JP6724601B2 - 飛行時間型質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は飛行時間型質量分析装置に関し、さらに詳しくは、試料にレーザ光、電子線、イオン線、中性原子線などを照射して該試料中の成分をイオン化するイオン源を備えた飛行時間型質量分析装置に関する。
固体状の試料にレーザ光を照射して該試料中の成分をイオン化する手法として、マトリクス支援レーザ脱離イオン化(MALDI)法がよく知られている。MALDI法によるイオン源を搭載した飛行時間型質量分析装置(以下、慣用に従って「MALDI−TOFMS」と称す)では、一般に、平板状であるサンプルプレート上に保持されている試料に対してパルス的にレーザ光を照射し、該試料に含まれる成分由来のイオンを発生させる。そして、試料の上方に配置した電極により生成した電場によって上記各種イオンに一定の加速エネルギを付与して飛行空間に導入し、それらイオンが一定距離である飛行空間を飛行して検出器に到達するまでの飛行時間をそれぞれ計測する。各イオンの飛行時間はそのイオンの質量電荷比と所定の関係を有する。そこで、この関係を利用して、計測された飛行時間を質量電荷比に換算し、例えば質量電荷比とイオン強度との関係を示すマススペクトルを作成する。
一般的なMALDI−TOFMSでは、サンプルプレート上に測定対象である試料をスポッティングするためのウェルと呼ばれる凹部(場合によっては凹部はなく単にスポット位置のみが示されていることもある)が行列状に多数形成されており、各ウェルにそれぞれ液体試料をスポッティングして乾燥させることで試料が形成される。そして、このサンプルプレートをプレートホルダに装着し、該プレートホルダを水平面内で互いに直交する二軸方向に移動させることで目的とするウェル中の試料をレーザ光照射位置に移動させ、該試料に対する質量分析を実施するようにしている(特許文献1等参照)。
図5は、従来のMALDI−TOFMSにおけるサンプルプレートの移動機構の概略構成図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図である。ここでは、図5(c)中に示すように、サンプルプレート2がセットされる水平面はx軸−y軸面であり、レーザ光照射により生成されるイオンの飛行方向はz軸方向である。
図5に示すように、試料室の底面板1aの上にはx軸方向に延伸する第1のリニアガイド51が取り付けられ、そのリニアガイド51により直線的に移動自在である可動部51aの上に、y軸方向に延伸する第2のリニアガイド52が固定されている。そして、この第2のリニアガイド52により直線的に移動自在である可動部52aの上にサンプルプレート2を保持可能なプレートホルダ3が固定されている。第1のリニアガイド51の可動部51a及び第2のリニアガイド52の可動部52aはそれぞれ図示しないモータ等の駆動力によって移動され、それによってプレートホルダ3は所定の二次元範囲内の任意の位置に移動可能である。なお、リニアガイド51、52は例えば非特許文献1に開示されているものを利用することができる。
上述したMALDI−TOFMSではサンプルプレート2上の試料表面がイオンの飛行開始地点となる。そのため、様々な要因によってサンプルプレート2の表面の高さが変わると、飛行距離が微妙に変化してそれが質量電荷比の誤差に繋がる。そこで、目的化合物由来のイオンの質量電荷比を正確に求めるために、理論的な(つまりは正確な)質量電荷比が既知である標準物質を含む標準試料(キャリブラントと呼ばれる)を測定した結果に基づいて、目的試料を測定した結果を校正する、キャリブレーションと呼ばれる処理が一般に行われる。
1枚のサンプルプレートで厚さの不均一性やそりなどがある場合、1枚のサンプルプレートの面内の位置によっても飛行距離は異なる。このため、サンプルプレート上には、目的試料をスポッティングするサンプルウェルのほかに、キャリブラントをスポッティングするキャリブラントウェルが複数設けられ、或る目的試料の測定結果のキャリブレーションは、該目的試料が形成されているサンプルウェルに最も近いキャリブラントウェルに形成されているキャリブラントを測定した結果を利用して行われる。こうしたキャリブレーションによって、目的試料を測定して得られた試料成分に対する質量電荷比値は真値に近い値に修正される(特許文献2参照)。
キャリブラントウェルが多いとそれだけキャリブラントの測定に要する時間が長くなり測定効率が低下する。そのため、1枚のサンプルプレートにおいて1箇所のキャリブラントウェルに形成されているキャリブラントの測定の結果を利用して、該サンプルプレート内の全ての目的試料に対するキャリブレーションが行えることが望ましい。そのために、サンプルプレートの厚さの均一性の向上や湾曲の防止などが図られている。しかしながら、実際にはサンプルプレート以外の要因でも1枚のサンプルプレート上において試料の高さ、つまりは試料の表面とイオンを引き出し加速するための電極との間の距離がばらつくという問題がある。
即ち、図5を用いて説明したように、従来のサンプルプレートの移動機構は、試料室の底面板1a上に複数の部材を積み上げた構成である。そのため、各部材の公差が加算され、結果としてサンプルプレート2上の位置によって高さのばらつきが大きくなることがある。
図6は、従来のMALDI−TOFMSにおいてサンプルプレート上の一方向(x軸方向)に配列されたサンプルウェルの位置(この位置はサンプル番号#で示される)毎の高さの変位量を実測した結果の一例である。質量精度の観点からはおおよそ±100ppmの変動に抑える必要があるが、この例では、これを大きく逸脱するサンプルウェルが存在することが分かる。このように大きな変位がある場合には、やはりサンプルウェルの近傍に設けたキャリブラントの測定結果に基づいてキャリブレーションを行う必要があり、1枚のサンプルプレート上に複数のキャリブラントを形成することは必須である。
特開2015−179017号公報(段落[0003]) 特開2015−179630号公報(段落[0003]−[0004])
「LMガイド」、[online]、THK株式会社、[平成28年4月25日検索]、インターネット<URL: http://www.thk.com/?q=jp/node/6709>
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、サンプルプレートを互いに直交する二軸方向に移動させることが可能な移動機構に起因する、試料とイオン引き出し・加速用の電極との間の距離のばらつきを軽減することにより、キャリブレーションのためにサンプルプレート上に形成するキャリブラントの数を減らすことができる飛行時間型質量分析装置を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明に係る第1の態様の飛行時間型質量分析装置は、サンプルプレート上に設けられた試料にレーザ光又は粒子線を照射して該試料からイオンを生成し、生成されたイオンを加速して飛行空間中に導入し該飛行空間においてイオンを質量電荷比に応じて分離して検出する飛行時間型質量分析装置であって、
a)おもて面が平面であるベースプレートと、
b)前記ベースプレートの裏面側に配置され、該ベースプレートのおもて面と略平行な面内の互いに直交する二軸方向に可動部を移動可能である直交駆動部と、
c)前記可動部と一体である又は該可動部に取り付けられた、前記ベースプレートを挟んでそのおもて面に載置された金属製である前記サンプルプレート又は該サンプルプレートを保持する金属製である試料保持部を引き寄せる磁石と、
を備え、前記サンプルプレート又は前記試料保持部の裏面は平面であり、その平面である裏面と前記ベースプレートの平面であるおもて面とが面で接触し、前記サンプルプレート又は前記試料保持部が前記ベースプレート上を摺動するように構成されていることを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された本発明に係る第2の態様の飛行時間型質量分析装置は、サンプルプレート上に設けられた試料にレーザ光又は粒子線を照射して該試料からイオンを生成し、生成されたイオンを加速して飛行空間中に導入し該飛行空間においてイオンを質量電荷比に応じて分離して検出する飛行時間型質量分析装置であって、
a)おもて面が平面であるベースプレートと、
b)前記ベースプレートのおもて面に載置された前記サンプルプレート又は該サンプルプレートを保持する試料保持部の側面を、該ベースプレートのおもて面と略平行な面内の一軸方向に押す及び/又は引く第1の駆動部と、
c)前記ベースプレートのおもて面に載置された前記サンプルプレート又は前記試料保持部の側面を、該ベースプレートのおもて面と略平行な面内で前記第1の駆動部により押される及び/又は引かれる方向と直交する方向に押す及び/又は引く第2の駆動部と、
を備え、前記サンプルプレート又は前記試料保持部の裏面は平面であり、その平面である裏面と前記ベースプレートの平面であるおもて面とが面で接触し、前記サンプルプレート又は前記試料保持部が前記ベースプレート上を摺動するように構成されていることを特徴としている。
本発明に係る飛行時間型質量分析装置において、試料中の成分をイオン化するイオン化法は、MALDI法のほか、レーザ脱離イオン化法(LDI)、表面支援レーザ脱離イオン化法(SALDI)、二次イオン質量分析法(SIMS)、シリコン上脱離イオン化法(DIOS)、エレクトロスプレイ支援/レーザ脱離イオン化法(ELDI)、高速原子衝撃法(FAB)、などを含む。
また、本発明に係る飛行時間型質量分析装置において試料保持部は、例えばサンプルプレートを保持するプレートホルダや試料を上に載せる平板状の台である。
本発明に係る飛行時間型質量分析装置において、ベースプレートはそのおもて面が水平な面、垂直な面、又はそのいずれでもない斜めの面のいずれもよい。例えばベースプレートのおもて面が水平である場合には、試料保持部はその水平であるベースプレート上に直接載置され、該試料保持部はそのベースプレートの上面を摺動(又は滑動)する。
ベースプレートのおもて面上に直接載置された試料保持部を移動させるために、第1の態様では、ベースプレートの裏面側に配置された直交駆動部及び磁石を用い、磁石による磁力の作用により非接触で以て試料保持部を二次元的に移動させる。一方、第2の態様では、ベースプレートのおもて面側に配置された第1及び第2なる二つの駆動部により、試料保持部の側面に力を作用させることで該試料保持部を二次元的に移動させる。
第1、第2の態様のいずれにおいても、ベースプレートのおもて面自体が、試料保持部が二軸方向に移動する際のその二軸に直交する方向(ベースプレートの厚さ方向)の位置を規制する一種のガイドとして機能する。そのため、ベースプレートのおもて面の平坦性が高ければ、試料保持部の移動に伴う試料とイオン引き出し・加速用の電極との間の距離の変動は抑えられる。
なお、本発明に係る飛行時間型質量分析装置において、上記ベースプレートは試料が収容される試料室の底面板とすることができる。真空雰囲気の下でイオン化が行われるイオン化法が用いられる場合には、試料室は密閉可能であって質量分析の際に試料室内は真空排気される。
本発明に係る飛行時間型質量分析装置によれば、試料が担持されるサンプルプレートを二次元的に移動させる移動機構に起因する、1枚のサンプルプレート内でのサンプルプレート表面とイオン引き出し・加速用の電極との間の距離のばらつきを軽減することができる。それにより、例えば1枚のサンプルプレート上に用意するキャリブラントの数を従来に比べて減らすことができ、キャリブラントの測定に要する時間を短縮して測定効率を向上させることができる。また、キャリブラントを多数用意する手間も軽減することができる。
本発明の一実施例であるMALDI−TOFMSの概略構成図。 本実施例のMALDI−TOFMSにおけるプレートホルダの移動機構の概略構成図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図。 本発明の他の実施例のMALDI−TOFMSにおけるプレートホルダの移動機構の概略構成図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図。 図3に示した移動機構の変形例の概略構成を示す上面図。 従来のMALDI−TOFMSにおけるプレートホルダの移動機構の概略構成図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図。 従来のMALDI−TOFMSにおいてサンプルプレート上の一方向に配列されたサンプルウェルの位置毎の高さの変位量を実測した結果を示す図。
以下、本発明の一実施例であるMALDI−TOFMSについて、添付図面を参照して説明する。図1は本実施例のMALDI−TOFMSの概略構成図である。図2は本実施例のMALDI−TOFMSにおけるプレートホルダの移動機構の概略構成図であり、図5と同様に、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図である。
図1に示すように、平板状で金属製であるサンプルプレート2は金属製のプレートホルダ3に装着された状態で試料室1内の底面板1a上に直接載置される。試料室1の下方には、プレートホルダ3を底面板1a上で二次元的に移動させるX−Y移動機構20が配置されている。一方、試料室1の内部と連通して該試料室1の上方に配置される真空チャンバ10内には、下方から上に向かって、引出電極11、加速電極12、反射鏡14、フライトチューブ15、検出器16が配置されている。また、真空チャンバ10に形成された窓10aの外側にはレーザ照射部13が設けられている。
測定実行時には、所定のレーザ光照射位置にセットされたサンプルプレート2上の一つの試料に対し、レーザ照射部13から出射して窓10a、反射鏡14を経たパルス状のレーザ光が照射され、それにより、その試料に含まれる成分がイオン化される。レーザ光の照射位置は固定されており、X−Y移動機構20によりプレートホルダ3を適宜移動させることで、サンプルプレート2上の任意の位置の試料に対してレーザ光を照射し測定を行うことができる。
サンプルプレート2の上方に配置されている引出電極11及び加速電極12には、図示しない電圧発生部からそれぞれ所定の電圧が印加される。また、プレートホルダ3を介してサンプルプレート2へも所定の電圧が印加される。上述したようにレーザ光が照射されることで試料から発生したイオンは、引出電極11と試料との間に形成されている電場によってその発生位置近傍から上方に引き出され、さらに加速電極12により形成される加速電場によって加速エネルギを付与される。これにより上方向(z軸方向)に飛行を開始したイオンは、フライトチューブ15内に形成された無電場、無磁場の飛行空間中を飛行して検出器16に到達する。飛行空間中では質量電荷比が小さいイオンほど大きな飛行速度を有するため、ほぼ同時に飛行を開始した各種のイオンの中で、質量電荷比が小さなイオンから順に検出器16に到達する。検出器16は入射したイオンの量に応じた検出信号を出力する。
なお、本実施例のMALDI−TOFMSはイオンを直線的に飛行させるリニアTOFMSであるが、イオンの飛行軌道を反転させるリフレクトロンを備えたリフレクトロンTOFMS、或いは、イオンを周回軌道に沿って繰り返し飛行させるマルチターンTOFMSなどでもよいことは当然である。
本実施例のMALDI−TOFMSにおいて、本発明における試料保持部に相当するプレートホルダ3を二次元的に移動させるX−Y移動機構20について詳述する。
上述したようにプレートホルダ3は本発明におけるベースプレートに相当する平坦な底面板1a上に載置されている。この上面板は例えば非磁性ステンレス等の磁力に引き付けられない材料から成る。その上面は高い平坦性を有するのみならず、高い平滑性を有していることが好ましい。そのために、底面板1aの上面は適宜の表面加工又は表面処理がなされているものであってもよい。
図2(a)、(b)に示すように、X−Y移動機構20は、図5に示した従来装置におけるリニアガイド51、52と同様の二つのリニアガイド21、22を、本発明における直交駆動部に相当する要素として含む。即ち、このX−Y移動機構20の筐体(図示せず)の底面板には、x軸方向に延伸する第1のリニアガイド21が固定され、該リニアガイド21の可動部21aの上にはy軸方向に延伸する第2のリニアガイド22が固定されている。第2のリニアガイド22の可動部22aの上には磁石23が固定され、磁石23の上面と底面板1aの下面とはほぼ接触しているか或いは微小な間隙を有している。二つのリニアガイド21、22の可動部21a、22aはそれぞれ図示しないモータ等の駆動力によりx軸方向、y軸方向に移動可能である。これにより、磁石23は底面板1aの下方の略水平面(x軸−y軸面)内で二次元的に任意の位置に移動可能である。
磁石23の磁力は底面板1aを通してその上方に載置されたプレートホルダ3に及ぶ。プレートホルダ3は磁石23に引き付けられるため、上述したように磁石23が略水平面内で二次元的に任意の位置に移動されるとき、それに追従して底面板1aの上で二次元的に移動する。磁石23が二次元的に移動する際に該磁石23の上面と底面板1aの下面との間隙の大きさが或る程度変化したとしても、磁石23の磁力がプレートホルダ3に及んでいる限り、プレートホルダ3は底面板1aの上を滑動又は摺動する。即ち、底面板1aの上面全体がプレートホルダ3が二次元的に移動する際にその下面のz軸方向の位置を規制するガイドとして機能するため、底面板1aの上面の平坦性が高ければプレートホルダ3の移動に際してのz軸方向の変位は非常に小さい。それにより、レーザ光照射位置における、サンプルプレート2上の試料の高さの変位は従来装置に比べて大幅に抑制されることになる。
なお、上記実施例のMALDI−TOFMSにおいて、磁石23は永久磁石でなく電磁石でもよいことは当然である。また、プレートホルダ3を用いずにサンプルプレート2を直接、磁力により移動させるようにしてもよい。また、サンプルプレート2を保持するプレートホルダ3の代わりに、上に試料を載せるための単なる金属板である試料台を用いてもよい。
次に、本発明の他の実施例のMALDI−TOFMSにおけるプレートホルダの移動機構について説明する。図3はこの移動機構の概略構成図であり、図2と同様に、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図である。図2と同じ構成要素には同じ符号を付している。
上記実施例の移動機構では、磁石を利用して非接触でプレートホルダ3を二次元的に移動させるようにしていたが、本実施例では、プレートホルダ3を挟み込むように配置した二組のアームを利用して底面板1aの上でプレートホルダ3を二次元的に移動させる。即ち、図3に示すようにプレートホルダ3は、y軸方向に延伸する二本のアーム31a、31bで挟み込まれるとともに、x軸方向に延伸する二本のアーム33a、33bで挟み込まれる。二本一組のアーム31a、31bはx軸方向駆動部32により、その間隔を保ったままx軸方向に移動される。一方、他方の二本一組のアーム33a、33bはy軸方向駆動部34により、その間隔を保ったままy軸方向に移動される。例えば、二本一組のアーム31a、31bが図3(a)で左方向に移動するとき、アーム31bがプレートホルダ3の右側面を押すことでプレートホルダ3は底面板1aの上を左方向に滑動する。
x軸方向駆動部32及びy軸方向駆動部34により二組のアーム31a、31bと33a、33bが独立に移動されることで、プレートホルダ3は底面板1aの上の任意の位置に移動される。上記実施例と同様に、底面板1aの上面全体がプレートホルダ3が二次元的に移動する際にその下面の位置を規制するガイドとして機能するため、底面板1aの上面の平坦性が高ければプレートホルダ3の移動に際してのz軸方向の変位は非常に小さく、サンプルプレート2上の位置の相違による高さの変位も抑えられる。
なお、図3の例では、いずれかのアーム31a、31b、33a、33bがプレートホルダ3の周面を後方から押すことでプレートホルダ3の移動が達成されたが、例えば図4に示すように、プレートホルダ3を挟み込むことで保持するグリップ状のアーム41、43をx軸方向駆動部42及びy軸方向駆動部44によりそれぞれ移動させる構成としてもよい。このように、底面板1aの上に載置されたプレートホルダ3をその周面(側面)から押したり或いは引いたりすることで移動させる機構であれば、上記実施例と同様の効果を奏することは明らかである。
上記実施例ではいずれも底面板1aは水平に設置されていたが、必ずしも水平でなく斜めになっていても垂直であってもよいことは明らかである。もちろん、上記他の実施例において底面板1aが垂直に設置されている場合には、プレートホルダ3が落ちることがないように、例えばプレートホルダ3と底面板1aとが磁性により引き付け合うようにしておけばよい。
また、上記実施例は本発明をMALDI−TOFMSに適用したものであるが、サンプルプレート2上に形成された試料や試料台上に置かれた試料に対して、レーザ光のほか、細径に絞ったイオン線、電子線、中性原子線などの種々の粒子線を照射して試料中の成分をイオン化するイオン源を搭載した飛行時間型質量分析装置全般に本発明を適用可能であることは明らかである。こうしたイオン源としては、LDI、SALDI、SIMS、DIOS、ELDI、FABなどを挙げることができる。
また、上記実施例は本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜変形や修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…試料室
1a…底面板
2…サンプルプレート
3…プレートホルダ
10…真空チャンバ
10a…窓
11…引出電極
12…加速電極
13…レーザ照射部
14…反射鏡
15…フライトチューブ
16…検出器
20…X−Y移動機構
21、22…リニアガイド
21a、22a…可動部
23…磁石
31a、31b、33a、33b、41、43…アーム
32、42…x軸方向駆動部
34、44…y軸方向駆動部

Claims (3)

  1. サンプルプレート上に設けられた試料にレーザ光又は粒子線を照射することにより該試料からイオンを生成し、生成されたイオンを加速して飛行空間中に導入し該飛行空間においてイオンを質量電荷比に応じて分離して検出する飛行時間型質量分析装置であって、
    a)おもて面が平面であるベースプレートと、
    b)前記ベースプレートの裏面側に配置され、該ベースプレートのおもて面と略平行な面内の互いに直交する二軸方向に可動部を移動可能である直交駆動部と、
    c)前記可動部と一体である又は該可動部に取り付けられた、前記ベースプレートを挟んでそのおもて面に載置された金属製である前記サンプルプレート又は該サンプルプレートを保持する金属製である試料保持部を引き寄せる磁石と、
    を備え、前記サンプルプレート又は前記試料保持部の裏面は平面であり、その平面である裏面と前記ベースプレートの平面であるおもて面とが面で接触し、前記サンプルプレート又は前記試料保持部が前記ベースプレート上を摺動するように構成されていることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
  2. サンプルプレート上に設けられた試料にレーザ光又は粒子線を照射することにより該試料からイオンを生成し、生成されたイオンを加速して飛行空間中に導入し該飛行空間においてイオンを質量電荷比に応じて分離して検出する飛行時間型質量分析装置であって、
    a)おもて面が平面であるベースプレートと、
    b)前記ベースプレートのおもて面に載置された前記サンプルプレート又は該サンプルプレートを保持する試料保持部の側面を、該ベースプレートのおもて面と略平行な面内の一軸方向に押す及び/又は引く第1の駆動部と、
    c)前記ベースプレートのおもて面に載置された前記サンプルプレート又は前記試料保持部の側面を、該ベースプレートのおもて面と略平行な面内で前記第1の駆動部により押される及び/又は引かれる方向と直交する方向に押す及び/又は引く第2の駆動部と、
    を備え、前記サンプルプレート又は前記試料保持部の裏面は平面であり、その平面である裏面と前記ベースプレートの平面であるおもて面とが面で接触し、前記サンプルプレート又は前記試料保持部が前記ベースプレート上を摺動するように構成されていることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
  3. 請求項1又は2に記載の飛行時間型質量分析装置であって、
    前記ベースプレートは試料が収容される試料室の底面板であることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
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