以下、図を参照しながら、この発明による電話システムの一実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態においては、例えば、事業所内に形成されるビジネスホンシステム(ボタン電話システム)に、この発明の電話システムを適用した場合を例にして説明する。
[実施の形態の電話システムの概要]
図1は、この実施形態の電話システムの概要を説明するための図である。図1に示すように、この実施の形態の電話システムは、主装置1に対してLAN(Local Area Network)2を通じ、複数の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、3(4)、3(5)…が接続されて構成される。
主装置1は、図1に示したように、IP網6と電話網7とに接続され、通信路(通信回線)を接続する端末間のアドレス解決をする。すなわち、主装置1は、外線と内線、または内線間をつなぐ小型の交換機としての機能を有する。また、この実施の形態の主装置1は、SIP(Session Initiation Protocol)を利用して、電話番号をIP(Internet Protocol)アドレスと対応付けたり、相手を呼び出して繋いだりするといった呼制御を行うSIPサーバとしての機能をも備えている。
つまり、この実施の形態の主装置1は、レジストラ・サーバ機能とプロキシ・サーバ機能をも備える。そして、主装置1は、これらの機能を用いることによって、LAN2に接続された電話システム内の機器との間や、LAN2に接続された機器とIP網6や電話網7に接続された機器との間に、通信回線(通信路)を接続できるようにする。
なお、IP網6は、IP(Internet Protocol)を用いて通信を行うネットワークを意味し、具体的にはインターネットである。また、電話網7は、アナログ方式の公衆交換電話網(PSTN(Public Switched Telephone Network))、デジタル回線網(ISDN(Integrated Services Digital Network))、携帯電話網などを含むものである。
電話端末3(1)、3(2)、3(3)、3(4)、3(5)、…のそれぞれは、通話を行うためにユーザによって用いられる複数の操作キーを備えるものである。電話端末3(1)、3(2)、3(3)、3(4)、3(5)、…のそれぞれは、上述したように、主装置1を通じて、LAN2に接続された同じ事業所内の他の電話端末との間や、IP網6や電話網7に接続された外部の電話端末との間で通話を行う場合に用いられる。
そして、この実施の形態のボタン電話システムは、通話音声の録音機能を備えている。電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれを通じて通話しているときに、電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…に設けられている「録音ボタン」が押下操作されたとする。この場合、「録音ボタン」が操作されたことの通知が主装置1に送られ、「録音ボタン」が操作された電話端末と通話の相手先との間の通話音声がデジタルデータに変換されて形成された通話音声データが、主装置1の所定の記録媒体に記録される。
また、主装置1の制御により通話音声の自動録音を行うこともできる。例えば、当該電話システムへの着信に主装置1に接続された電話端末3(1)、3(2)、…のいずれかが応答して通話を開始した場合に、自動的に通話音声の録音を行うようにできる。また、主装置1に接続された電話端末3(1)、3(2)、…のいずれかから発信を行って通話を開始した場合に、自動的に通話音声の録音を行うようにできる。もちろん、自システムへの着信に応じて通話を開始した場合と、自システムからの発信に応じて通話を開始した場合の両方において、自動的に通話音声の録音を行うようにできる。
また、特定の発信元からの着信に応答して通話を開始した場合に自動的に通話音声の録音を行うようにできる。この場合には、通話音声の録音対象とする発信元の電話番号を主装置1の所定の記録媒体に登録しておき、この登録された電話番号と発信元から通知される電話番号とを比較することにより実現できる。また、主装置1の所定の記録媒体に作成されているいわゆる電話帳に電話番号が登録されている相手先を発信元とする着信に応答して通話を開始した場合に、自動的に通話音声の録音を行うようにできる。逆に、主装置1の所定の記録媒体に作成されている電話帳に電話番号が登録されていない相手先を発信元とする着信に応答して通話を開始した場合に、自動的に通話音声の録音を行うようにすることもできる。
また、当該電話システムへの着信に対して、主装置1に接続された予め決められた電話端末が応答して通話を開始した場合に、自動的に通話音声の録音を行うようにできる。また、当該電話システムが複数の電話番号を有している場合がある。例えば、大代表の電話番号、各部署別の代表電話番号、お客様からの問い合わせ用の電話番号などである。このような場合には、例えば、お客様からの問い合わせ用の電話番号などの予め決められた電話番号への着信に応答して通話を開始した場合に、自動的に通話音声の録音を行うようにできる。
このように、この実施形態の電話システムでは、種々の態様で通話音声の録音機能を利用できる。そして、通話音声の録音機能の利用時においては、通話を行っている電話端末を通じて所定の操作キーを操作した場合に、主装置1において録音された通話音声に対して、検索用マーク(区切りマーク)を付加するようにできる。この検索用マークを付加することによって、録音した当該通話音声データの再生時において、再生位置を検索用マークが付加された位置に迅速に位置付けて、検索用マークが付された位置から録音された通話音声データの再生を行える。
また、録音された通話音声の複数の異なる位置に検索用マークを付すようにした場合には、再生位置の前あるいは後に位置する検索用マークが示す位置に順次にジャンプし、ジャンプ先を再生位置とすることができる。これにより、録音された通話音声から目的とする通話内容部分を迅速に検索し、当該通話内容部分の通話音声を再生して聴取できる。なお、録音された通話音声の再生時においては、再生位置の位置付けに利用された検索用マークの当該通話音声における位置が、詳しくは後述する電話端末のディスプレイに表示される。これにより、再生位置の位置付けに利用した検索用マークの位置を使用者が見失うことなく、録音された通話音声の再生位置を適切に認識することもできるようになっている。
さらに、この実施形態の電話システムは、図1に示したように、広域ネットワークであるIP網6や電話網7に接続された主装置1に対して、複数の電話端末3(1)、3(2)、…が接続されている。このため、この実施形態の電話システムでは、保留・転送がしばしば行われ、また、会議通話機能が用いられる場合もある。保留・転送は、接続された通信回線の接続状態を保ったまま、接続先となる電話端末が特定されない状態(保留状態)となり、この後に、直前に接続先であった電話端末とは異なる電話端末が当該通信回線を引き継ぐようにして通話を行えるようにすることをいう。また、会議通話機能は、例えば、
外線の1つの電話端末と内線の2つの電話端末というように、3つ以上の電話端末のそれぞれとの間に通信回線を接続し、同時に通話を可能にするものである。
このように、この実施形態の電話システムでは、接続された通信回線が解放(切断)されずに、通話に用いられる電話端末が変わったり、増えたりする場合がある。そして、通話音声の録音機能を利用している場合に、録音される一連の通話音声に対して、保留・転送の前と後のそれぞれの電話端末を通じて検索用マークを付けたとする。この場合には、各電話端末の使用者のそれぞれが、それぞれの意図に応じて付加した検索用マークが混在することになり、検索用マークとしての機能が損なわれる。また、通話音声の録音機能を利用している場合に、録音される一連の通話音声に対して、主装置1に接続された会議通話機能を利用している複数の電話端末のそれぞれを通じて検索用マークを付した場合にも同様のことが発生する。
このため、この実施形態の電話システムの主装置1では、主装置1に接続された電話端末3(1)、3(2)、…ごとに、検索用マークを管理する。そして、主装置1に接続された電話端末3(1)、3(2)、…のそれぞれは、録音された通話音声の再生時において、自機を通じて付加した検索用マークを用いて記録された通話音声の再生位置の検索を行うことができるようにしている。また、この実施形態の電話システムでは、録音された通話音声の再生時においても、主装置1に接続された電話端末ごとに、録音された通話音声に対して検索用マークを追加して付加し、これを電話端末ごとに管理できるようにしている。
なお、この実施の形態において、主装置1に接続される電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれは、同様に構成されるものである。このため、以下においては、特に区別して示す場合を除き、電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれを総称して電話端末3という。以下、この実施の形態のボタン電話システムを構成する各機器について具体的に説明する。
[電話端末3の構成例]
まず、使用者によって直接に操作される電話端末3について説明する。図2は、この実施の形態の電話システムの電話端末3の構成例を説明するためのブロック図であり、図3は、電話端末3の外観図である。この実施の形態の電話端末3は、図2に示すように、主に電話機能を実現する部分として、LAN接続端子301、LANインターフェース(以下、LANI/Fという。)302、パケット処理部303、通話音声入出力インターフェース(以下、通話音声入出力I/Fという。)304、ハンドセット接続端子305、ハンドセット306、操作入力部311、操作入力インターフェース(以下、操作入力I/Fという。)312、ディスプレイコントローラ313、ディスプレイ314、リンガ315を備えている。
また、この実施の形態の電話端末3は、各部を制御する制御部320を備えている。制御部320は、CPU(Central Processing Unit)321、ROM(Read Only Memory)322、RAM(Random Access Memory)323が、CPUバス324を通じて接続されて構成されたものである。ここで、CPU321は、ROM322に記憶保持されているプログラムを読み出して実行し、各部に供給する制御信号を形成してこれを各部に供給したり、また、各部から供給されるデータを処理したりするものである。ROM322は、上述のように、CPU321で実行される種々のプログラムや処理に必要になる各種のデータが記憶保持されたものである。また、RAM323は、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。
図3に示すように、この実施の形態の電話端末3の場合、端末本体の前面左側にハンドセット306が載置される構成を有する。そして、ハンドセット306が、端末本体に載置された状態ではオンフック状態となり、端末本体から持ち上げられた状態ではオフフック状態となるように構成されている。また、端末本体の前面上側には、ディスプレイ314の表示画面が設けられ、ディスプレイ314の表示画面の下側には操作入力部311が設けられている。
そして、操作入力部311には、ユーザによって機能等の割り付けが可能なフレキシブルキーFK1〜FK8や、テンキー等(テンキー(数字キー及び記号キー)、発信、応答、保留などの所定のファンクションキーなど)が設けられている。さらに、テンキー等の下側には、主装置と協働して実現する通話音声の録音機能や再生機能を利用するために用いられる、「録音ボタン」、「再生ボタン」が設けられている。なお、通話音声の録音機能や再生機能の詳細については後述する。
[着信時の動作]
そして、LAN2を介して送信されてくるパケットデータは、LAN接続端子301を通じてLANI/F302に供給され、ここで自機において処理可能な形式のデータに変換された後、CPUバス324を介して、パケット処理部303に供給される。パケット処理部303は、供給されたパケットデータに含まれる制御データや音声データを分解して抽出する。ここで抽出された制御データは制御部320に供給され、自機の制御に用いられる。また、自機(自端末)宛の音声データが含まれていた場合には、当該音声データは、CPUバス324を通じて通話音声入出力I/F304に供給される。
パケット処理部303において分解されて抽出された制御データが、自機への呼び出しメッセージである場合には、制御部320は、リンガ315を制御して、着信鳴動させる。同時に、制御部320は、ディスプレイコントローラ313を制御し、ディスプレイ314の表示画面に自機に着信があることを通知するメッセージや発信元の電話番号や名前あるいは発信元の内線番号などを表示する。
そして、自機への着信に応じて、使用者がハンドセット306を電話端末3の本体から持ち上げると、当該電話端末3はオフフック状態となる。この場合、制御部320は、着信に応答するメッセージを形成し、これをパケット処理部303においてパケット化して、LANI/F302に供給する。LANI/F302は、当該パケットデータを送信用のパケットデータに変換し、これをLAN接続端子301を通じてLAN2に送出し、発呼先の端末に送信する。
これにより発信元との間において、通信路が生成され、通話が開始される。この場合、相手先からの音声データを含むパケットは、上述もしたように、LAN接続端子301、LANI/F302を通じて、パケット処理部303に供給される。パケット処理部303は、相手先からのパケットをパケット分解し、制御データは制御部320へ、音声データは通話音声入出力I/F304に供給する。
通話音声入出力I/F304は、パケット処理部303からの音声データから自機のハンドセット306のスピーカ(受話器)に供給するアナログ音声信号を形成し、これをハンドセット接続端子305を通じてハンドセット306のスピーカに供給する。これにより、相手先から送信されてくる相手先の音声が、ハンドセット306のスピーカ(受話器)から放音される。
一方、ハンドセット306のマイクロホン(送話器)によって集音された音声は、ここで電気信号に変換され、ハンドセット接続端子305を通じて通話音声入出力I/F304に供給される。通話音声入出力I/F304は、ハンドセット306からの音声データをデジタル信号に変換するなどの処理を行って、これをパケット処理部303に供給する。パケット処理部303は、通話音声入出力I/F304からの音声データを含む相手先への送信用のパケットを形成し、これをLANI/F302、LAN接続端子301を通じてLAN2に送出し、通信の相手先に送信する。このようにして、電話端末3は、自機への着信に応答し、発呼先との間で通信路を生成して通話を行うことができる。
[発呼時の動作]
次に、当該電話端末3から電話をかける場合(発信(発呼)する場合)の処理について説明する。電話端末3から発信する場合には、まず、ハンドセット306を電話端末3の本体から持ち上げて、電話端末3をオフフック状態にし、操作入力部311を通じて通信の相手先の電話番号、あるいは、内線番号を入力する。また、例えば、主装置1に形成されている電話帳の電話帳データから、目的とする相手先を選択することにより、電話を掛ける相手先を特定することもできる。ここで入力、あるいは、特定された相手先の電話番往などの情報は、操作入力I/F312を通じて制御部320に供給される。
すると、制御部320は、発呼メッセージを形成し、これをパケット処理部303に供給する。パケット処理部303は、自機からの発呼メッセージをパケット化し、これをLANI/F302、LAN接続端子301を通じてLAN2に送出し、目的とする通信の相手先に送信する。
この後、目的とする相手先からの応答が返信されてきた場合に通信路を生成する。これにより、LAN接続端子301、LANI/F302、パケット処理部303、通話音声入出力I/F304、ハンドセット接続端子305、ハンドセット306からなる通話系の機能により通話を行うことができる。このように、電話端末3は、自機から目的とする端末に発信して、相手先との間に通信回線を接続して通話を行うこともできる。
[通話音声の録音機能]
そして、この実施の形態のボタン電話システムは、通話音声の録音機能を備えている。当該録音機能は、電話端末3と主装置1とが協働することによって実現される。ここで、当該録音機能の概要と電話端末3の役割について説明する。この実施の形態のボタン電話システムにおいて、通話音声の録音処理自体は主装置1側で行われる。そして、通話音声の録音の実行指示や終了指示は、端末前面の下側に設けられている「録音ボタン」の押下操作に応じて電話端末3の制御部320から主装置1に提供する。
また、電話端末3の使用者は簡単な操作で、録音される通話音声データに対して検索用マークを電話端末ごとに付加し、これを主装置1側で電話端末ごとに管理できる。この場合、通話音声データに対して付加される検索用マークには、例えば、通話の相手側が発した音声部分に付加する検索用マークと、電話端末3の使用者が発した音声部分に付加する検索用マークとを区別して付加できるようにしている。
このため、電話端末3の所定の1つの操作キーに対しては、通話の相手側が発した音声部分に付加用マークを付加する機能を割り付けておく。また、所定の他の操作キーに対しては、電話端末3の使用者が発した音声部分に検索用マークを付加する機能を割り付けておく。このような、所定の操作キーと所定の機能との割り付けの管理は、この実施の形態では主装置1側で行う。
電話端末3において、当該所定の操作キーが操作されると、操作された操作キーに対応する操作キー識別情報を電話端末3の制御部320が主装置1に提供する。そして、主装置1において、操作された当該操作キーに割り付けられている機能に応じて、当該操作キーが操作された時点を示す時点情報を検索用マークとして、記録された通話音声データに対応付けて、操作が行われた電話端末ごとに管理する。ここで所定の操作キーとしては、電話端末3が備える、例えば、フレキシブルキーFK1〜FK8やテンキーを用いることができる。
この実施の形態の電話システムにおいては、検索用マークを付加するための操作キーとして、例えば、フレキシブルキーFK1〜FK8から選択した幾つかのキーを利用する。フレキシブルキーは、例えばよく電話を掛ける相手先の電話番号と発信機能を対応付けておくなどのことができるものである。例えば、フレキシブルキーFK1に対して、通話の相手側が発した音声部分に付加用マークを付加する機能を割り付ける。また、フレキシブルキーFK2に対して、電話端末3の使用者が発した音声部分に検索用マークを付加する機能を割り付ける。さらに、フレキシブルキーFK3に対して、その他の者が発した音声部分に検索用マークを付加する機能を割り付ける。フレキシブルキーFK3は、会議通話機能が用いられる場合に利用される。
そして、電話端末3の使用者は、着信に応答したり、発信したりして、電話端末3を通じて通信回線を接続した後において、録音ボタンを押下操作することによって、通話音声の録音を開始させることができる。この後、フレキシブルキーFK1を押下操作することにより、録音対象の通話音声データに対して、通話の相手側が発した音声部分であることを示す付加用マークを付加できる。また、フレキシブルキーFK2を押下操作することにより、録音対象の通話音声データに対して、電話端末3の使用者が発した音声部分であることを示す検索用マークを付加できる。
また、会議通話機能の利用時においては、フレキシブルキーFK1、FK2に加えて、フレキシブルキーFK3を押下操作可能となる。そして、フレキシブルキーFK3が押下操作された場合には、録音対象の通話音声データに対して、その他の相手が発した音声部分(他の電話端末の使用者が発した音声部分)であることを示す検索用マークを付加することができる。
このように、電話端末3の使用者は、通話音声の録音を行うようにしている場合に、フレキシブルキーFK1、FK2、FK3を操作することにより、録音される通話音声に対して、話者に応じた検索用マークを付加するようにできる。そして、詳しくは後述するが、電話端末3を通じて録音される通話音声に対して付加するようにされた検索用マークは、当該検索用マークを付加する操作であるフレキシブルキーFK1、FK2、FK3が操作された電話端末ごとに、主装置1で管理される。
これにより、各電話端末3の使用者は、録音された通話音声を再生して聴取する場合に、その電話端末3を通じて付加した検索用マークをのみを用いて、目的とする再生箇所の検索を行える。そして、通常、電話端末3ごとに使用者がほぼ決まっている場合が多いので、電話端末3の使用者は、自分が付加した検索用マークを用いて、再生箇所の検索を行える。もちろん、自分が不在時に録音された通話音声を再生して聴取する場合もある。このような場合であっても、通話の相手側が発した音声部分、電話端末3の使用者が発した音声部分、その他の相手が発した音声部分のそれぞれを区別できるように検索用マークが付加されている。
このため、自分以外の使用者が付した検索用マークを用いる場合でも、通話の相手側が発した音声部分、電話端末3の使用者が発した音声部分、その他の相手が発した音声部分のそれぞれを区別して再生位置の検索が可能となる。したがって、他の使用者が付した検索用マークを用いて検索する場合にも、効率よく再生位置の検索ができる。
なお、図2において、パケット処理部303は、独立した回路部分として示しているが、これに限るものではない。パケット処理部303は、制御部320において実行されるプログラムにより、制御部320の機能として実現することももちろん可能である。
[主装置1の構成例]
次に、1以上の電話端末3が接続(収容)される主装置1について説明する。図4は、この実施の形態の主装置1の構成例を説明するためのブロック図である。図4に示すように、主装置1は、IP網6への接続端子101と、IP網インターフェース(以下、IP網I/Fという。)102と、パケット分解/生成部103とを備えている。また、主装置1は、電話網インターフェース(以下、電話網I/Fという。)104と、電話網7への接続端子105と、端末管理データベース(以下、端末管理DBという。)106とを備えている。また、主装置1は、LANI/F107と、LAN2への接続端子108とを備えている。
さらに、主装置1は、通話音声ファイル109と、FK入力ファイル110と、FK設定データファイル111とを備えている。また、主装置1は、音声録音部112と、FKデータ管理部113と、録音データ再生部114と、制御部120とを備えている。なお、FK入力ファイル110とFK設定データファイル111とFKデータ管理部113の文字「FK」は、フレキシブルキー(Flexible key)の略称として用いている。
[基本的な構成部分]
そして、制御部120は、この実施の形態の主装置1の各部を制御するものであり、図4に示すように、CPU121、ROM122、RAM123がCPUバス124を通じて接続されて構成されたものである。ここで、CPU121は、ROM122に記憶保持されているプログラムを実行することにより、各部を制御するための制御信号を生成して各部に供給したり、各部からの情報を処理したりする。ROM122は、CPU121で実行される種々のプログラムや処理に必要となる種々のデータを記憶保持する。
また、RAM123は、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に、作業領域として用いられる。なお、図示しないが、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)やフラッシュメモリーなどのいわゆる不揮発性メモリを備え、電源が落とされても保持しておくべきデータ、例えば、種々の設定パラメータや機能アップのために提供された新たなプログラムなどについても記憶保持できるようになっている。
接続端子101は、IP網6への接続端部を構成するものである。IP網I/F102は、IP網6を通じて供給されるパケットを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のパケットに変換して制御部120に供給する。また、IP網I/F102は、制御部120を通じて供給される送信すべきパケットを送信用の形式のパケットに変換して、これをIP網6に送出する。
接続端子105は電話網7への接続端部を構成するものである。電話網I/F104は、電話網7を通じて供給されるデータを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のデータに変換して制御部120に供給する。また、電話網I/F104は、制御部120を通じて供給される送信すべきデータを送信用の形式のデータに変換して、これを電話網7に送出する。
接続端子108はLAN2への接続端部を構成するものである。LANI/F107は、LAN2を通じて供給されるパケットを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のパケットに変換して制御部120に供給する。また、LANI/F107は、制御部120を通じて供給される送信すべきパケットを送信用の形式のパケットに変換して、これをLAN2に送出する。
パケット分解/生成部103は、パケットの分解や生成を行うものである。具体的には、LAN2を通じて主装置1に対して接続される電話端末3等からの電話網7に接続された端末装置に送信すべきパケットは、接続端子108、LANI/F107を通じて制御部120に受け付けられる。当該パケットは、制御部120からパケット分解/生成部103に供給され、ここでパケット分解された後に、電話網I/F104、接続端子105を通じて電話網に送出され、目的とする相手先に送信される。
また、電話網7に接続された端末装置からのデータであって、LAN2を通じて主装置1に接続される配下の電話端末3等へのデータは、接続端子105、電話網I/F104を通じて制御部120に受け付けられる。当該データは、制御部120からパケット分解/生成部103に供給され、ここで所定の形式のパケットとされた後に、LANI/F107、接続端子108を通じて、LAN2に送出されて目的とする電話端末3に送信される。
なお、IP網6に接続された端末と、主装置1にLAN2を通じて接続される電話端末3等との間では、パケットが送受される。このため、パケット分解/生成部103において、パケットの分解や生成は行われることはなく、IP網I/F102、LANI/F107において、データ形式が整えられてそのまま送受するようにされる。同様に、主装置1にLAN2を通じて接続される電話端末3間においても、パケットが送受されるため、パケット分解/生成部103において、パケットの分解や生成は行われることはなく、LANI/F107を通じてパケットが送受するようにされる。
端末管理DB106は、レジストラ・サーバ機能を実現するために、IP網6やLAN2に接続され、この主装置1を通じて呼び出す可能性のある端末装置についてのアドレス情報を記憶保持する。具体的には、主装置1の制御部120は、IP網I/F102やLANI/F107を通じて、これらに接続されている種々の端末装置からの登録要求(レジスタ・リクエスト)を受信する。この場合に、制御部120は、受信した要求に含まれるアドレス情報などを抽出する。そして、制御部120は、抽出したアドレス情報などを端末管理DB106に登録したり、抽出したアドレス情報などを用いて端末管理DB106の登録情報を更新したりする。
このようにして、端末管理DB106に登録されて管理される情報が参照され、自機にLAN2を通じて接続される電話端末3などから要求のあった通信先を確実に特定する。そして、その特定した相手先に送信すべき情報(パケットデータ)を転送するようにするプロキシ・サーバとしての機能を主装置1が実現するようにしている。また、端末管理DB106に登録されて管理される情報は、自機にLAN2を通じて接続される電話端末3などへの着信の判別などにも用いられる。
図5は、端末管理DB106の格納データの例について説明するための図である。主装置1の端末管理DB106は、IP網6に接続された他のIP電話システムの端末装置のアドレス情報の他、当該主装置1にLAN接続された電話端末などについてのアドレス情報をも管理する。
この実施の形態の主装置1の端末管理DB106では、図5に示したように、主装置1にLAN接続された電話端末については、内線番号、IPアドレス、ポート番号、その他の種々の情報(内線登録データ(内線情報))を登録して管理する。ここで、内線番号とIPアドレスとは、主装置1の配下の当該電話端末に対して予め割り当てられているものである。また、ポート番号は、主装置1と当該電話端末との間において、情報の送受に用いるポートを特定する情報であり、当該情報も予め決められたものである。その他の情報として、例えば、URI(Uniform Resource Identifier)やMAC(Media Access Control)アドレス等についても登録して管理できる。
また、この実施の形態の主装置1の端末管理DB106において管理されるIP網6に接続された端末装置についての管理情報は、当該端末装置から送信されてくるURI(SIP URI)と、IPアドレスである。したがって、IP網6に接続された端末装置の場合には、内線番号に替えて、URIが管理される。この他、MACアドレス等の送信されてくる他の情報を管理することも可能である。なお、図5に示した例は、主装置1にLAN接続された電話端末についての格納データの一例を示している。
そして、この実施の形態の電話システムの電話端末3からIP網6に接続された端末装置に対する発信要求(発呼要求)を主装置1が受け付けたとする。この場合、主装置1の制御部120は、自己の端末管理DB106の管理情報に基づいて、目的とする相手先の端末装置を特定し、この特定した端末装置に対して、メッセージの転送を行う。また、IP網6や電話網7を通じて、LAN2に接続されている電話端末3に対する着信要求(外線着信)を主装置1が受け付けたとする。この場合、主装置1の制御部120は、送信されてきたメッセージを受け付けて、これを自システム内に送出する。
なお、外線着信であっても、例えば個別着信(着信先の電話端末を特定した着信)や、主装置1にLAN接続された電話端末間の内線の発着信の場合には、主装置1は相手先を特定して着信を通知する。この場合、主装置1の制御部120は、自己の端末管理DB106の管理情報に基づいて、目的とする相手先の電話端末3を特定し、この特定した電話端末3に対して、メッセージの転送を行う。
また、発信に際して、IP電話番号が用いられる場合には、図1には図示しなかったが、IP網6に接続されているゲートウェイやDNS(Domain Name System)が利用されて、IP電話番号からURIなどが検索されて用いられることになる。相手先から、この実施の形態の電話システムを構成する電話端末3に対して、IP電話番号を用いて電話をかける場合においても同様に、IP網6に接続されているゲートウェイやDNSが利用されて、IP電話番号からURIなどが検索されて用いられることになる。
このように、この実施の形態の主装置1は、パケット分解/生成部103や端末管理DB106を備え、主装置1が接続される種々のネットワークに接続される端末間のメッセージの中継を行うことができるものである。したがって、この実施の形態の主装置1は、外線−内線間の接続や内線間の接続を行ったり、通信回線の使用状況を配下の電話端末3に通知したりすることができるものである。
また、制御部120は、IP網I/F102、電話網I/F104、LANI/F107を通じて、使用中の通信回線や空いている通信回線を把握し、適切に回線交換を行うこともできるようにしている。また、制御部120は、把握した通信回線の使用状態等に応じて、LAN2を通じて接続される電話端末3毎に供給すべきLED等の点灯、消灯を制御するための制御情報を形成する。当該制御情報は、LANI/F107、接続端子108を通じてLAN2に送出され、各電話端末3等に送信される。
[通話音声の録音機能を実現する構成部分]
そして、通話音声ファイル109と、FK入力ファイル110と、FK設定データファイル111とは、ハードディスクなどの大容量記録媒体に作成され、この実施の形態のボタン電話システムの録音機能を実現するために用いられる種々のデータの蓄積部である。以下において、通話音声ファイル109と、FK入力ファイル110と、FK設定データファイル111とは、所定のハードディスクに作成されるものとして説明する。また、音声録音部112と、FKデータ管理部113と、録音データ再生部114とは、この実施の形態のボタン電話システムにおける録音機能を実現するために用いられる処理部である。
[通話音声ファイル109の格納データの例]
通話音声ファイル109は、通話単位の一連の通話音声データを記憶保持する。ここで、通話単位という文言は、上述もしたように、通信回線が接続されてから切断されるまでを1つの単位とすることを意味する。また、一連の通話音声データは、上述もしたように、通話音声をデジタルデータに変換することにより得られる音声データである。
図6は、通話音声ファイル109の格納データの例を説明するための図である。図6に示すように、通話音声ファイル109には、通話単位に一連の通話音声データが記録される。そして、通話音声ファイル109には、ヘッダ情報として、通話音声ファイルID、通話開始時日時、通話終了日時、発信元電話番号、発信元内線番号、着信先電話番号、着信先内線番号、会議端末番号1、会議端末番号2、通話音声データの記録開始アドレス、通話音声データの記録終了アドレスが付加される。
通話音声ファイルIDは、当該通話音声ファイルを一意に特定可能な識別情報である。通話開始時日時は、通話開始時において、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供する時間情報提供部115から取得される通話開始時点を示す日時情報である。通話終了日時は、通話終了時において、時間情報提供部115から取得される通話終了時点を示す日時情報である。したがって、通話開始日時が示す時点から通話終了日時が示す時点までの時間間隔が通話時間として把握できる。
発信元電話番号は、主装置1が自機への着信時において、発信元から通知を受けた発信元の電話番号である。同様に、発信元内線番号は、主装置1が自機への着信時において、発信元から通知を受けた発信元の内線番号である。この発信元内線番号は、主には内線通話時に利用される。着信先電話番号は、主装置1が収容する1以上の電話回線の内の着信を受け付けた電話回線に割り当てられている電話番号である。また、着信先内線番号は、主装置1を通じて受け付けた着信に応答した電話端末3に割り当てられている内線番号である。
会議端末番号1、会議端末番号2は、会議通話機能が用いられて、後から通話に参加するようにした主装置1の配下の電話端末の内線番号である。この実施形態においては、後から2つの電話端末3が通話に参加できるようにされているため、会議端末番号1、会議端末番号2の2つの格納領域が設けられている。
通話音声データの記録開始アドレスは、当該通話音声ファイルにおける通話音声データの記録媒体上の記録開始位置を示す情報である。通話音声データの記録終了アドレスは、当該通話音声ファイルにおける通話音声データの記録媒体上の記録終了位置を示す情報である。このようなヘッダ情報と共に、通話音声ファイルには、通話時に録音された通話音声データが記録されている。
そして、通話音声ファイル109は、通話音声の録音を行うようにされた通話単位に作成される。このため、図6において、通話音声ファイルID(1)、通話音声ファイルID(2)が示すように、通話単位に作成される通話音声ファイル109には、異なるファイルIDが付加されて所定のハードディスクに区別できるように蓄積される。
[FK入力ファイル110の格納データの例]
FK入力ファイル110は、検索用マークに関する情報(FK入力データ)を記憶保持する。このFK入力データは、通話音声が録音対象になっている通話に用いられている電話端末3から、フレキシブルキーFK1、FK2、FK3が操作されたことを示す情報が主装置1に提供された場合に形成される。図7は、FK入力ファイル110の格納データの例を説明するための図である。図7に示すように、FK入力ファイル110には、ヘッダ情報として、FK入力ファイルIDと、内線番号と、対応する通話音声ファイルの通話音声ファイルIDが付加される。
FK入力ファイルIDは、当該FK入力ファイルを一意に特定可能な識別情報である。内線番号は、フレキシブルキーが操作されたことを示す情報を主装置1に送信してきた電話端末3に割り当てられている内線番号である。対応する通話音声ファイルの通話音声ファイルIDは、当該電話端末3を用いて行われている通話において発生する通話音声データの記録先となっている通話音声ファイルを一意に特定する識別情報(通話音声ファイルID)である。このように、FK入力ファイル110は、通話音声ファイルごと、すなわち、録音対象となった一連の通話音声ごとであって、通話に用いられている電話端末3ごとに形成される。
そして、FK入力ファイル110には、通話音声が録音対象になっている通話に用いられている電話端末3の所定のフレキシブルキーが操作されるごとに、図7に示すように、「No.」、「記録アドレス」、「操作時刻」、「操作キー」、「その他」の各情報が記録される。「No.」は、記録対象の通話音声データに対するフレキシブルキーの操作時点(操作位置)に応じた番号である。このため、「No.」は、記録対象の通話音声データの先頭から近ければ小さな値となり、遠ければ大きな値となる。「記録アドレス」は、フレキシブルキーの操作時点に対応する通話音声データの記録先である通話音声ファイル109が作成されている記録媒体上の記録位置を示す情報である。
「操作時刻」は、フレキシブルキーの操作時点に対応する通話音声データの先頭からの時間を示す情報である。この操作時刻は、この実施形態では、後述する時間情報提供部115によって計測される、通話音声の録音開始からの経過時間として把握される。なお、「操作時刻」として、時間情報提供部115が提供する現在日時を用いるようにしてもよい。この場合には、通話音声の録音開始時点の日時情報をも保持しておくことによって、各操作時刻の時間間隔を求めて、これを用いるようにすることもできるし、録音終了後の適宜のタイミングにおいて、操作時刻を通話音声の録音開始時点からの経過時間に変換し、これを利用することも可能である。
「操作キー」は、操作されたフレキシブルキーは何かを示す情報である。「その他」の情報としては、例えば、通話音声データの録音時(記録時)に形成されたデータか再生時に形成されたデータかを示す情報などを付加して管理できる。「操作時刻」として、録音開始時からの経過時間を用いるのであれば、フレキシブルキーの実際の操作日時を示す情報を「その他」の情報として管理することもできる。この他にも種々の情報を付加して管理できる。
そして、図7に示す例の場合において、FK入力ファイルID1には、内線番号が「101」からの電話端末3からのフレキシブルキーの操作に応じた情報が格納されている。この場合の対応する通話音声データの格納先は、対応する通話音声ファイルの通話音声ファイルIDによって特定できる。当該FK入力ファイルID1には、通話音声データの記録アドレスが「XXXX…」であり、当該通話音声データの先頭からの再生時間に対応する操作時刻が「0時0分15秒」の時に、フレキシブルキーFK1が操作されたことが記録されている。また、通話音声データの記録アドレスが「YYYY…」であり、当該通話音声データの先頭からの再生時間に対応する操作時刻が「0時0分32秒」の時に、フレキシブルキーFK1が操作されたことが記録されている。
また、図7に示す例の場合において、FK入力ファイルID2には、内線番号が「102」からの電話端末3からのフレキシブルキーの操作に応じた情報が格納されている。この場合の対応する通話音声データの格納先は、対応する通話音声ファイルの通話音声ファイルIDによって特定できるようになっている。当該FK入力ファイルID2には、通話音声データの記録アドレスが「AAAA…」であり、当該通話音声データの先頭からの再生時間に対応する操作時刻が「0時0分10秒」の時に、フレキシブルキーFK2が操作されたことが記録されている。また、通話音声データの記録アドレスが「BBBB…」であり、当該通話音声データの先頭からの再生時間に対応する操作時刻が「0時0分45秒」の時に、フレキシブルキーFK1が操作されたことが記録されている。
このように、FK入力ファイル110は、通話単位に作成される通話音声ファイルごとであって、当該通話に用いられた電話端末3ごとに、フレキシブルキーが操作されることにより付加するようにされる検索用マークに関する情報(FK入力データ)が記録されて管理される。そして、FK入力ファイル110において管理されるFK入力データが、対応付けられている通話音声(録音された通話音声データ)に対する当該電話端末3用の検索用マークとなる。
[FK設定データファイル111の格納データの例]
FK設定データファイル111は、通話音声の録音機能に関連して使用を可能にするフレキシブルキーに対して設定された(割り当てられた)機能を示す情報を記憶保持する。図8は、FK設定データファイル111の格納データの例を説明するための図である。この実施形態においては、フレキシブルキーFK1に対しては、相手先の通話部分であることを示す検索用マークを付す機能を割り当てている。また、フレキシブルキーFK2に対しては、自分(主装置1に収容された電話端末3の使用者)の通話部分であることを示す検索用マークを付す機能を割り当てている。
また、フレキシブルキーFK3に対しては、その他の通話部分であることを示す検索用マークを付す機能を割り当てている。ここで、その他の通話部分は、例えば、会議通話機能を利用している場合において、目的とする通話の相手先と自分以外の通話者の通話部分を示す。具体的には、例えば、顧客Aによる外線からの着信に電話端末3(1)の使用者Bが応答して通話を開始し、当該通話の録音を開始した場合に、使用者Bだけでは対応できないために、会議通話機能を用いて他の電話端末3(2)の使用者Cを通話に参加させたとする。
この場合、電話端末3(1)の使用者Bから見ると、顧客Aが相手であり、使用者Bが自分であり、電話端末3(2)の使用者Cがその他(他の相手)ということになる。また、電話端末3(2)の使用者Cから見ると、顧客Aが相手であり、使用者Cが自分であり、電話端末3(1)の使用者Bがその他(他の相手)ということになる。なお、これは一例であり、通話の参加者に応じて、自分以外の相手先や他の相手先は変わる。
このように、FK設定データファイル111では、どのフレキシブルキーが操作された場合に、どのような検索用マークを付加するのかが管理される。このFK設定データファイル111で管理されている情報は、例えば、録音された通話音声の再生時において、付加されている検索用マークがどのような検索用マークなのかを使用者に通知する場合などに用いられることになる。
なお、図8に示したFK設定データファイル111の例は、主装置1に収容された全ての電話端末3(1)、3(2)、…において、同じ意味付けでフレキシブルキーが用いられる場合を示している。しかし、これに限るものではない。例えば、電話端末3(1)、3(2)、…のそれぞれごとに、フレキシブルキーに設定する機能を異ならせることもできる。この場合には、FK設定データファイル111において、電話端末3(1)、3(2)、…のそれぞれごとに、用いるフレキシブルキーと、設定する機能とを対応づけて管理するようにすればよい。
[通話音声の録音機能を実現する各処理部の説明]
次に、主装置1において、通話音声の録音機能を実現し、また、録音された通話音声の利用を可能する各処理部について説明する。
音声録音部112は、通話音声データの通話音声ファイル109への記録処理を行う。主装置1の配下の電話端末3が、IP網6や電話網7に接続された外部の電話端末と通信回線を接続した後、当該電話端末3から通話音声の録音の開始指示があると、音声録音部112は、まず、通話音声ファイル109を所定のハードディスクに作成する。そして、音声録音部112は、この作成した通話音声ファイル109に対して通話音声に応じた通話音声データを記録する処理を開始する。主装置1の配下の電話端末3が、主装置1の配下の他の電話端末と通信回線を接続した後、これらの内のどちらかの電話端末から通話音声の録音の開始指示があった場合にも、音声録音部112は、同様にして通話音声の録音を開始させることができる。
このように、この実施形態の電話システムでは、主装置1の配下の電話端末3であれば、通話時において通話音声の録音を開始させることができる。そして、音声録音部112は、図6を用いて説明したように、通話音声(通話音声データ)を所定のハードディスクに形成する通話音声ファイル109に記録する。この通話音声ファイル109は、通話単位に形成される。この場合、通話音声は、接続された通信回線に応じて、IP網I/F102あるいは電話網IF104を通じて取り込まれた通話音声と、LANI/F107を通じて取り込まれた通話音声との双方向の通話音声を含む。
なお、音声録音部112は、上述したように、制御部120の制御の下に機能し、通話単位に通話音声ファイル109を生成すると共に、通話音声ファイルIDを自動生成して、当該通話音声ファイル109のヘッダ部に付加する。また、音声録音部112は、通話開始日時や通話終了日時は、制御部120が時間情報提供部115から取得したものの提供を受けて、対応する通話音声ファイル109のヘッダ部に付加する。また、発信元電話番号や発信元内線番号などの種々の電話番号情報は、制御部120が発信元や着信先からの情報から抽出したものの提供を受けて、対応する通話音声ファイル109のヘッダ部に付加する。
また、通話音声の記録開始アドレスや記録終了アドレスは、通話音声ファイル109への通話音声データの記録処理時において、音声録音部112が、通話音声ファイル109が形成された所定のハードディスクから取得してヘッダ部に付加する。また、音声録音部112は、IP網I/F102やLANI/F107を通じて取り込まれたパケット化された通話音声データの場合には、パケット分解して所定の形式の通話音声データに変換するなどの処理をも行う。
FKデータ管理部113は、FK入力ファイル110の生成と、FK入力ファイル110への検索用マークに関する情報の記録と、FK入力ファイル110に記録されている検索用マークに関する情報の削除などの処理を行う。具体的に、FKデータ管理部113は、通話音声の録音対象となっている通話に用いられている主装置1の配下の電話端末3から最初にフレキシブルキーの操作情報を受け付けたとする。
この場合、FKデータ管理部113は、当該操作情報に応じて、所定のハードディスクにFK入力ファイル110を生成すると共に、FK入力データを整えて、これを当該FK入力ファイルに記録する。これ以降、FKデータ管理部113は、当該電話端末3からフレキシブルキーの操作情報を受け付けるごとに、FK入力データを整えて、これを当該FK入力ファイルに記録する。
また、FKデータ管理部113は、再生対象となっている録音された通話音声の再生を指示した電話端末3からのフレキシブルキーの操作情報に応じて、対応するFK入力ファイル110へのFK入力データの追加処理や削除処理を行う。これにより、通話音声の録音時には、録音される通話音声に対して検索用マークを付加することができる。また、録音された通話音声の再生時には、新たに検索用マークを追加したり、不要な検索用マークを削除したりできる。
録音データ再生部114は、主装置1の配下の電話端末3からの指示に応じて、録音された通話音声の再生処理を行う。また、時間情報提供部115は、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供する。また、時間情報提供部115は、上述もしたように、通話音声の録音機能が用いられているときには、通話音声の記録開始時点からの経過時間(当該通話音声データの先頭からの再生時間に対応する時間)を計測(カウント)し、これを提供する機能をも有する。
[当該電話システムで通話録音機能に関連する処理]
次に、上述した構成を有する主装置1と電話端末3とから構成されるこの実施形態の電話システムにおいて、通話録音機能により通話音声を録音したり、検索用マークを付加したり、また、録音した通話音声を利用したりする場合の処理について具体的に説明する。以下においては、(1)オンコール時の通話録音に関する処理と、(2)保留・転送が発生した場合の通話録音に関する処理と、(3)会議通話機能利用時の通話録音に関する処理とに分けて具体的に説明する。
なお、オンコールは、例えば、お客様からの問い合わせを受け付ける特定の電話番号への着信のように、用途の決まった特定の電話番号への着信を意味する。また、録音された通話音声の再生処理は、どのように録音されたものであっても基本的に同様に行わるので、(1)オンコール時の通話録音に関する処理の後に行われる場合を例にして説明することとする。
[(1)オンコール時の通話録音に関する処理]
図9は、オンコール時の処理の一例を説明するためのシーケンス図である。主装置1に収容されている複数の電話番号の内、例えば、お客様からの問い合わせを専用に受け付けるために設けられた所定の電話番号に対して着信が発生し(ステップS1)、主装置1の配下の複数の電話端末3(1)、3(2)、…に着信を通知したとする(ステップS2)。そして、着信が通知された電話端末3(1)、3(2)、…の内の1つの電話端末3の使用者がオフフック操作を行って(ステップS3)、当該着信に応答したとする。この場合、当該電話端末3の制御部320は、着信応答を形成し、これを主装置1に送信する(ステップS4)。
電話端末3からの着信応答を受け付けた主装置1は、発呼元と着信に応答した電話端末3との間に通信回線を接続し、通話できる状態を整える(ステップS5)。これにより、発呼元の使用者と当該電話端末3の使用者との間で通話ができるようにされる。そして、電話端末3の使用者が、発呼元との間で行った通話から、受け付けた着信はお客様からの問い合わせであり、多少複雑な内容を含むため、念のため通話音声を録音しておこうと判断したとする。この場合、当該電話端末3の使用者は、当該電話端末3の操作入力部311に設けられている録音ボタンを押下操作することにより、録音開始指示を電話端末3に入力したとする(ステップS6)。
録音開始指示を受け付けた電話端末3の制御部320は、通話音声の録音開始要求を形成し、これを主装置1に送信する(ステップS7)。通話音声の録音開始要求を受信した主装置1は、制御部120が録音開始応答を形成し、これを要求元の電話端末3に対して返送する(ステップS8)。そして、制御部120は、音声録音部112を制御して、主装置1を介して通信回線が接続された発呼元の電話端末と、着信先の電話端末3との間で送受される通話音声(通話音声データ)を所定のハードディスクに形成される通話音声ファイル109に記録する処理を開始させる(ステップS9)。
なお、上述したように、所定の電話番号への着信に対して主装置1の配下の電話端末3が応答した場合に、主装置1において自動的に通話音声の録音を開始させるようにすることも可能である。しかし、この実施形態においては、説明を簡単にするため、電話端末3の使用者から録音開始指示を受け付けた場合に、通話音声の録音を開始させる場合を例にして説明する。
ステップS9の処理において、通話音声の録音が開始された後においては、通話に用いられている電話端末3を通じて、録音対象の通話音声に対して検索用マークを付加することができる。図9に示すように、通話を行っている電話端末3の使用者は、必要に応じて、フレキシブルキーFK1、FK2、FK3のいずれかを操作する(ステップS10)。この場合、電話端末3の制御部320は、内線番号、操作されたフレキシブルキーを特定する情報などを含むフレキシブルキー情報(以下、FK情報と略称する。)を形成して、主装置1に送信する(ステップS11)。
FK情報を受信した主装置1では、制御部120の制御の下、FKデータ管理部113が機能し、検索用マークを付加する処理を実行する(ステップS12)。このステップS12では、上述もしたように、制御部120の制御の下、FKデータ管理部113が機能し、操作されたフレキシブルキーに応じて、FK入力データを生成し、これを対応するFK入力ファイル110に記録する処理を行う。なお、対応するFK入力ファイル110が所定のハードディスクに存在しない場合には、FKデータ管理部113が、これを形成する処理も行う。
そして、図9において、点線で囲んで示したステップS10〜ステップS12までの処理は、繰り返し行うことができる。したがって、通話中においては、通話に用いている電話端末3を通じて、録音対象の通話音声に対して、使用者が必要と判断した複数の箇所に検索用マークを付加することができる。また、上述もしたように、検索用マークを付加するために操作する複数のフレキシブルキーのそれぞれには、異なる機能が割り当てられている。
すなわち、フレキシブルキーFK1には相手先の通話部分に対して、フレキシブルキーFK2には自分の通話部分に対して、フレキシブルキーFK3にはその他の通話部分に対して、それぞれ検索用マークを付加する機能が割り当てられている。このため、フレキシブルキーFK1、FK2、FK3を使い分けることによって、話者に応じて異なる検索用マークを付加することができる。これにより、相手の通話部分だけを再生して聴取したり、電話端末3の使用者(自分)の通話部分だけを再生して聴取したりするなどといったことが可能となる。
そして、当該通話が終了し、例えば、通話の相手が用いている電話端末に対してオンフック操作を行うと、当該相手先からは主装置1に対して通話終了要求が送信されて来る(ステップS13)。主装置1は、当該通話終了要求を当該相手と通話を行っていた配下の電話端末3に送信する(ステップS14)。この後、主装置1は、当該相手先の電話端末と、自機の配下の電話端末3との間で接続していた通信回線を解放し(ステップS15)、通話録音を終了させる(ステップS16)。もちろん、主装置1の配下の電話端末3が、相手先よりも先にオンフック操作を行う場合もあり、この場合には主装置1が相手先に通話終了要求を送信して通信回線を解放することになる。
また、この実施形態の主装置1は、FK入力ファイル110に格納されている検索用マーク(FK入力データ)を、対応する通話音声ファイル109に付加する処理を行う(ステップS17)。このようにすることにより、検索用マーク(FK入力データ)と通話音声データとを1つのファイルで管理でき、バックアップを適切に行うと共に、後々の利用をしやすくできる。
なお、以下の説明では、通話音声ファイル109とこれに対応して形成されたFK入力ファイル110とが主装置1に存在しているものとして説明する。すなわち、ステップS17で行われる処理は必須の処理ではなく、確実に通話音声ファイル109とこれに対応して形成されたFK入力ファイル110とが存在する状態を維持できるようにしておけばよい。
次に、図9に示したステップS10〜ステップS12の処理が繰り返し行われることにより、着信に応答した主装置1の配下の電話端末3を通じて、録音対象の通話音声に対して、検索用マークを付加する場合の処理の具体例を説明する。図10は、録音対象の通話音声に対して、検索用マークを付加する場合の処理の具体例を説明するための図である。図10においては、矢印で示したように、図の横方向を時間軸とし、左上端部がオンコールに対する着信応答位置(着信応答を行った時点)である。また、図10においては、右下端部に、この例では発呼元がオンフックを行うことにより、通信回線が解放された位置(時点)が存在し、その後に通話音声の録音を終了させた位置(時点)が存在している。
そして、図10の左上端部に示したように、主装置1の配下の電話端末3の使用者が、オンコールの着信に応答する操作を行うことにより、発呼元の電話端末と主装置1の配下の当該電話端末3との間に通信回線が接続されて、通話が可能になる。当該電話端末3の使用者は、接続された通信回線を通じて通話を行うことにより、発呼元(相手)の要件を聴取する。ここで、相手の要件が、例えば自社の取り扱い製品についての問い合わせであり、当該電話端末3の使用者が、通話音声を録音しておく必要があると判断したとする。
この場合、電話端末3の使用者は、図10に示すように、操作時点t1において、録音開始操作を行うと共に、録音される相手の通話音声部分に検索用マークを付加するためにフレキシブルキーFK1を押下操作したとする。録音開始操作は、電話端末3の操作入力部311の録音ボタンを押下する操作である。これにより、図9を用いて説明したように、録音開始要求が当該電話端末3から主装置1に送信される。この場合、主装置1において音声録音部112が機能し、通話音声ファイル109(図6)を作成して、当該通話音声ファイル109に通話音声を録音する処理を開始する。
さらに、図9を用いて説明したように、フレキシブルキーFK1の押下操作により、FK情報が主装置1に送信される。この場合、主装置1においてFKデータ管理部113が機能し、FK入力ファイル110(図7)を作成して、電話端末3の使用者によるフレキシブルキーの操作に応じてFK入力データを形成し、当該FK入力ファイル110に記録する処理を開始する。FK入力ファイル110は、図7を用いて説明したように、通話音声ファイルごとであって、主装置1の配下のフレキシブルキーの操作が行われた電話端末3ごとに形成される。
このようにして、通話音声の録音が開始され、通話音声ファイルごとであって、主装置1の配下の電話端末3ごとに、電話端末3の使用者によるフレキシブルキーの押下操作に応じて検索用マークを付加することができる。そして、操作時点t1においては、当該電話端末3の使用者によってフレキシブルキーFK1が操作されたことを示すFK入力データ(検索用マーク)が主装置1のFKデータ管理部113において形成され、これがFK入力ファイル110に記録される。
そして、通常、相手からの問い合わせなどを聴取した後においては、当該電話端末3の使用者が、相手に対して回答したり、適切な回答をするために相手に対して質問を行ったりする。当該電話端末3の使用者は、自分の通話音声部分には、相手の通話音声部分に付加する検索用マークとは異なる検索用マークを付加する。
このため、図10の操作時点t2に示すように、当該電話端末3の使用者は、自分が主に話す部分(自分の通話音声部分)では、フレキシブルキーFK2を押下操作する。これにより、操作時点t2においては、当該電話端末3の使用者によってフレキシブルキーFK2が操作されたことを示すFK入力データ(検索用マーク)が主装置1のFKデータ管理部113において形成され、これがFK入力ファイル110に記録される。
この後においても、当該電話端末3の使用者は、通話の相手が主に話す部分ではフレキシブルキーFK1を、自分が主に話す部分ではフレキシブルキーFK2を押下操作する。そして、図10に示した例の場合、当該電話端末3の使用者は、操作時点t3においてフレキシブルキーFK1を押下操作し、操作時点t4においてはフレキシブルキーFK2を押下操作し、操作時点t5においてはフレキシブルキーFK1を押下操作したことが示されている。
このため、図10に示した例の場合には、操作時点t3においては、当該電話端末3の使用者によってフレキシブルキーFK1が操作されたことを示すFK入力データ(検索用マーク)が主装置1のFKデータ管理部113において形成され、これがFK入力ファイル110に記録される。また、操作時点t4においては、当該電話端末3の使用者によってフレキシブルキーFK2が操作されたことを示すFK入力データ(検索用マーク)が主装置1のFKデータ管理部113において形成され、これがFK入力ファイル110に記録される。また、操作時点t5においては、当該電話端末3の使用者によってフレキシブルキーFK1が操作されたことを示すFK入力データ(検索用マーク)が主装置1のFKデータ管理部113において形成され、これがFK入力ファイル110に記録される。
この後、通話が終了し、例えば発呼元の電話端末においてオンフック操作されることにより、通話終了要求が主装置1に提供され、図10の右下端部に示すように、通信回線が解放され、通話音声の録音処理が終了する。通話音声の録音の終了は、通話音声ファイル109、FK入力ファイル110もクローズされる。これにより、図10の左上部に示した録音開始操作が行われた操作時点t1から、図10の右下端部に示した録音終了時点までの通話音声が、1つの通話音声ファイル109に格納される。また、操作時点t1、t2、t3、t4、t5において形成された5つのFK入力データが、1つのFK入力ファイル110に格納されて管理される。
そして、図6、図7を用いて説明したように、通話音声ファイル109とFK入力ファイル110とは、通話音声ファイル109のファイルIDによって紐付けられている。このため、FK入力ファイル110に格納されているFK入力データは、対応付けられている通話音声ファイルに格納されている通話音声データに対する検索用マークとなっている。
[録音された通話音声の再生処理]
次に、図9、図10を用いて説明した処理を通じて、主装置1の通話音声ファイル109に録音された通話音声の再生処理について説明する。図11は、録音された通話音声の再生処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
主装置1の配下の電話端末3の使用者は、当該電話端末3を用いた通話時において録音した通話音声を聴取する場合には、電話端末3の操作入力部311に設けられた再生ボタンを押下操作する(ステップS21)。この場合、当該電話端末3の制御部320は、録音された通話音声の再生要求を形成し、これを主装置1に送信する(ステップS22)。当該再生要求は、当該電話端末3の内線番号を含むものである。
当該再生要求を受信した主装置1では、制御部120の制御の下、録音データ再生部114が機能し、当該再生要求に含まれる内線番号を、発信先内線番号、着信先内線番号、会議端末番号1、会議端末番号2のいずれかに含む通話音声ファイル109を特定する。そして、録音データ再生部114は、特定した通話音声ファイル109に格納されている通話音声データを読み出して、再生要求元の電話端末3に送信する処理を開始する(ステップS23)。これにより、特定された通話音声ファイル109に格納されている通話音声データが、再生要求元の電話端末3に送信される(ステップS24)。
なお、再生要求元の電話端末3の内線番号を、発信先内線番号、着信先内線番号、会議端末番号1、会議端末番号2のいずれかに含む通話音声ファイル109が多数存在したとする。この場合、録音データ再生部114は、抽出した通話音声ファイル109の一覧リストを作成し、再生要求元の電話端末3に提供する。通話音声ファイル109の当該一覧リストは、通話音声ファイルID、通話開始日時、発信元を示す情報、着信先を示す情報を含むものである。
また、後述する会議通話機能が用いられていた場合の通話音声ファイル109の場合には、会議端末番号1に応じた情報や会議端末番号2に応じた情報も含められる。ここで、発信元を示す情報、着信先を示す情報、会議端末番号1に応じた情報、会議端末番号2に応じた情報のそれぞれは、電話番号や内線番号、あるいは、電話番号や内線番号に対応して登録されている氏名や名称などである。
すなわち、主装置1の例えばRAMなどの記録媒体に作成されている電話帳に、発信元や着信先の電話番号、発信元や着信先の内線番号、会議端末番号1、2に格納されている内線番号が登録されているとする。この場合には、これらに対応して登録されている氏名や名称などの情報が、発信元を示す情報、着信先を示す情報、会議端末番号1に応じた情報、会議端末番号2に応じた情報となる。当該電話帳に対応する電話番号や内線番号が登録されていないとする。この場合には、対応する電話番号や内線番号がそのまま、発信元を示す情報、着信先を示す情報、会議端末番号1に応じた情報、会議端末番号2に応じた情報として用いられる。
このような、通話音声ファイルの一覧リストの提供を受けた再生要求元の電話端末3は、当該一覧リストの情報をディスプレイ314に表示させ、操作入力部311の所定の操作キーが操作されることによりスクロール表示できる。そして、電話端末3の使用者は、目的とする通話音声ファイルについての情報がディスプレイ314に表示された状態にあるときに、操作入力部311の再生ボタンを操作する。これにより、電話端末3の制御部320は、自機に割り当てられている内線番号と、当該通話音声ファイルの通話音声ファイルIDを含む再生要求を形成し、これを主装置1に送信する。
主装置1の録音データ再生部114は、制御部120の制御の下、当該再生要求に含まれる通話音声ファイルIDにより特定される通話音声ファイルから通話音声データを順次に読み出して、これを要求元の電話端末3に送信する(ステップS23、ステップS24)。
当該電話端末3では、主装置1からの通話音声データをLAN接続端子301、LANI/F302を通じて受信する。そして、受信した通話音声データをパケット処理部303でパケット分解し、通話音声入出力I/F304でアナログ音声信号に変換してハンドセット306に供給し、ハンドセット306から再生音声を放音する(ステップS25)。これにより、電話端末3の使用者は、当該電話端末3を用いた通話時に録音した目的とする通話音声を再生して聴取できる。
このようにして、録音された通話音声の再生が開始された後においては、録音時に付加した検索用マークを利用した目的とする再生位置の検索処理を行うことができる。この実施形態の電話端末3では、通話音声の再生時においては、時間が進む方向へのジャンプキー(前方ジャンプキー)と、時間が戻る方向へのジャンプキー(後方ジャンプキー)と、早送りキーと、早戻しキーとのそれぞれの機能が、異なる数字キー割り当てられる。
前方ジャンプキーは、現在の再生位置から時間が進む方向に向かって最初に付加されている検索用マークが示す位置まで再生位置をジャンプさせる(進める)ためのものである。また、後方ジャンプキーは、現在の再生位置から時間が戻る方向に向かって最初に付加されている検索用マークが示す位置まで再生位置をジャンプさせる(戻す)ためのものである。
この実施形態の電話端末3においては、「5」の数字キーを挟む4つの数字キーに対して、上述した検索用に用いる機能キーを割り当てる。具体的には、「2」の数字キーに前方ジャンプキーの機能を割り当て、「8」の数字キーに後方ジャンプキーの機能を割り当てる。また、「4」の数字キーに早戻しキーの機能を割り当て、「6」の数字キーに早送りキーの機能を割り当てる。
そして、録音した通話音声の再生処理時において、録音された通話音声において、目的とする再生位置を検索する場合には、前方ジャンプキー、後方ジャンプキー、早送りキー、早戻しキーを操作することにより、検索指示を入力する(ステップS26)。この場合、電話端末3の制御部320は、当該電話端末3の内線番号と操作された数字キーを特定する情報とを含む検索要求を形成し、これをLANI/F302及びLAN接続端子301を通じて主装置1に送信する(ステップS27)。
主装置1の制御部120は、LANへの接続端子108及びLANI/F107を通じて、電話端末3からの検索要求を受け付けると、当該検索要求に含まれる操作キーを特定する情報に基づいて、具体的な要求内容を特定する。すなわち、前方ジャンプ要求なのか、後方ジャンプ要求なのか、早送り要求なのか、早戻し要求なのかを特定する。そして、制御部120は、特定した要求に応じた処理を行うように、録音データ再生部114を制御して、電話端末3からの検索要求に応じた処理を実行する(ステップS28)。
ここで、制御部120と録音データ再生部114とによって行われる検索処理の具体例を説明する。例えば、電話端末3からの検索要求が、前方ジャンプキー(「2」の数字キー)が押下操作されることにより形成された前方ジャンプ要求であったする。この場合、制御部120は、電話端末3からの検索要求に含まれる内線番号と再生中の通話音声ファイルのファイルIDをヘッダ部に有するFK入力ファイルを参照する。
そして、制御部120は、録音データ再生部114から提供される現在の再生位置に対応する再生アドレスを基準にして、時間が進む方向に付けられている検索用マークの内、最初に付加されている検索用マークを特定する。そして、制御部120は、特定した検索マーク(FK入力データ)の記録アドレスを取得し、当該記録アドレスが示す位置まで再生位置をジャンプさせる指示を録音データ再生部114に提供する。
録音データ再生部114は、制御部120の制御に基づき、検索用マークとしてのFK入力データの記録アドレスにより指示される通話音声ファイル109の記録位置に再生位置を位置付けて、録音された通話音声の再生を行う。すなわち、録音データ再生部114は、再生中の通話音声ファイル109について、記録アドレスにより示される位置まで、再生位置を移動させ、新たに指示された位置から通話音声データを読み出して、これを要求元の電話端末3に送信する処理を行う。
このような一連の処理が、図11のステップS28において行われることになる。なお、ここでは、前方ジャンプを行う場合を説明したが、後方ジャンプを行う場合にも同様にして行うことができる。前方ジャンプと後方ジャンプとでは、現在の再生位置を基準にして、時間が進む方向に向かって検索用マークを探すのか、時間が戻る方向に向かって検索用マークを探すのかの違いがあるだけである。
また、早送りキーが操作された場合には、再度、早送りキーが操作されるまで、再生位置を高速に時間が進む方向に向かって移動させる処理が行われる。同様に、早戻しキーが操作された場合には、再度、早戻しキーが操作されるまで、再生位置を高速に時間が戻る方向に向かって移動させる処理が行われる。したがって、早送りキー、早戻しキーを操作しながら再生位置を調整し、調整した位置からの通話音声の再生音声を聴取するようにして、目的とする通話内容の通話音声データを検索し、目的する通話内容の通話音声を再生して聴取できる。
また、例えば、前方ジャンプキー(「2」の数字キー)の押下操作に応じて、再生位置をジャンプさせるために用いられた検索用マークが、フレキシブルキーFK1が押下操作されることにより相手の通話音声部分に付けられていたものであるとする。この後において、この実施形態の電話端末3では、いわゆるダブルクリックの要領で前方ジャンプキーを2回連続して押下操作すると、フレキシブルキーFK1が操作されることにより付加された次の検索用マークが示す位置に再生位置をジャンプさせることができる。
この場合、FKデータ管理部113は、直前に用いられた検索用マークと同じ操作キーが操作されて付加された検索用マークであって、時間が進む方向に次に位置する検索用マーク(FK入力データ)を、現在用いているFK入力ファイルから特定する。そして、特定した検索用マーク(FK入力データ)の記録アドレスが示す位置に再生位置を位置付ける処理を行う。このように、フレキシブルキーFK1が操作されて相手の通話音声部分に付加された検索用マークだけを辿るように、再生位置をジャンプさせることができる。
もちろん、後方ジャンプキー(「8」の数字キー)を押下操作した場合にも、同様の処理を行うことができる。すなわち、後方ジャンプキーを押下操作した場合の処理と前方ジャンプキーを押下操作した場合の処理は、再生位置の検索方向が異なるだけで同様の処理が行われる。また、前方ジャンプキーや後方ジャンプキーの押下操作に応じて、再生位置をジャンプさせるために用いられた検索用マークが、例えば、フレキシブルキーFK2やフレキシブルキーFK3が押下操作されることにより付加されたものある場合にも同様に処理できる。
また、ステップS26〜ステップS28の処理は、繰り返し行うことができる。すなわち、前方ジャンプキー(「2」の数字キー)や後方ジャンプキー(「8」の数字キー)を繰り返し操作することにより、指示された方向へ次の検索用マークが示す位置に順次にジャンプさせることができる。また、早送りキー(「6」の数字キー)や早戻しキー(「4」の数字キー)を繰り返し操作することにより、早送りや早戻しの開始、終了を繰り返すようにして、目的する再生位置の検索を容易に行うことができるようにされる。
さらに、この実施形態の電話システムでは、録音された通話音声の再生時においても、通話中の場合と同様にして、録音された通話音声に対して検索用マークを追加して付加することができる。すなわち、録音した通話音声の再生時においても、必要に応じて、録音された通話音声を再生して聴取するようにしている電話端末3を通じて、検索用マークを付す機能が割り当てられたフレキシブルキーFK1、FK2、FK3を操作する(ステップS29)。これに応じて、電話端末3の制御部320において、FK情報が生成され、これが主装置1に送信される(ステップS30)。主装置1では、電話端末3からのFK情報を受信すると、制御部120がFKデータ管理部113を制御して、FK入力データを形成し、これを対応するFK入力ファイル110に追加記録する処理を行う(ステップS31)。
ステップS31において、FKデータ管理部113は、録音データ再生部114を通じて、FK情報が提供された時点における録音された通話音声データの再生アドレスを取得する。この再生アドレスをFK入力データにおける記録アドレスとして用いてFK入力データを生成して、FK入力ファイル110に追加記録する。この場合、FK入力ファイル110へのデータ追加に際しては、記録アドレスに従った順番で記録される。このように、図11に示したステップS29〜ステップS31の処理は、図9に示したステップS10〜ステップS12に対応する処理である。そして、図11に示したステップS29〜ステップS31の処理もまた、必要に応じて繰り返し行うことができる。
そして、図11において、ステップS29〜ステップS31の処理により、検索用マークの追加処理を行った後においては、ステップS26〜ステップS28の処理を繰り返すこともできる。すなわち、図11において、点線で囲んで示した、ステップS26〜ステップS28までの一連の処理と、ステップS29〜ステップS31の一連の処理は、録音された通話音声の再生処理時において、必要に応じて繰り返し行うことができる。従って、ステップS29〜ステップS31までの処理により、検索用マークを追加して付加した後に、再度、ステップS26〜ステップS28までの処理を繰り返すことにより、再生位置の検索を行うこともできる。
この後、録音された通話音声の再生処理を通じて、録音された通話内容の確認が終了した場合には、電話端末3の使用者はオンフック操作を行う(ステップS32)。これにより、主装置1と当該電話端末3との間に接続されていた通信回線が解放される(ステップS33)。そして、主装置1の制御部120は、録音データ再生部114を制御して録音された通話音声の再生処理を終了させる(ステップS34)。
[検索用マークの削除処理]
なお、録音した通話音声に対して付加した検索用マークを削除したい場合もある。録音した通話音声の再生処理時において、電話端末3の使用者は、上述したように、前方ジャンプキーや後方ジャンプキーを押下操作して、付加した検索用マークの記録アドレスが示す位置に再生位置を位置付けて、録音した通話音声を再生して聴取する。そして、聴取した当該通話音声部分にはあまり意味がなく、再生位置の位置付けのために直前に用いた検索用マークは削除した方がよいことが判明したとする。
この場合、録音された通話音声を聴取している電話端末3の使用者が、当該電話端末3に対して所定の操作を行うことによって、再生位置の位置付けのために直前に用いた検索用マークを削除できる。この実施形態の電話システムにおいては、例えば、フレキシブルキーFK8を、付加した検索用マークを削除するための削除キーとして用いる。したがって、上述したように、再生位置の位置付けのために直前に用いた検索用マークを削除したい場合には、索用マークの削除機能を割り当てたフレキシブルキーFK8を押下操作する。
フレキシブルキーFK8が押下操作された電話端末3は、フレキシブルキーFK8が操作されたことを示すFK情報を形成し、主装置1に送信する。フレキシブルキーFK8が操作されたことを示すFK情報を受信した主装置1では、制御部120がFKデータ管理部113を制御して、対応するFL入力ファイルから直近に再生位置の位置付けに用いられたFK入力データ(検索用マーク)を削除する。このようにして、不要になった検索用マークを削除できる。
なお、削除に先立ち、主装置1から、直前に用いた検索用マークを削除してよいかどうかの確認メッセージを要求元の電話端末3に送信する。そして、当該電話端末3から例えば再度、フレキシブルキーFK8を押下操作することにより送信されてくる確認応答を受信した場合に、当該検索用マークを削除するというように、検索用マークの削除を行うようにすることもできる。
[通話音声の録音時と再生時における検索用マークに関する表示]
また、この実施形態の電話システムでは、通話音声の録音時や録音した通話音声の再生時においては、直前に付加したり、利用するようにしたりした検索用マークに関する情報を、電話端末3のディスプレイ314に表示できる。図12は、検索用マークに関する情報の電話端末3のディスプレイ314への表示例を説明するための図である。
[通話音声の録音中における電話端末3のディスプレイ314への表示例]
まず、通話音声の録音中における電話端末3のディスプレイ314への情報表示について説明する。主装置1の配下の電話端末3を用いて通話を行っている場合に、通話音声を録音するようにすると、図12(A)に示すような表示を当該電話端末3のディスプレイ314に表示させることができる。図12(A)の表示例においては、最上段に「通話中であることを示す表示」と「通話時間」とが表示される。図12(A)の表示例において、通話時間は、通話開始から「0時間1分46秒」経過していることが示されている。これらの表示は電話端末3の制御部320の機能により行うことができる。また、「通話時間」は、通話開始からの経過時間であり、図2には図示しなかったが、電話端末3が備える時間情報提供部(いわゆる時計回路)の機能を用いて計測して表示できる。
そして、通話音声の録音中において、上述したようにフレキシブルキーFK1、FK2、FK3を操作することにより検索用マークを付加するようにした場合には、検索用マークに関する情報を表示する。図12(A)の表示例は、検索用マークに関する情報として、「No.」、「付与時刻」、「付与マーク」を、これらの見出しと共に表示する場合を示している。
ここで、「No.」は、録音中の通話音声に対して、当該通話音声の先頭位置から何番目に付加された検索用マークかを示す情報である。「付与時刻」は、録音中の通話音声の録音開始時点からの経過時間に対応し、FK入力データの生成時において、FKデータ管理部113によって時間情報提供部115によって計測される時間が用いられる。また、「付与マーク」は、当該電話端末3からのFK情報により通知された操作されたフレキシブルキーを示す情報である。これらの情報は、主装置1から当該電話端末3に提供されて利用される。
すなわち、主装置1の制御部120は、図9に示したステップS12の処理において、検索用マークを付加する処理を行った場合に、付加した検索用マークに関する情報として、「No.」、「付与時刻」、「付与マーク」を、当該電話端末3に提供する。そして、当該電話端末3では、主装置1からの情報を、ディスプレイコントローラ313を通じてディスプレイ314に表示する。そして、図12(A)に示した例の場合には、録音対象の通話音声の先頭から1番目であって、当該通話音声の先頭からの経過時間が「0時間0分35秒」の位置に、フレキシブルキーFK1(相手)が操作されて、検索用マークが追加付加されたことが示されている。
また、図12(A)に示した表示例の場合には、ディスプレイ314の下端部に操作できるフレキシブルキーを示す情報が表示されている。すなわち、フレキシブルキーFK1は相手の通話部分に対して、また、フレキシブルキーFK2は自分の通話部分に対して、また、フレキシブルキーFK3は、その他の通話部分に対して、検索用マークを付加する場合に操作できることを示している。
これにより、録音中の通話音声に対して、幾つの検索用マークを付加したか、また、最新に付加した検索用マークは、通話音声の録音の開始からどの位経過した位置に、どのフレキシブルキーが操作されて付加されたものかを、当該電話端末3の使用者に通知できる。
[通話音声の再生中における電話端末3のディスプレイ314への表示例]
次に、録音された通話音声の再生中における電話端末3のディスプレイ314への情報表示について説明する。図12(B)は、検索用マークを利用して再生位置の検索を行った場合の表示例であり、図12(C)は、検索用マークを追加するようにした場合の表示例である。
上述もしたように、録音された通話音声の再生時において、前方ジャンプキーや後方ジャンプキーを操作することにより、再生対象の通話音声に対して付加するようにされている検索用マークを用いて、再生位置をジャンプさせるようにしたとする。この場合、図12(B)に示すような表示を当該電話端末3のディスプレイ314に表示させることができる。
図12(B)の表示例においては、最上段に、録音した通話音声の「再生中」であることを示す表示と、録音された通話音声の先頭からの再生時間を示す表示と、録音された通話音声の全体の録音時間を示す表示とがされている。「再生中」の表示は、電話端末3の制御部320の機能により行うことができる。また、再生時間と録音時間とは、主装置1からの情報に基づいて表示できる。図12(B)の表示例においては、再生時間は「0時間0分40秒」であり、録音時間は「0時間6分23秒」であることが示されている。
そして、録音した通話音声の再生中において、前方ジャンプキーや後方ジャンプキーを用いて再生位置をジャンプさせたときには、当該操作によって再生位置の位置付けに用いられた検索用マーク(FK入力データ)に関する情報を表示する。図12(B)の表示例においても、図12(A)に示した通話時の場合と同様に、検索用マークに関する情報として、「No.」、「付与時刻」、「付与マーク」を、これらの見出しと共に表示する場合を示している。
この場合の検索用マークに関する情報は、前方ジャンプキーや後方ジャンプキーを用いて再生位置をジャンプさせたときに用いられた検索用マークに関する情報が表示される。そして、図12(B)に示した表示例の場合には、「No.」が「01」で、「付与時間」が「0時間0分35秒」で、「付与マーク」が「FK1(相手)」であることが表示されている。これは、直近においては、再生対象の通話音声の先頭から1番目であって、当該通話音声の先頭からの経過時間が「0分35秒23」の位置に、フレキシブルキーFK1が操作されて付与さえた検索用マークが用いられて、再生位置が位置付けられたことが示されている。したがって、付与時刻と再生時間とを見れば、用いられた検索用マークからどの位離れた位置が現在の再生位置であるかを使用者が認識できる。
そして、録音した通話音声の再生中においても、上述したようにフレキシブルキーFK1、FK2、FK3を操作することにより検索用マークを追加して付加できる。この場合には、追加して付加した県検索用マークに関する情報を表示する。図12(C)は、録音した通話音声の再生中に検索マークを付加する操作を行った場合に電話端末3のディスプレイ314への表示例を示している。
図12(C)の表示例に場合にも、最上段に、録音した通話音声の「再生中」であることを示す表示と、録音された通話音声の先頭からの再生時間を示す表示と、録音された通話音声の全体の録音時間を示す表示とがされている。図12(C)の表示例においては、再生時間は「0時間0分57秒」であり、録音時間は「0時間6分23秒」であることが示されている。
また、図12(C)の表示例に場合にも、図12(A)、(B)の場合と同様に、検索用マークに関する情報は、「No.」、「付与時刻」、「付与マーク」である。そして、図12(C)に示したように、付与マークの表示には、再生時において追加した検索用マークでありことを示すために、「追加」の文字が付されている。これらの情報も、通話音声の録音時の場合と同様に、主装置1からの情報に基づいて、電話端末3のディスプレイ314に表示できる。
そして、図12(C)に示した例の場合には、再生対象の通話音声の先頭から2番目であって、当該通話音声の先頭からの経過時間が「0時間0分51秒」の位置に、フレキシブルキーFK2が操作されて、検索用マークが追加付加されてことが示されている。この例の場合にも、付与時刻と再生時間とを見れば、追加付与された検索用マークからどの位離れた位置が現在の再生位置であるかを使用者が認識できる。
また、図12(B)、(C)に示した録音された通話音声の再生時においても、ディスプレイ314の下端部に操作できるフレキシブルキーを示す情報が表示されている。そして、再生時においては、録音時にはなかった検索用マークの削除キーとしてフレキシブルキーFK8が操作可能であることも示されている。
このように、通話音声の録音時や録音した通話音声の再生時においては、付加した検索用マークに関する情報や最新に再生位置の検索に用いた検索用マークに関する情報を表示できる。したがって、録音や再生の対象である通話音声における、検索用マークの付加位置やどのような検索マークを付加したのか、あるいは、付加されているのかを、電話端末3の使用者が正確に認識できる。これにより、検索用マークを付加する頻度を適切にともったり、また、再生位置を適切に把握したりすることが可能となる。
[(2)保留・転送が発生した場合の通話録音に関する処理]
次に、保留・転送が発生した場合の通話録音に関する処理について説明する。上述したオンコール時の通話録音に関する処理では、発呼元と主装置1の配下の電話端末3との間でのみ通話を行っていた。しかし、例えば、当該電話端末3の使用者だけでは対応できない場合もあれば、別の専門の担当者が対応した方がよい場合もある。このような場合には、一般に、保留・転送が行われる。そして、この実施形態の電話システムでは、保留・転送が行われた場合でも、適切に通話音声の録音を行うことができる。
図13、図14は、保留・転送が発生した場合の通話録音に関する処理について説明するためのシーケンス図である。まず、図13において、点線で囲んで示したように、図9のステップS1〜ステップS12と同様の処理が行われて、発呼元の電話端末と主装置1の配下の電話端末3(1)との間に通信回線が接続されて、通話音声の録音が開始されたとする。すなわち、主装置1では、通話音声ファイル109が作成されて通話音声の録音が開始されている。また、電話端末3(1)の使用者のフレキシブルキーの操作に応じて、FK入力ファイル110が形成されて、これにフレキシブルキー操作に応じて形成されるFK入力データが記録される処理が開始されている。
この後、相手からの問い合わせが専門的であり、電話端末3(1)の使用者では十分に対応できないために、当該通信回線を保留し、当該問い合わせに対応可能な部署の電話端末3(N)に転送する必要が生じたとする。この場合、電話端末3(1)の使用者は、相手先に専門の部署に電話を回すことの了解を得て、電話端末3(1)の操作入力部311の保留ボタンを押下する保留操作を行う(ステップS41)。この保留操作に応じて、電話端末3(1)の制御部320は、保留要求を形成し、これを主装置1に送信する(ステップS42)。
保留要求を受信した主装置1は、保留応答を要求元の電話端末3(1)に送信し(ステップS43)、当該通信回線を、配下の電話端末3とは接続しない回線保留の状態にする(ステップS44)。そして、主装置1の制御部120は、保留音を相手の電話端末に送信する(ステップS45)。
一方、保留操作を行った電話端末3(1)では、専門の部署の電話端末3(N)の内線番号を入力し、内線発信を行う(ステップS46)。これにより、電話端末3(1)の制御部320は、入力された内線番号を含む内線要求を形成し、これを主装置1に送信する(ステップS47)。当該内線要求を受け付けた主装置1は、内線要求に含まれる内線番号により特定される電話端末3(N)に対する内線通知を形成し、これを当該電話端末3(N)に送信する(ステップS48)。
内線通知(内線の着信が発生したことの通知)を受け付けた電話端末3(N)では、制御部320により、呼び出し音を放音させたり、所定のLEDを点滅させたりするなどの着信通知処理が行われる。そして、内線の着信先の電話端末3(N)の使用者がオフフック操作を行うと(ステップS49)、当該電話端末3(N)の制御部320は内線応答を形成し、これを主装置1に送信する(ステップS50)。
内線応答を受け付けた主装置1は、内線発信元の電話端末3(1)と内線着信先の電話端末3(N)との間に通信回線を接続する。そして、接続された通信回線を通じて、問い合わせ内容が専門的であるために対応をお願いしたく、電話を転送したい旨(発呼元との間に接続した通信回線を転送したい旨)を内線通話により伝える(ステップS51)。そして、電話端末3(N)の使用者が電話の転送に同意した場合には、図14の処理に進む。
この場合、転送元の電話端末3(1)の使用者は、オンフック操作を行い(ステップS52)、通話を終了させる。これにより、電話端末3(1)の制御部320は、通話終了要求を形成し、これを主装置1に送信する(ステップS53)。主装置1は、電話端末3(1)からの通話終了要求を受信すると、電話端末3(1)との間の通信回線を解放する(ステップS54)。
一方、転送先の電話端末3(N)の使用者は、電話端末3(N)の操作入力部311に設けられている保留解除キーを押下操作する(ステップS55)。当該電話端末3(N)の制御部320は、保留解除要求を形成し、これを主装置1に送信する(ステップS56)。当該保留解除要求を受信した主装置1の制御部120は、保留解除応答を形成し、これを要求元の電話端末3(N)に対して送信する(ステップS57)。この後、主装置1は、保留していた発呼元の相手先との通信回線を、転送先の電話端末3(N)との間に接続し、発呼元と転送先の電話端末3(N)の使用者との間で通話をできるようにする(ステップS58)。
この後、主装置1と転送先の電話端末3(N)との間では、ステップS59〜ステップS61の処理により、通話音声に対して検索用マークを付加する処理を行うことができるようにされる。すなわち、図14のステップS59〜ステップS61の処理は、図9に示したステップS10〜ステップS12の処理と同様の処理である。この例の場合、保留・転送が行われているが、通話音声の録音は、最初の通話音声ファイル109に対して継続して行われる。これに対して、FK入力ファイル110は、通話に用いられる電話端末は、電話端末3(N)であるので、電話端末3(N)用のFK入力ファイル110(図7)が形成されて、フレキシブルキー操作に応じたFK入力データが格納されることになる。
この後、通話が終了すれば、図9に示したステップS13〜ステップS17に示した処理と同様の処理が行われ、通信回線が解放されて、通話音声の録音処理が終了する。なお、このように、保留・転送された場合には、転送元の電話端末3(1)と転送先の電話端末3(N)とのそれぞれ用のFK入力ファイル110が形成されているので、その両方のFK入力ファイル110のFK入力データが、通話音声ファイルに付加される。
図15は、図13、図14に示した処理において、転送元の電話端末3(1)と転送先の電話端末3(N)とのそれぞれで、検索用マークを付加する処理が行われた場合の処理の具体例について説明するための図である。図15においては、矢印で示したように、図の横方向を時間軸とし、左上端部が着信応答位置(着信応答を行った時点)である。また、図15においては、右下端部に、この例では相手(発呼元)がオンフックを行うことにより、通信回線が解放された位置(時点)が存在し、その後に通話音声の録音を終了させた位置(時点)が存在している。
そして、図15の左上端部に示すように、かかってきた電話に主装置1の配下の電話端末3(1)がオフフック操作することにより応答操作を行い、通信回線を接続し、通話を行えるようにする。そして、通話を行ったところ、自社製品に関する問い合わせであったために、電話端末3(1)の使用者が、操作時点t11において、通話音声の録音開始操作を行うと共に、相手の通話部分であることを示す検索用マークを付すためにフレキシブルキーFK1を操作したとする。
この場合、操作時点t11において、電話端末3(1)と主装置1とが協働し、まず、通話音声ファイル109を形成し、通話音声データと当該通話音声ファイルへの記録(通話音声の録音)を開始する。さらに、電話端末3(1)と主装置1とが協働し、電話端末3(1)用(内線番号が101の電話端末用)のFK入力ファイル110を形成して、フレキシブルキーの操作に応じたFK入力データの生成と記録とを行う。そして、図15において、操作時点t12、t13においては、電話端末3(1)において、フレキシブルキーFK2、FK1が操作されているので、それぞれの時点において、操作されたフレキシブルキーに応じたFK入力データが形成されて、操作時点t11において形成されたFK入力ファイル110に記録される。
この後、図15の上段左側に示すように保留・転送が発生し、内線番号が101の電話端末3(1)より、内線番号が210の電話端末3(N)に通信回線が転送するようにされたとする。そして、図15の中段左側に示すように、転送先の電話端末3(N)において保留が解除され、操作時点t21において、フレキシブルキーFK2が操作されたとする。この場合、この場合、電話端末3(N)と主装置1とが協働し、電話端末3(N)用(内線番号が210の電話端末用)のFK入力ファイル110を形成して、フレキシブルキーの操作に応じたFK入力データの生成と記録とを行う。なお、通話音声は、操作時点t11において形成された通話音声ファイル109へ継続して記録される。もちろん、通信回線の保留中は、通話音声の録音処理を一時停止させ、保留が解除された段階で、通話音声の録音処理を再開させることもできる。
そして、図15において、操作時点t22、t23、t24においては、電話端末3(1)において、順にフレキシブルキーFK1、FK2、FK1が操作されているので、それぞれの時点において、操作されたフレキシブルキーに応じたFK入力データが形成されて、操作時点t21において形成されたFK入力ファイル110に記録される。すなわち、通話音声については、保留・転送が行われても、1つの通話音声ファイルに記録され、FK入力ファイルは、主装置1の配下の電話端末ごとに作成されて、それぞれの電話端末を通じて付加するようにされた検索用マーク(FK入力データ)が記録される。
この後、通話が終了し、例えば発呼元の電話端末においてオンフック操作されることにより、通話終了要求が主装置1に提供され、図15の右下端部に示すように、通信回線が解放され、通話音声の録音処理が終了する。通話音声の録音の終了は、通話音声ファイル109、FK入力ファイル110もクローズされる。これにより、図15の左上部に示した録音開始操作が行われた操作時点t11から、図15の右下端部に示した録音終了時点までの通話音声が、1つの通話音声ファイル109に格納される。
また、操作時点t11、t12、t13において形成された3つのFK入力データが、電話端末3(1)用のFK入力ファイル110に格納されて管理される。また、操作時点t21、t22、t23、t24において形成された4つのFK入力データが、電話端末3(N)用のFK入力ファイル110に格納されて管理される。これにより、電話端末3(1)の使用者と電話端末3(N)の使用者のそれぞれは、時点t11から録音された通話音声の全部を聴取することができるようにされ、また、自分が付加した検索用マーク(FK入力データ)だけを用いて再生位置の検索処理を行うことができる。
なお、再生処理は、図11を用いて説明した場合と同様に行うことができる。そして、例えば、転送先の電話端末3(N)の使用者は、転送元である電話端末3(1)の使用者と相手先との通話部分に後から検索用マークを追加して利用することができる。同様に、転送元の電話端末3(N)の使用者は、転送先である電話端末3(N)の使用者と相手先との通話部分に後から検索用マークを追加して利用することができる。
そして、転送元の電話端末3(1)の使用者と転送先の電話端末3(N)の使用者とは、それぞれが付加した検索用マークは、区別可能に管理されるので、自分が付加した検索用マークだけを用いて、再生位置の検索を行うことができる。
[(3)会議通話機能利用時の通話録音に関する処理]
次に、会議通話機能利用時の通話録音に関する処理について説明する。図16〜図18は、会議通話機能利用時の通話録音に関する処理について説明するためのシーケンス図である。会議通話機能は、保留・転送の場合とことなり、相手先と、主装置1の配下の最初に通話を開始した電話端末と、主装置1の他の電話端末との少なくとも3者で同時に通話を可能にするものである。
このため、主装置1の配下の電話端末3(1)の使用者が着信に応答して、通信回線を接続して通話を開始すると共に、通話音声の録音を行うにし、更に、主装置1の他の電話端末3(N)の使用者に通話に参加するように要請するために内線電話を掛けて呼び出すまでの処理は、図13を用いて説明した保留・転送の場合と同様にして行われる。
そして、発呼元との間に接続した通信回線を保留した電話端末3(1)の使用者が、電話端末3(N)に内線電話を掛けて電話会議への参加を要請し(ステップS51)、承諾を得られた場合には、図16に示すように、電話端末3(1)の操作入力部311に設けられた電話会議キーを押下操作する(ステップS71)。電話端末3(1)の制御部320は、会議要求を形成し、これを主装置1に送信する(ステップS72)。
主装置1の制御部120は、電話端末3(1)により、外線の相手先との通信回線を保留しており、また、電話端末3(1)と電話端末3(N)との間で内線の通信回線を接続していることを把握している。このため、主装置1の制御部120は、保留中の外線の相手の電話端末と、最初に通話を開始した電話端末3(1)と、電話端末3(1)と内線接続されている電話端末3(N)との3者の間に、相互に通信が可能となるように通信回線を接続する。これにより、発呼元の相手先と、主装置1の配下の電話端末3(1)と、主装置1の配下の電話端末3(N)とが、主装置1を介して相互に接続されて会議通話が行うようにされる(ステップS73)。
図16に示したように、3者で会議通話を開始させた後においては、図17に示すように、電話端末3(1)、3(N)のそれぞれの使用者が、検索用マークを付加できる。すなわち、電話会議に参加している電話端末3(1)を通じては、図17のステップS81〜ステップS83の処理により、録音するようにされている通話音声に対して、検索用マークを付与できる。同様に、電話会議に参加している電話端末3(N)を通じては、図17のステップS91〜ステップS93の処理により、録音するようにされている通話音声に対して、検索用マークを付与できる。
図17に示したステップS81〜ステップS83の処理と、ステップS91〜ステップS93の処理は、図9に示したステップS10〜ステップS12の処理や図14に示したステップS59〜ステップS61の処理と同様の処理である。そして、この電話会議機能を用いている場合に、通話音声の録音を行った場合であっても、通話音声は、最初から最後まで同じ通話音声ファイル109に記録(録音)される。そして、検索用マーク(FK入力データ)は、電話端末3(1)と電話端末3(N)とで、別々のFK入力ファイル110に記録される。
そして、通話が終了し、図18に示すように、発呼元(外線の相手)の電話端末から通話終了要求が送信されて来ると(ステップS101)、主装置1は、これを電話会議の参加者である、電話端末3(1)に送信し(ステップS102)、同様に電話端末3(N)にも送信する(ステップS103)。これにより、当該3者間に接続していた通信回線を解放し(ステップS104)、通話音声の録音処理を終了させる(ステップS105)。そして、この実施形態の場合には、電話端末3(1)用のFK入力ファイル110のFK入力データと、電話端末3(N)用のFK入力ファイル110のFK入力データとのそれぞれが、通話音声ファイル109に付加される(ステップS106)。
図19は、図16〜図18に示した処理において、主装置1の配下の電話会議に用いられた電話端末3(1)と電話端末3(N)とのそれぞれで、検索用マークを付加する処理が行われた場合の処理の具体例について説明するための図である。図19においては、矢印で示したように、図の横方向を時間軸とし、左上端部に示したように、電話会議の参加端末である電話端末3(1)或いは電話端末3(N)のいずれかを通じて、操作入力部311の録音ボタンが操作されて既に通話音声の録音処理が開始されているものとする。したがって、通話音声は、所定の通話音声ファイル109に記録するようにされている。
そして、電話会議の参加端末である電話端末3(1)を通じては、図19に示すように、操作時点t31、t32、t33、t34、t35、t36において、順番にフレキシブルキーFK1、FK2、FK3、FK1、FK2、FK2が操作されたとする。この場合、時点t31において、電話端末3(1)用のFK入力ファイル110が形成され、図6を用いて説明したように、操作時点t31、t32、t33、t34、t35、t36のそれぞれにおいて、操作されたフレキシブルキーに応じたFK入力データが形成されて、操作時点t31において形成された電話端末3(1)用のFK入力ファイル110に記録される。
また、電話会議の参加端末である電話端末3(N)を通じては、図19に示すように、操作時点t41、t42、t43、t44、t45、t46、t47において、順番にフレキシブルキーFK2、FK1、FK3、FK2、FK1、FK3、FK3が操作されたとする。この場合、時点t41において、電話端末3(N)用のFK入力ファイル110が形成され、図6を用いて説明したように、操作時点t41、t42、t43、t44、t45、t46、t47のそれぞれにおいて、操作されたフレキシブルキーに応じたFK入力データが形成されて、操作時点t41において形成された電話端末3(N)用のFK入力ファイル110に記録される。
そして、通話が終了すれば、3者間に接続した通信回線は解放され、通話音声の録音処理も終了する。これにより、電話端末3(1)の使用者と電話端末3(N)の使用者のそれぞれは、録音ボタンが操作されて録音された通話音声の通話音声の全部を聴取することができるようにされ、また、自分が付加した検索用マーク(FK入力データ)だけを用いて再生位置の検索処理を行うことができる。
また、電話端末3(1)の使用者と電話端末3(N)の使用者とは、それぞれが付加した検索用マークが区別可能に管理されるので、自分が付加した検索用マークだけを用いて、再生位置の検索を行うことができる。
[実施の形態の効果]
主装置1に対して複数の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…が接続されて構成される電話システムにおいて、通話音声の記録(録音)と、通話音声に対する検索用マークの付与及び利用とを適切に行うことができる。そして、保留・転送が発生した場合であっても、また、電話会議機能が用いられた場合であっても、録音された通話音声に対して付加するようにされた検索用マークは、当該検索用マークを付加するようにした電話端末ごとに管理できる。これにより、電話端末の使用者は、自分だけが付加するようにした検索用マークだけを用いて、録音された通話音声の再生位置を検索できる。
また、主装置1の配下の1つの電話端末3だけがかかわって通話を行った場合に録音された通話音声であっても、また、保留・転送が発生した場合に録音された通話音声であっても、さらに、会議通話機能の利用時に録音された通話音声であっても、録音後においても、検索用マークを追加付加してこれを利用することもできる。
また、通話音声の録音時や録音された通話音声の再生時においては、検索用マークに関する情報を、電話端末3のディスプレイ314に表示できる。これにより、通話音声の録音時においては、表示される検索用マークに関する情報を考慮して、検索用マークを付加する頻度を調整できる。また、録音された通話音声の再生時には、再生位置の検索に用いた検索用マークに関する情報により、再生位置を適切に把握し、ジャンプ方向を適切に判断したり、早戻しや早送りの時間を調整したりするなどのことが簡単にできる。
[変形例]
なお、上述した実施の形態においては、主装置1に収容された電話番号に対して着信が発生し、主装置1の配下の電話端末3が応答した場合を例にして説明したが、これに限るものではない。主装置1の配下の電話端末3から発呼して通信回線を接続して通話を行うようにした場合にも、上述した実施の形態の場合と同様に、通話音声を録音するようにし、さらに、録音対象の通話音声に対して検索用マークを付加することができる。また、録音した通話音声の再生も、上述した場合と同様に行うことができる。
また、上述した実施の形態においては、保留・転送は1回しか行われていないが、これに限るものではない。保留・転送が複数回行われた場合であっても、通話音声については1つの通話音声ファイル109に記録して管理する。これに対して、検索用マークは、主装置1の配下の電話端末3ごとに管理できるので、各電話端末3の使用者は、自分が付加した検索用マークだけを用いて再生位置の検索を行える。
また、上述した実施の形態では、電話会議機能を用いて、外線の電話端末が1台と、主装置1の配下の電話端末が2台とで電話会議を行う場合を例にして説明したが、これに限るものではない。電話システムによっては、外線の複数の電話端末と主装置の配下の複数の電話端末との間で通信回線を接続し、4者以上の相手先と同時に通話を行うことができるものもある。このような場合であっても、通話音声については1つの通話音声ファイル109に記録して管理する。これに対して、検索用マークは、主装置1の配下の電話端末3ごとに管理できるので、各電話端末3の使用者は、自分が付加した検索用マークだけを用いて再生位置の検索を行える。
また、上述した実施の形態では、検索用マークの付加位置は、記録アドレスによって特定するようにしたが、これに限るものではない。記録対象の通話音声の先頭(記録開始時点)からの経過時間によって、当該通話音声に対する検索用マークの付加位置を特定することもできる。すなわち、記録開始時点から、電話端末3の使用者によって所定のフレキシブルキーが操作された時点までの経過時間によって、検索用マークの付加位置を特定することもできる。
[その他]
上述した実施の形態の説明からも分かるように、主装置の音声記憶手段、通話音声録音手段、受付手段、操作情報記憶手段、操作情報記録手段の各機能は、主装置1の通話音声ファイル109、音声録音部112、LANI/F107及び接続端子108、FK入力ファイル110、FKデータ管理部113が実現している。
また、主装置に接続された電話端末の所定の操作ボタン、操作情報提供手段の各機能は、電話端末3のフレキシブルキーFK1〜FK8、制御部320が実現している。
また、主装置の再生指示受付手段と変更指示受付手段の機能は、主装置1のLANI/F107及び接続端子108が実現し、主装置の再生手段と変更手段の機能は、主装置1の制御部120と録音データ再生部とが実現し、主装置の表示情報提供手段の機能は、主装置1の制御部120及びLANI/F、接続端子108とが実現している。
また、主装置に接続された電話端末の再生指示受付手段と変更指示受付手段の各機能は、電話端末3の操作入力部311及び制御部320が実現し、再生指示提供手段、変更指示提供手段の各機能は、主に制御部320が実現している。また、主装置に接続された電話端末の出力手段の機能は、通話音声入出力I/F304及びハンドセット306が実現し、表示制御手段の機能は制御部320及びディスプレイコントローラ313が実現している。