することができる。
上記課題を解決する膜電極接合体は、接触面を有する高分子電解質膜と、前記接触面に位置する電極触媒層と、前記接触面における前記電極触媒層の周囲に位置するガスケット層と、を備え、前記ガスケット層は接合層を含み、前記接合層の内周縁は、前記電極触媒層の外周縁にめり込んでいる。
上記構成の膜電極接合体は、上述の製造方法を用いて製造される。したがって、膜電極接合体において、電極触媒層とガスケット層との間から高分子電解質膜が露出することが抑えられる。
上記構成において、前記ガスケット層は、ガスケット基材と、前記接合層としてのガスケット接合層とを有し、前記ガスケット接合層は、前記ガスケット基材と前記高分子電解質膜とに挟まれていてもよい。
上記構成によれば、ガスケット基材と高分子電解質膜とがガスケット接合層によって接合されるため、ガスケット層と高分子電解質膜との密着性が高められる。
上記構成において、多孔質拡散層をさらに備え、前記電極触媒層は、前記高分子電解質膜と前記多孔質拡散層との間に位置し、前記ガスケット層は、前記接触面における前記電極触媒層の周囲と前記多孔質拡散層の周囲とに位置してもよい。
上記構成によれば、多孔質拡散層を備える膜電極接合体において、電極触媒層とガスケット層との間から高分子電解質膜が露出することが抑えられる。
上記構成において、前記ガスケット層は第1ガスケット層であって、前記電極触媒層と面接触する小幅部、および、前記接触面に沿った方向において前記小幅部よりも大きい幅を有する大幅部を有し、前記電極触媒層と前記大幅部との間に前記小幅部が位置する多孔質拡散層と、前記接触面と対向する方向から見て、前記多孔質拡散層の前記大幅部の周囲に位置する第2ガスケット層であって、前記第2ガスケット層と前記高分子電解質膜との間に前記第1ガスケット層が位置する前記第2ガスケット層と、をさらに備え、前記第1ガスケット層は、前記接触面と対向する方向から見て、前記電極触媒層および前記多孔質拡散層の前記小幅部の周囲に位置し、前記第1ガスケット層は、前記接合層である第1接合層と、第2接合層と、前記第1接合層と前記第2接合層とに挟まれるガスケット基材とから構成され、前記第1接合層は、前記接触面に接合し、前記多孔質拡散層の前記大幅部の中で前記小幅部よりも前記接触面に沿った方向に突出する部分は、前記第2接合層に接合してもよい。
上記構成によれば、多孔質拡散層を備える膜電極接合体において、電極触媒層とガスケット層との間から高分子電解質膜が露出することが抑えられる。
上記課題を解決する固体高分子形燃料電池は、上記膜電極接合体と、前記膜電極接合体を挟む一対のセパレータと、を備える。
上記構成によれば、膜電極接合体において、電極触媒層とガスケット層との間から高分子電解質膜が露出することが抑えられる。
本発明によれば、電極触媒層とガスケット層との間から高分子電解質膜が露出することを抑えることができる。
第1の実施形態の膜電極接合体の断面構造を示す断面図である。 第1の実施形態の膜電極接合体の断面構造の一部を示す断面図であって、図1にて一点鎖線によって囲まれる部分Aを拡大して示す図である。 第1の実施形態の膜電極接合体の平面構造を示す平面図である。 第1の実施形態の膜電極接合体の製造方法において、転写用接合層とガスケット層との配置工程を示す図である。 第1の実施形態の膜電極接合体の製造方法において、電極触媒層の成膜工程を示す図である。 第1の実施形態の膜電極接合体の製造方法において、電極触媒層およびガスケット層の転写工程を示す図である。 第1の実施形態の膜電極接合体の製造方法において、電極触媒層およびガスケット層の転写工程を示す図である。 第1の実施形態の膜電極接合体の製造方法において、多孔質拡散層の貼合工程を示す図である。 第2および第3の実施形態の膜電極接合体の断面構造を示す断面図である。 第2および第3の実施形態の膜電極接合体の断面構造の一部を示す断面図であって、図9にて一点鎖線によって囲まれる部分Bを拡大して示す図である。 第2および第3の実施形態の膜電極接合体の平面構造を示す平面図である。 第2の実施形態の膜電極接合体の製造方法において、第1ガスケット層の配置工程を示す図である。 第2の実施形態の膜電極接合体の製造方法において、電極触媒層の成膜工程を示す図である。 第2の実施形態の膜電極接合体の製造方法において、電極触媒層および第1ガスケット層の転写工程を示す図である。 第2の実施形態の膜電極接合体の製造方法において、電極触媒層および第1ガスケット層の転写工程を示す図である。 第2の実施形態の膜電極接合体の製造方法において、多孔質拡散層および第2ガスケット層の配置工程を示す図である。 第3の実施形態の膜電極接合体の製造方法において、第1ガスケット層の配置工程を示す図である。 第3の実施形態の膜電極接合体の製造方法において、電極触媒層の成膜工程を示す図である。 第3の実施形態の膜電極接合体の製造方法において、電極触媒層、第1ガスケット層、多孔質拡散層、および、第2ガスケット層の配置工程を示す図である。 第3の実施形態の膜電極接合体の製造方法において、電極触媒層、第1ガスケット層、多孔質拡散層、および、第2ガスケット層の配置工程を示す図である。 第4の実施形態の固体高分子形燃料電池の斜視構造を示す斜視図である。 従来例における固体高分子形燃料電池の断面構造を示す断面図である。
(第1の実施形態)
図1〜図8を参照して、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は、膜電極接合体、および、膜電極接合体の製造方法の実施形態である。
[膜電極接合体の構成]
まず、図1〜図3を参照して膜電極接合体の構成について説明する。
図1に示されるように、膜電極接合体10は、高分子電解質膜11と、一対の電極触媒層12C,12Aと、一対の多孔質拡散層13C,13Aと、一対のガスケット層14C,14Aとを備えている。ガスケット層14Cは、環形状を有し、ガスケット接合層15Cとガスケット基材16Cとから構成されている。ガスケット層14Aは、環形状を有し、ガスケット接合層15Aとガスケット基材16Aとから構成されている。
高分子電解質膜11は、カソード接触面11aとアノード接触面11bとを有している。カソード接触面11aは、高分子電解質膜11においてアノード接触面11bとは反対側に位置し、カソード接触面11aとアノード接触面11bとは、略平行に位置している。
高分子電解質膜11のカソード接触面11aと面する側には、電極触媒層12C、多孔質拡散層13C、および、ガスケット層14Cが配置されている。電極触媒層12Cは、固体高分子形燃料電池のカソードに相当する。高分子電解質膜11のアノード接触面11bと面する側には、電極触媒層12A、多孔質拡散層13A、および、ガスケット層14Aが配置されている。電極触媒層12Aは、固体高分子形燃料電池のアノードに相当する。電極触媒層12Cと電極触媒層12A、多孔質拡散層13Cと多孔質拡散層13A、および、ガスケット層14Cとガスケット層14Aの各組について、各組の2つの部材は、高分子電解質膜11を挟んで面対称に位置することが好ましい。
電極触媒層12Cは、カソード接触面11aに面接触し、高分子電解質膜11と多孔質拡散層13Cとの間に位置している。
ガスケット層14Cは、カソード接触面11aの面上にて、電極触媒層12Cの外周縁の外側および多孔質拡散層13Cの外周縁の外側に配置され、電極触媒層12Cおよび多孔質拡散層13Cと接している。ガスケット層14Cにおいて、ガスケット接合層15Cは、カソード接触面11aに面接触し、高分子電解質膜11とガスケット基材16Cとに挟まれている。電極触媒層12Cの厚みは、ガスケット接合層15Cの厚みよりも大きいことが好ましい。
図2に示されるように、電極触媒層12Cとガスケット接合層15Cとが接している部分において、ガスケット接合層15Cは、電極触媒層12Cにめり込んでいる。すなわち、カソード接触面11aと対向する方向である対向方向から見て、ガスケット接合層15Cは、ガスケット基材16Cの内周縁よりも内側である電極触媒層12C側にはみ出している。
図3に示されるように、上記対向方向から見て、高分子電解質膜11の外形、電極触媒層12Cの外形、および、多孔質拡散層13Cの外形は、いずれも矩形形状を有している。上記対向方向から見て、ガスケット層14Cの外形は、矩形枠体形状を有している。電極触媒層12Cの外形寸法は、高分子電解質膜11の外形寸法よりも小さく、電極触媒層12Cは、高分子電解質膜11の略中央に配置されている。また、多孔質拡散層13Cの外形寸法は、電極触媒層12Cの外形寸法とほぼ等しい。
ガスケット層14Cは、高分子電解質膜11のカソード接触面11aの面上において、電極触媒層12Cおよび多孔質拡散層13Cからなる積層体の周囲に配置され、電極触媒層12Cおよび多孔質拡散層13Cからなる積層体の外周縁の外側の領域を周方向の全域に渡って埋めている。換言すれば、上記対向方向から見て、電極触媒層12Cおよび多孔質拡散層13Cからなる積層体の外形寸法は、ガスケット層14Cの内周縁によって区画された開口17Cの外形寸法とほぼ一致し、電極触媒層12Cおよび多孔質拡散層13Cからなる積層体は、開口17Cを埋めている。
なお、電極触媒層12Aと多孔質拡散層13Aとの間における位置関係、および、これらの有する形状は、電極触媒層12Cと多孔質拡散層13Cとの間における位置関係、および、これらの有する形状と同様である。また、電極触媒層12Aおよび多孔質拡散層13Aの各々とガスケット層14Aとの間における位置関係、および、これらの有する形状は、電極触媒層12Cおよび多孔質拡散層13Cの各々とガスケット層14Cとの間における位置関係、および、これらの有する形状と同様である。
[膜電極接合体の製造方法]
図4〜図8を参照して、膜電極接合体10の製造方法について説明する。
図4に示されるように、第1工程として、支持基材20Cの上面に、転写用接合層21Cとガスケット層14Cとから構成される積層体が配置される。積層体の上面は、保護シート22Cによって覆われる。転写用接合層21Cは、支持基材20Cに接する。ガスケット層14Cのうち、ガスケット基材16Cは転写用接合層21Cに接し、ガスケット接合層15Cは保護シート22Cに接する。したがって、ガスケット基材16Cは、転写用接合層21Cとガスケット接合層15Cとの2つの接合層に挟まれる。
転写用接合層21Cとガスケット層14Cとが支持基材20Cの上面に配置される際には、まず、ガスケット基材16Cの一方の面に転写用接合層21Cが形成され、ガスケット基材16Cの他方の面にガスケット接合層15Cが形成される。次に、転写用接合層21Cとガスケット基材16Cとガスケット接合層15Cとから構成される積層体が、転写用接合層21Cと支持基材20Cとが接するように、すなわち、支持基材20Cの上面とガスケット層14Cとの間に転写用接合層21Cが位置するように、支持基材20Cの上面に配置される。
支持基材20Cの上面に沿った方向である面方向において、転写用接合層21Cとガスケット層14Cと保護シート22Cとから構成される積層体の内周縁によって、電極触媒層12Cの外形に相当する形状を有する開口23Cが区画されている。
支持基材20Cは、電極触媒層12Cを剥離可能な材料から形成されたシートである。支持基材20Cの材料としては、例えば、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂が用いられる。
支持基材20Cの厚みは、強度や耐熱性が適正に確保されるように、材料に応じて適宜選択される。支持基材20Cの厚みは、1μm〜100μm程度であることが好ましい。
転写用接合層21Cおよびガスケット接合層15Cとしては、対象の接合に際して固化を要しない粘着層が用いられてもよいし、対象の接合に際して固化を要する接着層が用いられてもよい。転写用接合層21Cおよびガスケット接合層15Cは、所望の剥離強度を有すればよく、材料は特に限定されないが、転写用接合層21Cおよびガスケット接合層15Cの材料としては、例えば、エポキシ樹脂や、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ゴムなどが用いられる。転写用接合層21Cとガスケット接合層15Cとは、同一の材料から形成されてもよいし、互いに異なる材料から形成されてもよい。
転写用接合層21Cは、ガスケット基材16Cよりも支持基材20Cに対して強い接着力を有することが好ましい。転写用接合層21Cにおける支持基材20Cとの接着力は、引張試験器を用いて剥離速度300mm/minで測定した180°剥離強度(JIS−K−6854−2:1999)において、0.1N/25mm以上であることが好ましい。剥離強度が0.1N/25mm以上であると、転写用接合層21Cと支持基材20Cとの密着性が高くなるため、ガスケット層14Cと支持基材20Cとの間に隙間が生じることが抑えられる。その結果、電極触媒層12Cの形成時に、触媒インクがガスケット層14Cと支持基材20Cとの間の隙間に入り込むことが抑えられるため、電極触媒層12Cの外周縁の直線性が向上する。
転写用接合層21Cおよびガスケット接合層15Cの各々の厚みは、特に限定されないが、0.1μm以上30μm以下であることが好ましい。転写用接合層21Cおよびガスケット接合層15Cの各々の厚みが0.1μm以上であると、層の形成時に塗工のムラが生じることが抑えられる。
ガスケット基材16Cは、熱可塑性樹脂の中で固体高分子形燃料電池に一般的に使用される樹脂から形成される。例えば、ガスケット基材16Cの材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド(PI)などが用いられる。
ガスケット基材16Cの厚みは、強度や耐熱性が適正に確保されるように、材料に応じて適宜選択される。ガスケット基材16Cの厚みは、1μm〜200μm程度であることが好ましい。
図5に示されるように、第2工程として、開口23Cの内部に触媒インクが塗工されて、塗工された触媒インクが乾燥されることによって、支持基材20Cの上面の中で転写用接合層21Cおよびガスケット層14Cから露出する部分に電極触媒層12Cが成膜される。電極触媒層12Cの成膜後、保護シート22Cは剥離される。
支持基材20Cと、転写用接合層21Cと、ガスケット層14Cと、電極触媒層12Cとから、層状体24Cが構成される。
触媒インクは、高分子電解質と、触媒物質と、インク溶媒とを含む。
触媒インクに含まれる高分子電解質としては、例えば、フッ素系高分子電解質および炭化水素系高分子電解質など、プロトン伝導性を有する高分子材料が用いられる。フッ素系高分子電解質としては、例えば、デュポン社製NAFION(登録商標)、旭硝子(株)製FLEMION(登録商標)、旭化成(株)製ACIPLEX(登録商標)、ゴア社製GORE−SELECT(登録商標)などが挙げられる。これらの材料の中でも、固体高分子形燃料電池の出力電圧を高めるためには、デュポン社製NAFION(登録商標)を用いることが好ましい。炭化水素系高分子電解質としては、例えば、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレンなどの電解質が挙げられる。
触媒物質としては、例えば、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、鉄(Fe)などが用いられる。特に、触媒物質として白金を用いることが好ましい。触媒物質は、導電性担体である炭素粒子に担持されることが好ましいが、単体の触媒物質が用いられてもよい。炭素粒子としては、例えば、カーボンブラックなどが用いられる。
インク溶媒としては、触媒物質を担持した炭素粒子である触媒物質担持炭素体と高分子電解質とを浸食しない溶媒であって、流動性を有した状態で高分子電解質を溶解するか、もしくは、高分子電解質を微細ゲルとして分散させる溶媒を用いることが好ましい。このようなインク溶媒は、揮発性の有機溶媒を含むことが好ましく、この有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、メチルイソブチルケトン、へプタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトニルアセトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、メトキシトルエン、ジブチルエーテルなどのエーテル系溶媒、および、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジアセトンアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどの極性溶媒が挙げられる。また、これらの有機溶媒のうち二種類以上の溶媒が混合されてインク溶媒として用いられてもよい。
有機溶媒として低級アルコールが用いられる場合には、インク溶媒の発火温度を高めるために、インク溶媒は有機溶媒と水との混合溶媒であることが好ましい。また、高分子電解質とインク溶媒との間の親和性を高めるためにも、高分子電解質がインク溶媒から分離して白濁が生じたり、高分子電解質がゲル化したりしない程度に、インク溶媒が水を含むことが好ましい。
触媒インクにおける高分子電解質や触媒物質担持炭素体などの固形分の含有量は、1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。触媒インクにおける固形分の含有量が50質量%以下であれば、触媒インクの粘度が高くなりすぎないため、成膜される電極触媒層12Cの表面にクラックが生じにくくなる。一方、固形分の含有量が1質量%以上であれば、触媒インクの粘度が低くなりすぎないため、電極触媒層12Cの成膜速度が適度に確保され、電極触媒層12Cの生産性が低下することが抑えられる。
なお、高分子電解質と触媒物質担持炭素体との含有量が互いに等しい触媒インクであっても、固形分における炭素粒子の割合が大きくなるほど触媒インクの粘度は高くなり、反対に、炭素粒子の割合が小さくなるほど触媒インクの粘度は低くなる。そのため、触媒インクに含まれる固形分中の炭素粒子の濃度は、10質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
また、触媒インクにおける固形分の含有量の調整、固形分における炭素粒子の濃度の調整、これらの他、インク溶媒への固形分の分散処理の際に触媒インクに分散剤が添加されることにより、触媒インクの粘度を所定の値に調整することも可能である。また、触媒物質担持炭素体に対する高分子電解質の質量比率は、0.04質量%以上3.00質量%以下であることが好ましい。
触媒インクの支持基材20Cへの塗工方法としては、ドクターブレード法、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法などの塗布法が用いられる。これらの塗布法のうち、加圧スプレー法、超音波スプレー法、静電噴霧法などのスプレー法が用いられることが好ましい。これらの方法によれば、塗工された触媒インクが乾燥する際に触媒インクの凝集が起こり難いため、空孔率の高い均質な電極触媒層12Cを得ることが可能となる。
触媒インクの塗工工程では、触媒インクのインク温度が10℃以上であると、触媒インクの粘度が高くなりすぎないため、成膜される電極触媒層12Cの均一性が高められる。また、インク温度が50℃以下であると、インク溶媒が触媒インクの塗工中に揮発することが抑えられる。電極触媒層12Cの厚みは特に限定されないが、1μm〜30μm程度であることが好ましい。
図6に示されるように、電極触媒層12Aも、電極触媒層12Cと同様に、転写用接合層21Aとガスケット層14Aとが積層された支持基材20Aの上面に上述の触媒インクが塗工され、塗工された触媒インクが乾燥されることによって成膜される。支持基材20Aと、転写用接合層21Aと、ガスケット層14Aと、電極触媒層12Aとから、層状体24Aが構成される。
層状体24Cと層状体24Aとは、高分子電解質膜11を挟んで配置される。このとき、電極触媒層12Cおよびガスケット接合層15Cは、高分子電解質膜11のカソード接触面11aと向かい合い、電極触媒層12Aおよびガスケット接合層15Aは、高分子電解質膜11のアノード接触面11bと向かい合う。
そして、第3工程として、2つの層状体24C,24Aに高分子電解質膜11が挟まれた状態で、層状体24C,24Aと高分子電解質膜11とが加熱されるとともに加圧される。これにより、電極触媒層12Cとガスケット層14Cとが高分子電解質膜11のカソード接触面11aに圧着される。また、電極触媒層12Aとガスケット層14Aとが高分子電解質膜11のアノード接触面11bに圧着される。
ここで、通常、電極触媒層12C,12Aやガスケット接合層15C,15Aは、ガスケット基材16C,16Aよりも剛性が低い。また、電極触媒層12C,12Aは、ガスケット接合層15C,15Aよりも剛性が低い。そのため、圧着時の加圧に起因して、ガスケット接合層15C,15Aの内周縁は、ガスケット基材16C,16Aによって押しつぶされて、各ガスケット接合層15C,15Aの内周縁と接する電極触媒層12C,12Aの外周縁にめり込む。つまり、電極触媒層12Cとガスケット層14Cとの転写に際して、電極触媒層12Cとガスケット層14Cとがともに高分子電解質膜11に押し付けられる結果、ガスケット接合層15Cが電極触媒層12Cにめり込む構造が形成される。また、電極触媒層12Aとガスケット層14Aとの転写に際して、電極触媒層12Aとガスケット層14Aとがともに高分子電解質膜11に押し付けられる結果、ガスケット接合層15Aが電極触媒層12Aにめり込む構造が形成される。なお、ガスケット接合層15C,15Aは、ガスケット基材16C,16Aと、高分子電解質膜11との双方から押されるため、ガスケット接合層15C,15Aの内周縁において、その厚さ方向における中間位置が、厚さ方向における両端部よりも電極触媒層12C,12Aにめり込みやすい。
高分子電解質膜11は、プロトン伝導性を有する高分子膜である。高分子電解質膜11の材料としては、例えば、フッ素系高分子電解質や炭化水素系高分子電解質が用いられる。フッ素系高分子電解質としては、例えば、デュポン社製NAFION(登録商標)、旭硝子(株)製FLEMION(登録商標)、旭化成(株)製ACIPLEX(登録商標)、ゴア社製GORE−SELECT(登録商標)が用いられる。特に、固体高分子形燃料電池の出力電圧を高めるためには、デュポン社製NAFION(登録商標)が好適に用いられる。
炭化水素系高分子電解質膜としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレンなどの電解質膜が用いられる。なお、電極触媒層12C,12Aと高分子電解質膜11との密着性を高めるためには、電極触媒層12C,12Aに含まれる高分子電解質は高分子電解質膜11を構成する高分子電解質と同一の材料であることが好ましい。
図7に示されるように、電極触媒層12C,12Aとガスケット層14C,14Aとが高分子電解質膜11に圧着された後、第4工程として、支持基材20C,20Aは剥離される。このとき、転写用接合層21Cは、支持基材20Cに貼り付いて、支持基材20Cとともにガスケット層14Cから剥離される。また、転写用接合層21Aは、支持基材20Aに貼り付いて、支持基材20Aとともにガスケット層14Aから剥離される。転写用接合層21C,21Aが、ガスケット基材16C,16Aよりも支持基材20C,20Aに対して強い接着力を有すると、ガスケット基材16C,16Aからの転写用接合層21C,21Aの剥離を容易に行うことができる。
なお、電極触媒層12C,12Aとガスケット層14C,14Aとが高分子電解質膜11に転写された状態において、各電極触媒層12C,12Aの厚みは、各ガスケット層14C,14Aの厚みと同程度であってもよいし、各ガスケット層14C,14Aの厚みよりも小さくてもよい。
図8に示されるように、第5工程として、電極触媒層12C,12Aとガスケット層14C,14Aとが設けられた高分子電解質膜11を挟むように、多孔質拡散層13C,13Aが配置され、これらの部材が加熱されるとともに加圧される。これにより、多孔質拡散層13Cが電極触媒層12Cに圧着され、多孔質拡散層13Aが電極触媒層12Aに圧着されて、膜電極接合体10が形成される。
多孔質拡散層13C,13Aは、ガス拡散性と導電性とを有する材料から形成された基材を含む。基材の材料としては、例えば、カーボンクロス、カーボンペーパー、不織布などのポーラスカーボン材が用いられる。多孔質拡散層13C,13Aは、上記基材に加えて、上記基材上に形成された微細多孔質層を備えていることが好ましい。微細多孔質層としては、例えば、炭素粒子の分散したフッ素系樹脂溶液がフッ素系樹脂の融点以上の温度で焼結された層が用いられる。フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが用いられる。
なお、上述の工程では、層状体24Cから高分子電解質膜11のカソード接触面11aへの電極触媒層12Cおよびガスケット層14Cの転写と、層状体24Aから高分子電解質膜11のアノード接触面11bへの電極触媒層12Aおよびガスケット層14Aの転写とが同時に行われる。これに代えて、カソード接触面11aへの電極触媒層12Cおよびガスケット層14Cの転写と、アノード接触面11bへの電極触媒層12Aおよびガスケット層14Aの転写とが別々に行われてもよい。例えば、カソード接触面11aと層状体24Cとが向かい合わされ、高分子電解質膜11と層状体24Cとが加熱および加圧された後、アノード接触面11bと層状体24Aとが向かい合わされ、高分子電解質膜11と層状体24Aとが加熱および加圧される。
[作用]
上述した膜電極接合体10の製造方法の作用について説明する。
上述の製造方法では、支持基材20C,20Aの上面に、ガスケット層14C,14Aが配置された状態で、ガスケット層14C,14Aをマスクとして電極触媒層12C,12Aが成膜される。そして、電極触媒層12Cおよびガスケット層14Cを備える層状体24Cと、電極触媒層12Aおよびガスケット層14Aを備える層状体24Aとが高分子電解質膜11に押し付けられることによって、電極触媒層12C,12Aおよびガスケット層14C,14Aが、高分子電解質膜11に転写される。
こうした製造方法によれば、ガスケット層14C,14Aの配置された支持基材20C,20Aの上面に電極触媒層12C,12Aが成膜されるため、電極触媒層12C,12Aの成膜時に、ガスケット層14C,14Aの内周縁と電極触媒層12C,12Aの外周縁との寸法が合わせられる。そして、電極触媒層12Cとガスケット層14Cとは、高分子電解質膜11のカソード接触面11aに同時に転写され、電極触媒層12Aとガスケット層14Aとは、高分子電解質膜11のアノード接触面11bに同時に転写される。したがって、電極触媒層12Cとガスケット層14Cとの間や、電極触媒層12Aとガスケット層14Aとの間に隙間が形成されることが抑えられる。その結果、電極触媒層12C,12Aとガスケット層14C,14Aとの間から高分子電解質膜11が露出することが抑えられる。
また、ガスケット層14C,14Aが電極触媒層12C,12Aの成膜時のマスクとして利用されるため、電極触媒層12C,12Aの成膜に必要な部材を削減することができる。さらに、転写用接合層21C,21Aは、支持基材20C,20Aとともに剥離されるため、電極触媒層12C,12Aとガスケット層14C,14Aとの転写時に、膜電極接合体10には不要な部材が高分子電解質膜11に配設されることがない。
また、従来、電極触媒層の面上にガスケット層を配置することによって、電極触媒層とガスケット層との間からの高分子電解質膜の露出を抑えようとする構造が提案されている。こうした構造と比較して、本実施形態の膜電極接合体10では、対向方向から見て、電極触媒層12C,12Aとガスケット層14C,14Aとが重ならないため、ガスの拡散が妨げられて電極触媒層12C,12Aに発電に寄与しない部分が生じることが抑えられる。その結果、電極触媒層12C,12Aに、高価な白金族の貴金属が使用される場合であっても、膜電極接合体10の製造に要するコストの増大が抑えられる。また、対向方向から見て電極触媒層とガスケット層とが重なる部分と重ならない部分とが存在することに起因して膜電極接合体の厚みにばらつきが生じることもない。
なお、第1の実施形態では、転写用接合層21Cとガスケット層14Cとから構成される積層体、および、転写用接合層21Aとガスケット層14Aとから構成される積層体の各々が、転写用部材の一例である。
以上説明したように、本実施形態の膜電極接合体の製造方法および膜電極接合体によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)電極触媒層12C,12Aの成膜時に、ガスケット層14C,14Aの内周縁と電極触媒層12C,12Aの外周縁との寸法が合わせられ、電極触媒層12C,12Aとガスケット層14C,14Aとは、高分子電解質膜11の接触面11a,11bに同時に転写される。したがって、電極触媒層12C,12Aとガスケット層14C,14Aとの間に隙間が形成されて高分子電解質膜11が露出することが抑えられる。また、ガスケット層14C,14Aと支持基材20C,20Aとが転写用接合層21C,21Aによって貼り合わされるため、支持基材20C,20Aへのガスケット層14C,14Aの固定が容易である。
(2)ガスケット層14C,14Aは、ガスケット接合層15C,15Aとガスケット基材16C,16Aとから構成され、層状体24C,24Aにて、ガスケット基材16C,16Aは、転写用接合層21C,21Aとガスケット接合層15C,15Aとに挟まれる。これによれば、ガスケット基材16C,16Aと高分子電解質膜11とがガスケット接合層15C,15Aによって接合されるため、ガスケット層14C,14Aと高分子電解質膜11との密着性が高められる。
(3)転写用接合層21C,21Aは、ガスケット基材16C,16Aよりも支持基材20C,20Aに対して強い接着力を有するため、支持基材20C,20Aの剥離時に、ガスケット層14C,14Aから、転写用接合層21C,21Aを支持基材20C,20Aとともに容易に剥離することができる。
(4)電極触媒層12C,12Aとガスケット層14C,14Aとの転写時の加圧に起因して、ガスケット接合層15C,15Aの内周縁が電極触媒層12C,12Aの外周縁にめり込むため、電極触媒層12C,12Aとガスケット層14C,14Aとの間に隙間が形成されることが適切に抑えられる。
(変形例)
第1の実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・ガスケット層14Cは、ガスケット接合層15Cを有さず、ガスケット基材16Cのみから構成されてもよい。同様に、ガスケット層14Aは、ガスケット接合層15Aを有さず、ガスケット基材16Aのみから構成されてもよい。
・多孔質拡散層13C,13Aは割愛されてもよい。
・対向方向から見た電極触媒層12C,12Aの形状や、多孔質拡散層13C,13Aの形状や、ガスケット層14C,14Aの形状は、三角形形状であってもよいし、五つ以上の角を有する多角形形状であってもよいし、円形形状であってもよいし、楕円形形状であってもよい。また、ガスケット層14C,14Aの内周縁は、対向方向に対して傾斜していてもよい。例えば、層状体24Cの有する開口23Cの断面積が、支持基材20Cに近い部位ほど小さくなるように、ガスケット層14Cの内周縁は支持基材20C側から見て逆テーパー形状を有してもよい。すなわち、開口23Cを区画する層状体24Cの内側面は、錐台筒形状を有し、電極触媒層12Cは、こうした形状を有する開口23Cの底部を埋める。この場合、膜電極接合体10にて、ガスケット層14Cの内周縁は高分子電解質膜11側から見て順テーパー形状を有する。こうした製造方法によれば、電極触媒層12C,12Aおよびガスケット層14C,14Aを、従来のように、高分子電解質膜11の面上に電極触媒層12C,12Aとガスケット層14C,14Aとを別々に配置する製造方法によっては形成が困難な形状に形成することもできる。
(第2の実施形態)
図9〜図16を参照して、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、膜電極接合体、および、膜電極接合体の製造方法の実施形態である。
[膜電極接合体の構成]
まず、図9〜図11を参照して膜電極接合体の構成について説明する。
図9に示されるように、膜電極接合体50は、高分子電解質膜51と、一対の電極触媒層52C,52Aと、一対の多孔質拡散層53C,53Aと、環形状を有する一対の第1ガスケット層54C,54Aと、環形状を有する一対の第2ガスケット層55C,55Aとを備えている。第1ガスケット層54Cは、第1接合層56Cと、第2接合層58Cと、第1接合層56Cと第2接合層58Cとに挟まれてこれらと接合するガスケット基材57Cとから構成される。第1ガスケット層54Aは、第1接合層56Aと、第2接合層58Aと、第1接合層56Aと第2接合層58Aとに挟まれてこれらと接合するガスケット基材57Aとから構成される。
高分子電解質膜51は、カソード接触面51aとアノード接触面51bとを有している。カソード接触面51aは、高分子電解質膜51においてアノード接触面51bとは反対側に位置し、カソード接触面51aとアノード接触面51bとは、略平行に位置している。
高分子電解質膜51のカソード接触面51aと面する側には、電極触媒層52C、多孔質拡散層53C、第1ガスケット層54C、および、第2ガスケット層55Cが配置されている。電極触媒層52Cは、固体高分子形燃料電池のカソードに相当する。高分子電解質膜51のアノード接触面51bと面する側には、電極触媒層52A、多孔質拡散層53A、第1ガスケット層54A、および、第2ガスケット層55Aが配置されている。電極触媒層52Aは、固体高分子形燃料電池のアノードに相当する。電極触媒層52Cと電極触媒層52A、多孔質拡散層53Cと多孔質拡散層53A、第1ガスケット層54Cと第1ガスケット層54A、および、第2ガスケット層55Cと第2ガスケット層55Aの各組について、各組の2つの部材の位置は、高分子電解質膜51を挟んで面対称に位置することが好ましい。
電極触媒層52Cは、カソード接触面51aに面接触し、高分子電解質膜51と多孔質拡散層53Cとの間に位置している。
多孔質拡散層53Cは、多孔質拡散層53Cの厚さ方向において小幅部53Caと大幅部53Cbとに仮想的に分けられる。小幅部53Caは、多孔質拡散層53Cにおいて電極触媒層52Cに面接触する部分であって、大幅部53Cbと高分子電解質膜51との間に位置する。大幅部53Cbは、カソード接触面51aに沿った方向である面方向の幅が小幅部53Caよりも大きい部分であって、小幅部53Caの全体を覆い、かつ、小幅部53Caよりも外側に広がっている。
第1ガスケット層54Cは、第2ガスケット層55Cと高分子電解質膜51との間に位置する。第1ガスケット層54Cは、カソード接触面51a上にて、電極触媒層52Cの外周縁の外側、および、多孔質拡散層53Cの小幅部53Caの外周縁の外側に配置され、電極触媒層52Cおよび小幅部53Caと接している。第1ガスケット層54Cのうち、第1接合層56Cは、カソード接触面51aに接合し、第2接合層58Cは、第2ガスケット層55Cと、大幅部53Cbの中で小幅部53Caよりも面方向に突出している部分とに接合する。電極触媒層52Cの厚みは、第1接合層56Cの厚みよりも大きいことが好ましい。
第2ガスケット層55Cは、第2接合層58Cの上面上にて、多孔質拡散層53Cの大幅部53Cbの外周縁の外側に配置され、大幅部53Cbと接している。
図10に示されるように、電極触媒層52Cと第1接合層56Cとが接している部分において、第1接合層56Cは、電極触媒層52Cにめり込んでいる。すなわち、カソード接触面51aと対向する方向である対向方向から見て、第1接合層56Cは、ガスケット基材57Cの内周縁よりも内側である電極触媒層52C側にはみ出している。
図11に示されるように、上記対向方向から見て、高分子電解質膜51の外形、電極触媒層52Cの外形、多孔質拡散層53Cの小幅部53Caの外形、および、多孔質拡散層53Cの大幅部53Cbの外形は、いずれも矩形形状を有している。上記対向方向から見て、第1ガスケット層54Cの外形、および、第2ガスケット層55Cの外形は、いずれも矩形枠体形状を有している。
電極触媒層52Cの外形寸法は、高分子電解質膜51の外形寸法よりも小さく、電極触媒層52Cは、高分子電解質膜51の略中央に配置されている。多孔質拡散層53Cの小幅部53Caの外形寸法は、電極触媒層52Cの外形寸法とほぼ等しい。多孔質拡散層53Cの大幅部53Cbの外形寸法は、小幅部53Caの外形寸法よりも大きく、高分子電解質膜51の外形寸法よりも小さい。
第1ガスケット層54Cは、高分子電解質膜51のカソード接触面51a上において、電極触媒層52Cおよび多孔質拡散層53Cの小幅部53Caからなる積層体の周囲に配置され、電極触媒層52Cおよび小幅部53Caからなる積層体の外周縁の外側の領域を周方向の全域に渡って埋めている。換言すれば、上記対向方向から見て、電極触媒層52Cおよび小幅部53Caからなる積層体の外形寸法は、第1ガスケット層54Cの内周縁によって区画された開口54Caの外形寸法とほぼ一致し、電極触媒層52Cおよび小幅部53Caからなる積層体は、開口54Caを埋めている。
第2ガスケット層55Cは、第1ガスケット層54Cの上面上において、多孔質拡散層53Cの大幅部53Cbの周囲に配置され、大幅部53Cbの外周縁の外側の領域を周方向の全域に渡って埋めている。換言すれば、上記対向方向から見て、大幅部53Cbの外形寸法は、第2ガスケット層55Cの内周縁によって区画された開口55Caの外形寸法とほぼ一致し、大幅部53Cbは開口55Caを埋めている。
なお、電極触媒層52Aと多孔質拡散層53Aとの間における位置関係、および、これらの有する形状は、電極触媒層52Cと多孔質拡散層53Cとの間における位置関係、および、これらの有する形状と同様である。また、電極触媒層52Aおよび多孔質拡散層53Aの各々と第1ガスケット層54Aとの間における位置関係、および、これらの有する形状は、電極触媒層52Cおよび多孔質拡散層53Cの各々と第1ガスケット層54Cとの間における位置関係、および、これらの有する形状と同様である。また、電極触媒層52Aおよび多孔質拡散層53Aの各々と第2ガスケット層55Aとの間における位置関係、および、これらの有する形状は、電極触媒層52Cおよび多孔質拡散層53Cの各々と第2ガスケット層55Cとの間における位置関係、および、これらの有する形状と同様である。
[膜電極接合体の製造方法]
図12〜図16を参照して、膜電極接合体50の製造方法について説明する。
図12に示されるように、第1工程として、支持基材60Cの上面に、第1ガスケット層54Cが配置される。第1ガスケット層54Cの上面は、保護シート61Cによって覆われる。第1ガスケット層54Cは、支持基材60Cの上面に沿った層から構成される多層体となるように配置され、第1ガスケット層54Cのうち、第2接合層58Cは支持基材60Cに接し、第1接合層56Cは保護シート61Cに接する。
第1ガスケット層54Cが支持基材60Cの上面に配置される際には、まず、ガスケット基材57Cの一方の面に第1接合層56Cが形成され、ガスケット基材57Cの他方の面に第2接合層58Cが形成される。次に、第2接合層58Cと支持基材60Cとが接するように、第1ガスケット層54Cが支持基材60Cの上面に配置される。
支持基材60Cの上面に沿った方向である面方向において、第1ガスケット層54Cと保護シート61Cとから構成される積層体の内周縁によって、電極触媒層52Cの外形に相当する形状を有する開口62Cが区画されている。
支持基材60Cは、電極触媒層52Cを剥離可能な材料から形成されたシートである。支持基材60Cの材料としては、第1の実施形態の支持基材20Cの材料として例示した材料が用いられる。支持基材60Cの厚みは、第1の実施形態にて支持基材20Cの厚みとして例示した範囲内で設定されることが好ましい。
第1接合層56Cおよび第2接合層58Cとしては、対象の接合に際して固化を要しない粘着層が用いられてもよいし、対象の接合に際して固化を要する接着層が用いられてもよい。第1接合層56Cおよび第2接合層58Cは、所望の剥離強度を有すればよく、接合層56C,58Cの材料としては、第1の実施形態の接合層15C,21Cの材料として例示した材料が用いられればよい。第1接合層56Cと第2接合層58Cとは、同一の材料から形成されてもよいし、互いに異なる材料から形成されてもよい。
支持基材60Cとガスケット基材57Cとに挟まれる第2接合層58Cは、支持基材60Cよりもガスケット基材57Cに対して強い接着力を有することが好ましい。第2接合層58Cにおける支持基材60Cとの接着力は、引張試験器を用いて剥離速度300mm/minで測定した180°剥離強度(JIS−K−6854−2:1999)において、0.1N/25mm以上であることが好ましい。剥離強度が0.1N/25mm以上であると、第2接合層58Cと支持基材60Cとの密着性が高くなるため、第1ガスケット層54Cと支持基材60Cとの間に隙間が生じることが抑えられる。その結果、電極触媒層52Cの形成時に、触媒インクが第1ガスケット層54Cと支持基材60Cとの間の隙間に入り込むことが抑えられるため、電極触媒層52Cの外周縁の直線性が向上する。
第1接合層56Cおよび第2接合層58Cの各々の厚みは、特に限定されないが、第1の実施形態にて接合層15C,21Cの厚みとして例示した範囲内で設定されることが好ましい。
ガスケット基材57Cの材料としては、第1の実施形態のガスケット基材16Cの材料として例示した材料が用いられればよい。ガスケット基材57Cの厚みは、強度や耐熱性が適正に確保されるように、材料に応じて適宜選択される。ガスケット基材57Cの厚みは、1μm〜100μm程度であることが好ましい。
図13に示されるように、第2工程として、開口62Cの内部に触媒インクが塗工されて、塗工された触媒インクが乾燥されることによって、支持基材60Cの上面の中で第1ガスケット層54Cから露出する部分に電極触媒層52Cが成膜される。電極触媒層52Cの成膜後、保護シート61Cは剥離される。支持基材60Cと第1ガスケット層54Cと電極触媒層52Cとから、層状体63Cが構成される。
触媒インクの組成および塗工方法は、第1の実施形態にて例示した組成および塗工方法が用いられる。
図14に示されるように、電極触媒層52Aも、電極触媒層52Cと同様に、第1ガスケット層54Aが配置された支持基材60Aの上面に上述の触媒インクが塗工され、塗工された触媒インクが乾燥されることによって成膜される。支持基材60Aと第1ガスケット層54Aと電極触媒層52Aとから、層状体63Aが構成される。
層状体63Cと層状体63Aとは、高分子電解質膜51を挟んで配置される。このとき、電極触媒層52Cおよび第1接合層56Cは、高分子電解質膜51のカソード接触面51aと向かい合い、電極触媒層52Aおよび第1接合層56Aは、高分子電解質膜51のアノード接触面51bと向かい合う。
そして、第3工程として、2つの層状体63C,63Aに高分子電解質膜51が挟まれた状態で、層状体63C,63Aと高分子電解質膜51とが加熱されるとともに加圧される。これにより、電極触媒層52Cと第1ガスケット層54Cとが高分子電解質膜51のカソード接触面51aに圧着される。また、電極触媒層52Aと第1ガスケット層54Aとが高分子電解質膜51のアノード接触面51bに圧着される。
ここで、通常、電極触媒層52C,52Aや第1接合層56C,56Aは、ガスケット基材57C,57Aよりも剛性が低い。また、電極触媒層52C,52Aは、第1接合層56C,56Aよりも剛性が低い。そのため、圧着時の加圧に起因して、第1接合層56C,56Aの内周縁は、ガスケット基材57C,57Aによって押しつぶされて、各第1接合層56C,56Aの内周縁と接する電極触媒層52C,52Aの外周縁にめり込む。つまり、電極触媒層52Cと第1ガスケット層54Cとの転写に際して、電極触媒層52Cと第1ガスケット層54Cとがともに高分子電解質膜51に押し付けられる結果、第1接合層56Cが電極触媒層52Cにめり込む構造が形成される。また、電極触媒層52Aと第1ガスケット層54Aとの転写に際して、電極触媒層52Aと第1ガスケット層54Aとがともに高分子電解質膜51に押し付けられる結果、第1接合層56Aが電極触媒層52Aにめり込む構造が形成される。なお、第1接合層56C,56Aは、ガスケット基材57C,57Aと、高分子電解質膜51との双方から押されるため、第1接合層56C,56Aの内周縁において、その厚さ方向における中間位置が、厚さ方向における両端部よりも電極触媒層52C,52Aにめり込みやすい。
高分子電解質膜51としては、第1の実施形態の高分子電解質膜11の材料として例示した材料から形成される膜が用いられればよい。
図15に示されるように、電極触媒層52C,52Aと第1ガスケット層54C,54Aとが高分子電解質膜51に圧着された後、第4工程として、電極触媒層52Cおよび第1ガスケット層54Cから支持基材60Cが剥離され、電極触媒層52Aおよび第1ガスケット層54Aから支持基材60Aが剥離される。第2接合層58C,58Aが、支持基材60C,60Aよりもガスケット基材57C,57Aに対して強い接着力を有すると、支持基材60C,60Aの剥離を容易に行うことができる。
なお、電極触媒層52C,52Aと第1ガスケット層54C,54Aとが高分子電解質膜51に転写された状態において、各電極触媒層52C,52Aの厚みは、各第1ガスケット層54C,54Aの厚みと同程度であってもよいし、各第1ガスケット層54C,54Aの厚みよりも小さくてもよい。
図16に示されるように、第5工程として、高分子電解質膜51と電極触媒層52C,52Aと第1ガスケット層54C,54Aとから構成される多層体に、多孔質拡散層53C,53Aと第2ガスケット層55C,55Aとが配置される。
多孔質拡散層53C,53Aと第2ガスケット層55C,55Aとが配置される際には、まず、上記多層体を挟むように、多孔質拡散層53C,53Aとなる2つの多孔質シートが配置され、これら多孔質シートの外周縁の外側に第2ガスケット層55C,55Aが配置される。なお、第2ガスケット層55C,55Aが配置された後に、多孔質シートが配置されてもよい。
続いて、上記多層体と、多層体を挟んで配置された2つの多孔質シートおよび第2ガスケット層55C,55Aとは、加熱されるとともに加圧される。加熱および加圧の結果、一方の多孔質シートの一部は、第1ガスケット層54Cの内周縁によって区画された開口54Caに押し込まれる。開口54Caに押し込まれた部分は、小幅部53Caとなり、電極触媒層52Cに圧着される。また、大幅部53Cbは、第1ガスケット層54Cの第2接合層58Cに接着される。これにより、多孔質拡散層53Cが形成される。同様に、他方の多孔質シートの一部は、第1ガスケット層54Aの内周縁によって区画された開口54Aaに押し込まれ、小幅部53Aaと大幅部53Abとを有する多孔質拡散層53Aが形成される。多孔質拡散層53Aにて、小幅部53Aaは電極触媒層52Aに圧着され、大幅部53Abは第1ガスケット層54Aの第2接合層58Aに接着される。
また、第2ガスケット層55Cは、第2接合層58Cに接着され、第2ガスケット層55Aは、第2接合層58Aに接着される。これにより、膜電極接合体50が形成される。
多孔質拡散層53C,53Aは、ガス拡散性と導電性とを有する材料から形成された基材を含み、さらに、上記基材上に形成された微細多孔質層を備えていることが好ましい。基材の材料としては、第1の実施形態の多孔質拡散層13C,13Aの基材の材料として例示した材料が用いられればよい。微細多孔質層としては、第1の実施形態の微細多孔質層の材料として例示した材料が用いられればよい。
第2ガスケット層55C,55Aの材料としては、第1の実施形態のガスケット基材16Cの材料として例示した材料が用いられればよい。第2ガスケット層55C,55Aの各々の厚みは、強度や耐熱性が適正に確保されるように、材料に応じて適宜選択される。第2ガスケット層55C,55Aの各々の厚みは、1μm〜200μm程度であることが好ましい。
なお、上述の工程では、層状体63Cから高分子電解質膜51のカソード接触面51aへの電極触媒層52Cおよび第1ガスケット層54Cの転写と、層状体63Aから高分子電解質膜51のアノード接触面51bへの電極触媒層52Aおよび第1ガスケット層54Aの転写とが同時に行われる。これに代えて、カソード接触面51aへの電極触媒層52Cおよび第1ガスケット層54Cの転写と、アノード接触面51bへの電極触媒層52Aおよび第1ガスケット層54Aの転写とが別々に行われてもよい。例えば、カソード接触面51aと層状体63Cとが向かい合わされ、高分子電解質膜51と層状体63Cとが加熱および加圧された後、アノード接触面51bと層状体63Aとが向かい合わされ、高分子電解質膜51と層状体63Aとが加熱および加圧される。
同様に、多孔質拡散層53Cおよび第2ガスケット層55Cの配置と、多孔質拡散層53Aおよび第2ガスケット層55Aの配置とが別々に行われてもよい。
[作用]
上述した膜電極接合体50の製造方法の作用について説明する。
上述の製造方法では、支持基材60C,60Aの上面に、第1ガスケット層54C,54Aが配置された状態で、第1ガスケット層54C,54Aをマスクとして電極触媒層52C,52Aが成膜される。そして、電極触媒層52Cおよび第1ガスケット層54Cを備える層状体63Cと、電極触媒層52Aおよび第1ガスケット層54Aを備える層状体63Aとが高分子電解質膜51に押し付けられることによって、電極触媒層52C,52Aおよび第1ガスケット層54C,54Aが、高分子電解質膜51に転写される。
こうした製造方法によれば、第1ガスケット層54C,54Aの配置された支持基材60C,60Aの上面に電極触媒層52C,52Aが成膜されるため、電極触媒層52C,52Aの成膜時に、第1ガスケット層54C,54Aの内周縁と電極触媒層52C,52Aの外周縁との寸法が合わせられる。そして、電極触媒層52Cと第1ガスケット層54Cとは、高分子電解質膜51のカソード接触面51aに同時に転写され、電極触媒層52Aと第1ガスケット層54Aとは、高分子電解質膜51のアノード接触面51bに同時に転写される。したがって、電極触媒層52Cと第1ガスケット層54Cとの間や、電極触媒層52Aと第1ガスケット層54Aとの間に隙間が形成されることが抑えられる。その結果、電極触媒層52C,52Aと第1ガスケット層54C,54Aとの間から高分子電解質膜51が露出することが抑えられる。
また、第1ガスケット層54C,54Aが電極触媒層52C,52Aの成膜時のマスクとして利用されるため、電極触媒層52C,52Aの成膜に必要な部材を削減することができる。
さらに、電極触媒層52C,52Aと第1ガスケット層54C,54Aとの転写後に、高分子電解質膜51と電極触媒層52C,52Aと第1ガスケット層54C,54Aとからなる多層体上には、第2接合層58C,58Aが露出される。そのため、多孔質拡散層53C,53Aや第2ガスケット層55C,55Aの組み付けが容易となり、組み付けられた多孔質拡散層53C,53Aや第2ガスケット層55C,55Aが、上記多層体に強固に固定される。
また、対向方向から見て、電極触媒層52C,52Aが第1ガスケット層54C,54Aや第2ガスケット層55C,55Aと重ならないため、ガスの拡散が妨げられて電極触媒層52C,52Aに発電に寄与しない部分が生じることが抑えられる。また、対向方向から見て電極触媒層とガスケット層とが重なる部分と重ならない部分とが存在することに起因して膜電極接合体の厚みにばらつきが生じることもない。
なお、第2の実施形態では、第1ガスケット層54C,54Aの各々が、転写用部材の一例である。
以上説明したように、第2の実施形態の膜電極接合体の製造方法および膜電極接合体によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(5)電極触媒層52C,52Aの成膜時に、第1ガスケット層54C,54Aの内周縁と電極触媒層52C,52Aの外周縁との寸法が合わせられ、電極触媒層52C,52Aと第1ガスケット層54C,54Aとは、高分子電解質膜51の接触面51a,51bに同時に転写される。したがって、電極触媒層52C,52Aと第1ガスケット層54C,54Aとの間に隙間が形成されて高分子電解質膜51が露出することが抑えられる。
(6)第1ガスケット層54C,54Aは、第1接合層56C,56Aと、第2接合層58C,58Aと、第1接合層56C,56Aと第2接合層58C,58Aとに挟まれるガスケット基材57C,57Aとから構成される。これによれば、第1ガスケット層54C,54Aと第1ガスケット層54C,54Aを挟む部材とが接合層によって接合されるため、第1ガスケット層54C,54Aとこれらの部材との密着性が高められる。
(7)第2接合層58C,58Aは、支持基材60C,60Aよりもガスケット基材57C,57Aに対して強い接着力を有するため、支持基材60C,60Aを第1ガスケット層54C,54Aから容易に剥離することができる。
(8)多孔質拡散層53C,53Aは、電極触媒層52C,52Aに圧着され、かつ、第1ガスケット層54C,54Aの第2接合層58C,58Aに接着される。このように、多孔質拡散層53C,53Aの固定に、第1ガスケット層54C,54Aとして電極触媒層52C,52Aとともに高分子電解質膜51の接触面51a,51bに配置された第2接合層58C,58Aが用いられる。したがって、別途、接合層を形成せずとも、高分子電解質膜51、電極触媒層52C,52A、および、第1ガスケット層54C,54Aを含む多層体に多孔質拡散層53C,53Aを保持させることができる。
(9)多孔質拡散層53C,53Aでは、大幅部53Cb,53Abの中で小幅部53Ca,53Aaよりも接触面51a,51bに沿った方向に突出する部分が、第1ガスケット層54C,54Aを構成する第2接合層58C,58Aに接合し、上述の製造方法によって、こうした多孔質拡散層53C,53Aを有する膜電極接合体50が製造される。したがって、こうした膜電極接合体50では、電極触媒層52C,52Aと第1ガスケット層54C,54Aとの間に隙間が形成されて高分子電解質膜51が露出することが抑えられる。
(10)電極触媒層52C,52Aと第1ガスケット層54C,54Aとの転写時の加圧に起因して、第1接合層56C,56Aの内周縁が電極触媒層52C,52Aの外周縁にめり込むため、電極触媒層52C,52Aと第1ガスケット層54C,54Aとの間に隙間が形成されることが適切に抑えられる。
(第3の実施形態)
図17〜図20を参照して、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、膜電極接合体、および、膜電極接合体の製造方法の実施形態である。第3の実施形態の膜電極接合体は、第2の実施形態の膜電極接合体と同様の構成を有する一方、その製造方法が異なる。以下では、膜電極接合体の製造方法について第2の実施形態との相違点を中心に説明し、第2の実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
[膜電極接合体の製造方法]
図17に示されるように、多孔質拡散層53Cとして用いられる材料からなる多孔質シート64Cの外周縁の外側に、支持基材の一部として機能する第2ガスケット層55Cが組み付けられて、支持基材65Cが形成される。多孔質シート64Cは、多孔質体の一例である。さらに、第1工程として、支持基材65Cの上面に、第1ガスケット層54Cが配置される。第1ガスケット層54Cの上面は、保護シート61Cによって覆われる。第1ガスケット層54Cのうち、第2接合層58Cは支持基材65Cに接し、第1接合層56Cは保護シート61Cに接する。
支持基材65Cの上面に沿った方向である面方向において、第1ガスケット層54Cと保護シート61Cとから構成される積層体の内周縁によって、電極触媒層52Cの外形に相当する形状を有する開口62Cが区画されている。
多孔質シート64Cとしては、第2の実施形態の多孔質拡散層53Cと同様の材料が用いられる。第2ガスケット層55Cおよび第1ガスケット層54Cは、第2の実施形態と同様の構成を有する。ただし、第2接合層58Cの支持基材65Cに対する接着力は、第2接合層58Cのガスケット基材57Cに対する接着力よりも大きくてもよいし、小さくてもよいし、同程度であってもよい。
図18に示されるように、第2工程として、開口62Cの内部に触媒インクが塗工されて、塗工された触媒インクが乾燥されることによって、支持基材65Cの上面の中で第1ガスケット層54Cから露出する部分に電極触媒層52Cが成膜される。電極触媒層52Cの成膜後、保護シート61Cは剥離される。支持基材65Cと第1ガスケット層54Cと電極触媒層52Cとから、層状体66Cが構成される。
触媒インクの組成および塗工方法は、第1の実施形態にて例示した組成および塗工方法が用いられる。
図19に示されるように、電極触媒層52Aも、電極触媒層52Cと同様に、支持基材65Aに、第1ガスケット層54Aが配置された後、触媒インクが塗工および乾燥されることによって成膜される。支持基材65Aは、多孔質拡散層53Aとして用いられる材料からなる多孔質シート64Aと、多孔質シート64Aに組み付けられた第2ガスケット層55Aとから構成される。支持基材65Aと第1ガスケット層54Aと電極触媒層52Aとから、層状体66Aが構成される。
層状体66Cと層状体66Aとは、高分子電解質膜51を挟んで配置される。このとき、電極触媒層52Cおよび第1接合層56Cは、高分子電解質膜51のカソード接触面51aと向かい合い、電極触媒層52Aおよび第1接合層56Aは、高分子電解質膜51のアノード接触面51bと向かい合う。そして、第3工程として、2つの層状体66C,66Aに高分子電解質膜51が挟まれた状態で、層状体66C,66Aと高分子電解質膜51とが加熱されるとともに加圧される。なお、高分子電解質膜51の材料としては、第1の実施形態にて例示した材料が用いられる。
図20に示されるように、加熱および加圧の結果、電極触媒層52Cと第1ガスケット層54Cとが高分子電解質膜51のカソード接触面51aに圧着される。また、電極触媒層52Aと第1ガスケット層54Aとが高分子電解質膜51のアノード接触面51bに圧着される。
さらに、加圧によって、多孔質シート64Cの一部は、第1ガスケット層54Cの内周縁によって区画された開口54Caに押し込まれ、多孔質シート64Aの一部も、第1ガスケット層54Aの内周縁によって区画された開口54Aaに押し込まれる。これにより、多孔質拡散層53C,53Aが形成される。第1ガスケット層54C,54Aの内周縁によって区画された開口54Ca,54Aaに押し込まれた部分が小幅部53Ca,53Aaとなる。また、加圧によって、第1接合層56C,56Aの内周縁は、各第1接合層56C,56Aと接する電極触媒層52C,52Aの外周縁にめり込む。これにより、膜電極接合体50が形成される。なお、図19および図20では、多孔質拡散層53C,53Aの有する小幅部53Ca,53Aaが形成される過程を誇張して示している。
なお、上述の工程では、高分子電解質膜51のカソード接触面51aへの電極触媒層52C、第1ガスケット層54C、多孔質拡散層53C、および、第2ガスケット層55Cの配置と、高分子電解質膜51のアノード接触面51bへの電極触媒層52A、第1ガスケット層54A、多孔質拡散層53A、および、第2ガスケット層55Aの配置とが同時に行われる。これに代えて、カソード接触面51aへの各部材の配置とアノード接触面51bへの各部材の配置とが別々に行われてもよい。
[作用]
上述した膜電極接合体50の製造方法の作用について説明する。
上述の製造方法でも、第2の実施形態と同様に、第1ガスケット層54C,54Aの配置された支持基材65C,65Aの上面に電極触媒層52C,52Aが成膜されるため、電極触媒層52C,52Aの成膜時に、第1ガスケット層54C,54Aの内周縁と電極触媒層52C,52Aの外周縁との寸法が合わせられる。そして、電極触媒層52Cと第1ガスケット層54Cとは、高分子電解質膜51のカソード接触面51aに同時に配置され、電極触媒層52Aと第1ガスケット層54Aとは、高分子電解質膜51のアノード接触面51bに同時に配置される。したがって、電極触媒層52Cと第1ガスケット層54Cとの間や、電極触媒層52Aと第1ガスケット層54Aとの間に隙間が形成されることが抑えられる結果、電極触媒層52C,52Aと第1ガスケット層54C,54Aとの間から高分子電解質膜51が露出することが抑えられる。
さらに、第3の実施形態では、支持基材65C,65Aが、多孔質拡散層53C,53Aおよび第2ガスケット層55C,55Aとして利用される。そして、高分子電解質膜51のカソード接触面51aに、電極触媒層52C、第1ガスケット層54C、多孔質拡散層53C、および、第2ガスケット層55Cが同時に配置され、高分子電解質膜51のアノード接触面51bに、電極触媒層52A、第1ガスケット層54A、多孔質拡散層53A、および、第2ガスケット層55Aが同時に配置される。したがって、第2の実施形態のように、支持基材からガスケット層および電極触媒層が高分子電解質膜に転写された後に支持基材が剥離され、別途多孔質拡散層が配置される製造方法と比較して、膜電極接合体50の製造に必要な部材を削減することができるとともに、膜電極接合体50の製造工程の工程数を削減することができる。
なお、第3の実施形態では、第1ガスケット層54C,54Aの各々が、転写用部材の一例である。
以上説明したように、第3の実施形態の膜電極接合体の製造方法および膜電極接合体によれば、第2の実施形態の(5)、(6)、(9)、(10)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(11)支持基材65C,65Aが多孔質拡散層53C,53Aおよび第2ガスケット層55C,55Aとして利用されるため、膜電極接合体50の製造に必要な部材を削減することができるとともに、膜電極接合体50の製造工程の工程数を削減することができる。
(変形例)
第2および第3の実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・第1ガスケット層54C,54Aの各々は、ガスケット基材57C,57Aが割愛されて、1層以上の接合層のみから構成されてもよい。これによれば、膜電極接合体50に必要な部材の数が削減される。第1ガスケット層54C,54Aの各々が接合層のみから構成される場合、第2の実施形態の製造方法にて、層状体63C,63Aが高分子電解質膜51に押し付けられたとき、接合層は、高分子電解質膜51と支持基材60C,60Aとの間に挟まれて、これらと接合する。このとき、接合層は、支持基材60C,60Aよりも高分子電解質膜51に対して強い接着力を有することが好ましい。こうした構成によれば、支持基材60C,60Aの剥離を容易に行うことができる。また、多孔質拡散層53C,53Aが配置される際には、多孔質拡散層53C,53Aの小幅部53Ca,53Aaは電極触媒層52C,52Aに圧着され、多孔質拡散層53C,53Aの大幅部53Cb,53Abは第1ガスケット層54C,54Aとしての上記接合層に接着される。
・電極触媒層52C,52Aの厚みが、第1接合層56C,56Aとガスケット基材57C,57Aとの厚みよりも大きく、電極触媒層52C,52Aと第2接合層58C,58Aとが接する場合には、第2接合層58C,58Aの内周縁は、各第2接合層58C,58Aと接する電極触媒層52Cの外周縁にめり込んでいてもよい。こうした構造も、電極触媒層52C,52Aと第1ガスケット層54C,54Aとが同時に高分子電解質膜51に押し付けられることによって形成される。
・対向方向から見た電極触媒層52C,52Aの形状や、第1ガスケット層54C,54Aの形状や、多孔質拡散層53C,53Aの形状や、第2ガスケット層55C,55Aの形状は、三角形形状であってもよいし、五つ以上の角を有する多角形形状であってもよいし、円形形状であってもよいし、楕円形形状であってもよい。また、第1ガスケット層54C,54Aの内周縁は、対向方向に対して傾斜していてもよい。例えば、層状体63Cの有する開口62Cの断面積が、支持基材60Cに近い部位ほど小さくなるように、第1ガスケット層54Cの内周縁は支持基材60C側から見て逆テーパー形状を有してもよい。すなわち、開口62Cを区画する層状体63Cの内側面は、錐台筒形状を有し、電極触媒層52Cは、こうした形状を有する開口62Cの底部を埋める。この場合、膜電極接合体50にて、第1ガスケット層54Cの内周縁は高分子電解質膜51側から見て順テーパー形状を有する。こうした製造方法によれば、電極触媒層52C,52Aおよび第1ガスケット層54C,54Aを、従来のように、高分子電解質膜51の面上に電極触媒層52C,52Aと第1ガスケット層54C,54Aとを別々に配置する製造方法によっては形成が困難な形状に形成することもできる。
・第2および第3の実施形態の製造方法が用いられれば、製造された膜電極接合体が第2の実施形態にて説明した膜電極接合体50とは異なる構成を有していても、上記(5)の効果は得られる。例えば、多孔質拡散層53C,53Aは、小幅部53Ca,53Aaと大幅部53Cb,53Abとの区別なく、面方向にほぼ一定の幅を有していてもよい。この場合、対向方向から見て、第1ガスケット層54C,54Aの内周縁によって区画される開口の外形寸法と、第2ガスケット層55C,55Aの内周縁によって区画される開口の外形寸法とはほぼ一致し、電極触媒層52C,52Aの外形寸法と多孔質拡散層53C,53Aの外形寸法とはほぼ一致する。
(第4の実施形態)
図21を参照して、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、固体高分子形燃料電池の実施形態である。
[固体高分子形燃料電池の構成]
図21に示されるように、固体高分子形燃料電池30は、第1〜第3の実施形態のいずれかの膜電極接合体と、一対のセパレータ31C,31Aとを備えている。図21では、例として、固体高分子形燃料電池30が、第1の実施形態の膜電極接合体10を備える構成を図示している。
膜電極接合体10は、セパレータ31Cとセパレータ31Aとの間に挟持されている。セパレータ31Cにおいて、膜電極接合体10と互いに向かい合う面には、ガス流路32Cが凹設され、また、膜電極接合体10とは反対側の面には、冷却水流路33Cが凹設されている。セパレータ31Aにおいて、膜電極接合体10と互いに向かい合う面には、ガス流路32Aが凹設され、また、膜電極接合体10とは反対側の面には、冷却水流路33Aが凹設されている。
膜電極接合体10に、セパレータ31C,31Aが組み付けられ、さらに、酸化剤ガスと燃料ガスとの供給機構などが設けられて、単セルの固体高分子形燃料電池30が製造される。固体高分子形燃料電池30は、単セルの状態、もしくは、複数の固体高分子形燃料電池30が組み合わされた状態で使用される。
固体高分子形燃料電池30の使用時には、カソード側のセパレータ31Cのガス流路32Cに酸化剤ガスが流され、アノード側のセパレータ31Aのガス流路32Aに燃料ガスが流される。また、各セパレータ31C,31Aの冷却水流路の33C,33Aには、冷却水が流される。ガス流路32Cからカソードにガスが供給され、また、ガス流路32Aからアノードにガスが供給されることによって、高分子電解質膜11中でのプロトン伝導を伴う電極反応が進行することにより、カソードとアノードとの間に起電力が生じる。
(実施例)
上述した膜電極接合体について、具体的な実施例を用いて説明する。
<実施例1>
実施例1は、第1の実施形態の膜電極接合体の実施例である。
[触媒インクの調整]
白金触媒を担持したカーボンと、パーフルオロカーボンスルホン酸(デュポン社製のNAFION(登録商標)溶液を用いた。)と、スルホン酸基が導入された無定形炭素とを溶媒(水、1−プロパノ−ル、2−プロパノ−ルを1:1:1(体積比)の比率で混合した混合溶媒)中で混合し、遊星型ボールミル(FRITSCH社製のPulverisette7を用いた。また、ボールミルのポットおよびボールはジルコニア製のものを用いた。)を用いて分散処理を行い、触媒インクを作製した。触媒インク中の固形分含有量は10質量%であった。
[成膜工程]
保護シートが付されたガスケット層と転写用接合層との積層体を、支持基材に貼合した。保護シートとガスケット層と転写用接合層との積層体は、5cmの正方形状の開口を有する。続いて、ドクターブレード法により上記開口を通じて触媒インクを支持基材に塗布し、塗布された触媒インクを温度が80℃の大気雰囲気中で5分間乾燥させて、電極触媒層を成膜した。これにより、層状体を得た。この際、触媒物質の担持量が0.4mg/cmになるように、電極触媒層の厚みを調節した。
[接合工程]
高分子電解質膜としてNAFION(登録商標)212(デュポン社製)を用い、2つの層状体の一方が高分子電解質膜の2つの接触面の一方と互いに向かい合い、2つの層状体の他方が高分子電解質膜の2つの接触面の他方と互いに向い合うように、2つの層状体と高分子電解質膜とを配置した。その後、これら2つの層状体で挟まれた高分子電解質膜を130℃に加熱するとともに加圧下で10分間保持するホットプレスを行い、電極触媒層およびガスケット層を高分子電解質膜に転写した。
さらに、多孔質拡散層として、目処め層が形成されたカーボンクロスを用い、2つの多孔質拡散層を、電極触媒層およびガスケット層が転写された高分子電解質膜を挟んで配置することにより、実施例1の膜電極構造体を得た。
<実施例2>
実施例2は、第2の実施形態の膜電極接合体の実施例である。
[触媒インクの調整]
白金触媒を担持したカーボンと、パーフルオロカーボンスルホン酸(デュポン社製のNAFION(登録商標)溶液を用いた。)と、スルホン酸基が導入された無定形炭素とを溶媒(水、1−プロパノ−ル、2−プロパノ−ルを1:1:1(体積比)の比率で混合した混合溶媒)中で混合し、遊星型ボールミル(FRITSCH社製のPulverisette7を用いた。また、ボールミルのポットおよびボールはジルコニア製のものを用いた。)を用いて分散処理を行い、触媒インクを作製した。触媒インク中の固形分含有量は10質量%であった。
[成膜工程]
保護シートが付された第1ガスケット層を、フッ素系樹脂からなる支持基材に貼合した。保護シートと第1ガスケット層との積層体は、5cmの正方形状の開口を有する。続いて、ドクターブレード法により上記開口を通じて触媒インクを支持基材に塗布し、塗布された触媒インクを温度が80℃の大気雰囲気中で5分間乾燥させて、電極触媒層を成膜した。これにより、層状体を得た。この際、触媒物質の担持量が0.4mg/cmになるように、電極触媒層の厚みを調節した。
[接合工程]
高分子電解質膜としてNAFION(登録商標)212(デュポン社製)を用い、2つの層状体の一方が高分子電解質膜の2つの接触面の一方と互いに向かい合い、2つの層状体の他方が高分子電解質膜の2つの接触面の他方と互いに向い合うように、2つの層状体と高分子電解質膜とを配置した。その後、これら2つの層状体で挟まれた高分子電解質膜を130℃に加熱するとともに加圧下で10分間保持するホットプレスを行い、電極触媒層および第1ガスケット層を高分子電解質膜に転写した。
さらに、多孔質拡散層として、目処め層が形成されたカーボンクロスを用い、2つの多孔質拡散層と2つの第2ガスケット層とを、電極触媒層および第1ガスケット層が転写された高分子電解質膜を挟んで配置することにより、実施例2の膜電極構造体を得た。
10…膜電極接合体、11…高分子電解質膜、11a…カソード接触面、11b…アノード接触面、12C,12A…電極触媒層、13C,13A…多孔質拡散層、14C,14A…ガスケット層、15C,15A…ガスケット接合層、16C,16A…ガスケット基材、20C,20A…支持基材、21C,21A…転写用接合層、24C,24A…層状体、30…固体高分子形燃料電池、31C,31A…セパレータ、50…膜電極接合体、51…高分子電解質膜、51a…カソード接触面、51b…アノード接触面、52C,52A…電極触媒層、53C,53A…多孔質拡散層、53Ca,53Aa…小幅部、53Cb,53Ab…大幅部、54C,54A…第1ガスケット層、55C,55A…第2ガスケット層、56C,56A…第1接合層、57C,57A…ガスケット基材、58C,58A…第2接合層、60C,60A,65C,65A…支持基材、63C,63A,66C,66A…層状体、64C,64A…多孔質シート。

Claims (13)

  1. 支持基材の上面に、ガスケット層を含む転写用部材を配置する第1工程と、
    前記支持基材の上面の中で前記転写用部材から露出する部分に、インクの塗工によって電極触媒層を成膜して、前記支持基材と前記転写用部材と前記電極触媒層とを有する層状体を形成する第2工程と、
    接触面を有する高分子電解質膜に前記層状体を押し付けて、前記接触面に前記ガスケット層および前記電極触媒層を圧着する第3工程と、を含み、
    前記ガスケット層は、ガスケット基材と、前記接触面と前記ガスケット基材とを接合するための接合層を含み、
    前記第3工程では、前記接触面への前記ガスケット層および前記電極触媒層の圧着時に、前記接触面と対向する方向から見て前記ガスケット基材の内周縁よりも前記電極触媒層側に前記接合層がはみ出すように、前記接合層の内周縁を前記電極触媒層の外周縁にめり込ませる
    膜電極接合体の製造方法。
  2. 前記転写用部材は、前記ガスケット層と転写用接合層とを含み、
    前記第1工程では、前記支持基材の上面と前記ガスケット層との間に前記転写用接合層が位置するように、前記転写用部材を配置し、
    前記接触面に圧着された前記ガスケット層および前記電極触媒層から、前記支持基材および前記転写用接合層を剥離する第4工程をさらに含む
    請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
  3. 前記転写用部材において、前記ガスケット基材は、前記転写用接合層と前記ガスケット層の前記接合層とに挟まれる
    請求項2に記載の膜電極接合体の製造方法。
  4. 前記転写用接合層は、前記ガスケット基材よりも前記支持基材に対して強い接着力を有する
    請求項3に記載の膜電極接合体の製造方法。
  5. 前記転写用部材は、前記ガスケット層であり、
    前記ガスケット層は、前記支持基材の上面に沿って配置される多層体であり、
    前記多層体は、前記接触面と前記ガスケット基材とを接合するための前記接合層である第1接合層と、前記支持基材の上面と前記ガスケット基材とを接合するための第2接合層と、前記第1接合層と前記第2接合層とに挟まれてこれらと接合する前記ガスケット基材とを含む
    請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
  6. 前記接触面に圧着された前記ガスケット層および前記電極触媒層から、前記支持基材を剥離する第4工程をさらに含み、
    前記第2接合層は、前記支持基材よりも前記ガスケット基材に対して強い接着力を有する
    請求項5に記載の膜電極接合体の製造方法。
  7. 前記支持基材を剥離した後に、多孔質拡散層を配置する第5工程をさらに含み、
    前記第5工程において、前記多孔質拡散層は、前記電極触媒層に圧着され、かつ、前記ガスケット層の前記第2接合層に接着される
    請求項6に記載の膜電極接合体の製造方法。
  8. 前記支持基材が、多孔質体を含み、
    前記第3工程では、前記層状体が前記高分子電解質膜に押し付けられることによって、前記多孔質体から多孔質拡散層が形成される
    請求項1または5に記載の膜電極接合体の製造方法。
  9. 接触面を有する高分子電解質膜と、
    前記接触面に位置する電極触媒層と、
    前記接触面における前記電極触媒層の周囲に位置するガスケット層と、を備える膜電極接合体であって、
    前記ガスケット層はガスケット基材と接合層を含み、
    前記接合層は、前記ガスケット基材と前記高分子電解質膜とに挟まれており、
    当該膜電極接合体が一対のセパレータに挟持される前において、前記接合層の内周縁は、前記接触面と対向する方向から見て前記ガスケット基材の内周縁よりも前記電極触媒層側に前記接合層がはみ出すように、前記電極触媒層の外周縁にめり込んでおり、
    前記接合層の内周縁において、その厚さ方向の中央部は、厚さ方向の両端部よりも前記電極触媒層側に突き出している
    膜電極接合体。
  10. 多孔質拡散層をさらに備え、
    前記電極触媒層は、前記高分子電解質膜と前記多孔質拡散層との間に位置し、
    前記ガスケット層は、前記接触面における前記電極触媒層の周囲と前記多孔質拡散層の周囲とに位置する
    請求項に記載の膜電極接合体。
  11. 前記ガスケット層は第1ガスケット層であって、
    前記電極触媒層と面接触する小幅部、および、前記接触面に沿った
    方向において前記小幅部よりも大きい幅を有する大幅部を有し、前記電極触媒層と前記大幅部との間に前記小幅部が位置する多孔質拡散層と、
    前記接触面と対向する方向から見て、前記多孔質拡散層の前記大幅部の周囲に位置する第2ガスケット層であって、前記第2ガスケット層と前記高分子電解質膜との間に前記第1ガスケット層が位置する前記第2ガスケット層と、をさらに備え、
    前記第1ガスケット層は、前記接触面と対向する方向から見て、前記電極触媒層および前記多孔質拡散層の前記小幅部の周囲に位置し、
    前記第1ガスケット層は、前記接合層である第1接合層と、第2接合層と、前記第1接合層と前記第2接合層とに挟まれる前記ガスケット基材とから構成され、
    前記第1接合層は、前記接触面に接合し、
    前記多孔質拡散層の前記大幅部の中で前記小幅部よりも前記接触面に沿った方向に突出する部分は、前記第2接合層に接合する
    請求項に記載の膜電極接合体。
  12. 接触面を有する高分子電解質膜と、
    前記接触面に位置する電極触媒層と、
    前記接触面における前記電極触媒層の周囲に位置する第1ガスケット層と、
    前記電極触媒層と面接触する小幅部、および、前記接触面に沿った方向において前記小幅部よりも大きい幅を有する大幅部を有し、前記電極触媒層と前記大幅部との間に前記小幅部が位置する多孔質拡散層と、
    前記接触面と対向する方向から見て、前記多孔質拡散層の前記大幅部の周囲に位置する第2ガスケット層であって、前記第2ガスケット層と前記高分子電解質膜との間に前記第1ガスケット層が位置する前記第2ガスケット層と、を備える膜電極接合体であって、
    前記第1ガスケット層はガスケット基材と接合層とを含み、
    前記接合層は、前記ガスケット基材と前記高分子電解質膜とに挟まれており、
    当該膜電極接合体が一対のセパレータに挟持される前において、前記接合層の内周縁は、前記接触面と対向する方向から見て前記ガスケット基材の内周縁よりも前記電極触媒層側に前記接合層がはみ出すように、前記電極触媒層の外周縁にめり込んでいる
    膜電極接合体。
  13. 請求項9〜12のいずれか一項に記載の膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体を挟む一対のセパレータと、
    を備える固体高分子形燃料電池。
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