以下、本発明を利用する実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本発明を利用した火災報知システム全体のシステム構成図、図2は図1に用いられているサブパネルとしての火災受信機の概略的なブロック構成図、図3は図1に用いられているメインパネルとしての火災受信機の概略的なブロック構成図、図4は図2のサブパネルとしての火災受信機の動作を示すフロー図、図5は図3のメインパネルとしての火災受信機の動作を示すフロー図である。
RmはメインパネルとしてのP型火災受信機(以下、メイン受信機という)、R1〜Rn(本実施例では、R8まで)はサブパネルとしてのP型火災受信機(以下、サブ受信機という)、11は火災感知器、13は地区音響装置、21は信号線としての伝送線、41〜4nは感知器回線、51〜5nは地区音響の制御線である。なお、メイン受信機Rmはサブ受信機R1〜Rnとの間で、伝送線21を介して各種情報の信号伝送を行うものであり、そのため、メイン受信機Rmは、伝送信号送受信機能を有している。
各サブ受信機R1〜Rnは、建物に対して一例として各フロア毎に配置されている。また、各サブ受信機R1〜Rnは、それぞれ感知器回線41〜4nを複数備えており、フロアの部屋割り等に応じた必要な個数の火災感知器11が設けられている。そして、各感知器回線41〜4nも火災監視のために設定された地区割に対応して必要な回線数が配設される。
同様に、各サブ受信機R1〜Rnは、それぞれ地区音響の制御線51〜5nを複数備えており、フロア内に必要な個数の地区音響装置13が設けられている。そして、フロア全体に警報を鳴動できるようにされている。なお、フロア内を火災監視同様に地区割して個別に音響制御することも可能である。
また、本実施例では採用していないが、メイン受信機Rmは上記の如き各サブ受信機R1〜Rnと同様のP型火災受信機であるので、同様に、必要な感知器回線を配設して火災感知器11を接続することが可能であり、制御線を配設して地区音響装置13を接続することが可能である。
つぎに、メイン受信機Rmおよびサブ受信機R1〜Rnの構成について説明するが、本実施例では、メイン受信機Rmおよびサブ受信機R1〜Rnに1つのP型火災受信機の筐体を共用している。このため、メイン受信機Rmおよびサブ受信機R1〜Rnにおいてほぼ共通の構成となっている。
図2は各サブ受信機R1〜Rnを代表して、サブ受信機R1の概略的なブロック構成を示したものであり、図2において、61は制御部、62は火災受信回路、63は操作部、64は表示部、65は音響部、66は制御出力部、67は送受信回路、68は火災・異常情報記憶部である。
制御部61は、図示しないマイコンやメモリ等によって構成されてサブ受信機R1全体の動作を制御するもので、火災受信回路62等への入力の検出、表示部64等への表示制御、制御出力部66等への制御出力、送受信回路67等への各種信号の送受信制御など、必要な監視、制御動作を行う。
火災受信回路62は、感知器回線41等が接続される端子間の状態によって火災信号の受信を検出する回路であって、火災感知器11が火災検出時にP型の火災信号送出動作である、いわゆるスイッチング動作による略短絡の低インピーダンス状態になることを検出し、複数設けられる回線毎に火災信号を検出可能とされている。また、図示しないが、火災受信回路62内には各感知器回線41の断線の発生を検出するための断線検出回路が設けられており、各感知器回線41が略無電圧状態になることによって、断線の発生を検出し、複数設けられる回線毎に断線(異常信号)を検出可能とされている。さらに、短絡を検出可能とした構成としてもよい。
操作部63は、盤面に設けられる各種スイッチによってサブ受信機R1に対して操作入力が行われ、その入力を制御部61に出力するものである。図2においては、選択スイッチSW1のみが示されている。
音響部65は、詳細に説明しないがブザー等の装置であり、サブ受信機R1自体から警報音を鳴動させるものである。
制御出力部66は、地区音響の制御線51等が接続される端子に制御出力を行うものであり、地区音響装置13の警報音鳴動を制御するものである。なお、地区音響装置13以外の防排煙機器や避難誘導のための機器のような被制御器機を接続しても、地区音響と同様に連動制御できる。
送受信回路67は、伝送線21を介して、メイン受信機Rmから送信された各種要求信号等を受信して、その各種要求信号等を制御部61に出力し、また、制御部61から入力された各種信号(各種要求信号等に対する返送信号)をメイン受信機Rmに送信するものである。
火災・異常情報記憶部68は、火災受信回路62によって検出された火災信号及び異常信号を火災情報及び故障情報として記憶するものである。また、火災情報記憶領域と異常情報記憶領域とを有し、それぞれの領域で、火災信号及び異常信号を発した感知器回線41の回線番号を時系列的に記憶している。
表示部64は、感知器回線41の状態(火災状態及び異常状態)を表示するサブ用地区窓表示部81とその状態の回線番号等を示す番号表示部83(7セグ)とを有し、火災・異常情報記憶部68の記憶情報に基づく制御部61からの制御に基づき点灯制御するものである。
サブ用地区窓表示部81は、本実施例では、2列に合計8窓形成されていて、それぞれの窓番号「1」〜「n」(本実施例では、「8」まで)に対応して感知器回線41の回線番号「1」〜「n」(本実施例では、「8」まで)を割り当て、その地区名称等を明示している。そして、それぞれの回線番号「1」〜「n」について火災、異常(断線)の有無を火災灯81a、異常灯81bの点灯によって表示できるようになっている。なお、本実施例では合計8窓形成されているが、大きい物件の場合等でも、窓を増設することで対応可能となっている。
番号表示部83は、いわゆる7セグによる番号表示を2ヶ所に備え、それぞれ表示される番号は、サブ用地区窓表示部81の窓番号に対応する数字として表示される。火災情報の表示の場合は、左側番号表示部83aに最初の火災発報である第1報を、右側番号表示部83bには最後の火災発報である最終報を表示するようになっている。そして、操作部63の選択スイッチSW1の1回目の操作によって、左側番号表示部83aに第2報を表示し、さらに、2回目の操作によって、左側番号表示部83aに第3報を表示し、…と火災情報が存在する限り、後続が表示されていく。また、異常情報の表示の場合は、左側番号表示部83aにエラーコードを、右側番号表示部83bには最初の異常発報である第1報を表示するようになっている。そして、操作部63の選択スイッチSW1の1回目の操作によって、右側番号表示部83bには第2報を表示し、さらに、2回目の操作によって、右側番号表示部83bには第3報を表示し、…と異常情報が存在する限り、後続が表示されていく。なお、火災優先の原理に基づき、火災情報及び異常情報が存在する場合は、番号表示部83には火災情報が優先表示される。
つぎに、図3を用いてメイン受信機Rmの構成を説明する。図3において、71は制御部、72は火災受信回路、73は操作部、74は表示部、75は音響部、76は制御出力部、77は送受信回路、78は火災・異常代表移報記憶部、79はサブ受信機表示情報記憶部(サブパネル表示情報記憶部)である。なお、火災受信回路72および制御出力部76はサブ受信機R1〜Rnのそれと同様の機能であるが、また、本実施例においては使用されないため、その説明を省略する。
制御部71は、図示しないマイコンやメモリ等によって構成されてメイン受信機Rm全体の動作を制御するもので、火災受信回路72等への入力の検出、表示部74等への表示制御、制御出力部76等への制御出力、送受信回路77等への各種信号の送受信制御など、必要な監視、制御動作を行う。
操作部73は、盤面に設けられる各種スイッチによってメイン受信機Rmに対して操作入力が行われ、その入力を制御部71に出力するものである。図3においては、選択スイッチSW2、サブパネル表示情報取得スイッチとしてのサブ受信機表示情報取得スイッチSW3、復旧スイッチとしてのリセットスイッチSW4が示されている。なお、サブ受信機表示情報取得スイッチSW3は、オン操作されているときにオン出力信号を制御部71に出力し、制御部71はその入力があるときにのみ、後述するメイン用地区窓表示部91のミラー表示機能を有効とする。
音響部75は、詳細に説明しないがブザー等の装置であり、メイン受信機Rm自体から警報音を鳴動させるものである。
送受信回路77は、伝送線21を介して、制御部71から入力された各種要求信号等をサブ受信機R1〜Rnに送信して、また、各種要求信号等に対して、サブ受信機R1〜Rnから返送された返送信号を受信して制御部61に出力するものである。
火災・異常代表移報記憶部78は、前記各種要求信号としての状態要求信号に対してサブ受信機R1〜Rnから返送された返送信号としての状態信号(火災代表移報信号、異常代表移報信号)を記憶するものであり、この記憶情報は、各サブ受信機R1〜Rnの状態、つまり、火災又は異常状態であるか否かを示している。
サブ受信機表示情報記憶部79は、前記各種要求信号としてのサブ受信機表示情報要求信号に対してサブ受信機R1〜Rnから返送された返送信号としてのサブ受信機表示情報信号(サブ受信機R1〜Rnの火災・異常情報記憶部68の記憶情報)を記憶するものであり、この記憶情報は、各サブ受信機R1〜Rnのサブ用地区窓表示部81等の表示内容を示す。
表示部74は、通常状態では各サブ受信機R1〜Rnの状態(火災状態及び異常状態)を表示するメイン用地区窓表示部91とその状態のサブ受信機番号等を示す番号表示部93(7セグ)とを有し、通常状態では火災・異常代表移報記憶部78の記憶情報に基づく制御部71からの制御に基づき点灯制御するものである。
メイン用地区窓表示部91は、本実施例では、2列に合計8窓形成されていて、それぞれの窓番号「1」〜「n」(本実施例では、「8」まで)に対応して各サブ受信機R1〜Rnの番号「1」〜「n」(本実施例では、「8」まで)を割り当て、その名称等を明示している。そして、それぞれの番号「1」〜「n」について火災、異常(断線)の有無を火災灯91a、異常灯91bの点灯によって代表表示できるようになっている。なお、本実施例では合計8窓形成されているが、大きい物件の場合等でも、窓を増設することで対応可能となっている。
番号表示部93は、いわゆる7セグによる番号表示を2ヶ所に備え、それぞれ表示される番号は、メイン用地区窓表示部91の窓番号に対応する数字として表示される。火災代表移報の表示の場合は、左側番号表示部93aに最初の火災代表発報である第1報のサブ受信機の番号を、右側番号表示部93bには最終報のサブ受信機の番号を表示するようになっている。そして、操作部73の選択スイッチSW2の1回目の操作によって、左側番号表示部93aに第2報のサブ受信機の番号を表示し、さらに、2回目の操作によって、左側番号表示部93aに第3報のサブ受信機の番号を表示し、…と火災代表移報が存在する限り、後続が表示されていく。また、異常代表移報の表示の場合は、左側番号表示部93aにエラーコードを、右側番号表示部93bには最初の異常代表移報である第1報のサブ受信機の番号を表示するようになっている。そして、操作部73の選択スイッチSW2の1回目の操作によって、右側番号表示部93bには第2報のサブ受信機の番号を表示し、さらに、2回目の操作によって、右側番号表示部93bには第3報のサブ受信機の番号を表示し、…と異常代表移報が存在する限り、後続が表示されていく。なお、火災優先の原理に基づき、火災代表移報及び異常代表移報が存在する場合は、番号表示部93には火災代表移報が優先表示される。
つぎに、上記したメイン用地区窓表示部91のミラー表示機能について説明する。上記したように番号表示部93に火災代表移報のあるサブ受信機の番号が表示されている状態において、選択スイッチSW2の操作入力によって、左側番号表示部93aにいずれかのサブ受信機の番号を選択表示させて、サブ受信機表示情報取得スイッチSW3の操作入力を行うと、メイン受信機Rmは、選択表示されたサブ受信機に対して、サブ受信機表示情報要求信号を送信し、サブ受信機R1〜Rnから返送されたサブ受信機表示情報信号(サブ受信機R1〜Rnの火災・異常情報記憶部68の記憶情報)をサブ受信機表示情報記憶部79に記憶する。
そして、メイン用地区窓表示部91は、この指定されたサブ受信機R1〜Rnのサブ用地区窓表示部81の表示内容をミラー表示、つまり、この指定されたサブ受信機R1〜Rnの感知器回線41の状態(火災状態及び異常状態)を表示するようになっている。このミラー表示は、サブ受信機表示情報取得スイッチSW3の操作入力が行われている間、継続表示され、操作入力がなくなると、元の表示に戻る。
上記では、火災代表移報の場合のミラー表示を示したが、火災代表移報が存在しない場合は、異常代表移報のミラー表示も同様の操作で機能させることができる。
つぎに、上記のように構成される実施の形態の動作について、図4、図5に基づいて説明する。まず、サブ受信機R1〜Rnの動作として、代表してサブ受信機R1の動作を例示する。サブ受信機R1は、火災感知器11による火災信号が感知器回線41を介して火災受信回路62に入力したか否かを判断し、火災信号が入力していなければ(S1)、ステップS5へ進み、火災信号が入力していれば(S1)、その回線番号及び何報目かを対応させた火災情報を火災・異常情報記憶部68の火災情報記憶領域に記憶し(S2)、火災情報に対応した火災表示を表示部64で行う(S3)。例えば回線番号「2」であれば、地区窓表示部81の地区窓番号「2」である地区窓の火災灯81aの点灯、及び番号表示部83の左側番号表示部83aに番号「2」を表示させる。そして、対応した音響鳴動を行う(S4)。例えば、音響部65から火災音響を鳴動させ、また、制御出力部66に制御出力を行って、全ての制御線51を介して地区音響装置13を鳴動させる。
また、火災受信回路62が感知器回線41の断線を検出、つまり、感知器回線41の異常信号が入力したか否かを判断し、異常信号が入力していなければ(S5)、ステップS9へ進み、異常信号が入力していれば(S5)、その回線番号及び何報目かを対応させた異常情報を火災・異常情報記憶部68の異常情報記憶領域に記憶し(S6)、異常情報に対応した異常表示を表示部64で行う(S7)。例えば回線番号「3」であれば、地区窓表示部81の地区窓番号「3」である地区窓の異常灯81bの点灯を行う。なお、本来ならば、番号表示部83の左側番号表示部83aにエラーコードを表示させ、右側番号表示部83bに番号「3」を表示させるが、ステップS3で火災表示を行っており、火災優先の原則から、番号表示部83による異常表示を行わない。なお、このときのサブ用地区窓表示部81の表示状態を図6(a)に示す(塗りつぶしは点灯状態を示し、塗りつぶしなしは消灯状態を示す)。
つぎに、対応した音響鳴動を行う(S8)。ここでも、本来ならば、音響部65から異常音響を鳴動させるが、ステップS4で火災音響鳴動を行っており、火災優先の原則から、音響部65からの異常音響鳴動を行わない。
つぎに、操作部63の選択スイッチSW1からの操作入力があるか否かを判断し、操作入力がなければ(S9)、ステップS11へ進み、操作入力があれば(S9)、対応した表示処理を表示部64の番号表示部83で行う(S10)。なお、本来ならば、選択スイッチSW1の操作入力回数に応じて、左側番号表示部83aに第1報に後続する感知器回線41の番号を切換表示させるが(火災情報の場合)、火災・異常情報記憶部68には第1報しか記憶されていないので、切換表示は行われない。
そして、サブ受信機R1は、メイン受信機Rmから自己アドレス宛に送信された各種要求信号等を送受信回路67が受信したか否かを判断し、受信していなければ(S11)、ステップS1へ戻り、受信していれば(S11)、その受信信号が状態要求信号であるか否かを判断し、状態要求信号でなければ(S12)、ステップS14へ進み、状態要求信号であれば(S12)、火災・異常情報記憶部68の記憶情報に対応した状態信号をメイン受信機Rm宛に自己アドレスを付して送受信回路67から送信する(S13)。この状態信号として、火災・異常情報記憶部68に火災情報が記憶されていれば火災代表移報信号を、異常情報が記憶されていれば異常代表移報信号を、いずれの情報も記憶されていなければ正常信号を送信する。この場合、火災・異常情報記憶部68には火災情報及び異常情報が記憶されているため、サブ受信機R1は、火災代表移報信号及び異常代表移報信号を送信する。
つぎに、前記した受信信号がサブ受信機表示情報要求信号(サブパネル表示情報要求信号)であるか否かを判断し、サブ受信機表示情報要求信号でなければ(S14)、ステップS16へ進み、サブ受信機表示情報要求信号であれば(S14)、火災・異常情報記憶部68に記憶されている全ての火災情報及び故障情報をサブ受信機表示情報信号として、メイン受信機Rm宛に自己アドレスを付して送受信回路67から送信する(S15)。この場合、火災情報として第1報目の回線番号「2」を、また、異常情報として第1報目の回線番号「3」を送信する。
そして、その他の受信信号である場合は、その他の信号に対応した処理を行う(S16)。例えば、音響鳴動命令信号であれば、音響部65から火災音響を鳴動させ、また、制御出力部66に制御出力を行って、全ての制御線51を介して地区音響装置13を鳴動させる。リセット命令信号であれば、音響部65及び地区音響装置13の音響鳴動停止、表示部64の表示消去、火災・異常情報記憶部68の記憶消去等のリセット動作を行う。そして、ステップS1へ戻る。
一方、図5において、メイン受信機Rmは、サブ受信機番号nを1として(S21)、サブ受信機R1宛に状態要求信号を送受信回路77から送信する(S22)。そして、サブ受信機R1からの返送信号として、状態信号を送受信回路77が受信したか否かを判断し、受信していなければ(S23)、ステップS23に留まり、受信していれば(S23)、その状態信号中に火災代表移報信号があるか否かを判断し、火災代表移報信号がなければ(S24)、ステップS29へ進み、火災代表移報信号があれば(S24)、サブ受信機R1の番号「1」に対応させて火災代表移報信号を火災・異常代表移報記憶部78に記憶し(S25)、対応した火災表示を表示部74で行う(S26)。この場合、メイン用地区窓表示部91は、サブ受信機R1の番号「1」に対応した地区窓番号「1」の火災灯91aを点灯させ、また、番号表示部93は、第1報目の火災代表移報として、左側番号表示部93aにサブ受信機R1の番号「1」を表示させる。そして、対応した音響鳴動を行う(S27)。例えば、音響部75から火災音響を鳴動させる。また、建物全体の地区音響装置13を鳴動させるため、全てのサブ受信機R1〜Rn宛に音響鳴動命令信号を送受信回路77から送信する(S28)。
さらに、状態信号中に異常代表移報信号があるか否かを判断し、異常代表移報信号がなければ(S29)、ステップS33へ進み、異常代表移報信号があれば(S29)、サブ受信機R1の番号「1」に対応させて異常代表移報信号を火災・異常代表移報記憶部78に記憶し(S30)、対応した異常表示を表示部74で行う(S31)。この場合、メイン用地区窓表示部91は、サブ受信機R1の番号「1」に対応した地区窓番号「1」の異常灯91bを点灯させる。なお、本来ならば、番号表示部93の左側番号表示部93aにエラーコードを表示させ、右側番号表示部93bにサブ受信機R1の番号「1」を表示させるが、ステップS26で火災表示を行っており、火災優先の原則から、番号表示部83による異常表示を行わない。なお、このときのメイン用地区窓表示部91の表示状態を図6(a)に示す(塗りつぶしは点灯状態を示し、塗りつぶしなしは消灯状態を示す)。
つぎに、対応した音響鳴動を行う(S32)。ここでも、本来ならば、音響部75から異常音響を鳴動させるが、ステップS27で火災音響鳴動を行っており、火災優先の原則から、音響部75からの異常音響鳴動を行わない。
つぎに、操作部73の各種スイッチSW2〜SW4からの操作入力があるか否かを判断し、操作入力があれば(S33)、ステップS36へ進むが、操作入力がなければ(S33)、nがN(サブ受信機の最大受信機番号であり、本実施例ではN=8)であるか否かを判断し、nがNでなければ(S34)、nを1つインクリメントして(S35)、ステップS22へ戻り、nがNであれば(S34)、ステップS21へ戻り、サブ受信機R1〜Rnの状態信号を循環的に受信する動作を行う。
そして、各種スイッチSW2〜SW4からの操作入力があった場合(S33)、その操作入力が選択スイッチSW2の操作入力であるか否かを判断し、選択スイッチSW2の操作入力でなければ(S36)、ステップS38へ進み、選択スイッチSW2の操作入力であれば(S36)、対応した表示処理を表示部74の番号表示部93で行う(S37)。なお、本来ならば、選択スイッチSW1の操作入力回数に応じて、左側番号表示部93aに第1報に後続するサブ受信機の番号を切換表示させるが(火災代表移報の場合)、火災・異常代表移報記憶部78には第1報しか記憶されていないので、切換表示は行われない。
つぎに、前記した操作入力がサブ受信機表示情報取得スイッチSW3の操作入力であるか否かを判断し、サブ受信機表示情報取得スイッチSW3の操作入力でなければ(S38)、そのステップS46へ進み、サブ受信機表示情報取得スイッチSW3の操作入力であれば(S38)、左側番号表示部93aに選択表示されている番号のサブ受信機宛にサブ受信機表示情報要求信号を送受信回路77から送信し(S39)、この指定されたサブ受信機からの返送信号として、サブ受信機表示情報信号を送受信回路77が受信したか否かを判断し、受信していなければ(S40)、ステップS40に留まり、受信していれば(S40)、サブ受信機表示情報信号をサブ受信機表示情報記憶部79に記憶し(S41)、対応した表示処理を表示部74で行う(S42)。この場合、ステップS39でサブ受信機R1を指定したため、サブ受信機表示情報信号は、火災情報として第1報目の回線番号「2」であり、また、異常情報として第1報目の回線番号「3」である。そして、表示としては、メイン用地区窓表示部91では、地区窓番号「2」の火災灯91aの点灯、地区窓番号「3」の異常灯91bの点灯を行い、番号表示部93では、左側番号表示部93aに番号「2」を表示する。つまり、メイン受信機Rmの表示部74の表示内容は、サブ受信機R1の表示部64の表示内容と同様となる。メイン用地区窓表示部91を例に挙げて示すと、図6(b)に示すように、メイン用地区窓表示部91は、サブ受信機R1のサブ用地区窓表示部81の表示内容と同様となる(塗りつぶしは点灯状態を示し、塗りつぶしなしは消灯状態を示す)。
そして、サブ受信機表示情報取得スイッチSW3の操作入力が継続されているか否かを判断し、操作入力が継続されていれば(S43)、ステップS43に留まり、この表示を継続させるが、操作入力がなくなると(S43)、サブ受信機表示情報記憶部79の記憶情報を消去し(S44)、表示部74の表示を火災・異常代表移報記憶部78の記憶情報に基づく表示に戻す(S45)。この場合、メイン用地区窓表示部91は、図6(a)に示す表示状態に戻る(塗りつぶしは点灯状態を示し、塗りつぶしなしは消灯状態を示す)。
つぎに、前記した操作入力がリセットスイッチSW4の操作入力であるか否かを判断し、リセットスイッチSW4の操作入力でなければ(S46)、ステップS34へ進み、リセットスイッチSW4の操作入力であれば(S46)、まず、自己のリセット動作、例えば、音響部75の音響鳴動停止、表示部74の表示消去、記憶部78及び79の記憶消去を行い(S47)、つぎに、全てのサブ受信機R1〜Rnにリセット動作をさせるため、全てのサブ受信機R1〜Rn宛にリセット命令信号を送受信回路77から送信し(S48)、ステップS34へ戻る。
本実施例に利用される火災報知システムは、複数の火災感知器11が配設された感知器回線41〜4nが複数接続されるとともに、該複数の感知器回線41〜4nの火災状態を表示するサブ用地区窓表示部81が設けられたサブパネルとして利用される複数の火災受信機R1〜Rnと、該サブパネルとして利用される複数の火災受信機R1〜Rnと信号線としての伝送線21を介して接続されるとともに、該サブパネルとして利用される複数の火災受信機R1〜Rnの火災状態を表示するメイン用地区窓表示部91が設けられたメインパネルとして利用される火災受信機Rmとを備えた火災報知システムにおいて、前記メインパネルとして利用される火災受信機Rmは、前記メイン用地区窓表示部91の表示を、指定されたサブパネルとして利用される火災受信機R1〜Rnのサブ用地区窓表示部81の表示情報を取得して切換えて表示できるので、メインパネルとして利用される火災受信機Rmによって、サブパネルとして利用される火災受信機R1〜Rnのサブ用地区窓表示部81の表示を確認できるため、合理的に建物を管理できる。
なお、メインパネルとして利用される火災受信機R1〜Rnが、通常状態では、サブパネルとして利用される複数の火災受信機R1〜Rnの火災状態信号(火災代表移報信号)のみを収集し、操作入力などによって、あるサブパネルとして利用される火災受信機R1〜Rnが指定されたときのみ、指定されたあるサブパネルとして利用される火災受信機R1〜Rnのサブ用地区窓表示部81の表示情報(サブパネル表示情報信号)を収集するように構成すれば、通常状態での伝送メッセージ量を少なくすることができる。
また、前記メインパネルとして利用される火災受信機Rmは、前記火災状態であるサブパネルとして利用される複数の火災受信機R1〜Rnの番号を表示する番号表示部93と、前記番号表示部93に表示される前記火災状態であるサブパネルとして利用される複数の火災受信機R1〜Rnの番号を選択的に切換える選択スイッチSW2と、前記番号表示部93に表示されている番号のサブパネルとして利用される火災受信機R1〜Rnのサブ用地区窓表示部81の表示情報を取得するサブパネル表示情報取得スイッチSW3とを備えるので、火災状態であるサブパネルとして利用される火災受信機R1〜Rnを選択して、該選択されたサブパネルとして利用される火災受信機R1〜Rnのサブ用地区窓表示部81の表示をメイン用地区窓表示部91に選択的に表示することができる。
また、前記メインパネルとして利用される火災受信機Rmは、前記サブパネル表示情報取得スイッチSW3がオン操作されている間のみ、前記メイン用地区窓表示部91に、前記指定されたサブパネルとして利用される火災受信機R1〜Rnのサブ用地区窓表示部81の表示を行うので、メイン用地区窓表示部91にあるサブ用地区窓表示部81の表示を行った場合に、メイン用地区窓表示部91の表示の戻し忘れによって、表示内容を誤識するということがなくなる。