JP6657708B2 - タイヤ用モールド及びタイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用モールド及びタイヤの製造方法に関する。詳細には、本発明は、湿田、軟弱地等を走行する農業機械及び軽土木建設機械に装着されうるラグ付タイヤの製造に用いられるモールド及びこのモールドを用いたタイヤの製造方法に関する。
農業機械及び軽土木建設機械のような作業用機械には、湿田及び軟弱地における作業性が考慮されたラグ付タイヤが装着される。ラグ付タイヤのトレッドは、半径方向外向きに突出した多数のラグを備えている。ラグは、泥土にめり込む。ラグは、泥土を掻く。ラグは、タイヤのトラクションに寄与しうる。
作業用機械が圃場を走行すると、ラグ付タイヤには泥土が付着する。ラグとラグとの間に位置するラグ底に泥土が付着すると、このタイヤのトラクションが低下する。泥土の過剰な付着は、機械をスタックさせる。タイヤは回転しているので、タイヤに付着した泥土が上方に持ち上げられることもある。機械が田植機である場合、タイヤから泥土が落下すると、植え付けられたばかりの苗に、泥かぶり、折れ及び倒れが生じることがある。さらに泥土が付着したタイヤで舗装道路を走行すると、道路が汚れてしまう。タイヤに泥土が付着したままだと、洗車時にこの泥土を除去することが困難になることもある。
ラグ付きタイヤへの泥土の付着を防止するために、ラグ底に多数の突起を設けたタイヤが、特開2007−161192公報及び特開2011−73656公報に開示されている。これらのタイヤでは、ラグ底と地面とが当接したときも、この突起が地面とラグ底の基準面との間に空間を作り出す。これにより泥土の付着が効果的に抑制されている。
特開2011−68044公報には、このラグ底に多数の突起を有するタイヤを製造するためのモールドが開示されている。このモールドは、ラグ底の多数の突起を形成するために、キャビティ面のラグ底に相当する部分に、多数の穴(突起用穴と称される)を備えている。この突起用穴の深さは、ラグ底に設ける突起の高さに対応している。
特開2007−161192公報 特開2011−73656公報 特開2011−68044公報
タイヤの加硫工程では、予備成形されたローカバーが、モールドに投入される。このローカバーは、モールドとブラダーとに囲まれたキャビティにおいて、加圧されつつ加熱される。加圧と加熱とにより、ローカバーのゴム組成物がキャビティ内を流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤが得られる。
加硫工程での加圧の際、モールドのキャビティ面とローカバーとの間にエアーが残留することがある。このエアーは、特にキャビティ面の穴の部分で残留し易い。穴にエアーが残留すると、ローカバーをこの穴の奥まで密着させることができない。突起用穴にエアーが残留すると、ラグ底の突起の高さが、所望の高さより低くなることが起こる。しかも、この突起の高さは、突起用穴に残留するエアーの量によって異なる。特開2011−68044公報のモールドでは、所望の高さより低く、高さが不均一な突起が形成されることがある。これは、突起が泥土の付着を防止する効果を低下させる。このモールドで作成したタイヤでは、泥土の付着が十分防止されないことが起こりうる。
突起用穴でのエアーの残留を防止するため、突起用穴を、キャビティ面からモールドの背面まで貫通させる方法が考えられる。しかし、モールドの背面まで穴を貫通させると、突起を所望の長さに均一に揃えることができない。しかも、突起は必要以上に長くなる。この突起は縮れてちぎれることが起こる。これはタイヤの外観不良の原因となる。
本発明の目的は、泥土の付着が防止されかつ外観に優れたタイヤを製造するための、タイヤ用のモールドの提供及びこのモールドを使用したタイヤの製造方法の提供にある。
本発明に係るタイヤ用モールドは、その内部に位置する空洞と、ローカバーと当接するキャビティ面と、上記キャビティ面から上記空洞まで延び、タイヤのトレッド面に突起を形成するために使用される複数の突起用穴と、上記空洞から上記キャビティ面の反対側の面まで延びる排気用穴とを備える。
好ましくは、上記突起用穴の空洞側の端は、空洞に向けて先細りである。
好ましくは、上記モールドは窪みを有する本体とこの窪みに着脱可能に取り付けられるプレートとを備えている。上記プレートは上記突起用穴を備えている。上記本体は上記排気用穴を備えている。上記空洞は上記プレートと上記本体との間に位置している。
本発明に係るタイヤ製造方法は、予備成型によってローカバーを得る工程と、モールドに上記ローカバーを投入する工程と、このローカバーを加圧及び加熱する工程とを含んでいる。このモールドは、その内部に位置する空洞と、ローカバーと当接するキャビティ面と、上記キャビティ面からこの空洞まで延びタイヤのトレッド面に突起を形成するために使用される複数の突起用穴と、この空洞から上記キャビティ面の反対側の面まで延びる排気用穴とを備えている。
本発明に係るモールドは、内部に空洞を備える。突起用穴は、キャビティ面からこの空洞まで延びている。排気用穴は、空洞からキャビティ面の反対側の面まで延びている。突起用穴のエアーは、空洞及び排気用穴を通して排出される。このモールドでは、エアーが突起用穴に残留することはない。このモールドで製造したタイヤでは、突起が所望の高さより低くなることはない。このモールドでは、加硫時にローカバーの未加硫ゴムは、突起用穴から空洞及び排気用穴まで入り込むことがある。加硫工程後のタイヤからこの空洞及び排気用穴に相当する部分を切除することで、所望の高さに揃えられた突起が得られる。このモールドによれば、ラグ底の多数の突起が所望の高さに揃えられたタイヤを得ることができる。本発明に係るモールドを用いれば、突起が泥土の付着が効果に防止され、かつ外観に優れたタイヤを得ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ用モールドの一部が示された断面図である。 図2は、図1のモールドのキャビティ面が示された展開図である。 図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。 図4は、モールドの分解状況が示された断面図である。 図5は、図1のモールドの一部が示された模式図である。 図6は、図1のモールドを用いて製造されたラグ付タイヤの一部が示された断面図である。 図7は、図5のモールドを使用した加硫工程の途中の状態が示された模式図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には本発明の一実施形態に係るモールド2の断面図の一部が示されている。図1において、左右方向がこのモールド2の半径方向である。上下方向は、このモールド2の軸方向である。図2に示されているのは、このモールド2のキャビティ面の展開図の一部である。図2において、上下方向がこのモールド2の周方向である。左右方向は、このモールド2の軸方向である。図3には、図2のIII−III線に沿った断面図が示されている。この図3においては、その下側が半径方向外側である。左右方向は、このモールド2の周方向である。このモールド2は、トラクタ、バインダ、ハーベスタ、コンバイン、田植機、運搬車及び耕耘機のような農業機械に装着されるラグ付タイヤを製造しうる。
このモールド2は、本体4及び複数のプレート6を備えている。このモールド2では、本体4及びこれらのプレート6が組み合わされて、リング状のキャビティ面8が構成される。このキャビティ面8は、ローカバーと当接する。このキャビティ面8の形状は、タイヤのトレッドの外面形状に対応している。
図1及び図2に示されるとおり、本体4は軸方向に重ねられた一対のリング10を備えている。それぞれのリング10は、分割面12を備えている。一方のリング10の分割面12と他方のリング10の分割面12とは当接している。このモールド2は、ツーピースタイプである。
それぞれのリング10は、溝14と窪み16と排気用穴18とをさらに備えている。図2に示されるとおり、溝14は複数存在する。それぞれの溝14は、分割面12の側から軸方向外側に向かって延在している。図3に示されるとおり、窪み16は、周方向において隣接する一の溝14と他の溝14との間に位置している。このモールド2では、溝14と窪み16とは、周方向に交互に配置されている。このモールド2では、溝14の数と窪み16の数とは同等である。図1に示される通り、排気用穴18は、窪み16の底面から本体4のキャビティ面8の反対側の面(裏面)まで延びている。
プレート6は、リング10の窪み16に着脱可能に嵌め込まれている。従ってプレート6は、周方向において隣接する一の溝14と他の溝14との間に位置している。このモールド2では、溝14とプレート6とは、周方向に交互に配置されている。このモールド2では、溝14の数とプレート6数とは同等である。図4には、図1におけるプレート6が窪み16から外された状態が示されている。
図2に示されるとおり、キャビティ面8上において、プレート6は、略平行四辺形である。プレート6は、そのキャビティ側の面(表面)からその反対側の面(裏面)にまで貫通する多数の穴20を備えている。プレート6の表面のほぼ全面に、この穴20の開口が存在している。これらは、タイヤの表面に突起を形成するための突起用穴20である。
図5は、この窪み16にプレート6が嵌め込まれた状態が示された模式図である。この図では、本体4及びプレート6の構造が分かり易いように、図1のプレート6に比べて突起用穴20の数は少なくなっている。また、本体4の厚さも薄くなっている。
図5に示されるとおり、窪み16にプレート6が嵌め込まれたとき、窪み16の底面とプレート6の裏面との間に、空洞22が存在している。換言すれば、このモールド2は、その内部に空洞22を備えている。プレート6の突起用穴20は、キャビティ面8からこの空洞22まで延びている。図に示されるとおり、突起用穴20の空洞22側の端は、空洞22に向けて先細りである。排気用穴18は、この空洞22から本体4の裏面まで延びている。
このモールド2を用いて、ラグ付タイヤは次のようにして製造される。トレッド、サイドウォール、カーカス等の部材を組み合わせて、ローカバーが準備される。このローカバーが、開かれたモールド2に投入される。投入のとき、ブラダーは収縮している。投入により、ブラダーはローカバーの内側に位置する。ブラダーは、ガスの充填により膨張する。この膨張により、ローカバーは変形する。この変形は、シェーピングと称されている。シェーピングの後、モールド2が締められ、ブラダーの内圧が高められる。ローカバーは、モールド2のキャビティ面8とブラダーとに挟まれて、加圧される。ローカバーは、キャビティ面8に当接する。ローカバーは、モールド2及びブラダーからの熱伝導により、加熱される。加圧と加熱とにより、ローカバーのゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤが得られる。
図6には、このモールド2を用いて製造されたラグ付タイヤ24の一部が示されている。このタイヤ24のトレッド26は、ラグ28及びラグ底30を備えている。ラグ28は、キャビティ面8の一部である溝14にローカバーが当接することにより形成される。ラグ底30は、このローカバーがプレート6に当接することにより形成される。前述のとおり、プレート6には多数の突起用穴20が設けられている。このため、このプレート6により形成されたラグ底30は多数の突起32を備えている。この図6において、一点鎖線CLで示されているのはこのタイヤ24の赤道面である。
図示されていないが、このタイヤ24が回転しラグ底30が地面に接触すると、これら突起32は変形する。これら突起32は、回転方向後側に倒れる。一の突起32の先端部分は、この突起32に隣接する他の突起32の側面に当接する。これら突起32は、ラグ底30の基準面を覆う。この突起32が地面とラグ底30の基準面との間に空間を作り出す。これにより泥土の付着が効果的に抑制されている。
タイヤ24が回転しラグ底30が地面から離れると、荷重が除去され突起32は復元する。この突起32の復元力により、付着した泥土はこのタイヤ24から効果的に除去される。
このタイヤ24では、泥土の付着が抑えられているので、ラグ28は安定に泥土を掻き続ける。このタイヤ24では、優れたトラクションが維持される。このタイヤ24では、泥土の付着が抑えられているので、作業を終えた農業機械が移動のために舗装道路を走行しても、この舗装道路の、泥土による汚染が効果的に軽減される。このタイヤ24では、泥土がこのタイヤ24から離される位置が低いので、落下する泥土による、植え付けたばかりの苗等の損傷が防止される。
以下、この発明の作用効果が説明される。
加硫工程での加圧の際、モールドのキャビティ面とローカバーとの間にエアーが残留することがある。突起用穴にエアーが残留すると、ラグ底の突起の高さが、所望の高さより低くなることが起こる。しかも、この突起の高さは、突起用穴に残留するエアーの量によって異なる。従来のモールドでは、所望の高さより低く、高さが不均一な突起が形成されることがある。これは、突起が泥土の付着を防止する効果を低下させる。このモールドで作成したタイヤでは、泥土の付着が十分防止されないことが起こりうる。
一方、突起用穴でのエアーの残留を防止するため、突起用穴を、キャビティ面からモールドの背面まで貫通させると、突起は必要以上に長くなる。しかも、突起の長さは不均一となる。これはタイヤの外観不良の原因となる。
前述したとおり、このモールド2は、内部に空洞22を備えている。突起用穴20は、キャビティ面8からこの空洞22まで延びている。排気用穴18は、空洞22からキャビティ面8の反対側の面まで延びている。ローカバーと突起用穴20の間にエアーが存在しても、このエアーは、空洞22及び排気用穴18を通して排出される。このモールド2では、エアーが突起用穴20に残留することはない。このモールド2で製造したタイヤ24は、突起32が所望の高さより低くなることはない。
図7には、このモールド2を用いた加硫時の様子が示されている。このモールド2では、加硫時にローカバー34の未加硫ゴムは、突起用穴20から空洞22及び排気用穴18まで至ることが起こりうる。加硫後のタイヤ24では、この空洞22及び排気用穴18に入り込んだローカバー34の未加硫ゴムは、突起32の先端にバリとして残留することがある。このバリの部分は作業者が容易に認識することができる。このバリは、刃物等で容易に取り除くことができる。これにより、所望の高さに揃えられた突起32が得られる。このモールド2を用いれば、ラグ底30の多数の突起32が所望の高さに揃えられたタイヤ24を得ることができる。本発明に係るモールド2を用いれば、突起32が泥土の付着が効果に防止され、かつ外観に優れたタイヤ24を得ることができる。
図5に示されるとおり、突起用穴20の空洞22側の端は、空洞22側に向けて先細りであるのが好ましい。これにより、タイヤ24の突起32とバリとの接続部分は細くなる。このバリは、容易にちぎり取ることができる。突起用穴20の空洞22側の端を先細りにすることで、効率良くラグ底30の多数の突起32が所望の高さに揃えられたタイヤ24を得ることができる。これは、タイヤ24製造の効率向上に寄与する。
上記先細りとなっている部分以外の部分における突起用穴20の断面積がSMとされ、空洞22との接点における突起用穴20の断面積がPMとされたとき、断面積PMの断面積SMに対する比(PM/SM)は0.7以下が好ましい。比(PM/SM)を0.7以下とすることで、タイヤ24の突起32に付着したバリは、人手で容易に引き剥がすことができる。この観点から、この比は0.5以下がより好ましい。また、比(PM/SM)は0.2以上が好ましい。比(PM/SM)を0.2以上とすることで、突起用穴20のエアーが効率良く排出できる。この観点からこの比は0.4以上がより好ましい。
図4に示された通り、プレート6は本体4に着脱可能に取り付けられているのが好ましい。このモールド2でタイヤ24を加硫した後、空洞22及び排気用穴18に、バリが残留することがある。この残留したバリは、次にこのモールド2を使用して別のタイヤ24の加硫を行うときに、エアーの排出の邪魔となりうる。残留したバリは、除去する必要がある。前述の通り、このモールド2では、窪み16の底面とプレート6の裏面との間に、空洞22が存在している。プレート6を本体4から外すことにより、空洞22及び排気用穴18に残留したバリは、容易に取り除くことができる。これは、タイヤ24製造の効率向上に寄与する。なお、特にバリの除去の効率向上を図る必要がないときは、本体4とプレート6とが一体として形成されていてもよい。
図5において、両矢印DMは、突起用穴20の深さを表している。これは、プレート6の厚みと同じである。両矢印WMは、突起用穴20の間隔を表している。この間隔WMは、一の突起用穴20とこの一の突起用穴20に最も近い他の突起用穴20との間の距離が計測されることにより得られる。一点鎖線AMは、突起用穴20の軸線を表している。角度αは、この軸線AMがプレート6の表面に対してなす角度を表している。この角度αは、突起用穴20がプレート6の表面に対してなす角度である。
このモールド2では、突起用穴20の深さDM、間隔WM及び角度αは、タイヤ24の要求性能が考慮され、適宜決められる。このモールド2で製造されたタイヤ24において、突起32が密に配置され、泥土の付着が効果的に防止されうるという観点から、深さDMは、6mm以上10mm以下が好ましい。間隔WMは、1.5mm以上3.0mm未満が好ましい。角度αは、80°以上90°以下が好ましい。
このモールド2で製造されたタイヤ24において、突起32が密に配置され、泥土の付着が効果的に防止されうるという観点から、上述の突起用穴20の断面積SMは0.8mm以上7.1mm以下が好ましい。
このモールド2では、本体4の材質としては、スチール及びアルミニウム合金が例示される。この本体4の窪み16に収容されるプレート6の材質としては、スチール及びアルミニウムが例示される。アルミニウム合金の熱膨張率は、スチールのそれに比べて大きい。このモールド2では、プレート6が窪み16に容易に収容され、収容されたプレート6が窪み16に確実に固定されるという観点から、本体4の材質がスチールとされ、プレート6の材質がアルミニウム合金とされるのが好ましい。
本明細書では、ツーピースタイプのモールド2を例として挙げて本発明が説明された。本発明に係るモールド2は、ツーピースタイプに限られない。割タイプのモールドでもよい。割タイプのモールドは、円弧状のトレッドセグメントを備えている。多数のセグメントが並べられることで、キャビティ面が形成される。この場合、ラグ底の位置に対応して、セグメントが突起用穴、空洞及び排気用穴を有する。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1−5に示された構造を備えた実施例1のツーピースタイプのモールドを作製した。これは、ラグ付タイヤを製造するためのモールドである。このモールドで作製されるタイヤのサイズは、13.6−26−4PRである。このモールドの突起用穴の深さDMは、10mmである。突起用穴の断面積は2.3mmである。隣接する突起用穴同士の間隔WMは1.8mmである。
[比較例1]
モールドが本体とプレートとに分かれておらず、空洞及び排気用穴を備えていない他は実施例1と同様にして比較例1のモールドを作製した。これは従来のモールドである。
[突起の高さの均一性]
実施例1及び比較例1のモールドを用いて、ラグ付タイヤを作製した。実施例1のモールドで作製したタイヤでは、加硫工程後、突起に付着したバリを人手で剥がす作業が行われた。それぞれのタイヤのラグ底を一箇所任意に選択し、ラグ底に設けられた突起の長さを測定した。長さが測定される突起はそのラグ底の全体から100本選択された。測定された突起の最大長さMAX、最小長さMIN及びこれらの差R(MAX−MIN)は以下の通りである。
実施例1:
最大長さMAX=9.7mm
最小長さMIN=8.7mm
差R=1.0mm
比較例1:
最大長さMAX=9.5mm
最小長さMIN=3.9mm
差R=5.6mm
上記実施例に示されるように、本発明に係るモールドを用いれば、ラグ底の多数の突起が所望の高さに揃えられたタイヤを得ることができる。このモールドによれば、泥土の付着が防止されかつ外観に優れたタイヤの製造ができる。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたタイヤ用モールド及びタイヤの製造方法は、種々のタイヤの製造にも適用されうる。
2・・・モールド
4・・・本体
6・・・プレート
8・・・キャビティ面
10・・・リング
12・・・分割面
14・・・溝
16・・・窪み
18・・・排気用穴
20・・・突起用穴
22・・・空洞
24・・・タイヤ
26・・・トレッド
28・・・ラグ
30・・・ラグ底
32・・・突起
34・・・ローカバー

Claims (4)

  1. その内部に位置する空洞と、
    ローカバーと当接するキャビティ面と、
    上記キャビティ面から上記空洞まで延び、タイヤのトレッド面に突起を形成するために使用される複数の突起用穴と、
    上記空洞から上記キャビティ面の反対側の面まで延びる排気用穴とを備えるタイヤ用モールド。
  2. 上記突起用穴の空洞側の端が、空洞に向けて先細りである請求項1に記載のタイヤ用モールド。
  3. 上記モールドが、窪みを有する本体とこの窪みに着脱可能に取り付けられるプレートとを備えており、
    上記プレートが上記突起用穴を備えており、
    上記本体が上記排気用穴を備えており、
    上記空洞が上記プレートと上記本体との間に位置している請求項1又は2に記載のタイヤ用モールド。
  4. 予備成型によって、ローカバーを得る工程と、
    その内部に位置する空洞と、ローカバーと当接するキャビティ面と、このキャビティ面からこの空洞まで延びる複数の突起用穴と、この空洞から上記キャビティ面の反対側の面まで延びる排気用穴とを備えているモールドに、上記ローカバーを投入する工程と、
    このローカバーを加圧及び加熱する工程とを含んでおり、
    上記ローカバーを加圧及び加熱する工程において、上記ローカバーの未加硫ゴムが上記突起用穴に入り込むことで、タイヤのトレッド面に突起が形成されるタイヤ製造方法。
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