JP6652702B2 - 伝送システムおよびマスタ装置 - Google Patents
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Description
<基本動作1>
図2の(I)で示したように、SPIマスタデバイス101は、1クロック分のSS信号のアクティベートに続く第2のタイミングで、SS信号がハイレベルのままでも、複数の拡張方式で動作する第2のSPIスレーブデバイス103と通信できる。SS信号線105による第2のSPIスレーブデバイス103の指定が行われないので、SS信号を共有して拡張方式で動作する第2のSPIスレーブデバイス103の増設が可能になる。図1の例では、#1および#2の2台の第2のSPIスレーブデバイス103が、1本のSS信号線105により接続されている例が示されている。SPIの通信プロトコルは厳密には定められていないため、SS信号を単純に共有すると、ターゲットとするスレーブデバイス以外のスレーブデバイスが反応する可能性が必ずある。本実施形態で増設される第2のSPIスレーブデバイス103は、SS信号が1クロック長さ分だけ第1の論理状態となる第1のタイミングを、拡張方式における通信プロトコルの通信開始および通信終了として解釈することができる。SPIの通信は8ビット単位で行われるため、このとき同時に、一般方式による第1のSPIスレーブデバイス102は、拡張方式による通信プロトコルには反応しないようにすることができる。さらに、拡張方式による通信プロトコルでは、図2の(II)で示したように、SPIマスタデバイス101と第2のSPIスレーブデバイス103は、上記第1のタイミング以外は総てSS信号が第2の論理状態すなわちハイレベルの通信期間で通信を行う。このため、拡張方式によるSS信号を、図2の(I)で示した、SS信号がローレベルになることで選択される一般方式による第1のSPIスレーブデバイス102のための一般方式によるSS信号と共有できる。すなわち、SPIマスタデバイス101の1個のSS端子に接続される1本のSS信号線105は、一般方式による第1のSPIスレーブデバイス102のSS端子に接続されると同時に、拡張方式で動作する第2のSPIスレーブデバイス103のSS端子にも接続される。このように、本実施形態では、一般方式による第1のSPIスレーブデバイス102によるSPI通信と拡張方式で動作する第2のSPIスレーブデバイス103によるSPI通信とを、混信することなく共存させることが可能となる。
拡張方式で動作する第2のSPIスレーブデバイス103には、一意のID(識別子)が設定されており、そのIDをSPIマスタデバイス101が予め探索し登録する。拡張方式によるシリアルバス通信では、SPIマスタデバイス101は、この登録したIDを用いて、第2のSPIスレーブデバイス103を特定して通信を行うことができる。以下、このIDを、デバイス固有ID(デバイス固有識別子)と呼ぶ。このデバイス固有IDは、全ての第2のSPIスレーブデバイス103で一意であり、同じデバイス固有IDを持つ第2のSPIスレーブデバイス103は存在しない。このデバイス固有IDのデータ長は、全ての第2のSPIスレーブデバイス103で同じである。本実施形態では、SS信号を共有している第2のSPIスレーブデバイス103がSPIマスタデバイス101に何台接続されているか正確に見付けるために、このデバイス固有IDを探索する。
全ての第2のSPIスレーブデバイス103を一意に対応できるようにするために、デバイス固有IDは、48〜64ビット程度の十分なデータ長を有する。このようにデバイス固有IDのデータ長は長いので、デバイス固有IDをそのままSPI通信に用いると、通信速度に影響がでる可能性がある。このため、SPIマスタデバイス101は、各第2のSPIスレーブデバイス103に、上記デバイス固有IDとは別に、新たな任意のデータ長の例えばデバイス固有IDのデータ長より短いIDを割り当てることができる。以下、このIDを、バス固有ID(バス固有識別子)と呼ぶ。SPIマスタデバイス101は、第2のSPIスレーブデバイス103指定時にデバイス固有IDではなくバス固有IDを用いることにより、通信速度への影響を抑えることができる。バス固有IDのデータ長としては、図1の伝送システム100において、SPIマスタデバイス101に実際に接続されている第2のSPIスレーブデバイス103の台数に応じて決定することができる。この台数が例えば数十台程度であれば、バス固有IDのデータ長は6ビットもあれば十分である。なお、本実施形態では、バス固有IDは、1つの第2のSPIスレーブデバイス103との通信開始時に1回だけ指定され、その後はSPIマスタデバイス101と1つの第2のSPIスレーブデバイス103は、SPI通信を行うことができる。このため、バス固有IDの指定が通信速度に及ぼす影響を最小限に抑えることができる。このとき、他の第2のSPIスレーブデバイス103は、新たにバス固有IDが指定されるまで、SPI通信を行わないように制御できる。
図2(II)で前述したように、SPIマスタデバイス101は、図3のSS端子から出力する図5(b)のSS信号を、図3のCLK端子から出力する図5(a)のCLK信号に同期する1クロック長さ分だけ第1の論理状態すなわちローレベルにする。その後、SPIマスタデバイス101は、SS信号を、第2の論理状態すなわちハイレベルに戻す。この時点でSPIマスタデバイス101と第2のSPIスレーブデバイス103とが通信開始となる。この制御は主に、図3のマイコンコア301内の#0および#2の汎用1ビットレジスタ308と#0のクロック出力制御回路305を用いて実行される。
SPIマスタデバイス101は、通信開始後、SS信号をハイレベルにした第2のタイミングの通信期間において、以下の動作を実行する。SPIマスタデバイス101は、MSBから2ビットにID探索コマンド(識別子探索コマンド)“00”がセットされ、下位6ビットに“000000”が埋められた8ビットのシリアルデータ501を生成する。SPIマスタデバイス101は、このシリアルデータ501を、図3のCLK端子から出力する図5(a)のCLK信号に同期させて、図5(c)のMOSIシリアルデータとして、図3のMOSI端子から送信する。この制御は主に、図3の送信用レジスタ306、送信用シフトレジスタ302と、#0および#1のクロック出力制御回路305とを用いて実行される。
SPIマスタデバイス101は、通信開始以降の通信期間において、シリアルデータ501の送信に引き続いて、以下の動作を実行する。SPIマスタデバイス101は、探索用のデバイス固有IDに対応するシリアルデータ502を、図3のCLK端子から出力する図5(a)のCLK信号に同期させて、図5(c)のMOSIシリアルデータとして、図3のMOSI端子から順次送信する。このとき、SPIマスタデバイス101は、例えば48〜64ビットのデータ長を有する探索用のデバイス固有IDを、図3の送信用レジスタ306と送信用シフトレジスタ302を用いて、MSBから8ビットずつ区切ったシリアルデータ502として送信する。この制御は主に、図3の送信用レジスタ306、送信用シフトレジスタ302と、#0および#1のクロック出力制御回路305を用いて実行される。なお、この送信は、MSBからではなく、LSB(最下位ビット)から順次行われてもよい。
<SPIマスタデバイス101の動作1>と並行し、第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のCLK端子から入力する図5(a)のCLK信号の1クロック長さ分だけローレベルになった、図4のSS端子から入力する図5(b)のSS信号を検知する。これにより、第2のSPIスレーブデバイス103は、通信開始の状態になる。この制御は主に、図4の1クロック判定回路404と#0の汎用1ビットレジスタ408を用いて実行される。
第2のSPIスレーブデバイス103は、上記通信開始以降の通信期間で、図4のCLK端子から入力する図5(a)のCLK信号に同期させて、以下の動作を実行する。第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のMOSI端子から図5(c)のMOSIシリアルデータとして入力する最初の8ビットのシリアルデータ501として、MSBから2ビットのID探索コマンド“00”と下位6ビット“000000”を受信する。この制御は主に、図4の#1の汎用1ビットレジスタ408と、クロック出力制御回路405と、受信用シフトレジスタ402と、受信用レジスタ406を用いて実行される。第2のSPIスレーブデバイス103は、このID探索コマンドを認識した後、図4のMISO端子から出力される図5(d)のMISOシリアルデータを、論理状態「Z」のオープンドレイン出力503に切り替える。その後、第2のSPIスレーブデバイス103は、デバイス固有ID応答処理を実行する。この論理状態「Z」は、最初はSPIマスタデバイス101に接続される全ての第2のSPIスレーブデバイス103のMISO端子が、オープンドレイン状態(ハイインピーダンス状態)であることを示している。この状態においては、SPIマスタデバイス101からは、図3のMISO端子の論理状態が「H」(ハイレベル)に見える。
デバイス固有ID応答処理において、第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のCLK端子から入力する図5(a)のCLK信号に同期させて、以下の動作を実行する。第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のMOSI端子から図5(c)のMOSIシリアルデータとして順次入力する探索用のデバイス固有IDのシリアルデータ502を、自装置のデバイス固有IDのMSBから1ビットずつのデータと順次比較する。この制御は主に、図4の#1の汎用1ビットレジスタ408と、クロック出力制御回路405と、受信用シフトレジスタ402と、受信用レジスタ406を用いて実行される。この比較の結果、第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のCLK端子から入力する図5(a)のCLK信号に同期させて、図4のMISO端子から図5(d)のMISOシリアルデータとして、次のようなシリアルデータ504または505を送信する。比較の結果一致が検出されれば、第2のSPIスレーブデバイス103は、一致が検出されたビット位置に対応するタイミングで論理状態「L」となるデバイス固有ID応答のシリアルデータ504を送信する。このとき、第2のSPIスレーブデバイス103は、図4の受信用シフトレジスタ402および受信用レジスタ406を介して入力する8ビットずつの探索用のデバイス固有IDに対応して、デバイス固有ID応答のシリアルデータ504も8ビットずつ送信する。この制御は主に、図4の送信用レジスタ407、送信用シフトレジスタ403と、クロック出力制御回路405を用いて実行される。比較の結果一致が検出されなくなった場合は、第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のMISO端子をオープンドレインにしてハイインピーダンス状態505とし、それ以降IDの比較を行なわない。
SPIマスタデバイス101は、通信開始以降の通信期間中に、図4のMISO端子から順次入力する8ビットずつのデバイス固有ID応答のシリアルデータ504(図5(d))の値を検証する。この8ビットずつのデバイス固有ID応答のシリアルデータ504は、<SPIマスタデバイス101の動作3>でSPIマスタデバイス101が8ビットずつ送信した探索用のデバイス固有IDのシリアルデータ502(図5(c))に対する応答データである。<第2のSPIスレーブデバイス103の動作3>で前述したように、デバイス固有ID応答のシリアルデータ504は、何れかの第2のSPIスレーブデバイス103から応答される。この制御は主に、図3の#1の汎用1ビットレジスタ308と、#1のクロック出力制御回路305と、受信用シフトレジスタ303と、受信用レジスタ307を用いて実行される。この検証動作が8ビットずつ繰り返される結果、探索用のデバイス固有IDのシリアルデータ502に対応するデバイス固有ID応答のシリアルデータ504の全てのビットの論理状態が「L」となった場合、SPIマスタデバイス101は、次の動作を実行する。SPIマスタデバイス101は、その探索用のデバイス固有IDが何れかの第2のSPIスレーブデバイス103に対応するデバイス固有IDとして探索できたとして、その探索用のデバイス固有IDを、内部のメモリ等に登録する。一方、探索用のデバイス固有IDのシリアルデータ502に対応するデバイス固有ID応答のシリアルデータ504の何れかのビットの論理状態が「Z」になった場合には、SPIマスタデバイス101は、次の動作を実行する。この状態は、そのビットの探索用のデバイス固有IDのシリアルデータ502に関して、全ての第2のSPIスレーブデバイス103が各デバイスに設定されているデバイス固有IDとの不一致を検出した場合である。この場合には、SPIマスタデバイス101は、現在の探索用のデバイス固有IDは探索できなかったとして登録を行わない。
<SPIマスタデバイス101の動作4>の後、SPIマスタデバイス101は、次の処理を実行する。図2(II)で前述したように、SPIマスタデバイス101は、図3のSS端子から出力する図5(b)のSS信号を再び、図3のCLK端子から出力する図5(a)のCLK信号に同期する1クロック長さ分だけ第1の論理状態すなわちローレベルにする。その後、SPIマスタデバイス101は、SS信号を、第2の論理状態すなわちハイレベルに戻す。この時点がSPIマスタデバイス101と第2のSPIスレーブデバイス103との通信終了となる。この制御は主に、図3のマイコンコア301内の#0および#2の汎用1ビットレジスタ308と#0のクロック出力制御回路305を用いて実行される。1つの探索用のデバイス固有IDにつき通信終了となった後、SPIマスタデバイス101は、次の探索用のデバイス固有IDを設定し、上述のSPIマスタデバイス101の動作1〜5と、第2のSPIスレーブデバイス103の動作1〜3を繰り返し実行する。これにより、SPIマスタデバイス101は、それに接続されている第2のSPIスレーブデバイス103において設定される可能性のある全ての探索用のデバイス固有IDについて探索を実行し、見つかったデバイス固有IDを登録することができる。
図2(II)で前述したように、SPIマスタデバイス101は、図3のSS端子から出力する図6(b)のSS信号を、図3のCLK端子から出力する図6(a)のCLK信号に同期する1クロック長さ分だけ第1の論理状態すなわちローレベルにする。その後、SPIマスタデバイス101は、SS信号を、第2の論理状態すなわちハイレベルに戻す。この時点でSPIマスタデバイス101と第2のSPIスレーブデバイス103とが通信開始となる。この制御は主に、図3のマイコンコア301内の#0および#2の汎用1ビットレジスタ308と#0のクロック出力制御回路305を用いて実行される。
SPIマスタデバイス101は、通信開始後、SS信号をハイレベルにした第2のタイミングの通信期間において、以下の動作を実行する。SPIマスタデバイス101は、MSBから2ビットにID設定コマンド(識別子設定コマンド)“01”がセットされ、下位6ビットに設定したいバス固有IDが埋められた8ビットのシリアルデータ601を生成する。バス固有IDのデータ長が6ビットより長ければ、上記下位6ビットにはバス固有IDの上位6ビットが埋められる。バス固有IDのデータ長が6ビット未満であれば、上位側に0が埋められて6ビットデータとされる。SPIマスタデバイス101は、このシリアルデータ601を、図3のCLK端子から出力する図6(a)のCLK信号に同期させて、図6(c)のMOSIシリアルデータとして、図3のMOSI端子から送信する。この制御は主に、図3の送信用レジスタ306、送信用シフトレジスタ302と、#0および#1のクロック出力制御回路305とを用いて実行される。
<SPIマスタデバイス101の動作3>
SPIマスタデバイス101は、通信開始以降の通信期間において、シリアルデータ601の送信に引き続いて、以下の動作を実行する。SPIマスタデバイス101は、設定用のデバイス固有IDに対応するシリアルデータ602を、図3のCLK端子から出力する図6(a)のCLK信号に同期させて、図6(c)のMOSIシリアルデータとして、図3のMOSI端子から順次送信する。この設定用のデバイス固有IDは、前述のデバイス固有ID探索処理およびデバイス固有ID応答処理によりSPIマスタデバイス101に登録されているデバイス固有IDから1つずつ選択されるものである。このとき、SPIマスタデバイス101は、例えば48〜64ビットのデータ長を有する設定用のデバイス固有IDを、図3の送信用レジスタ306と送信用シフトレジスタ302を用いて、MSBから8ビットずつ区切ったシリアルデータ602として送信する。この制御は主に、図3の送信用レジスタ306、送信用シフトレジスタ302と、#0および#1のクロック出力制御回路305を用いて実行される。なお、この送信は、MSBからではなく、LSB(最下位ビット)から順次行われてもよい。
SPIマスタデバイス101は、通信開始以降の通信期間において、シリアルデータ602の送信に引き続いて、以下の動作を実行する。前述したように、設定したいバス固有IDのデータ長が6ビットより長ければ、シリアルデータ601の下位6ビットにはバス固有IDの上位6ビットが埋められる。この場合、SPIマスタデバイス101は、バス固有IDの残りの下位ビットを上位ビット側から順に、8ビットずつ区切ったシリアルデータ603として送信する。この制御は主に、図3の送信用レジスタ306、送信用シフトレジスタ302と、#0および#1のクロック出力制御回路305を用いて実行される。
<SPIマスタデバイス101の動作1>と並行し、第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のCLK端子から入力する図6(a)のCLK信号の1クロック長さ分だけローレベルになった、図4のSS端子から入力する図6(b)のSS信号を検知する。これにより、第2のSPIスレーブデバイス103は、通信開始の状態になる。この制御は主に、図4の1クロック判定回路404と#0の汎用1ビットレジスタ408を用いて実行される。
第2のSPIスレーブデバイス103は、上記通信開始以降の通信期間で、図4のCLK端子から入力する図6(a)のCLK信号に同期させて、以下の動作を実行する。第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のMOSI端子から図6(c)のMOSIシリアルデータとして入力する最初の8ビットのシリアルデータ601として、MSBから2ビットのID設定コマンド“01”と下位6ビットのバス固有IDの上位6ビットを受信する。この制御は主に、図4の#1の汎用1ビットレジスタ408と、クロック出力制御回路405と、受信用シフトレジスタ402と、受信用レジスタ406を用いて実行される。その後、第2のSPIスレーブデバイス103は、バス固有ID設定処理を実行する。
バス固有ID設定処理において、第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のCLK端子から入力する図6(a)のCLK信号に同期させて、以下の動作を実行する。第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のMOSI端子から図6(c)のMOSIシリアルデータとして8ビットずつ順次入力する設定用のデバイス固有IDのシリアルデータ602を受信する。この制御は主に、図4の#1の汎用1ビットレジスタ408と、クロック出力制御回路405と、受信用シフトレジスタ402と、受信用レジスタ406を用いて実行される。第2のSPIスレーブデバイス103は、上記受信した設定用のデバイス固有IDを、自装置に設定されているデバイス固有IDと比較する。この比較の結果一致が検出されれば、第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のMOSI端子から図6(c)のMOSIシリアルデータとして続いて8ビットずつ入力するバス固有IDの残りのビットのシリアルデータ603を受信する。この制御は主に、図4の#1の汎用1ビットレジスタ408と、クロック出力制御回路405と、受信用シフトレジスタ402と、受信用レジスタ406を用いて実行される。第2のSPIスレーブデバイス103は、先に受信したバス固有IDの上位6ビットと上記受信したバス固有IDの残りのビットとを合わせて、自装置に設定されたバス固有IDとして、内部のメモリ等に登録する。バス固有IDを登録した第2のSPIスレーブデバイス103は、これ以降、図5で前述したデバイス固有ID探索処理には応答しない。
<SPIマスタデバイス101の動作4>の後、SPIマスタデバイス101は、次の処理を実行する。図2(II)で前述したように、SPIマスタデバイス101は、図3のSS端子から出力する図6(b)のSS信号を再び、図3のCLK端子から出力する図6(a)のCLK信号に同期する1クロック長さ分だけ第1の論理状態すなわちローレベルにする。その後、SPIマスタデバイス101は、SS信号を、第2の論理状態すなわちハイレベルに戻す。この時点がSPIマスタデバイス101と第2のSPIスレーブデバイス103との通信終了となる。この制御は主に、図3のマイコンコア301内の#0および#2の汎用1ビットレジスタ308と#0のクロック出力制御回路305を用いて実行される。1つの設定用のデバイス固有IDにつき通信終了となった後、SPIマスタデバイス101は、次の未送信の設定用のデバイス固有IDを選択する。前述したように、この設定用のデバイス固有IDは、前述のデバイス固有ID探索処理およびデバイス固有ID応答処理によりSPIマスタデバイス101に登録されているデバイス固有IDから選択される。さらに、SPIマスタデバイス101は、新たに選択した設定用のデバイス固有IDに対応させて、新たなバス固有IDを決定する。この新たなバス固有IDは、SPIマスタデバイス101に接続されている複数の第2のSPIスレーブデバイス103を一意に識別できるものとする。そして、SPIマスタデバイス101は、これらの設定用のデバイス固有IDと新たなバス固有IDについて、上述のSPIマスタデバイス101の動作1〜5と、第2のSPIスレーブデバイス103の動作1〜3を繰り返し実行する。これにより、SPIマスタデバイス101は、それに接続されている各第2のSPIスレーブデバイス103に、各第2のSPIスレーブデバイス103を一意に識別可能なバス固有IDを登録することができる。これ以降、SPIマスタデバイス101と各第2のSPIスレーブデバイス103は、バス固有IDを用いてSPI通信を実行する。
図2(II)で前述したように、SPIマスタデバイス101は、図3のSS端子から出力する図7(b)のSS信号を、図3のCLK端子から出力する図7(a)のCLK信号に同期する1クロック長さ分だけ第1の論理状態すなわちローレベルにする。その後、SPIマスタデバイス101は、SS信号を、第2の論理状態すなわちハイレベルに戻す。この時点でSPIマスタデバイス101と第2のSPIスレーブデバイス103とが通信開始となる。この制御は主に、図3のマイコンコア301内の#0および#2の汎用1ビットレジスタ308と#0のクロック出力制御回路305を用いて実行される。
SPIマスタデバイス101は、通信開始後、SS信号をハイレベルにした第2のタイミングの通信期間において、以下の動作を実行する。SPIマスタデバイス101は、MSBから2ビットにID指定コマンド(識別子指定コマンド)“10”がセットされ、下位6ビットに設定したいバス固有IDが埋められた8ビットのシリアルデータ701を生成する。バス固有IDのデータ長が6ビットより長ければ、上記下位6ビットにはバス固有IDの上位6ビットが埋められる。バス固有IDのデータ長が6ビット未満であれば、上位側に0が埋められて6ビットデータとされる。SPIマスタデバイス101は、このシリアルデータ701を、図3のCLK端子から出力する図7(a)のCLK信号に同期させて、図7(c)のMOSIシリアルデータとして、図3のMOSI端子から送信する。この制御は主に、図3の送信用レジスタ306、送信用シフトレジスタ302と、#0および#1のクロック出力制御回路305とを用いて実行される。
SPIマスタデバイス101は、通信開始以降の通信期間において、シリアルデータ701の送信に引き続いて、以下の動作を実行する。前述したように、設定したいバス固有IDのデータ長が6ビットより長ければ、シリアルデータ701の下位6ビットにはバス固有IDの上位6ビットが埋められる。この場合、SPIマスタデバイス101は、バス固有IDの残りの下位ビットを上位ビット側から順に、8ビットずつ区切ったシリアルデータ702として送信する。この制御は主に、図3の送信用レジスタ306、送信用シフトレジスタ302と、#0および#1のクロック出力制御回路305を用いて実行される。
<SPIマスタデバイス101の動作1>と並行し、第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のCLK端子から入力する図7(a)のCLK信号の1クロック長さ分だけローレベルになった、図4のSS端子から入力する図7(b)のSS信号を検知する。これにより、第2のSPIスレーブデバイス103は、通信開始の状態になる。この制御は主に、図4の1クロック判定回路404と#0の汎用1ビットレジスタ408を用いて実行される。
第2のSPIスレーブデバイス103は、上記通信開始以降の通信期間で、図4のCLK端子から入力する図7(a)のCLK信号に同期させて、以下の動作を実行する。第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のMOSI端子から図7(c)のMOSIシリアルデータとして入力する最初の8ビットのシリアルデータ701として、MSBから2ビットのID指定コマンド“10”と下位6ビットのバス固有IDの上位6ビットを受信する。この制御は主に、図4の#1の汎用1ビットレジスタ408と、クロック出力制御回路405と、受信用シフトレジスタ402と、受信用レジスタ406を用いて実行される。その後、第2のSPIスレーブデバイス103は、バス固有IDを用いたSPI通信処理を実行する。
バス固有ID設定処理において、第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のCLK端子から入力する図7(a)のCLK信号に同期させて、以下の動作を実行する。第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のMOSI端子から図7(c)のMOSIシリアルデータとして続いて8ビットずつ入力するバス固有IDの残りのビットのシリアルデータ702を受信する。この制御は主に、図4の#1の汎用1ビットレジスタ408と、クロック出力制御回路405と、受信用シフトレジスタ402と、受信用レジスタ406を用いて実行される。第2のSPIスレーブデバイス103は、先に受信したバス固有IDの上位6ビットと上記受信したバス固有IDの残りのビットとを合わせたバス固有IDを、図6で前述したバス固有ID設定処理により自装置に登録されているバス固有IDと比較する。この比較の結果一致が検出されれば、第2のSPIスレーブデバイス103は、SPI通信の待機状態になる。
<SPIマスタデバイス101の動作3>の後、SPIマスタデバイス101は、次の処理を実行する。図2(II)で前述したように、SPIマスタデバイス101は、図3のSS端子から出力する図7(b)のSS信号を再び、図3のCLK端子から出力する図7(a)のCLK信号に同期する1クロック長さ分だけ第1の論理状態すなわちローレベルにする。その後、SPIマスタデバイス101は、SS信号を、第2の論理状態すなわちハイレベルに戻す。この制御は主に、図3のマイコンコア301内の#0および#2の汎用1ビットレジスタ308と#0のクロック出力制御回路305を用いて実行される。これ以降、SPIマスタデバイス101は、図3のCLK端子から出力する図7(a)のCLK信号に同期して、図3のMOSI端子からSPI通信のシリアルデータ703を送信する。
<第2のSPIスレーブデバイス103の動作3>によりSPI通信の待機状態になった第2のSPIスレーブデバイス103は、以下の処理を実行する。第2のSPIスレーブデバイス103は、<SPIマスタデバイス101の動作4>と並行し、図4のCLK端子から入力する図7(a)のCLK信号の1クロック長さ分だけローレベルになった、図4のSS端子から入力する図7(b)のSS信号を検知する。これにより、第2のSPIスレーブデバイス103は、SPI通信可能状態になる。この制御は主に、図4の1クロック判定回路404と#0の汎用1ビットレジスタ408を用いて実行される。SPI通信可能状態では、第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のCLK端子から入力する図7(a)のCLK信号に同期して、図4のMOSI端子から入力するSPI通信の図7(c)のMOSIシリアルデータ703を、8ビットずつ受信して処理する。この制御は主に、図4の#1の汎用1ビットレジスタ408と、クロック出力制御回路405と、受信用シフトレジスタ402と、受信用レジスタ406を用いて実行される。SPI通信可能状態において、第2のSPIスレーブデバイス103は、必要に応じて、図4のCLK端子から入力する図7(a)のCLK信号に同期して、図4のMISO端子から、図7(d)のSPI通信のシリアルデータ704を8ビットずつ送信する。この制御は主に、図4の送信用レジスタ407、送信用シフトレジスタ403と、クロック出力制御回路405を用いて実行される。一方、<第2のSPIスレーブデバイス103の動作3>での比較処理においてバス固有IDの一致が検出されずSPI通信の待機状態にならなかった第2のSPIスレーブデバイス103は、その後にバス固有IDの指定を解除するコマンドまたはリセットコマンドを受信するまでは、SPIマスタデバイス101から送信されるSPI通信のシリアルデータには応答しない。
SPIマスタデバイス101は、<SPIマスタデバイス101の動作4>によるSPI通信を終了するときにはまず、図3のSS端子から出力する図7(b)のSS信号を、図3のCLK端子から出力する図7(a)のCLK信号に同期する1クロック長さ分だけ第1の論理状態すなわちローレベルにする。この制御は主に、図3のマイコンコア301内の#0および#2の汎用1ビットレジスタ308と#0のクロック出力制御回路305を用いて実行される。続いて、SPIマスタデバイス101は、通信開始後、SS信号をハイレベルにした第2のタイミングの通信期間において、以下の動作を実行する。SPIマスタデバイス101は、MSBから2ビットに前述したID指定コマンド(識別子指定コマンド)“10”がセットされ、下位6ビットに“000000”が埋められた8ビットのシリアルデータを生成する。このデータは、ID指定解除コマンドとして機能する。SPIマスタデバイス101は、このシリアルデータを、図3のCLK端子から出力する図7(a)のCLK信号に同期させて、図7(c)のMOSIシリアルデータとして、図3のMOSI端子から送信する。この制御は主に、図3の送信用レジスタ306、送信用シフトレジスタ302と、#0および#1のクロック出力制御回路305とを用いて実行される。最後に、SPIマスタデバイス101は、図3のSS端子から出力する図7(b)のSS信号を、図3のCLK端子から出力する図7(a)のCLK信号に同期する1クロック長さ分だけ第1の論理状態すなわちローレベルにする。この制御は主に、図3のマイコンコア301内の#0および#2の汎用1ビットレジスタ308と#0のクロック出力制御回路305を用いて実行される。
<SPIマスタデバイス101の動作1>と並行し、第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のCLK端子から入力する図7(a)のCLK信号の1クロック長さ分だけローレベルになった、図4のSS端子から入力する図7(b)のSS信号を検知する。この制御は主に、図4の1クロック判定回路404と#0の汎用1ビットレジスタ408を用いて実行される。続いて、第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のCLK端子から入力する図7(a)のCLK信号に同期させて、以下の動作を実行する。第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のMOSI端子から図7(c)のMOSIシリアルデータとして入力する8ビットのシリアルデータとして、MSBから2ビットのID指定コマンド“10”と下位6ビット“000000”を受信する。この制御は主に、図4の#1の汎用1ビットレジスタ408と、クロック出力制御回路405と、受信用シフトレジスタ402と、受信用レジスタ406を用いて実行される。第2のSPIスレーブデバイス103は、ID指定コマンド“10”と下位6ビット“000000”の組合せを受信した場合には、今まで実行していたSPI通信を終了する。
図2(II)で前述したように、SPIマスタデバイス101は、図3のSS端子から出力する図8(b)のSS信号を、図3のCLK端子から出力する図8(a)のCLK信号に同期する1クロック長さ分だけ第1の論理状態すなわちローレベルにする。その後、SPIマスタデバイス101は、SS信号を、第2の論理状態すなわちハイレベルに戻す。この時点でSPIマスタデバイス101と第2のSPIスレーブデバイス103とが通信開始となる。この制御は主に、図3のマイコンコア301内の#0および#2の汎用1ビットレジスタ308と#0のクロック出力制御回路305を用いて実行される。
SPIマスタデバイス101は、通信開始後、SS信号をハイレベルにした第2のタイミングの通信期間において、以下の動作を実行する。SPIマスタデバイス101は、MSBから2ビットにリセットコマンド“11”がセットされたシリアルデータを生成する。SPIマスタデバイス101は、このシリアルデータを、図3のCLK端子から出力する図8(a)のCLK信号に同期させて、図8(c)のMOSIシリアルデータとして、図3のMOSI端子から送信する。この制御は主に、図3の送信用レジスタ306、送信用シフトレジスタ302と、#0および#1のクロック出力制御回路305とを用いて実行される。
<SPIマスタデバイス101の動作1>と並行し、第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のCLK端子から入力する図7(a)のCLK信号の1クロック長さ分だけローレベルになった、図4のSS端子から入力する図7(b)のSS信号を検知する。これにより、第2のSPIスレーブデバイス103は、通信開始の状態になる。この制御は主に、図4の1クロック判定回路404と#0の汎用1ビットレジスタ408を用いて実行される。
第2のSPIスレーブデバイス103は、上記通信開始以降の通信期間で、図4のCLK端子から入力する図8(a)のCLK信号に同期させて、以下の動作を実行する。第2のSPIスレーブデバイス103は、図4のMOSI端子から入力する図8(c)のMOSIシリアルデータとして、MSBから2ビットのリセットコマンド“11”を受信する。この制御は主に、図4の#1の汎用1ビットレジスタ408と、クロック出力制御回路405と、受信用シフトレジスタ402と、受信用レジスタ406を用いて実行される。この結果、第2のSPIスレーブデバイス103は、図6のバス固有ID設定処理により自装置に設定されていたバス固有IDの登録を解除する。
<SPIマスタデバイス101の動作3>の後、SPIマスタデバイス101は、図5のデバイス固有ID探索処理により探索されたデバイス固有IDの登録と、図6のバス固有ID設定処理により設定したバス固有IDの登録を解除する。
マイコンコア301は、図8で前述したリセット処理によりリセットがなされたか否かを判定する(S6)。
S6の判定がYESならば、マイコンコア301は、S1に戻る。
・MSBから「不一致箇所」の1ビット上位側のビット目までは、現在メモリに一時記憶されている探索用のデバイス固有IDの対応するビットの値と同じ値とする。
・「不一致箇所」のビットは、1とする。
・「不一致箇所」よりも下位のビットは、全て0とする。
S1の判定がNOの場合、マイコンコア301は、拡張方式によるSPI通信を開始する。
S8の判定がYESならば、マイコンコア401は、バス固有ID設定処理を実行する(図20のS9)。これは、図6で前述した<第2のSPIスレーブデバイス103の動作2>の処理に対応する。この処理の詳細については、図22のフローチャートを用いて後述する。
S10の判定がYESならば、マイコンコア401は、次の処理を実行する。マイコンコア401は、図4の1クロック判定回路404の出力を#0の汎用1ビットレジスタ408に転送して判定することにより、1クロック分のSS信号が入力して通信開始状態になるまで待機する(図20のS11の判定がNOの繰返し)。これは、図7で前述した<第2のSPIスレーブデバイス103の動作1>の処理に対応する。
マイコンコア401はまず、初期化処理を実行する(図22のS2)。具体的には、マイコンコア401は、図4の1クロック判定回路404から#0の汎用1ビットレジスタ408に値1がセットされたときに、割込み処理が発生するように設定を行う。この割込み処理が発生すると、マイコンコア401は、制御を図22のステップAに移す。この割込み処理については、後述する。
図23は、パーソナルコンピュータメインボードにおける図1の伝送システム100の構成例を示す図である。この構成例では、図1のSPIマスタデバイス101に対応するメインボード上のSPIマスタデバイスに、図1の第2のSPIスレーブデバイス103に対応するSPI温度センサが接続される。例えば、製品ラインナップとして、以下のものがあった場合を考える。
1.温度センサ無し
2.温度センサ1台
3.温度センサ2台
1.配線は4本のみで、並行して配線が可能になる。
2.配線が少なく、かつ配線ルートが簡単で済む。
3.SPIマスタデバイスは、温度センサが何個あるか、プログラムで認識が可能のため、共通のプログラムで、メインボードのラインナップに対応できる。ラインナップ毎にプログラムを変更しなくて済むため、プログラムの開発やメンテナンスが楽になる。
1.ABS(アンチロックブレーキシステム)有り+ブレーキパッド温度センサ無し
2.ABS有り+ブレーキパッド温度センサ有り
(付記1)
マスタ装置と、前記マスタ装置と接続されると共に自装置の識別子が設定された複数のスレーブ装置を備える伝送システムであって、
前記マスタ装置は、
前記複数のスレーブ装置のうちの第1のスレーブ装置が応答しないクロック長さの制御信号を前記複数のスレーブ装置のそれぞれに第1のタイミングで伝送する第1の伝送手段と、前記複数のスレーブ装置のそれぞれに対して前記複数のスレーブ装置のうちの増設され得る第2のスレーブ装置を指定する識別子を前記第1のタイミングより後の第2のタイミングで伝送する第2の伝送手段とを備え、
前記複数のスレーブ装置は、
前記制御信号と自装置を指定する前記識別子とを受信した場合に、前記マスタ装置に対してデータを伝送する第3の伝送手段を備える、
ことを特徴とした伝送システム。
(付記2)
前記第1の伝送手段が前記第1のスレーブ装置を選択するためのスレーブセレクト信号線を前記制御信号の1クロック長さ分だけ第1の論理状態にして通信開始とし、続いて前記第2の伝送手段が前記スレーブセレクト信号線を第2の論理状態にして通信期間とし、前記第2の論理状態の終了後前記第1の伝送手段が前記スレーブセレクト信号線を前記制御信号の1クロック長さ分だけ第1の論理状態に戻して通信終了とした後に前記第1のスレーブ装置が応答しない第2の論理状態にし、
前記マスタ装置および前記第2のスレーブ装置は、前記通信開始から前記通信終了までの通信期間で、前記第2の伝送手段および前記第3の伝送手段により、前記制御信号に同期したシリアルデータの通信を行う、
ことを特徴とした付記1記載の伝送システム。
(付記3)
前記マスタ装置および前記第1のスレーブ装置は、前記通信期間以外の期間において、前記マスタ装置が前記スレーブセレクト信号線を前記第1のスレーブ装置が応答する第1の論理状態にすることにより、前記制御信号に同期したシリアルデータの通信を行う、
ことを特徴とした付記2記載の伝送システム。
(付記4)
前記マスタ装置は、前記通信期間で、前記第2の伝送手段により、識別子探索コマンドに続いて、前記第2のスレーブ装置間で一意な識別子であるデバイス固有識別子の候補を探索用のデバイス固有識別子として送信する第1の動作を実行し、
前記第2のスレーブ装置は、前記通信期間で、前記識別子探索コマンドに続いて受信した前記探索用のデバイス固有識別子が自装置のデバイス固有識別子と比較して、一致すれば第1の論理状態を有する応答を出力し、一致しなければ第2の論理状態を有する応答を出力する第2の動作を実行し、
前記マスタ装置は、前記通信期間で、前記探索用のデバイス固有識別子を全て送信した後に、順次入力する前記応答が全て第1の論理状態であれば、前記送信した探索用のデバイス固有識別子を何れかの前記第2のスレーブ装置に設定されているデバイス固有識別子として登録する第3の動作を実行する、
ことを特徴とした付記3記載の伝送システム。
(付記5)
前記マスタ装置は、登録されている前記デバイス固有識別子を設定用の前記デバイス固有識別子として順次指定しながら、前記通信期間で、前記第2の伝送手段により、識別子設定コマンドに続いて、前記設定用のデバイス固有識別子と、任意のデータ長さを有するバス固有識別子とを送信し、
前記第2のスレーブ装置は、前記通信期間で、前記識別子設定コマンドに続いて受信した前記設定用のデバイス固有識別子が自装置のデバイス固有識別子に一致すれば、さらに前記バス固有識別子を自装置に設定する、
ことを特徴とした付記3または4記載の伝送システム。
(付記6)
前記マスタ装置は、前記通信期間で、前記第2の伝送手段により、識別子指定コマンドに続いて、通信を行う前記第2のスレーブ装置に対応し任意のデータ長さを有するバス固有識別子を送信し、
前記第2のスレーブ装置は、前記通信期間で、前記識別子指定コマンドに続いて受信した前記バス固有識別子が自装置に設定されているバス固有識別子と比較して、一致すれば、前記通信終了以後前記スレーブセレクト信号線が第2の論理状態になったタイミングで、前記マスタ装置との間で、前記制御信号に同期したデータ通信を行い、一致しなければ、その後に前記通信期間で識別子解除コマンドまたはリセットコマンドを受信するまでは、前記マスタ装置から入力するデータに応答しない、
ことを特徴とした付記3乃至5記載の伝送システム。
(付記7)
前記スレーブセレクト信号線は前記マスタ装置と前記識別子探索コマンドで探索される複数のスレーブ装置を接続する一本の信号線からなる、
ことを特徴とした付記4記載の伝送システム。
(付記8)
伝送システム上で自装置の識別子が設定され得る複数のスレーブ装置が接続されるマスタ装置であって、
前記複数のスレーブ装置のうちの第1のスレーブ装置が応答しないクロック長さの制御信号を前記複数のスレーブ装置のそれぞれに第1のタイミングで伝送する第1の伝送手段と、前記複数のスレーブ装置のそれぞれに対して前記複数のスレーブ装置のうちの増設された第2のスレーブ装置を指定する識別子を前記第1のタイミングより後の第2のタイミングで伝送することにより、前記制御信号と自装置を指定する前記識別子を受信した前記第2のスレーブ装置にデータを伝送させる第2の伝送手段と、
を備えることを特徴としたマスタ装置。
101 SPIマスタデバイス
102 第1のSPIスレーブデバイス
103 第2のSPIスレーブデバイス
104 CLK信号線
105 SS信号線
106 MOSI信号線
107 MISO信号線
301、401 マイコンコア
302、403 送信用シフトレジスタ
303、402 受信用シフトレジスタ
304 クロック生成器
305、405 クロック出力制御回路
306、407 送信用レジスタ
307、406 受信用レジスタ
308、408 汎用1ビットレジスタ
Claims (7)
- マスタ装置と、前記マスタ装置と接続される複数のスレーブ装置を備える伝送システムであって、
前記マスタ装置は、
前記複数のスレーブ装置のうちの第1のスレーブ装置が応答しないクロック長さの制御信号を前記複数のスレーブ装置のそれぞれに第1のタイミングで伝送する第1の伝送手段と、前記複数のスレーブ装置のそれぞれに対して前記複数のスレーブ装置のうちの増設された第2のスレーブ装置を指定する識別子を前記第1のタイミングより後の第2のタイミングで伝送する第2の伝送手段と、
を備え、
前記複数のスレーブ装置のうちの前記第2のスレーブ装置は、
前記制御信号と自装置を指定する前記識別子とを受信した場合に、前記マスタ装置に対してデータを伝送する第3の伝送手段を備え、
前記マスタ装置は、
前記第2のスレーブ装置との通信を開始する場合、前記第1の伝送手段によって、スレーブセレクト信号をクロック信号の1クロック長さ分だけ第1の論理状態にして通信開始とし、
続いて、前記スレーブセレクト信号を第2の論理状態にして前記第2のスレーブ装置との通信期間とし、
前記第2の論理状態の終了後、前記スレーブセレクト信号を前記クロック信号の1クロック長さ分だけ第1の論理状態に戻して前記第2のスレーブ装置と通信終了とした後に、
前記スレーブセレクト信号を前記第1のスレーブ装置が応答しない第2の論理状態にする、
ことを特徴とした伝送システム。 - 前記マスタ装置および前記第1のスレーブ装置は、前記通信期間以外の期間において、前記マスタ装置が前記スレーブセレクト信号を前記第1のスレーブ装置が応答する第1の論理状態にすることにより、前記クロック信号に同期したシリアルデータの通信を行う、
ことを特徴とした請求項1記載の伝送システム。 - 前記マスタ装置は、前記通信期間で、前記第2の伝送手段により、識別子探索コマンドに続いて、前記第2のスレーブ装置間で一意な識別子であるデバイス固有識別子の候補を探索用のデバイス固有識別子として送信し、
前記第2のスレーブ装置は、前記通信期間で、前記識別子探索コマンドに続いて受信した前記探索用のデバイス固有識別子を自装置のデバイス固有識別子と比較して、一致すれば第1の論理状態を有する応答を出力し、一致しなければ第2の論理状態を有する応答を出力し、
前記マスタ装置は、前記通信期間で、前記探索用のデバイス固有識別子を送信した後に、順次入力する前記応答が第1の論理状態であれば、前記送信した探索用のデバイス固有識別子を何れかの前記第2のスレーブ装置に設定されているデバイス固有識別子として登録する、
ことを特徴とした請求項2記載の伝送システム。 - 前記マスタ装置は、登録されている前記デバイス固有識別子を設定用の前記デバイス固有識別子として順次指定しながら、前記通信期間で、前記第2の伝送手段により、識別子設定コマンドに続いて、前記設定用のデバイス固有識別子と、任意のデータ長さを有するバス固有識別子とを送信し、
前記第2のスレーブ装置は、前記通信期間で、前記識別子設定コマンドに続いて受信した前記設定用のデバイス固有識別子が自装置のデバイス固有識別子に一致すれば、さらに前記バス固有識別子を自装置に設定する、
ことを特徴とした請求項3記載の伝送システム。 - 前記マスタ装置は、前記通信期間で、前記第2の伝送手段により、識別子指定コマンドに続いて、通信を行う前記第2のスレーブ装置に対応し任意のデータ長さを有するバス固有識別子を送信し、
前記第2のスレーブ装置は、前記通信期間で、前記識別子指定コマンドに続いて受信した前記バス固有識別子が自装置に設定されているバス固有識別子と比較して、一致すれば、前記通信終了以後前記スレーブセレクト信号が第2の論理状態になったタイミングで、前記マスタ装置との間で、前記クロック信号に同期したデータ通信を行い、一致しなければ、その後に前記通信期間で識別子解除コマンドまたはリセットコマンドを受信するまでは、前記マスタ装置から入力するデータに応答しない、
ことを特徴とした請求項2乃至4記載の伝送システム。 - 前記スレーブセレクト信号が送信されるスレーブセレクト信号線は前記マスタ装置と前記識別子探索コマンドで探索される複数のスレーブ装置を接続する一本の信号線からなる、
ことを特徴とした請求項3記載の伝送システム。 - 伝送システム上で複数のスレーブ装置と接続されるマスタ装置であって、
前記マスタ装置は、
前記複数のスレーブ装置のうちの第1のスレーブ装置が応答しないクロック長さの制御信号を前記複数のスレーブ装置のそれぞれに第1のタイミングで伝送する第1の伝送手段と、
前記複数のスレーブ装置のそれぞれに対して前記複数のスレーブ装置のうちの増設された第2のスレーブ装置を指定する識別子を前記第1のタイミングより後の第2のタイミングで伝送することにより、前記制御信号と自装置を指定する前記識別子を受信した前記第2のスレーブ装置にデータを伝送させる第2の伝送手段と、
を備え、
前記複数のスレーブ装置のうちの前記第2のスレーブ装置は、
前記制御信号と自装置を指定する前記識別子とを受信した場合に、前記マスタ装置に対してデータを伝送する第3の伝送手段を備え、
前記マスタ装置は、
前記第2のスレーブ装置との通信を開始する場合、前記第1の伝送手段によって、スレーブセレクト信号をクロック信号の1クロック長さ分だけ第1の論理状態にして通信開始とし、
続いて、前記スレーブセレクト信号を第2の論理状態にして前記第2のスレーブ装置との通信期間とし、
前記第2の論理状態の終了後、前記スレーブセレクト信号を前記クロック信号の1クロック長さ分だけ第1の論理状態に戻して前記第2のスレーブ装置と通信終了とした後に、
前記スレーブセレクト信号を前記第1のスレーブ装置が応答しない第2の論理状態にする、
ことを特徴としたマスタ装置。
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