JP2017089985A - 排ガス処理装置 - Google Patents

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Tetsuo Komai
哲夫 駒井
豊司 篠原
Toyoji Shinohara
豊司 篠原
落合 俊治
Toshiharu Ochiai
俊治 落合
誠司 柏木
Seiji Kashiwagi
誠司 柏木
一知 宮崎
Kazutomo Miyazaki
一知 宮崎
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Abstract

【課題】安定したパイロット火炎を形成しつづけることで、排ガスを加熱処理するためのメイン火炎の安定性を確保することができる排ガス処理装置を提供する。【解決手段】一端が閉塞され他端が開口した円筒容器状をなし、処理ガスを燃焼する燃焼室1と、円筒容器状の燃焼室1の閉塞側端部に設けられたパイロットバーナ2とを備え、パイロットバーナ2は、燃料と支燃性ガスを個別に供給して燃料と支燃性ガスとの混合気を形成する混合気室MRと、該混合気室内に設置されて通電により発熱するセラミック発熱素子15を有し、混合気を着火させてパイロット火炎を形成するグロープラグ16とを備え、パイロットバーナ2は、燃焼室1において処理ガスを燃焼処理している間、セラミック発熱素子15への通電を継続してパイロット火炎PFを形成し続けるように構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体デバイス、液晶、LED等を製造する製造装置等から排出される排ガスを燃焼処理して無害化する排ガス処理装置に関するものである。
半導体製造装置からはシランガス(SiH)、或いはハロゲン系のガス(NF,ClF,SF,CHF,C,CF)等の有害可燃ガスを含むガスが排出されるが、このような排ガス(処理ガス)は、そのままでは大気に放出することはできない。そこで、これらの排ガスを除害装置に導いて、燃焼による酸化無害化処理を行うことが一般に行われている。この処理方法としては、燃料ガスを用いて炉内に火炎を形成し、排ガス処理を行う燃焼式排ガス処理装置(燃焼式除害装置)が広く採用されている。
半導体産業や液晶産業向け燃焼式排ガス処理装置は、燃料と支燃性ガス(酸素含有ガス)とを混合して燃料を燃焼させて火炎を形成し、火炎に処理ガスを混合しガス処理を行うため、燃焼処理副生成物として多量の粉塵(主としてSiO)の発生や多量の酸性ガスの発生が見込まれる。従来の燃焼酸化方式として、LNGと純酸素を用い高温の純酸素火炎を形成し、高温の純酸素火炎で処理ガスを加熱して分解する方法が知られている。純酸素燃焼の特性上高い火炎温度により排気ガスに含まれる窒素が分解され、大量の窒素酸化物(NOx)を付加的に生成する問題点を有している。
また、純酸素を用いず、空気により火炎を形成し、火炎に処理ガスを混合し比較的低温で処理ガスを加熱する方法も知られている。この場合、窒素酸化物(NOx)の発生は抑制されるが、高温の火炎が必要なPFCsなどの難分解性ガスの分解性能は低下する。また火炎が低温であるために、COが発生する問題を有している。
これらの問題を解決するため、本発明者らは、先に特願2015−050041(2015年3月12日出願)の特許出願(未公開)において、燃料と支燃性ガスと処理ガスとを燃焼室の内周面の接線方向に向けて火炎の燃焼速度以上の流速で吹き込み、燃焼室内壁から浮いた三種混合の円筒状混合火炎を形成する断熱混焼方式の発明を提案した。この発明によれば、旋回遠心力により円筒状混合火炎の外側は温度が低く重い未燃の三種混合ガス、内側は温度が高く軽い三種混合の燃焼後ガスの分布が形成される。したがって、円筒状混合火炎は、温度の低い未燃の三種混合ガスに覆われた自己断熱された状態となるため、放熱による温度低下がなく、燃焼効率の高いガス処理が行われる。
断熱混焼方式は、燃料と支燃性ガスと処理ガスの3種を混焼するため、火炎を形成することができる組成範囲内に調整する必要がある。具体的には、処理ガスの燃焼室への流入量により、処理ガス(主成分の一つにNガスを含む),燃料ガス,支燃性ガスの三種の混合気の組成を燃焼範囲としつつ、ガス処理に必要なガス温度を確保することができる適切な燃料および支燃性ガスの流量を設定する。このため、流入流量が急激に変動した場合などに、燃焼範囲内を外れて失火することがあるので、これを予防するため、前記断熱混焼方式の特許出願(特願2015−050041)には、メイン火炎着火用のパイロットバーナにより、パイロット火炎を常時形成しておくことが有効であると提案されている。
特開2012−37232号公報 特開2012−63132号公報
従来、メイン火炎着火用のパイロットバーナは、スパークプラグを用いてメイン火炎の着火を行っており、スパークプラグを作動させるために高電圧発生用に点火トランスが必要で、装置内には高電圧のノイズ対策が必要となるという問題がある。
また、前記断熱混焼方式の特許出願で提案されているように、パイロット火炎を常時形成しておくことで、メイン火炎の安定性は向上するが、除害装置運転中の流入ガス流量の変動等により、メイン火炎の失火とともにパイロット火炎も失火に至ることがある。この場合、失火対策のため、常時スパークプラグを稼働させるためには、自動車に搭載される複雑な制御回路が必要となる。
一方、パイロット火炎自体の火炎安定性を向上させるためには、燃料ガスと支燃性ガスとが別々に供給される先混合燃焼ではなく、予め燃料ガスと支燃性ガスとを混合する予混合燃焼とすることが有効であることが知られている。
しかしながら、予混合燃焼は、燃焼器内で発生する生成物の影響で逆火する可能性があるため、パイロット火炎は、火炎安定性が劣るものの、逆火の虞のない先混合燃焼(非予混合火炎)であることが望ましい。
パイロットバーナのように失火する虞のないバーナとして、燃料を着火温度以上に加熱するための電気ヒーターを備え、燃料と支燃性ガスとが別々に供給される非予混合型のバーナが知られている(特許文献1および2参照)。
上記バーナによれば、着火源として、パイロットバーナのように失火する虞のない電
気ヒーターを用いているので、高い安全性と信頼性とを備えたバーナを提供することができる。しかしながら、上記従来のバーナには、次のような問題がある。
すなわち、斯かるバーナを半導体製造工程より排出される排ガスを除害処理する除害装置の熱源とした場合、この電気ヒーターには、高温腐食環境下で耐性のある高価な材質を選定する必要がある。また着火失敗後や、燃焼継続が不可能な状況時など、着火を制限したい場合に、ヒーター容量が大きく熱容量が大きいため、爆発などの異常反応を制限し難いという安全上の問題がある。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、安定したパイロット火炎を形成しつづけることで、排ガスを加熱処理するためのメイン火炎の安定性を確保することができる排ガス処理装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の排ガス処理装置は、処理ガスを燃焼処理して無害化する排ガス処理装置において、一端が閉塞され他端が開口した円筒容器状をなし、処理ガスを燃焼する燃焼室と、前記円筒容器状の燃焼室の閉塞側端部に設けられたパイロットバーナとを備え、前記パイロットバーナは、燃料と支燃性ガスを個別に供給して燃料と支燃性ガスとの混合気を形成する混合気室と、該混合気室内に設置されて通電により発熱するセラミック発熱素子を有し前記混合気を着火させてパイロット火炎を形成するグロープラグとを備え、前記パイロットバーナは、前記燃焼室において処理ガスを燃焼処理している間、前記セラミック発熱素子への通電を継続して前記パイロット火炎を形成し続けるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、メイン火炎着火中に常時グロープラグに通電してセラミック発熱素子を1200〜1300℃程度に保ち、安定したパイロット火炎を形成しつづけることで、除害装置運転中の流入ガス流量の変動等によるメイン火炎の失火を防止することができる。グロープラグは、1200℃程度の高温領域を5秒程度の時間で形成できる特徴をもつため、一般のスパークプラグ同様にパイロットバーナ着火用としても使用可能である。
本発明の好ましい態様は、前記パイロットバーナは、一端が閉塞され他端が開口した円筒容器状のバーナ本体を備え、前記混合気室は前記バーナ本体内に位置していることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記パイロットバーナは、前記バーナ本体内の混合気室に連通し該混合気室に燃料を供給する燃料供給管と、前記燃料供給管の周囲に配置され前記混合気室に支燃性ガスを吹き込むための開口とを備えたことを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記バーナ本体と前記燃料供給管との間に環状空間を形成し、支燃性ガスを前記環状空間を介して前記開口に供給するようにしたことを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記セラミック発熱素子は、窒化ケイ素からなることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記燃焼室は、燃料と支燃性ガスと処理ガスとをそれぞれ燃焼室の内周面の接線方向に向けて吹き込む燃料用ノズルと支燃性ガス用ノズルと処理ガス用ノズルとを備え、前記燃料用ノズルと支燃性ガス用ノズルと処理ガス用ノズルは、前記燃焼室の軸線に直交する同一平面上に位置していることを特徴とする。ここで、同一平面上に位置しているとは、3つのノズルの燃焼室内周面側の開口の一部が同一平面上に位置していることをいう。
本発明によれば、円筒状の燃焼室の内周面の接線方向に、燃料(燃料ガス)と支燃性ガス(酸素含有ガス)と処理ガス(排ガス)とを同時に吹き込むことにより、燃料と処理ガスとを支燃性ガスにより燃焼させて円筒状混合火炎を形成する。すなわち、燃焼室において、同一の燃焼場で三種混合の円筒状混合火炎を形成して、処理ガスを燃焼させることができる。
本発明の好ましい態様によれば、前記燃焼室は、燃料と支燃性ガスと処理ガスとをそれぞれ燃焼室の内周面の接線方向に向けて吹き込む燃料用ノズルと支燃性ガス用ノズルと処理ガス用ノズルとを備え、前記燃料用ノズルと支燃性ガス用ノズルと処理ガス用ノズルは、燃料と支燃性ガスと処理ガスとをそれぞれ燃焼室の内周面の接線方向に向けて吹き込んで、前記燃料と支燃性ガスと処理ガスの三種混合の旋回流を形成することを特徴とする。
本発明によれば、円筒状の燃焼室の内周面の接線方向に、燃料(燃料ガス)と支燃性ガス(酸素含有ガス)と処理ガス(排ガス)とを吹き込むことにより、燃料と支燃性ガスと処理ガスの三種混合の旋回流を形成する。これにより、燃料と処理ガスとを支燃性ガスにより燃焼させて円筒状混合火炎を形成する。すなわち、燃焼室において、三種混合の円筒状混合火炎を形成して、処理ガスを燃焼させることができる。
本発明は、以下に列挙する効果を奏する。
(1)メイン火炎着火中に常時グロープラグに通電してセラミック発熱素子を1200℃〜1300℃程度に保ち、安定したパイロット火炎を形成しつづけることで、除害装置運転中の流入ガス流量の変動等によるメイン火炎の失火を防止することができる。
(2)パイロットバーナを常時稼働させておくことにより、パイロット火炎が失火した場合にも瞬時にパイロット火炎の再着火が可能となる。
(3)グロープラグを除害装置内の腐食環境から外れた位置に設置しているため、グロープラグの腐食を防止することができる。
(4)グロープラグは、1200℃程度の高温領域を5秒程度の時間で形成できる特徴をもつため、一般のスパークプラグ同様にパイロットバーナ着火用としても使用可能である。スパークプラグの着火には、高電圧発生用に点火トランスが必要で、装置内には高電圧のノイズ対策が必要となるが、グロープラグは低電圧の直流電源のみでよい。
(5)失火対策のため、常時スパークプラグを稼働させるためには、自動車に搭載される複雑な制御回路が必要となるが、グロープラグを使用した場合、低電圧(例えば11V)の直流で常時グロープラグを稼働させることができるため、装置の簡略化、装置コストの低減を図ることができる。
(6)着火源として、腐食環境下に耐性のある高価な材質を用いた電気ヒーターを設ける必要がないため、装置コストの低減を図ることができる。
(7)着火源として電気ヒーターを用いることなくグロープラグを用いているため、着火失敗後や、燃焼継続が不可能な状況時など、着火を制限したい場合に、セラミック発熱素子への通電を停止するだけでよく、セラミック発熱素子は熱容量が極めて小さいため、爆発などの異常反応を容易に制限でき、安全性の高い装置構成を構築できる。
図1は、本発明の排ガス処理装置の燃焼室の構成例を示す模式的断面図である。 図2は、パイロットバーナの詳細構造を示す模式的断面図である。 図3は、図1のIII−III線断面図である。 図4(a),(b)は、燃料用ノズル、支燃性ガス用ノズル、処理ガス用ノズルのセットが単段(または2段の場合の上段)であって処理ガスの吹き込みノズルが少ない(一個の)場合を示す模式図であり、図4(a)は燃焼室の部分縦断面図、図4(b)は燃焼室の水平断面図である。 図5(a),(b)は、処理ガスの吹き込みノズルが単段には入りきらない場合に燃料用ノズル、支燃性ガス用ノズル、処理ガス用ノズルのセットを上下に2段設置した場合の下段のセットの一例を示す模式図であり、図5(a)は燃焼室の部分縦断面図、図5(b)は水平断面図である。 図6(a),(b)は、処理ガスの吹き込みノズルが単段に入りきらない場合に上下に2段設置した場合の下段のセットの他の例を示す模式図であり、図6(a)は燃焼室の部分縦断面図、図6(b)は水平断面図である。 図7は、図1乃至図4に示す燃焼室を備えた排ガス処理装置の全体構成を示す模式図である。
以下、本発明に係る排ガス処理装置の実施形態について図1乃至図7を参照して説明する。図1乃至図7において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明の排ガス処理装置の燃焼室の構成例を示す模式的断面図である。燃焼室1は、一端(図示例では上端)が閉塞され他端(図示例では下端)が開口した円筒容器状の燃焼室として構成されている。円筒容器状の燃焼室1には、閉塞側端部近傍で燃料(燃料ガス)と支燃性ガス(酸素含有ガス)と処理ガス(排ガス)とが吹き込まれるようになっている。燃焼室1の閉塞側端部には、着火用および失火防止用のパイロットバーナ2が設置されている。なお、図1においては、燃焼室1の下方にある洗浄部などは図示を省略している。
図2は、パイロットバーナ2の詳細構造を示す模式的断面図である。図2に示すように、パイロットバーナ2は、一端(図示例では上端)が閉塞され他端(図示例では下端)が開口した円筒容器状のバーナ本体11を備えている。円筒容器状のバーナ本体11の開口側端部は、燃焼室1の閉塞側端部にある開口1aに接続されている。バーナ本体11には、バーナ本体11の上端を貫通してバーナ本体11内の略中央部まで延びる燃料供給管12が設けられており、燃料は燃料供給管12を介してバーナ本体11内に供給されるようになっている。燃料供給管12の下端には、中央に開口13aを有した円板13が固定されている。バーナ本体11の内周面と円板13の外周面との間には、リング状の開口(隙間)18が形成されている。円板13には、垂直方向の貫通孔からなる複数のノズル状の開口13nが形成されている。また、バーナ本体11の円筒部には、空気供給管14が設けられており、支燃性ガスとしての空気は、空気供給管14を介してバーナ本体11と燃料供給管12の間の環状空間からなる空気室ARに供給される。そして、空気室AR内の空気は、リング状の開口18および複数のノズル状の開口13nから下方に噴出されるようになっている。空気がバーナ本体11の内周面と円板13の外周面との間に形成されたリング状の開口18を通過してバーナ本体11の内周面に沿って流れるため(矢印で図示)、バーナ本体11の内周面にパイロット火炎が接触することがない。
図2に示すように、円板13の下方には、SiN(窒化ケイ素)等のセラミック発熱素子15を備えたグロープラグ16が設置されている。グロープラグ16は、バーナ本体11に固定された円筒状の保持部17に保持されている。グロープラグ16は図示されない電源に接続されており、グロープラグ16に通電することにより、セラミック発熱素子15に所定電圧の電流が供給されると、セラミック発熱素子15は短時間(例えば5秒)で1200℃〜1300℃の温度に到達するように構成されている。
図2に示すように構成されたパイロットバーナ2において、電源(図示せず)からセラミック発熱素子15に所定電圧(例えば11V)の直流が供給されると、セラミック発熱素子15は発熱して短時間(例えば、5秒)で1200℃〜1300℃の温度に達する。この状態で燃料を燃料供給管12を介して円板13の下方の混合気室MRに供給するとともに、空気を空気供給管14および空気室ARを介してリング状の開口18および複数のノズル状の開口13nから混合気室MRに噴出する。混合気室MRにおいて、開口18,13nから噴出された空気と燃料供給管12から供給された燃料とが混合されて混合気となり、混合気はセラミック発熱素子15と接触し、パイロット火炎PFを形成する。
すなわち、円筒状のバーナ本体11と円板13とで囲まれた空間であってセラミック発熱素子15を配置した混合気室MRにおいて、燃料と空気(支燃性ガス)の混合気が形成され、この混合気がセラミック発熱素子15と接触してパイロット火炎PFを形成する。混合気室MRで形成されたパイロット火炎PFは、図2に示すように、燃焼室1内に延び、燃料と支燃性ガスと処理ガス(排ガス)の混合気に着火する着火用パイロット火炎として機能する。そして、燃焼室1における処理ガスの処理中に、パイロットバーナ2を常時稼働させてパイロット火炎PFを形成しておくことにより、燃料と支燃性ガスと処理ガスにより形成されるメイン火炎の失火を防止することができる。また、パイロットバーナ2を常時稼働させておくことで、パイロット火炎が失火した場合にも、燃料と空気の混合気がセラミック発熱素子15と接触して瞬時にパイロット火炎の再着火が可能となる。
SiN(窒化ケイ素)等からなるセラミック発熱素子15は、直径2mm〜5mm、長さ6mm〜20mmの細径の短い棒状体からなるため、セラミック発熱素子15は熱容量が極めて小さい。したがって、着火失敗後や、燃焼継続が不可能な状況時など、着火を制限したい場合に、セラミック発熱素子15への通電を停止するだけでよく、セラミック発熱素子15は熱容量が極めて小さいため、爆発などの異常反応を容易に制限でき、安全性の高い装置構成を構築できる。
図3は、図1のIII−III線断面図である。図3に示すように、燃料を吹き込む燃料用ノズル3Aと、支燃性ガスを吹き込む支燃性ガス用ノズル3Bと、処理ガスを吹き込む処理ガス用ノズル3Cとが燃焼室1の内周面の接線方向に向けて設置されている。図3に示す例においては、燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bは各1個ずつ設置され、処理ガス用ノズル3Cは2個設置されているが、各ノズル3A,3B,3Cの個数は、燃焼室のサイズや設置スペース等に応じて適宜変更可能であり、同一平面上に設置する燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bと処理ガス用ノズル3Cのセットを複数段設置することも可能である。この場合、燃料流量と支燃性ガス流量と処理ガス流量のバランスを変えることで、火炎の安定性を向上させることができる。燃料を吹き込む燃料用ノズル3Aと、支燃性ガスを吹き込む支燃性ガス用ノズル3Bと、処理ガスを吹き込む処理ガス用ノズル3Cは、円筒状の燃焼室1の軸線に直交する同一平面上に位置している。ここで、同一平面上に位置しているとは、3つのノズルの燃焼室内周面側の開口の一部が同一平面上に位置していることをいう。
図1に示すように、燃焼室1には、燃料,支燃性ガス,処理ガスの吹き込み位置のやや下方の位置に、燃焼室1の内壁面に濡れ壁(水膜)を形成するための水を供給する水供給ノズル5が設置されている。
図1乃至図3に示すように構成された燃焼室1において、燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bと処理ガス用ノズル3Cとから、燃料と支燃性ガスと処理ガスとを燃焼室1の内周面の接線方向に向けて、火炎の燃焼速度以上の流速で吹き込む。これにより、燃焼室1の内壁から浮いた三種混合の円筒状混合火炎が形成される。円筒状混合火炎は燃焼室1の軸線方向に沿って形成される。三種のガスを共に接線方向に吹き込むことで、旋回遠心力により円筒状混合火炎の外側は温度が低く重い未燃の三種混合ガス、内側は温度が高く軽い三種混合の燃焼後ガスの分布が形成される。したがって、円筒状混合火炎は、温度の低い未燃の三種混合ガスに覆われた自己断熱された状態となるため、放熱による温度低下がなく、燃焼効率の高いガス処理が行われる。また、処理ガスは通常Nガス等により希釈されて排ガス処理装置へ流入するので、このNガスを含む処理ガスを燃料と支燃性ガスと混焼することで、緩慢な燃焼となり、局所的な高温部が形成されないため、NOxの発生が抑制される。
また、Nガスを含む処理ガスを燃料と支燃性ガスと混焼することで、円筒状となる火炎の径が小さくなり、燃焼室1の内壁面温度が低下する。すなわち、本燃焼方式の特徴である火炎の断熱性が促進されるため、図1に示すように、燃焼室1の内壁面に濡れ壁(水膜)を形成しても火炎および火炎内側の燃焼ガス温度が低下することはない。そして、燃焼後に生成されるSiO等の粉体は、ガス旋回流の遠心力により外側の濡れ壁水に捕集され下部へ洗い流されるため、燃焼室1の内壁面に堆積せず、また燃焼室で大部分の粉体が濡れ壁水に捕集されることとなるため、排ガス処理装置のスクラバー性能(粉体除去性能)が向上する。腐食性ガスも濡れ壁水により洗い流され、燃焼室1の内壁面の腐食を防止できる。さらに、濡れ壁水により燃焼室1の内壁面は低温に保たれるため、熱損傷することはなく、ステンレス鋼等の安価な材料で燃焼室1を構成することができ、製造コストを低減出来る。
次に、図1乃至図3に示すように構成された燃焼室1による処理ガス(排ガス)の処理例を説明する。
処理ガスの燃焼室1への流入量により、処理ガス(主成分の一つにNガスを含む),燃料ガス,支燃性ガスの三種の混合気の組成を燃焼範囲としつつ、ガス処理に必要なガス温度を確保することができる適切な燃料および支燃性ガスの流量を設定する。三種の組成と燃焼範囲との関係を燃料ガスをプロパンとした場合で説明する。支燃性ガスが純酸素で、処理ガスのNがない場合、混合気に対するプロパン成分%が、燃焼の下限界は2%で、上限界は40%である。支燃性ガスを空気(NとOの組成比は79:21)とした場合、混合気に対するプロパン成分%が、燃焼の下限界は2%で上限界は10%であることが知られている。これに処理ガスの主となるNが加わり、例えばNとOの組成比が、85:15となった場合、混合気に対するプロパン成分%が、燃焼の下限界は2%で上限界は6%であることが知られている。なお、燃料ガス(燃料)が都市ガス、天然ガス等の他のガスの場合には、プロパンが燃料ガスである場合と同様の手法により混合気の燃焼範囲を求めればよい。すなわち、燃料ガスと支燃性ガス(酸素と空気)と処理ガスのNの混合気の組成と燃焼範囲の関係をもとに調整することができる。同一平面上に設置する燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bと処理ガス用ノズル3Cのセットを例えば、2段設置した場合、燃料流量と支燃性ガス流量と処理ガス流量のバランス(組成比)を変え、例えば上段側の処理ガス流入量を減らし、下段側を増やすことで、火炎の安定性を向上させることができる。
図1乃至図3に示す実施形態では、燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bと処理ガス用ノズル3Cとが円筒状の燃焼室1の軸線に直交する同一平面上に位置している場合を説明したが、3つのノズル3A,3B,3Cが燃焼室1の軸線方向にずれて配置されている場合であっても、下記の(1)および(2)の条件を満たせば、燃焼室1の内壁から浮いた三種混合の円筒状混合火炎を形成することができる。なお、各ノズル3A,3B,3Cは複数に分割して、燃焼室1の円周方向に離間させて配置しても良い。
(1)燃料用ノズル3Aと支燃性ガス用ノズル3Bと処理ガス用ノズル3Cとが燃料(燃料ガス)と支燃性ガスと処理ガスとをそれぞれ燃焼室の内周面の接線方向へ吹き込んで、燃料と支燃性ガスと処理ガスの三種混合の旋回流を形成する。
(2)燃焼室に吹き込まれる燃料(燃料ガス)と支燃性ガスと処理ガスのうち、少なくとも1つのガスが燃焼室に最後に吹き込まれて三種混合の旋回流が形成されたときに、三種の混合気の組成が燃焼範囲に到達する。
上記(1)および(2)の条件を満たすことにより、燃焼室1の内壁から浮いた三種混合の円筒状混合火炎を形成することができるが、三種混合の円筒状混合火炎が形成された後においては、燃料用ノズル3A、支燃性ガス用ノズル3B、処理ガス用ノズル3Cの下流側(後段)に、さらに燃料用ノズル3Aおよび処理ガス用ノズル3Cを設け、これらのノズルから燃料と処理ガスを吹き込むことにより、燃焼温度を向上させ、ガス処理性能を向上させることもできる。
次に、上記(1)および(2)の条件を満たす各種態様について図面を参照して説明する。
まず、燃焼室1に最初に吹き込まれて旋回流を最初に形成するノズル、すなわち旋回流を開始するノズルとして、燃料用ノズル3A、支燃性ガス用ノズル3B、処理ガス用ノズル3Cのうちどのノズルを選定するかを説明し、選定されたノズルを基準として旋回流の下流側に向かって他のノズルをいかに配置するかについて説明する。
図4(a),(b)は、燃料用ノズル3A、支燃性ガス用ノズル3B、処理ガス用ノズル3Cのセットが単段(または2段の場合の上段)であって処理ガスの吹き込みノズルが少ない(1個の)場合を示す模式図であり、図4(a)は燃焼室の部分縦断面図、図4(b)は燃焼室の水平断面図である。
支燃性ガスを空気として、空気比を1.3とした場合、燃料流量の約15倍の空気が必要となる。この場合、燃焼室内の旋回力を支配するのは、空気の流量,流速となる。したがって、図4(a),(b)に示すように、支燃性ガスとしての空気を吹き込む支燃性ガス用ノズル3Bを旋回流を開始するノズルに選定する。旋回流を開始するノズルとして支燃性ガス用ノズル3Bを選定することにより、燃焼室の天板は火炎が形成される直前の支燃性ガスにより冷却されるため、天板の放熱による熱量ロスを低減でき、省エネルギーに寄与する。
そして、選定された支燃性ガス用ノズル3Bを基準として旋回流の下流側に向かって処理ガス用ノズル3C、燃料用ノズル3Aの順に配置する。すなわち、支燃性ガス用ノズル3Bと燃料用ノズル3Aの間に、希釈Nを主体とした処理ガスを吹き込む処理ガス用ノズル3Cを設置することで、支燃性ガスは処理ガス(N主体)と混合した後に、燃料ガスを混合し着火するため、局所的高温部が形成されることなく、均一な温度場をもつ火炎が形成される。これにより、ガス処理性能は向上しつつ、サーマルNOxの発生を抑制することができる。
図4(a),(b)においては、燃料用ノズル3A、支燃性ガス用ノズル3B、処理ガス用ノズル3Cが円筒状の燃焼室1の軸線に直交する同一平面上に位置している構成を例示したが、3つのノズル3A,3B,3Cを燃焼室1の軸線方向にずらして配置する場合には、図4(a)において支燃性ガス用ノズル3Bを最上段に配置し、下方に向かって処理ガス用ノズル3C、燃料用ノズル3Aの順にずらして配置すればよい。なお、図4(a)に示す断面図では、断面の手前側(前方側)に位置するノズル3Cを仮想線で示している。以下の図面でも同様である。
図5(a),(b)は、処理ガスの吹き込みノズルが単段には入りきらない場合に燃料用ノズル3A、支燃性ガス用ノズル3B、処理ガス用ノズル3Cのセットを上下に2段設置した場合の下段のセットの一例を示す模式図であり、図5(a)は燃焼室の部分縦断面図、図5(b)は水平断面図である。
図5(a),(b)に示すように、下段のセットは、旋回流の最上流側に支燃性ガス用ノズル3Bを配置し、支燃性ガス用ノズル3Bを基準として旋回流の下流側に向かって処理ガス用ノズル3C−1、処理ガス用ノズル3C−2、燃料用ノズル3A、処理ガス用ノズル3C−3の順に配置して構成されている。
このように、下段のセットにも、3種のノズル3A、3B、3C−1,3C−2,3C−3を設けることで、ガス混合度が均一化されるため、局所高温部を形成することなく、均一な温度場の火炎を形成することができる。これにより、ガス処理性能は向上しつつ、サーマルNOxの発生を抑制することができる。
図6(a),(b)は、処理ガスの吹き込みノズルが単段に入りきらない場合に上下に2段設置した場合の下段のセットの他の例を示す模式図であり、図6(a)は燃焼室の部分縦断面図、図6(b)は水平断面図である。
図6(a),(b)に示すように、下段のセットは、旋回流の最上流側に処理ガス用ノズル3C−1を配置し、処理ガス用ノズル3C−1を基準として旋回流の下流側に向かって処理ガス用ノズル3C−2、燃料用ノズル3A、処理ガス用ノズル3C−3の順に配置して構成されている。
難分解性ガスなどが処理ガスとして燃焼室に流入する場合、支燃性ガスの空気に酸素を追加し、高温の温度場を形成する必要がある。高温の温度場を形成する必要がある場合、上段のセットは、図4(a),(b)のセットと同様の構成にして、下段のセットは図5(a),(b)に示すセットから支燃性ガス用ノズルを除いた図6(a),(b)に示すセットとして、上段のセットにのみ支燃性ガス用ノズルを設ける。火炎の形成位置は、図5(a),(b)に示す下段のセットとした場合よりも旋回上流側に移動し、火炎体積を小さくすることができるため、より高温な温度場を形成できる。
図1乃至図4に示すように構成された燃焼室1において、燃料ガスと支燃性ガスと処理ガスは、火炎の燃焼速度以上の流速で吹き込む。この場合、燃料ガスと支燃性ガスと処理ガスの流速は、スワール数(旋回度合を表す無次元数)が5〜40になるように調整する。このようにスワール数を基準に燃料ガスと支燃性ガスと処理ガスの流速を調整することにより、所望の円筒状混合火炎を形成できる。また、火炎の安定性を向上させるため、パイロットバーナ2は、常時火炎を形成しておくことは有効である。
図7は、図1乃至図4に示す燃焼室1を備えた排ガス処理装置の全体構成を示す模式図である。図7に示すように、排ガス処理装置は、処理ガス(排ガス)を燃焼して酸化分解する燃焼室1(図1参照)と、この燃焼室1の後段に配置された排ガス洗浄部30とを備えている。燃焼室1は接続管19によって下方に延びている。処理ガス(排ガス)は、バイパス弁(三方弁)23を通じて円筒状の燃焼室1の内周面の接線方向に供給される。排ガス処理装置に不具合がある場合には、バイパス弁23が操作され、処理ガスが排ガス処理装置に導入されずに、図示しないバイパス管に送られるようになっている。燃料と支燃性ガスも、同様に、円筒状の燃焼室1の内周面の接線方向に供給されるようになっている。このように、燃料と支燃性ガスと処理ガスとを燃焼室1の内周面の接線方向に向けて、火炎の燃焼速度以上の流速で吹き込むことにより、燃焼室1の内壁から浮いた三種混合の円筒状混合火炎が形成される。燃焼室1の上部には水供給ノズル5から水Wが供給されており、この水Wは燃焼室1の内面に沿って流下し、燃焼室の内面に濡れ壁(水膜)を形成する。この濡れ壁水により、処理ガスの燃焼により生成したSiO等の粉体は捕集される。
燃焼室1の下方には循環水タンク20が配置されている。循環水タンク20の内部には堰21が設けられており、この堰21によって上流側の第1の槽20Aと下流側の第2の槽20Bとに区画されている。濡れ壁水に捕集された粉体生成物は、接続管13を介して循環水タンク20の第1の槽20A内に落下し、第1の槽20Aの底部に堆積する。また、燃焼室1の内面を流下した濡れ壁水は第1の槽20Aに流入する。第1の槽20Aの水は、堰21をオーバーフローして第2の槽20Bに流れ込むようになっている。
燃焼室1は冷却部25を介して排ガス洗浄部30と連通している。この冷却部25は、接続管13に向かって延びる配管26と、この配管26内に配置されたスプレーノズル27とを有している。スプレーノズル27は、配管26を流れる排ガスに対向するように水を噴射する。したがって、燃焼室1により処理された排ガスは、スプレーノズル27から噴射される水によって冷却される。噴射された水は、配管26を通って循環水タンク20に回収されるようになっている。
冷却された排ガスは、次に排ガス洗浄部30に導入される。この排ガス洗浄部30は、水により排ガスを洗浄し、排ガスに含まれる微小な粉塵を除去する装置である。この粉塵は、主として、燃焼室1での酸化分解(燃焼処理)により生成された粉体生成物である。
排ガス洗浄部30は、ガス流路32を形成する壁部材31と、ガス流路32内に配置される第1のミストノズル33A、第1の水膜ノズル33B、第2のミストノズル34A、および第2の水膜ノズル34Bとを備えている。これらミストノズル33A,34A及び水膜ノズル33B,34Bは、ガス流路32の中心部に位置し、略直線状に配列されている。第1のミストノズル33Aおよび第1の水膜ノズル33Bは第1のノズルユニット33を構成し、第2のミストノズル34Aおよび第2の水膜ノズル34Bは第2のノズルユニット34を構成する。したがって、本実施形態では、2組のノズルユニット33,34が設けられている。なお、ノズルユニットは1組でもよく、3組以上のノズルユニットを設けてもよい。
第1のミストノズル33Aは、第1の水膜ノズル33Bよりも、排ガスの流れ方向において上流側に配置されている。同様に、第2のミストノズル34Aは、第2の水膜ノズル34Bよりも上流側に配置されている。すなわち、ミストノズルと水膜ノズルとが交互に配置されている。ミストノズル33A,34A、水膜ノズル33B,34B、壁部材31は、耐腐食性のある樹脂(例えばPVC:ポリ塩化ビニル)から構成されている。
第1のミストノズル33Aの上流側には、排ガスの流れを整流する整流部材40が配置されている。この整流部材40は、排ガスの圧力損失を生じさせて、ガス流路32中の排ガスの流れを均一にする。整流部材40は、酸による腐食を防ぐために、金属以外の材料で構成されていることが望ましい。整流部材40の例として、樹脂で構成された不織材や、複数の開孔が形成された樹脂プレートが挙げられる。整流部材40の上流側には、ミストノズル41が配置されている。ミストノズル33A,34A,41および水膜ノズル33B,34Bは、壁部材31に取り付けられている。
図7に示すように、排ガスは、排ガス洗浄部30の下部に設けられた配管26から排ガス洗浄部30の内部に導入される。排ガスは、排ガス洗浄部30内を下から上に流れる。より詳しくは、配管26から導入された排ガスは、まず、排ガス洗浄部30のミストノズル41に向かう。そして、排ガスは、ミストノズル41により形成されたミストを通過し、整流部材40により整流される。整流部材40を通過した排ガスは均一な流れを形成し、ガス流路32を低速で上昇する。ガス流路32には、ミスト、水膜、ミスト、及び水膜がこの順に形成されている。
排ガスに含まれている直径1μm未満の微小な粉塵は、拡散作用(ブラウン運動)により、ミストを構成する水粒に容易に付着し、これによりミストに捕捉される。直径1μm以上の粉塵も、その多くは同様に水粒に捕捉される。水粒の径は約100μmであるので、この水粒に付着した粉塵のサイズ(径)は見かけ上大きくなる。したがって、粉塵を含む水粒は、下流側の水膜に慣性衝突により容易にぶつかり、水粒とともに粉塵は排ガスから除去される。ミスト捕捉されなかった比較的径の大きい粉塵も、同様にして水膜に捕捉され、除去される。このようにして水により洗浄された排ガスは、壁部材31の上端部から排出される。
図7に示すように、排ガス洗浄部30の下方には、上述した循環水タンク20が位置している。ミストノズル33A,34A,41および水膜ノズル33B,34Bから供給された水は、循環水タンク20の第2の槽20Bに回収される。第2の槽20Bに貯留された水は、循環水ポンプPによりミストノズル33A,34A,41および水膜ノズル33B,34Bに供給される。同時に、循環水は、水Wとして燃焼室1の上部に送られ、上述したように、燃焼室1の内面に濡れ壁を形成する。
ミストノズル33A,34Aおよび水膜ノズル33B,34Bに供給される水は、循環水タンク20に回収された水であり、粉塵(粉体生成物など)を含んでいる。したがって、ガス流路32を洗浄するために、シャワーノズル50から市水がガス流路32に供給されるようになっている。シャワーノズル50の上方には、ミストトラップ51が設けられている。このミストトラップ51は、その内部に複数の邪魔板を有しており、ミストを捕捉することができる。このようにして、処理されて無害化された排ガスは、排気ダクトを介して最終的に大気に放出される。
循環水タンク20には水位センサ55が設けられている。この水位センサ55は第2の槽20Bの水位を監視し、第2の槽20Bの水位が所定の範囲に制御できるようになっている。また、循環水ポンプPによって移送される水の一部は、給水管52を介して循環水タンク20内に設置された複数のエダクター53に供給されるようになっている。給水管52には開閉弁V1が設置されており、開閉弁V1を開くことにより、エダクター53に給水できるようになっている。循環水タンク20には、循環水タンク20内を排水するための排水弁V2が設けられている。
各エダクター53に循環水タンク20内の水を循環水ポンプPにより加圧して供給し、各エダクター53のノズルにより水の流れを絞る際に発生する圧力低下を利用してエダクター53の吸込口よりエダクター53内に循環水タンク20内の水を吸い込み、この吸い込んだ水をエダクター53のノズルから放出される水とともにエダクター53の吐出口から循環水タンク20の底部に噴射する。エダクター53の吐出口から噴射される噴射水の噴射打力により、循環水タンク20の底部にある粉体を解砕して浮遊させ、循環水タンク20の排水口20Dから、排水とともに粉体を自動で排出する。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
1 燃焼室
1a 開口
2 パイロットバーナ
3A 燃料用ノズル
3B 支燃性ガス用ノズル
3C,3C−1,3C−2,3C−3 処理ガス用ノズル
5 水供給ノズル
11 バーナ本体
12 燃料供給管
13 円板
13a 開口
13n 開口
14 空気供給管
15 セラミック発熱素子
16 グロープラグ
17 保持部
18 開口
19 接続管
20 循環水タンク
20A,20B 槽
20D 排水口
21 堰
23 バイパス弁(三方弁)
25 冷却部
26 配管
27 スプレーノズル
30 排ガス洗浄部
31 壁部材
32 ガス流路
33A 第1のミストノズル
33B 第1の水膜ノズル
34A 第2のミストノズル
34B 第2の水膜ノズル
40 整流部材
41 ミストノズル
50 シャワーノズル
51 ミストトラップ
52 給水管
53 エダクター
55 水位センサ
AR 空気室
MR 混合気室
P 循環水ポンプ
PF パイロット火炎
V1 開閉弁
V2 排水弁

Claims (7)

  1. 処理ガスを燃焼処理して無害化する排ガス処理装置において、
    一端が閉塞され他端が開口した円筒容器状をなし、処理ガスを燃焼する燃焼室と、
    前記円筒容器状の燃焼室の閉塞側端部に設けられたパイロットバーナとを備え、
    前記パイロットバーナは、燃料と支燃性ガスを個別に供給して燃料と支燃性ガスとの混合気を形成する混合気室と、該混合気室内に設置されて通電により発熱するセラミック発熱素子を有し前記混合気を着火させてパイロット火炎を形成するグロープラグとを備え、
    前記パイロットバーナは、前記燃焼室において処理ガスを燃焼処理している間、前記セラミック発熱素子への通電を継続して前記パイロット火炎を形成し続けるように構成されていることを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 前記パイロットバーナは、一端が閉塞され他端が開口した円筒容器状のバーナ本体を備え、前記混合気室は前記バーナ本体内に位置していることを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理装置。
  3. 前記パイロットバーナは、前記バーナ本体内の混合気室に連通し該混合気室に燃料を供給する燃料供給管と、前記燃料供給管の周囲に配置され前記混合気室に支燃性ガスを吹き込むための開口とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の排ガス処理装置。
  4. 前記バーナ本体と前記燃料供給管との間に環状空間を形成し、支燃性ガスを前記環状空間を介して前記開口に供給するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の排ガス処理装置。
  5. 前記セラミック発熱素子は、窒化ケイ素からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の排ガス処理装置。
  6. 前記燃焼室は、燃料と支燃性ガスと処理ガスとをそれぞれ燃焼室の内周面の接線方向に向けて吹き込む燃料用ノズルと支燃性ガス用ノズルと処理ガス用ノズルとを備え、
    前記燃料用ノズルと支燃性ガス用ノズルと処理ガス用ノズルは、前記燃焼室の軸線に直交する同一平面上に位置していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の排ガス処理装置。
  7. 前記燃焼室は、燃料と支燃性ガスと処理ガスとをそれぞれ燃焼室の内周面の接線方向に向けて吹き込む燃料用ノズルと支燃性ガス用ノズルと処理ガス用ノズルとを備え、
    前記燃料用ノズルと支燃性ガス用ノズルと処理ガス用ノズルは、燃料と支燃性ガスと処理ガスとをそれぞれ燃焼室の内周面の接線方向に向けて吹き込んで、前記燃料と支燃性ガスと処理ガスの三種混合の旋回流を形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の排ガス処理装置。
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