JP6658725B2 - 車両の内装構造およびセンターピラーの組み付け方法 - Google Patents

車両の内装構造およびセンターピラーの組み付け方法 Download PDF

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Description

本発明は、センターピラーを備えた車両の内装構造、および、センターピラーの組み付け方法に関する。
一般的な自動車のセンターピラーでは、車体上下方向に沿って延びるピラー本体に、ピラー本体の車室内側の面を覆う樹脂性のピラートリムが取り付けられている。また、センターピラーには、乗員の体格に応じてウェビングの経路を調節するためのシートベルトアジャスタが設けられている。
特許文献1に開示されたセンターピラーでは、ピラー本体の長手方向に沿ってシートベルトアジャスタと一体にスライド移動可能な板状のレールカバーが、ピラートリムに取り付けられている。このレールカバーには、ウェビングが挿通される孔が設けられていて、ウェビングはこの孔を通じて車室内に入る。
特許文献1に開示されたセンターピラーのピラートリムには、ピラー本体の幅方向両端部に、長手方向に並べて複数のガイドリブが設けられている。レールカバーは、このガイドリブが画定する空間内に配置される。ガイドリブは、レールカバーをこの空間内に収容したときに、その厚み方向および幅方向の移動を規制する形状を有している。この空間の幅方向および厚み方向の寸法は、それぞれ、レールカバーの幅および厚みよりもわずかに大きく設定されている。これにより、ピラー本体の長手方向におけるレールカバーのスライド移動が許容される。
特開2010−235025号公報
特許文献1に開示されたセンターピラーを組み付ける際には、まず、ピラートリムの車室外側の面にレールカバーを取り付けられる。この工程では、ピラートリムを幅方向に押し広げることにより、ピラートリムのガイドリブが画定する空間内にレールカバーを配置する必要がある。ピラートリムは比較的厚い部材であるから、押し広げるためには大きい力を加える必要があり、作業性が低下するおそれがある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、センターピラーを備えた車両の内装構造において、ピラートリムに対するレールカバーの取付けの作業性を向上することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
センターピラーを備えた車両の内装構造であって、前記センターピラーは、
車体上下方向に沿って延びるピラー本体と、
前記ピラー本体の車室内側の面を覆うピラートリムと、
前記ピラートリムの車室外側の面に取り付けられ、前記ピラー本体の長手方向に沿ってショルダーアンカと一体にスライド移動可能なレールカバーとを備え、
前記ピラートリムには、前記ピラー本体の長手方向に沿った前記レールカバーのスライド移動をガイドするためのガイドリブが設けられ、
前記ガイドリブには、前記スライド移動を許容しつつ、前記ピラー本体の長手方向に対して垂直な方向における前記レールカバーの移動を規制するガイド溝が設けられ、
前記レールカバーには、前記ガイドリブに嵌め合わせ可能なように該ガイドリブに相補的な形状および配置を有する切欠き部が設けられ、
前記ピラー本体の長手方向に沿った前記レールカバーの上方への移動を規制するために、前記ピラートリムには突起状の第1ストッパが設けられ、前記レールカバーには突起状の第2ストッパが設けられ、
前記第2ストッパは、前記レールカバーの車室外側の面から突出して設けられ、
前記第1ストッパは、前記第2ストッパの下方からの当接を可能とするように、前記ピラートリムの車室外側で車室内側に突出して設けられていると共に、
前記第2ストッパは、前記レールカバーが前記切欠き部と前記ガイドリブとを嵌め合わせる位置にあるときは前記第1ストッパの上方に位置するように設けられており、
前記レールカバー、又は、前記第1、第2ストッパの少なくとも一方は、前記第2ストッパが前記第1ストッパより上方に位置する状態から下方に位置する状態へ前記レールカバーが下方にスライド移動するときに弾性変形可能とされている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の内装構造であって、
前記ガイドリブは、前記ピラートリムの幅方向の両側に設けられ、
前記切欠き部は、前記レールカバーの幅方向両側の側端部のうちの一方の側端部にのみ設けられている
請求項3に記載の発明は、
センターピラーの組み付け方法であって、前記センターピラーは、
車体上下方向に沿って延びるピラー本体と、
前記ピラー本体の車室内側の面を覆うピラートリムと、
前記ピラートリムの車室外側の面に取り付けられ、前記ピラー本体の長手方向に沿ってショルダーアンカと一体にスライド移動可能なレールカバーとを備え、
前記ピラートリムには、前記ピラー本体の長手方向に沿った前記レールカバーのスライド移動をガイドするためのガイドリブが設けられ、
前記ガイドリブには、前記スライド移動を許容しつつ、前記ピラー本体の長手方向に対して垂直な方向における前記レールカバーの移動を規制するガイド溝が設けられ、
前記レールカバーには、前記ガイドリブに嵌め合わせ可能なように該ガイドリブに相補的な形状および配置を有する切欠き部が設けられ、
前記ピラー本体の長手方向に沿った前記レールカバーの上方への移動を規制するために、前記ピラートリムには突起状の第1ストッパが設けられ、前記レールカバーには突起状の第2ストッパが設けられ、
前記第2ストッパは、前記レールカバーの車室外側の面から突出して設けられ、
前記第1ストッパは、前記第2ストッパの下方からの当接を可能とするように、前記ピラートリムの車室外側で車室内側に突出して設けられ、
前記ピラートリムのガイドリブと前記レールカバーの切欠き部とを嵌め合わせ、前記レールカバーの第2ストッパを前記ピラートリムの第1ストッパよりも上側に配置するステップと、
前記ピラー本体の長手方向に沿って前記レールカバーを下方にスライド移動させることにより、前記レールカバー、又は、第1、第2ストッパの少なくとも一方を弾性変形させつつ、前記第2ストッパを前記第1ストッパよりも下側に配置するステップとを含む。

請求項1に記載の発明によれば、ピラートリムのガイドリブに相補的な形状および配置を有する切欠き部がレールカバーに設けられているので、ガイドリブのガイド溝が画定する空間内にレールカバーを配置するときにはガイドリブとレールカバーの切欠き部とを嵌め合わせればよく、ピラートリムを幅方向に押し広げる必要がなくなる。これにより、ピラートリムに対するレールカバーの取付けの作業性が向上する。
また、ピラー本体の長手方向に沿ったレールカバーの上方への移動を規制するための第1、第2ストッパが設けられているので、当該長手方向における第1、第2ストッパの間隔を調節することにより、レールカバーがピラートリムから脱落するのを防止できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果が得られる。
請求項3に記載の発明によれば、ガイドリブと切欠き部とを嵌め合わせ、レールカバーの第2ストッパをピラートリムの第1ストッパよりも上側に配置し、ピラー本体の長手方向に沿ってレールカバーを下方にスライド移動させることにより、第2ストッパを第1ストッパよりも下側に配置し、センターピラーの組付けが完了する。このようにして、ピラートリムを幅方向に押し広げる必要がなくなり、ピラートリムに対するレールカバーの取付けの作業性が向上する。
本発明の実施形態に係る内装構造が適用された車両の右側部を車両内側から見た図である。 ピラートリムが取り外された状態のセンターピラーの上部を示す斜視図である。 ピラートリムを外側(車室内側)から見た図である。 ピラートリムを内側(車室外側)から見た図である。 ピラートリムを内側(車室外側)から見た斜視図である。 ピラートリムを内側(車室外側)から見た斜視図である。 レールカバーを外側(車室内側)から見た図である。 レールカバーを内側(車室外側)から見た図である。 ピラートリムに取り付けた状態のレールカバーを内側から見た図である。 図9に対応する図であり、センターピラーの組み付け方法の第1ステップを示す図である。 図6に対応する図であり、センターピラーの組み付け方法の第1ステップを示す図である。 図6に対応する図であり、センターピラーの組み付け方法の第2ステップを示す図である。 図6に対応する図であり、センターピラーの組み付け方法の第3ステップを示す図である。 センターピラーの組み付け方法の第4ステップを示す模式図である。 センターピラーの組み付け方法の第5ステップを示す模式図である。 センターピラーの組み付け方法の第6ステップを示す模式図である。 他の実施形態に係るセンターピラーの組み付け方法を示す模式図である。 他の実施形態に係るセンターピラーの組み付け方法を示す模式図である。 他の実施形態に係るセンターピラーの組み付け方法を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る内装構造が適用された車両1の右側部を車両内側から見た図である。本明細書では、車両1の右側部の内装構造のみを説明するが、車両1の左側部の内装構造も同様の構造を有するので、説明を省略している。
車両1の車幅方向両端部には、それぞれ、車体下部で車体前後方向に延びるサイドシル2が設けられている。サイドシル2の前端部、中央部、後端部には、車体上方に向かってそれぞれ延びるヒンジピラー3、センターピラー4およびリアピラー5が設けられている。ヒンジピラー3の上端部には、後上方へ傾斜して延びるフロントピラー6が設けられている。フロントピラー6の上端部とリアピラー5の上端部との間には、ルーフサイドレール7が設けられている。
以下、センターピラー4の構造について詳しく説明する。
センターピラー4は、車両1の側部において前部乗降用開口8aと後部乗降用開口8bとの間に配置されている。センターピラー4は、ピラー本体10(図2を参照)、ピラートリム20、レールカバー30およびシートベルトアジャスタ40(図2を参照)を備えている。ピラー本体10は、車体上下方向に沿って延びている。ピラー本体10が延びる方向をピラー本体10の長手方向と称する。ピラー本体10の上端部はルーフサイドレール7に接続され、ピラー本体10の下端部はサイドシル2に接続されている。
[ピラートリム20]
図1、図2からわかるように、ピラートリム20は、ピラー本体10の車室内側の面を覆うように設けられている。ピラートリム20は、樹脂(例えばポリプロピレン樹脂)で作られている。図1に示すように、ピラートリム20は、互いに接合された上側のピラートリムアッパ20aと下側のピラートリムロア20bを有している。
以下、ピラートリムアッパ20aを単にピラートリム20と称して説明する。
図3、図4に示すように、ピラートリム20は、板状であって長尺の部材である。ピラートリム20は主面部21と側面部22a,22bを有する。ピラートリム20の主面部21は、車体に取り付けられたときに車室内側に面する外面21aと、車室外側に面する内面21bとを有する。ピラートリム20の側面部22a,22bは、主面部21の内面21bの幅方向両端部から内側(車室外側)に向けて、内面21bに対して略垂直な方向に延びている。
ピラートリム20の長手方向は、ピラー本体10の長手方向に一致し、車体上下方向に沿った方向である。ピラートリム20の幅方向(または短手方向)は、主面部21の内面21bの面内方向においてピラートリム20の長手方向に対して垂直な方向であり、ピラートリム20が車体に取り付けられたときには車体前後方向に沿った方向となる。ピラートリム20の厚み方向は、ピラートリム20の長手方向および幅方向に対して垂直な方向である。ピラートリム20の厚み方向は、ピラートリム20が車体に取り付けられたときには車幅方向に沿った方向となる。ピラートリム20の幅方向において側面部22aが設けられている側を左側、側面部22bが設けられている側を右側と称する。
図5に示すように、ピラートリム20の長手方向に対して垂直な断面は、略コ字状(または略U字状)である。ピラートリム20の幅(または側面部22a,22bの間隔)は、ピラートリム20の上部において、上側に向かって大きくなっている。
ピラートリム20の主面部21の上部であって幅方向の中央部には、厚み方向に貫通する開口部23が設けられている。開口部23は、ピラートリム20の長手方向に沿った長辺を有する略長方形状である。開口部23は、レールカバー30が車室内へ臨む部分である。
ピラートリム20の主面部21の内面21bには、開口部23を挟んで幅方向両端部から両側面部22a,22bにわたって複数の板状リブが設けられている。複数の板状リブは、ピラートリム20の長手方向に並べて配置されている。複数の板状リブのうちリブ24は、ピラートリム20の剛性を向上させるための補強リブである。複数の板状リブのうちリブ25は、幅方向に延び、レールカバー30のスライド移動をガイドするためのガイドリブである。
この実施形態では、ピラートリム20の主面部21の内面21bにおいて、幅方向両側にそれぞれ、1組2つのガイドリブ25,25を3組ずつ設けているが、本発明においてガイドリブ25の数はこれに限定されることはない。1組2つのガイドリブ25,25は、ピラートリム20の長手方向に並べて互いに近接配置されている。ピラートリム20の幅方向両側にそれぞれ上方から下方に向かって設けられる(左側の)第1〜第3ガイドリブ組251〜253および(右側の)第4〜第6ガイドリブ組254〜256は、それぞれ、ピラートリム20の長手方向に並べて所定の間隔を隔てて配置されている。
ピラートリム20の幅方向に延びるガイドリブ25において側面部22側の端部を基端部、基端部の反対側の端部を先端部とする。ガイドリブ25は、その先端部において、幅方向に沿って延びる第1辺部25aと厚み方向に沿って延びる第2辺部25bとを有する(図6を参照)。なお、図6は、図5をA−A線に沿って切った断面を示している。第1辺部25aと第2辺部252bとは互いに略直交している。ピラートリム20の長手方向から見て、ガイドリブ25の第1辺部25aおよび第2辺部25bとピラートリム20の主面部21の内面21bとにより、ガイドリブ25の先端側に開口するガイド溝25cが画定される。長手方向に連続する複数のガイドリブ25のガイド溝25cにより、レールカバー30を収容する空間25dが画定される。空間25dの幅方向および厚み方向の寸法は、それぞれ、レールカバーの幅および厚みよりもわずかに大きくされている。
ガイドリブ25のガイド溝25cは、ガイドリブ25の長手方向に沿った方向におけるレールカバー30のスライド移動を許容しつつ、その幅方向および厚み方向の移動を規制する機能を有する。
ピラートリム20の上部には、ピラートリム20の両側面部22a,22bを接続するブリッジ部26が設けられている。ブリッジ部26の幅方向中央部には、ボルト26a(図9などを参照)が挿通されるボルト穴26bが設けられている。図示していないが、ピラートリム20は、ボルト26aでピラー本体10に固定されている。ピラートリム20においてブリッジ部26と主面部21との間には、長手方向に開口する空間26cが形成されている。
ブリッジ部26の外側(車室内側)の面には、外側(車室内側)に突出する突起部27が設けられている。突起部27は、板状であり、幅方向に延びている。突起部27は、基端側(ブリッジ部26側)から先端側に向かって先細りしており、ピラートリム20の長手方向から見て台形状である。突起部27は、後述するレールカバー30の横リブ35に当接して、ピラートリム20の長手方向に沿ったレールカバー30の上方への移動を規制する上側ストッパ(第1ストッパ)として機能する。
図4に示すように、ピラートリム20の長手方向中央部には、ピラートリム20の主面部21の内面21bにおいて幅方向両端部にわたって延びるクロスメンバ28が設けられている。クロスメンバ28により、ピラートリム20の剛性が向上する。また、クロスメンバ28は、レールカバー30の下方への移動を規制する下側ストッパとして機能する。
[レールカバー30]
図7、図8に示すように、レールカバー30は、板状であって長尺の部材である。図9からわかるように、レールカバー30は、ピラートリム20の内面21bに取り付けられ、ピラー本体10とピラートリム20との間に配置される。レールカバー30は、樹脂(例えばポリプロピレン樹脂)で作られている。レールカバー30は、車体に取り付けられたときに車室内側に面する外面30aと、車室外側に面する内面30bとを有する。
レールカバー30の長手方向は、ピラー本体10の長手方向およびピラートリム20の長手方向に実質的に一致し、車体上下方向に沿った方向である。レールカバー30の幅方向(または短手方向)は、レールカバー30の面内方向において長手方向に対して垂直な方向であり、レールカバー30が車体に取り付けられたときには車体前後方向に沿った方向となる。レールカバー30の厚み方向は、レールカバー30の長手方向および幅方向に対して垂直な方向である。レールカバー30の厚み方向は、レールカバー30が車体に取り付けられたときには車幅方向に沿った方向となる。レールカバー30の幅方向において、ピラートリム20の左側、右側に取り付けられる側をそれぞれ左側、右側と称する。
レールカバー30はピラートリム20よりも板厚が小さく、それゆえに剛性が低い。レールカバー30の板厚は、厚み方向に少し撓むことができる程度の大きさである。
レールカバー30には、その幅方向に沿って延びる貫通孔31が設けられている。貫通孔31にはウェビング9が挿通され、ウェビング9は貫通孔31を通じて車室内に入る(図1を参照)。貫通孔31の上方には、レールカバー30の板面に対して外側(車室内側)へ膨出した膨出部32が設けられている。膨出部32の上方には、ウェビング9の経路を調節するために乗員が操作する押し込み部33が設けられている。押し込み部33は、膨出部32を覆うカバー33aを有し、スプリング33bによりレールカバー30の内面30bに取り付けられている。
上述のとおり、レールカバー30は、ピラートリム20の幅方向両側に設けられたガイドリブ25が画定する空間25d内に収容され、幅方向および厚み方向の移動は規制される一方、長手方向に沿った方向におけるスライド移動は許容される。具体的には、レールカバー30の幅方向への移動は、幅方向両側に設けられたガイドリブ25,25の厚み方向に延びる第2辺部25b,25bにより規制され、レールカバー30の厚み方向への移動は、幅方向両側に設けられたガイドリブ25,25の幅方向に延びる第1辺部25a,25aにより規制される。
レールカバー30の幅方向端部には、切欠き部34が設けられている。この実施形態では、切欠き部34は、レールカバー30の左側端部に設けられており、右側端部には設けられていない。他の実施形態では、切欠き部34は、レールカバー30の幅方向両端部に設けられていてもよい。
この実施形態では、レールカバー30の左側端部に上方から下方に向かって第1、第2切欠き部341,342が長手方向に並べて設けられている切欠き部34は、ピラートリム20のガイドリブ25に相補的な形状および配置を有する。言い換えると、切欠き部34は、対応するガイドリブ組に対して嵌め合わせることが可能な形状および配置を有する(図10を参照)。具体的に言うと、第1、第2切欠き部341,342の長手方向寸法は、第1〜第3ガイドリブ組251〜253の長手方向寸法よりも少し大きい程度である。なお、ガイドリブ組の長手方向寸法とは、ピラートリム20の長手方向における2つのガイドリブのギャップの寸法と2つのガイドリブの厚みとの和である。また、第1切欠き部341と第2切欠き部342との間隔は、第1ガイドリブ組251を構成する下側のガイドリブ25と第2ガイドリブ組252を構成する上側のガイドリブ25との間隔に等しい。
図10に示すように、この実施形態では、第1、第2ガイドリブ組251,252と第1、第2切欠き部341,342とを嵌め合わせたときに、レールカバー30の下端部は第3ガイドリブ組253よりも上側に位置する。レールカバー30の長手方向寸法がより大きいときには、第3ガイドリブ組253に相補的な形状および配置を有する第3切欠き部343を設ければよい。
後述するように、レールカバー30に切欠き部34が設けられていることにより、レールカバー30をピラートリム20に容易に取り付けることができる。
レールカバー30の右側上部には、幅方向に延びる板状の横リブ35が設けられている。横リブ35は、基端側(内面30b側)から先端側に向かって先細りしており、レールカバー30の長手方向から見て台形状である。横リブ35は、レールカバー30の幅方向において、レールカバー30がピラートリム20に取り付けられた状態でピラートリム20の突起部27と少なくとも部分的にオーバラップする位置に設けられている。
レールカバー30のスライド位置にかかわらず、ピラートリム20の長手方向(またはレールカバー30の長手方向)における突起部27と横リブ35との間隔は、第1、第2ガイドリブ組251,252と対応する第1、第2切欠き部341,342との間隔よりも小さい。また、突起部27の厚み方向寸法(突起部の高さ)と横リブ35の厚み方向寸法(リブの高さ)の和は、ブリッジ部26の外側(車室内側)の面とレールカバー30の内面30bとの間隔よりも大きい。これにより、レールカバー30を長手方向で上方へスライド移動させたときには、最上段位置で、突起部27が横リブ35に当接し、上方への更なるスライド移動が規制される。このように、横リブ35は、長手方向に沿ったレールカバー30の上方への移動を規制する上側ストッパ(第ストッパ)として機能する。
一方、最下段位置では、レールカバー30の下端部がクロスメンバ28に当接することにより、レールカバー30の更なる下方への移動が規制される。図9には、レールカバー30のスライド移動可能範囲が二点鎖線で示している。
この実施形態に係る突起部27と横リブ35の構成によれば、レールカバー30のスライド移動可能範囲にわたって、第1、第2ガイドリブ組251,252と対応する第1、第2切欠き部341,342の長手方向の位置が重なって嵌まることがなく、したがってレールカバー30のピラートリム20からの脱落が防止される。
上述のとおり、レールカバー30は、ピラートリム20の主面部21に設けられた開口部23から車室内に臨んでいる。レールカバー30は、図9に示す範囲でスライド移動しても、開口部23からレールカバー30の内側(車室外側)が視認されない長さを有している。
[シートベルトアジャスタ40]
図2に示すように、シートベルトアジャスタ40は、レール41とアジャスタ機構42とを有している。レール41は、ピラー本体10にボルト41a,41bで固定されている。アジャスタ機構42は、レール41上をピラー本体10の長手方向にスライド可能にレール41に取り付けられている。アジャスタ機構42の位置は、例えば複数段階にわたって調節可能とされている。アジャスタ機構42には、ショルダーアンカ43がボルト43aで固定されている。ショルダーアンカ43は、レールカバー30の貫通孔31から車室内へ臨んでいる。ショルダーアンカ43は、アジャスタ機構42と一体にピラー本体10の長手方向にスライド移動でき、これにより、乗員の体格に応じてウェビング9の高さ位置を上下に調整できるように構成されている。
アジャスタ機構42は、ベース部44およびスライダ部45を有している。ベース部44は、厚み方向に延びるピン(図示せず)を介してレール41に固定されている。スライダ部45は、スプリング46を介してベース部44の上に配置されている。スライダ部45は、レールカバー30の押し込み部33に設けられたカバー33aと一体に、スプリング46から反発力を受けつつ下方にスライド移動可能である。アジャスタ機構42は、押し込み部33のカバー33aが乗員から下方に押し込まれると、図示しない前記ピンを後退させ、これによりレール上でスライド移動可能とするように構成されている。アジャスタ機構42は公知の構造であり、詳細な説明は省略する。
[センターピラー4の組付け方法]
次に、図10から図15を参照して、センターピラー4の組付け方法を説明する。
第1ステップでは、図10、図11に示すように、長手方向において、ピラートリム20に設けられた第1、第2ガイドリブ組251,252とレールカバー30に設けられた第1、第2切欠き部341,342の位置を合わせる。第1ステップでは、レールカバー30の右側端部を支軸としてレールカバー30の左側端部を内側(車室外側)に傾斜させつつ、ブリッジ部26と主面部21との間に形成される空間26c内に、レールカバー30の上部を配置する。レールカバー30を傾斜させず同じステップを実施した場合、ピラートリム20の突起部27とレールカバー30の横リブ35とが当接する。一方、レールカバー30を傾斜させた場合、突起部27と横リブ35とは互いに幅方向にずれるため、両者の干渉を防止できる。図10、図11に示すように、第1ステップの後、横リブ35は突起部27よりも上方に配置される。
第2ステップでは、図12に示すように、レールカバー30を右側に移動させつつ、レールカバー30の右側端部(切欠き34が設けられていない側)を、ピラートリム20の右側端部に位置する第4、第5ガイドリブ組254,255に係合させる。
第3ステップでは、図13に示すように、レールカバー30の傾斜を解除する。これにより、第1、第2ガイドリブ組251,252と第1、第2切欠き部341,342とが嵌合する。第2、第3ステップの後、レールカバー30は、ガイドリブ25のガイド溝25cが画定する空間25d(図6を参照)内に配置される。当業者に理解されるように、第3ステップは第2ステップの前に実施してもよい。
第4ステップでは、図14Aに示すように、レールカバー30の上部を外側(車室内側)に弾性変形させる。レールカバー30の弾性変形は、レールカバー30に対して外側(車室内側)に外力を加えることにより実現する。第5ステップでは、図14Bに示すように、レールカバー30を弾性変形させた状態で、レールカバー30を長手方向に沿って下方にスライド移動させる。レールカバー30を弾性変形させない直立状態で、レールカバー30を長手方向に沿って下方にスライド移動させた場合、横リブ35が突起部27と干渉する。レールカバー30を弾性変形させることにより、横リブ35と突起部27との干渉を防止できる。図14Bに示すように、第5ステップの後、横リブ35は突起部27よりも下方に配置される。第6ステップでは、図14Cに示すように、レールカバー30の弾性変形を解除する。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されると理解すべきではない。上述の実施形態には、種々の改良、設計上の変更および削除が加えられてよい。上述の実施形態に記載された任意の特徴を組み合わせることにより、その他の実施形態が作り出されてよい。
例えば、上述の実施形態では、センターピラー4の組付け方法の第4から第6ステップにおいて、レールカバー30に対して外側(車室内側)に外力を加えることにより、レールカバー30を外側(車室内側)に弾性変形させた。図15に模式的に示すように、レールカバー30の横リブ35とピラートリム20の突起部27との厚み方向の重なりが小さい場合には、レールカバー30を弾性変形させない直立状態で、レールカバー30を長手方向に沿って下方にスライド移動させてもよい。このとき、横リブ35と突起部27とが当接するが、横リブ35と突起部27の少なくとも一方が自らの弾性により変形し、レールカバー30のスライド移動が実現する(図15Cでは、横リブ35のみが弾性変形する例を示している)。
本発明によれば、センターピラーを備えた車両の内装構造において、レールカバーのピラートリムに対する取り付けの作業性を向上することが可能となる。したがって、本発明は、この種の内装構造を備えた車両の製造分野において、好適に用いられる可能性がある。
1 車両
4 センターピラー
9 ウェビング
10 ピラー本体
20 ピラートリム
21 主面部
22a,22b 側面部
23 開口部
25 ガイドリブ
251〜256 ガイドリブ組
26 ブリッジ部
27 突起部
28 クロスメンバ
30 レールカバー
31 貫通孔
34(341,342) 切欠き部
35 横リブ
40 シートベルトアジャスタ
41 レール
42 アジャスタ機構
43 ショルダーアンカ

Claims (3)

  1. センターピラーを備えた車両の内装構造であって、前記センターピラーは、
    車体上下方向に沿って延びるピラー本体と、
    前記ピラー本体の車室内側の面を覆うピラートリムと、
    前記ピラートリムの車室外側の面に取り付けられ、前記ピラー本体の長手方向に沿ってショルダーアンカと一体にスライド移動可能なレールカバーとを備え、
    前記ピラートリムには、前記ピラー本体の長手方向に沿った前記レールカバーのスライド移動をガイドするためのガイドリブが設けられ、
    前記ガイドリブには、前記スライド移動を許容しつつ、前記ピラー本体の長手方向に対して垂直な方向における前記レールカバーの移動を規制するガイド溝が設けられ、
    前記レールカバーには、前記ガイドリブに嵌め合わせ可能なように該ガイドリブに相補的な形状および配置を有する切欠き部が設けられ、
    前記ピラー本体の長手方向に沿った前記レールカバーの上方への移動を規制するために、前記ピラートリムには突起状の第1ストッパが設けられ、前記レールカバーには突起状の第2ストッパが設けられ、
    前記第2ストッパは、前記レールカバーの車室外側の面に設けられ、
    前記第1ストッパは、前記第2ストッパの下方からの当接を可能とするように、前記ピラートリムの車室外側で車室内側に突出して設けられていると共に、
    前記第2ストッパは、前記レールカバーが前記切欠き部と前記ガイドリブとを嵌め合わせる位置にあるときは前記第1ストッパの上方に位置するように設けられており、
    前記レールカバー、又は、前記第1、第2ストッパの少なくとも一方は、前記第2ストッパが前記第1ストッパより上方に位置する状態から下方に位置する状態へ前記レールカバーが下方にスライド移動するときに弾性変形可能とされている、車両の内装構造。
  2. 前記ガイドリブは、前記ピラートリムの幅方向の両側に設けられ、
    前記切欠き部は、前記レールカバーの幅方向両側の側端部のうちの一方の側端部にのみ設けられている、請求項1に記載の車両の内装構造。
  3. センターピラーの組み付け方法であって、前記センターピラーは、
    車体上下方向に沿って延びるピラー本体と、
    前記ピラー本体の車室内側の面を覆うピラートリムと、
    前記ピラートリムの車室外側の面に取り付けられ、前記ピラー本体の長手方向に沿ってショルダーアンカと一体にスライド移動可能なレールカバーとを備え、
    前記ピラートリムには、前記ピラー本体の長手方向に沿った前記レールカバーのスライド移動をガイドするためのガイドリブが設けられ、
    前記ガイドリブには、前記スライド移動を許容しつつ、前記ピラー本体の長手方向に対して垂直な方向における前記レールカバーの移動を規制するガイド溝が設けられ、
    前記レールカバーには、前記ガイドリブに嵌め合わせ可能なように該ガイドリブに相補的な形状および配置を有する切欠き部が設けられ、
    前記ピラー本体の長手方向に沿った前記レールカバーの上方への移動を規制するために、前記ピラートリムには突起状の第1ストッパが設けられ、前記レールカバーには突起状の第2ストッパが設けられ、
    前記第2ストッパは、前記レールカバーの車室外側の面から突出して設けられ、
    前記第1ストッパは、前記第2ストッパの下方からの当接を可能とするように、前記ピラートリムの車室外側で車室内側に突出して設けられ、
    前記ピラートリムのガイドリブと前記レールカバーの切欠き部とを嵌め合わせ、前記レールカバーの第2ストッパを前記ピラートリムの第1ストッパよりも上側に配置するステップと、
    前記ピラー本体の長手方向に沿って前記レールカバーを下方にスライド移動させることにより、前記レールカバー、又は、第1、第2ストッパの少なくとも一方を弾性変形させつつ、前記第2ストッパを前記第1ストッパよりも下側に配置するステップとを含む、センターピラーの組み付け方法。
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