JP6659461B2 - 排ガス処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体デバイス、液晶、LED等を製造する製造装置等から排出される排ガスを燃焼処理して無害化する排ガス処理装置に関するものである。
半導体製造装置からはシランガス(SiH)、或いはハロゲン系のガス(NF,ClF,SF,CHF,C,CF)等の有害ガスを含むガスが排出されるが、このような排ガス(処理ガス)は、そのままでは大気に放出することはできない。そこで、これらの排ガスを除害装置に導いて、燃焼による酸化無害化処理を行うことが一般に行われている。この処理方法としては、燃料ガスを用いて炉内に火炎を形成し、排ガス処理を行う燃焼式排ガス処理装置が広く採用されている。
半導体産業や液晶産業向け燃焼式排ガス処理装置は、燃料と支燃性ガス(酸素含有ガス)とを混合して燃料を燃焼させて火炎を形成し、火炎に処理ガスを混合しガス処理を行うため、燃焼処理副生成物として多量の粉塵(主としてSiO)の発生や多量の酸性ガスの発生が見込まれる。従来の燃焼酸化方式として、LNGと純酸素を用い高温の純酸素火炎を形成し、高温の純酸素火炎で処理ガスを加熱して分解する方法が知られている。純酸素燃焼の特性上高い火炎温度により排気ガスに含まれる窒素が分解され、大量の窒素酸化物(NOx)を付加的に生成する問題点を有している。
また、純酸素を用いず、空気により火炎を形成し、火炎に処理ガスを混合し比較的低温で処理ガスを加熱する方法も知られている。この場合、窒素酸化物(NOx)の発生は抑制されるが、高温の火炎が必要なPFCsなどの難分解性ガスの分解性能は低下する。また火炎が低温であるために、COが発生する問題を有している。
また、燃焼式排ガス処理装置においては、定期的に燃焼室の内壁面に付着堆積した粉体の除去メンテナンスが必要となるが、付着堆積した粉体をスクレーパーなどの機構を追加することで、燃焼室の内壁面を定期的に掻き取ることが必要であった。
特許文献1には、スクレーパーなどの粉体を掻き取る機構を必要としない燃焼式排ガス処理装置が記載されている。特許文献1の燃焼式排ガス処理装置においては、処理対象排ガスの燃焼処理部は、内部に火炎を形成する排ガス処理用燃焼器(バーナ)と、排ガス処理用燃焼器の下側に設けられた筒体と、排ガス処理用燃焼器と筒体の間に設けられた水溜め部と、筒体の内壁面に水膜を形成する水膜形成機構とを備え、燃焼器において火炎を形成し、火炎の下流側に配置された筒体の内部の燃焼処理室で排ガスの燃焼処理(加熱処理)を行い、水溜め部に水の旋回流を形成することで、筒体の内壁面にらせん状の水膜を形成している。この特許文献1によると、筒体の内壁面に水膜を形成するので、水膜により断熱が施され、ステンレス鋼等の安価な材料を筒体に用いることができ、粉体が水膜により洗い流されて筒体の内壁面に付着せず、また腐食性ガスが水膜により洗い流され、筒体の内壁面が損傷しない、とされている。
特許第4937886号公報
本発明者らは、先に特願2015−050041(2015年3月12日出願)の特許出願(未公開)において、燃料と支燃性ガスと処理ガスとを燃焼室の内周面の接線方向に向けて火炎の燃焼速度以上の流速で吹き込み、燃焼室内壁から浮いた三種混合の円筒状混合火炎を形成する断熱混焼方式の発明を提案した。この発明によれば、燃料と支燃性ガスと処理ガスを燃焼室の内周面の接線方向に吹き込むことにより、燃料と支燃性ガスと処理ガスの三種を混焼して燃焼効率の高いガス処理を行うことができ、サーマルNOxの発生やCOの発生を抑制することができる。同発明においては、燃料、支燃性ガスおよび処理ガスの吹き込み位置から燃焼室の軸線方向に離間した位置に、燃焼室の内周面に水膜を形成するための水供給ノズルが設置されている。
断熱混焼方式において、三種混合の円筒状混合火炎の外側において燃焼室の内壁面(内周面)に水膜(濡れ壁)を形成した場合、水膜に処理ガスの一部が接触する。
処理ガスにジクロロシラン(SiHCl)のように、水と反応して固形物を生成する物質が含まれる場合、水膜を形成するための水供給ノズルの周辺部品上の不完全な水膜で濡らされる部分に固形物が付着成長し、燃焼室を閉塞させる可能性がある。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、燃焼式排ガス処理装置において水と反応して固形物を生成する物質を処理する際に、固形物の付着による燃焼室の閉塞を防止することができる排ガス処理装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の排ガス処理装置の一態様は、処理ガスを燃焼処理して無害化する排ガス処理装置において、一端が閉塞され他端が開口した円筒容器状をなし、処理ガスを燃焼する燃焼室と、前記燃焼室の上部壁面に設置され、燃焼室の内周面に水膜を形成するための水供給ノズルと、前記燃焼室の内周面に形成される水膜の上端部およびその周辺に向けてパージガスを吹き込むパージガス吹き込み部とを備え、前記水供給ノズルは、前記燃焼室の側壁から半径方向外側に拡がっている水溜め部に設置され、前記水溜め部は、前記燃焼室の側壁より半径方向外側に延びて水溜め部の底面を形成する環状の底板と、前記底板の外周端より略垂直方向に延びて水溜め部の側壁を形成する円筒状の側板とから構成され、前記水溜め部の底面を形成する前記底板は、外周側から内周側の端部まで平坦になっており、前記水膜は平坦な前記底板の内周側の端部から前記燃焼室の内壁に沿って流れ落ちることを特徴とする。
発明の好ましい態様によれば、前記水供給ノズルは、前記水溜め部の内周面の接線方向に向けて水を噴出することにより、前記水溜め部内に旋回流の水膜を形成することを特徴とする。
発明の好ましい態様によれば、前記パージガス吹き込み部は、前記水供給ノズルの上方に配置された円筒状の部材からなり、前記円筒状の部材は、円形溝と、該円形溝にパージガスを噴出するパージガスノズルとを備え、前記円形溝の開口部からパージガスを円環状に吹き出すようにしたことを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記円形溝の開口部は、前記円形溝の溝幅と略同一寸法の下端開口からなるか、または前記円形溝に連通する環状スリットからなることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記パージガスノズルは、パージガスを前記円形溝の外周側の面の接線方向に向けて噴出することを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記パージガスは、空気又は窒素であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記燃焼室は、燃料と支燃性ガスと処理ガスとをそれぞれ燃焼室の内周面の接線方向に向けて吹き込む燃料用ノズルと支燃性ガス用ノズルと処理ガス用ノズルとを備え、前記燃料用ノズルと支燃性ガス用ノズルと処理ガス用ノズルは、燃料と支燃性ガスと処理ガスとをそれぞれ燃焼室の内周面の接線方向に向けて吹き込んで、前記燃料と支燃性ガスと処理ガスの三種混合の旋回流を形成することを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記燃料と支燃性ガスと処理ガスの三種混合の旋回流により、前記燃焼室内に円筒状混合火炎を形成することを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記円筒状混合火炎の旋回力により、前記燃焼室の内周面上の水膜を旋回させることを特徴とする。
本発明によれば、燃焼室の内周面に形成される水膜の上端部の周辺雰囲気をパージガスで置換することにより、不完全な水膜で濡らされる部分に処理ガスが接触しなくなるため、水供給ノズルやその周辺部品等の部品表面で処理ガスが水と反応して固形物が生成されることを防止でき、固形物の付着を防止できる。
本発明の排ガス処理装置の燃焼室の構成例を示す模式的断面図である。 図2は、図1のII−II線断面図である。 図3は、図1のIII−III線断面図である。 図4は、パージガス吹き込み部の変形例を示す図であり、図1において点線で示すB部の拡大図である。 図5(a),(b)は、水溜め部に堰を設けた場合(図5(a))と堰を設けない場合(図5(b))を比較する図である。 図6(a),(b)は、水溜め部に濡れ壁水の旋回流を形成するための構成を示す図であり、図6(a)は図1のVI(a)−VI(a)線断面図、図6(b)は図6(a)のVI(b)−VI(b)矢視図である。
以下、本発明に係る排ガス処理装置の実施形態について図1乃至図6を参照して説明する。図1乃至図6において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明の排ガス処理装置の燃焼室の構成例を示す模式的断面図である。燃焼室1は、一端(図示例では上端)が閉塞され他端(図示例では下端)が開口した円筒容器状の燃焼室として構成されている。円筒容器状の燃焼室1には、閉塞端部近傍で燃料(燃料ガス)と支燃性ガス(酸素含有ガス)と処理ガス(排ガス)とが吹き込まれるようになっている。燃焼室1の閉塞端部には、点火用のパイロットバーナ2が設置されており、パイロットバーナ2には燃料と空気が供給されるようになっている。なお、図1においては、燃焼室1の下方にある洗浄部などは図示を省略している。
図2は、図1のII−II線断面図である。図2に示すように、燃料を吹き込む燃料用ノズル3Aと、支燃性ガスを吹き込む支燃性ガス用ノズル3Bと、処理ガスを吹き込む処理ガス用ノズル3Cとが燃焼室1の内周面の接線方向に向けて設置されている。図2に示す例においては、燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bは各1個ずつ設置され、処理ガス用ノズル3Cは2個設置されているが、各ノズル3A,3B,3Cの個数は、燃焼室のサイズや設置スペース等に応じて適宜変更可能であり、同一平面上に設置する燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bと処理ガス用ノズル3Cのセットを複数段設置することも可能である。この場合、燃料流量と支燃性ガス流量と処理ガス流量のバランスを変えることで、火炎の安定性を向上させることができる。燃料を吹き込む燃料用ノズル3Aと、支燃性ガスを吹き込む支燃性ガス用ノズル3Bと、処理ガスを吹き込む処理ガス用ノズル3Cは、円筒状の燃焼室1の軸線に直交する同一平面上に位置している。ここで、同一平面上に位置しているとは、3つのノズルの燃焼室内周面側の開口の一部が同一平面上に位置していることをいう。
図1に示すように、燃焼室1には、燃料、支燃性ガス、処理ガスが吹き込まれる位置よりやや下方の位置に、燃焼室1の内壁面上に濡れ壁(水膜)を形成するための水を供給する水供給ノズル5が設置されている。水供給ノズル5は、燃焼室1の側壁から半径方向外側に拡がっている水溜め部6に設置されている。水溜め部6は、燃焼室1の側壁より半径方向外側に延びて水溜め部6の底面を形成する環状の底板6aと、底板6aの外周端より略垂直方向に延びて水溜め部6の側壁を形成する円筒状の側板6bとから構成されている。水供給ノズル5は側板6bに固定されている。水供給ノズル5は水溜め部6の内周面の接線方向に向けて水を噴出するように配置されている。水供給ノズル5から水を水溜め部6の内周面の接線方向に向けて噴出することにより、水溜め部6には、半径方向外側から内側に向かって斜め下方に傾斜した傾斜した水面を有する旋回流からなる水膜が形成される。そして、傾斜した水面を有する旋回流(水膜)の下端かつ半径方向内端、すなわち水溜め部6の底板6aの半径方向内端から水膜は燃焼室1の内壁に沿って流れ落ちていき、燃焼室1の内壁に濡れ壁(水膜)が形成される(この点については、後に詳述する)。
図1に示すように、水溜め部6の上方には、内部に円形溝7gを有したパージガス吹き込み部7が設けられている。パージガス吹き込み部7は短い円筒からなり、パージガス吹き込み部7の内周面は燃焼室1の内周面と略同一径に設定され、パージガス吹き込み部7の外周面は水溜め部6の外周面と略同一径に設定されている。パージガス吹き込み部7には、パージガスを円形溝7gに吹き込む複数のノズル7nが円周方向に間隔をおいて形成されている。ノズル7nから円形溝7gにパージガスが吹き込まれ、パージガスは円周溝7gの下端開口から下方に噴出するようになっている。パージガスには空気又は窒素が用いられる。
図3は、図1のIII−III線断面図である。図3に示すように、パージガスを吹き込むノズル7nが前記円形溝7gの外周側の面の接線方向に向けて設置されている。ノズル7nからパージガスを円形溝7gの外周側の面の接線方向に向けて吹き込むことにより、パージガスは円形溝7gの全周に充満して円形溝7gの下端開口の全周から下方に円環状に吹き出す。このように、円形溝7gからパージガスを円環状に吹き出すことにより、濡れ壁水の上端部及びその近傍(すなわち、水溜め部6に形成されている水の旋回流(水膜)の上端部及びその近傍)の周辺雰囲気をパージガス(空気又は窒素)で置換することができる。図3に示す例においては、ノズル7nは2カ所設置されているが、ノズルの個数は、燃焼室1のサイズや設置スペース等に応じて適宜変更可能である。
図4は、パージガス吹き込み部7の変形例を示す図であり、図1において点線で示すB部の拡大図である。図1に示す例においては、パージガス吹き込み部7は円形溝7gを有し、円形溝7gの下端開口は溝幅と同一の寸法を有していたが、図4に示す例においては、パージガス吹き込み部7の円形溝7gの開口を細いスリット7sにしている。ノズル7nは図3に示すものと同様である。図4に示すように、円形溝7gの開口を細いスリット7sにすることにより、円環状に吹き出すパージガスの半径方向の幅を狭くすることができる。
パージガスの流量は少なすぎると効果が無く、多すぎると濡れ壁の水を撥ね飛ばしてしまい、処理ガスが水と反応してできる固形物が、図1においてCやDの位置に付着することを防止できないので、適正な流量に調整する必要がある。また濡れ壁上端で水が堰を越流して水膜を形成する構造になっていると、堰とパージガスに挟まれた位置の水膜から水撥ねが起こる現象が見られた。
図5および図6は、上記水撥ね対策として堰をなくしつつ、濡れ壁を確実に形成する方法を説明するための図である。
図5(a),(b)は、水溜め部6に堰を設けた場合(図5(a))と堰を設けない場合(図5(b))を比較する図である。図5(a)に示す例においては、水溜め部6の底板6aの内端部に堰6wを設けているため、水が堰6wを越流する際にパージガスでせん断される形となり、流れが乱れて水撥ねが起こっている。これに対し、図5(b)に示す例においては、水溜め部6の底板6aの外周側から内周側の端部まで平坦になっているため、半径方向外側から内側に向かって斜め下方に向かって傾斜した水面を有する旋回流からなる水膜が形成され、パージガスが水面に当たっても、その部分がくぼむだけで水の流れは阻害されず、水は撥ねない。
図6(a),(b)は、水溜め部6に濡れ壁水の旋回流を形成するための構成を示す図であり、図6(a)は図1のVI(a)−VI(a)線断面図、図6(b)は図6(a)のVI(b)−VI(b)矢視図である。
図6(a)に示すように、濡れ壁水は、水溜め部6の側板6bの内周の接線方向に設置されたノズル5からある流速で供給され、その運動エネルギーによって水溜め部6の壁面内周に沿って流れる。濡れ壁水は円周上を移動するために遠心力が働き、図6(b)に示すように側板6bの壁面に沿って周回を続けようとする一方で、水は連続して供給されるため、1周目,2周目,3周目と周回を重ねるほど上に押し上げられていく。ただし周回するにつれて摩擦により運動エネルギーが小さくなっていき、同時に遠心力も弱まるので、上に押し上げられた水は重力によって円周の内側に向けて流れ落ちていく。このようにして水撥ねが上がらず、途切れることのない、半径方向外側から内側に向かって斜め下方に傾斜した水面を有する水膜が形成される。この傾斜した水面を有する水膜は、図1に示すように、水溜め部6の底板6aの内端から燃焼室1の内壁に沿って流れ落ちていき、燃焼室1の内壁に濡れ壁(水膜)が形成される。
次に、図1および図2に示すように構成された燃焼室1による処理ガス(排ガス)の処理例を説明する。
処理ガスの燃焼室1への流入量により、処理ガス(主成分が窒素で成分の一つがジクロロシラン),燃料ガス,支燃性ガスの三種の混合気の組成を燃焼範囲としつつ、ガス処理に必要なガス温度を確保することができる適切な燃料および支燃性ガスの流量を設定する。
パージガスを流さない場合でも、ジクロロシランを含む処理ガスを無害化することはできる。しかしその場合は処理運転を始めると、まずD部(図1参照)にジクロロシランが加水分解してできる固形物が付着する。これはD部が濡れ壁水で不定期に濡らされる部位であり、かつジクロロシランの処理が完了していない部位であるため、部品表面でジクロロシランの加水分解が起こるためである。D部に固形物が付着すると、その固形物が水を吸い込むため、固形物の表面で更に加水分解が起こり、これを繰り返して最終的にはDやCの部位が固形物で閉塞する。閉塞に至るまでの時間は処理ガス中のジクロロシランの濃度や絶対量によって異なる。
これに対して、パージガス吹き込み部7からパージガスを適正な流量で吹き込むことで、D部が濡れることを防止し、それによって固形物の付着を防止できるため、燃焼室1の閉塞を防ぐことができる。
次に、燃焼室1における処理ガス(排ガス)を処理するための三種混合の円筒状混合火炎について説明する。
図1および図2に示すように構成された燃焼室1において、燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bと処理ガス用ノズル3Cとから、燃料と支燃性ガスと処理ガスとを燃焼室1の内周面の接線方向に向けて、火炎の燃焼速度以上の流速で吹き込む。これにより、燃焼室1の内壁から浮いた三種混合の円筒状混合火炎が形成される。円筒状混合火炎は燃焼室1の軸線方向に沿って形成される。三種のガスを共に接線方向に吹き込むことで、旋回遠心力により円筒状混合火炎の外側は温度が低く重い未燃の三種混合ガス、内側は温度が高く軽い三種混合の燃焼後ガスの分布が形成される。したがって、円筒状混合火炎は、温度の低い未燃の三種混合ガスに覆われた自己断熱された状態となるため、放熱による温度低下がなく、燃焼効率の高いガス処理が行われる。また、処理ガスは通常Nガス等により希釈されて排ガス処理装置へ流入するので、このNガスを含む処理ガスを燃料と支燃性ガスと混焼することで、緩慢な燃焼となり、局所的な高温部が形成されないため、NOxの発生が抑制される。
また、Nガスを含む処理ガスを燃料と支燃性ガスと混焼することで、円筒状となる火炎の径が小さくなり、燃焼室1の内壁面温度が低下する。すなわち、本燃焼方式の特徴である火炎の断熱性が促進されるため、図1に示すように、燃焼室1の内壁面に濡れ壁(水膜)を形成しても火炎および火炎内側の燃焼ガス温度が低下することはない。そして、燃焼後に生成されるSiO等の粉体は、ガス旋回流の遠心力により外側の濡れ壁水に捕集され下部へ洗い流されるため、燃焼室1の内壁面に堆積せず、また燃焼室で大部分の粉体が濡れ壁水に捕集されることとなるため、排ガス処理装置のスクラバー性能(粉体除去性能)が向上する。腐食性ガスも濡れ壁水により洗い流され、燃焼室1の内壁面の腐食を防止できる。さらに、濡れ壁水により燃焼室1の内壁面は低温に保たれるため、熱損傷することはなく、ステンレス鋼等の安価な材料で燃焼室1を構成することができ、製造コストを低減出来る。
上述したように、処理ガスの燃焼室1への流入量により、処理ガス(主成分の一つにNガスを含む),燃料ガス,支燃性ガスの三種の混合気の組成を燃焼範囲としつつ、ガス処理に必要なガス温度を確保することができる適切な燃料および支燃性ガスの流量を設定する。三種の組成と燃焼範囲との関係を燃料ガスをプロパンとした場合で説明する。支燃性ガスが純酸素で、処理ガスのNがない場合、混合気に対するプロパン成分%が、燃焼の下限界は2%で、上限界は40%である。支燃性ガスを空気(NとOの組成比は79:21)とした場合、混合気に対するプロパン成分%が、燃焼の下限界は2%で上限界は10%であることが知られている。これに処理ガスの主となるNが加わり、例えばNとOの組成比が、85:15となった場合、混合気に対するプロパン成分%が、燃焼の下限界は2%で上限界は6%であることが知られている。なお、燃料ガス(燃料)が都市ガス、天然ガス等の他のガスの場合には、プロパンが燃料ガスである場合と同様の手法により混合気の燃焼範囲を求めればよい。すなわち、燃料ガスと支燃性ガス(酸素と空気)と処理ガスのNの混合気の組成と燃焼範囲の関係をもとに調整することができる。同一平面上に設置する燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bと処理ガス用ノズル3Cのセットを例えば、2段設置した場合、燃料流量と支燃性ガス流量と処理ガス流量のバランス(組成比)を変え、例えば上段側の処理ガス流入量を減らし、下段側を増やすことで、火炎の安定性を向上させることができる。
図1および図2に示す実施形態では、燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bと処理ガス用ノズル3Cとが円筒状の燃焼室1の軸線に直交する同一平面上に位置している場合を説明したが、3つのノズル3A,3B,3Cが燃焼室1の軸線方向にずれて配置されている場合であっても、下記の(1)および(2)の条件を満たせば、燃焼室1の内壁から浮いた三種混合の円筒状混合火炎を形成することができる。なお、各ノズル3A,3B,3Cは複数に分割して、燃焼室1の円周方向に離間させて配置しても良い。
(1)燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bと処理ガス用ノズル3Cとが燃料(燃料ガス)と支燃性ガスと処理ガスとをそれぞれ燃焼室の内周面の接線方向へ吹き込んで、燃料と支燃性ガスと処理ガスの三種混合の旋回流を形成する。
(2)燃焼室に吹き込まれる燃料(燃料ガス)と支燃性ガスと処理ガスのうち、少なくとも1つのガスが燃焼室に最後に吹き込まれて三種混合の旋回流が形成されたときに、三種の混合気の組成が燃焼範囲に到達する。
上記(1)および(2)の条件を満たすことにより、燃焼室1の内壁から浮いた三種混合の円筒状混合火炎を形成することができるが、三種混合の円筒状混合火炎が形成された後においては、燃料用ノズル3A、支燃性ガス用ノズル3B、処理ガス用ノズル3Cの下流側(後段)に、さらに燃料用ノズル3Aおよび処理ガス用ノズル3Cを設け、これらのノズルから燃料と処理ガスを吹き込むことにより、燃焼温度を向上させ、ガス処理性能を向上させることもできる。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
1 燃焼室
2 パイロットバーナ
3A 燃料用ノズル
3B 支燃性ガス用ノズル
3C 処理ガス用ノズル
5 水供給ノズル
6 水溜め部
6a 底板
6b 側板
6w 堰
7 パージガス吹き込み部
7g 円形溝
7n ノズル
7s スリット

Claims (9)

  1. 処理ガスを燃焼処理して無害化する排ガス処理装置において、
    一端が閉塞され他端が開口した円筒容器状をなし、処理ガスを燃焼する燃焼室と、
    前記燃焼室の上部壁面に設置され、燃焼室の内周面に水膜を形成するための水供給ノズルと、
    前記燃焼室の内周面に形成される水膜の上端部およびその周辺に向けてパージガスを吹き込むパージガス吹き込み部とを備え
    前記水供給ノズルは、前記燃焼室の側壁から半径方向外側に拡がっている水溜め部に設置され、
    前記水溜め部は、前記燃焼室の側壁より半径方向外側に延びて水溜め部の底面を形成する環状の底板と、前記底板の外周端より略垂直方向に延びて水溜め部の側壁を形成する円筒状の側板とから構成され、
    前記水溜め部の底面を形成する前記底板は、外周側から内周側の端部まで平坦になっており、前記水膜は平坦な前記底板の内周側の端部から前記燃焼室の内壁に沿って流れ落ちることを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 前記水供給ノズルは、前記水溜め部の内周面の接線方向に向けて水を噴出することにより、前記水溜め部内に旋回流の水膜を形成することを特徴とする請求項記載の排ガス処理装置。
  3. 前記パージガス吹き込み部は、前記水供給ノズルの上方に配置された円筒状の部材からなり、
    前記円筒状の部材は、円形溝と、該円形溝にパージガスを噴出するパージガスノズルとを備え、前記円形溝の開口部からパージガスを円環状に吹き出すようにしたことを特徴とする請求項1記載の排ガス処理装置。
  4. 前記円形溝の開口部は、前記円形溝の溝幅と略同一寸法の下端開口からなるか、または前記円形溝に連通する環状スリットからなることを特徴とする請求項記載の排ガス処理装置。
  5. 前記パージガスノズルは、パージガスを前記円形溝の外周側の面の接線方向に向けて噴出することを特徴とする請求項記載の排ガス処理装置。
  6. 前記パージガスは、空気又は窒素であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の排ガス処理装置。
  7. 前記燃焼室は、燃料と支燃性ガスと処理ガスとをそれぞれ燃焼室の内周面の接線方向に向けて吹き込む燃料用ノズルと支燃性ガス用ノズルと処理ガス用ノズルとを備え、
    前記燃料用ノズルと支燃性ガス用ノズルと処理ガス用ノズルは、燃料と支燃性ガスと処理ガスとをそれぞれ燃焼室の内周面の接線方向に向けて吹き込んで、前記燃料と支燃性ガスと処理ガスの三種混合の旋回流を形成することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の排ガス処理装置。
  8. 前記燃料と支燃性ガスと処理ガスの三種混合の旋回流により、前記燃焼室内に円筒状混合火炎を形成することを特徴とする請求項記載の排ガス処理装置。
  9. 前記円筒状混合火炎の旋回力により、前記燃焼室の内周面上の水膜を旋回させることを特徴とする請求項記載の排ガス処理装置。
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