JP6652212B2 - サンプルプレート移動機構及びそれを備えたレーザ脱離イオン化質量分析装置 - Google Patents
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Description
MALDI−TOFMS101は、真空チャンバ10と、真空チャンバ10と連結して設けられた検出チャンバ(検出手段)20と、真空チャンバ10内を真空排気する真空ポンプ(図示せず)と、ステージ131を有するサンプルプレート移動機構130と、真空チャンバ10内に載置されるサンプルプレート140と、レーザ光を試料に照射する照射手段60と、MALDI−TOFMS101全体の制御を行うコンピュータ170とを備える。
このような検出チャンバ20によれば、照射手段60からのレーザ照射によって試料から放出されたイオンは検出チャンバ20内に導入され、イオン輸送光学系21を経て質量分析器22に送られ、質量分析器22により質量電荷比に応じて各種イオンが分離される。そして、分離されたイオンが検出器23に到達すると、検出器23は到達したイオン量に応じた検出信号を出力し、この検出信号は後述するコンピュータ170の分析制御部71bに送信される。
図7(a)に示すサンプルプレート140は、例えば20gの金属製の表面を有するプラスチック製の板状体(例えば8cm×3cm×0.2cm)141からなり、この板状体141上面に、例えば直径3〜5mm程度の試料がM行N列に並んで載置されるようになっている。また、板状体141内部の中央部分には、円柱形状(例えば直径1cm)の第一永久磁石142が配置されている。第一永久磁石142は、上側がS極、下側がN極となるように配置されている。
ステージ131は、板状体(例えば1cm×3cm×4cm)131aと、板状体131a下面に形成されたステージ取付部131bとを有する。そして、板状体131a上面の中央部には、円柱形状(例えば直径1cm)の第三永久磁石131cが配置されている。第三永久磁石131cは、上側がS極、下側がN極となるように配置されている。
そこで、本発明は、極めて低い摩擦力で真空室の壁面上を移動させることができるサンプルプレート移動機構及びそれを備えたレーザ脱離イオン化質量分析装置を提供することを目的とする。
また、上記発明において、前記サンプルプレートに配置された前記第一永久磁石は、2個の永久磁石からなり、前記第二永久磁石のX方向と−X方向とに配置されており、前記ステージに配置された前記第三永久磁石は、2個の永久磁石からなり、前記電磁石のX方向と−X方向とに配置されているようにしてもよい。
ここで、「所定摩擦力」とは、設計者等によって予め決められた任意の数値であり、サンプルプレートと真空室の壁面との間に働く摩擦力を低減させるものである。
MALDI−TOFMS1は、真空チャンバ10と、真空チャンバ10と連結して設けられた検出チャンバ(検出手段)20と、真空チャンバ10内を真空排気する真空ポンプ(図示せず)と、ステージ31を有するサンプルプレート移動機構30と、真空チャンバ10内に載置されるサンプルプレート40と、レーザ光を試料に照射する照射手段60と、MALDI−TOFMS1全体の制御を行うコンピュータ70とを備える。サンプルプレート40とステージ31に挟まれる真空チャンバ10の隔壁については、後述する磁石による結合を損ねないよう、例えば厚さ3mmにする。
図2(a)に示すサンプルプレート40は、例えば20gの金属製の表面を有するプラスチック製の板状体(例えば8cm×3cm×0.2cm)41からなり、板状体41下面の四隅には、所定摩擦力以下とするテフロン(登録商標)やグラファイト製で円柱形状(例えば直径5mm)の保持部材45がそれぞれ配置されている。そして、板状体41の上面には、例えば直径3〜5mm程度の試料がM行N列に並んで載置されるようになっている。
ステージ31は、板状体(例えば1.5cm×3cm×4cm)31aと、板状体31a下面に形成されたステージ取付部31bとを有する。そして、板状体31a上面には、円柱形状(例えば直径5mm)の第三永久磁石31cと、直方体形状(例えば7mm×15mm×7mm)の電磁石50と、円柱形状(例えば直径5mm)の第三永久磁石31dとがX方向に沿ってこの順に配置されている。第三永久磁石31c、31dは、上側がS極、下側がN極となるように配置されている。
電磁石50は、X軸よりY軸方向に長い直方体形状の磁性パイプ51と、3個の円柱形状の電磁コイル52とを備える。3個の電磁コイル52は、磁性パイプ51内部でY方向に並ぶように配置されており、コンピュータ70によって電流が流されると、上側がS極、下側がN極となり、かつ、Y軸に対して磁束が広がるようになっている。これにより、電磁石50と第二永久磁石43とを真空チャンバ10の下面壁を介して−Z方向に所定反発力で反発させる。
まず、オペレータは、真空チャンバ10内の下面壁上にサンプルプレート40を載置する。このとき、サンプルプレート40の第一永久磁石42とステージ31の第三永久磁石31cとが引き合い、サンプルプレート40の第一永久磁石44とステージ31の第三永久磁石31dとが引き合うことで、サンプルプレート40が真空チャンバ10の下面壁に押し付けられて、真空チャンバ10の下面壁を介してサンプルプレート40とステージ31とが一体化する。
(1)上述した実施形態では、レーザ脱離イオン化法(LDI)、マトリックス支援レーザ脱離イオン化法(MALDI)によるイオン源を用いる質量分析装置を例に説明したが、これ以外の分析装置にも適用することができる。具体的にはエネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)、X線回折装置(XRD)、電子線マイクロアナライザ(EPMA)、走査型プローブ顕微鏡(SPM)、走査電子顕微鏡(SEM)、X線光電子分光分析装置(XPS)等にも適用することができる。
10 真空チャンバ(真空室)
30 サンプルプレート移動機構
31 ステージ
31c、31d 第三永久磁石
40 サンプルプレート
42、44 第一永久磁石
43 第二永久磁石
50 電磁石
Claims (6)
- 真空室内に配置されるサンプルプレートと、
前記真空室外に配置され、X方向とY方向とに移動可能なステージとを備えるサンプルプレート移動機構であって、
前記サンプルプレートには、第一永久磁石と、第二永久磁石とが配置されており、
前記ステージには、前記第一永久磁石と前記真空室の器壁を介してZ方向に引き合う第三永久磁石と、電磁石とが配置されており、
分析するときには、前記電磁石を制御することにより、前記電磁石と前記第二永久磁石とを前記真空室の器壁を介して−Z方向に所定反発力で反発させることを特徴とするサンプルプレート移動機構。 - 前記サンプルプレートに配置された前記第一永久磁石は、2個の永久磁石からなり、前記第二永久磁石のX方向と−X方向とに配置されており、
前記ステージに配置された前記第三永久磁石は、2個の永久磁石からなり、前記電磁石のX方向と−X方向とに配置されていることを特徴とする請求項1に記載のサンプルプレート移動機構。 - 前記第二永久磁石の極性は、前記第一永久磁石の極性と逆方向となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサンプルプレート移動機構。
- 前記サンプルプレートの下面には、所定摩擦力以下とする保持部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のサンプルプレート移動機構。
- 前記サンプルプレートの上面には、複数の試料が載置されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のサンプルプレート移動機構。
- 請求項5に記載のサンプルプレート移動機構と、
前記真空室と、
レーザ光を試料に照射する照射手段と、
前記レーザ光が照射された試料から放出された気化試料又はイオンを検出する検出手段と、
前記ステージをX方向及び/又はY方向に移動させながら、前記サンプルプレート上の各試料から放出された気化試料又はイオンを前記検出手段でそれぞれ検出していく制御部とを備えることを特徴とするレーザ脱離イオン化質量分析装置。
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