ここで、ネジを用いてバスバーを別の部材に取り付ける場合、ネジ止めの回転力によりバスバーに応力が掛かる。しかし、特許文献1には、ネジ止めの回転力によりバスバーに掛かる応力について、何ら記載されていない。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、ネジ止めの回転力による応力の影響を低減したバスバーを提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成の電気接続箱が提供される。即ち、電気接続箱は、バスバーと、基板と、ケースと、を備える。バスバーは、取付部と、補強部と、出力部と、を備える。前記取付部には、別の部材をネジで取り付けるための取付孔が形成される。前記補強部には、曲げが形成されている。前記出力部は、前記補強部を介して前記取付部に接続されており、電気信号又は電力を外部へ出力する。前記補強部には、第1面部と、前記ネジの挿入方向で見たときに、前記第1面部と間隔を空けて対向するように配置されている第3面部と、前記第1面部と前記第3面部とを接続する第2面部と、が形成されている。前記第3面部には、当該第3面部とは異なる向きに配置された前記出力部が接続されている。前記基板には、前記バスバーの前記出力部が接続される。前記ケースは、前記バスバー及び前記基板の少なくとも一部を覆い、前記バスバー及び前記基板に対してスライド可能である。
これにより、上記の構成の補強部を備えることで、ネジ止めの回転力によってバスバーに掛かる応力の影響を低減できるので、バスバーの損傷又は変形を防止できる。また、ネジ止め時にバスバーが損傷又は変形しにくい構成の電気接続箱を実現できる。また、バスバー及び基板に対してケースがスライド可能なので、ケースを容易に着脱できる。
前記の電気接続箱においては、前記第1面部は、前記第2面部及び前記第3面部と比較して、前記ネジの挿入方向における長さが長いことが好ましい。
これにより、ネジ止め時にバスバーに掛かる応力を分散できるので、バスバーの損傷又は変形を一層確実に防止できる。
前記の電気接続箱においては、前記出力部は、前記補強部の前記第3面部よりも幅が小さいことが好ましい。
これにより、出力部よりも補強部の第3面部の幅が大きいため、供給可能な電力量を増やすことができる。別の観点では、補強部の第3面部よりも出力部の幅が小さいため、バスバーと他の部品の位置が干渉しにくくなる。
前記の電気接続箱においては、前記補強部の厚み方向と、前記ネジの挿入方向と、が垂直であることが好ましい。
このように、補強部の厚み方向とネジの挿入方向とが垂直である場合、ネジ止めの回転力によりバスバーが折り曲げられる方向に力を受けるため、当該バスバーが損傷又は変形し易くなる。従って、ネジ止め時にバスバーが損傷又は変形しにくいという本発明の効果を一層有効に活用できる。
前記の電気接続箱においては、前記基板又は当該基板を支持する部材には、前記補強部の前記第2面部に接触する第1接触部が形成されていることが好ましい。
これにより、バスバー(特に補強部の第2面部)の損傷又は変形を一層確実に防止できる。
前記の電気接続箱においては、前記基板又は当該基板を支持する部材には、前記補強部の前記第3面部に接触する第1接触部が形成されていることが好ましい。
これにより、バスバー(特に補強部の第3面部)の損傷又は変形を一層確実に防止できる。
前記の電気接続箱においては、前記ケースは、前記ネジの挿入方向で見たときに、前記バスバーに接触する第2接触部を備えることが好ましい。
これにより、ケースがバスバーに接触しているため、バスバーの損傷又は変形を一層確実に防止できる。
前記の電気接続箱においては、前記ケースから前記バスバーの一部が露出していることが好ましい。
これにより、バスバーの熱を効率的に発散できる。従って、バスバーが電力を外部へ出力する場合、大量の電力を供給することができる。
前記の電気接続箱においては、前記バスバーが、前記基板の端辺側に配置されていることが好ましい。
これにより、バスバーが邪魔になりにくいので、電気部品を効率的に配置できる。
前記の電気接続箱においては、前記補強部の前記第1面部、前記第2面部、及び前記第3面部で囲まれる空間の開放部が前記基板の端辺側とは反対側に位置するように前記バスバーが配置されていることが好ましい。
これにより、第1面部、第2面部、及び第3面部で囲まれる空間の開放部を基板の中央側に向けることができるので、例えばこの空間に電気部品等を配置する等して、電気接続箱の内部の空間を有効に活用できる。
前記の電気接続箱においては、前記取付部は板状であり、前記ネジの挿入方向と、前記基板の厚み方向と、が垂直であることが好ましい。
これにより、基板の表面に沿う方向にネジが挿入されるため、ネジの挿入方向と基板の厚み方向が平行な構成と比較して、当該厚み方向における電気接続箱のサイズを低減できる。
次に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1に示す電気接続箱1は、例えば自動車のエンジンルーム内に配置されるジャンクションボックスとして構成されている。電気接続箱1は、図1及び図2に示すように、ケース10と、第1ベース部20と、第2ベース部30と、基板(電子回路基板)41と、を備える。また、基板41には、電気部品42と、端子43と、バスバー50と、が取り付けられている。
以下の説明では、基板41の厚み方向を「基板厚み方向」と称し、基板41の長手方向(即ち電気接続箱1の長手方向)を「基板長手方向」と称し、バスバー50を取り付けるネジの挿入方向を「ネジ挿入方向」と称する。なお、これらの3つの方向は、本実施形態では互いに直交する。
ケース10は、基板41、電気部品42、端子43、及びバスバー50を覆う(詳細にはこれらの部材の少なくとも一部を覆う)部材である。ケース10は、第1ベース部20及び第2ベース部30に対してスライド可能に構成されており、当該ケース10をスライドさせることでケース10を着脱することができる。ケース10は、図1に示すように、第1端子接続部11と、第2端子接続部12と、バスバー取付部13と、を備える。
第1端子接続部11は、ネジ挿入方向の一方側(ネジの挿入元側)の端部に位置している。第1端子接続部11は、枠状の部分であり、内部に端子43が配置される。これにより、電気接続箱1のコネクタが構成される。電気接続箱1のコネクタには、相手のコネクタが接続される。第2端子接続部12は、ネジ挿入方向の他方側(ネジの挿入先側)に位置している。第2端子接続部12は、枠状の部分であり、内部に端子43が配置される。これにより、電気接続箱1のコネクタが構成される。電気接続箱1のコネクタには、相手のコネクタが接続される。バスバー取付部13は、バスバー50が取り付けられる(詳細は後述)。
第1ベース部20は、図2に示すように、第1端子挿入部21と、第1基板取付部22と、第1接触部24と、を備える。
第1端子挿入部21は、ネジ挿入方向の挿入元側の端部において、基板長手方向の略全体にわたって配置されている。第1端子挿入部21には、基板41に取り付けられた端子43が挿入される。第1端子挿入部21に挿入された端子43は、第1端子接続部11の内部に位置する。第1端子接続部11に挿入された端子43は、相手のコネクタの端子に接続される。
第1基板取付部22は、基板41の4隅のうちネジ挿入方向の挿入元側の端部の2隅に配置されている(図2には一方のみ図示)。第1基板取付部22には、ネジ等の取付具を挿入可能な挿入孔が形成されており、第1基板取付部22の挿入孔及び基板41に形成された挿入孔にネジ等を挿入して締め付けることで、第1ベース部20に基板41を取り付けることができる。
第1接触部24は、バスバー50の取付時に当該バスバー50が損傷又は変形しないように、バスバー50に接触して当該バスバー50を補強する(詳細は後述)。
第2ベース部30は、図2に示すように、第2端子挿入部31と、第2基板取付部32と、第1接触部24と、を備える。
第2端子挿入部31は、ネジ挿入方向の挿入先側の端部に配置されている。第2端子挿入部31には、基板41に取り付けられた端子43が挿入される。第2端子挿入部31に挿入された端子43は、上記と同様に、相手のコネクタの端子に接続される。
第2基板取付部32は、基板41の4隅のうちネジ挿入方向の挿入先側の端部の2隅に配置されている(図2には一方のみ図示)。第2基板取付部32には、ネジ等の取付具を挿入可能な挿入孔が形成されており、第1基板取付部22の挿入孔及び基板41に形成された挿入孔にネジ等を挿入して締め付けることで、第2ベース部30に基板41を取り付けることができる。
バスバー50は、導電性の板状の部材を複数回折り曲げることで形成されている。バスバー50は、別の部材から供給された電力を基板41(詳細には電気部品42)に出力する。図2から図4に示すように、バスバー50は、電力供給部材取付部(取付部)51と、補強部53と、係合突起54と、出力部56と、を備える。
電力供給部材取付部51は、厚み方向がネジ挿入方向と一致するように配置されている。電力供給部材取付部51には、電力を供給する別の部材(電力供給部材)が取り付けられる。具体的には、電力供給部材取付部51には取付孔51aが形成されており、この取付孔51aにネジ等の取付具を用いることで、電力を供給する別の部材が取り付けられる。出力部56は、補強部53を介して、電力供給部材取付部51に接続されている。これにより、電力供給部材取付部51に伝わった電力は、補強部53を介して出力部56から出力される。
補強部53は、バスバー50を補強する部分である。補強部53は、第1面部(第1部分)53aと、第2面部(第2部分)53bと、第3面部(第3部分)53cと、で構成されている。なお、第1面部53aから第3面部53cは、板状に形成されている。
第1面部53aは、厚み方向が基板厚み方向と一致するように配置されている。第1面部53aは、電力供給部材取付部51のうち基板厚み方向の一端部(基板41に近い側の端部)に接続されている。また、電力供給部材取付部51は、第1面部53aの長手方向の端部に接続されている。バスバー50は、電力供給部材取付部51と第1面部53aの厚み方向が略90度変化するように折り曲げられている。また、第1面部53aには、基板長手方向(電力供給部材取付部51及び第1面部53aの両方の厚み方向と垂直な方向)へ突出する突出部50aが形成されている。
第2面部53bは、厚み方向が基板長手方向と一致するように配置されている。第2面部53bは、第1面部53aのうち基板長手方向の一端部(貫通溝13cに近い側の端部)に接続されている。バスバー50は、第1面部53aと第2面部53bの厚み方向が略90度変化するように折り曲げられている。
第3面部53cは、厚み方向が基板厚み方向と一致するように配置されている。従って、ネジの挿入方向で見たときに(図5)、第1面部53aと第3面部53cは、間隔を空けて対向するように配置されている。第3面部53cは、第2面部53bのうち基板厚み方向の一端部(基板41に近い側の端部)に接続されている。バスバー50は、第2面部53bと第3面部53cの厚み方向が略90度変化するように折り曲げられている。また、第3面部53cには、ネジ挿入方向の挿入元側に突出する係合突起54が形成されている。
このように、補強部53は、略U字状に構成されているので、バスバー50の強度を向上させることができる。また、第1面部53aのネジ挿入方向における長さは、第2面部53b及び第3面部53cよりも長い。第2面部53bと第3面部53cのネジ挿入方向における長さは同じであるが異なっていても良い。また、第1面部53a〜第3面部53cで囲まれる空間の開放部が、基板長手方向の内側(即ち基板41の端辺(端部)の反対側)を向いているため、当該開放部にも電気部品42を位置させることができるので、電気接続箱1の内部の空間を有効活用できる。
出力部56は、厚み方向が基板長手方向と一致するように配置されている。出力部56は、第3面部53cのうち基板長手方向の他端部(貫通溝13cから遠い側の端部)に接続されている。バスバー50は、第3面部53cと出力部56の厚み方向が略90度変化するように折り曲げられている。
ここで、バスバー50において、露出している対向する側面同士を接続する方向の長さを幅と称する。例えば、出力部56は、図4の上側の側面と下側の側面が露出しているため、これらを接続する方向(即ちネジ挿入方向)の長さが幅となる。また、第3面部53cも、図4の上側の側面と下側の側面が露出しているため、これらを接続する方向(即ちネジ挿入方向)の長さが幅となる。第3面部53cの幅は、出力部56の幅よりも大きい。従って、電力伝達方向に垂直な断面の面積を大きくできるので、基板41へ供給可能な電力量を増やすことができる。別の観点で説明すると、第3面部53cよりも出力部56の幅が小さいため、バスバー50と電気部品42等が干渉しにくくなる。なお、第3面部53cの幅と出力部56の幅は同じであっても良い。
出力部56の基板厚み方向の一端部(基板41に近い側の端部)には、出力突起56a及び補強突起56bが形成されている。出力突起56aは、基板41のスルーホールに挿入され、電力を基板41(詳細には基板41に形成された電力供給回路)に出力する。補強突起56bは、基板41には挿入されず基板41の表面に接触する。
本実施形態のように他の部材がネジで取り付けられる構成のバスバー50には、ネジ止め時の回転力により大きな応力が掛かる。特にバスバー50のうち、厚み方向がネジの挿入方向と垂直である部分(具体的には、補強部53及び出力部56)は、ネジ止め時の回転力により板状の部分を折り曲げる方向に力が掛かるため、当該部分は損傷又は変形し易くなる。この点、本実施形態では少なくとも2つの曲げを含むことで略U字状に構成した補強部53がバスバー50に形成されているため、ネジ止めの回転力によってバスバー50に掛かる応力の影響を低減できるので、バスバー50の損傷又は変形を防止できる。更に、第1面部53aのネジ挿入方向における長さが長いため、ネジ止め時にバスバー50の第1面部53aに掛かる応力を分散できるため、バスバー50の損傷又は変形を一層確実に防止できる。
次に、バスバー50と他の部材の位置関係、特にバスバー50を更に補強する構造について詳細に説明する。
初めに、バスバー50とケース10の位置関係について説明する。ケース10には、図1及び図5に示すように、バスバー取付部13として、貫通孔13aと、第2接触部13bと、貫通溝13cと、挿入部13dと、が形成されている。バスバー取付部13は、ケース10の基板厚み方向に垂直な面(側面、表面)であって、基板長手方向における端部近傍に形成されている。なお、バスバー取付部13は、ケース10の別の表面、例えば、基板長手方向に垂直な面(別の側面)に形成されていても良い。
貫通孔13aは、ネジ挿入方向の挿入元側の端部近傍に形成されている。貫通孔13aは、矩形状の貫通孔であり、孔の深さ方向がネジ挿入方向に一致するように構成されている。ケース10をネジ挿入方向に沿ってスライドさせた場合、電力供給部材取付部51と第1面部53aの境界部分が、貫通孔13aの縁部に接触する。これにより、ケース10のスライドを適切な位置で停止できる。また、貫通孔13aは電力供給部材取付部51の取付孔51aを露出させることができるので、ケース10の取付後に別の部材をバスバー50に取り付けることができる。
第2接触部13bは、板状であり、厚み方向が基板厚み方向と一致するように配置されている。第2接触部13bは、図1及び図5に示すように、第1面部53aに接触する。これにより、バスバー50(特に第1面部53a)を補強できるので、バスバー50の損傷又は変形を防止できる。
貫通溝13cは、貫通孔13aの下方において、長手方向がネジ挿入方向と一致するように形成された溝である。貫通溝13cには、図1及び図5に示すように、バスバー50の第2面部53bが入り込む。貫通溝13cはケース10の下端(ネジ挿入方向の挿入先側の端)からバスバー50の取付位置まで形成されているので、折曲げを有するバスバー50であっても、バスバー50(詳細には第1面部53a)を露出させつつ、第1面部53aの一部がケース10(第2接触部13b)に接触した状態を維持しながらケース10をスライドさせることが可能となる。具体的には、第1面部53aのうち、基板41を向いた面が第2接触部13bと面接触している。
挿入部13dは、貫通溝13cと平行に形成されており、深さ方向が基板長手方向(出力部56の厚み方向)と一致するように形成された溝である。挿入部13dには、図5に示すように、第1面部53aが挿入される。具体的には、第1面部53aのうち第2面部53bと接続される端部(端辺)と反対側の端部(端辺)が挿入部13dに挿入される。なお、挿入部13dには、上述した突出部50aも挿入されるので、挿入部13dは、当該突出部50aが挿入可能な深さに形成されている。これにより、ケース10のスライド中に、ケース10からバスバー50が外れることを防止できる。
次に、バスバー50と第1ベース部20の位置関係について説明する。第1ベース部20の第1接触部24には、図3に示すように、スライド溝24aと、外側接触部24bと、内側接触部24cと、が形成されている。
スライド溝24aは、長手方向がネジ挿入方向と一致するように形成された溝である。図5に示すように、スライド溝24aには、ケース10の内側に形成された突起が挿入される。これにより、第1ベース部20に対してケース10をスライドさせることができる。
外側接触部24bは、図3に示すように、L字状の部材であり、長手方向が基板長手方向に一致する部分と、長手方向が基板厚み方向に一致する部分と、で構成されている。外側接触部24bは、図5に示すように、バスバー50の外側の面に接触するように配置されている。詳細には、外側接触部24bは、第3面部53cの外側(基板41側)の面と、第2面部53bの外側(基板長手方向の端部側)の面と、に接触している。これにより、バスバー50(特に補強部53)を補強できるので、バスバー50の損傷又は変形を防止できる。
内側接触部24cは、図3に示すように略U字状の部材であり、長手方向が基板長手方向に一致する2つの部分と、当該2つの部分を繋ぐ部分と、で構成されている。る。内側接触部24cは、図5に示すように、バスバー50の内側の面に接触するように配置されている。詳細には、内側接触部24cは、第3面部53cの内側(基板41の反対側)の面と、第2面部53bの内側(基板長手方向の端部の反対側)の面と、に接触している。このように、本実施形態では、外側接触部24bと内側接触部24cでバスバー50が挟み込まれているので、バスバー50の損傷又は変形を一層確実に防止できる。
また、スライド溝24aと外側接触部24bの間には、係合突起54を挿入可能な図略の係合孔が形成されている。係合突起54は、この係合孔に圧入される。これにより、バスバー50を第1ベース部20に対して固定することができる。
以上に説明したように、本実施形態のバスバー50は、電力供給部材取付部51と、補強部53と、出力部56と、を備える。電力供給部材取付部51には、別の部材をネジで取り付けるための取付孔51aが形成される。補強部53には、曲げが形成されている。出力部56は、補強部53を介して電力供給部材取付部51に接続されており、電力を外部へ出力する。補強部53には、第1面部53aと、ネジの挿入方向で見たときに、第1面部53aと間隔を空けて対向するように配置されている第3面部53cと、第1面部53aと第3面部53cとを接続する第2面部53bと、が形成されている。第3面部53cには、当該第3面部53cとは異なる向きに配置された出力部56が接続されている。
これにより、上記の構成の補強部53を備えることで、ネジ止めの回転力によってバスバー50及び基板41に掛かる応力の影響を低減できるので、バスバー50の損傷又は変形を防止できる。
また、本実施形態のバスバー50において、第1面部53aは、第2面部53b及び第3面部53cと比較して、ネジの挿入方向における長さが長い。
これにより、ネジ止め時にバスバー50に掛かる応力を分散できるので、バスバー50の損傷又は変形を一層確実に防止できる。
また、本実施形態のバスバー50において、出力部56は、補強部53の第3面部53cよりも幅が小さい。
これにより、出力部56よりも第3面部53cの幅が大きいため、供給可能な電力量を増やすことができる。別の観点では、第3面部53cよりも出力部56の幅が小さいため、バスバー50と他の部品の位置が干渉しにくくなる。
また、本実施形態の電気接続箱1は、バスバー50と、基板41と、ケース10と、を備える。基板41には、バスバー50の出力部56が接続される。ケース10は、バスバー50及び基板41の少なくとも一部を覆う。
これにより、ネジ止め時にバスバー50が損傷又は変形しにくい構成の電気接続箱1を実現できる。
また、本実施形態の電気接続箱1において、基板41を支持する第1ベース部20には、ネジの挿入方向で見たときに、バスバー50の補強部53の第2面部53b及び第3面部53cに接触する第1接触部24が形成されている。
これにより、補強部53に第1接触部24が接触しているため、バスバー50の損傷又は変形を一層確実に防止できる。
また、本実施形態の電気接続箱1において、ケース10は、ネジの挿入方向で見たときに、バスバー50(詳細には補強部53)に接触する第2接触部13bを備える。
これにより、ケース10がバスバー50に接触しているため、バスバー50の損傷又は変形を一層確実に防止できる。
また、本実施形態の電気接続箱1では、ケース10からバスバー50の一部が露出している。
これにより、バスバー50の熱を効率的に発散できる。従って、バスバー50が電力を外部へ出力する場合、大量の電力を供給することができる。
また、本実施形態の電気接続箱1では、ケース10は、バスバー50及び基板41に対してスライド可能である。
これにより、ケース10を容易に着脱できる。
また、本実施形態の電気接続箱1では、基板41の厚み方向で見たときに、バスバー50が、基板41の端辺側に配置されている。
これにより、バスバー50が邪魔になりにくいので、電気部品42を効率的に配置できる。
また、本実施形態の電気接続箱1では、補強部53の第1面部53a、第2面部53b、及び第3面部53cで囲まれる空間の開放部が基板41の端辺側とは反対側に位置するようにバスバー50が配置されている。
これにより、第1面部53a、第2面部53b、及び第3面部53cで囲まれる空間を基板41の中央側に向けることができるので、この空間に電気部品42を配置する等して、電気接続箱1の内部の空間を有効に活用できる。
また、本実施形態の電気接続箱1では、電力供給部材取付部51は板状であり、ネジの挿入方向と、基板41の厚み方向と、が垂直である。
これにより、基板41の表面に沿う方向にネジが挿入されるため、ネジの挿入方向と基板41の厚み方向が平行な構成と比較して、当該厚み方向における電気接続箱1のサイズを低減できる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記の実施形態では、バスバー50は、基板41に電力を出力するが、代わりに電気信号を出力する構成であっても良い。この場合、バスバー50には、電力供給部材取付部51に取り付けられた別の部材から電気信号が供給される。また、取付孔51aに取り付けられるネジを介して、バスバー50へ電力が供給されても良いし、ネジは部材の固定のみを行い、別の部分からバスバー50へ電力が供給されても良い。
上記の実施形態では、第1接触部24にスライド溝24aが形成されているが、別の部材にスライド溝24aが形成されていても良い。また、第1接触部24は、第1ベース部20に形成されていなくても良く、第1ベース部20と別部材であっても良い。例えば、第1接触部24は、第2ベース部30又は基板41に形成されていても良い。また、第1接触部24は補強部53の第2面部53b及び第3面部53cの両方に接触しているが、何れか一方のみに接触していても良い。
上記の実施形態では、バスバー50に形成される曲げは角度が急激に変化するように(折り目が付くように)曲げられているが、湾曲するように曲げられていても良い。従って、板材に曲率半径の大きな曲げを1回だけ行って略U字状にすることで補強部53を形成しても良い。
上記の実施形態では、補強部53の第1面部53aと第3面部53cは平行であるが、ネジ挿入方向で見たときに面同士が向かい合っていれば、平行でなくても良い。
ケース10は、バスバー50の一部ではなく全部を覆っていても良い。また、バスバー50以外の部材が露出するように覆っても良い。また、ケース10の取付方法は任意であり、着脱可能な容器部と蓋部で構成されていても良い。
電気接続箱1を構成する部材の位置、形状、及び向きは任意であり適宜変更することができる。例えば、ネジ挿入方向と基板厚み方向が平行であっても良い。また、バスバー50が基板長手方向の端部ではなく中央部に配置されていても良い。また、補強部53の開放部分が基板長手方向の端部を向いていても良い。
上記では、自動車のエンジンルームに配置される電気接続箱1に本発明を適用する例を示したが、自動車のエンジンルーム以外に配置される電気接続箱、及び、自動車以外で用いられる電気接続箱にも本発明を適用できる。