JP6652845B2 - 感知器及び火災警報システム - Google Patents
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Description
感知器の誤検出により、誤った警報がなされた場合、監視員は、火災の発生が無いことを確認した後、火災受信機の復旧スイッチを操作する。この操作により、警報が解除され、火災受信機は感知器へ復旧パルスを出力して通常の監視状態へ戻る。P型火災受信機を備えた火災警報システムにおいては、復旧パルスは感知器の電源を所定時間断つものであり、これにより感知器の火災検出の状態が解かれて、平常状態に戻される。
一方、火災受信機に感知器の過去の動作状態の履歴を保持する機能を設けることも考えられる。しかしながら、現在多く採用されているP型火災受信機は、同じ回線(一組の電線)に接続された複数の感知器を個々に識別することができず、感知器の誤検出があっても、同一回線内のどの感知器が誤検出したのか認識できない。
先に示した、特許文献1、2の警報器は、過去の警報に関する情報を保持する手段を備えることで、火災の警報又は誤報を後から検証することができる。しかしながら、特許文献1、2の警報器は、火災を検出する手段と警報を発する手段とが一体化された構成である。このような構成であれば、複数の感知器と火災受信機とが回線を介して接続される火災警報システムと違って、過去の火災検知の動作履歴を保持し、誤検出の要因を調査することに困難性はない。
火災受信機に一組の電線を介して接続され、前記火災受信機の復旧操作部の操作による復旧パルスによって電源が断たれることで復旧制御される感知器であって、
火災に関する検出を行う火災検出部と、
前記火災検出部の検出に基づき前記火災受信機へ出力される火災信号を生成する火災信号生成部と、
前記火災検出部の検出に基づき発光する表示灯と、
前記火災検出部の検出の履歴を前記復旧制御により消えないように記憶する履歴記憶部と、
前記火災受信機の前記復旧操作部の操作による復旧制御によって復旧後に前記履歴記憶部に記憶された前記履歴に基づいて前記表示灯の発光制御を行う制御部と、
を備えることを特徴としている。
この構成によれば、履歴に基づく表示灯の発光制御の開始タイミングを、過去表示要求によって適宜設定できる。過去表示要求のタイミングを適宜設定することで、履歴に基づく表示灯の発光制御を適切な期間に行わせることができる。
この構成によれば、外部から感知器へ過去表示要求を送る必要がなく、適宜なタイミングで履歴に基づく表示灯の発光制御を行わせることができる。
さらに、前記過去表示要求は、前記復旧パルスとパルス幅が異なり、前記一組の電線を介して入力されるパルス信号としてもよい。
この構成によれば、復旧パルスと類似したパルス信号によって過去表示要求を感知器へ送ることができ、信号の生成が容易である。
この構成によれば、履歴に基づく表示灯の発光制御の終了タイミングを、過去表示復旧要求によって適宜設定できる。過去表示復旧要求のタイミングを適宜設定することで、履歴に基づく表示灯の発光制御を適切な期間のみに行わせ、発光制御が無駄に継続されて、発光により人に異常な感じを与えたり、監視中の消費電流が増加したりすることを回避できる。
この構成によれば、外部から感知器へ過去表示復旧要求を送る必要がなく、適宜なタイミングで履歴に基づく表示灯の発光制御を停止することができる。
また、前記過去表示復旧要求は、前記復旧パルスと同一のパルス信号としてもよい。
さらに、前記過去表示復旧要求は、前記復旧パルスとパルス幅が異なり、前記一組の電線を介して入力されるパルス信号としてもよい。
これらの構成によれば、復旧パルス、或いは復旧パルスと類似したパルス信号によって過去表示復旧要求を感知器へ送ることができ、過去表示復旧要求としての信号の生成が容易である。
前記履歴記憶部の制御を行う記憶制御部をさらに備え、
前記記憶制御部は、時間の経過に基づいて前記履歴記憶部に記憶された前記履歴を消去するように構成するとよい。
また、本発明に係る感知器は、
前記履歴記憶部の制御を行う記憶制御部をさらに備え、
前記記憶制御部は、前記過去表示復旧要求に基づいて前記履歴記憶部に記憶された前記履歴を消去するように構成するとよい。
これらの構成によれば、時間或いは過去表示復旧要求によって履歴記憶部の履歴が消去されるので、古い履歴が不必要に維持されたり、古い履歴により意味のない表示灯の発光制御がなされたり、履歴記憶部の容量が圧迫されたりすることを回避できる。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態の火災警報システムを示す構成図である。なお、図1中、破線で示した構成要素は他の実施の形態において利用されるもので、第1実施の形態では省略してよい。
本発明の第1実施の形態の火災警報システムは、建物内の各地区に設置される複数の感知器10と、地区回路線L、Cを介して複数の感知器10と接続されて複数の感知器10の集中監視を行う火災受信機30とを備えている。地区回路線L、Cは2芯の被覆電線であり、複数の感知器10は例えば送り配線で接続され、地区回路線L、Cの終端には終端抵抗でこれらを結ぶ終端器50が接続されている。
感知器10は、電源部11と、火災検出部12と、火災検出回路13と、制御回路14と、火災信号生成回路15と、自己保持回路16と、火災履歴記憶回路17と、タイマー18と、表示灯19と、表示灯駆動回路20とを備えている。
電源部11は、火災受信機30の地区回路線Lから電圧を受けて、各部へ電源を供給する。復旧パルスにより地区回路線Lの電圧が所定時間停止したときには、電源部11から各部へ供給される電源電圧が低下又は停止する。
火災検出部12は、熱又は煙などの火災に関する検出を行う。火災検出部12は、例えば熱の検出であればサーミスタを適用できるし、煙の検出であれば煙の流入する暗室内に配置された発光素子と受光素子とを適用できる。
制御回路14は、制御プログラムを格納するメモリと、制御プログラムを実行するCPU(中央演算処理装置)とを有する。CPUは、図3のフローチャートに従って制御プログラムを実行して感知器10を統括的に制御する。なお、制御回路14は、シーケンサのようなハードウェアによって、図3のフローチャートに従った制御動作を行うようにしてもよい。
火災信号生成回路15は、火災検出時の制御回路14の制御、或いは自己保持回路16の出力に従って、火災受信機30へ火災信号を出力する。火災信号生成回路15は、地区回路線L、Cを短絡して通常より多くの電流が流れる状態を火災信号として生成する。
火災履歴記憶回路17は、火災と判定されて火災信号が出力された動作を、火災検出の履歴として記憶する回路である。火災履歴記憶回路17は、復旧パルスにより電源が一時的に停止されても、記憶データが消去されない構成であり、例えば、フラッシュメモリ又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの不揮発性メモリが採用できる。火災履歴記憶回路1は、復旧パルスの時間幅で記憶データが消去されなければよく、また、記憶するデータ量は少ないため、電源が停止されても一定時間状態を保持できる自己保持回路を採用してもよい。
表示灯19は、例えば発光ダイオードであり、発光により感知器10の動作状態を表わす。表示灯19は、感知器10が設置される空間に露出するように設置され、外部から発光状態を確認することができる。
表示灯駆動回路20は、制御回路14の制御に基づいて表示灯19を駆動する。
図3は、第1実施の形態の感知器の制御手順を示すフローチャートである。
制御回路14は、短い周期で、図3の定期割り込み処理を実行する。定期割り込み処理では、ステップS1〜S5の分岐処理により、条件に応じた処理が実行される。
ステップS1では、制御回路14は、火災検出回路13から火災検出の信号が入力されるか判定し、入力があればステップS6へ処理を移行し、入力がなければステップS2へ処理を移行する。
ステップS5では、制御回路14は、タイマー18の計時に基づいて火災履歴の登録(ステップS7)から所定期間(例えば7日間)が経過したか判定し、経過したらステップS13へ処理を移行し、経過していなければ、この定期割り込み処理を終了する。
ステップS7では、制御回路14は火災履歴記憶回路17に火災検出の履歴を記憶させる。
ステップS8では、制御回路14は、タイマー18を始動させる。そして、定期割り込み処理が終了し、次の周期で、再びステップS1から処理が開始される。
そして、定期割り込み処理が終了し、次の周期で、再びステップS1から処理が開始される。
上述の分岐処理の結果、ステップS3で過去表示要求ありと判定されたら、ステップS10で、制御回路14は火災履歴記憶回路17に火災検出の履歴が記憶されているか判定し、記憶されてなければこのまま定期割り込み処理を終了する。一方、記憶があれば、ステップS11で、制御回路14は表示灯19の点灯又は点滅を開始させる制御を行って、定期割り込み処理を終了する。
上述の分岐処理の結果、ステップS5で所定時間の経過と判定されたら、ステップS13で、制御回路14は火災履歴記憶回路17に記憶された火災検出の履歴を削除して、定期割り込み処理を終了する。
図4は、第1実施の形態の火災警報システムの動作の一例を示すタイムチャートである。
図4中、火災信号の出力を「発報」と記し、火災信号の出力がない状態を「正常」と記している。また、「計時」の「ON」と「OFF」は、過去表示復旧要求を発生するための所定時間T1の計時の開始と終了とを記している。タイマー18自体は、発報開始(t1)から表示灯19の消灯(t9)以降まで、火災の検出の履歴が記憶されている間、動作している。また、図4中、「火災表示」とは、火災受信機30の警報の表示を意味している。
監視員は、非火災であることを確認すると、任意のタイミングt4で復旧操作部33を操作し、これにより火災受信機30から復旧パルスが各地区回路線L、Cに出力される。復旧パルスは、地区回路線Lの電圧を所定時間停止するものであり、これにより感知器10に保持された発報(火災信号の出力)の状態が解除される(t5)。一方、感知器10に復旧パルスが入力されても、図3のフローチャートで説明したように、火災履歴記憶回路17には火災検出の履歴が記憶されている。また、復旧制御の際、制御回路14において過去表示要求が内部生成される。そして、過去表示要求と記憶された履歴によって、表示灯19の点灯或いは点滅が開始される(t6)。感知器10の内部では、過去表示復旧要求の生成のために、復旧後から所定期間T1(例えば3日間〜7日間)の計時が行われ、計時が完了すると(t8)、表示灯19が消灯される(t9)。
以上のように、第1実施の形態の火災警報システムによれば、何れかの感知器10が誤った検出を行った場合に、途中で復旧操作がなされても、その後に、誤検出した感知器を容易に特定し、誤検出の要因調査に役立てることができる。
なお、第1実施の形態では、1つのタイマー18によって、過去表示復旧要求を発生するための所定時間T1の計時と、火災履歴記憶回路17の履歴を消去するまでの所定期間の計時とを行っているが、複数のタイマーを用いて別々に計時を行うように構成してもよい。
図5は、第2実施の形態に係る火災警報システムの動作を説明するタイムチャートである。
第2実施の形態は、感知器10の過去表示要求と過去表示復旧要求との定義が異なるほか、第1実施の形態とほぼ同様である。同一の構成および同一の制御内容については詳細な説明を省略する。
第2実施の形態の感知器10においては、過去表示要求は、感知器10の復旧時(t5)から第1時間長Taの計時によって感知器10の内部で発行される。また、過去表示復旧要求は、過去表示要求の発行時(r7)から第2時間長Tbの計時によって感知器10の内部で発行される。
続いて、図5のタイムチャートを参照しながら、第2実施の形態の感知器10が誤検出を行って復旧されたときの動作について説明する。
図5のタイムチャートに示すように、タイミングt1において感知器10が誤検出を行って発報すると、発報に基づき感知器10の表示灯19が点灯し(t2)、火災受信機30にて火災警報の表示が開始される(t3)。
さらに、第2実施の形態では、復旧パルスが入力されたら、タイマー18は第1時間長Taの計時を開始する。そして、第1時間長Taが計時されると(t7)、タイマー18の計時の通知が過去表示要求となって、火災検出の履歴がある場合に、表示灯19の点灯或いは点滅が開始される(t8)。同時に、タイマー18が第2時間長Tbの計時を開始し、この計時が完了すると(t9)、表示灯19が消灯される(t10)。
図6は、第3実施の形態の感知器を示すブロック図である。図7は、第3実施の形態に係る火災警報システムの動作を説明するタイムチャートである。
第3実施の形態は、過去表示復旧要求を復旧パルスPoと同じパルス信号(復旧パルスPe)(図7を参照)により火災受信機30から感知器10へ送るようにしたところが異なり、その他は第1実施の形態とほぼ同様である。同様の構成および制御内容については詳細な説明を省略する。
図6に示すように、第3実施の形態の感知器10は、第1実施の形態の各構成要素に加えて、パルス信号検出回路21を備えている。
制御回路14は、火災の検出があって火災履歴記憶回路17に火災検出の履歴を記憶させるときと、所定期間が経過して履歴を消去するときに、パルス信号検出回路21の復旧パルスPo、Peのカウント値を例えば「0」にリセットする。制御回路14は、復旧パルスPo、Peが入力された直後に、パルス信号検出回路21のカウント値を読み込んで、1回目であれば、この復旧パルスPoを過去表示要求と認識する。また、2回目であれば、この復旧パルスPeを過去表示復旧要求と認識する。
図7に示すように、タイミングt1において感知器10が誤検出を行って発報すると、発報に基づき感知器10の表示灯19が点灯し(t2)、火災受信機30にて火災警報の表示が開始される(t3)。
さらに、本実施の形態では、監視員は、誤検出した感知器10を特定した後、任意のタイミングt7で再び復旧操作部33を操作して火災受信機30から復旧パルスPeを出力する。すると、2回目の復旧パルスPeが誤検出を行った感知器10に過去表示復旧要求として認識され、これにより表示灯19が消灯する(t8)。
さらに本実施の形態の火災警報システムによれば、火災受信機30は従前の構成のまま、感知器10を交換することで、火災検出の履歴に基づく表示灯19の制御を実現できる。
図8は、第4実施の形態に係る火災警報システムの動作を説明するタイムチャートである。
第4実施の形態は、過去表示要求と過去表示復旧要求とを復旧パルスP0よりパルス幅の長いパルス信号P1によって火災受信機30から感知器10へ送るようにしたところが異なり、その他は第3実施の形態とほぼ同様である。同様の構成および制御内容については詳細な説明を省略する。
第4実施の形態の感知器10は、図6のパルス信号検出回路21が、パルス幅の長いパルス信号P1を検出およびカウントし、且つ、このパルス信号P1により電源が停止されても消去されないように、パルス信号P1のカウント値を記憶する。
図8に示すように、タイミングt1において感知器10が誤検出を行って発報すると、発報に基づき感知器10の表示灯19が点灯し(t2)、火災受信機30にて火災警報の表示が開始される(t3)。
監視員は、非火災であることを確認すると、任意のタイミングt4で復旧操作部33を操作し、これにより火災受信機30から復旧パルスP0が各地区回路線L、Cに出力される。復旧パルスP0が出力されると、一時的な電源断により、感知器10が復旧されて発報および表示灯19の点灯が停止される(t5、t6)。
その後、監視員或いは保守管理員は、誤警報の要因調査を開始する。開始の際、監視員らは火災受信機30からパルス信号P1を出力する操作を行う(t7)。
誤検出を行った感知器を特定できたら、監視員らは火災受信機30を操作して各地区回路31から2回目のパルス信号P1を出力する(t9)。パルス信号P1が出力されると、一時的な電源断により、再び、感知器10が復旧され、制御回路14はパルス信号検出回路21からパルス信号P1のカウント値を読み込む。2回目のパルス信号P1の出力後、電源電圧が再度入力された段階では、パルス信号P1のカウント値は「2」であるので、制御回路14はこれを過去表示要求と認識する。制御回路14は、この要求に基づいて表示灯19を消灯する(t10)。
また、第4実施の形態の火災警報システムによれば、火災受信機30からのパルス信号P1の出力により、任意のタイミングで各感知器10の表示灯19に火災検出の履歴に基づく表示を行わせたり、この表示を停止したりすることができる。
図9は、第5実施の形態の感知器を示すブロック図である。図10は、第5実施の形態の火災警報システムの動作の一例を示すタイムチャートである。
第5実施の形態の火災警報システムは、過去表示要求として火災受信機30或いは試験器40(図1を参照)から出力されるコマンドM1(図10を参照)を採用し、過去表示復旧要求として火災受信機30から出力されるコマンドM2(図10を参照)を採用したものである。
過去表示操作部34と過去表示復旧操作部35は、例えば監視員が操作する操作スイッチである。制御部36は、過去表示操作部34が操作された場合に地区回路31へコマンドM1を出力するよう指令し、過去表示復旧操作部35が操作された場合に地区回路31へコマンドM2を出力するように指令する。
コマンドM1、M2は、例えば所定のパターンで変調された信号である。
コマンド検出回路22は、地区回路線Lから入力される信号に復調処理等を行って、コマンドM1、M2の検出を行い、検出された場合に、それを制御回路14に通知する。
制御回路14は、火災の検出により表示灯19を点灯させる際、スイッチ回路23を接続に切り替え、過去表示復旧要求により表示灯19を消灯する際、スイッチ回路23を切断に切り替える。また、制御回路14は、復旧パルスの入力後、火災履歴記憶回路17に火災検出の履歴が記憶されている場合に、スイッチ回路23を接続に切り替える。
試験器40は、図1に破線により示すように、過去表示操作部41と、過去表示要求出力回路42と、接続端子43、44とを備える。試験器40は、携帯型の機器であり、保守管理者が接続端子43、44を地区回路線L、Cに電気的に接続して使用される。
過去表示操作部41は、保守管理者が操作する操作スイッチである。
過去表示要求出力回路42は、過去表示操作部41が操作されたときに、コマンドM1を生成して接続端子43、44へ出力する。
図10に示すように、タイミングt1において感知器10が誤検出を行って発報すると、発報に基づき感知器10の表示灯19が点灯し(t2)、火災受信機30にて火災警報の表示が開始される(t4)。また、表示灯19が点灯する際、感知器10のスイッチ回路23が接続に切り替えられて電源が投入されることでコマンド検出回路22が始動する(t3)。
一方、感知器10が復旧されても、図3のフローチャートで説明したように、火災履歴記憶回路17には火災検出の履歴が記憶されている。履歴の記憶に基づいて、制御回路14はスイッチ回路23が電源線を接続するように制御するので、感知器10が復旧されてもコマンド検出回路22に電源の供給が続けられる。
また、第5実施の形態の火災警報システムによれば、火災受信機30又は試験器40からのコマンドM1の出力により、任意のタイミングで各感知器10の表示灯19に火災検出の履歴に基づく表示を行わせることができる。加えて、火災受信機30からのコマンドM2の出力により、任意のタイミングで火災検出に基づく表示を停止することができる。
また、スイッチ回路23がコマンド検出回路22の電源線を接続するタイミングt3は、図10の例の他、復旧パルスにより感知器10が復旧されたタイミングとしてもよい。この場合でも、制御回路14は火災履歴記憶回路17に火災検出の履歴が記憶されていることを条件に、スイッチ回路23を接続に切り替える。これにより、消費電力の削減が図られる。
図11は、第6実施の形態の火災警報システムの動作の一例を示すタイムチャートである。
第6実施の形態の火災警報システムは、過去表示要求は、第1実施の形態と同様に感知器10が復旧時に内部で発行する構成とし、過去表示復旧要求は、第5実施の形態と同様にコマンドM2により外部から感知器10へ送る構成としたものである。この構成では、第5実施の形態の火災受信機30が有していた過去表示操作部34と地区回路31のコマンドM1を送信する機能とが不要となる。
図11に示すように、タイミングt1において感知器10が誤検出を行って発報すると、発報に基づき感知器10の表示灯19が点灯し(t2)、火災受信機30にて火災警報の表示が開始される(t4)。また、表示灯19が点灯する際、感知器10のスイッチ回路23が接続に切り替えられてコマンド検出回路22が始動する(t3)。
第6実施の形態の火災警報システムによれば、誤警報があってシステムを復旧した場合に、その後に、誤った検出を行った感知器10を特定し、誤検出の要因調査を行うことができる。
また、第4実施の形態では、過去表示要求および過去表示復旧要求として、復旧パルスよりパルス幅の長いパルス信号を適用した例を示したが、復旧パルスよりパルス幅の短いパルス信号を適用してもよい。
11 電源部
12 火災検出部
14 制御回路(制御部、記憶制御部)
15 火災信号生成回路(火災信号生成部)
17 火災履歴記憶回路(履歴記憶部)
18 タイマー
19 表示灯
21 パルス信号検出回路
22 コマンド検出回路(コマンド検出部)
23 スイッチ回路(スイッチ部)
30 火災受信機
31 地区回路(過去表示要求出力部)
33 復旧操作部
36 制御部
40 試験器
41 過去表示操作部
42 過去表示要求出力回路(過去表示要求出力部)
L、C 地区回路線(一組の電線)
Claims (11)
- 火災受信機に一組の電線を介して接続され、前記火災受信機の復旧操作部の操作による復旧パルスによって電源が断たれることで復旧制御される感知器であって、
火災に関する検出を行う火災検出部と、
前記火災検出部の検出に基づき前記火災受信機へ出力される火災信号を生成する火災信号生成部と、
前記火災検出部の検出に基づき発光する表示灯と、
前記火災検出部の検出の履歴を前記復旧制御により消えないように記憶する履歴記憶部と、
前記火災受信機の前記復旧操作部の操作による復旧制御によって復旧後に前記履歴記憶部に記憶された前記履歴に基づいて前記表示灯の発光制御を行う制御部と、
を備えることを特徴とする感知器。 - 前記制御部は、過去表示要求に基づいて、前記履歴に基づく前記表示灯の発光制御を行うことを特徴とする請求項1記載の感知器。
- 前記過去表示要求は、第1時間長の計時により前記感知器の内部で発行されることを特徴とする請求項2記載の感知器。
- 前記過去表示要求は、前記復旧パルスとパルス幅が異なり、前記一組の電線を介して入力されるパルス信号であることを特徴とする請求項2記載の感知器。
- 前記制御部は、過去表示復旧要求に基づいて、前記履歴記憶部の記憶に基づく前記表示灯の発光制御を停止することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の感知器。
- 前記過去表示復旧要求は、第2時間長の計時により前記感知器の内部で発行されることを特徴とする請求項5記載の感知器。
- 前記過去表示復旧要求は、前記復旧パルスと同一のパルス信号であることを特徴とする請求項5記載の感知器。
- 前記過去表示復旧要求は、前記復旧パルスとパルス幅が異なり、前記一組の電線を介して入力されるパルス信号であることを特徴とする請求項5記載の感知器。
- 前記履歴記憶部の制御を行う記憶制御部をさらに備え、
前記記憶制御部は、時間の経過に基づいて前記履歴記憶部に記憶された前記履歴を消去することを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の感知器。 - 前記履歴記憶部の制御を行う記憶制御部をさらに備え、
前記記憶制御部は、前記過去表示復旧要求に基づいて前記履歴記憶部に記憶された前記履歴を消去することを特徴とする請求項5〜請求項8の何れか一項に記載の感知器。 - 請求項1〜請求項10の何れか一項に記載の感知器と、前記火災受信機とを備えることを特徴とする火災警報システム。
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