JP2019114562A - サンプルプレート移動機構及びそれを備えたレーザ脱離イオン化質量分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】極めて低い摩擦力で真空室壁面上を移動させることができるサンプルプレート移動機構の提供。【解決手段】真空室10内に配置されるサンプルプレート40と、真空室10外に配置され、XY方向に移動可能なステージ31とを備えるサンプルプレート移動機構30であって、サンプルプレート40には、第一永久磁石42、44と、第二永久磁石43とが配置されており、ステージ31には、第一永久磁石42、44と真空室10の器壁を介してZ方向に引き合う第三永久磁石31c、31dと、電磁石50とが配置されており、分析時には、電磁石50を制御することにより、電磁石50と第二永久磁石43とを真空室10の器壁を介して−Z方向に所定反発力で反発させるようにする。【選択図】図2

Description

本発明は、真空室内でサンプルプレートを移動させるためのサンプルプレート移動機構に関する。特に、サンプルプレートの上面に載置された試料にレーザ光を照射し、それにより試料を気化又はイオン化して、さらにレーザ光の照射位置に対しサンプルプレートを移動させることで、順次サンプルプレートの上面に載置された多数の試料を、気化又はイオン化するマトリックス支援レーザ脱離イオン化飛行時間型質量分析装置(MALDI−TOFMS:Matrix Assisted Laser Desorption Ionization / Time of Flight Mass Spectrometer)に関する。
MALDI(マトリックス支援レーザ脱離イオン化法)は、「マトリックス」と呼ばれるシナピン酸等の溶液と微量の分析対象物質とを混合した試料にレーザ光を照射し、レーザ光を吸収したマトリックスが熱を吸収して発熱し、その一部が急速に加熱されて気化するのに伴って分析対象物質を気化又はイオン化する方法である。MALDI−TOFMSで質量分析を行う際には、サンプルプレートの上面に試料をスポット状に滴下し、乾燥により溶媒を蒸発させた後に真空チャンバ内へ載置する。そして、真空チャンバ内を真空引きするべく真空ポンプの運転を開始することにより分析が開始される。通常、サンプルプレートの上面には複数の試料がM行N列に並ぶように載置されており、サンプルプレートを動かしてレーザ光の照射位置に各試料の載置箇所を移動させることにより、各試料が次々とイオン化される。そして、MALDI−TOFMSでは、発生させたイオンを所定の強さの電場によって引き出し、飛行空間内に導入することで質量分析を行う。飛行空間内を飛行する各イオンの速度はその質量電荷比に依存し、質量電荷比が小さいほど大きな速度を有するため、検出器に到達するまでの飛行時間に応じて、各種イオンを質量電荷比ごとに分離・検出する(例えば、特許文献1参照)。
ところで、真空チャンバ内に、サンプルプレートを駆動するためのXYステージ機構を設けると、電気、機械構造によるコンタミ、発熱があり、コストアップや真空チャンバのサイズを小型化できないという問題が生じる。特に真空チャンバサイズの問題は、真空引きの速度と到達真空度とに影響し、コストダウンや真空ポンプ等の小型化に対する障害となる。
そこで、これらの要求に適したサンプルプレート移動機構として、サンプルプレートを真空チャンバ内の下面壁上に載置し、真空チャンバ外に配置されたステージと磁気カップリングさせることで、ステージの移動に伴ってサンプルプレート上の任意の位置をレーザ光の照射位置に移動させるようにしたものがある。
図6は、従来のMALDI−TOFMSの構成の一例を示す図である。なお、地面に水平な一方向をX方向とし、地面に水平でX方向と垂直な方向をY方向とし、X方向とY方向とに垂直な方向をZ方向とする。
MALDI−TOFMS101は、真空チャンバ10と、真空チャンバ10と連結して設けられた検出チャンバ(検出手段)20と、真空チャンバ10内を真空排気する真空ポンプ(図示せず)と、ステージ131を有するサンプルプレート移動機構130と、真空チャンバ10内に載置されるサンプルプレート140と、レーザ光を試料に照射する照射手段60と、MALDI−TOFMS101全体の制御を行うコンピュータ170とを備える。
真空チャンバ10は、アルミニウム製で厚さ1cmの器壁によって直方体形状(例えば20cm×40cm×20cm)に形成されている。そして、右側壁には、レーザ光を透過する照射用窓11が形成されている。
検出チャンバ20内には、イオン輸送光学系21と、質量分析器22と、検出器23とが−Z方向にこの順で配置されている。イオン輸送光学系21としては、例えば静電的な電磁レンズや多極型の高周波イオンガイド等が用いられる。また、質量分析器22としては、四重極型分析器、イオントラップ、飛行時間型分析器、磁場セクタ型分析器等が用いられる。
このような検出チャンバ20によれば、照射手段60からのレーザ照射によって試料から放出されたイオンは検出チャンバ20内に導入され、イオン輸送光学系21を経て質量分析器22に送られ、質量分析器22により質量電荷比に応じて各種イオンが分離される。そして、分離されたイオンが検出器23に到達すると、検出器23は到達したイオン量に応じた検出信号を出力し、この検出信号は後述するコンピュータ170の分析制御部71bに送信される。
照射手段60は、真空チャンバ10の外側右上方に位置するように配置され、レーザ集光光学系61と、レーザ照射部62とを備える。このような照射手段60によれば、レーザ照射部62から出射されたイオン化用のレーザ光はレーザ集光光学系61により絞られ、真空チャンバ10の照射用窓11を通してサンプルプレート140の試料に向けて照射される。この際に試料上へ照射されるレーザ光の照射径は、例えば1μm〜数十μmという微小径である。
コンピュータ170は、CPU171と入力装置となる操作部72とを備える。また、CPU171が処理する機能をブロック化して説明すると、ステージ制御部171aと、レーザ照射部62を制御するとともに検出器23からの検出信号をデジタル化して適宜のデータ処理を実行する分析制御部71bとを有する。分析制御部71bは、例えば試料の質量スペクトルを作成し、この質量スペクトルに基づいて定性解析や定量解析を行う。また、分析制御部71bは、ステージ制御部171aによってレーザ照射位置が走査されるごとに質量スペクトルを作成することで、多数の試料の定性解析や定量解析を行う。
ここで、図7は、従来のサンプルプレートとサンプルプレート移動機構の一例を示す斜視図である。
図7(a)に示すサンプルプレート140は、例えば20gの金属製の表面を有するプラスチック製の板状体(例えば8cm×3cm×0.2cm)141からなり、この板状体141上面に、例えば直径3〜5mm程度の試料がM行N列に並んで載置されるようになっている。また、板状体141内部の中央部分には、円柱形状(例えば直径1cm)の第一永久磁石142が配置されている。第一永久磁石142は、上側がS極、下側がN極となるように配置されている。
図7(b)に示すサンプルプレート移動機構130は、真空チャンバ10の外側下方に配置され、ステージ131と、X軸リニアアクチュエータ32と、Y軸リニアアクチュエータ33とを備える。
ステージ131は、板状体(例えば1cm×3cm×4cm)131aと、板状体131a下面に形成されたステージ取付部131bとを有する。そして、板状体131a上面の中央部には、円柱形状(例えば直径1cm)の第三永久磁石131cが配置されている。第三永久磁石131cは、上側がS極、下側がN極となるように配置されている。
X軸リニアアクチュエータ32は、X軸リニアガイド32aと、X軸スクリュ32bと、X軸リニアガイド32aの一端部及びX軸スクリュ32bの一端部を支持するX軸リニアアクチュエータ取付部32dと、X軸リニアガイド32aの一端部及びX軸リニアアクチュエータ取付部32dに取り付けられたX軸モータ32cとを備える。そして、X軸リニアガイド32aの他端部及びX軸スクリュ32bの他端部にはステージ取付部131bが固定されている。これにより、X軸モータ32cの回転によってステージ取付部131bがX軸リニアアクチュエータ取付部32dに対してX方向に移動可能となっている。
Y軸リニアアクチュエータ33は、Y軸リニアガイド33aと、Y軸スクリュ33bと、Y軸リニアガイド33aの一端部及びY軸スクリュ33bの一端部を支持するとともに筐体等に固定されるY軸リニアアクチュエータ取付部33dと、Y軸リニアガイド33aの一端部及びY軸リニアアクチュエータ取付部33dに取り付けられたY軸モータ33cとを備える。そして、Y軸リニアガイド33aの他端部及びY軸スクリュ33bの他端部にはX軸リニアアクチュエータ取付部32dが固定されている。これにより、Y軸モータ33cの回転によってX軸リニアアクチュエータ取付部32dがY軸リニアアクチュエータ取付部33d(筐体等)に対してY方向に移動可能となっている。
このようなMALDI−TOFMS101を用いて質量分析を行う際に、まず、オペレータは、真空チャンバ10内の下面壁上にサンプルプレート140を載置する。このとき、サンプルプレート140の第一永久磁石142とステージ131の第三永久磁石131cとが引き合うことで、サンプルプレート140が真空チャンバ10の下面壁に押し付けられて、真空チャンバ10の下面壁を介してサンプルプレート140とステージ131とが一体化する。
次に、オペレータは、真空ポンプの運転を開始した後、操作部72を用いて分析開始信号を入力する。これにより、ステージ制御部171aは、X軸モータ32cとY軸モータ33cとに必要な駆動信号を出力し、所望のX方向とY方向とにステージ131を移動させることで、これと同時にサンプルプレート140を所望のX方向とY方向とに移動させることができる。
国際公開WO2008/068847号公報
ところで、質量分析を行う際には、各試料にレーザ光が正確に照射されるようにサンプルプレートの位置移動を精度よく行う必要があるとともに、多数の試料の分析に要する時間を短くするために、できるだけ高速で各試料間の移動が行われるようにサンプルプレートを移動させる必要がある。
しかしながら、MALDI−TOFMS101では、サンプルプレート140の移動において、移動速度が低速の場合にはあまり問題とならないが、高速移動させると、サンプルプレート140と真空チャンバ10下面壁との間の摩擦によって位置ずれが生じるという問題が発生した。
そこで、本発明は、極めて低い摩擦力で真空室の壁面上を移動させることができるサンプルプレート移動機構及びそれを備えたレーザ脱離イオン化質量分析装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明のサンプルプレート移動機構は、真空室内に配置されるサンプルプレートと、前記真空室外に配置され、X方向とY方向とに移動可能なステージとを備えるサンプルプレート移動機構であって、前記サンプルプレートには、第一永久磁石と、第二永久磁石とが配置されており、前記ステージには、前記第一永久磁石と前記真空室の器壁を介してZ方向に引き合う第三永久磁石と、電磁石とが配置されており、分析するときには、前記電磁石を制御することにより、前記電磁石と前記第二永久磁石とを前記真空室の器壁を介して−Z方向に所定反発力で反発させるようにしている。
ここで、「所定反発力」とは、設計者等によって予め決められた任意の数値であり、サンプルプレートと真空室の壁面との間に働く摩擦力を低減させるものである。
以上のように、本発明のサンプルプレート移動機構によれば、ステージを真空室外に設置することで、真空室内の電気的及び機械的負担が低減する。そして、サンプルプレートの移動時に磁気浮上させることで、極めて低い摩擦力で真空室の壁面上を移動させることになるため、高速かつ高精度な動作を実現することができる。
(他の課題を解決するための手段および効果)
また、上記発明において、前記サンプルプレートに配置された前記第一永久磁石は、2個の永久磁石からなり、前記第二永久磁石のX方向と−X方向とに配置されており、前記ステージに配置された前記第三永久磁石は、2個の永久磁石からなり、前記電磁石のX方向と−X方向とに配置されているようにしてもよい。
また、上記発明において、前記第二永久磁石の極性は、前記第一永久磁石の極性と逆方向となっているようにしてもよい。
また、上記発明において、前記サンプルプレートの下面には、所定摩擦力以下とする保持部材が配置されているようにしてもよい。
ここで、「所定摩擦力」とは、設計者等によって予め決められた任意の数値であり、サンプルプレートと真空室の壁面との間に働く摩擦力を低減させるものである。
また、上記発明において、前記サンプルプレートの上面には、複数の試料が載置されているようにしてもよい。
また、本発明のレーザ脱離イオン化質量分析装置において、上述したようなサンプルプレート移動機構と、前記真空室と、レーザ光を試料に照射する照射手段と、前記レーザ光が照射された試料から放出された気化試料又はイオンを検出する検出手段と、前記ステージをX方向及び/又はY方向に移動させながら、前記サンプルプレート上の各試料から放出された気化試料又はイオンを前記検出手段でそれぞれ検出していく制御部とを備えるようにしてもよい。
本発明に係るMALDI−TOFMSを示す構成図。 本発明に係るサンプルプレートとサンプルプレート移動機構の一例を示す斜視図。 本発明で用いる電磁石の一例を示す斜視図。 図3の電磁石による磁性を示す図。 サンプルプレートが磁気浮上した状態を示す説明図。 MALDI−TOFMSの従来例を示す構成図。 サンプルプレートとサンプルプレート移動機構の従来例を示す斜視図。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれる。
図1は、本発明に係るMALDI−TOFMSの構成を示す図である。なお、上述したMALDI−TOFMS101と同様のものについては、同じ符号を付すことにより説明を省略する。
MALDI−TOFMS1は、真空チャンバ10と、真空チャンバ10と連結して設けられた検出チャンバ(検出手段)20と、真空チャンバ10内を真空排気する真空ポンプ(図示せず)と、ステージ31を有するサンプルプレート移動機構30と、真空チャンバ10内に載置されるサンプルプレート40と、レーザ光を試料に照射する照射手段60と、MALDI−TOFMS1全体の制御を行うコンピュータ70とを備える。サンプルプレート40とステージ31に挟まれる真空チャンバ10の隔壁については、後述する磁石による結合を損ねないよう、例えば厚さ3mmにする。
コンピュータ70は、CPU71と入力装置となる操作部72とを備える。また、CPU71が処理する機能をブロック化して説明すると、ステージ制御部71aと、レーザ照射部62を制御するとともに検出器23からの検出信号をデジタル化して適宜のデータ処理を実行する分析制御部71bとを有する。
図2は、本発明に係るサンプルプレートとサンプルプレート移動機構の一例を示す斜視図である。
図2(a)に示すサンプルプレート40は、例えば20gの金属製の表面を有するプラスチック製の板状体(例えば8cm×3cm×0.2cm)41からなり、板状体41下面の四隅には、所定摩擦力以下とするテフロン(登録商標)やグラファイト製で円柱形状(例えば直径5mm)の保持部材45がそれぞれ配置されている。そして、板状体41の上面には、例えば直径3〜5mm程度の試料がM行N列に並んで載置されるようになっている。
また、板状体41の内部には、円柱形状(例えば直径5mm)の第一永久磁石42と、直方体形状(例えば7mm×15mm×3mm)の第二永久磁石43と、円柱形状(例えば直径5mm)の第一永久磁石44とがX方向に沿ってこの順に配置されている。第二永久磁石43は、X軸よりY軸方向に長い直方体形状となっており、Y軸に対して磁束が広がるようになっている。そして、第一永久磁石42、44は、上側がS極、下側がN極となるように配置されるとともに、第二永久磁石43は、上側がN極、下側がS極となるように配置されている。
図2(b)に示すサンプルプレート移動機構30は、真空チャンバ10の外側下方に配置され、ステージ31と、X軸リニアアクチュエータ32と、Y軸リニアアクチュエータ33とを備える。
ステージ31は、板状体(例えば1.5cm×3cm×4cm)31aと、板状体31a下面に形成されたステージ取付部31bとを有する。そして、板状体31a上面には、円柱形状(例えば直径5mm)の第三永久磁石31cと、直方体形状(例えば7mm×15mm×7mm)の電磁石50と、円柱形状(例えば直径5mm)の第三永久磁石31dとがX方向に沿ってこの順に配置されている。第三永久磁石31c、31dは、上側がS極、下側がN極となるように配置されている。
図3は、本発明で用いる電磁石の一例を示す斜視図であり、図4は、図3の電磁石による磁性を示す図である。なお、図4(a)はYZ断面図であり、図4(b)はXZ断面図である。
電磁石50は、X軸よりY軸方向に長い直方体形状の磁性パイプ51と、3個の円柱形状の電磁コイル52とを備える。3個の電磁コイル52は、磁性パイプ51内部でY方向に並ぶように配置されており、コンピュータ70によって電流が流されると、上側がS極、下側がN極となり、かつ、Y軸に対して磁束が広がるようになっている。これにより、電磁石50と第二永久磁石43とを真空チャンバ10の下面壁を介して−Z方向に所定反発力で反発させる。
上記所定反発力は、サンプルプレート40の重さと、第一永久磁石42と第三永久磁石31cとの吸引力と、第一永久磁石44と第三永久磁石31dとの吸引力とに対して、3個の電磁コイル52と第二永久磁石43との反発力とが(やや吸引側に)つり合うように調整されている。
ここで、本発明に係るMALDI−TOFMS1を用いて多数の試料を分析する分析方法について説明する。図5は、サンプルプレートが磁気により浮上した状態を説明するための図である。
まず、オペレータは、真空チャンバ10内の下面壁上にサンプルプレート40を載置する。このとき、サンプルプレート40の第一永久磁石42とステージ31の第三永久磁石31cとが引き合い、サンプルプレート40の第一永久磁石44とステージ31の第三永久磁石31dとが引き合うことで、サンプルプレート40が真空チャンバ10の下面壁に押し付けられて、真空チャンバ10の下面壁を介してサンプルプレート40とステージ31とが一体化する。
次に、オペレータは、真空ポンプの運転を開始した後、操作部72を用いて分析開始信号を入力する。これにより、ステージ制御部71aは、電磁石50に電流を流すことにより、電磁石50と第二永久磁石43とを真空チャンバ10の下面壁を介して−Z方向に所定反発力で反発させる。このとき、サンプルプレート40の第一永久磁石42とステージ31の第三永久磁石31cとが引き合い、サンプルプレート40の第一永久磁石44とステージ31の第三永久磁石31dとが引き合うとともに、サンプルプレート40の第二永久磁石43とステージ31の電磁石50とが反発し合うことで、サンプルプレート40が真空チャンバ10の下面壁に対して磁気浮上した状態で、真空チャンバ10の下面壁を介してサンプルプレート40とステージ31とが一体化する。これにより、振動や揺れを防ぎ、サンプルプレート40を安定して移動させることができる。
そして、ステージ制御部71aは、X軸モータ32cとY軸モータ33cとに必要な駆動信号を出力し、所望のX方向とY方向とにステージ31を移動させることで、これと同時にサンプルプレート40を所望のX方向とY方向とに移動させることができる。このとき、サンプルプレート40は、4個の保持部材45を介して充分に小さな摩擦力で真空チャンバ10の下面壁上を滑るように移動する。
最後に、オペレータは、操作部72を用いて分析終了信号を入力する。これにより、ステージ制御部71aは、電磁石50への電流供給を停止することにより、電磁石50と第二永久磁石43との間の反発力を解除させる。
以上のように、本発明のMALDI−TOFMS1によれば、ステージ31を真空チャンバ10外に設置することで、真空チャンバ10内の電気的及び機械的負担が低減する。そして、サンプルプレート40の移動時に磁気浮上させて、極めて低い摩擦力で真空チャンバ10の下面壁上を移動させることにより、高速かつ高精度な動作を実現することができる。
<他の実施形態>
(1)上述した実施形態では、レーザ脱離イオン化法(LDI)、マトリックス支援レーザ脱離イオン化法(MALDI)によるイオン源を用いる質量分析装置を例に説明したが、これ以外の分析装置にも適用することができる。具体的にはエネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)、X線回折装置(XRD)、電子線マイクロアナライザ(EPMA)、走査型プローブ顕微鏡(SPM)、走査電子顕微鏡(SEM)、X線光電子分光分析装置(XPS)等にも適用することができる。
(2)上述したMALDI−TOFMS1では、板状体41の下面に4個の保持部材45が配置される構成を示したが、これに代えて回転可能な保持部材(車輪)が配置されているような構成としてもよい。
本発明は、真空室内でサンプルプレートを移動させるためのサンプルプレート移動機構等に好適に利用することができる。
1 MALDI−TOFMS(レーザ脱離イオン化質量分析装置)
10 真空チャンバ(真空室)
30 サンプルプレート移動機構
31 ステージ
31c、31d 第三永久磁石
40 サンプルプレート
42、44 第一永久磁石
43 第二永久磁石
50 電磁石

Claims (6)

  1. 真空室内に配置されるサンプルプレートと、
    前記真空室外に配置され、X方向とY方向とに移動可能なステージとを備えるサンプルプレート移動機構であって、
    前記サンプルプレートには、第一永久磁石と、第二永久磁石とが配置されており、
    前記ステージには、前記第一永久磁石と前記真空室の器壁を介してZ方向に引き合う第三永久磁石と、電磁石とが配置されており、
    分析するときには、前記電磁石を制御することにより、前記電磁石と前記第二永久磁石とを前記真空室の器壁を介して−Z方向に所定反発力で反発させることを特徴とするサンプルプレート移動機構。
  2. 前記サンプルプレートに配置された前記第一永久磁石は、2個の永久磁石からなり、前記第二永久磁石のX方向と−X方向とに配置されており、
    前記ステージに配置された前記第三永久磁石は、2個の永久磁石からなり、前記電磁石のX方向と−X方向とに配置されていることを特徴とする請求項1に記載のサンプルプレート移動機構。
  3. 前記第二永久磁石の極性は、前記第一永久磁石の極性と逆方向となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサンプルプレート移動機構。
  4. 前記サンプルプレートの下面には、所定摩擦力以下とする保持部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のサンプルプレート移動機構。
  5. 前記サンプルプレートの上面には、複数の試料が載置されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のサンプルプレート移動機構。
  6. 請求項5に記載のサンプルプレート移動機構と、
    前記真空室と、
    レーザ光を試料に照射する照射手段と、
    前記レーザ光が照射された試料から放出された気化試料又はイオンを検出する検出手段と、
    前記ステージをX方向及び/又はY方向に移動させながら、前記サンプルプレート上の各試料から放出された気化試料又はイオンを前記検出手段でそれぞれ検出していく制御部とを備えることを特徴とするレーザ脱離イオン化質量分析装置。
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