JP6650923B2 - キャリア付極薄銅箔、その製造方法、銅張積層板及びプリント配線板 - Google Patents

キャリア付極薄銅箔、その製造方法、銅張積層板及びプリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、キャリア付極薄銅箔、その製造方法、銅張積層板及びプリント配線板に関する。
従来より、プリント配線板の製造工法として、サブトラクティブ法が広く採用されている。サブトラクティブ法は、銅箔を用いて微細な回路形成を行える手法である。例えば、図1及び2に示されるように、下地基材12a上に下層回路12bを備えた絶縁樹脂基板12にプリプレグ14を介して銅箔10の粗化面を接着させ(工程(a))、ハーフエッチングにより銅箔10を極薄化した後(工程(b))、必要に応じてレーザー穴開け加工によりビアホール16を形成する(工程(c))。次いで、化学銅めっき18(工程(d))及び電気銅めっき20(工程(e))を施し、ドライフィルム22を用いた露光及び現像により所定のパターンでマスキングし(工程(f))、エッチングによりドライフィルム22の開口部直下の不要な銅箔等を溶解除去した(工程(g))後、ドライフィルム22を剥離して(工程(h))、所定のパターンで形成された配線24を得る。
また、近年、銅張積層板のビアホール加工には、レーザーを極薄銅箔に直接照射してビアホールを形成するダイレクトレーザー穴開け加工が多用されている。例えば、特許文献1(特開2001−326467号公報)には、銅張積層板にビアホール等の凹部を形成することを含むプリント配線板の製造方法が開示されており、銅張積層板の外層銅箔として波形状の銅箔を採用することで、炭酸ガスレーザーを用いて銅箔と基材樹脂とを同時に除去するダイレクトレーザー穴開けを可能にしたことが開示されている。また、特許文献2(特開平11−346060号公報)には、極薄銅箔の表面に黒化処理を施した後、この黒化処理された表面に炭酸ガスレーザーを照射して極薄銅箔及びその直下の絶縁層の穴開けを行う方法が開示されている。
特開2001−326467号公報 特開平11−346060号公報 特開平9−241882号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるような波形状の銅箔を用いた手法は、レーザー穴開け加工性が高いものの、微細回路形成性は劣ることがあり、高いレーザー穴開け加工性を確保しながら微細回路形成性を更に向上させることが望まれる。一方、特許文献2に開示されるような黒化処理は時間とコストを要する上、歩留まりも低下しうるため、黒化処理を行わずに極薄銅箔表面にダイレクトレーザー穴開け加工を望ましく施すことができれば好都合である。
本発明者らは、今般、キャリア付極薄銅箔において、極薄銅箔の剥離層側の面の表面ピーク間の平均距離(Peak Spacing)が2.5〜20.0μmであり、かつ、コア部のレベル差(core roughness depth)Rkが1.5〜3.0μmであり、極薄銅箔の剥離層と反対側の面のうねりの最大高低差Wmaxが4.0μm以下である表面プロファイルを付与することにより、銅張積層板の加工ないしプリント配線板の製造において、レーザー穴開け加工性と微細回路形成性とを両立できるとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、銅張積層板の加工ないしプリント配線板の製造において、レーザー穴開け加工性と微細回路形成性とを両立可能な、キャリア付極薄銅箔を提供することにある。
本発明の一態様によれば、キャリア箔、剥離層及び極薄銅箔をこの順に備えたキャリア付極薄銅箔であって、
前記極薄銅箔の剥離層側の面は、表面ピーク間の平均距離(Peak Spacing)が2.5〜20.0μmであり、かつ、コア部のレベル差(core roughness depth)Rkが1.5〜3.0μmであり、
前記極薄銅箔の剥離層と反対側の面は、うねりの最大高低差Wmaxが4.0μm以下である、キャリア付極薄銅箔が提供される。
本発明の他の一態様によれば、上記態様によるキャリア付極薄銅箔の製造方法であって、
谷間の平均距離(Valley Spacing)が2.5〜20.0μmであり、かつ、コア部のレベル差(core roughness depth)Rkが2.0〜3.8μmである表面を有するキャリア箔を用意する工程と、
前記キャリア箔の前記表面に剥離層を形成する工程と、
前記剥離層上に極薄銅箔を形成する工程と、
を含んでなる、方法が提供される。
本発明の更に別の一態様によれば、上記態様によるキャリア付極薄銅箔を備えた銅張積層板が提供される。
本発明の更に別の一態様によれば、上記態様によるキャリア付極薄銅箔を用いてプリント配線板を製造することを特徴とする、プリント配線板の製造方法が提供される。
サブトラクティブ法を説明するための工程流れ図であり、前半の工程(工程(a)〜(d))を示す図である。 サブトラクティブ法を説明するための工程流れ図であり、後半の工程(工程(e)〜(h))を示す図である。 コア部のレベル差(core roughness depth)Rkの定義を説明するための断面図である。
定義
本発明を特定するために用いられるパラメータの定義を以下に示す。
本明細書において「表面ピーク間の平均距離(Peak spacing)」とは、三次元表面構造解析顕微鏡を用いて得られる試料表面の凹凸に関する情報から、うねり成分を除去したのち、ピークに係る波形データをフィルタリングして抽出したデータにおける、ピーク間の平均距離をいう。
本明細書において「谷間の平均距離(Valley spacing)」は、三次元表面構造解析顕微鏡を用いて得られる試料表面の凹凸に関する情報から、うねり成分を除去したのち、谷に係る波形データをフィルタリングして抽出したデータにおける、谷間の平均距離をいう。
本明細書において「コア部のレベル差(core roughness depth)Rk」とは、JIS B 0671−2:2002に準拠して決定されうるパラメータであり、図3に示されるように、粗さ曲線30のコア部(roughness core profile)32の上側レベル32aと下側レベル32bとの差をいい、この「粗さ曲線のコア部」30とは、高い突出山部34及び深い突出谷部36を粗さ曲線から取り除いた曲線をいう。なお、図3には示される粗さ曲線30は評価長さln相当の部分を抜き出したものであり、参考のため右側に等価曲線38も示してある。
本明細書において「うねりの最大高低差Wmax」とは、三次元表面構造解析顕微鏡を用いて得られる試料表面の凹凸に係る情報から、うねりに係る波形データをフィルタを用いて抽出したときの波形データの高低差の最大値(波形の最大ピーク高さと最大バレー深さの和)をいう。
本明細書において「十点平均粗さRzjis」とは、JIS B 0601:2001に準拠して決定されうるパラメータであり、基準長さの粗さ曲線において、最高の山頂から高い順に5番目までの山高さの平均と、最深の谷底から深い順に5番目までの谷深さの平均との和をいう。
表面ピーク間の平均距離(Peak spacing)、谷間の平均距離(Valley spacing)、コア部のレベル差(core roughness depth)Rk、うねりの最大高低差Wmax及び十点平均粗さRzjisは、いずれも、市販の三次元表面構造解析顕微鏡(例えば、zygo New View 5032(Zygo社製))と市販の解析ソフト(例えばMetro Pro Ver.8.0.2)を用い、低周波フィルタを11μmの条件に設定して測定することができる。このとき、箔の非測定面を試料台に密着させて固定し、試料片の1cm角の範囲内の中で108μm×144μmの視野を6点選択して測定し、6箇所の測定点から得られた測定値の平均値を代表値として採用するのが好ましい。
本明細書において、キャリア箔の「電極面」とはキャリア箔作製時に陰極と接していた側の面を指す。
本明細書において、キャリア箔の「析出面」とはキャリア箔作製時に電解銅が析出されていく側の面、すなわち陰極と接していない側の面を指す。
キャリア付極薄銅箔及びその製造方法
本発明のキャリア付極薄銅箔は、キャリア箔、剥離層及び極薄銅箔をこの順に備えてなる。そして、極薄銅箔の剥離層側の面は、表面ピーク間の平均距離(Peak Spacing)が2.5〜20.0μmであり、かつ、コア部のレベル差(core roughness depth)Rkが1.5〜3.0μmである。また、極薄銅箔の剥離層と反対側の面は、うねりの最大高低差Wmaxが4.0μm以下である。これにより、銅張積層板の加工ないしプリント配線板の製造において、レーザー穴開け加工性と微細回路形成性とを両立することが可能となる。しかも、レーザー穴開け加工性を確保するためにこれまで一般的に採用されている黒化処理を本発明においては不要にすることができる。
本来、極薄銅箔は黒化処理を施さないかぎりレーザー穴開け加工性と微細回路形成性との両立が難しいものであるが、本発明によれば予想外にもそれらが両立可能となる。本来、優れた微細回路形成性を得るためには剥離層と反対側の表面が平滑な極薄銅箔が求められる。そして、そのような極薄銅箔を得るためには、剥離層側の面が平滑な極薄銅箔が求められるところ、表面が平滑になるほどレーザーが反射されやすくなり、それ故、レーザーが極薄銅箔に吸収されにくくなってレーザー穴開け加工性が低下するからである。実際、前述のとおり、特許文献1に開示されるような波形状の銅箔を用いた手法は、レーザー穴開け加工性が高いものの、微細回路形成性は劣ることがある。このような問題に対し、本発明のキャリア付極薄銅箔によれば、高いレーザー穴開け加工性を確保しながら、微細回路形成性を向上することができる。このようなレーザー穴開け加工性と微細回路形成性との両立は以下のようにして実現されるものと考えられる。すなわち、極薄銅箔の剥離層側の面におけるコア部のレベル差Rkを1.5μm以上とし、かつ、極薄銅箔の剥離層側の面における表面ピーク間の平均距離(Peak Spacing)を2.5〜20.0μmとすることにより、高いダイレクトレーザー穴開け加工性が実現されるものと考えられる。特に、図3に示されるように、コア部32のレベル差Rkは、十点平均粗さRzjisとは異なり、高い突出山部34及び深い突出谷部36を粗さ曲線30から取り除いた曲線に基づく上側レベル32aと下側レベル32bとの差であるため、箔表面の微小な空間を規定しうるパラメータといえる。このため、Rkの値が高いほど空間が大きくなることを意味し、レーザーが反射して当該空間に熱がこもり易くなる(すなわちレーザーが反射して熱がこもる空間が大きくなる)といえる。また、表面ピーク間の平均距離(Peak Spacing)が2.5〜20.0μmであることで粗さピーク間が密となり、照射されたレーザーを吸収しやすくする、すなわち熱に変換しやすくすることができる。こうして、Rk制御とPeak Spacing制御との相乗効果として、ダイレクトレーザー穴開け加工性が向上するものと考えられる。その上で、極薄銅箔の剥離層側の面におけるコア部のレベル差Rkを3.0μm以下とし、かつ、極薄銅箔の剥離層と反対側の面におけるうねりの最大高低差Wmaxを4.0μm以下としたことで、そのような高いレーザー穴開け加工性を損なうことなく、微細回路形成性の向上が実現されるものと考えられる。すなわち、本発明者らは、微細回路形成性を低下させる主たる要因は、極薄銅箔の剥離層と反対側の面のうねりであることを突き止めており、うねりの最大高低差(Wmax)を4.0μm以下に制御することが微細回路形成性の改善に寄与することを知見した。特に、うねりの最大高低差Wmaxの上限値である4.0μmは極度に低い値という訳ではなく、それ故、銅箔の剥離層と反対側の面に極度な平滑性が要求されない(典型的には粗化される)サブトラクティブ法に特に適した表面プロファイルであるといえる。もっとも、サブトラクティブ法以外の方法(例えばMSAP(モディファイド・セミ・アディティブ・プロセス)法)に適用してもよい。いずれにせよ、本発明のキャリア付極薄銅箔によれば、極薄銅箔(特にサブトラクティブ法用極薄銅箔)においてPeak spacing、Rk、及びWmaxを制御することにより、優れたダイレクトレーザー穴開け加工性を有しながらも、ライン/スペース=30μm以下/30μm以下の回路を形成するのに適した望ましい微細回路形成性を実現することが可能となる。
このように、極薄銅箔は、表面ピーク間の平均距離(Peak Spacing)が2.5〜20.0μmであり、かつ、コア部のレベル差(core roughness depth)Rkが1.5〜3.0μmである表面を剥離層側の面に有し、かつ、うねりの最大高低差Wmaxが4.0μm以下である表面を剥離層と反対側の面に有する。これらのパラメータが上記範囲内となるようにすることで、銅張積層板の加工ないしプリント配線板の製造において、レーザー穴開け加工性と微細回路形成性とを両立することが可能となる。極薄銅箔の剥離層側の面における表面ピーク間の平均距離(Peak spacing)は2.5〜20.0μmであり、好ましくは6.5〜15.0μmである。極薄銅箔の剥離層側の面におけるコア部のレベル差(core roughness depth)Rkは1.5〜3.0μmであり、好ましくは2.0〜3.0μmである。また、極薄銅箔の剥離層と反対側の面におけるうねりの最大高低差Wmaxは4.0μm以下であり、好ましくは3.0μm以下、より好ましくは2.5μm以下である。特に、ライン/スペース=25μm以下/25μm以下の微細回路形成を行うためには、極薄銅箔表面のWmaxが3.0μm以下であるのが好ましい。Wmaxは低ければ低い方が良いため、その下限値は特に限定されないが、Wmaxは典型的には0.1μm以上であり、より典型的には0.2μm以上である。
極薄銅箔の剥離層側の面は、十点平均粗さRzjisが好ましくは2.0〜4.0μm、より好ましくは2.5〜4.0μmである。このような範囲であるとレーザー穴開け加工性と微細回路形成性のバランス向上に寄与する。一方、極薄銅箔の剥離層と反対側の面は、十点平均粗さRzjisが好ましくは4.0μm以下、より好ましくは3.0μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下である。この範囲内であると微細回路形成性の向上に寄与する。十点平均粗さRzjisは、樹脂層との密着性の観点から典型的には0.5μm以上であり、より典型的には1.0μm以上である。
極薄銅箔の剥離層と反対側の面は粗化面であるのが好ましい。すなわち、極薄銅箔の一方の面には粗化処理がされていることが好ましい。こうすることで銅張積層板やプリント配線板製造時における樹脂層との密着性を向上することができる。この粗化処理は、極薄銅箔の上に微細銅粒を析出付着させる焼けめっき工程と、この微細銅粒の脱落を防止するための被せめっき工程とを含む少なくとも2種類のめっき工程を経る公知のめっき手法に従って行われるのが好ましい。極薄銅箔の剥離層と反対側の面は粗化面であり、なおかつ、上述した十点平均粗さRzjisを満たすのがより好ましい。
極薄銅箔は、上記特有の表面プロファイルを有すること以外はキャリア付極薄銅箔に採用される公知の構成であってよく特に限定されない。例えば、極薄銅箔は、無電解銅めっき法及び電解銅めっき法等の湿式成膜法、スパッタリング及び化学蒸着等の乾式成膜法、又はそれらの組合せにより形成したものであってよい。極薄銅箔の好ましい厚さは0.5〜5.0μmである。例えば、ライン/スペース=25μm以下/25μm以下の微細回路形成を行うためには、極薄銅箔の厚さは3.0μm以下が特に好ましい。
剥離層は、キャリア箔の引き剥がし強度を弱くし、該強度の安定性を担保し、さらには高温でのプレス成形時にキャリア箔と銅箔の間で起こりうる相互拡散を抑制する機能を有する層である。剥離層は、キャリア箔の一方の面に形成されるのが一般的であるが、両面に形成されてもよい。剥離層は、有機剥離層及び無機剥離層のいずれであってもよい。有機剥離層に用いられる有機成分の例としては、窒素含有有機化合物、硫黄含有有機化合物、カルボン酸等が挙げられる。窒素含有有機化合物の例としては、トリアゾール化合物、イミダゾール化合物等が挙げられ、中でもトリアゾール化合物は剥離性が安定し易い点で好ましい。トリアゾール化合物の例としては、1,2,3−ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、N’,N’−ビス(ベンゾトリアゾリルメチル)ユリア、1H−1,2,4−トリアゾール及び3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール等が挙げられる。硫黄含有有機化合物の例としては、メルカプトベンゾチアゾール、チオシアヌル酸、2−ベンズイミダゾールチオール等が挙げられる。カルボン酸の例としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸等が挙げられる。一方、無機剥離層に用いられる無機成分の例としては、Ni、Mo、Co、Cr、Fe、Ti、W、P、Zn、クロメート処理膜等が挙げられる。なお、剥離層の形成はキャリア箔の少なくとも一方の表面に剥離層成分含有溶液を接触させ、剥離層成分をキャリア箔の表面に固定されること等により行えばよい。キャリア箔を剥離層成分含有溶液に接触させる場合、この接触は、剥離層成分含有溶液への浸漬、剥離層成分含有溶液の噴霧、剥離層成分含有溶液の流下等により行えばよい。その他、蒸着やスパッタリング等による気相法で剥離層成分を被膜形成する方法も採用可能である。また、剥離層成分のキャリア箔表面への固定は、剥離層成分含有溶液の吸着や乾燥、剥離層成分含有溶液中の剥離層成分の電着等により行えばよい。剥離層の厚さは、典型的には1nm〜1μmであり、好ましくは5nm〜500nmである。
キャリア箔は、極薄銅箔を支持してそのハンドリング性を向上させるための箔である。キャリア箔の例としては、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔、表面をメタルコーティングした樹脂フィルム等が挙げられ、好ましくは銅箔である。銅箔は圧延銅箔及び電解銅箔のいずれであってもよい。キャリア箔の厚さは典型的には250μm以下であり、好ましくは12μm〜200μmである。
キャリア箔の剥離層側の面は、谷間の平均距離(Valley spacing)が2.5〜20.0μmであり、かつ、コア部のレベル差(core roughness depth)Rkが2.0〜3.8μmであるのが好ましい。キャリア付極薄銅箔の製造プロセスにおいて、キャリア箔の剥離層側の面には極薄銅箔が形成されることになるため、キャリア箔の表面に上記のように低いValley spacingとRkを付与しておくことで、極薄銅箔の剥離層側の面と剥離層と反対側の面に前述した望ましい表面プロファイルを付与することができる。すなわち、本発明のキャリア付極薄銅箔は、谷間の平均距離(Valley spacing)が2.5〜20.0μmであり、かつ、コア部のレベル差(core roughness depth)Rkが2.0〜3.8μmの表面を有するキャリア箔を用意し、このキャリア箔の表面に剥離層を形成し、この剥離層上に極薄銅箔を形成することにより製造することができる。キャリア箔の剥離層側の面は、十点平均粗さRzjisが2.0〜5.0μmであるのが好ましい。また、キャリア箔の剥離層側の面における谷間の平均距離(Valley spacing)は4.5〜10.0μmであるのが好ましい。キャリア箔の表面における上記範囲内のValley spacing、Rk及びRzjisの実現は、電解液(例えば硫酸酸性硫酸銅溶液)を活性炭処理して電解液中の残留添加剤を取り除いた後、活性炭処理後の電解液中にニカワ又はゼラチン等の添加剤を新たに添加して公知の条件で電解を行い、厚さ約15〜35μm程度の電解銅箔を製造することにより好ましく行うことができる(例えば特許文献3(特開平9−241882号公報)に記載される製造方法が参照可能である)。こうして望ましい表面プロファイルが付与されたキャリア箔の析出面上に剥離層を介して極薄銅箔を形成することで、極薄銅箔の剥離層側の面に上述した表面プロファイルを付与することができる。
所望により、剥離層とキャリア箔及び/又は極薄銅箔の間に他の機能層を設けてもよい。そのような他の機能層の例としては補助金属層が挙げられる。補助金属層はニッケル及び/又はコバルトからなるのが好ましい。このような補助金属層をキャリア箔の表面側及び/又は極薄銅箔の表面側に形成することで、高温又は長時間の熱間プレス成形時にキャリア箔と極薄銅箔の間で起こりうる相互拡散を抑制し、キャリア箔の引き剥がし強度の安定性を担保することができる。補助金属層の厚さは、0.001〜3μmとするのが好ましい。
所望により、極薄銅箔に防錆処理を施してもよい。防錆処理は、亜鉛を用いためっき処理を含むのが好ましい。亜鉛を用いためっき処理は、亜鉛めっき処理及び亜鉛合金めっき処理のいずれであってもよく、亜鉛合金めっき処理は亜鉛−ニッケル合金処理が特に好ましい。亜鉛−ニッケル合金処理は少なくともNi及びZnを含むめっき処理であればよく、Sn、Cr、Co等の他の元素をさらに含んでいてもよい。亜鉛−ニッケル合金めっきにおけるNi/Zn付着比率は、質量比で、1.2〜10が好ましく、より好ましくは2〜7、さらに好ましくは2.7〜4である。また、防錆処理はクロメート処理をさらに含むのが好ましく、このクロメート処理は亜鉛を用いためっき処理の後に、亜鉛を含むめっきの表面に行われるのがより好ましい。こうすることで防錆性をさらに向上させることができる。特に好ましい防錆処理は、亜鉛−ニッケル合金めっき処理とその後のクロメート処理との組合せである。
所望により、極薄銅箔の表面にシランカップリング剤処理を施し、シランカップリング剤層を形成してもよい。これにより耐湿性、耐薬品性及び樹脂層等との密着性等を向上することができる。シランカップリング剤層は、シランカップリング剤を適宜希釈して塗布し、乾燥させることにより形成することができる。シランカップリング剤の例としては、4−グリシジルブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性シランカップリング剤、又はγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−3−(4−(3−アミノプロポキシ)ブトキシ)プロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性シランカップリング剤、又はγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性シランカップリング剤又はビニルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシシラン等のオレフィン官能性シランカップリング剤、又はγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル官能性シランカップリング剤、又はイミダゾールシラン等のイミダゾール官能性シランカップリング剤、又はトリアジンシラン等のトリアジン官能性シランカップリング剤等が挙げられる。
銅張積層板
本発明のキャリア付極薄銅箔はプリント配線板用銅張積層板の作製に用いられるのが好ましい。すなわち、本発明の好ましい態様によれば、キャリア付極薄銅箔を用いて得られた銅張積層板が提供される。本発明のキャリア付極薄銅箔を用いることで、銅張積層板の加工において、レーザー穴開け加工性と微細回路形成性とを両立することができる。この銅張積層板は、本発明のキャリア付極薄銅箔と、該表面処理層に密着して設けられる樹脂層とを備えてなる。キャリア付極薄銅箔は樹脂層の片面に設けられてもよいし、両面に設けられてもよい。樹脂層は、樹脂、好ましくは絶縁性樹脂を含んでなる。樹脂層はプリプレグ及び/又は樹脂シートであるのが好ましい。プリプレグとは、合成樹脂板、ガラス板、ガラス織布、ガラス不織布、紙等の基材に合成樹脂を含浸させた複合材料の総称である。絶縁性樹脂の好ましい例としては、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、樹脂シートを構成する絶縁性樹脂の例としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂等の絶縁樹脂が挙げられる。また、樹脂層には絶縁性を向上する等の観点からシリカ、アルミナ等の各種無機粒子からなるフィラー粒子等が含有されていてもよい。樹脂層の厚さは特に限定されないが、1〜1000μmが好ましく、より好ましくは2〜400μmであり、さらに好ましくは3〜200μmである。樹脂層は複数の層で構成されていてよい。プリプレグ及び/又は樹脂シート等の樹脂層は予め銅箔表面に塗布されるプライマー樹脂層を介してキャリア付極薄銅箔に設けられていてもよい。
プリント配線板
本発明のキャリア付極薄銅箔はプリント配線板の作製に用いられるのが好ましい。すなわち、本発明の好ましい態様によれば、キャリア付極薄銅箔を用いて得られたプリント配線板が提供される。本発明のキャリア付極薄銅箔を用いることで、プリント配線板の製造において、レーザー穴開け加工性と微細回路形成性とを両立することができる。本態様によるプリント配線板は、樹脂層と、銅層とがこの順に積層された層構成を含んでなる。銅層は本発明のキャリア付極薄銅箔の極薄銅箔に由来する層である。また、樹脂層については銅張積層板に関して上述したとおりである。いずれにしても、プリント配線板は、本発明のキャリア付極薄銅箔を用いること以外は、公知の層構成が採用可能である。プリント配線板に関する具体例としては、プリプレグの片面又は両面に本発明の極薄銅箔を接着させ硬化した積層体とした上で回路形成した片面又は両面プリント配線板や、これらを多層化した多層プリント配線板等が挙げられる。また、他の具体例としては、樹脂フィルム上に本発明の極薄銅箔を形成して回路を形成するフレキシブルプリント配線板、COF、TABテープ等も挙げられる。さらに他の具体例としては、本発明の極薄銅箔に上述の樹脂層を塗布した樹脂付銅箔(RCC)を形成し、樹脂層を絶縁接着材層として上述のプリント基板に積層した後、極薄銅箔を配線層の全部又は一部としてモディファイド・セミアディティブ(MSAP)法、サブトラクティブ法等の手法で回路を形成したビルドアップ配線板や、極薄銅箔を除去してセミアディティブ法で回路を形成したビルドアップ配線板、半導体集積回路上へ樹脂付銅箔の積層と回路形成を交互に繰り返すダイレクト・ビルドアップ・オン・ウェハー等が挙げられる。より発展的な具体例として、上記樹脂付銅箔を基材に積層し回路形成したアンテナ素子、接着剤層を介してガラスや樹脂フィルムに積層しパターンを形成したパネル・ディスプレイ用電子材料や窓ガラス用電子材料、本発明の極薄銅箔に導電性接着剤を塗布した電磁波シールド・フィルム等も挙げられる。特に、本発明のキャリア付極薄銅箔はサブトラクティブ法に適している。例えば、サブトラクティブ法により回路形成した場合には図1及び2に示されるような構成が採用可能である。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
例1
キャリア箔の析出面側に剥離層及び極薄銅箔層を順に形成した後、防錆処理及びシランカップリング剤処理を行うことで、キャリア付極薄銅箔を作製した。そして、得られたキャリア付極薄銅箔について各種評価を行った。具体的な手順は以下のとおりである。
(1)キャリア箔の作製
陰極に算術平均粗さRa(JIS B 0601:2001に準拠)が0.20μmのチタン製の回転電極を用い、陽極にはDSA(寸法安定性陽極)を用いて、銅電解液として以下に示される組成の硫酸酸性硫酸銅溶液を活性炭処理した後、活性炭処理後の電解液中水溶性ゼラチンの濃度が5mg/Lとなるように添加し、溶液温度50℃、電流密度60A/dmで電解し、厚さ18μmの電解銅箔をキャリア箔として得た。
<硫酸酸性硫酸銅溶液の組成>
‐ 銅濃度:85g/L
‐ 硫酸濃度:270g/L
‐ 塩素濃度:30mg/L
(2)剥離層の形成
酸洗処理されたキャリア箔の析出面を、CBTA(カルボキシベンゾトリアゾール)濃度1g/L、硫酸濃度150g/L及び銅濃度10g/LのCBTA水溶液に、液温30℃で30秒間浸漬し、CBTA成分をキャリア箔の析出面に吸着させた。こうして、キャリア箔の析出面にCBTA層を有機剥離層として形成した。
(3)補助金属層の形成
有機剥離層が形成されたキャリア箔を、硫酸ニッケルを用いて作製されたニッケル濃度20g/Lを含む溶液に浸漬して、液温45℃、pH3、電流密度5A/dmの条件で、厚さ0.001μm相当の付着量のニッケルを有機剥離層上に付着させた。こうして有機剥離層上にニッケル層を補助金属層として形成した。
(4)極薄銅箔の形成
補助金属層が形成されたキャリア箔を、以下に示される組成の銅溶液に浸漬して、溶液温度50℃、電流密度5〜30A/dmで電解し、厚さ3μmの極薄銅箔を補助金属層上に形成した。
<溶液の組成>
‐ 銅濃度:60g/L
‐ 硫酸濃度:200g/L
(5)粗化処理
こうして形成された極薄銅箔の表面に粗化処理を行った。この粗化処理は、極薄銅箔の上に微細銅粒を析出付着させる焼けめっき工程と、この微細銅粒の脱落を防止するための被せめっき工程とから構成される。焼けめっき工程では、銅濃度10g/L及び硫酸濃度120g/Lを含む酸性硫酸銅溶液を用いて、液温25℃、電流密度15A/dmで粗化処理を行った。その後の被せめっき工程では、銅濃度70g/L及び硫酸濃度120g/Lを含む酸性硫酸銅溶液を用いて、液温40℃及び電流密度15A/dmの平滑めっき条件で電着を行った。
(6)防錆処理
得られたキャリア付極薄銅箔の粗化処理層の表面に、亜鉛−ニッケル合金めっき処理及びクロメート処理からなる防錆処理を行った。まず、亜鉛濃度0.2g/L、ニッケル濃度2g/L及びピロリン酸カリウム濃度300g/Lの電解液を用い、液温40℃、電流密度0.5A/dmの条件で、粗化処理層及びキャリア箔の表面に亜鉛−ニッケル合金めっき処理を行った。次いで、クロム酸濃度3g/L水溶液を用い、pH10、電流密度5A/dmの条件で、亜鉛−ニッケル合金めっき処理を行った表面にクロメート処理を行った。
(7)シランカップリング剤処理
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン濃度2g/Lの水溶液をキャリア付極薄銅箔の極薄銅箔側の表面に吸着させ、電熱器により水分を蒸発させることにより、シランカップリング剤処理を行った。このとき、シランカップリング剤処理はキャリア箔側には行わなかった。
(8)評価
こうして得られたキャリア付極薄銅箔について、各種特性の評価を以下のとおり行った。
<表面性状パラメータ>
測定機器としてzygo New View 5032(Zygo社製)を用い、解析ソフトとしてMetro Pro Ver.8.0.2を用いて、低周波フィルタを11μmの条件を採用して、キャリア箔と極薄銅箔について、表面ピーク間の平均距離(Peak spacing)、谷間の平均距離(Valley spacing)、十点平均粗さRzjis、コア部のレベル差Rk、及び/又はうねりの最大高低差Wmaxの測定を行った。このとき、極薄銅箔又はキャリア箔を試料台に密着させて固定し、試料片の1cm角の範囲の中で108μm×144μmの視野を6点選択して測定し、6箇所の測定点から得られた測定値の平均値を代表値として採用した。なお、極薄銅箔の剥離層側の面については、後述するレーザー穴開け加工性評価用の銅張積層板を作製した後に測定を行った。
<レーザー穴開け加工性>
キャリア付極薄銅箔を用いて銅張積層板を作製し、レーザー穴開け加工性を評価した。まず、内層基板の表面に、プリプレグ(三菱瓦斯化学株式会社製、830NX−A、厚さ0.2mm)を介してキャリア付極薄銅箔の極薄銅箔を積層し、4.0MPa、220℃で90分間、熱圧着させた後、キャリア箔を剥離し、銅張積層板を作製した。その後、上記銅張積層板に炭酸ガスレーザーを用い、パルス幅12μsec.、パルスエネルギー8mJ、レーザー光径97μmの条件でレーザー穴開け加工を行った。レーザー穴開け加工により形成した10個の穴に対してx方向とy方向の直径を測定し、それらの平均値を算出して加工後の穴径とした。加工後の穴径が70μm以上となったものをAと判定し、65μm以上70μm未満をBと判定し、65μm未満をCと判定した。
<回路形成性>
回路形成性の評価は次のようにして行った。まず、上述の銅張積層板の表面に回路高さが15μmになるまで電気めっきを行った。こうして形成された電気めっき層の表面にドライフィルムを貼り付け、露光及び現像を行い、エッチングレジストを形成した。塩化銅エッチング液で処理することにより、レジスト間から銅を溶解除去し、回路高さ15μm、ライン/スペース=25μm/25μmの配線パターンを形成した。回路を真上からSEM観察し、回路の頂部から裾引きの長さを4μm間隔で50点測定し、それらの平均値を算出して裾引きの長さとした。裾引きの長さが4.5μm未満となったものをAと判定し、4.5μm以上5.0μm未満をBと判定し、5.0μm以上をCと判定した。
例2
極薄銅箔の形成を以下の手順で行ったこと以外は、例1と同様にしてキャリア付極薄銅箔の作製及び評価を行った。
(極薄銅箔の形成)
補助金属層が形成されたキャリア箔を、以下に示される組成の光沢めっき液に浸漬して、溶液温度45〜50℃、電流密度33A/dmで電解し、厚さ3μmの極薄銅箔を補助金属層上に形成した。
<光沢めっき液の組成>
‐ 銅濃度:65g/L
‐ 硫酸濃度:200g/L
‐ ジアリルジメチルアンモニウムクロライド濃度:40mg/L
‐ ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド濃度:30mg/L
‐ 塩素濃度:30mg/L
例3
厚さ35μmのキャリア箔を作製したこと以外は、例2と同様にしてキャリア付極薄銅箔の作製及び評価を行った。
例4(比較)
キャリア箔の作製を以下の手順で行ったこと以外は、例1と同様にしてキャリア付極薄銅箔の作製及び評価を行った。
(キャリア箔の作製)
銅電解液として以下に示される組成の硫酸酸性硫酸銅溶液を用い、陰極に表面粗さRaが0.20μmのチタン製の回転電極を用い、陽極にはDSA(寸法安定性陽極)を用いて、溶液温度50℃、電流密度60A/dmで電解し、厚さ35μmの電解銅箔をキャリア箔として得た。
<硫酸酸性硫酸銅溶液の組成>
‐ 銅濃度:80g/L
‐ 硫酸濃度:250g/L
‐ ゼラチン濃度:2mg/L
‐ 塩素濃度:1.5mg/L
例5(比較)
厚さ35μmのキャリア箔を作製したこと以外は、例1と同様にしてキャリア付極薄銅箔の作製及び評価を行った。
結果
例1〜5において得られた評価結果は表1に示されるとおりであった。
Figure 0006650923

Claims (11)

  1. キャリア箔、剥離層及び極薄銅箔をこの順に備えたキャリア付極薄銅箔であって、
    前記極薄銅箔の剥離層側の面は、表面ピーク間の平均距離(Peak Spacing)が2.5〜20.0μmであり、かつ、コア部のレベル差(core roughness depth)Rkが1.5〜3.0μmであり、
    前記極薄銅箔の剥離層と反対側の面は、うねりの最大高低差Wmaxが4.0μm以下である、キャリア付極薄銅箔。
  2. 前記極薄銅箔の剥離層側の面は、十点平均粗さRzjisが2.0〜4.0μmである、請求項1に記載のキャリア付極薄銅箔。
  3. 前記極薄銅箔の剥離層側の面は、前記表面ピーク間の平均距離(Peak Spacing)が6.5〜15.0μmであり、かつ、コア部のレベル差Rkが2.0〜3.0μmである、請求項1又は2に記載のキャリア付極薄銅箔。
  4. 前記極薄銅箔の剥離層と反対側の面は、うねりの最大高低差(Wmax)が3.0μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のキャリア付極薄銅箔。
  5. 前記極薄銅箔の剥離層と反対側の面が粗化面である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のキャリア付極薄銅箔。
  6. 前記極薄銅箔が0.5〜5.0μmの厚さを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のキャリア付極薄銅箔。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のキャリア付極薄銅箔の製造方法であって、
    谷間の平均距離(Valley Spacing)が2.5〜20.0μmであり、かつ、コア部のレベル差(core roughness depth)Rkが2.0〜3.8μmである表面を有するキャリア箔を用意する工程と、
    前記キャリア箔の前記表面に剥離層を形成する工程と、
    前記剥離層上に極薄銅箔を形成する工程と、
    を含んでなる、方法。
  8. 前記キャリア箔の表面は、十点平均粗さRzjisが2.0〜5.0μmである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記キャリア箔の表面は、前記谷間の平均距離(Valley Spacing)が4.5〜10.0μmである、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のキャリア付極薄銅箔を備えた銅張積層板。
  11. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のキャリア付極薄銅箔を用いてプリント配線板を製造することを特徴とする、プリント配線板の製造方法。


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