JP5791469B2 - 火災検知器 - Google Patents
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Description
また、防災システムにおいては、火災検知器が正常に作動するかどうかを確認するための動作試験を行うように構成されているのが一般的である。動作試験は、模擬的な光源を発光させて、火災検知器が火災判定を正常に行うかどうかを試験するものである。
また、特許文献1には開示されていないが、火災検知器には上記動作試験を行う機能とは別に、火災を検知するセンサが正常に機能しているかどうかを常時チェックするセンサチェック機能を備えたものがある。
センサは気温や湿度等の環境変化に反応してセンサ出力値が異常になることがある。また、センサは経年劣化によってもセンサ出力値が異常になることがある。このような異常状態が継続するとセンサ故障に至る場合もある。そこで、センサの出力値が異常値を示していないかを常時(例えば1秒毎)にチェックしているのである。
上記2つの伝送方式のうちR型のものは、センサチェックの結果をリアルタイムで防災盤側に送信できるが、P型のものは試験を実行するように防災盤から試験開始信号を受信した場合にしかセンサチェック結果を防災盤側に送信できない。
センサチェック結果は、常時最新の情報に書き換えられるので、試験開始信号を受信した際にセンサチェック結果が正常であれば、正常として防災盤に送信されることになる。
そのため、動作試験と動作試験との間にセンサチェック結果に異常が繰り返しあったとしても見落とすことになる。センサに異常が発生していたという情報はその後に異常が回復していたとしても故障の予兆としての重要な意義を有する。しかし、従来の火災検知器はこの重要な情報を把握することできず、センサの故障予兆を見逃すことになっていたのである。
前記センサの出力値を常時収集して、センサ出力値に異常がないかどうかをチェックするセンサチェック手段と、センサチェック時のセンサ状態を記憶する現在センサ状態記憶部と、センサ状態に異常があったときに異常の履歴を記憶するセンサ異常履歴記憶部とを有するセンサ状態記憶手段とを備え、
前記センサチェック手段は、センサチェック時のセンサ状態を前記現在センサ状態記憶部に記憶し、センサチェック時のセンサ状態が異常であった場合には前記センサ異常履歴記憶部に異常情報を記憶し、前記防災盤から試験開始信号を受信したときに前記センサ異常履歴記憶部に異常情報がある場合には当該異常情報を防災盤に送信し、前記センサ異常履歴記憶部に異常情報がない場合でも前記現在センサ状態記憶部に異常情報がある場合には当該異常情報を防災盤に送信することを特徴とするものである。
P型防災システム30においては、図2に示すように、各火災検知器1と防災盤31は、各火災検知器1に電源を供給するための電源線33と、各火災検知器1に動作試験の際の電源を供給するため等の試験線35と、ある火災検知器1で火災を検知した際に該火災検知器1から防災盤31に火災信号を送信するための火災信号線37でそれぞれ接続されている。また、防災盤31と各火災検知器1は、送り配線(試験起動信号線39)によって接続されており、各火災検知器1に、試験開始信号を送信することができるようになっている。
また、P型防災システム30は区画ごとに火災を判断しており、1区画は2台の火災検知器1で構成されている。火災信号線37は区画毎に必要であるため、1本の火災信号線37に火災検知器1が2台ずつ接続されている。
また、本実施の形態の火災検知器1はセンサ3の出力値を常時収集して、センサ出力値に異常がないかどうかをチェックするセンサチェック手段13と、センサチェック時のセンサ状態を記憶する現在センサ状態記憶部15と、センサ状態に異常があったときに異常の履歴を記憶するセンサ異常履歴記憶部17とを有するセンサ状態記憶手段19とを備えている。
なお、センサデータ収集手段5、火災判定手段7、試験実行手段9、信号送受信手段11、センサチェック手段13の各手段は、MPU等が所定のプログラムを実行することによって実現される。
以下、各構成を詳細に説明する。
センサ3は、炎を検知するためのセンサである。センサ3は、炎が揺らぐ場合と同様に一定範囲の周波数で光の強さが強弱する赤外線や、一定範囲の周波数の赤外線が入射すると電気信号を発生させる。
センサ3は複数種類のものが設置され、それぞれが異なる周波数に反応して電圧を出力する。
センサデータ収集手段5は、センサ3の出力値を常時収集して記憶する。センサデータの収集のタイミングは例えば1秒毎である。
火災判定手段7は、センサデータ収集手段5によって収集されたデータに基づいて火災の有無を判定する。火災判定手段7による火災の有無の判定は、例えば複数種類のセンサから出力される出力値が、予め火災の場合の出力値のパターンとして記憶しているものと同じと判定された場合に火災と判定し、そうでない場合には火災でないと判定する。
試験実行手段9は、光源を発光させて検知器動作の動作試験を実行する。例えば、火災の炎を模擬する光源を発光させ、発光した光を検知器が正しく火災と認識し、火災信号を送信できるかを試験するものである。
試験実行手段9は、防災盤31からの試験開始信号を受けて試験を実行する。
信号送受信手段11は、防災盤31からの試験開始信号などの命令信号を受信したり、前記動作試験の試験結果や火災信号等を防災盤31に送信したりする。
センサ状態記憶手段19は、センサチェック手段13がセンサチェックを行ったときのセンサ状態を記憶するものであり、RAMによって構成される。
センサ状態記憶手段19は、センサチェック時のセンサ状態が記憶される現在センサ状態記憶部15と、センサ状態に異常があったときに異常の履歴が記憶されるセンサ異常履歴記憶部17とを有している。
センサチェック手段13は、センサデータ収集手段5によって収集されたセンサデータに基づいてセンサ状態をチェックする。具体的には、数分間に亘るセンサ3の出力値を監視して、異常状態がないかをチェックする。
センサチェック手段13によるセンサ3のチェック方法の一例を挙げると、複数種類のセンサによって出力される出力値のパターンが火災の場合のパターンでも、火災でない通常時のパターンでもないような場合に異常であると判定する。なお、センサ異常の判定は、これに限られず、過去の経験からセンサ出力値についての判定基準を作り、当該判定基準に基づいて行うようにすればよい。
また、センサ異常履歴記憶部17に異常情報がない場合には、現在センサ状態記憶部15に異常情報があるかどうかを確認し、ある場合には当該異常情報を防災盤31に送信する。
火災感知器の動作には、火災監視時の動作と、動作試験を行うときの動作の大きく2種類の動作があるので、以下各別に説明する。
火災監視時の動作を図3に基づいて説明する。
火災監視時においては、センサデータ収集手段5がセンサ3のデータを常時収集する(S1)。そして、センサチェック手段13がデータ収集手段の収集したデータに基づいてセンサ状態の判定を行う(S3)。センサチェック手段13は判定結果を現在センサ状態記憶部15に記憶する。かかる処理は毎回行われるので2回目以降は現在センサ状態記憶部15を更新する(S5)。なお、図3における「更新する」は記憶することを含む。
S6の処理においてセンサ状態が正常であった場合は、火災判定手段7は、センサデータ収集手段5によって収集されたデータに基づいて火災の有無を判定する(S9)。火災と判定した場合、信号送受信手段11は、防災盤31に火災信号を送信する(S11)。当該信号の送信後、または、火災でないと判定した場合、所定の時間経過後、再度、センサ3のデータ収集(S1)からそれ以降の処理を行う。
動作試験を行うときの火災検知器1の動作を図4に基づいて説明する。
信号送受信手段11が防災盤31から送信された試験開始信号を受信すると(S21)、センサチェック手段13はセンサ異常履歴記憶部17を参照し(S23)、異常情報がある場合には、信号送受信手段11によって当該異常情報を防災盤31に送信する(S25)。また、センサ異常履歴記憶部17に異常情報がない場合でも、センサチェック手段13は現在センサ状態記憶部15を参照して(S31)、異常情報があるときには、信号送受信手段11によって当該異常情報を防災盤31に送信する(S25)。いずれの場合においても、防災盤31に異常情報を送信後、センサチェック手段13はセンサ異常履歴記憶部17の異常情報を抹消し(S27)、実際の検知器動作試験は行わずに処理を終了する。
現在センサ状態記憶部15の参照時(S31)において、現在センサ状態記憶部15に異常情報がない場合、試験実行手段9が検知器動作試験を実行し(S33)、信号送受信手段11が当該試験結果を防災盤31に送信する(S35)。信号送信後は検知器動作試験を終了する。
この場合、上記実施の形態のセンサ3の場合と同様にセンサチェック手段13等の各手段を用いることによって、前記各センサの出力値を常時収集し判定し、異常があればその結果を記憶し、動作試験時にその記憶した結果を防災盤31に送信するようにするのが好ましい。
3 センサ
5 センサデータ収集手段
7 火災判定手段
9 試験実行手段
11 信号送受信手段
13 センサチェック手段
15 現在センサ状態記憶部
17 センサ異常履歴記憶部
19 センサ状態記憶手段
30 P型防災システム
31 防災盤
33 電源線
35 試験線
37 火災信号線
39 試験起動信号線
Claims (5)
- 火災を検知するセンサと、光源を発光させて検知器動作の動作試験を実行する試験実行手段とを有し、防災盤からの試験開始信号を受信して前記動作試験を実行して試験結果を防災盤に送信する火災検知器であって、
前記センサの出力値を常時収集して、センサ出力値に異常がないかどうかをチェックするセンサチェック手段と、
センサチェック時のセンサ状態を記憶する現在センサ状態記憶部と、センサ状態に異常があったときに異常の履歴を記憶するセンサ異常履歴記憶部とを有するセンサ状態記憶手段とを備え、
前記センサチェック手段は、センサチェック時のセンサ状態を前記現在センサ状態記憶部に記憶し、センサチェック時のセンサ状態が異常であった場合には前記センサ異常履歴記憶部に異常情報を記憶し、前記防災盤から試験開始信号を受信したときに前記センサ異常履歴記憶部に異常情報がある場合には当該異常情報を防災盤に送信し、前記センサ異常履歴記憶部に異常情報がない場合でも前記現在センサ状態記憶部に異常情報がある場合には当該異常情報を防災盤に送信することを特徴とする火災検知器。 - 電源電圧を監視する電源電圧監視センサ、及び/または環境温度を監視する環境温度監視センサ、及び/または振動を監視する振動監視センサ、及び/または傾きを監視する傾き監視センサを有し、前記センサチェック手段は、これらの各センサの出力値に異常がないかどうかをチェックすることを特徴とする請求項1記載の火災検知器。
- 前記試験実行手段は、前記現在センサ状態記憶部及び前記センサ異常履歴記憶部に異常情報がない場合に動作試験を実行することを特徴とする請求項1又は2記載の火災検知器。
- 前記センサチェック手段は、前記センサ異常履歴記憶部に時系列的に複数の異常情報を記憶することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の火災検知器。
- 前記センサチェック手段は、前記センサ異常履歴記憶部に記憶されている異常情報を防災盤に送信すると、前記センサ異常履歴記憶部に記憶されている異常情報を抹消することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の火災検知器。
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