以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明に係る運転支援システムを自動四輪車に適用した例について説明するが、適用対象はこれに限定されることなく変更可能である。例えば、本発明に係る運転支援システムを他のタイプの車両(例えば自動二輪車等の鞍乗型車両)に適用してもよい。
図1及び図2を参照して、本実施の形態に係る運転支援システムについて説明する。図1は、自動四輪車と自動二輪車との位置関係の一例を示す側面図である。図2は、本実施の形態に係る運転支援システムの概略構成図である。なお、運転支援システムが適用される自動四輪車において、自動四輪車が通常備えている構成(例えば車速センサ等)は備えているものとし、説明は省略する。また、以下の説明においては、自車両を自動四輪車とし、自車両に接近する後続車両を自動二輪車として説明する。
本実施の形態に係る運転支援システム1(図2参照)は、図1に示すように、自動四輪車2の後方を走行する自動二輪車3が必要以上に接近してきた場合に、自動二輪車3が自動四輪車2に衝突しないように、自動四輪車2から自動二輪車3に対して注意を促すように構成されている。
ところで、道路を走行中に自動四輪車が交差点で右折(左折)したい場合、交差点の手前で減速する必要がある。例えば従来では、自車両が減速する際に、ブレーキランプ等を点灯又は点滅させることで後続車両に対して注意を促すことが一般的である。しかしながら、従来では自車両後方の路面状態までは考慮されていなかった。このため、自車両後方の路面が雨や氷等によって滑りやすい状況の場合には、ブレーキランプで後続車両に対して注意を促したとしても、後続車両が適切に制動動作を行うことができずに追突してしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態は、自動四輪車2の後方から接近する自動二輪車3の車間距離及び自動四輪車2への接近速度を検知すると共に、自動四輪車2の後方の路面状態を検知するように構成されている。そして、上記した車間距離や接近速度に応じて上記路面状態に基づく路面情報を後続の自動二輪車3に通知することで、自動二輪車3に対して注意を促すことが可能になっている。これにより、後続の自動二輪車3は、前方の路面状態を認識して、その路面状態に応じて減速や車線変更等、適宜衝突回避行動をとることができる。
図2に示すように、運転支援システム1は、自車両である自動四輪車2が自車両後方の路面状態を検知すると共に、後続車両である自動二輪車3との車間距離や接近速度を検知するように構成されている。そして、自車両と後続車両との間で車車間通信をすることにより、上記路面状態が路面情報として後続車両に対して通知される。具体的に自動四輪車2は、車両検知手段4と、路面状態検知手段5と、前方状況検知手段6と、自車両位置検知手段7と、制御手段8と、通信手段9(第1の通信手段)とを備えている。また、自動二輪車3は、通信手段10(第2の通信手段)と、表示手段11とを備えている。
車両検知手段4は、自車両の周囲(特に後方)の接近車両を検出するものである。具体的に車両検知手段4は、ミリ波レーダや車載カメラ等で構成され、自動四輪車2の後方に設けられる。車両検知手段4は、周囲にミリ波を発信し、接近車両(自動二輪車3)で反射したミリ波を受信することで接近車両を検出する。車両検知手段4で検知された車両情報は、制御手段8に出力される。詳細は後述するが、車両検知手段4が受信したミリ波に基づいて、接近車両との車間距離や、自車両に対する接近車両の速度、接近車両の大きさ等が検知される。
路面状態検知手段5は、自車両の周囲(特に後方)の路面状態を検知するものである。具体的に路面状態検知手段5は、路面が滑りやすい状態かどうかを検知する。滑りやすい路面状態の例としては、路面が雨によって濡れている(水)、路面に雪が積もっている、路面が凍結している(氷)、路面が砂に覆われている、等が挙げられる。路面状態検知手段5は、例えば、撮像手段や赤外線センサ、路面温度検知センサ等を用いた機器で構成される。路面状態検知手段5で検知された路面状態は、制御手段8に出力される。
前方状況検知手段6は、自車両の前方の道路状況を検知するものであり、例えば交差点や信号の有無、前方車両の存在等を検知する。前方状況検知手段6は、車両検知手段4と同様にミリ波レーダや車載カメラによって構成され、例えば自動四輪車2の前方に設けられる。また、前方状況検知手段6は既存のナビゲーションシステムによって構成されてもよい。前方状況検知手段6で検知された前方の道路状況は、制御手段8に出力される。
自車両位置検知手段7は、道路の幅方向に対する自車両の位置を検知するものである。自車両位置検知手段7は、車両検知手段4や前方状況検知手段6と同様にミリ波レーダや車載カメラによって構成され、自動四輪車2の側方に設けられる。自車両位置検知手段7で検知された自車両位置情報は、制御手段8に出力される。詳細は後述するが、上記した自車両の位置に基づいて自車両の側方間隔が算出される。
制御手段8は、上記した車両検知手段4、路面状態検知手段5、前方状況検知手段6及び自車両位置検知手段7から出力される各種信号に基づいて、接近車両に対して路面状況を通知するか否かを制御するものである。制御手段8は、ECU(Electronic Control Unit)に備えられており、例えば各種処理を実行するプロセッサやメモリ等により構成される。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体で構成される。メモリには、接近車両に対して路面情報を通知するか否かの判定基準となる各種閾値が予め記憶されている。具体的に、閾値には、後続車両との車間距離や後続車両の接近速度、滑りやすい路面の広がり範囲等が含まれる。
通信手段9、10は、自車両周辺の車両と通信するものである。具体的に通信手段9、10は、図示しないアンテナや送受信部を備えており、他の通信手段との間で車車間通信するように構成されている。詳細は後述するが、通信手段9、10との間では、路面状態検知手段5によって検知された路面状態に基づく路面情報の送受信が行われる。
表示手段11は、通信手段10が受信した路面情報を表示するものである。表示手段11は、ディスプレイを有しており、例えば、スピードメータのディスプレイやナビゲーションシステムのディスプレイで構成される。また、通信手段10、表示手段11は、自動二輪車3の運転者が所有する携帯端末で構成されてもよい。この場合、携帯端末では、自動四輪車2と車車間通信するための専用アプリケーションを予めインストールしておくことが好ましい。
次に、図3から図6を参照して、本実施の形態に係る運転支援システムの路面状態発信フローについて説明する。図3は、自動四輪車が交差点を右折する際の上面図である。図4及び図5は、本実施の形態に係る運転支援システムの路面情報発信フローの一例を示す図である。図6は、道路の幅方向における自車両又は後続車両の位置を示す上面図である。なお、図3から図6においては、自車両が交差点を右折するために交差点内で一時停止する場合を例に挙げて説明する。
先ず、第1の例として、交差点を右折する場合について説明する。図3に示すように、自動四輪車2は、片側一車線の道路を直進し、前方の交差点を右折するために交差点の略中央で一時停止している。このとき、自動四輪車2に対して後方から自動二輪車3が接近している。このような状況を踏まえて、路面情報発信フローについて説明する。なお、以下のフローの各ステップにおいて、判定の主体は制御手段8とする。
図4に示すように、制御が開始されると、先ず路面状態検知手段5によって自動四輪車2(図1参照)の後方の路面状態が検知され、路面が滑りやすい状態かどうかが判定される(ステップST101)。具体的には、路面状態検知手段5の出力値に基づいて、路面が滑りやすい状態か判定される。例えば、路面状態検知手段5が水や雪、氷、砂等を検知した場合、路面が滑りやすい状態であると判定される。一方、路面状態検知手段5が上記した水等を検知しなかった場合、路面が滑りやすい状態ではないと判定される。
路面が滑りやすい状態ではないと判定された場合(ステップST101:NO)、路面情報を通知する必要が無いものとして制御は終了する。一方、路面が滑りやすいと判定された場合(ステップST101:YES)、滑りやすい路面の範囲が検知され、その範囲が閾値以上であるかどうかが判定される(ステップST102)。具体的に路面状態検知手段5は、滑りやすい路面が、自動四輪車2の後端から後方に向かってどれくらいの範囲L(図3参照)で広がっているかを検知する。そして、検知された範囲Lと閾値とが比較される。
滑りやすい路面の範囲Lが閾値より小さい場合(ステップST102:NO)、路面情報を通知する必要が無いものとして制御は終了する。一方、範囲Lが閾値以上である場合(ステップST102:YES)、後続車両の有無が判定される(ステップST103)。具体的には、車両検知手段4が後続車両を検知した場合、後続車両が有ると判定され、車両検知手段4が後続車両を検知しなかった場合、後続車両が無いと判定される。
後続車両が有ると判定された場合(ステップST103:YES)、さらに後続車両のタイプが判定される(ステップST104)。具体的には、車両検知手段4の出力値に基づいて車両の大きさ(車格)等が算出され、その算出結果に基づいて後続車両のタイプが判定される。車両の大きさが所定値(閾値)以上であれば、後続車両が自動四輪車であると判定され、車両の大きさが所定値未満であれば、後続車両が自動二輪車であると判定される。
後続車両が自動二輪車でないと判定された場合(ステップST104:NO)、路面情報を通知する必要が無いものとして制御は終了する。一方、後続車両が自動二輪車であると判定された場合(ステップST104:YES)、先に検知した路面状態を路面情報として後続車両に通知すると判定され、通信手段9によって当該路面情報が後続車両に発信される(ステップST105)。この結果、後続車両である自動二輪車3は、通信手段10で路面情報を受信し、表示手段11に路面情報が表示されて制御が終了する。よって、後続車両は表示手段11を介して前方の路面状態を認識することができ、適宜衝突回避行動をとることができる。
ステップST103において、後続車両が無いと判定された場合(ステップST103:NO)、自車両が交差点周辺等で停止しているかどうかが判定される(ステップST106)。具体的には、前方状況検知手段6によって自車両の前方状況が検知され、前方状況検知手段6の出力値や自社の速度に基づいて、自車両が交差点内又は交差点の周辺で停止したかどうかが判定される。
自車両が交差点周辺で停止する状況の例としては、信号が赤であるために停止する場合や、交差点で右折するために停止する場合等が考えられる。また、交差点周辺とは、道路の渋滞などでまた交差点内には侵入していないが、交差点の手前にいる状態を示している。例えば、前方の信号が赤であり、自車両の速度がゼロである場合には、交差点の周辺で停止していると判定される。また、前方の信号が青であり、自車両の速度が所定値以上である場合には、交差点周辺で停止しておらず、走行中であると判定される。
交差点周辺では停車していない、すなわち走行中であると判定された場合(ステップST106:NO)、路面状態を通知する必要が無いものとして制御は終了する。一方、交差点等で停車していると判定された場合(ステップST106:YES)、自車両の後方に接近車両が有るかどうかが判定される(ステップST107)。判定の方法は、ステップST103と同様である。接近車両が無いと判定された場合(ステップST107:NO)、路面状態を通知する必要が無いものとして制御は終了する。一方、接近車両が有ると判定された場合(ステップST107:YES)、図5に示すように、接近車両のタイプが判定される(ステップST108)。
接近車両のタイプの判定方法は、ステップST104と同様である。接近車両が自動二輪車でない場合(ステップST108:NO)、路面状態を通知する必要が無いものとして制御は終了する。一方、接近車両が自動二輪車である場合(ステップST108:YES)、接近車両が自車両と同じ方向へ右折(又は左折)するかどうかが判定される(ステップST109)。具体的には、車両検知手段4が後続車両のターンシグナルランプの点滅の有無を検知し、ターンシグナルランプの点滅の有無に基づいて後続車両の右左折の有無が判定される。
後続車両が自車両と同じ方向に曲がらないと判定された場合(ステップST109:NO)、自車両の側方(右折の場合は左方)を後続車両が通り抜けることができるかどうかが判定される(ステップST110)。すなわち、自車両の側方に後続車両が徐行して通過可能なスペースがあるかどうかが判定される。具体的には、自車両位置検知手段7により、道路の幅方向における自車両の位置が検知され、自車両の位置に基づいて、自車両の側方間隔Dが算出される(図6A参照)。そして、算出された側方間隔Dが所定値以上であれば、後続車両が自車両の側方を通過可能と判定される。
自車両の側方を後続車両が通過可能である(通過可能なスペースがある)と判定された場合(ステップST110:YES)、路面状態を通知する必要が無いものとして制御は終了する。一方、自車両の側方を後続車両が通過することができない(通過可能なスペースがない)と判定された場合(ステップST110:NO)、後続車両の車速が閾値以上であるかどうかが判定される(ステップST111)。ステップST109において、後続車両が自車両と同じ方向に曲がると判定された場合(ステップST109:YES)においても、同様にステップST111の処理に進む。
ステップST111では、車両検知手段4によって後続車両の速度が検知され、検知された速度と閾値とが比較される。後続車両の車速が閾値より小さい場合(ステップST111:NO)、後続車両がスリップ転倒する可能性が低いとして、制御は終了する。一方、後続車両の車速が閾値以上の場合(ステップST111:YES)、後続車両が自車両の幅方向の中心に対して対向車線側にいるかどうかが判定される(ステップST112)。
具体的には、図6Bに示すように、車両検知手段4によって後続車両の位置が検出され、自車両の幅方向の中心(車両前後方向に延びる中心線C)に対して後続車両が右側(対向車線側)か左側に位置しているのかが判定される。後続車両が対向車線側に位置していない場合(ステップST112:NO)、ステップST105と同様に、先に検知した路面状態を路面情報として後続車両に通知すると判定され、通信手段9によって当該路面情報が後続車両に対して発信される(ステップST113)。この結果、後続車両である自動二輪車3は、通信手段10で路面情報を受信し、表示手段11に路面情報が表示される。これにより、後続車両は表示手段11を介して前方の路面状態を認識することができ、適宜衝突回避行動をとることができる。路面情報が通知されると制御は終了する。
後続車両が対向車線側に位置している場合(ステップST112:YES)、ステップST113と同様に、先に検知した路面状態を路面情報として後続車両に通知すると判定され、通信手段9によって当該路面情報が後続車両に対して発信される(ステップST114)。しかしながら、ステップST114では、ステップST113に比べて所定時間早めに路面情報の発信が行われる。後続車両が対向車線側に位置している場合は、仮に後続車両が自車両に追突すると、自車両又は後続車両が対向車線側にはみ出す可能性があるためである。このように、自車両の幅方向に対する後続車両の位置に基づいて路面情報の発信タイミングを調整することで、後続車両に対して早めに注意を促すことができる。この結果、後続車両は、適宜衝突回避行動をとることが可能になる。路面情報が発信された後は上記と同様に、後続車両に路面情報が通知され、制御が終了する。
次に、図7から図9を参照して、本実施の形態に係る運転支援システムの路面状態発信フローの他の例について説明する。図7は、自動四輪車が道路沿いの店舗に入るために右折する際の上面図である。図8及び図9は、本実施の形態に係る運転支援システムの路面情報発信フローの他の一例を示す図である。なお、図7から図9においては、自車両が道路沿いの店舗に右折して入るために道路の中央で一時停止する場合を例に挙げて説明する。また、図3から図6で説明したフローで共通する処理については適宜説明を省略する。
第2の例として、交差点の無い道路を右折する場合について説明する。図7に示すように、自動四輪車2は、片側一車線の道路を直進し、道路沿いの店舗12(右側)に右折して入るため、道路の途中で一時停止している。このとき、自動四輪車2に対して後方から自動二輪車3が接近している。このような状況を踏まえて、以下のフローについて説明する。
図8に示すように、制御が開始されると、先ず路面状態検知手段5によって自動四輪車2(図1参照)の後方の路面状態が検知され、路面が滑りやすい状態かどうかが判定される(ステップST201)。路面が滑りやすい状態ではないと判定された場合(ステップST201:NO)、路面情報を通知する必要が無いものとして制御は終了する。一方、路面が滑りやすいと判定された場合(ステップST201:YES)、滑りやすい路面の範囲L(図7参照)が検知され、その範囲Lが閾値以上であるかどうかが判定される(ステップST202)。
滑りやすい路面の範囲Lが閾値より小さい場合(ステップST202:NO)、路面情報を通知する必要が無いものとして制御は終了する。一方、範囲Lが閾値以上である場合(ステップST202:YES)、後続車両の有無が判定される(ステップST203)。後続車両が有ると判定された場合(ステップST203:YES)、さらに後続車両のタイプが判定される(ステップST204)。
後続車両が自動二輪車でないと判定された場合(ステップST204:NO)、路面情報を通知する必要が無いものとして制御は終了する。一方、後続車両が自動二輪車であると判定された場合(ステップST204:YES)、先に検知した路面状態を路面情報として後続車両に通知すると判定され、通信手段9によって当該路面情報が後続車両に発信される(ステップST205)。この結果、後続車両である自動二輪車3は、通信手段10で路面情報を受信し、表示手段11に路面情報が表示されて制御が終了する。
ステップST203において、後続車両が無いと判定された場合(ステップST203:NO)、自車両が道路幅の半分以上を塞いだ状態で停止しているかどうかが判定される(ステップST206)。具体的には、自車両位置検知手段7によって道路の幅方向における自車両の位置が検知され、自車両位置検知手段7の出力値や自車両の速度に基づいて、自車両が道路幅の半分以上を塞いだ状態で停止したかどうかが判定される。自車両が道路幅の半分以上を塞いだ状態で停止する状況の例としては、自車両が道路沿いの店舗に立ち寄るための右左折する場合等が考えられる。
自車両が道路幅の半分以上を塞いだ状態で停止していないと判定された場合(ステップST206:NO)、路面情報を通知する必要が無いものとして制御は終了する。自車両が道路幅の半分以上を塞いでいない場合には、自車両の側方の道幅を後続車両が減速せずに容易に通過することができると考えられるためである。
自車両が道路幅の半分以上を塞いだ状態で停止していると判定された場合(ステップST206:YES)、自車両の後方に接近車両が有るかどうかが判定される(ステップST207)。接近車両が無いと判定された場合(ステップST207:NO)、路面状態を通知する必要が無いものとして制御は終了する。一方、接近車両が有ると判定された場合(ステップST207:YES)、図9に示すように、接近車両のタイプが判定される(ステップST208)。
接近車両が自動二輪車でない場合(ステップST208:NO)、路面情報を通知する必要が無いものとして制御は終了する。一方、接近車両が自動二輪車である場合(ステップST208:YES)、自車両の側方(右折の場合は左方)を後続車両が通り抜けることができる(通過可能なスペースがある)かどうかが判定される(ステップST209)。自車両の側方を後続車両が通過可能である(通過可能なスペースがある)と判定された場合(ステップST209:YES)、路面情報を通知する必要が無いものとして制御は終了する。一方、自車両の側方を後続車両が通過することができない(通過可能なスペースがない)と判定された場合(ステップST209:NO)、後続車両の車速が閾値以上であるかどうかが判定される(ステップST210)。
後続車両の車速が閾値より小さい場合(ステップST210:NO)、後続車両がスリップ転倒する可能性が低いとして、制御は終了する。一方、後続車両の車速が閾値以上の場合(ステップST210:YES)、後続車両が自車両の幅方向の中心(車両前後方向に延びる中心線C)に対して対向車線側にいるかどうかが判定される(ステップST211)。後続車両が対向車線側に位置していない場合(ステップST211:NO)、ステップST205と同様に、先に検知した路面状態を路面情報として後続車両に通知すると判定され、通信手段9によって当該路面情報が後続車両に対して発信される(ステップST212)。この結果、後続車両である自動二輪車3は、通信手段10で路面情報を受信し、表示手段11に路面情報が通知されて制御が終了する。
後続車両が対向車線側に位置している場合(ステップST211:YES)、ステップST212と同様に、先に検知した路面状態を路面情報として後続車両に通知すると判定され、通信手段9によって当該路面情報が後続車両に対して発信される(ステップST213)。ステップST213では、ステップST212に比べて所定時間早めに路面情報の発信が行われる。これにより、後続車両に対して早めに注意を促すことができ、適宜衝突回避行動をとることが可能になる。路面情報が発信された後は上記と同様に、後続車両に路面情報が通知されて制御が終了する。
以上のように、本実施の形態によれば、自車両(自動四輪車2)と自車両に接近する対象(自動二輪車3)との距離及び対象の速度、さらには路面状態を考慮して接近する対象に対して路面情報を通知することができる。この結果、自車両に接近する対象に対し、路面状態に応じて適切に注意を促すことができる。例えば、後続車両の運転者に対して車間距離を空けるように促すことで、衝突事故を未然に防ぐことができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記した実施の形態においては、自車両として自動四輪車2を例にして説明したが、この構成に限定されない。自車両は、自動二輪車等、他のタイプの車両であってもよい。
また、上記した実施の形態においては、自車両に接近する対象として、自動二輪車3を例にして説明したが、この構成に限定されない。自車両に接近する対象は、例えば、自転車や自動三輪車等であってもよい。
また、上記した実施の形態では、自車両に対して後方から車両が接近する場合について説明したが、この構成に限定されない。例えば、自車両の側方や前方から対象が接近する場合にも適用可能である。この場合、車両検知手段4の位置を適宜変更することが好ましい。
また、上記した実施の形態では、路面状態を通信手段9、10、表示手段11を用いて通知する構成としたが、この構成に限定されない。例えば、路面状態を「路面が雨で滑りやすくなっています」等のように、直接音声等の音でアナウンスすることで、路面情報を後続車両に通知してもよい。
また、上記した実施の形態では、後続車両に路面情報を通知する構成としたが、この構成に限定されない。対向車両に路面情報を通知してもよい。これにより、対向車両に対しても注意を促すことが可能となる。
また、上記した実施の形態では、自車両が交差点又は道路の中央で右左折のために停止したときに後続車両が接近する場合を例にして説明したが、この構成に限定されない。例えば、走行中(減速中)の自車両に対して後続車両が接近する場合にも適用可能である。
また、上記した実施の形態では、自車両の幅方向の中心(車両前後方向に延びる中心線C)に対する後続車両の位置に応じて、路面情報の発信タイミングを調整する構成としたが、この構成に限定されない。自車両の幅方向における後続車両の位置に応じて、発信する情報の種類を変えてもよい(例えば、対向車線にはみ出す可能性がある等の情報)。その他、表示手段11の表示色を変えたり、合わせて音を発するようにしてもよい。
また、上記した実施の形態では、片道一車線の道路を走行する例を示したが、この構成に限定されない。片道二車線以上の道路を走行する場合であっても適用可能である。