JP6658029B2 - 車両用スロープ収納機構 - Google Patents
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Description
本発明の第1実施形態に係る車両用スロープ収納機構について説明する。
最初に、図1を参照して、本実施形態に係るスロープ収納機構を有する車両について説明する。スロープ収納機構を有する車体1の後面は、車体1の天井面と底面との間で実質的に車両上下方向に沿って立ち上がるように形成されており、このような後面に車両前後方向に貫通する開口1aが形成されている。車体1の後部内には、車椅子、台車等を配置可能とする空間が形成されている。特に図示はしないが、車体1は、開口1aに対応して形成されたドアを備え、かかるドアは、開口1aを開閉可能とするように構成されている。
図1〜図6を参照して、スロープ収納機構の概略について説明する。図1に示すように、スロープ収納機構は、車体1の後部に搭載されるスロープ2を備えている。かかるスロープ2は略平板形状に形成されている。スロープ2の基端部2aは、実質的に車両幅方向に沿った軸線2bを中心としてスロープ2を旋回可能とするように車体1の床部1bに取り付けられている。なお、車体1の床部1bは、地面Gに対して車両上方に位置している。スロープ2はまた、図2に示すように、その基端部2aから先端部2cに向かう方向に延伸した状態(以下、「延伸状態」という)と、図1、図3、及び図4に示すように、延伸状態に対して先端部2cから基端部2aに向かう方向に縮小した状態(以下、「縮小状態」という)とに変形可能に構成されている。延伸及び縮小状態間のスロープ2の変形は、スロープ2をその長手方向に伸縮させることによって達成されるようになっている。
ここで、図5及び図6を参照して、係合部材4の詳細について説明する。係合部材4は、軸線4aを挟みながら互いに対向する遠位部4b及び近位部4cを有している。かかる係合部材4は、スロープ2を向く内側面4dを有しており、内側面4dは、スロープ2に対して間隔を空けて配置されている。係合部材4はまた、内側面4dに対向する外側面4eを有している。
図5〜図7を参照して、被係合部材5の詳細について説明する。被係合部材5は、車両上方に開口する2つの保持凹部5aを有している。図6に示すように、各保持凹部5aは、スロープ2が起立姿勢にある状態で係合部材4の遠位部4bと係合可能となっている。
図5及び図6を参照して、回転制御部材6の詳細について説明する。回転制御部材6は、係合部材4の近位部4cに当接し、さらには、係合部材4の回転時に係合部材4の近位部4cに摺動可能に配置される摺動部分6aを有している。摺動部分6aはまた、スロープ2と間隔を空けると共に係合部材4の外側面4eに当接するように配置されている。かかる摺動部分6aは、回転方向に沿って略L字形状に形成されている。
図5及び図6を参照して、本実施形態に係るスロープ収納機構の保持装置3によってスロープ2を保持する方法について説明する。展開姿勢又は倒伏姿勢のスロープ2を起立姿勢に変化させるように旋回させる。このとき、スロープ2における係合部材4を、車体1の開口側縁部1cにおける被係合部材5の保持凹部5aに対してスロープ2の旋回方向に位置合わせする。なお、スロープ2は起立姿勢では縮小状態に変形させる。
図5及び図6を参照して、本実施形態に係るスロープ収納機構において係合部材4の回転を制御する方法について説明する。車両の振動等の外力が加えられた場合であっても、係合状態又は収容状態の係合部材4の近位部4cが回転制御部材6の摺動部分6aと摩擦するので、このような摩擦によって係合部材4を係合状態又は収容状態に維持することができる。すなわち、外力によって係合状態又は収容状態の係合部材4が意図せずに回転することを防ぐことができる。
以上、本実施形態に係るスロープ収納機構によれば、スロープ2を起立姿勢にした状態で係合部材4の遠位部4bを被係合部材5の保持凹部5aに係合させるようとする際に、車両上方に開口する保持凹部5aが車両上方から容易に視認できるので、係合部材4の遠位部4bと被係合部材5の保持凹部5aとを容易に位置合わせできる。また、係合部材4の遠位部4bと被係合部材5の保持凹部5aとが大まかに位置合わせされていれば、係合部材4の遠位部4bを、車両上方から下方に向かって回転させながら、車両上方に開口する保持凹部5aに呼び込むことができる。その結果、係合部材4を被係合部材5に容易に係合させることができて、スロープ2の収納作業性を改善することができる。さらに、係合部材4の遠位部4bを被係合部材5の保持凹部5a内にて安定的に係合させることができ、このような係合によって起立姿勢のスロープ2を安定的に保持することができる。付随的には、スロープ2が起立姿勢にある場合、係合部材4が車両前後方向に沿って配置された軸線を中心として回転するので、係合部材4の回転によって占められる車両前後方向のスペースを減少させることができる。その結果、係合部材4の回転スペースを確保しながら起立姿勢のスロープ2を車体1の後面に接近させることができ、起立姿勢のスロープ2に対して車両前方に位置する車室空間を十分に確保することができる。
本発明の第2実施形態に係る車両用スロープ収納機構について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様の車体及びスロープを用いる。さらに、本実施形態に係るスロープ収納機構は、以下のように構成されている。
図8及び図9を参照して、本実施形態に係るスロープ収納機構の概略について説明する。本実施形態に係るスロープ収納機構は、それぞれ、第1実施形態の2つの保持装置3と同様に配置される2つの保持装置13を備えている。各保持装置13は、互いに係合可能に構成された係合部材14及び被係合部材15を有しており、係合部材14は、実質的に車両前後方向に沿った軸線14aを中心として回転可能にブラケット16に取り付けられ、さらに、かかるブラケット16がスロープ2の側端部2eに取り付けられている。すなわち、係合部材14はブラケット16を介してスロープ2の側端部2eに取り付けられている。被係合部材15はまた、それに対応する係合部材14を取り付けたスロープ2の側端部2eと向かい合う開口側縁部1cに取り付けられている。
図8及び図9を参照して、係合部材14の詳細について説明する。係合部材14は、軸線14aを中心として回転可能にブラケット16に取り付けられる支持部分14bを有している。係合部材14はまた、被係合部材15と係合する係合部分14cを有しており、かかる係合部分14cは支持部分14bの先端部と交差している。
図8及び図9を参照して、被係合部材15の詳細について説明する。被係合部材15は、車両上方に開口する2つの保持凹部15aを有している。図9に示されるように、スロープ2が起立姿勢にある状態で、各保持凹部15aは係合部材14の係合部分14cの遠位部14c1と係合可能になる。
図8及び図9を参照して、ブラケット16の詳細について説明する。ブラケット16は、係合部材14を取り付ける取付部分16aと、係合部材14の回転を規制するように係合部材14の係合部分14cと回転方向にて当接可能に構成される係合側及び離脱側規制部分16b,16cとを有している。
本実施形態に係るスロープ2の保持及び離脱方法は、係合部材4の遠位部4bの代わりに係合部材14の係合部分14cの遠位部14c1が被係合部材15の保持凹部15aと係合し、かつ保持凹部15aから離脱するという点を除いて、第1実施形態に係るスロープ2の保持及び離脱方法と同様である。
図8及び図9を参照して、本実施形態に係るスロープ収納機構において係合部材14の回転を制御する方法について説明する。係合部材14の係合部分14cの遠位部14c1が、係合状態を超えて回転方向係合側に回転しようとすると、かかる係合部分14cの遠位部14c1がブラケット16の係合側規制部分16bに当接する。その一方で、係合部分14cの遠位部14c1が、収容状態を超えて回転方向離脱側に回転しようとすると、係合部材14の近位部14c2がブラケット16の離脱側規制部分16cに当接する。その結果、係合部材14が係合及び離脱操作のために必要とされない範囲に回転することを防ぐことができる。
以上、本実施形態に係るスロープ収納機構によれば、上述した回転制御部材6に関する作用及び効果を除いて、第1実施形態に係るスロープ収納機構と同様の効果を得ることができる。加えて、本実施形態に係るスロープ収納機構によれば、係合部材14が係合及び離脱操作のために必要とされない範囲に回転することを防ぐように、ブラケット16の係合側規制部分16bが係合部材14を支持するので、係合部材14の操作性を向上させることができる。その結果、係合部材14を被係合部材15の保持凹部15aに容易に係合させることができ、スロープ2の収納作業性を改善することができる。また、係合部材14の係合部分14cの遠位部14c1が、被係合部材15の保持凹部内15aにて安定的に係合されると同時に、係合部材14を取り付けたブラケット16の係合側規制部分16bによって車両下方から支持されるので、このような係合及び支持によって起立姿勢のスロープ2を安定的に保持することができる。
1a 開口
1c 開口側縁部
2 スロープ
2b 軸線
3 保持装置
4 係合部材
4a 軸線
5 被係合部材
5a 保持凹部
6 回転制御部材
6a 摺動部分
6b 係合側規制部分
6c 離脱側規制部分
13 保持装置
14 係合部材
14a 軸線
15 被係合部材
15a 保持凹部
16 ブラケット
16b 係合側規制部分
G 地面
F,R1,R2 矢印
Claims (3)
- 車体の後部内の空間から前記車体の後面の開口を通って前記車体の外部に向けて延びるように配置される展開姿勢、及び前記車体の後部内の空間にて車両上下方向に沿って配置される起立姿勢の間で旋回可能に前記車体の後部に取り付けられるスロープと、
前記起立姿勢のスロープを保持可能とするように構成される保持装置と
を備え、
前記保持装置が、前記開口に対して車両幅方向に隣接する前記車体の開口側縁部及び前記スロープの一方に取り付けられる係合部材と、該係合部材に係合可能に構成されると共に前記開口側縁部及び前記スロープの他方に取り付けられる被係合部材とを含む、車両用スロープ収納機構において、
前記係合部材が、前記起立姿勢にて、前記開口側縁部及び前記スロープの一方に対して車両前後方向に沿った軸線を中心として回転可能に構成され、
前記係合部材が、その軸線を挟みながら互いに対向する遠位部及び近位部を有し、
前記被係合部材が、前記起立姿勢にて、前記係合部材の遠位部に係合可能となるように車両上方に開口する保持凹部を有し、
前記係合部材の遠位部が前記被係合部材の保持凹部に係合した状態で前記保持装置が前記起立姿勢のスロープを保持するように構成されており、
前記係合部材の回転を制御可能に構成される回転制御部材が、前記開口側縁部及び前記スロープの一方に取り付けられ、
前記回転制御部材が、前記係合部材の回転時に前記係合部材の近位部と摺動可能となるように前記係合部材の回転方向に沿って配置される摺動部分を有している、車両用スロープ収納機構。 - 前記回転制御部材が、前記係合部材の回転を規制するように前記係合部材と前記回転方向にて当接可能に構成される規制部分をさらに有し、
該規制部分が、前記摺動部分における前記回転方向の両方の端部に配置されており、
前記摺動部分が、前記係合部材の回転時に前記係合部材の近位部と摺動可能となり、かつ前記摺動部分の両方の端部に配置された前記規制部分を連結するように延びている、請求項1に記載の車両用スロープ収納機構。 - 前記係合部材が、前記車体の開口側縁部及び前記スロープの一方を向く内側面と、該内側面に対向する外側面を有し、
前記回転制御部材の摺動部分が、前記係合部材の回転時に前記係合部材の近位部の外側面と摺動可能となるように前記係合部材の回転方向に沿って配置されており、
前記係合部材の近位部が、前記車体の開口側縁部及び前記スロープの一方と前記回転制御部材の摺動部分との間に位置している、請求項1又は2に記載の車両用スロープ収納機構。
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