JP5709699B2 - 火災報知設備及びそれに利用する終端器 - Google Patents
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また、火災感知器に不具合が発生したことを火災受信機に出力する自己点検機能を備えることで、火災感知器に不具合が発生したかを表示させる場合には、火災受信機を専用の火災受信機(例えば、R型)に取り替えなければならないという問題があった。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る火災報知設備100の概要構成例図である。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、図1においては、終端抵抗が接続されていない3つの火災感知器2Aが設けられ、終端素子としての終端抵抗Rが装着された1つの火災感知器2Bが設けられた場合を一例として図示している。ここで、火災感知器2Aの数はそれに限定されるものではない。
火災報知設備100は、建物(例えば、ホテル、マンションなどの集合住宅、オフィスビル、商業施設など)の各部屋等に設置される火災感知器2と、火災感知器2の検出結果に基づいた警報をするP型の火災受信機1とが、感知器回線3であるコモン線3A及びライン線3Bにより接続されて構成されている。P型火災受信機とは、コモン線3A、ライン線3Bからなる感知器回線に接続されている火災感知器の電気的な接点が閉じることにより、感知器回線の電気的な変化に基づいて火災を判断するものである。以下、コモン線3A及びライン線3Bをまとめて感知器回線3と称する場合がある。
火災受信機1は、感知器回線3の電圧等の変化に基づいて、火災の発生を報知するものである。火災受信機1は、例えば、火災を音声で報知するためのスピーカや、表示で報知するためのランプなどが設けられている。なお、火災受信機1は、感知器回線3の断線時には音声やランプによる断線警報により断線したことを報知するが、火災感知器2に不具合があった場合にも、火災感知器2の不具合を、感知器回線3の断線時と同様に断線警報で報知することができる。この火災受信機1は、コモン線3A及びライン線3Bを介して1個又は複数の火災感知器2に接続されている。なお、この火災受信機1は、例えば、建物の防災センタなどといった中央管理室に接続されている。そして、火災受信機1が検出した火災や不具合は、防災センタで報知される。
終端の火災感知器2Bは、他の火災感知器2Aから出力された異常信号、及び自身の異常信号に基づいて、終端抵抗Rと感知器回線3の接続を切り離し、断線させるように制御するものである。
終端抵抗Rは、いわゆる送り配線の方式で接続されている感知器回線3の終端(末端)に接続されている抵抗である。これにより、感知器回線3に微弱な電流を流し、火災受信機1が断線を監視している。本実施の形態1に係る終端抵抗Rは、火災感知器2Bの内部回路を通じて感知器回線3と接続されている。
図2は、図1に示す終端抵抗Rが設けられた火災感知器2Bの制御回路50の構成の一例である。図2を参照して、火災感知器2Bの制御回路50の構成について説明する。
火災感知器2Bは、火災感知器2Aからの異常信号を受信する受信回路10、受信回路10などに動作用の所定の定電圧を供給する定電圧回路11、火災に関する煙や熱等を検出する検出回路14と、検出回路14の出力及び受信回路10の出力に基づいて火災の発生や自身の不具合の発生を判別する判別回路13と、判別回路13に制御されるスイッチング回路12及び切離回路15と、終端抵抗Rが感知器回線3に接続されているか否かを検出する入力回路16と、切離回路15及び入力回路16に接続される終端抵抗Rと、火災時などに点滅する動作表示灯17とを有している。
なお、出力値監視方式とは、火災感知器2が火災を検出していないときの出力値が、火災感知器2が初期設置された状態における出力値に対して、どれだけ変化しているかを検出し、火災感知器2の不具合を検出する方式である。検出回路14が火災感知器2の不具合を検出する方式は、それに限定されるものではなく、例えば、擬似出力方式として、自ら熱や光の擬似入力を行う方式もあるが、本実施の形態1に係る検出回路14は出力値監視方式を採用しているものとして説明する。また、判別回路13は、出力値異常と判別した場合に、火災感知器2に不具合があることを外部に表示して識別させる表示手段として、動作表示灯17を点滅させる。
具体的には、火災感知器2Bに設けられた判別回路13は、検出回路14から出力される第2の異常信号のレベル判定、又は受信回路10から出力される第1の異常信号のレベル判定を実施して、感知器回線3上にある火災感知器2が異常であるか否かを判別し、その判別結果に基づいて切離回路15を制御するものである。
火災感知器2Aは、終端抵抗Rが設けられていない点以外では火災感知器2Bと同様の構成である。すなわち、火災感知器2Aは、受信回路10と、定電圧回路11と、検出回路14と、判別回路13と、スイッチング回路12と、切離回路15と、入力回路16と、動作表示灯17とを有している。なお、火災感知器2Aは、終端抵抗Rと共に、受信回路10、切離回路15及び入力回路16が設けられていなくてもよい。
さらに、火災感知器2Aに設けられたスイッチング回路12については、判別回路13が火災感知器2の不具合を判別すると、終端の火災感知器2Bに感知器回線3を介して異常信号を出力する。すなわち、火災感知器2Aに設けられた判別回路13は火災感知器2Aが不具合であると判別するとその判別結果に対応する出力をし、その出力を受信したスイッチング回路12は感知器回線3を介して、終端抵抗Rが接続された火災感知器2Bに異常信号を出力する。
また、火災感知器2Bの切離回路15は切り離し手段を構成する。切り離し手段は、受信回路10が異常信号を受信したときに終端抵抗Rを切り離して感知器回線3を断線させる。その切り離し手段と火災感知器2Bの終端抵抗Rとで、出力手段からの異常信号を受信したときに感知器回線3を断線させる断線発生手段を構成する。本実施形態1における断線発生手段は、感知器回線3の終端部に接続され、出力手段によって送信された異常信号を受信する受信手段と、終端素子に接続され、受信手段が異常信号を受信したときに終端素子を切り離して感知器回線3を断線させる切り離し手段と、を備えている。断線発生手段は、火災感知器2の不具合の場合には終端抵抗Rを断続的に切り離して、断線の場合と区別できるようにしても良い。
図1及び図2を参照して、火災時における火災報知設備100の動作例を説明する。
一方、火災感知器2Bに設けられた判別回路13においては、検出回路14の出力値から自身が不具合であると判別しても、スイッチング回路12を制御して感知器回線3のインピーダンスを変化させる動作を実施しない。すなわち、火災感知器2Bに設けられた判別回路16は、後述するように切離回路15を直接制御する。
なお、不具合であると判別された火災感知器2A、2Bの判別回路13は、動作表示灯17を点滅動作させて、外観的にユーザーに不具合であることを報知する。
また、火災感知器2Bの判別回路13が検出回路14の出力により火災感知器2B自らの不具合を検出した場合においては、火災感知器2Bの判別回路13から自らに異常信号が設定される。そして、この設定を受けた判別回路13は、切離回路15を、感知器回線3と終端抵抗Rとの接続を切離すように制御する。
図3は、(a)が通常時と火災時における感知器回線3の電圧を示し、(b)が通常時と不具合発生時の感知器回線3の電圧を示すものである。図3に基づいて、火災信号及び異常信号の一例について説明する。
火災感知器2A、2Bが出力する火災信号は、火災がない通常時の感知器回線3の電圧値を例えば約24(V)と設定しているとき、この電圧値を例えば約8(V)に変化させて構成する。
火災感知器2Aが出力する異常信号としては、火災がないときの(通常時)感知器回線3の約24(V)から、短い間隔で、所定回数だけパルス的に電圧を変化させて構成される信号を採用するとよい。なお、図3では、所定回数を2回としたものを一例として図示している。これにより、1回目の電圧変化を火災感知器2Bの判別回路13が捕らえきれなくても、2回目の電圧変化で判別回路13が確実にこの電圧変化が異常信号であるかを確認することができる。したがって、所定回数は、2回以上に設定するとよい。
本実施の形態1に係る火災報知設備100は、火災感知器2Bの判別回路13が、感知器回線3を介して火災感知器2Aから異常信号を受信した際、又は火災感知器2B自身の不具合を検出した際に、切離回路15を制御して、終端抵抗Rと感知器回線3との接続を切り離す。すなわち、火災感知器2Bの判別回路13は、感知器回線3と終端抵抗Rとの接続を切り離し、感知器回線3を断線させる。これにより、P型の火災受信機1であっても、感知器回線3の断線を異常信号として検出することができ、火災感知器2の不具合を知ることができる。すなわち、本実施の形態1に係る火災報知設備100は、火災感知器2の自己点検による結果を受信して制御できる専用の火災受信機ではない火災受信機1でも火災感知器2の不具合を報知することができる。
以上の実施の形態1では、終端抵抗Rが設けられる火災感知器2Bが火災感知器としての機能を有している場合について説明した。図4は、本発明の実施の形態2に係る火災報知設備の概要構成例図である。本実施の形態2では、火災報知設備200を、感知器回線3の終端に、火災感知器としての機能を有していない終端器である終端装置25を接続して構成したものである。この終端装置25は、火災受信機1に対して終端の感知器回線3に接続される終端器である。なお、本実施の形態2では、主に実施の形態1との相違点を中心に説明するものとする。
終端装置25は、受信回路10、切離回路15、及び判別回路13の3つが設けられていればよい。また、火災感知器20は、図2に図示された構成のうち、終端抵抗R、受信回路10、切離回路15、及び入力回路16を除いた構成が設けられていればよい。
このように、本実施の形態2に係る火災報知設備200は、終端器専用の終端装置25を用いることにより、火災感知器20、及び終端装置25の制御回路の構成が複雑になることを抑制することができる。
なお、本実施の形態2の動作は、実施の形態1と同様に行える。
図5は、本発明の実施の形態3に係る火災報知設備の概要構成例図である。本実施の形態3に係る火災報知設備300は、感知器回線3とは別体の異常信号用配線31によって火災感知器30を接続して構成したものである。なお、本実施の形態3では、主に実施の形態1、2との相違点を中心に説明するものとする。
なお、本実施の形態3の動作は、実施の形態1と同様に行える。
このように、本実施の形態3に係る火災報知設備300は、火災信号を感知器回線3に出力し、異常信号を異常信号用配線31に出力するように構成したので、火災信号と異常信号とが干渉することを抑制することができ、火災報知設備300の動作の確実性を向上させることができる。
なお、実施の形態3に係る火災感知器30は、実施の形態2の火災感知器20及び終端装置25のように構成してもよい。
Claims (7)
- 火災受信機に接続された感知器回線と、該感知器回線に接続されスイッチング動作によって火災信号を前記感知器回線に出力する1個又は複数の火災感知器と、を備えた火災報知設備において、
前記火災感知器は、
自己点検により自己の不具合を検出する点検手段と、該点検手段の結果に基づき、不具合があるときには異常信号を前記感知器回線に出力する出力手段と、を備え、
前記感知器回線は、
前記異常信号を受信したときに前記感知器回線を断線させる断線発生手段を有する終端器が終端に接続され、
前記火災受信機は、
前記断線発生手段が前記感知器回線を断線させたときに断線警報を発する断線警報発報手段を備えた
ことを特徴とする火災報知設備。 - 前記断線発生手段は、
終端素子及び前記終端素子を切り離す切り離し手段を有し、
前記終端器は、
前記異常信号を受信すると受信結果を出力する受信手段と、
前記受信手段の受信結果が出力されると、前記感知器回線と前記終端素子との接続を切り離して前記感知器回線を断線させるように前記切り離し手段を制御する判別手段とを備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の火災報知設備。 - 前記断線発生手段は、
終端素子及び前記終端素子を切り離す切り離し手段を有し、
前記終端器は、
前記異常信号を受信すると受信結果を出力する受信手段と、
終端素子及び前記終端素子を切り離す切り離し手段を有する前記断線発生手段と、
前記終端素子が接続されていることを検出する入力手段とを備え、
前記切り離し手段は、
前記入力手段が前記終端素子の接続を検出した場合に、前記受信手段による前記異常信号の受信に基づいて、前記終端素子を切り離して前記感知器回線を断線させる
ことを特徴とする請求項1に記載の火災報知設備。 - 前記断線発生手段は、
前記終端素子を断続的に切り離す
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の火災報知設備。 - 前記終端器は、
前記終端素子が設けられた前記火災感知器である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の火災報知設備。 - スイッチング動作によって火災信号を出力する火災感知器が接続される感知器回線の終端に接続され、終端素子を有する終端器において、
前記火災感知器の自己点検に基づいて前記感知器回線に出力された異常信号を受信する受信手段と、
前記受信手段が前記異常信号を受信したときに前記終端素子を切り離して前記感知器回線を断線させる切り離し手段とを備えた
ことを特徴とする終端器。 - 火災感知器としての機能を有し、
自己点検により自己の不具合を検出する点検手段と、
該点検手段の結果に基づき、不具合があるときには異常信号を前記感知器回線に出力する出力手段と、
前記終端素子が接続されていることを検出する入力手段とを備えた
ことを特徴とする請求項6に記載の終端器。
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