JP3847885B2 - ラグ付き走行体及びその製造方法 - Google Patents

ラグ付き走行体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として湿田や軟弱地等を走行する農業用車両(トラクタ、コンバイン、田植え機、運搬車等)及び土木建設用車両(トレンチャ、ドーザー等)などにおいて用いられるタイヤ又はクローラ等、或いは乗用車等の一般車両において用いられるタイヤ等のラグ付き走行体と、このラグ付き走行体を製造する方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ラグ付き走行体(タイヤ等)では、トレッドに対してその周方向に所定間隔をおいて複数のラグが設けられており、このラグ付き走行体を装着した車両で軟弱地等を走行した場合、走行体におけるラグ相互間の溝底に泥土が付着して牽引力を損なうということがあった。
そこで、特開平6−329000号公報(以下、第1従来例と言う)では、ラグ相互間のトレッドに、自己吸水性及びその後の排水性を有し、且つ弾性変形及びその後の弾性復元が可能な泥土剥離促進装置(泥土剥離手段)を、ラグの高さよりも低くして設ける技術が提案されている。
【0003】
この泥土剥離促進装置は、外面側へ向けて開口する連続気泡を有した発泡ゴム等によって形成されたものであって、軟弱地等を走行する際に泥土中の水分を自己吸水し、泥土を抱き込むときの圧縮方向への弾性変形により、この泥土に対する抱き込み界面間へ吸水後の水を排水させて水膜を作り、この水膜によって泥土付着を防止したり、或いは付着泥土を剥離したりし、合わせて圧縮作用解放後の弾性復元によって付着泥土を一層確実に剥離して、その上方への持ち回りを防止するようにしている。
【0004】
また、特開平8−258511号公報(以下、第2従来例と言う)では、ラグを含むトレッドの表面全面に、泥付着防止層を被覆させる技術が提案されている。
この泥付着防止層は、トレッドの表面全面に設けられている点を除けば、第1従来例の泥土剥離促進装置と同じく、外面側へ向けて開口する連続気泡を有した発泡ゴム層により形成されたものとなっており、その泥土付着の防止作用や付着泥土の剥離作用における基本原理も、第1従来例の泥土剥離促進装置と同様なものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
第1従来例のラグ付き走行体において、泥土剥離促進装置は、外面側へ向けて開口する連続気泡を有した発泡ゴムにより形成されているため、その吸水時には、水中に含まれる泥土成分も連続気泡内に浸入し、吸・排水を繰り返す長時間の継続使用によっては連続気泡内に泥土成分が堆積することがあった。そのため、その後の吸水、排水作用や弾性変形及び弾性復元も不十分になるおそれがあり、これに伴って泥土の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が低下することにつながっていた。
【0006】
また、第2従来例のラグ付き走行体においても、泥付着防止層は第1従来例の泥土剥離促進装置と同様な発泡ゴムにより形成されているため、当然に第1従来例と同じ欠点を有していた。
のみならず、この第2従来例では、泥付着防止層がラグを含むトレッド表面全面に設けられていたため、軟弱地を含め、特にそれ以外の硬質な路面(例えば圃場や舗装路面等)を走行するときにおける泥付着防止層の磨耗や欠損等が著しく、耐久性が悪いという欠点があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、長時間にわたる継続使用によっても確実な泥土の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が得られ、しかも磨耗や欠損等を防止して耐久性を良好にできるようにしたラグ付き走行体と、このラグ付き走行体を容易に製造することができるラグ付き走行体の製造方法とを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。
即ち、本発明に係るラグ付き走行体では、トレッドに対して設けられる泥土剥離手段が、トレッドにおける少なくともラグ相互間に設けられる発泡ゴム層と、この発泡ゴム層の表層側に設けられるゴム表層とを有したものとなっている。
従って、走行体が軟弱地等で回転又は回走する場合にあって、地面側へ到達したラグ相互間では、発泡ゴム層及びゴム表層が、発泡ゴム層の層中に設けられた気泡の圧縮を伴いながら弾性変形すると共に、その後、地面側から離れるときには、上記気泡の圧縮解放を伴って発泡ゴム層及びゴム表層が弾性復元するようになる。そのため、トレッドに対して付着泥土を積極的に剥離させるものとなる。
【0009】
このとき、発泡ゴム層はゴム表層によってトレッド表面に露出しない状態におかれており、しかも層中の気泡において内部気体の出入りが生じないため、発泡ゴム層に泥土成分が浸入して堆積するといったことも生じない。従って、長時間にわたる継続使用によっても確実な泥土の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が得られることになる。
のみならず、発泡ゴム層はゴム表層に保護されて路面と接触しないため、発泡ゴム層が著しい磨耗や欠損を起こすということもない。従って、耐久性において良好となる。
【0010】
なお、発泡ゴム層において、層中に設けられる気泡は連続気泡でも単独気泡でもよい。また、この気泡が、仮に、発泡ゴム層の層表面において開口したものであっても、発泡ゴム層の層表面全部がゴム等よって囲まれることになるために、結果として全ての気泡は閉口状態となる。そのため、開口気泡とするか又は閉口気泡(即ち、独立気泡)とするかについても、限定されるものではない。ただ、好ましくは閉口気泡(独立気泡)とするのがよい。
発泡ゴム層の厚さは、0.5mm以上10mm以下とするのが好適である。0.5mmより薄い場合は、層中に設けられる気泡として圧縮代が不十分であり、発泡ゴム層やゴム表層において十分な弾性変形や弾性復元が得られないことになる。また10mmより分厚い場合は、トレッドとしての肉厚やラグの高さ等に悪影響を及ぼすおそれがあり、走行性能や牽引力等を低下させるおそれがある。
【0011】
発泡ゴム層の層中に設けられる気泡の発泡径は、0.01mm以上1.0mm以下とするのが好適である。0.01mmより小さい場合は、気泡として圧縮代が不十分であり、発泡ゴム層やゴム表層において十分な弾性変形や弾性復元が得られないことになる。また1.0mmより大きい場合は、逆に気泡として圧縮代が過多となり、発泡ゴム層やゴム表層において過剰な弾性変形や弾性復元を起こして、走行性能や牽引力等を低下させるおそれがある。
発泡ゴム層のASKER−C硬度は、20以上80以下とするのが好適である。20より小さい(柔らかい)場合は、発泡ゴム層が過剰な弾性変形を起こして潰れたり周囲のゴムと剥離したりするおそれがある。また80より大きい(硬い)場合は、発泡ゴム層の弾性変形が不十分となり、泥土の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が十分に得られなくなる。
【0012】
発泡ゴム層の比重は、0.4以上1.1以下とするのが好適である。0.4より小さい場合は、発泡ゴム層が過剰な弾性変形を起こして潰れたり周囲のゴムと剥離したりするおそれがある。また1.1より大きい場合は、発泡ゴム層の弾性変形が不十分となり、泥土の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が十分に得られなくなる。
ゴム表層の厚さは、0.05mm以上10mm以下とするのが好適である。0.05mmより薄い場合は、ゴム表層としての耐磨耗性や機械的強度が不十分となり、十分な耐久性が得られにくいし、また弾性変形も不十分となって、泥土の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が十分に得られなくなる。また、10mmを超える場合は、ラグ相互間での変形が生じ難くなり、また発泡ゴム層の弾性変形までも抑止してしまうので、やはり、泥土の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が十分に得られなくなる。
【0013】
発泡ゴム層は、トレッドの周方向で隣接するラグ相互間の中間部では分厚く両端部では薄くなるように形成したり、或いはラグ相互間にのみ設けたりすれば、ラグ相互間では、発泡ゴム層の弾性変形が十分に得られて確実な泥土の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が得られると共に、ラグ側近では、ラグによって生じる牽引作用を原因として発泡ゴム層とその周囲のゴムとが剥離等を起こすのを防止できる利点が得られる。
泥土剥離手段は、トレッド全面及びこのトレッド両側のサイド部にわたって設けるようにすると、泥土の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が、トレッドだけでなく、サイド部においても得られるようになり、泥土の上方への持ち回りを略全面的に解消することができる。
【0014】
泥土剥離手段に対し、互いに所定間隔をおいてサイプを加硫用成形型の凸所に形成されたフィンによってゴム表層と発泡ゴム層を貫くように形成しておけば、このサイプによって区画された発泡ゴム層やゴム表層が相互に異なる弾性変形を生じるようになり、泥土の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が一層良好となる。
一方、本発明に係るラグ付き走行体の製造方法では、筒状をした生状態の走行体本体に対し、その外周の少なくとも走行ラグ間形成部分に発泡ゴムを貼り付けると共に、この発泡ゴムの外側に生状態の表層用ゴムを貼り付けた状態で加硫用成形型に装填し、加硫成形するものである。
【0015】
このようにすることで、本発明に係るラグ付き走行体を容易に製造することができる。
なお、成形型において、ラグ間形成部分に、この部分でのゴム流れを阻止可能な堰を設けておけば、ラグ間形成部分内に対応して装填される発泡ゴムが加硫時に他部領域へ流れ出すことを阻止できる。従って、発泡ゴム層の形成領域を限定する場合等において高精度の成形が可能になる。
この場合、成形型に設ける堰をフィン状にすることで、この相当部位をサイプとして形成させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1乃至図3は、農用ラグ付き空気入りゴムタイヤとして実施した実施形態の走行体1を示しており、この走行体1は、車輪のリムに嵌合されていると共に内部にチューブ3を備え、バルブ4を介してチューブ3内に空気が充填可能になっている。但し、チューブレスであってもよいし、中実ゴムタイヤであってもよい。
【0017】
走行体1は、一対の環状ビード部5と、これら両環状ビード部5間にわたってトロイド形状を呈するように設けられたサイド部(サイドウォール)6及びトレッド7を有している。トレッド7の外周には、断面台形状のラグ8が周方向に所定間隔をおき、且つ左右交互に千鳥状となるような配置で複数設けられている。従って、周方向で隣接するラグ8の相互間には、径方向内方に湾曲した凹部9が形成されたものとなっている。
そして、トレッド7の全周にわたり、ラグ8及び凹部9の全表面を被覆するように帯ベルト状をした泥土剥離手段10が設けられている。この泥土剥離手段10には、トレッド7の周方向において隣接するラグ8の相互間(即ち、上記凹部9)に対応して、周方向に互いに所定間隔で、且つトレッド7の幅方向へ沿うように複数のサイプ7aが形成されている。
【0018】
泥土剥離手段10は、発泡ゴム層11と、その表層側に設けられたゴム表層12とを有している。
発泡ゴム層11は、その層中に多数の気泡が設けられたもので、各気泡は連続気泡又は単独気泡となっている。また、各気泡は、層表面において開口しない閉口気泡(即ち、独立気泡)となっている。この発泡ゴム層11は、厚さ0.5mm以上10mm以下、層中気泡の発泡径0.01mm以上1.0mm以下、ASKER−C硬度20以上80以下、比重0.4以上1.1以下に形成されている。
【0019】
また、この発泡ゴム層11は、トレッド7の周方向で隣接するラグ8相互間の中間部では分厚く形成され、両端部、即ち、ラグ8に近接するほど薄く形成されている。
一方、ゴム表層12は、一般にサイド部6やトレッド7として使用されるゴム配合のものや、耐磨耗性を考慮した配合のものを用いてある。このゴム表層12の厚さは、0.05mm以上10mm以下に形成されている。
次に、この走行体1の製造方法について説明する。
【0020】
図4(a)に示すように、筒状に形成された生状態の走行体本体1Gに対して、トレッドとすべき領域の表面全面に帯ベルト状の発泡ゴム11Gを巻回状に貼り付けると共に、この発泡ゴム11Gの外側に、これと略同形状の帯ベルト状をした生状態の表層用ゴム12Gを巻回状に貼り付ける。
そして、図4(b)に示すように発泡ゴム11G及び表層用ゴム12Gが貼り付けられた上記の走行体本体1Gを、ブラダー15を有する加硫用成形型16へ装填し、ブラダー15を膨張させることにより、表層用ゴム12G側を成形型16の内面へ押しつけつつ、加硫成形を行う。
【0021】
ここにおいて使用する成形型16は、上型及び下型の上下2分割型であって、それぞれ上型、下型は左右方向2分割、4分割等に複数分割されるようになっている。そして、互いの合型によって、ラグ8を形成させるための凹所18及びラグ8の相互間(凹部9)を形成させるための凸所17が、それぞれ周方向に交互に設けられるようになっている。
また、成形型16の凸所17には、周方向に互いに所定間隔で、且つトレッド幅方向へ沿うように複数のフィン20が突出形成されている。各フィン20の突出高さは、成形時において表層用ゴム12G及び発泡ゴム11Gを貫くがトレッド内のカーカスコード(図示略)等には至らない程度とされている。
【0022】
このような成形型16において走行体本体1Gを加硫する状況を説明すると、図5(a)及び(b)に示すように、ブラダー15の膨張圧を受けながらまず表層用ゴム12Gが成形型16の凸所17に当接し、続けてこの表層用ゴム12Gや発泡ゴム11G及び走行体本体1Gの一部に、矢符aで示すような凹所18へ向けた流れが生じる。
このとき、凸所17に設けられたフィン20が表層用ゴム12Gから発泡ゴム11Gへわたって貫くように突き刺さるが、フィン20のうち両外側に配されたものは堰19としての作用を奏して、表層用ゴム12Gや発泡ゴム11Gが凹所18側へ流れ出すのを阻止するものとなる。
【0023】
そのため、成形後(図1参照)においてラグ8の相互間に必要厚さの泥土剥離手段10(特に、発泡ゴム層11)を形成できることになる。また、上記したような発泡ゴム層11における厚さ変化にも、高精度で対応できるものとなっている。
加硫成形が終了した後は、成形型16を分割状態に離型させ、これと同時又はその後に、走行体1を脱型させるが、この離型時及び脱型時には、フィン20自体の損傷やフィン20による走行体1側への発傷を防止するため、フィン20の突出方向(走行体1の径方向)に沿った離型、脱型を行うようにする。
【0024】
この場合、走行体1では、ラグ8まわりに発泡ゴム層11が被覆された状態となっているが、この発泡ゴム層11は、更にその全表面がゴム表層12によって被覆された状態となっていると共に、ラグ8まわりにおいて発泡ゴム層11は必要以上に分厚くなっていない(上記した堰19による流れ防止作用による)ため、発泡ゴム層11が損傷するということはない。また、発泡ゴム層11が成形型16の内面(例えばフィン20まわり)に付着残留するということも防止される。
【0025】
なお、走行体1において、フィン20が抜けた後には、これに対応した配置・形状を有したスリット状の細溝が形成されることになり、これが前記したサイプ7aとして活用されるものであることは言うまでもない。
逆の言い方をすれば、サイプ7aを形成させるために成形型16に設ける突出部位(フィン20)によって、加硫成形時における表層用ゴム12Gや発泡ゴム11Gの流れ止めを兼用させているということにもなる。
次に、上記のようにして製造された走行体1を車両(図示略)に装着させて、図6に示すように耕盤X上の軟弱層X1を走行する場合を説明する。
【0026】
回転する走行体1において、軟弱層X1側へ到達している泥土剥離手段10では、その発泡ゴム層11の層中に設けられた気泡の圧縮を伴いながら、発泡ゴム層11及びゴム表層12が弾性変形を起こしている。
そして、この泥土剥離手段10が軟弱層X1からその上部後方へ離れるときには、上記気泡の圧縮解放を伴って発泡ゴム層11及びゴム表層12が弾性復元するようになる。そのため、トレッド7に対して付着した泥土X2を積極的に剥離させるものとなる。
【0027】
このとき、発泡ゴム層11はゴム表層12によってトレッド7の表面に露出しない状態におかれており、しかも層中の気泡において内部気体の出入りが生じないため、発泡ゴム層11に泥土成分が浸入して堆積するといったことも生じない。従って、長時間にわたる継続使用によっても確実な泥土X2の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が得られることになる。
のみならず、発泡ゴム層11はゴム表層12に保護されて路面と接触しないため、発泡ゴム層11が著しい磨耗や欠損を起こすということもない。従って、走行体1としての耐久性が良好となる。
【0028】
また、ラグ8の相互間には、発泡ゴム層11まで達するサイプ7aが設けられているため、このサイプ7aによって区画された発泡ゴム層11及びゴム表層12が相互に異なる弾性変形を生じるようになり、泥土X2の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が一層良好となる。
なお、このサイプ7aは、上記のようにトレッド7の周方向で所定間隔を保持させて設けたものだけでなく、トレッド7の幅方向に所定間隔を保持させて設けたものや、周方向及び幅方向で組み合わせて設けたもの(格子状又はコーナー状となるもの)とすることも可能である。
【0029】
本発明に係る走行体1として、21馬力クラスのトラクタ用として製造したものと、従来におけるこれと同種のタイヤとにつき、所定時間のロータリー作業を行った後においてラグ8の1ピッチ間にどれだけ泥土X2が付着していたかの比較実験を行った。
タイヤサイズ6−14のフロントタイヤの場合では、本発明走行体1の付着泥土量が240gであったのに対し、従来のタイヤでは890gもあった。即ち、従来のタイヤを100として指数化すると、本発明の走行体1では僅かに約27となり、泥土X2の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が如何に良好に得られているかが明らかである。
【0030】
またタイヤサイズ9.5−22のリヤタイヤの場合では、従来のタイヤを100として指数化すると、本発明の走行体1では25〜30程度となり、同じく、泥土X2の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が如何に良好に得られているかが明らかである。
ところで、発泡ゴム層11の厚さが0.5mmより薄い場合は、層中に設けられる気泡として圧縮代が不十分であり、発泡ゴム層11やゴム表層12において十分な弾性変形や弾性復元が得られないことになる。また10mmより分厚い場合は、トレッド7としての肉厚やラグ8の高さ等に悪影響を及ぼすおそれがあり、走行性能や牽引力等を低下させるおそれがある。
【0031】
発泡ゴム層11の層中気泡の発泡径が0.01mmより小さい場合は、気泡として圧縮代が不十分であり、発泡ゴム層11やゴム表層12において十分な弾性変形や弾性復元が得られないことになる。また1.0mmより大きい場合は、逆に気泡として圧縮代が過多となり、発泡ゴム層11やゴム表層12において過剰な弾性変形や弾性復元を起こして、走行性能や牽引力等を低下させるおそれがある。
発泡ゴム層11のASKER−C硬度が20より小さい(柔らかい)場合は、発泡ゴム層11が過剰な弾性変形を起こして潰れたり周囲のゴムと剥離したりするおそれがある。また80より大きい(硬い)場合は、発泡ゴム層11の弾性変形が不十分となり、泥土X2の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が十分に得られなくなる。
【0032】
発泡ゴム層11の比重が0.4より小さい場合は、発泡ゴム層11が過剰な弾性変形を起こして潰れたり周囲のゴムと剥離したりするおそれがある。また1.1より大きい場合は、発泡ゴム層11の弾性変形が不十分となり、泥土X2の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が十分に得られなくなる。
ゴム層12の厚さが0.05mmより薄い場合は、ゴム表層12としての耐磨耗性や機械的強度が不十分となり、十分な耐久性が得られにくいし、また弾性変形も不十分となって、泥土X2の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が十分に得られなくなる。また、10mmを超える場合は、ラグ相互間での変形が生じ難くなり、また発泡ゴム層11の弾性変形までも抑止してしまうので、やはり、泥土X2の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が十分に得られなくなる。
【0033】
図7は、ラグ付き走行体1の参考例を示したもので、図1乃至図6の実施形態とは、泥土剥離手段10に対してサイプ7aが設けられていない点が異なるだけである。
従ってその製造方法においても、成形型16として、フィン20を具備しないものを用いる点を除き、図1乃至図6の実施形態と同様である。
図8は、本発明に係るラグ付き走行体1の他の実施形態を示したもので、この実施形態では泥土剥離手段10が、トレッド7の全表面だけでなく、このトレッド7の両側に設けられるサイド部6にまでわたって設けられたものである。
【0034】
このような構成を有した走行体1では、泥土X2の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が、トレッド7だけでなく、サイド部6においても得られるようになり、泥土X2の上方への持ち回りを略全面的に解消することができる利点がある。
図9及び図10は、本発明に係るラグ付き走行体1の他の実施形態を示したもので、この実施形態では、走行体1として泥土X2が付着し易い箇所であるラグ8の相互間にのみ、泥土剥離手段10が設けられたものとしてある。
【0035】
この実施形態の走行体1でも、泥土X2の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が十分に得られることは言うまでもない。のみならず、この実施形態の走行体1は、ラグ8まわりに発泡ゴム層11が設けられていないため、ラグ8によって生じる牽引作用を原因として、発泡ゴム層11とその周囲のゴム(ゴム表層12又はラグ中心側)とが剥離等を起こすのを防止できる利点が得られる。従って、その結果として走行時におけるラグ8の強度を確保し、十分な牽引力を得ることができる。
【0036】
この実施形態の走行体1を製造するには、図11(a)に示すように筒状をした生状態の走行体本体1Gに対して、その外側のうち、ラグ8相互間に対応する部分に対してのみ、平行四辺形状をした発泡ゴム11Gを貼り付けると共に、その外側に、トレッド7とすべき領域の表面全面に帯ベルト状をした生状態の表層用ゴム12Gを貼り付ける。
そして、図11(b)に示すように発泡ゴム11G及び表層用ゴム12Gが貼り付けられた上記の走行体本体1Gを、成形型16に装填して加硫成形を行う。
【0037】
なお、この場合に用いる成形型16では、その凸所17に対し、周方向において隣接する凹所18との境界部に各1個、即ち、1つの凸所17でその両側に一対の割合でフィン20が設けられたものとしてある。このフィン20の相互間隔は、走行体1としてのラグ8の相互間隔、即ち、走行体本体1Gに対して発泡ゴム11Gを貼り付ける周方向長さに等しいか、又は若干、長めに形成されている。
従って、加硫時においては、凸所17の両側のフィン20がそれぞれ堰19として作用して、表層用ゴム12Gや発泡ゴム11Gが凹所18側へ流れ出すのを阻止するものとなる。そのため、成形後においてラグ8の相互間に必要厚さの泥土剥離手段10(特に、発泡ゴム層11)を形成できることになる。
【0038】
なお、対を成すフィン20相互間に対し、複数のフィン20を設けることで、この実施形態にも複数のサイプ7aを設けさせることが可能である。
図12は、本発明に係るラグ付き走行体1の他の実施形態を示したもので、この実施形態でも、上記実施形態と同様に、走行体1として泥土X2が付着し易い箇所であるラグ8の相互間にのみ、泥土剥離手段10が設けられたものとしてある。ただ、唯一、この実施形態が上記実施形態と異なるところは、泥土剥離手段10として設けられるゴム表層12が、発泡ゴム層11に対応した部位だけとなっている点にある。
【0039】
従って、この実施形態の走行体1でも、上記実施形態と同様に、泥土X2の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が十分に得られると共に、発泡ゴム層11とその周囲のゴムとの剥離等を防止することによって走行時におけるラグ8の強度を確保し、十分な牽引力を得ることができる。
この実施形態の走行体1を製造するには、図13(a)に示すように筒状をした生状態の走行体本体1Gに対して、その外側のうち、ラグ8相互間に対応する部分に対してのみ、平行四辺形状をした発泡ゴム11Gを貼り付けると共に、この発泡ゴム11Gの外側に、これと略同形状の平行四辺形状をした生状態の表層用ゴム12Gを貼り付ける。
【0040】
そして、図13(b)に示すように発泡ゴム11G及び表層用ゴム12Gが貼り付けられた上記の走行体本体1Gを、成形型16に装填して加硫成形を行う。
なお、この場合に用いる成形型16でも、1つの凸所17の両側に一対の割合で、発泡ゴム11Gの周方向長さと同等又は若干長い相互間隔をおいてフィン20が設けられている。従って当然に、加硫時には各フィン20が堰19として作用し、表層用ゴム12Gや発泡ゴム11Gの流れ出しを阻止するので、成形後においてラグ8の相互間に必要厚さの泥土剥離手段10(特に、発泡ゴム層11)を形成できることになる。
【0041】
図9の実施形態や図12の実施形態のようにラグ8の相互間にのみ、泥土剥離手段10を設ける場合の他の製造方法としては、図14に示すように成形型16の凸所17に対し、フィン20を形成させるのに代えて切欠凹部21を設けておき、この切欠凹部21において周方向両端側となる開口縁部によって堰19を作用させる方法がある。
この場合の堰19は、図示したような傾斜面状のものでもよいし、段部状に切り立ったものとしてもよい。
【0042】
図15及び図16は、農用ゴム焼き付け車輪の輪体部分として実施した他の実施形態の走行体1を示している。
すなわち、この実施形態の走行体1は、複数本のスポーク26によってその外端部で固着保持されたパイプ材製のリング状芯材27と、この芯材27まわりに焼き付けられたゴム肉層28とを有した構造となっており、ゴム肉層28の外周面にラグ8を有したトレッド7が形成されている。
この走行体1において、ラグ8には、直進ラグ8Aと羽ラグ8Bとがある。そして、直進ラグ8Aの相互間及び直進ラグ8Aと羽ラグ8Bとの間のトレッド7に、上記各実施形態で示したような泥土剥離手段10が設けられている。
【0043】
なお、泥土剥離手段10の細部構造や、その製造方法、使用時における作用効果等は、上記した各実施形態と略同様であるため、ここでの詳説は省略する。
図17乃至図19は、弾性クローラとして実施した他の実施形態の走行体1を示している。
すなわち、この走行体1は、帯ベルト状をしたゴム製のクローラ本体30における接地面側に、その周方向で互いに所定間隔をおいてラグ8が突出されたものであり、これらラグ8の相互間に泥土剥離手段10が設けられている。
【0044】
クローラ本体30には、その周方向に所定間隔で金属製又は硬質樹脂製の幅方向補強体31が埋設されている。なおラグ8は、平行配置、斜行配置、ヘ字状配置、ハ字状配置、ブロックパターン、或いはこれらの複合配置等、適宜である。
この実施形態においても、泥土剥離手段10の細部構造や、その製造方法、使用時における作用効果等は、上記した各実施形態と略同様であるため、ここでの詳説は省略する。
図20及び図21は、一般車両用タイヤとして実施した他の実施形態の走行体1を示している。タイヤの用途としては、乾燥路用、ウェット路用、雪路用、氷結路用、オールシーズン用、荒れ地用、レース用等として、いずれも実施可能であり、また適用車種としても乗用車用、バス・トラック用、二輪車用、特殊車両用等、何ら限定されるものではない。
【0045】
この実施形態においても、泥土剥離手段10の細部構造や、その製造方法、使用時における作用効果等は、上記した各実施形態と略同様であるため、ここでの詳説は省略する。
上記説明によって明らかなように、本発明に係るラグ付き走行体1や、その製造方法には、多種多様な実施形態が考えられるものである。
例えば、ラグ8の配置やその突出形状等(即ち、トレッドパターン)を変更したり、泥土剥離手段10における発泡ゴム11Gの流れ防止対策としてキャンバスやパンスト等を埋設したりする等、説明したもの以外にも構造の細部、製造の手順等において適宜変更が可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明に係る本発明に係るラグ付き走行体では、トレッドに対して設けられる泥土剥離手段が、発泡ゴム層とその表層側のゴム表層とを有したものであるので、走行体が軟弱地等で回転又は回走する場合に、発泡ゴム層及びゴム表層が弾性変形と弾性復元とを繰り返し、トレッドに対する付着泥土の積極的剥離を可能にする。
このとき、発泡ゴム層はゴム表層によって被覆されており、しかも層中の気泡では内部気体の出入りがないため、発泡ゴム層に泥土成分が浸入して堆積するということはない。従って、長時間にわたる継続使用によっても確実な泥土の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が得られる。
【0047】
のみならず、発泡ゴム層はゴム表層に保護されて路面と接触しないため、発泡ゴム層が著しい磨耗や欠損を起こすということもない。従って、耐久性において良好となる。
泥土の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用を良好に得るために、発泡ゴム層の厚さは0.5mm以上10mm以下とするのが好適であり、発泡ゴム層の層中に設けられる気泡の発泡径は0.01mm以上1.0mm以下とするのが好適であり、発泡ゴム層のASKER−C硬度は20以上80以下とするのが好適であり、発泡ゴム層の比重は0.4以上1.1以下とするのが好適である。また、ゴム表層の厚さは0.05mm以上10mm以下とするのが好適である。
【0048】
発泡ゴム層において、トレッドの周方向で隣接するラグ相互間の中間部を分厚く両端部を薄く形成したり、ラグ相互間にのみ設けたりすれば、泥土の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用は確保しつつ、ラグによって生じる牽引作用により、発泡ゴム層とその周囲のゴムとが剥離する等の不具合を防止できることになる。
泥土剥離手段は、トレッド全面及びこのトレッド両側のサイド部にわたって設けるようにすると、泥土の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が、トレッドだけでなく、サイド部においても得られるようになり、泥土の上方への持ち回りを略全面的に解消することができる。
【0049】
泥土剥離手段に対し、互いに所定間隔をおいて発泡ゴム層に達するサイプを形成しておけば、このサイプによって区画された発泡ゴム層やゴム表層が相互に異なる弾性変形を生じるようになり、泥土の付着防止作用及び付着泥土の剥離作用が一層良好となる。
一方、本発明に係るラグ付き走行体の製造方法では、筒状をした生状態の走行体本体に対し、発泡ゴム及び生状態の表層用ゴムを貼り付けて加硫成形するといった簡単な手順で、本発明に係るラグ付き走行体を製造できるものである。
【0050】
また、成形型として、ラグ間形成部分に堰を設けるだけで、この対応部へ装填される発泡ゴムの流れ出しを阻止できるため、発泡ゴム層の形成領域を限定する場合等において高精度の成形が可能になる。この堰は、フィン状にすることでサイプの形成を兼ねることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るラグ付き走行体の実施形態においてその主要部を拡大して示す側断面図である。
【図2】 図1に対応する平面図である。
【図3】 図1に対応する正面断面図である。
【図4】 本発明に係る走行体を製造する方法に関するもので、(a)は走行体本体の斜視図であり、(b)は加硫用成形型内での様子を示す側断面図である。
【図5】 図4(b)に至る過程を(a)(b)に分解して示す動作説明図である。
【図6】 本発明に係るラグ付き走行体における使用状況を示す側面図である。
【図7】 ラグ付き走行体の参考例においてその主要部を拡大して示す側断面図である。
【図8】 本発明に係るラグ付き走行体の他の実施形態においてその主要部を拡大して示す正面断面図である。
【図9】 本発明に係るラグ付き走行体の他の実施形態においてその主要部を拡大して示す側断面図である。
【図10】 図9に対応する平面図である。
【図11】 本発明に係るラグ付き走行体を製造する方法に関するもので、(a)は走行体本体の斜視図であり、(b)は加硫用成形型内での様子を示す側断面図である。
【図12】 本発明に係るラグ付き走行体の他の実施形態においてその主要部を拡大して示す側断面図である。
【図13】 本発明に係るラグ付き走行体を製造する方法に関するもので、(a)は走行体本体の斜視図であり、(b)は加硫用成形型内での様子を示す側断面図である。
【図14】 本発明に係るラグ付き走行体を製造する方法の他の方法について加硫用成形型内での様子を示す側断面図である。
【図15】 本発明に係るラグ付き走行体の他の実施形態においてその主要部を示す側面図である。
【図16】 図15のA−A線拡大断面図である。
【図17】 本発明に係るラグ付き走行体の他の実施形態においてその主要部(図18の一部)を拡大して示す正面断面図である。
【図18】 本発明に係るラグ付き走行体の全体側面図である。
【図19】 図17に対応する側断面図である。
【図20】 本発明に係るラグ付き走行体の他の実施形態においてその主要部(図21の矢符B部)を拡大して示す斜視図である。
【図21】 本発明に係るラグ付き走行体における一部破砕した全体斜視図である。
【符号の説明】
1 走行体
6 サイド部
7 トレッド
7a サイプ
8 ラグ
10 泥土剥離手段
11 発泡ゴム層
12 ゴム表層
16 成形型
19 堰
1G 走行体本体
11G 発泡ゴム
12G 表層用ゴム

Claims (9)

  1. 周方向に所定間隔をおいて複数のラグ(8)が設けられたトレッド(7)に対して付着泥土を剥離する泥土剥離手段(10)が設けられたラグ付き走行体において、
    上記泥土剥離手段(10)は、トレッド(7)における少なくともラグ(8)相互間に設けられる発泡ゴム層(11)と、該発泡ゴム層(11)の表層側に設けられるゴム表層(12)とを有しており、
    上記発泡ゴム層(11)は、独立気泡を有するととともに、トレッド(7)の周方向で隣接するラグ(8)相互間の中間部では分厚く両端部では薄く形成されており、
    上記発泡ゴム層およびゴム表層(12)を貫くように、互いに所定間隔をおいてサイプ(7a)が形成されていることを特徴とするラグ付き走行体。
  2. 周方向に所定間隔をおいて複数のラグ(8)が設けられたトレッド(7)に対して付着泥土を剥離する泥土剥離手段(10)が設けられたラグ付き走行体において、
    上記泥土剥離手段(10)は、トレッド(7)における少なくともラグ(8)相互間に設けられる発泡ゴム層(11)と、該発泡ゴム層(11)の表層側に設けられるゴム表層(12)とを有しており、
    加硫用成形型(16)の凸所(17)に形成されたフィン(20)によってゴム表層(12)と発泡ゴム層(11)を貫くサイプ(7a)が互いに所定間隔をおいて形成されていることを特徴とするラグ付き走行体。
  3. 周方向に所定間隔をおいて複数のラグ(8)が設けられたトレッド(7)に対して付着泥土を剥離する泥土剥離手段(10)が設けられ、前記泥土剥離手段(10)に、トレッド(7)における少なくともラグ(8)相互間に設けられる発泡ゴム層(11)と、該発泡ゴム層(11)の表層側に設けられるゴム表層(12)とが設けられたラグ付き走行体を製造する方法であって、 筒状をした生状態の走行体本体(1G)における外周の少なくとも走行ラグ間形成部分に発泡ゴム(11G)を貼り付けると共に、該発泡ゴム(11G)の外側に生状態の表層用ゴム(12G)を貼り付け、加硫用成形型(16)のラグ間形成部分に該部分でのゴム流れを阻止可能な堰(19)を設けた状態で、該成形型(16)に対して上記発泡ゴム(11G)及び表層用ゴム(12G)を貼り付けた走行体本体(1G)を装填し、加硫成形することを特徴とするラグ付き走行体の製造方法。
  4. 前記発泡ゴム層(11)が、厚さ0.5mm以上10mm以下、層中気泡の発泡径0.01mm以上1.0mm以下、ASKER−C硬度20以上80以下、比重0.4以上1.1以下に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のラグ付き走行体。
  5. 前記ゴム表層(12)が、厚さ0.05mm以上10mm以下に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のラグ付き走行体。
  6. 前記発泡ゴム層(11)は、トレッド(7)の周方向で隣接するラグ(8)相互間の全体に亘って均一厚さか若しくは中間部では分厚く両端部では薄く形成されていることを特徴とする請求項2に記載のラグ付き走行体。
  7. 前記発泡ゴム層(11)は、ラグ(8)相互間にのみ設けられていることを特徴とする請求項2に記載のラグ付き走行体。
  8. 前記泥土剥離手段(10)は、トレッド(7)全面及び該トレッド(7)両側のサイド部(6)にわたって設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のラグ付き走行体。
  9. 請求項1、2、4〜8のいずれか1項に記載のラグ付き走行体を製造する方法であって、
    筒状をした生状態の走行体本体(1G)における外周の少なくとも走行ラグ間形成部分 に発泡ゴム(11G)を貼り付けると共に、該発泡ゴム(11G)の外側に生状態の表層用ゴム(12G)を貼り付け、加硫用成形型(16)のラグ間形成部分に該部分でのゴム流れを阻止可能な堰(19)を設けた状態で、該成形型(16)に対して上記発泡ゴム(11G)及び表層用ゴム(12G)を貼り付けた走行体本体(1G)を装填し、加硫成形することを特徴とするラグ付き走行体の製造方法。
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