JP6659471B2 - 排ガス処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体デバイス、液晶、LED等を製造する製造装置等から排出される排ガスを燃焼処理して無害化する排ガス処理装置に関するものである。
半導体製造装置からはシランガス(SiH)、或いはハロゲン系のガス(NF,ClF,SF,CHF,C,CF)等の有害ガスを含むガスが排出されるが、このような排ガス(処理ガス)は、そのままでは大気に放出することはできない。そこで、これらの排ガスを除害装置に導いて、燃焼による酸化無害化処理を行うことが一般に行われている。この処理方法としては、燃料ガスを用いて炉内に火炎を形成し、排ガス処理を行う燃焼式排ガス処理装置が広く採用されている。
半導体産業や液晶産業向け燃焼式排ガス処理装置は、燃料と支燃性ガス(酸素含有ガス)とを混合して燃料を燃焼させて火炎を形成し、火炎に処理ガスを混合しガス処理を行うため、燃焼処理副生成物として多量の粉塵(主としてSiO)の発生や多量の酸性ガスの発生が見込まれる。
燃焼処理副生成物として多量の粉塵(主としてSiO)は、有害ガスの燃焼開始とともに発生し燃焼室内の内壁に堆積し、燃焼時間の経過とともにその付着面積、厚みが増加する。その結果、有害ガスと燃料ガス、空気、酸素等との均一な混合が妨げられて完全燃焼が阻害され、燃焼温度の低下、処理対象の有害ガスの分解率の低下を生じるだけでなく、粉化物の堆積量が多大な場合は失火する恐れがある。そのため、燃焼室の内壁面に付着堆積した粉体を除去するため、スクレーパなどの機構を追加することで、燃焼室の内壁面を定期的に掻き取ることが必要であった。
特許文献1には、スクレーパなどの粉体を掻き取る機構を必要としない燃焼式排ガス処理装置が記載されている。特許文献1の燃焼式排ガス処理装置においては、処理対象排ガスの燃焼処理部は、内部に火炎を形成する排ガス処理用燃焼器(バーナ)と、排ガス処理用燃焼器の下側に設けられた筒体と、排ガス処理用燃焼器と筒体の間に設けられた水溜め部と、筒体の内壁面に水膜を形成する水膜形成機構とを備え、燃焼器において火炎を形成し、火炎の下流側に配置された筒体の内部の燃焼処理室で排ガスの燃焼処理(加熱処理)を行い、水溜め部に水の旋回流を形成することで、筒体の内壁面にらせん状の水膜を形成している。この特許文献1によると、筒体の内壁面に水膜を形成するので、水膜により断熱が施され、ステンレス鋼等の安価な材料を筒体に用いることができ、粉体が水膜により洗い流されて筒体の内壁面に付着せず、また腐食性ガスが水膜により洗い流され、筒体の内壁面が損傷しない、とされている。
一方、水膜を使用しない燃焼式排ガス処理装置は、火炎により1000℃以上に達する部位の熱損傷や処理ガス中のハロゲンによる腐食を防止するため、セラミック製の部品を燃焼処理部で使用していた。セラミックは耐熱性や耐腐食性はステンレス等の金属より優れているが、熱衝撃や水濡れに弱いという特性を持つため、水が接触する部位には用いることができない。
特許第4937886号公報
上述の特許文献1を含む従来の燃焼式排ガス処理装置においては、燃焼器において燃料(燃料ガス)と支燃性ガス(酸素含有ガス)とを混合して燃料を燃焼させて火炎を形成し、火炎の下流側に配置された筒体の内部の燃焼処理室において、形成した火炎に処理ガス(排ガス)を混合して処理ガスを加熱処理するようにしている。すなわち、燃焼器において火炎を先に形成し、この形成された火炎によって処理ガスを加熱処理するようにしている。
しかしながら、このような燃焼方式では、火炎を形成する部位に水が存在すると燃焼効率を低下させ、ひいては十分な排ガス処理性能を発揮できなくなる。そのため燃焼器には水膜を形成することができない部位が存在し、そこに粉体が堆積することとなる。このため燃焼器に最小限のセラミック製の部品を用いたり、スクレーパなどの粉体を除去する機構を追加する必要があるが、スクレーパ動作により大部分の粉体は掻き落とされるものの、一部の粉体は掻き落とされることなく燃焼器内壁面に押し固められ、スクレーパの上下動作を阻害することとなり、一定の周期で排ガス処理装置を停止してメンテナンスをすることが必要であった。
本発明者らは、先に特願2015−050041(2015年3月12日出願)の特許出願(未公開)において、燃料と支燃性ガスと処理ガスとを燃焼室の内周面の接線方向に向けて火炎の燃焼速度以上の流速で吹き込み、燃焼室内壁から浮いた三種混合の円筒状混合火炎を形成する断熱混焼方式の発明を提案した。この発明によれば、旋回遠心力により円筒状混合火炎の外側は温度が低く重い未燃の三種混合ガス、内側は温度が高く軽い燃焼後ガスの分布が形成される。したがって、円筒状混合火炎は、温度の低い未燃の三種混合ガスに覆われた自己断熱された状態となるため、放熱による温度低下がなく、燃焼効率の高いガス処理が行われる。
断熱混焼方式は、燃料と支燃性ガスと処理ガスの3種を混焼することで、自己断熱された火炎が形成されるため、円筒状火炎の外側、すなわち燃焼室の内壁に濡れ壁水を流しても水と高温の火炎は直接接触せず、燃焼効率を低下させることなく、濡れ壁の内側で混焼断熱火炎が形成できる。
本発明者らは、前記断熱混焼方式の特許出願(特願2015−050041)で提案されている燃焼方式において、処理ガス流入ポート部周辺および燃焼室天板への生成物付着を防止するため、燃焼室内の旋回力の主となる支燃性ガスに水を混入し、旋回力により、吹き込んだ水を処理ガスの流入ポート部周辺および天板に沿わして流すことで、付着した粉体を洗い流すことを着想し、本発明の創案に至ったものである。
すなわち、本発明は、排ガスを燃焼分解している間に、濡れ壁水を流すことができない処理ガス流入ポート部周辺および燃焼室天板に付着する生成物を水で洗い流すことで、メンテナンス周期を大幅に延長することができる排ガス処理装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の排ガス処理装置の一態様は、処理ガスを燃焼処理して無害化する排ガス処理装置において、処理ガスを燃焼する円筒状の燃焼室は、燃料と支燃性ガスと処理ガスとをそれぞれ燃焼室の内周面の接線方向に向けて吹き込む燃料用ノズルと支燃性ガス用ノズルと処理ガス用ノズルとを備え、前記支燃性ガス用ノズルに洗浄水供給配管を接続し、前記支燃性ガス用ノズルから支燃性ガスを洗浄水とともに前記燃焼室の内周面の接線方向に向けて吹き込むようにし、前記処理ガス用ノズルに第2洗浄水供給配管を接続し、前記処理ガス用ノズルから処理ガスを洗浄水とともに前記燃焼室の内周面の接線方向に向けて吹き込むようにしたことを特徴とする。洗浄水には、市水を用いるが、アルカリ水(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液)を用いてもよい。
本発明の好ましい態様によれば、前記支燃性ガス用ノズル内を流れる支燃性ガスに前記洗浄水供給配管から洗浄水を合流させることにより洗浄水を細粒化し、細粒化した洗浄水を含む支燃性ガスを前記燃焼室に吹き込むようにしたことを特徴とする
本発明の好ましい態様によれば、前記第2洗浄水供給配管にはキャリアガス供給配管が接続され、キャリアガスによって洗浄水を細粒化させるようにしたことを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記燃焼室には、前記燃料、支燃性ガスおよび処理ガスの吹き込み位置から前記燃焼室の軸線方向に離間した位置に、燃焼室の内周面に水膜を形成するための水供給ノズルが設置されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記燃料と支燃性ガスと処理ガスとをそれぞれ燃焼室の内周面の接線方向へ吹き込んで、前記燃料と支燃性ガスと処理ガスの3種混合の旋回流を形成することにより、前記燃焼室内に円筒状混合火炎を形成することを特徴とする。
本発明によれば、排ガスを燃焼分解して処理している間に、燃焼室の内壁に付着した生成物を水で洗い流すことにより、装置を長時間連続運転することが可能となる。
図1は本発明の排ガス処理装置の燃焼室の構成例を示す模式的断面図である。 図2は、図1のA部の拡大図である。 図3は、図1のIII−III線断面図である。
以下、本発明に係る排ガス処理装置の実施形態について図1乃至図3を参照して説明する。図1乃至図3において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明の排ガス処理装置の燃焼室の構成例を示す模式的断面図である。燃焼室1は、一端(図示例では上端)が閉塞され他端(図示例では下端)が開口した円筒容器状の燃焼室として構成されている。円筒容器状の燃焼室1には、閉塞端部近傍で燃料(燃料ガス)と支燃性ガス(酸素含有ガス)と処理ガス(排ガス)とが吹き込まれるようになっている。
図1に示すように、支燃性ガスには洗浄水を合流させ、洗浄水の水滴を含む支燃性ガスを燃焼室1に吹き込むようにしている。洗浄水には、市水を用いるが、アルカリ水(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液)を用いてもよい。また、処理ガスには洗浄水とキャリアガスとを合流させ、洗浄水の水滴とキャリアガスとを含む処理ガスを燃焼室1に吹き込むようにしている。燃料(燃料ガス)は単独で燃焼室1に吹き込まれる。燃焼室1の閉塞端部には、点火用のパイロットバーナ2が設置されており、パイロットバーナ2には燃料と空気が供給されるようになっている。なお、図1においては、燃焼室1の下方にある洗浄部などは図示を省略している。
図2は、図1のA部の拡大図である。図2に示すように、支燃性ガス用ノズル3Bには、洗浄水供給配管10が接続されており、支燃性ガスに洗浄水を合流させ、洗浄水の水滴を含む支燃性ガスを燃焼室1に吹き込むようにしている。支燃性ガス用ノズル3Bと洗浄水供給配管10とが合流する合流部での支燃性ガスの流速は数十m/sであり、この支燃性ガスの流れに洗浄水が合流する際に、洗浄水は細かい水滴となり(霧吹きと同じ原理による)、水滴は燃焼室内のガスの旋回流に乗って支燃性ガスポート周辺の壁面と燃焼室の天板を洗い流す。処理ガス用ノズルにも同様に洗浄水供給配管が接続されている(図示せず)。処理ガスの流速は数m/sと遅いため、洗浄水を細粒化するために流速十m/s以上のキャリアガスを用いる。すなわち、高速のキャリアガスに洗浄水を合流させて洗浄水を細粒化した後に、細かい水滴を含むキャリアガスを処理ガスに合流させて燃焼室1に吹き込むようにしている。キャリアガスのガス種は窒素を用いる。
図1に示すように、燃焼室1には、燃料、支燃性ガス、処理ガスが吹き込まれる位置よりやや下方の位置に、燃焼室1の内壁面上に濡れ壁(水膜)を形成するための水を供給する水供給ノズル5が設置されている。水供給ノズル5は、燃焼室1の側壁から半径方向外側に拡がっている水溜め部6に設置されている。水溜め部6は、燃焼室1の側壁より半径方向外側に延びて水溜め部6の底面を形成する環状の底板6aと、底板6aの外周端より略垂直方向に延びて水溜め部6の側壁を形成する円筒状の側板6bとから構成されている。水供給ノズル5は側板6bに固定されている。水供給ノズル5は水溜め部6の内周面の接線方向に向けて水を噴出するように配置されている。水供給ノズル5から水を水溜め部6の内周面の接線方向に向けて噴出することにより、水溜め部6には、半径方向外側から内側に向かって斜め下方に傾斜した水面を有する旋回流からなる水膜が形成される。そして、傾斜した水面を有する旋回流(水膜)の下端かつ半径方向内端、すなわち水溜め部6の底板6aの半径方向内端から水膜は燃焼室1の内壁に沿って流れ落ちていき、燃焼室1の内壁に濡れ壁(水膜)が形成される。
図3は、図1のIII−III線断面図である。図3に示すように、燃料を吹き込む燃料用ノズル3Aと、洗浄水の水滴を含む支燃性ガスを吹き込む支燃性ガス用ノズル3Bと、洗浄水の水滴とキャリアガスとを含む処理ガスを吹き込む処理ガス用ノズル3Cとが燃焼室1の内周面の接線方向に向けて設置されている。図3に示す例においては、燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bと処理ガス用ノズル3Cとは各1個ずつ設置されているが、各ノズル3A,3B,3Cの個数は、燃焼室のサイズや設置スペース等に応じて適宜変更可能であり、同一平面上に設置する燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bと処理ガス用ノズル3Cのセットを複数段設置することも可能である。この場合、燃料流量と支燃性ガス流量と処理ガス流量のバランスを変えることで、火炎の安定性を向上させることができる。燃料を吹き込む燃料用ノズル3Aと、支燃性ガスを吹き込む支燃性ガス用ノズル3Bと、処理ガスを吹き込む処理ガス用ノズル3Cは、円筒状の燃焼室1の軸線に直交する同一平面上に位置している。ここで、同一平面上に位置しているとは、3つのノズルの燃焼室内周面側の開口の一部が同一平面上に位置していることをいう。燃料用ノズル3A、支燃性ガス用ノズル3B、処理ガス用ノズル3Cの燃焼室内周面側の開口は、それぞれ燃料流入ポート、支燃性ガス流入ポート、処理ガス流入ポートと呼称する。
図3に示すように、燃料と、洗浄水の水滴を含む支燃性ガスと、洗浄水の水滴とキャリアガスとを含む処理ガスとを燃焼室1の内周面の接線方向に向けて吹き込むと、燃焼室1の内壁から浮いた三種混合の円筒状混合火炎が形成される。円筒状混合火炎は燃焼室1の軸線方向に沿って形成される。三種のガスを共に接線方向に吹き込むことで、旋回遠心力により円筒状混合火炎の外側は温度が低く重い未燃の三種混合ガス、内側は温度が高く軽い燃焼後ガスの分布が形成される。したがって、円筒状混合火炎は、温度の低い未燃の三種混合ガスに覆われた自己断熱された状態となるため、放熱による温度低下がなく、燃焼効率の高いガス処理が行われる。一方、水滴はガスよりも重いため、未燃の三種混合ガスよりもさらに壁面際を周回し(図3において点線の円で示す)、燃焼の障害にはならない。
粉体の生成物を発生させるガス(例えば、シラン)を処理すると、燃焼室の壁面に粉体が付着する。これは粉体がガスよりも重いため、遠心力で外側に押し付けられるためである。また処理ガス流入ポートは壁面に開いた穴であり、ポートからのガスの噴き出し速度も遅いため、粉体が溜まりやすい部位である。この処理ガス流入ポートやその周辺、および燃焼室1の天板等の粉体が溜まりやすい部位に、上述したように水滴が周回する(図3において点線の円で示す)。したがって、燃焼室1の天板および燃焼室1の上部内壁に付着した生成物を水で洗い流すことができる。燃焼室1の上部内壁を洗い流した水は、燃焼室1の内壁に沿って流れ落ちていき、水溜め部6において形成された旋回流からなる水膜と合流する。
本発明者らは、シランガスの処理試験を洗浄水なしの場合と洗浄水ありの場合で行い、ガス処理後の燃焼室内への粉体の付着状況の比較を行った。
洗浄水なしで或る一定時間処理運転を行い、SiOの粉体が燃焼室壁面に厚さ3mm、処理ガス流入ポートに厚さ5mmで付着することを確認した。
次に、支燃性ガス流入ポートおよび処理ガス流入ポートから洗浄水を流して同一時間処理運転を行い、洗浄水を流していてもガス処理性能が低下しないことを確認し、かつ処理運転後の燃焼室壁面や処理ガス流入ポートへの粉体付着が0.1mm以下の厚さであることを確認した。
次に、燃焼室1における処理ガス(排ガス)を処理するための三種混合の円筒状混合火炎について説明する。
図1乃至図3に示すように構成された燃焼室1において、燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bと処理ガス用ノズル3Cとから、燃料と支燃性ガスと処理ガスとを燃焼室1の内周面の接線方向に向けて、火炎の燃焼速度以上の流速で吹き込む。これにより、燃焼室1の内壁から浮いた三種混合の円筒状混合火炎が形成される。円筒状混合火炎は燃焼室1の軸線方向に沿って形成される。三種のガスを共に接線方向に吹き込むことで、旋回遠心力により円筒状混合火炎の外側は温度が低く重い未燃の三種混合ガス、内側は温度が高く軽い三種混合の燃焼後ガスの分布が形成される。したがって、円筒状混合火炎は、温度の低い未燃の三種混合ガスに覆われた自己断熱された状態となるため、放熱による温度低下がなく、燃焼効率の高いガス処理が行われる。上述したように、支燃性ガスおよび処理ガスには、それぞれ細かい水滴が含まれているが、水滴はガスよりも重いため、未燃の三種混合ガスよりもさらに壁面際を周回し、燃焼の障害にはならない。また、処理ガスは通常Nガス等により希釈されて排ガス処理装置へ流入するので、このNガスを含む処理ガスを燃料と支燃性ガスと混焼することで、緩慢な燃焼となり、局所的な高温部が形成されないため、NOxの発生が抑制される。
また、Nガスを含む処理ガスを燃料と支燃性ガスと混焼することで、円筒状となる火炎の径が小さくなり、燃焼室1の内壁面温度が低下する。すなわち、本燃焼方式の特徴である火炎の断熱性が促進されるため、図1に示すように、燃焼室1の内壁面に濡れ壁(水膜)を形成しても火炎および火炎内側の燃焼ガス温度が低下することはない。そして、燃焼後に生成されるSiO等の粉体は、ガス旋回流の遠心力により外側の濡れ壁水に捕集され下部へ洗い流されるため、燃焼室1の内壁面に堆積せず、また燃焼室で大部分の粉体が濡れ壁水に捕集されることとなるため、排ガス処理装置のスクラバー性能(粉体除去性能)が向上する。腐食性ガスも濡れ壁水により洗い流され、燃焼室1の内壁面の腐食を防止できる。さらに、濡れ壁水により燃焼室1の内壁面は低温に保たれるため、熱損傷することはなく、ステンレス鋼等の安価な材料で燃焼室1を構成することができ、製造コストを低減出来る。
処理ガスの燃焼室1への流入量により、処理ガス(主成分の一つにNガスを含む),燃料ガス,支燃性ガスの三種の混合気の組成を燃焼範囲としつつ、ガス処理に必要なガス温度を確保することができる適切な燃料および支燃性ガスの流量を設定する。三種の組成と燃焼範囲との関係を燃料ガスをプロパンとした場合で説明する。支燃性ガスが純酸素で、処理ガスのNがない場合、混合気に対するプロパン成分%が、燃焼の下限界は2%で、上限界は40%である。支燃性ガスを空気(NとOの組成比は79:21)とした場合、混合気に対するプロパン成分%が、燃焼の下限界は2%で上限界は10%であることが知られている。これに処理ガスの主となるNが加わり、例えばNとOの組成比が、85:15となった場合、混合気に対するプロパン成分%が、燃焼の下限界は2%で上限界は6%であることが知られている。なお、燃料ガス(燃料)が都市ガス、天然ガス等の他のガスの場合には、プロパンが燃料ガスである場合と同様の手法により混合気の燃焼範囲を求めればよい。すなわち、燃料ガスと支燃性ガス(酸素と空気)と処理ガスのNの混合気の組成と燃焼範囲の関係をもとに調整することができる。同一平面上に設置する燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bと処理ガス用ノズル3Cのセットを例えば、2段設置した場合、燃料流量と支燃性ガス流量と処理ガス流量のバランス(組成比)を変え、例えば上段側の処理ガス流入量を減らし、下段側を増やすことで、火炎の安定性を向上させることができる。
図1乃至図3に示す実施形態では、燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bと処理ガス用ノズル3Cとが円筒状の燃焼室1の軸線に直交する同一平面上に位置している場合を説明したが、3つのノズル3A,3B,3Cが燃焼室1の軸線方向にずれて配置されている場合であっても、下記の(1)および(2)の条件を満たせば、燃焼室1の内壁から浮いた三種混合の円筒状混合火炎を形成することができる。なお、各ノズル3A,3B,3Cは複数に分割して、燃焼室1の円周方向に離間させて配置しても良い。
(1)燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bと処理ガス用ノズル3Cとが燃料(燃料ガス)と支燃性ガスと処理ガスとをそれぞれ燃焼室の内周面の接線方向へ吹き込んで、燃料と支燃性ガスと処理ガスの三種混合の旋回流を形成する。
(2)燃焼室に吹き込まれる燃料(燃料ガス)と支燃性ガスと処理ガスのうち、少なくとも1つのガスが燃焼室に最後に吹き込まれて三種混合の旋回流が形成されたときに、三種の混合気の組成が燃焼範囲に到達する。
上記(1)および(2)の条件を満たすことにより、燃焼室1の内壁から浮いた三種混合の円筒状混合火炎を形成することができるが、三種混合の円筒状混合火炎が形成された後においては、燃料用ノズル3A、支燃性ガス用ノズル3B、処理ガス用ノズル3Cの下流側(後段)に、さらに燃料用ノズル3Aおよび処理ガス用ノズル3Cを設け、これらのノズルから燃料と処理ガスを吹き込むことにより、燃焼温度を向上させ、ガス処理性能を向上させることもできる。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
1 燃焼室
2 パイロットバーナ
3A 燃料用ノズル
3B 支燃性ガス用ノズル
3C 処理ガス用ノズル
5 水供給ノズル
6 水溜め部
10 洗浄水供給配管

Claims (5)

  1. 処理ガスを燃焼処理して無害化する排ガス処理装置において、
    処理ガスを燃焼する円筒状の燃焼室は、燃料と支燃性ガスと処理ガスとをそれぞれ燃焼室の内周面の接線方向に向けて吹き込む燃料用ノズルと支燃性ガス用ノズルと処理ガス用ノズルとを備え、
    前記支燃性ガス用ノズルに洗浄水供給配管を接続し、前記支燃性ガス用ノズルから支燃性ガスを洗浄水とともに前記燃焼室の内周面の接線方向に向けて吹き込むようにし
    前記処理ガス用ノズルに第2洗浄水供給配管を接続し、前記処理ガス用ノズルから処理ガスを洗浄水とともに前記燃焼室の内周面の接線方向に向けて吹き込むようにしたことを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 前記支燃性ガス用ノズル内を流れる支燃性ガスに前記洗浄水供給配管から洗浄水を合流させることにより洗浄水を細粒化し、細粒化した洗浄水を含む支燃性ガスを前記燃焼室に吹き込むようにしたことを特徴とする請求項1記載の排ガス処理装置。
  3. 前記第2洗浄水供給配管にはキャリアガス供給配管が接続され、キャリアガスによって洗浄水を細粒化させるようにしたことを特徴とする請求項記載の排ガス処理装置。
  4. 前記燃焼室には、前記燃料、支燃性ガスおよび処理ガスの吹き込み位置から前記燃焼室の軸線方向に離間した位置に、燃焼室の内周面に水膜を形成するための水供給ノズルが設置されていることを特徴とする請求項1記載の排ガス処理装置。
  5. 前記燃料と支燃性ガスと処理ガスとをそれぞれ燃焼室の内周面の接線方向へ吹き込んで、前記燃料と支燃性ガスと処理ガスの3種混合の旋回流を形成することにより、前記燃焼室内に円筒状混合火炎を形成することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の排ガス処理装置。
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