JP6657813B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は定着装置に関し、より詳細には、定着回転体と加圧回転体とが圧接して形成されるニップ部に、一方面に未定着トナー像が形成された被転写部材を通過させることによって、未定着トナー像を加熱・加圧して被転写部材に溶融定着させる定着装置に関するものである。
複写機、プリンター、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置では、原稿に対応した静電潜像を感光体ドラムに形成し、この静電潜像にトナーを付着させて顕像化し、この顕像化されたトナー像を被転写部材上に転写し、この後、被転写部材上のトナー像を定着して排紙している。
被転写部材上に転写された未定着トナー像(以下、「トナー像」と記すことがある)を定着する装置として、ハロゲンランプ等の加熱手段を備えた定着回転体と加圧回転体とを圧接して形成されたニップ部で、トナー像が形成された被転写部材を挟持・搬送しながら、加熱・加圧する熱ローラ定着方式の定着装置が、装置構成の簡便さもあって、これまでから広く利用されている。
このような従来の定着装置では、被転写部材が通過した領域は被転写部材に熱が奪われ、温度が低下する。このため、被転写部材が通過する領域と通過しない領域とで温度分布が生じる。また、弾性層を有する加圧ローラを用いた場合等には、上記温度分布が生じると熱膨張によって外径差が生じ、加圧ローラの周速度が軸方向で異なるようになる。したがって、例えば、小サイズの用紙を連続して定着処理した後、大サイズの用紙を定着した場合、前記のように生じた温度分布によって、画像の定着ムラやホットオフセットなどの不具合が起こることがある。また定着装置の用紙搬送速度が軸方向で異なることにより、画像に”にじみ”などのノイズが生じたり、用紙に皺が生じることがある。
そこで、定着回転体や加圧回転体に、加熱ローラやヒートパイプなどの均熱ローラを接触させて、定着回転体や加圧回転体の回転軸方向の温度分布を解消している。ところが、定着処理を長期間にわたって行うとトナーや紙粉などの混合物(汚れ)が定着回転体や加圧回転体に付着する。このような混合物は温度の低い方へ転移しやすいため、定着回転体や加圧回転体から均熱ローラの表面に転移する。そして、均熱ローラ表面に転移した混合物は再び定着回転体や加圧回転体に再転移してその表面に固着し、用紙シワなどの通紙性を悪化させることがあった。
そこで、ブラシローラやウエブなどのクリーニング部材を均熱ローラに当接させて均熱ローラ表面の混合物を掻き落とす技術が提案されている(例えば特許文献1,2など)。また特許文献3には、加圧回転体表面の混合物を除去するクリーニングローラとして周面にスパイラル状の溝が形成されたクリーニングローラが提案されている。
特開2011−22263号公報 特開2014−48624号公報 特開2004−191406号公報
しかしながら、均熱ローラ表面の混合物をクリーニング部材で掻き落とす提案技術では、クリーニング部材と均熱ローラとの接触部においてトナーと紙粉とが混合される結果、当該混合物が加圧回転体に再転移してその表面に固着しやすくなる。
このため、前記提案技術では、加圧回転体加圧と均熱ローラとの接触時間を短くして、均熱ローラへのトナーや紙粉の転移量を減らして、均熱ローラ上のトナーや紙粉がクリーニング部材によって混合される量を減らし、混合物の加圧回転体への再転移を軽減している。
しかし、加圧回転体と均熱ローラとの圧接離間可能とするためには圧接離間機構が必要となり装置の大型化及び製造コストの上昇を招く。また、加圧回転体に均熱ローラを圧接させる必要がある場合、すなわち小サイズの用紙を連続して定着処理する場合が多いと、加圧回転体と均熱ローラとを離間させる時間が少なくなり均熱ローラへのトナーや紙粉の転移量を減らせない。
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置の大型化や製造コストの上昇を招くことなく、また加圧回転体と均熱ローラとが長時間接触した場合であっても、均熱ローラから加圧回転体へのトナーや紙粉などの混合物の再転移を軽減可能な定着装置を提供することにある。
本発明によれば、定着回転体と、前記定着回転体を加熱する加熱手段と、前記定着回転体に圧接してニップ部を形成する加圧回転体と、前記加圧回転体の表面に接触して、回転軸方向の温度分布を均一化するとともに、その長手方向の軸中心に回転する均熱ローラとを備え、前記均熱ローラは前記加圧回転体に対する接触圧が所定圧以上の高圧部分と所定圧未満の低圧部分とを有することを特徴とする定着装置が提供される。
前記構成において、前記均熱ローラは前記加圧回転体と接触する表面が金属であるのが好ましい。
また前記構成において、前記均熱ローラは表面に螺旋状の溝を有し、前記高圧部分と前記低圧部分とが回転軸方向において交互に位置するようにしてもよい。ここで、前記均熱ローラの表面に設けられた螺旋状の溝は一方向であってもよい。
また前記構成において、前記均熱ローラは表面に回転軸方向に所定間隔で複数の周溝を有し、前記高圧部分と前記低圧部分とが回転軸方向において交互に位置する構成としてもよい。このとき、前記均熱ローラを回転軸方向に移動させる移動手段をさらに備えるのが好ましい。
また前記構成において、前記均熱ローラは表面に回転方向に所定間隔で回転軸に平行な複数の溝を有し、前記均熱化ローラの回転に伴って前記高圧部分と前記低圧部分とが前記加圧回転体に接触する構成としてもよい。
また前記構成において、前記低圧部分は前記加圧ローラに非接触であるのが好ましい。
また前記構成において、前記均熱ローラにおける前記高圧部分の面積割合は65%以上100%未満であるのが好ましい。
また前記構成において、前記均熱ローラにおける前記高圧部分の面積割合は80%以上100%未満であるのが好ましい。
また前記構成において、前記低圧部分の幅は0.1mm以上5.0mm以下であるのが好ましい。
また前記構成において、前記低圧部分の幅は0.1mm以上1.0mm以下であるのが好ましい。
また前記構成において、前記高圧部分の接触圧は0.01MPa以上0.3MPa以下の範囲であるのが好ましい。
また前記構成において、前記高圧部分の接触圧は0.06MPa以上0.17MPa以下の範囲であるのが好ましい。
また前記構成において、前記高圧部分の端部断面は面取りされているのが好ましい。
また前記構成において、前記加圧回転体は加圧ローラであり、前記加圧ローラと前記均熱ローラの外径比が非整数倍であるのが好ましい。
また前記構成において、前記均熱ローラに接触し、前記均熱ローラの表面を清掃するブラシローラをさらに設ける構成とするのが好ましい。
また前記構成において、前記均熱ローラの表面に、第1の螺旋状溝と、第1の螺旋状溝とは逆方向の第2の螺旋状溝とを有する構成としてもよい。
また前記構成において、第1の螺旋状溝は回転軸方向の一方端から回転軸方向中央まで形成され、第2の螺旋状溝は回転軸方向のもう一方端から回転軸方向中央まで形成されている構成としてもよい。
また前記構成において、第1の螺旋状溝及び第2の螺旋状溝は回転軸方向全体に形成されている構成としてもよい。
また本発明によれば、前記のいずれか1つに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明に係る定着装置によれば、装置の大型化や製造コストの上昇を招くことなく、また加圧回転体と均熱ローラとが長時間接触した場合であっても、均熱ローラから加圧回転体へのトナーや紙粉などの混合物の再転移を軽減可能となる。
本発明の定着装置を搭載した画像形成装置(プリンター)の一例を示す概説図である。 本発明の定着装置の一例を示す概略構成図である。 加圧ローラ、均熱ローラ、ブラシローラの形状及び配置を示す概説図である。 均熱ローラの高圧部分の面積割合を40%から100%まで段階的に変えた場合の均熱機能とニップ時間との関係を示すグラフである。 図4に示した試算結果による均熱ローラの高圧部分の面積割合に対する均熱機能、および加圧ローラの汚れの低減効果の試算結果を示すグラフである。 均熱ローラの展開図である。 均熱後と緩和後の加圧ローラ表面の温度差の溝幅による影響を示すグラフである。 溝のエッジ部分(高圧部分の端部)を面取りした断面図である。 溝のエッジ部分を面取りした均熱ローラの全体図である。 均熱ローラと加圧ローラの回転周期を説明する図である。 ブラシローラによる均熱ローラ表面の汚れの掃き集めを説明する図である。 本発明で使用できる均熱ローラの他の実施形態を示す図である。 本発明で使用できる均熱ローラのさらに他の実施形態を示す図である。 本発明で使用できる均熱ローラのさらに他の実施形態を示す図である。 本発明で使用できる均熱ローラのさらに他の実施形態を示す図である。
以下、本発明に係る定着装置を図に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
図1は、本発明に係る定着装置を搭載した画像形成装置の一例を示す概説図である。図1の画像形成装置は、タンデム型デジタルカラープリンター(以下、単に「プリンター」と記すことがある)である。もちろん、プリンターのほか、さらにスキャナーを有する複写機、ファクシミリ又はそれらの機能を複合的に備えた複合機等にも本発明を適用することができる。なお、以下において、説明の対象である装置または部材がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)またはブラック(B)のいずれのものであるかを明確にする必要がある場合は、「(Y)」、「(M)」、「(C)」、「(B)」の文字を符号に付加して説明し、それ以外の場合はそれら文字を省略して説明する。
プリンター1は、その内部のほぼ中央部に中間転写ベルト11を備えている。中間転写ベルト11は、ローラ12、テンションローラ13、ガイドローラ14、15の外周部に掛け渡されて反時計回りに回転駆動する。テンションローラ13は、外側へスライド可能に取り付けられていると共に、押しバネSによって中間転写ベルト11の内側から外側に向かって付勢されている。これにより、中間転写ベルト11は、常に張力がかかった状態となっている。
中間転写ベルト11の下部水平部の下には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色にそれぞれ対応する4つの作像部2Y、2M、2C、2Bが、中間転写ベルト11に沿ってこの順に並んで配置されている。各作像部2Y、2M、2C、2Bは、感光体ドラム21Y、21M、21C、21Bをそれぞれ有している。各感光体ドラム21Y、21M、21C、21Bの周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電器22Y、22M、22C、22Bと、プリントヘッド部23Y、23M、23C、23Bと、現像器24Y、24M、24C、24Bと、クリーナー25Y、25M、25C、25Bとがそれぞれ配置されている。プリントヘッド部23Y、23M、23C、23Bは、感光体ドラムの軸方向と平行な主走査方向に並べられた多数のLEDから構成されている。
そして、中間転写ベルト11を挟んで、各感光体ドラム21Y、21M、21C、21Bと対向する位置には、一次転写ローラ30Y、30M、30C、30Bが設けられている。また、中間転写ベルト11のローラ12で支持された部分には、2次転写ローラ16が圧接されている。2次転写ローラ16と中間転写ベルト11とのニップ部が2次転写領域17となる。この2次転写領域17において中間転写ベルト11上に形成されたトナー像が、搬送されてきた用紙(被転写部材)Pに転写される。
プリンター1に下部には、給紙カセット91が着脱可能に配置されている。給紙カセット91内に積載収容された用紙Pは、給紙ローラ92の回転によって最上紙から1枚ずつ引き出されて搬送路93に送り出される。搬送路93は、給紙カセット91から、タイミングローラ対94のニップ部、2次転写領域17、および定着装置Tを通って排紙トレイ98まで延びている。給紙カセット91から送り出された用紙Pは、タイミングローラ対94に搬送され、ここで所定のタイミングで2次転写領域17に送り出される。
定着装置Tは、定着ローラ(定着回転体)4と、定着ローラ4に圧接する加圧ローラ(加圧回転体)5と、定着ローラ4の外周に離隔して配置された磁束発生部(加熱手段)6とを備える。定着ローラ4と加圧ローラ5とのニップ部を用紙Pが通過することによって、用紙P上に2次転写されたトナー像が加熱溶融されて用紙Pに定着する。この定着装置Tの詳細については後述する。
このような構成のプリンター1の概略動作について説明する。まず、カラー画像を出力するフルカラーモードの場合、外部装置(例えばパソコン)からプリンター1の画像信号処理部(不図示)に画像信号が入力されると、画像信号処理部ではこの画像信号をイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックに色変換したデジタル画像信号を作成し、この信号をプリントヘッド用LEDドライブ回路に伝達する。このドライブ回路は、入力されたデジタル信号に基づいて、各作像部2Y、2M、2C、2Bのプリントヘッド部23Y、23M、23C、23Bを発光させて露光を行う。この露光は、プリントヘッド部23Y、23M、23C、23Bの順にそれぞれ時間差をもって行われる。これにより、各感光体ドラム21Y、21M、21C、21Bの表面に各色用の静電潜像がそれぞれ形成される。
各感光体ドラム21Y、21M、21C、21B上に形成された静電潜像には、各現像器24Y、24M、24C、24Bによってトナーが付着され可視像化(現像)されて各色のトナー像となる。そして、各色のトナー像は、各一次転写ローラ30Y、30M、30C、30Bの作用により、図中反時計回りに回転する中間転写ベルト11上に順次一次転写されて重ね合わせられる。
このようにして中間転写ベルト11上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト11の移動にしたがって2次転写領域17に達する。一方、給紙カセット91から搬送路93に送り出された用紙Pは、タイミングローラ対94によって、トナー像が2次転写領域17に達するタイミング合わせて2次転写領域17へ搬送される。そして、2次転写ローラ16にはトナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加される。これにより、2次転写領域17において、重ね合わされた各色トナー像は中間転写ベルト11から用紙Pに一括して2次転写される。なお、2次転写後に中間転写ベルト11上に残留するトナーは、不図示のベルトクリーナーにより回収される。
トナー像が2次転写された用紙Pは、搬送路93を通って定着装置Tに送られ、そこでニップ部を通過することによりトナー像が用紙Pに定着される。そして、用紙Pは排紙トレイ98に排出される。
図2に、図1のプリンター1で使用されている定着装置Tの概説図を示す。定着装置Tは、定着ローラ4と加圧ローラ5とが圧接してなり、定着ローラ4の外周には定着ローラ4に対して離隔対向する位置に磁束発生部6が設けられている。そして、加圧ローラ5に対して均熱ローラ7aが圧接し、さらにこの均熱ローラ7aの表面近傍にブラシローラ8が設けられている。以下、各部材について順に説明する。
定着ローラ4は、中空円筒状の芯金41と、芯金41の外周に内周側から順に断熱層42、電磁誘導発熱性層43、弾性層44、離型層45とを有する5層構造である。定着ローラ4の硬度は、例えばアスカーC硬度で30度〜90度の範囲が好ましい。
芯金41の材料としてはアルミニウムや鉄などの金属材料の他、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などの耐熱性樹脂を使用できる。なお、本実施形態のように加熱手段として電磁誘導加熱手段を用いている場合には、芯金41が電磁誘導によって加熱されるのを防ぐためアルミニウムなどの非磁性材料を用いるのが好ましい。
断熱層42の材料としてはシリコーンスポンジ材が好適に使用される。シリコーンスポンジ材を用いる場合はその厚さ2mm〜10mmの範囲が望ましく、より望ましくは3mm〜7mmの範囲である。また、断熱層42の硬度は、アスカーC型ゴム硬度計で20度〜60度の範囲が望ましく、より望ましくは30度〜50度の範囲である。
電磁誘導発熱性層43は、磁束発生部6による励磁によりジュール熱を発生させる層である。その材料としては、ニッケルや磁性ステンレス鋼、鉄などの磁性金属材料が望ましい。また、磁性金属粒子を樹脂に混入したものを使用してもよい。電磁誘導発熱性層43の厚さとしては例えば10μm〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは20〜50μmの範囲である。
弾性層44は耐熱性及び弾性を有する部材から形成される。このよう部材としては例えばシリコーンスポンジ材が好適である。弾性層44としてシリコーンスポンジ材を用いると、定着ローラ4と加圧ローラ5とのニップ部の長さを長くできる。例えば弾性層44にシリコーンスポンジ材を使用する場合、その厚さは2mm〜10mmの範囲が好ましく、より好ましくは3mm〜7mmの範囲である。また弾性層42の硬度はアスカーゴム硬度計で20度〜60度の範囲が好ましく、より好ましくは20度〜50度の範囲である。
離型層45は表面離型性を高めるための層であり、定着温度での使用に耐えられる材料が使用される。例えば、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)等のフッ素樹脂が例示される。離型層45の厚みは、例えば5μm〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは10μm〜50μmの範囲である。なお、離型層45中に、必要に応じて、導電材、耐磨耗材、良熱伝導材等を充填剤として添加してもよい。また、層間接着力を向上させるために、プライマー等による接着処理を行ってもよい。
加圧ローラ5は、中空円筒状の芯金51上に、弾性層52と離型層53とがこの順で積層されてなる。芯金51としては、アルミニウムや鉄などの金属材料の他、PPSなどの耐熱性樹脂も使用できる。また弾性層52としては、定着ローラ4の弾性層44と同じ材用がここでも好適に使用できる。離型層53としては、定着ローラ4の離型層45と同じ材料がここでも好適に使用できる。
加圧ローラ5は、バネ等の付勢部材によって定着ローラ4側に付勢され、定着ローラ4との間でニップ部を形成する。例えば、加圧ローラ5が定着ローラ4に対して300N〜500Nの荷重で加圧され、定着ニップ部の長さが5mm〜10mmの範囲内となるようにするとよい。なお、用紙Pの種別等により荷重を変化させてもよい。さらにここでは、加圧ローラ5がモータ等の駆動機構により所定の速度で回転駆動される。一方、定着ローラ4は加圧ローラ5との圧接摩擦力によって加圧ローラ5の回転に従動回転する。なお、これらの回転駆動は、定着ローラ4を主駆動として、加圧ローラ5を従動回転としてもよい。
図2において、磁束発生部6は、コイル部61とコア部62とがコイルホビン63で覆われて成る。コイル部61は、定着ローラ4の外周の一部を覆うように配設されたコイルホビン63上に、細線を束ねたリッツ線を巻回して軸方向(図2の紙面垂直方向である。)に延設したものである。コイルホビン63は、耐熱性の高い樹脂材料等からなり、コイル部61を保持する。コア部62は、フェライト等の強磁性体(比透磁率が1000〜3000程度である。)からなり、発熱層に向けて効率のよい磁束を形成するためのものであって、軸方向に延設されたコイル部61に対向するように設置されている。
磁束発生部6には、不図示の高周波インバーターが接続されており、高周波インバーターからコイル部61に10kHz〜100kHzの交流電流が印加されることによって、定着ローラ4の電磁誘導発熱性層43が発熱し、定着ローラ4の表面温度は所定温度に維持される。
均熱ローラ7aは、少なくとも加圧ローラ5と接触する表面が金属であるのが望ましい。なお、均熱ローラ7aの表面が金属とは、金属自体の場合の他、厚みが20μm〜200μmの範囲の耐摩耗性や耐汚れ性のコーティング層あるいは樹脂製チューブが金属上に設けられている場合をも含むものとする。図2に示す均熱ローラ7aは、中空円筒状の基体71と、基体71の表面に形成された離型層72とを備える。基体71はアルミニウム、銅、鉄、ステンレス鋼などの金属材料からなり、厚みは1mm〜5mm程度である。離型層72には、定着温度での使用に耐えられる材料が使用され、例えば、離型層72がコーティング層の場合には、PFA、PTFE、FEP、ETFE及びこれらの混合物等のフッ素樹脂、カーボン、MoS2等が好適に使用される。また、離型層72が樹脂製チューブの場合には、PFAチューブやPI(ポリイミド)チューブが好適に使用される。離型層72の厚みに特に限定はないが、通常、20μm〜200μmの範囲が好ましい。
加圧ローラ5から熱を奪う能力の指標として下記式から算出される熱浸透率を用いることができ、均熱ローラ7aの熱浸透率は200J/(m・K・s1/2)以上であることが望ましい。
熱浸透率=(熱伝導率×比熱×密度)1/2
(密度、比熱は相加平均、熱伝導率は調和平均による算出)
なお、均熱ローラ7aがコーティング層やチューブを備えた複層である場合、あるいはスポンジやブラシ状構成で空気層を含む場合は全体を平均した値で判定する。
例えば、均熱ローラ7aがアルミニウムのみからなる場合は、密度2688kg/m、比熱0.905kJ/(kg・K)、熱伝導率237W/(m・K)であるから熱浸透率は759J/(m・K・s1/2)となる。
また、均熱ローラ7aが基体としてのアルミニウム(肉厚3mm)の表面にPTFEコート層(膜厚50μm)が設けられている場合も、密度、比熱はほぼ同等で、熱伝導率は233W/(m・K)となるので(PTFEの熱伝導率0.24)、熱浸透率は759J/(m・K・s1/2)となって、均熱ローラ7aがアルミニウムのみからなる場合と均熱機能にほとんど差が無い。
一方、均熱ローラ7aがアルミニウムによるブラシ状の形状の場合は、体積に対する空気率が例えば80%であれば、密度538Kg/m、比熱0.987kJ/(kg・K)、熱伝導率0.03W/(m・K)となり、熱浸透率は4.2J/(m・K・s1/2)となることから均熱ローラ7aとしては適さない。
清掃手段としてのブラシローラ8は、均熱ローラ7aの表面に接触するように回転自在に設けられている。ブラシローラ8は、多数の耐熱樹脂繊維82が植設された帯状の基布が、金属製の芯金81の外周面に螺旋状に巻き付けられてなる。耐熱樹脂繊維82の材質としては、例えば、耐熱温度が160〜190℃であるポリフェニレンサルファイドなどが好適に使用できる。
ブラシローラ8は、加圧ローラ5の駆動源から不図示のギアを介して回転駆動が伝達され、耐熱樹脂繊維82が均熱ローラ7aの表面に当接するように駆動回転する。ブラシローラ8の回転方向は当接部において均熱ローラ7aと同一方向、逆方向のいずれでもよい。その際、耐熱樹脂繊維82の先端部の周速度は、均熱ローラ7aの表面の周速度と同じ又は速くするのが好ましい。均熱ローラ7aの表面の周速度及びブラシローラ8の先端部の周速度は、通常、150〜270mm/secの範囲であるのが好ましい。
ブラシローラ8と均熱ローラ7aとは接触・離間可能であり、当該接触・離間は均熱ローラ7aの移動によって行ってもよいし、ブラシローラ8の移動によって行ってもよい。金悦ローラ7やブラシローラ8を移動させる手段としては、ソレノイドなど従来公知の移動手段を用いることができる。
図3に、加圧ローラ5、均熱ローラ7a、ブラシローラ8の形状及び配置を示す概説図を示す。均熱ローラ7aの表面には1本の断面矩形状で螺旋状の溝73が形成されている。均熱ローラ7aが加圧ローラ5に接触する際に溝73の部分が所定圧未満の低圧部分となり、それ以外の部分が所定圧以上の高圧部分となる。加圧ローラ5と均熱ローラ7aの接触部(以下、均熱ニップ部)では回転軸方向において高圧部分と低圧部分とが交互に形成される。そして、均熱ローラ7aの回転に伴って高圧部分と低圧部分の位置が軸方向に移動する。これにより、加圧ローラ5全体において均一に汚れ低減効果が奏される。ここで、溝73の断面形状に特に限定はなく、V字状、U字状、逆台形状などであっても構わない。
なお、加圧ローラ5から均熱ローラ7aへの汚れの移動は、汚れの均熱ローラ7a表面への付着力によって起きるため、接触圧が非常に小さくても発生しうる。したがって、加圧ローラ5から均熱ローラ7aへの汚れを抑制する観点からは、均熱ローラ7aの低圧部分(溝部分)は加圧ローラ5表面に対して非接触であるのが望ましい。
ここで、均熱ローラ7aの高圧部分(接触部分)の面積割合が減少するほど、加圧ローラ5の汚れの改善効果は向上する。一方、高圧部分(接触部分)の面積が減少するため加圧ローラ5を均熱化する機能が低下する。しかし、この均熱化機能の低下は、均熱ニップ部の周方向幅を長くすることで抑制することができる。均熱ニップ部の周方向幅を長くすためには、例えば、加圧ローラ5及び均熱ローラ7aの外径を大きくする、加圧ローラ5の硬度を下げる、均熱ローラ7aの加圧ローラ5への圧接力を高くするといった方策がある。
ただし、加圧ローラ5及び均熱ローラ7aの外径を大きくする方策では、コスト上昇や装置の大型化を招くおそれがある。また、加圧ローラ5の硬度を下げる方策及び均熱ローラ7aの加圧ローラ5への圧接力を高くする方策では耐久性が悪化するおそれがある。このため、均熱ニップ部の周方向幅を無制限に長くすることはできない。均熱ニップ部の周方向幅には実用上の上限値が存在し、これにより均熱ローラ7aの高圧部分の面積割合の下限値が定まることになる。
図4に、縦軸を均熱機能とし、横軸を均熱ニップ部の周方向幅の指標であるニップ時間として、均熱ローラ7aの高圧部分の面積割合を40%から100%まで段階的に変えた場合の均熱機能とニップ時間との関係を示す。なお、図4のデータは数値計算による試算結果である。試算条件は次の通りである。均熱ローラ7aによる均熱機能が高いほど、均熱ニップ部を通過後の加圧ローラ5表面温度は低下するため、均熱ローラ7a表面に溝の無い従来の加圧ローラ(高圧部分100%)を用い、従来のニップ部時間を100%とした場合の均熱機能を100%とし、均熱ローラ7aが無く加圧ローラだけの場合(温度変化(対空気のみ))の均熱機能を0%として試算した。
(数値計算条件:2次元差分法による熱伝導計算)
初期加圧ローラ温度160℃、加圧ローラ材質:シリコンゴム
初期均熱ローラ温度140℃、均熱ローラ材質:アルミニウム+50μPFA被覆
従来の均熱ニップ部時間8ms。
高圧部分は加圧ローラと均熱ローラが接触。低圧部分は加圧ローラと空気が接触と設定。空気温度は加圧ローラ近傍のみ140℃。それ以外は23℃
図4から理解されるように、いずれの均熱ローラもニップ時間が長くなるほど均熱機能は高くなるが、高圧部分の面積割合が小さい均熱ローラほど均熱機能の上昇は遅く、所望の均熱機能を得るためにはニップ時間を長くする必要がある。そしてまた、加圧ローラ5から均熱ローラへの熱移動は両者の温度差によるため、ニップ時間が長くなるほど均熱機能の上昇割合は低下していく。そのため、均熱機能の上限は従来比150%である。コスト上昇や装置の大型化などを招くことなく所望の効果を得る観点からは、ニップ時間は従来比で250%以下、均熱機能として従来比125%以下とするのが望ましい。
図5に、図4に示した試算結果による均熱ローラの高圧部分の面積割合に対する均熱機能、および加圧ローラの汚れの低減効果の試算結果を示す。なお、加圧ローラの汚れの低減効果は、均熱ローラの高圧部分の面積割合の逆数とした。例えば、均熱ローラの高圧部分の面積割合が80%であれば、加圧ローラ5から均熱ローラへの汚れの移動量が従来比80%になるため、汚れの改善効果としては、100/80=125%となる。
図5において、均熱機能と汚れ低減効果の両者を比較すると、同じ均熱ニップ時間であれば、均熱ローラの高圧部分の面積割合が減少するほど均熱機能は低下する。一方、ニップ時間が増加するほど均熱機能は向上する。したがって、均熱ローラの高圧部分の面積割合の減少による均熱機能の低下をニップ時間の増加によって補うことができ、従来例と同等の均熱機能を維持することも可能となる。均熱ローラの高圧部分の面積割合の好ましい範囲は65%以上100%未満であり、より好ましい範囲は80%以上100%未満である。一方、汚れの軽減効果は、前述のように、均熱ローラの高圧部分の面積割合の逆数であるから、均熱ローラの高圧部分の面積割合が小さい方がより効果が高い。したがって、均熱ローラの高圧部分の割合は前記の好ましい範囲の中でもより小さい面積割合とするのが望ましい。
次に、均熱ローラ7aに形成される低圧部分としての溝73の幅について説明する。図6に、均熱ローラ7aの展開図を示す。なお、図6に示す均熱ローラ7aでは、回転軸方向に高圧部分と低圧部分とが交互にあるので溝73の幅は回転軸方向の長さをいい、後述する図13で示すような、回転軸に平行な溝75の場合には溝75の幅は回転方向の長さをいう。
溝73の幅が広すぎると、均熱ニップ部における高圧部分と低圧部分の圧縮状態の差が大きくなりすぎて加圧ローラ5表面での均熱ローラ7aの変形が大きくなり耐久性が悪化する。また、均熱ニップ部全体の圧力が回転に応じて変化するため、均熱ローラ7aの回転が不均一になるおそれもある。このため、溝73の幅の上限としては概ね均熱ニップ部幅よりも小さい範囲で定めるのが望ましく、上限値としては例えば5.0mm以下が望ましい。
また、均熱ローラ7aの高圧部分では加圧ローラ5から均熱ローラ7aに熱が移動する一方、低圧部分では加圧ローラ5から均熱ローラ7aに熱があまり移動しないため、均熱ニップ部通過後の加圧ローラ5表面には温度差が発生する。かかる温度差は、均熱ニップ部から用紙の通紙箇所(以下、定着ニップ部)まで加圧ローラ5が回転する間に、周囲の空気や加圧ローラ内部からの熱伝導によって緩和され小さくなる。溝73の幅が狭い方が温度差がある部分の熱容量が小さくなるため、温度差が緩和しやすい。一方、溝73の幅が大きく、加圧ローラ表面の温度差が大きい場合、定着ニップ部における画像定着処理時に、加圧ローラ5が接触する用紙ひいてはトナー画像に温度差が発生し、出力画像に定着強度ムラや光沢ムラといった画像問題が発生することになる。そのため、溝73の幅の上限値として、画像問題を起こさない値であることがより望ましい。
図7に、縦軸を加圧ローラ5の表面温度差とし、横軸を溝幅として、溝幅に対する、緩和前後の加圧ローラの表面温度差の変化を示す。均熱後とは、均熱ニップ部通過直後の意味であり、緩和後とは、該当箇所が均熱ニップ部から定着ニップ部まで移動した後の意味である。なお、図7のデータは数値計算による試算結果である。試算条件は次の通りである。数値計算条件は2次元差分法による熱伝導計算である。
(試算条件)
加圧ローラと均熱ローラの温度差:20℃
初期加圧ローラ温度160℃、加圧ローラ材質:シリコンゴム
初期均熱ローラ温度140℃、均熱ローラ材質:アルミ+50μPFA被覆
均熱ニップ時間:8ms。
均熱ニップ部では均熱ローラの高圧部分は加圧ローラと接触。低圧部分は加圧ローラと非接触、加圧ローラと空気とが接触。空気温度は加圧ローラ近傍のみ140℃。それ以外は23℃
均熱ニップ部から定着ニップ部までの間、加圧ローラ全面が空気に接触。温度は近傍のみ140℃、それ以外は23℃。
緩和時間(均熱ニップ部から定着ニップ部まで):250ms
図7に示すように、均熱後の加圧ローラ表面温度差は、均熱ローラ表面に形成された溝幅によって大きくは変化しないが、緩和後の加圧ローラ表面温度差は溝幅が狭いほど小さくなる。緩和後の加圧ローラ表面温度差が10℃以下であると、定着ニップ幅10ms、厚み100μmの用紙を用いた場合、用紙表面(=トナー面)での温度差は2℃以内に収まり画像問題はほぼ発生しない。そうすると、初期の加圧ローラと均熱ローラの温度差が最大20℃である場合に、緩和後の加圧ローラ表面温度差を10℃以下とするためには、溝幅は1mm以下とするのが望ましい。
一方、溝幅が狭いと後述の実施形態で示すブラシローラ8による均熱ローラ7aの清掃効果が得られにくくなることがある。したがって、溝幅はブラシローラ8のブラシ繊維が入る得る幅である必要があり、通常0.1mm以上であるのが望ましい。
均熱ローラ7aが金属ローラで、加圧ローラ5がスポンジやゴムといった弾性体である場合には、加圧ローラ5に対する均熱ローラ7aの圧接力は、均熱ニップ幅を確保するためにある程度高めに設定する必要がある。また、均熱ローラ7aと加圧ローラ5の間に速度差が無いのが望ましく、均熱ローラ7aは加圧ローラ5の回転によって従動回転させることが望ましい。その場合、均熱ローラ表面は塗膜によって摩擦係数が低い場合があり、圧接力が低いと均熱ローラ7aが適正に回転しない不具合が発生する。そのため均熱ローラ7aの高圧部分の圧接力としては、通常、0.01MPa以上0.3MPa以下の範囲が好ましく、より好ましくは0.06MPa以上0.17MPa以下の範囲である。
均熱ローラ7a表面に形成された溝73は、均熱ニップ部において加圧ローラ5に押し当てられるため、そのエッジ部分(高圧部分の端部)が垂直の場合、そこに圧力が集中し加圧ローラ5表面にダメージを与えるおそれがある。このため、図8に示すように、溝73のエッジは、C面(図8(a))、R面(図8(b)、(c))などに面取りした形状であるのが望ましい。面取りの大きさは、均熱ニップ部における均熱ローラ7aと加圧ローラ5の食い込み量より大きいことが望ましい。例えば、均熱ローラ7aの直径が21mm、均熱ニップ幅が2mmの場合、溝73のエッジの面取り量は50μm程度が望ましい。
図9に、断面V字状で螺旋状の溝73のエッジ部(高圧部分の端部)をR面に面取りするとともに、溝73の底面もR面に面取りした均熱ローラ7aを示す。この図の均熱ローラ7aでは溝73の角部を全てR面とした結果、均熱ローラ7aの回転軸を通る垂直断面の表面形状は波形の凹凸形状となり、加圧ローラ5表面に与えるダメージが格段に低減される。
また、図10に均熱ローラ7aの展開図を示す。この図のように、均熱ローラ7a表面に形成された溝73が螺旋状である場合、均熱ローラ7aの高圧部分と低圧部分とが加圧ローラ5表面に時間ごとにずれて交互に接触するが、均熱ローラ7aと加圧ローラ5との外径が整数倍の場合(図10(a))、両者の回転周期が定期的に一致するため、均熱ローラ7aの高圧部分及び低圧部分が加圧ローラ5表面の同じ箇所に繰り返し当たり、加圧ローラ5の汚れが均熱ローラ7aの特定箇所に集中することになる。かかる不具合を防止するため、均熱ローラ7aと加圧ローラ5の外径比は非整数倍とすることが望ましい(図10(b))。
図1〜図3の実施形態のように、均熱ローラ7a表面の汚れを清掃・回収するブラシローラ8が均熱ローラ7aに接触して設けられている場合、図11(a),(b)に示すように、ブラシローラ8のブラシ82によって均熱ローラ7a表面の汚れが溝73に掃き集められる。また、ブラシ82に取り込まれた汚れもブラシ82が溝73の側壁に叩きつけられることによって溝73内に吐き出される。そして、図11(c)に示すように、溝73内に集められた汚れは、均熱ローラ7aの回転に伴い溝73が下向きになった際に重力で下方へ排出される。また、溝73内に残留した汚れは溝73に蓄積していくが、均熱ローラ7aの回転に伴い螺旋状の溝73の内側面の回転軸方向の傾きによって回転軸方向に移動し、最終的に均熱ローラ7aの回転軸方向一方の端面から排出される。これによって均熱ローラ7a上の汚れが加圧ローラ5に移動することが抑制される。
図12に、本発明で使用できる均熱ローラの他の実施形態を示す。この図に示す均熱ローラ7bは、回転軸方向に所定間隔で複数の周溝74を有する。均熱ローラ7bが加圧ローラ5に接触する際に周溝74の部分が所定圧未満の低圧部分となり、それ以外の部分が所定圧以上の高圧部分となる。ただし、このような形状の均熱ローラ7bでは、高圧部分及び低圧部分の加圧ローラ5との接触領域が固定化されるので、均熱ローラ7bを回転軸方向に往復移動させて、加圧ローラ5のいずれの位置も均熱ローラ7の高圧部分と低圧部分とが交互に接触するようにするのが望ましい。これにより、加圧ローラ5全体において均一に汚れ低減効果が奏される。なお、均熱ローラ7bの回転軸方向の移動は、ソレノイドなど従来公知の移動手段を用いることができる。
図13に、本発明で使用できる均熱ローラの他の実施形態を示す。この図に示す均熱ローラ7cは、回転方向に等間隔で回転軸と平行な複数の溝75を有する。均熱ローラ7cが加圧ローラ5に接触する際に溝75の部分が所定圧未満の低圧部分となり、それ以外の部分が所定圧以上の高圧部分となる。均熱ローラ7cの回転によって、均熱ローラ7cの高圧部分と低圧部分とが加圧ローラ5に交互に接触し、加圧ローラ5全体において均一に汚れ低減効果が奏される。なお、均熱ローラ7cの高圧部分及び低圧部分が加圧ローラ5表面の同じ箇所に繰り返し当たることを防止するため、均熱ローラ7cと加圧ローラ5の外径比は非整数倍とするのが望ましい
図14に、本発明で使用できる均熱ローラのさらに他の実施形態を示す。この図に示す均熱ローラ7dは、回転軸方向の一方端から回転軸方向中央まで形成された第1の螺旋状溝76aと、回転軸方向のもう一方端から回転軸方向中央まで形成された、第1の螺旋状溝76aとは逆方向の第2の螺旋状溝76bとを有する。そして、螺旋状溝76a,76bの向きは均熱ローラ7dの回転時に回転軸方向中央からそれぞれの端部に向かう方向とされている。前述の実施形態と同様に、均熱ローラ7dが加圧ローラ5に接触する際に螺旋状溝76a,76bの部分が所定圧未満の低圧部分となり、それ以外の部分が所定圧以上の高圧部分となる。均熱ローラ7dの回転によって、均熱ローラ7cの高圧部分と低圧部分とが加圧ローラ5に交互に接触し、加圧ローラ5全体において均一に汚れ低減効果が奏される。加えて、本実施形態の均熱ローラ7dでは、図3に示した1本の螺旋状の溝73が形成された均熱ローラ7aに比べて、均熱ローラ7dの両端から汚れを排出することができるため、汚れの軽減効果が一層良くなる。
図15に示す均熱ローラ7eは、第1の螺旋状溝77aと、第1の螺旋状溝77aとは逆方向の第2の螺旋状溝76bとを有する点は図14に示した均熱ローラ7dと同じであるが、螺旋状溝77a,77bとは、均熱ローラ7eの軸方向全体に形成されている点で異なる。このような構成によっても、図14に示す均熱ローラ7dと同様に、加圧ローラ5全体において均一に汚れ低減効果が奏されるとともに、均熱ローラ7eの両端から汚れを排出することができるため、汚れの軽減効果が一層良くなる。
以上、説明した実施形態では、加熱手段として電磁誘導加熱方式を用いていたが、本発明の加熱手段はこれに限定されるものではなく、例えばハロゲンランプによる赤外線照射加熱など従来公知の加熱手段を用いることができる。なお、電磁誘導加熱方式以外の加熱手段を用いる場合には、定着ローラ4の構成として、磁性金属材料からなる電磁誘導発熱性層43は当然ながら必要としない。
本発明に係る定着装置によれば、装置の大型化や製造コストの上昇を招くことなく、また加圧ローラと均熱ローラとが長時間接触した場合であっても、均熱ローラから加圧ローラへのトナーや紙粉などの混合物の再転移を軽減でき有用である。
1 プリンター(画像形成装置)
4 定着ローラ(定着回転体)
5 加圧ローラ(加圧回転体)
6 磁束発生部(加熱手段)
7a,7b,7c,7d,7d,7e 均熱ローラ
8 ブラシローラ
P 用紙(被転写部材)
T 定着装置
73 溝
74 周溝
75 溝
76a 第1の螺旋状溝
76b 第2の螺旋状溝
77a 第1の螺旋状溝
77b 第2の螺旋状溝

Claims (14)

  1. 定着回転体と、前記定着回転体を加熱する加熱手段と、前記定着回転体に圧接してニップ部を形成する加圧回転体と、前記加圧回転体の表面に接触して、回転軸方向の温度分布を均一化するとともに、前記加圧回転体の回転軸と平行な軸を中心に回転する均熱ローラと、前記均熱ローラを回転軸方向に移動させる移動手段とを備え、
    前記均熱ローラは、前記加圧回転体に対する接触圧が所定圧以上の高圧部分と所定圧未満の低圧部分とを有し、
    前記均熱ローラは表面に回転軸方向に所定間隔で複数の周溝を有し、前記高圧部分と前記低圧部分とが回転軸方向において交互に位置する
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 定着回転体と、前記定着回転体を加熱する加熱手段と、前記定着回転体に圧接してニップ部を形成する加圧回転体と、前記加圧回転体の表面に接触して、回転軸方向の温度分布を均一化するとともに、前記加圧回転体の回転軸と平行な軸を中心に回転する均熱ローラとを備え、
    前記均熱ローラは、前記加圧回転体に対する接触圧が所定圧以上の高圧部分と所定圧未満の低圧部分とを有し、
    前記均熱ローラは表面に回転方向に所定間隔で回転軸に平行な複数の溝を有し、前記均熱ローラの回転に伴って前記高圧部分と前記低圧部分とが前記加圧回転体に接触する
    ことを特徴とする定着装置。
  3. 前記均熱ローラは前記加圧回転体と接触する表面が金属であることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記低圧部分は前記加圧回転体に非接触である請求項1〜のいずれか1つに記載の定着装置。
  5. 前記均熱ローラにおける前記高圧部分の面積割合が65%以上100%未満である請求項1〜のいずれか1つに記載の定着装置。
  6. 前記均熱ローラにおける前記高圧部分の面積割合が80%以上100%未満である請求項に記載の定着装置。
  7. 前記低圧部分の幅が0.1mm以上5.0mm以下である請求項1〜のいずれか1つに記載の定着装置。
  8. 前記低圧部分の幅が0.1mm以上1.0mm以下である請求項に記載の定着装置。
  9. 前記高圧部分の接触圧が0.01MPa以上0.3MPa以下の範囲である請求項1〜のいずれか1つに記載の定着装置。
  10. 前記高圧部分の接触圧が0.06MPa以上0.17MPa以下の範囲である請求項1〜のいずれか1つに記載の定着装置。
  11. 前記高圧部分の端部断面が面取りされていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の定着装置。
  12. 前記加圧回転体は加圧ローラであり、前記加圧ローラと前記均熱ローラの外径比が非整数倍であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の定着装置。
  13. 前記均熱ローラに接触し、前記均熱ローラの表面を清掃するブラシローラをさらに備える請求項1〜12のいずれか1つに記載の定着装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1つに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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