JP6648853B1 - ゴルフクラブ - Google Patents

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Abstract

【課題】スイングを改善でき、打球の方向安定性及びボールの捕まりに優れたゴルフクラブの提供。【解決手段】ゴルフクラブ2は、ヘッド4と、チップ端Tp及びバット端Btを有するシャフト6と、グリップ8と、グリップ8の後端からの距離が100mm以内の領域であるバットエンド領域R1に配置された錘部材10とを備えている。グリップ8と錘部材10とで、グリップ・ウェイト部46が構成されている。シャフト6とグリップ8と錘部材10とで、シャフト・グリップ・ウェイト部48が構成されている。シャフト重量Wsは40g以下である。シャフトの調子率が50%以下である。グリップ・ウェイト部の重量W240g以上である。バットエンド領域R1の重量W1とシャフト・グリップ・ウェイト部の重量W3との比W1/W3が0.40以上である。【選択図】図6

Description

本開示は、ゴルフクラブに関する。
特許第6305611号公報では、スイングの安定性を高めうるゴルフクラブが提案されている。
特許第6305611号公報
本発明者は、ゴルフクラブがスイングに与える影響について、新たな知見を得た。本開示は、スイングを改善でき、打球の方向安定性及びボールの捕まりに優れたゴルフクラブを提供する。
一つの態様では、ゴルフクラブは、ヘッドと、チップ端及びバット端を有するシャフトと、グリップと、前記グリップの後端からの距離が100mm以内の領域であるバットエンド領域に配置された錘部材とを備えている。前記グリップと前記錘部材とで、グリップ・ウェイト部が構成されている。前記シャフトと前記グリップと前記錘部材とで、シャフト・グリップ・ウェイト部が構成されている。前記シャフトの重量が、40g以下である。前記シャフトの調子率が、50%以下である。前記グリップ・ウェイト部の重量が、40g以上である。前記バットエンド領域の重量がW1(g)とされ、前記シャフト・グリップ・ウェイト部の重量がW3(g)とされるとき、W1/W3が0.40以上である。ただし、前記シャフトの順式フレックスがf1とされ、前記シャフトの逆式フレックスがf2とされるとき、前記調子率fp(%)は次の式(1)によって算出される。
fp=[f2/(f1+f2)]×100 (1)
一つの側面として、スイングを改善でき、打球の方向安定性及びボールの捕まりに優れたゴルフクラブが提供されうる。
図1は、一実施形態に係るゴルフクラブを示す。 図2は、図1のゴルフクラブの、グリップ後端近傍における断面図である。 図3は、錘部材の一部切欠き斜視図である。 図4は、スイング中のゴルファーを目標方向後方から見た様子を示す。図4は、テークバックの局面を示す。 図5は、バットエンド領域の重量の効果を説明するための概念図である。 図6は、スイング中のゴルファーを目標方向後方から見た様子を示す。図6は、トップオブスイングの局面を示す。 図7は、インパクト近傍におけるシャフトの撓りを示す概念図である。実線は手元調子のシャフトを有するゴルフクラブを示し、破線は先調子のシャフトを有するゴルフクラブを示す。 図8(a)は順式フレックスの測定方法を示す概略図であり、図8(b)は逆式フレックスの測定方法を示す概略図である。 図9は、クラブ振動数の測定方法を示す概略図である。 図10は、シャフトトルクの測定方法を示す概略図である。
(本開示の基礎となった知見)
本発明者は、ゴルフクラブがスイングに与える影響について探求した。その結果、クラブの仕様に起因して、クラブ及び手がスイングプレーンから外れうることを見いだした。更に、スイングプレーンから外れる動きが、フェースが開いたインパクトを招来しうることを見いだした。そして、クラブ及び手がスイングプレーンから外れることを抑制しうるゴルフクラブを見いだすに至った。
スイングプレーンは、スイングのメカニズムを説明するための概念として広く知られている。一般に、スイングプレーンは、ボールとターゲットとを結ぶ直線と、アドレス時における両肩(又は両肘)とを通る仮想平面である。クラブ及び手がこのスイングプレーンに沿って動くと、スイング軌道が安定し、ナイスショットが生まれやすいことが知られている。ここにいう手とは、グリップを握る右手及び左手を意味する。
振りやすさの観点から、クラブの軽量化が進んでいる。この軽量化では、シャフト及びグリップが軽くされる。一方、ヘッドが軽すぎると反発性能が低下するため、ヘッド重量は一定以上に維持される。
スイングプレーンに沿ったスイングができるか否かは、ゴルファーのスキルの問題と考えられてきた。本発明者が研究した結果、軽量化された従来のクラブでは、スイングの際にクラブ及び手がスイングプレーンから外れやすいことが判明した。さらにこの現象がインパクトにおけるフェースの向きに関与していることを見いだした。本開示は、この新たな知見に基づく。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本開示が詳細に説明される。
なお、本願において、「軸方向」とは、シャフトの軸方向を意味する。
図1は、本開示の一実施形態を示すゴルフクラブ2の全体図である。図1に示されるように、ゴルフクラブ2は、ゴルフクラブヘッド4と、シャフト6と、グリップ8と、錘部材10とを含む。錘部材10は、グリップ8の内側に位置する。更に、ゴルフクラブ2は、フェラル12を有する。
ゴルフクラブ2は、ドライバー(1番ウッド)である。通常、ドライバーのクラブ長さは、43インチ以上である。好ましくは、ゴルフクラブ2は、ウッド型ゴルフクラブである。
図1において両矢印Lcで示されているのは、ゴルフクラブ2の長さである。このクラブ長さLcの測定方法は、後述される。
ゴルフクラブ2は、バットエンド領域R1を有する。バットエンド領域R1は、グリップ8の後端8eからの距離が100mm以内の領域と定義される。換言すれば、バットエンド領域R1は、グリップ8の後端8eから軸方向に100mm隔てた地点P100から、グリップ8の後端8eまでの領域である。
本実施形態において、ヘッド4は中空構造を有する。ヘッド4は、ウッド型である。ヘッド4は、ハイブリッド型(ユーティリティ型)であってもよい。ヘッド4は、アイアン型であってもよい。ヘッド4は、パター型であってもよい。ヘッド4の材質として、金属及び繊維強化プラスチックが例示される。この金属として、チタン合金、純チタン、ステンレス鋼及び軟鉄が例示される。繊維強化プラスチックとして、炭素繊維強化プラスチックが例示される。金属部分と繊維強化プラスチック部分とを有する複合ヘッドであってもよい。
ヘッド4は、シャフト6のチップ端Tp側の端部に取り付けられている。グリップ8は、シャフト6のバット端Bt側の端部に取り付けられている。ヘッド4は、ヘッド重量Whを有する。
シャフト6は、繊維強化樹脂層の積層体からなる。シャフト6は、管状体である。シャフト6は中空構造を有する。図1が示すように、シャフト6は、チップ端Tpとバット端Btとを有する。チップ端Tpは、ヘッド4の内部に位置している。バット端Btは、グリップ8の内部に位置している。
シャフト6は、シャフト重量Wsを有する。
図1において両矢印Lsで示されているのは、シャフト長さである。シャフト長さLsは、チップ端Tpからバット端Btまでの軸方向距離である。
シャフト6の材質は、炭素繊維強化樹脂である。軽量化の観点から、シャフト6の材質として、炭素繊維強化樹脂が好ましい。シャフト6は、いわゆるカーボンシャフトである。好ましくは、シャフト6は、プリプレグシートを硬化させてなる。このプリプレグシートでは、繊維は実質的に一方向に配向している。このように繊維が実質的に一方向に配向したプリプレグは、UDプリプレグとも称される。「UD」とは、ユニディレクションの略である。UDプリプレグ以外のプリプレグが用いられても良い。例えば、プリプレグシートに含まれる繊維が編まれていてもよい。シャフト6は、金属線を含んでいてもよい。
プリプレグシートは、繊維と樹脂とを有している。この樹脂は、マトリクス樹脂とも称される。典型的には、この繊維は炭素繊維である。典型的には、このマトリクス樹脂は、熱硬化性樹脂である。
シャフト6は、いわゆるシートワインディング製法により製造されている。プリプレグにおいて、マトリクス樹脂は、半硬化状態にある。シャフト6は、プリプレグシートが巻回され且つ硬化されてなる。シャフト6は、フィラメントワインディング製法により製造されてもよい。
プリプレグシートのマトリクス樹脂としては、エポキシ樹脂の他、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等も用いられ得る。シャフト強度の観点から、好ましいマトリクス樹脂は、エポキシ樹脂である。
シャフト6の製法は限定されない。設計自由度の観点から、シートワインディング製法により製造されたシャフトが好ましい。なお、シャフト6の材質は限定されない。シャフト6は、例えば、スチールシャフトでもよい。
グリップ8は、スイング中においてゴルファーにより握られる部分である。グリップ8は、グリップ重量Wgを有する。
グリップ8の材質として、ゴム組成物及び樹脂組成物が例示される。このゴム組成物におけるゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられる。特に、天然ゴム、又は天然ゴムに親和性の良いエチレンプロピレンジエンゴムもしくはスチレンブタジエンゴムなどをブレンド(混合)したものが、好ましい。前記樹脂組成物に含まれる樹脂として、熱可塑性樹脂が挙げられる。この熱可塑性樹脂は、射出成形に用いられうる。この熱可塑性樹脂として、熱可塑性エラストマーが好ましく、ソフトセグメントとハードセグメントとを含む熱可塑性エラストマーがより好ましい。グリップ性と耐摩耗性との両立の観点からは、ウレタン系熱可塑性エラストマーがより好ましい。成形性の観点からは、EPDM及びスチレンブタジエンゴムがより好ましい。
グリップ8の前記ゴム組成物は、発泡ゴムであってもよい。発泡ゴムは、多数の気泡を含み、低比重である。発泡ゴムには、発泡剤が配合されてもよい。この発泡剤の一例は、熱分解型発泡剤である。この熱分解型発泡剤として、アゾジカルボンアミドのようなアゾ化合物、ジニトロソペンタメチレンテトラミンのようなニトロソ化合物及びトリアゾール化合物が例示される。発泡ゴムは、グリップ8の軽量化に寄与する。
発泡率が異なる複数種のゴムが用いられてもよい。発泡率が異なる複数種のゴムには、無発泡のゴム(発泡率がゼロ)が含まれうる。これら複数種のゴムの配置を調整することで、グリップ・ウェイト部の重心G2(後述)の位置が調整されうる。
グリップ8の製法は限定されない。グリップ8は、公知の製法により製造されうる。この製法として、プレス成形及び射出成形が例示される。
発泡率が異なる複数種のゴムが用いられる場合、プレス成形が好ましい。この場合、例えば、第1の発泡率で成形される材料からなるゴムシート1と、第2の発泡率で成形される材料からなるゴムシート2とが用意される。これらのシートのそれぞれを金型内の任意の位置に置き、加熱及び加圧をすることで、プレス成形がなされる。この方法では、発泡率が異なるゴムのそれぞれを自由に配置することができる。
錘部材10は、グリップ8の内側に配置されている。錘部材10は、シャフト6に取り付けられている。錘部材10は、シャフト6のバット端Btの近傍に取り付けられている。錘部材10は、前述のバットエンド領域R1に取り付けられている。錘部材10の全体が、バットエンド領域R1に位置している。錘部材10の中心線は、シャフト6の中心線Z1に一致している。
錘部材10は、シャフト6に取り付けられていてもよいし、グリップ8に取り付けられていてもよい。本実施形態の錘部材10は、外部に露出していない。錘部材10の少なくとも一部が外部に露出していてもよい。
図2は、シャフト6のバット端Btの近傍における、ゴルフクラブ2の断面図である。
シャフト6は、内部が空洞のパイプである。シャフト6の中心線に垂直な断面において、シャフト6の外面6aは円形である。シャフト6の中心線に垂直な断面において、シャフト6の内面6bは円形である。シャフト6は、バット端面6cを有する。バット端面6cは、バット端Btにおけるシャフト6の端面である。バット端面6cは、円環面である。
グリップ8は、シャフト6のバット端Bt側に取り付けられている。グリップ8は、グリップ本体部8aと、エンドキャップ部8bとを有する。グリップ本体部8aは筒形状である。グリップ本体部8aは、その内側に、シャフト6が挿入されるシャフト挿入孔を有する。エンドキャップ部8bは、グリップ本体部8aの一端側の開口を塞いでいる。エンドキャップ部8bは、グリップ8の後端面8cを構成している。グリップ本体部8aは、端面8cから離れるにつれて細くなるテーパー部を有する。グリップ本体部8aの他端側には、シャフト6の挿入を可能とする開口(図示省略)が形成されている。エンドキャップ部8bは、貫通孔8dを有する。貫通孔8dは、シャフト6をグリップ8に挿入する際に空気を逃がす機能を果たす。
図2において2点鎖線で示されるのは、グリップ本体部8aとエンドキャップ部8bとの境界k1である。この境界k1は、前記シャフト挿入孔の後端に位置し中心線Z1に垂直な平面である。例えばこの境界k1の位置で、グリップ本体部8aとエンドキャップ部8bとが区分される。エンドキャップ部8bは、グリップ本体部8aよりも、後端8e側に位置する。本実施形態において、エンドキャップ部8bは、無発泡ゴムのみにより形成されている。一方、グリップ本体部8aは、発泡ゴムからなる発泡ゴム部を含む。この発泡ゴム部は、多数の気泡を含み、低比重である。エンドキャップ部8bの比重は、グリップ本体部8aの比重(平均比重)よりも大きい。この構成は、グリップ8の重心を後端8eに近づけるのに寄与する。
図3は、錘部材10の斜視図である。
錘部材10は、錘本体20と、カバー部材30とを含む。錘本体20は、金属からなる。カバー部材30は、ゴム状弾性体からなる。錘本体20は、鋳造、鍛造、焼結、ダイカスト、プレス成形等により成形されうる。カバー部材30は、インジェクション成形等により成形されうる。成形された錘本体20がセットされた金型で、カバー部材30をインジェクション成形することができる。また、それぞれ別個に成形された錘本体20とカバー部材30とを接合することができる。
錘本体20の金属材料は、特に限定されない。小さい体積で高いオンプレーン効果(後述)を得る観点から、錘本体20の比重は、5.0以上が好ましく、7.0以上がより好ましく、8.0以上がより好ましい。コスト及び成形性の観点から、錘本体20の比重は、20以下が好ましく、18以下がより好ましく、15以下がより好ましい。本実施形態では、錘本体20として真鍮が用いられている。タングステン及びニッケルを含む合金も好ましく用いられうる。
バットエンド領域R1の重量W1を増やす観点から、錘部材10の重量は、6g以上が好ましく、8g以上がより好ましく、10g以上がより好ましい。過大なクラブ重量Wcを避ける観点から、錘部材10の重量は、25g以下が好ましく、20g以下がより好ましく、15g以下がより好ましい。
錘本体20は、第1端面22と、第2端面24と、外周面26とを含む。シャフト軸方向において、第1端面22はチップ端Tpの側に位置し、第2端面24はバット端Btの側に位置する。本実施形態において、第1端面22及び第2端面24は、いずれもシャフト軸方向と直角な平面で形成されているが、このような態様に限定されない。
錘本体20の外周面26は、円筒面である。外周面26の中心線は、シャフト6の中心線Z1に一致している。錘本体20には、シャフト軸方向に延びる貫通孔28が形成されている。したがって、本実施形態の錘本体20は、円筒形状に形成されている。
カバー部材30は、錘本体20を被覆している。カバー部材30は、ゴム状弾性体で形成されている。ゴム状弾性体は、ゴム弾性を有する材料であり、加硫ゴムの他、樹脂系材料も含む。本実施形態のカバー部材30は、加硫ゴムで形成されている。
カバー部材30は、側部カバー32と、第1端部カバー34と、第2端部カバー36と、フランジ部38とを含む。側部カバー32は、錘本体20の外周面26を覆っている。側部カバー32は、錘本体20の外周面26の全域を覆っている。側部カバー32は、錘本体20の外周面26の円周方向及びシャフト軸方向の全体を覆うように構成されている。側部カバー32は、円筒状である。
第1端部カバー34は、側部カバー32に繋がっている。第1端部カバー34は、錘本体20の第1端面22を覆っている。第1端部カバー34は、錘本体20の第1端面22の一部を覆っている。また、第1端部カバー34には、錘本体20の中心貫通孔28に繋がる第1貫通孔40が形成されている。第1貫通孔40の中心線は中心貫通孔28の中心線に一致している。
第2端部カバー36は、側部カバー32に繋がっている。第2端部カバー36は、錘本体20の第2端面24を覆っている。第2端部カバー36は、錘本体20の第2端面22の全体を覆っている。また、第2端部カバー36には、錘本体20の中心貫通孔28に繋がる第2貫通孔42が形成されている。第2貫通孔42の中心線は中心貫通孔28の中心線に一致している。
錘本体20の貫通孔28と、第1貫通孔40と、第2貫通孔42とで、錘部材10を貫通する錘貫通孔44が形成されている。図2が示すように、錘貫通孔44は、エンドキャップ部8bに形成された貫通孔8dに繋がっている。
フランジ部38は、第2端部カバー36に繋がっている。フランジ部38は、第2端部カバー36からシャフト半径方向の外側に向かって突出している。フランジ部38は、側部カバー32よりも径方向外側に突出している。フランジ部38は、バット端面6cに当接している。フランジ部38は、シャフト6のバット端面6cを覆っている。フランジ部38は、バット端面6cの全体を覆っている。フランジ部38は、シャフト周方向に連続する円環部である。
錘部材10の中心線は、シャフト6の中心線Z1と一致しているが、この構成に限定されない。錘部材10は中心線を有さなくてもよい。シャフト周方向における重量分布の均一性の観点から、錘部材10の中心線は、シャフト6の中心線Z1と一致しているのが好ましい。
錘部材10において、側部カバー32の外径は、シャフト6の内側に配置可能な大きさに設定される。フランジ部38の外径は、バット端面6cの内径よりも大きい。フランジ部38はバット端面6cに当接する。フランジ部38はバット端面6cに係合する。この係合により、錘部材10の位置決めが達成される。また、この係合により、錘部材10がシャフト6の内側に脱落することが防止されている。図2が示すように、フランジ部38は、バット端面6cとエンドキャップ部8bとで挟まれる。フランジ部38は、錘部材10の固定を確実とするのに寄与している。
錘部材10は、シャフト6に固定されてもよいし、グリップ8に固定されてもよいし、シャフト6とグリップ8との間に固定されてもよい。本実施形態では、錘部材10は、シャフト6に固定されている。加えて、フランジ部38においては、錘部材10はシャフト6とグリップ8とに挟まれている。また、グリップ後端8e側における錘部材10の端面39は、エンドキャップ部8bの内面8gに面接触している。これらの構成は、錘部材10の固定を確実とするのに寄与している。錘部材10がグリップ8に固定される場合、例えば錘部材10はグリップ8のエンドキャップ部8bに埋め込まれてもよい。また、グリップ8の後端面8cに錘部材10を装着するための錘装着部が設けられ、この錘装着部に錘部材10が取り付けられてもよい。
錘部材10をゴルフクラブ2へ装着する方法は、以下の通りである。先ず、グリップ8が装着されていないシャフト6が準備される。シャフト6には、予め、ゴルフクラブヘッド4が装着されていても良い。次に、シャフト6のバット端Bt側に、錘部材10が挿入される。この挿入により、錘部材10の側部カバー32が、シャフト6の内側に配置される。同時に、フランジ部38が、シャフト6のバット端面6cに係合される。次に、錘部材10を有するシャフト6が、グリップ8に差し込まれる。これにより、錘部材10が、ゴルフクラブ2に装着される。グリップ8は、例えば両面テープで、シャフト6の外面6aに接着される。
この錘部材10は、バットエンド領域R1に確実に固定されている。また、シャフト6との接触面がカバー部材30により構成されているため、異音の発生が抑制されている。錘本体20をカバー部材30の内側に配置した錘部材10は、シャフト6の振動を吸収し、ゴルフクラブ2の打撃フィーリングを向上させうる。
図2において両矢印Daで示されているのは、錘部材10の軸方向長さである。バット端Btの側に重量を集中する観点から、長さDaは、50mm以下が好ましく、45mm以下がより好ましく、40mm以下がより好ましい。錘部材10の重量を大きくする観点から、長さDaは、5mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましく、15mm以上がより好ましい。
図2において両矢印Dbで示されているのは、錘部材10のチップ端Tp側の端から、グリップ8の後端8eまでの長さである。長さDbは、軸方向に沿って測定される。バット端Btの側に重量を集中する観点から、長さDbは、70mm以下が好ましく、60mm以下がより好ましく、50mm以下がより好ましく、40mm以下がより好ましい。錘部材10の重量を大きくする観点から、長さDbは、15mm以上が好ましく、20mm以上がより好ましく、25mm以上がより好ましい。
本実施形態のカバー部材30の硬さは、好ましくは、JIS−A硬さで50度以上70度以下とされうる。硬さが上記範囲とされることで、フランジ部38等に十分な強度を維持させつつ、カバー部材30による振動吸収効果を高め、ゴルフクラブ2の打撃フィーリングを向上させることができる。なお、JIS−A硬さは、JIS−K6253の規定に準拠して、23℃の環境下、タイプAのデュロメータによって測定される。
本願では、グリップ・ウェイト部が定義される。ゴルフクラブ2は、グリップ・ウェイト部46を有する。グリップ・ウェイト部46は、グリップ8と錘部材10とを合わせた部分を意味する。グリップ・ウェイト部46において、錘部材10は、グリップ8に接していてもよいし、グリップ8に接していなくてもよい。錘部材10がグリップ8に接していなくても、グリップ8と錘部材10とを合わせてグリップ・ウェイト部46と定義する。ただし、錘部材10は、バットエンド領域R1に位置する。グリップ・ウェイト部46は、重量W2を有する。グリップ・ウェイト部46は、グリップ8をシャフト6等に固定するための接着部(両面テープ等)を含む。錘部材10をシャフト6等に固定するために接着部(接着剤等)が存在する場合、グリップ・ウェイト部46は、その接着部を含む。本実施形態では、錘部材10を固定するための接着剤等は用いられていない。
本願では、シャフト・グリップ・ウェイト部が定義される。ゴルフクラブ2は、シャフト・グリップ・ウェイト部48を有する。シャフト・グリップ・ウェイト部48は、シャフト6とグリップ8と錘部材10とを合わせた部分を意味する。シャフト・グリップ・ウェイト部48において、錘部材10は、グリップ8に接していてもよいし、グリップ8に接していなくてもよい。ただし、錘部材10は、バットエンド領域R1に位置する。シャフト・グリップ・ウェイト部48は、重量W3を有する。シャフト・グリップ・ウェイト部48は、グリップ8をシャフト6等に固定するための接着部(両面テープ等)を含む。シャフト・グリップ・ウェイト部48は、錘部材10をシャフト6等に固定するための接着部(接着剤等)を含む。シャフト・グリップ・ウェイト部48は、ヘッド4をシャフト6に固定するための接着部(接着剤、スリーブ等)を含まない。シャフト・グリップ・ウェイト部48は、フェラルを含まない。
[1.ゴルフクラブの仕様とスイングとの関係]
本発明者は、新たな視点に基づいて、スイングを詳しく研究した。この結果、ゴルフクラブの仕様がスイングに悪影響を与えうることを見いだした。従来の重いゴルフクラブでは、ヘッドスピードが上がらず、飛距離が少ない。この観点から、ヘッド以外の部分を軽量化した軽量ゴルフクラブが開発されてきた。この軽量ゴルフクラブは、ヘッドスピードの向上に寄与する。しかし、本発明者は、この従来の軽量ゴルフクラブが、スイングに悪影響を与えうることを見いだした。
[1−1.ゴルフクラブの仕様に起因するオフプレーンなスイング]
図4は、スイング中のゴルファー50を目標方向の後方から見た様子を示す。図4は、バックスイングの途中の局面を示している。スイング中のゴルファー50は、手52でゴルフクラブ2のグリップ8を握っている。手52は、右手及び左手を含む。手52は、手首よりも先の部分である。テークバック及びダウンスイングにおいて、ゴルフクラブ2は、グリップ8側を下側として斜めに傾斜した状態となる。
図4において、スイングプレーンSPが2点鎖線で示されている。ゴルファー50毎に理想的なスイングプレーンSPが存在しうる。ゴルフクラブ2及び手52がスイングプレーンSPに沿って動くスイングでは、スイング軌道が安定し、ナイスショットが生まれやすいことが知られている。図4では、ゴルフクラブ2及び手52がスイングプレーンSPに沿った良好なスイングが示されている。この良好なスイングは、オンプレーンなスイングとも称される。
ヘッド4に作用する重力は、鉛直方向下向きに作用する。この重力は、手52を支点として回転し、ゴルフクラブ2を倒そうとする。この結果、ゴルフクラブ2のヘッド側は、スイングプレーンSPよりも下側に外れやすくなる(図4における矢印y1及び2点鎖線参照)。
回転を始めたゴルフクラブ2は、ゴルフクラブ2の重心を中心として回転しようとする。このため、ゴルフクラブ2のヘッド側が下側に向かって回転すると、ゴルフクラブ2のグリップ側が上側に押し出される。即ち、手52が上側に押し出される。この結果、手52は、スイングプレーンSPよりも上側に外れやすくなる(図4における矢印y2及び2点鎖線参照)。手52の位置の変化は、スイングに直接的に影響する。
このように、ヘッド4に作用する重力により、ゴルフクラブ2及び手52がスイングプレーンSPから外れることが判った。この現象は、多くのスイングにおけるゴルファー及びゴルフクラブの動きを精密に計測することで、明らかとなった。この結果、ゴルフクラブ2及び手52がスイングプレーンSPから外れる度合いが大きくなる。すなわち、スイングがオフプレーンとなる。このスイングでは、スイング軌道及び打点にバラツキが生じやすい。
振りやすさの観点から、シャフト及びグリップが軽量化された軽量クラブが開発されている。ただし、ヘッド重量を軽くすると反発性能が低下するため、ヘッド重量に関しては軽量化が制限される。この結果、軽量なクラブであっても、ヘッドは重い。上述の通り、このクラブでは、オフプレーンなスイングとなりやすいことが判明した。
これまで、振りやすさ及びヘッドスピードの向上にはクラブの軽量化が不可欠と考えられていた。この結果、シャフト及びグリップ(グリップ配置部分)の両方が軽量化されていた。シャフトを軽くしながらグリップ配置部分を重くするという考えは、従来の技術常識とは逆行するものであり、採用され得ないものであった。
[1−2.オンプレーン効果]
本実施形態では、シャフトを軽くしながら、グリップ配置領域が重くされている。特に、グリップ配置領域の中でもバット端Bt寄りの部分である、バットエンド領域R1が重くされている。
図5は、図1と同じゴルフクラブ2を示す。前述の通り、スイング中において、ゴルフクラブ2は、手52を支点54として、ヘッド側が下がるように回転しようとする(図5の矢印y1参照)。支点54の位置は、おおよそ、グリップ8を握る手52の軸方向中心である。この回転のモーメントが、オフプレーンモーメントとも称される。これに対して、本実施形態では、シャフト6が軽量とされると共に、バットエンド領域R1が重くされており、バットエンド領域R1には重力Fgが作用する。バットエンド領域R1に作用する重力は、手52を支点54として、ゴルフクラブ2のヘッド側をグリップ側に対して上げようとする回転モーメントを生じる(図5の矢印y3参照)。この回転モーメントが、抗オフプレーンモーメントとも称される。
抗オフプレーンモーメントに起因して、ゴルフクラブ2のヘッド側が下がってスイングプレーンSPから外れることが抑制される。同時に、手52が上がってスイングプレーンSPから外れることも抑制される。軽量なシャフト6と重いバットエンド領域R1との組み合わせは、ゴルフクラブ2及び手52をスイングプレーンSPに近づけるのに寄与する。この効果が、オンプレーン効果とも称される。オンプレーン効果により、ミスショットが減少し、スイング軌道及び打点が安定する。結果として、平均飛距離が増大し、打球のバラツキが抑制される。
長いゴルフクラブでは、打点のバラツキが大きくなりやすい。しかし、ゴルフクラブ2では、オンプレーン効果により打点のバラツキが抑制される。この結果、長くても打点が安定し、かつ、長さに起因するヘッドスピードの向上も得られる。結果として、平均飛距離が更に増大する。
[1−3.スクエアインパクト効果]
図6は、スイング中のゴルファー50を目標方向の後方から見た様子を示す。図6は、トップオブスイング(トップ)の局面を示している。
前述の通り、オフプレーンモーメントによってクラブが回転し、ヘッド4が下側へ動く場合、トップ付近では、フェース4aが上を向くようにヘッド4が回転する(図6の2点鎖線の矢印を参照)。このため、インパクトでフェース4aをスクエアとするために、より大きなローテーションが必要となる。よって、インパクトでフェース4aをスクエアにすることが難しくなり、フェース4aが開いた状態でインパクトを迎えやすい。これに対し、ゴルフクラブ2では、抗オフプレーンモーメントにより、ヘッド4が下側に向かって動きにくくなっている。よって、トップでフェース4aが上を向きにくい。この結果、インパクトでフェース4aをスクエアに戻しやすくなり、捕まりが良好となる。この効果が、スクエアインパクト効果と称される。
なお、「捕まり」とは、インパクトでフェース4aが開きにくい性質を意味する。捕まりが良好な場合、インパクトでフェースが開きにくく、スライスが出にくい。捕まりが良好な場合、ボールをフェース4aでしっかりと打撃することができる。よって、ヘッドの運動エネルギーがボールに伝達されやすく、飛距離の損失が少ない。スクエアなインパクトとは、インパクトにおいてフェース4aの法線が目標方向を向くことを意味する。スクエアなインパクトでは、フェース4aが開いておらず且つ閉じていない。
[1−4.スイングMI低減効果]
スイングにおいては、コックがなされる。コックとは、スイング中における手首の折れのことである。コックにおいて支点となるグリップの握り位置よりも後端側に重量が配分されることで、コックが実施されやすくなる。このコックにより、スイング中におけるクラブとスイングの回転中心との距離が短くなり、スイングMIが小さくなる。スイングMIとは、スイング中心回りのゴルフクラブ2の実効的な慣性モーメントを意味する。スイングMIが小さくなることで、バットエンド領域R1が重いにも関わらず、ゴルフクラブ2は振りやすく、ヘッドスピードが向上する。この効果が、スイングMI低減効果とも称される。
クラブ重量が軽いのにヘッド4が重い場合、通常は、ゴルフクラブは振りにくくなる。しかし上述の通り、ゴルフクラブ2では、シャフト6を軽くし且つバットエンド領域R1を重くすることで、スイングMIを小さくしている。このため、ゴルフクラブ2は振りやすい。
スイングMI低減効果により、ヘッド4が軽量でなくても振りやすいクラブとなり、スイングスピードが向上し、ヘッドスピードも向上する。この結果、打撃時にボールに与えるエネルギーが大きくなり、ボール初速が速くなり、飛距離が増大する。
[2.ゴルフクラブの仕様]
上述の効果を更に高めうるゴルフクラブ2の仕様は、以下の通りである。
[2−1.シャフトの調子率fp]
図7は、インパクト近傍におけるシャフトの撓みを示す概念図である。図7の実線は手元調子のシャフト61を有するゴルフクラブ2aを示し、図7の破線は先調子のシャフト62を有するゴルフクラブ2bを示す。手元調子のシャフト61は、調子率fpが小さい。先調子のシャフト62は、調子率fpが大きい。
ダウンスイングの初期では、シャフトのグリップ寄りの部分が撓みやすい。このため、手元調子のシャフトでは、ダウンスイングの初期にシャフトが大きく撓む。この撓みにより、ヘッドの軌道が体の近くを通るので、体の回転速度が上がり、ヘッドスピードを高めることができる。ヘッドスピードの向上により、飛距離が増大する。
図7では、撓み量が同じであるときの、シャフトの撓みに起因するフェースの角度変化θ1、θ2が示されている。手元調子のシャフト61における角度変化θ1のほうが、先調子のシャフト62における角度変化θ2よりも小さい。よって、手元調子のクラブ2aのほうが、インパクトにおけるフェース角度のバラツキが小さくなり、打球の方向安定性が高まる。一方、手元調子のクラブ2aの場合、シャフトの撓みに起因するフェースの角度変化が小さいため、インパクトにおいてフェースを閉じる効果が小さい。一般にシャフトはインパクト時にヘッドが先行するように撓み、この撓みはヘッドを閉じる動きを伴う。しかし、手元調子の場合、フェースの角度変化が小さいため、先調子の場合に比べてフェースが開いた状態でインパクトを迎えやすい。このため、手元調子のシャフトでは、通常、ボールの捕まりが悪い。しかし、前述のスクエアインパクト効果により、手元調子のシャフトでも、捕まりを良好とすることができる。
スクエアインパクト効果により捕まりを維持しつつ、飛距離及び打球の方向安定性を高める観点から、シャフトの調子率fpは、52%以下が好ましく、50%以下がより好ましく、49%以下がより好ましく、48%以下がより好ましい。シャフト設計上の制約を考慮すると、シャフトの調子率fpは、38%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、42%以上がより好ましい。
[2−2.シャフト重量Ws]
シャフト重量Wsを軽くすることで、スイングMIを小さくしつつ、バットエンド領域R1に効果的に重量を集中させることができる。この観点から、シャフト重量Wsは、42g以下が好ましく、41g以下がより好ましく、40g以下がより好ましい。シャフトの強度の観点から、シャフト重量Wsは、25g以上が好ましく、30g以上がより好ましく、35g以上がより好ましい。
[2−3.バットエンド領域R1の重量W1]
前述の通り、バットエンド領域R1は、ゴルフクラブ2の後端からの軸方向距離が100mm以内の領域である。バットエンド領域R1の重量W1は、バットエンド領域R1におけるゴルフクラブ2の重量である。重量W1は、領域R1におけるグリップ8の重量、領域R1における錘部材10の重量、及び、領域R1におけるシャフト6の重量を含む。更に、バットエンド領域R1に接着剤、両面テープ等が存在すれば、それらの重量も重量W1に含まれる。
オンプレーン効果を高める観点から、バットエンド領域R1の重量W1は、30g以上が好ましく、31g以上がより好ましく、32g以上がより好ましく、33g以上がより好ましく、34g以上がより好ましい。クラブ重量Wcを考慮すると、バットエンド領域R1の重量W1は、70g以下がより好ましく、60g以下がより好ましく、50g以下がより好ましく、45g以下がより好ましい。
[2−4.グリップ・ウェイト部の重量W2]
オンプレーン効果を高める観点から、グリップ・ウェイト部の重量W2は、40g以上が好ましく、41g以上がより好ましく、42g以上がより好ましい。クラブ重量Wcを考慮すると、グリップ・ウェイト部の重量W2は、75g以下が好ましく、65g以下がより好ましく、55g以下がより好ましく、50g以下がより好ましい。
[2−5.シャフト・グリップ・ウェイト部の重量W3]
シャフト6を軽くしつつグリップ・ウェイト部46を重くする観点から、シャフト・グリップ・ウェイト部の重量W3は所定の範囲に設定されるのが好ましい。下限としては、重量W3は、75g以上が好ましく、78g以上がより好ましく、80g以上がより好ましい。上限としては、重量W3は、100g以下が好ましく、90g以下がより好ましく、88g以下がより好ましい。
[2−6.W1/W3]
W1/W3は、バットエンド領域の重量W1の、シャフト・グリップ・ウェイト部の重量W3に対する比である。バットエンド領域R1に重量を集中させることで、W1/W3を高めることができる。W1/W3を高めることで、抗オフプレーンモーメントを増大させ、オンプレーン効果を高めることができる。この観点から、W1/W3は、0.40以上が好ましく、0.41以上がより好ましく、0.42以上がより好ましい。バットエンド領域の重量W1の限界を考慮すると、W1/W3は、0.60以下が好ましく、0.58以下がより好ましく、0.56以下がより好ましい。
[2−7.シャフト・グリップ・ウェイト部の重心率T3]
シャフト・グリップ・ウェイト部48は、重心G3を有する。図5に示される両矢印D3は、グリップ8の後端8eから重心G3までの距離である。距離D3は、軸方向に沿って測定される。図5に示される両矢印L3は、グリップ8の後端8eからシャフト6のチップ端Tpまでの距離である。距離L3は、軸方向に沿って測定される。
シャフト・グリップ・ウェイト部48の重心率T3(%)は、(D3/L3)×100で算出される。シャフト6を軽くし、且つバットエンド領域の重量W1を大きくすることで、重心G3がバット端Bt寄りとなり、この重心率T3を小さくすることができる。オンプレーン効果を高める観点から、重心率T3は、30%以下が好ましく、29%以下がより好ましく、28%以下がより好ましく、27%以下がより好ましい。バットエンド領域の重量W1の限界を考慮すると、重心率T3は、20%以上が好ましく、22%以上がより好ましく、24%以上がより好ましい。
[2−8.グリップ・ウェイト部の重心率T2]
グリップ・ウェイト部46は、重心G2を有する。図5に示される両矢印D2は、グリップ8の後端8eから重心G2までの距離である。距離D2は、軸方向に沿って測定される。図5に示される両矢印L2は、グリップ8の後端8eからグリップ8の先端8fまでの距離である。換言すれば、L2は、グリップ8の長さである。距離L2は、軸方向に沿って測定される。重心G2は、バットエンド領域R1に位置する。
グリップ・ウェイト部46の重心率T2(%)は、(D2/L2)×100で算出される。グリップ8を軽くし、バットエンド領域の重量W1を大きくすることで、重心G2がバット端Bt寄りとなり、重心率T2が小さくされうる。オンプレーン効果を高める観点から、重心率T2は、30%以下が好ましく、29%以下がより好ましく、28%以下がより好ましい。バットエンド領域の重量W1の限界を考慮すると、重心率T2は、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、15%以上がより好ましい。
[2−9.Ws/Wc]
Ws/Wcは、シャフト重量Wsの、クラブ重量Wcに対する比である。この比率を小さくすることで、スイングMIを小さくしながら、バットエンド領域R1に重量を効果的に集中させることができる。この観点から、Ws/Wcは、0.15以下が好ましく、0.145以下がより好ましい。クラブ重量Wcが過大であると、振りにくくなり、ヘッドスピードが低下する。この観点から、Ws/Wcは、0.11以上が好ましく、0.12以上がより好ましく、0.13以上がより好ましい。
[2−10.Wg/W2]
Wg/W2は、グリップ重量Wgの、グリップ・ウェイト部の重量W2に対する比である。この比率を小さくすることで、バットエンド領域R1に重量を効果的に集中させることができる。オンプレーン効果を高める観点から、Wg/W2は、0.80以下が好ましく、0.78以下がより好ましく、0.76以下がより好ましく、0.74以下がより好ましい。クラブ重量Wcが過大であると、振りにくくなり、ヘッドスピードが低下する。この観点から、Ws/Wcは、0.50以上が好ましく、0.55以上がより好ましく、0.60以上がより好ましい。
[2−11.W1/Ws]
W1/Wsは、バットエンド領域の重量W1の、シャフト重量Wsに対する比である。抗オフプレーンモーメントを大きくして、オンプレーン効果を高める観点から、W1/Wsは、0.75以上が好ましく、0.80以上がより好ましく、0.85以上がより好ましい。W1及びWsの好ましい範囲を考慮すると、W1/Wsは、1.20以下が好ましく、1.10以下がより好ましく、1.00以下がより好ましい。
[2−12.クラブ振動数]
クラブ振動数が大きいと、ダウンスイングの初期にシャフトを大きく撓ませることができる。この大きな撓みにより、ヘッドの軌道が体の近くを通るので、体の回転速度が上がり、ヘッドスピードを高めることができる。この観点から、クラブ振動数は、215cpm以下が好ましく、214cpm以下がより好ましく、213cpm以下がより好ましい。シャフト設計上の制約を考慮すると、クラブ振動数は、195cpm以上が好ましく、200cpm以上がより好ましく、205cpm以上がより好ましい。
[2−13.クラブ重量Wc]
アマチュアゴルファーの多くは、重すぎるクラブを振り切れない。特に、比較的非力なボリュームゾーンのゴルファー(カテゴリーAのゴルファーとも称する)には、軽いクラブが好ましい。カテゴリーAのゴルファーとは、ドライバーでのヘッドスピードが33.0m/s〜42.0m/sでありハンディキャップが18以上36以下であるゴルファーである。
上記カテゴリーAのゴルファーにおける振りやすさの観点から、クラブ重量Wcは、300g以下が好ましく、295g未満がより好ましく、295g以下がより好ましく、290g以下がより好ましい。バットエンド領域の重量W1及びヘッド重量Whを考慮すると、クラブ重量Wcは、275g以上が好ましく、277g以上がより好ましく、279g以上がより好ましい。
[2−14.ヘッド重量Wh]
ヘッド4の運動エネルギーを大きくし、ボール初速を高める観点から、ヘッド重量Whは、192g以上が好ましく、195g以上がより好ましく、196g以上がより好ましい。クラブ重量Wcを考慮すると、ヘッド重量Whは、210g以下が好ましく、205g以下がより好ましく、200g以下がより好ましい。
[2−15.クラブ長さLc]
ヘッド4の軌道の半径を大きくして、ヘッドスピードを高める観点から、クラブ長さLcは、45.0インチ以上が好ましく、45.5インチ以上がより好ましく、45.75インチ以上がより好ましい。クラブ長さLcが長いと、オフプレーンモーメントが増大しうる。しかし、ゴルフクラブ2では、抗オフプレーンモーメントに起因して、クラブ長さLcを増大させても、オンプレーン効果が得られうる。一般に、クラブ長さLcが長いと打点のバラツキが生じやすいが、このオンプレーン効果により、打点のバラツキが抑制される。また、前述のスイングMI低減効果により、クラブ長さLcが長くても振りやすさが確保されうる。ゴルフルール及び打ちやすさを考慮すると、クラブ長さLcは、48インチ以下が好ましく、47インチ以下がより好ましく、46インチ以下がより好ましい。
[2−16.グリップ重量Wg]
グリップ重量Wgを軽くすることで、錘部材10が配置されたバットエンド領域R1に効果的に重量を集中させることができる。この観点から、グリップ重量Wgは、35g以下が好ましく、33g以下がより好ましく、31g以下がより好ましい。グリップの強度の観点から、グリップ重量Wgは、20g以上が好ましく、22g以上がより好ましく、24g以上がより好ましい。
[2−17.シャフトトルク]
シャフトトルクは、一定のトルクをシャフトに付与したときの捻れ角である。シャフトトルクが小さいほど、シャフトの捻れ剛性が大きい。
シャフトトルクが大きいと、インパクトでフェースがスクエアに戻りやすく、捕まりが良好となる。一方この場合、フェースのローテーションが大きくなるので、打球方向のバラツキが大きくなる。シャフトトルクを小さくすることで、打球の方向安定性が高まる。シャフトトルクが小さくされると、通常、インパクトでフェースがスクエアに戻りにくい。しかし、前述のスクエアインパクト効果により、捕まりを良好とすることができる。スクエアインパクト効果により捕まりを維持しつつ、打球の方向安定性を高める観点から、シャフトトルクは、7.2°以下が好ましく、7.1°以下がより好ましく、7.0°以下がより好ましい。設計上の制約を考慮すると、シャフトトルクは、4.0°以上が好ましく、5.0°以上がより好ましく、6.0°以上がより好ましい。
[2−18.シャフト長さLs]
クラブ長さLcの好ましい範囲を考慮すると、シャフト長さLsは、44インチ以上が好ましく、44.5インチ以上がより好ましく、45インチ以上がより好ましい。クラブ長さLcの好ましい範囲を考慮すると、シャフト長さLsは、47.5インチ以下が好ましく、47インチ以下がより好ましく、46インチ以下がより好ましい。
[2−19.番手]
長いクラブほど、飛距離性能が重視される傾向にある。また、長いクラブほど、打点のバラツキが大きく、打球の方向が安定しにくい。上記効果により、長いクラブのマイナス面が効果的に改善される。この観点から、ウッド型クラブが好ましく、ドライバーが特に好ましい。ドライバーのリアルロフトは、通常、7°以上15°以下である。ヘッドの体積は、350cc以上が好ましく、380cc以上がより好ましく、400cc以上がより好ましく、420cc以上がより好ましい。ヘッド強度の観点から、ヘッドの体積は、470cc以下が好ましい。
[3.測定方法]
各仕様の測定方法は、以下の通りである。
[3−1.シャフトの調子率fp]
シャフトの調子率fpは、先調子の度合いを示す指標である。調子率fpが大きいほど先調子である。調子率fpが小さいほど手元調子である。シャフト調子率fp(%)は、次の式(1)によって算出される。
fp=[f2/(f1+f2)]×100 (1)
ただし、f1はシャフトの順式フレックスであり、f2はシャフトの逆式フレックスである。順式フレックスf1及び逆式フレックスf2の測定方法は以下の通りである。
[順式フレックスf1、逆式フレックスf2]
図8(a)は、順式フレックスf1の測定方法を示す。この図8(a)に示されるように、チップ端Tpから1093mmの位置に、第一支持点S1が設定される。更に、チップ端Tpから953mmの位置に、第二支持点S2が設定される。第一支持点S1には、シャフト6を上方から支持する支持体B1が設けられる。第二支持点S2には、シャフト6を下方から支持する支持体B2が設けられる。荷重のない状態において、シャフト6のシャフト軸線は水平とされる。チップ端Tpから129mm隔てた荷重点m1に、2.7kgfの荷重を鉛直下向きに作用させる。荷重のない状態と、荷重をかけて安定した状態との間の荷重点m1の距離(mm)が、順式フレックスである。この距離は、鉛直方向に沿って測定される。
なお、支持体B1の、シャフトと当接する部分(以下、当接部分という)の断面形状は、次の通りである。シャフト軸方向に対して平行な断面において、支持体B1の当接部分の断面形状は、凸状の丸みを有する。この丸みの曲率半径は、15mmである。シャフト軸方向に対して垂直な断面において、支持体B1の当接部分の断面形状は、凹状の丸みを有する。この凹状の丸みの曲率半径は、40mmである。シャフト軸方向に対して垂直な断面において、支持体B1の当接部分の水平方向長さ(図8(a)における奥行き方向長さ)は、15mmである。支持体B2の当接部分の断面形状は、支持体B1のそれと同一である。荷重点m1において2.7kgfの荷重を与える荷重圧子(図示省略)の当接部分の断面形状は、シャフト軸方向に対して平行な断面において、凸状の丸みを有する。この丸みの曲率半径は、10mmである。荷重点m1において2.7kgfの荷重を与える荷重圧子(図示省略)の当接部分の断面形状は、シャフト軸方向に対して垂直な断面において、直線である。この直線の長さは、18mmである。この荷重圧子を含む重りが、荷重点m1にぶら下げられる。
図8(b)は、逆式フレックスf2の測定方法を示す。第一支持点S1がチップ端Tpから12mm隔てた点とされ、第二支持点S2がチップ端Tpから152mm隔てた点とされ、荷重点m2がチップ端Tpから924mm隔てた点とされ、荷重が1.3kgfとされた他は順式フレックスと同様にして、逆式フレックスが測定される。
[3−2.クラブ振動数]
図9は、クラブ振動数の測定器にクラブ2が固定された様子を示している。クラブ振動数の測定には、藤倉ゴム工業株式会社製の商品名「GOLF CLUB TIMING HARMONIZER」が用いられる。図9が示すように、クランプCP1により、グリップエンドから7インチの地点からグリップエンドまでが固定される。すなわち、固定部分の長さF1は7インチ(約178mm)である。ヘッド4に対して下方に向けて任意の負荷を加え、シャフト6を振動させる。1分間あたりの振動数が、クラブ振動数(cpm)である。
[3−3.シャフトトルク]
図10は、シャフトトルクの測定方法を示す概略図である。チップ端Tpから40mmの地点からチップ端Tpまでの部分が、治具M1で固定される。この固定はエアチャックにより達成されており、このエアチャックの空気圧は2.0kgf/cmである。この治具M1から825mm隔てた位置から幅50mmの部分に、治具M2が固定される。この固定はエアチャックにより達成されており、このエアチャックの空気圧は1.5kgf/cmである。治具M1を固定したまま治具M2を回転させて、シャフト6に13.9kg・cmのトルクTrを付与する。このトルクTrによる捻れ角度が、シャフトトルクである。
[3−4.クラブ長さLc]
本願におけるクラブ長さLcは、R&A(Royal and Ancient Golf Club of Saint Andrews;全英ゴルフ協会)の規定に準拠して測定される。この規定は、R&Aが発行する最新のゴルフ規則において、「付属規則II クラブのデザイン」の「1 クラブ」における「1c 長さ」に記載されている。この測定方法は、クラブを水平面に置き、水平面に対する角度が60度の面にソールを当てて実施されることから、60度測定法とも称されている。
以下、実施例によって本開示の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本開示が限定的に解釈されるべきではない。
[サンプル5]
鍛造されたフェース部材と、鋳造されたボディ部材とを溶接することで、チタン合金製のドライバーヘッドを得た。複数のプリプレグシートを用いて、シートワインディング製法により、シャフトを得た。ゴム組成物を金型内で加熱及び加圧することにより、グリップを得た。グリップの成形では、発泡ゴム及び無発泡ゴムを用いた。グリップ本体部8aの一部が、発泡ゴムとされた。発泡ゴムはグリップ本体部8aの内層に用いられた。グリップ本体部8aの外層は無発泡ゴムとされた。エンドキャップ部8bは、無発泡ゴムとされた。成形された錘本体20をゴム材料で覆い、これを金型にセットして加圧及び加熱することで、加硫ゴムのカバー部材30を有する錘部材10を得た。この錘部材10をシャフト6のバット部に取り付けた後、シャフト6にグリップを装着して、図1及び図2に示されるゴルフクラブを得た。
[他のサンプル]
下記の表1〜6に示される仕様の他はサンプル5と同様にして、他のサンプルを得た。なお、錘部材の重量が0gのサンプルでは、錘部材が設けられなかった。また、プリプレグの種類、形状及び配置を変えることで、順式フレックスと逆式フレックスとの合計が変わらないようにして各シャフトを作成した。
各サンプルの仕様及び評価結果が、下記の表1〜6に示されている。なお、比較のため、各表にサンプル5を記載している。各仕様の測定方法は、前述の通りである。
Figure 0006648853
Figure 0006648853
Figure 0006648853
Figure 0006648853
Figure 0006648853
Figure 0006648853
[評価方法]
評価方法は、次の通りとされた。
[テスター]
上記カテゴリーAに属し且つ右利きである10名のゴルファーが、テストを行った。
[飛距離]
飛距離は、打球の最終到達地点までの距離であり、ランを含む距離である。上記10名のテスターが各クラブで5球ずつ打撃した。全ての飛距離データの平均値が、上記表に示されている。
[打球の方向安定性]
上記10名のテスターが各クラブで5球ずつ打撃した。目標方向からの左右方向のズレ距離が計測された。右にズレても左にズレても、ズレ距離はプラスの値とされた。このズレ距離の平均値が、上記表に示されている。
[捕まり]
上記打球の方向安定性のテストデータにおいて、右にズレた場合にはズレ距離がマイナスの値とされ、左にズレた場合にはズレ距離がプラスの値とされた。このズレ距離の平均値が、上記表に示されている。この平均値が大きいほど、ボールが左側に飛んでいる。この平均値が大きいほど、捕まりが良好である。
表1では、錘重量が変更されることで、W1/W3、Wg/W2、W1/Ws、重心率T2、重心率T3等が変更されている。表1の結果が示すように、抗オフプレーンモーメントが増大し、オンプレーン効果が高まることで、打球の方向安定性が良好となった。また、オンプレーン効果及びスイングMI低減効果により、クラブ重量が増加しているのにも関わらず、飛距離が増大した。更に、抗オフプレーンモーメントが増えることで、スクエアインパクト効果が高まり、捕まりが良好となった。
表2では、ヘッド重量Whが変更され、それに伴いクラブ振動数も変化した。表2の結果が示すように、ヘッド重量Whが大きくなってクラブ重量Wcが増えても、オンプレーン効果、スイングMI低減効果及びクラブ振動数が小さい効果により、飛距離の低下はみられなかった。また、スクエアインパクト効果により、ヘッド重量Whが増加しても、捕まりは良好であった。
表3では、クラブ重量Wcを変えずに、W1/W3、Wg/W2、W1/Ws、重心率T2、重心率T3等が変更された。表3の結果が示すように、抗オフプレーンモーメントが増加することで、オンプレーン効果及びスクエアインパクト効果が向上した。
表4では、グリップ・ウェイト部の重量W2を変えずに、錘部材の重量及びグリップ重量Wgが変更された。表4の結果が示すように、抗オフプレーンモーメントが増加することで、オンプレーン効果及びスクエアインパクト効果が向上した。
表5では、シャフトの調子率fpが変更された。スクエアインパクト効果により、調子率fpが小さくても捕まりは良好であった。また、調子率fpが小さくされることで、打球の方向安定性が向上した。なお参照用として、表5にはサンプル1も付記した。
表6では、シャフトトルクが変更された。スクエアインパクト効果により、シャフトトルクが小さくても捕まりは良好であった。また、シャフトトルクが小さくされることで、打球の方向安定性が向上した。なお参照用として、表6にはサンプル1も付記した。
これらの評価結果が示すように、本開示の優位性は明らかである。
上述した実施形態に関して、以下の付記を開示する。
[付記1]
ヘッドと、
チップ端及びバット端を有するシャフトと、
グリップと、
前記グリップの後端からの距離が100mm以内の領域であるバットエンド領域に配置された錘部材とを備えており、
前記グリップと前記錘部材とで、グリップ・ウェイト部が構成されており、
前記シャフトと前記グリップと前記錘部材とで、シャフト・グリップ・ウェイト部が構成されており、
前記シャフトの重量が、40g以下であり、
前記シャフトの調子率が、50%以下であり、
前記グリップ・ウェイト部の重量が、40g以上であり、
前記バットエンド領域の重量がW1(g)とされ、前記シャフト・グリップ・ウェイト部の重量がW3(g)とされるとき、W1/W3が0.40以上であるゴルフクラブ。
ただし、前記シャフトの順式フレックスがf1とされ、前記シャフトの逆式フレックスがf2とされるとき、前記調子率fp(%)は次の式(1)によって算出される。
fp=[f2/(f1+f2)]×100 (1)
[付記2]
クラブ振動数が215cpm以下である付記1に記載のゴルフクラブ。
[付記3]
前記ゴルフクラブの重量が275g以上300g以下である付記1又は2に記載のゴルフクラブ。
[付記4]
前記ヘッドの重量が195g以上である付記1から3のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
[付記5]
前記シャフトのシャフトトルクが、7.0°以下である付記1から4のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
2・・・ゴルフクラブ
4・・・ヘッド
6・・・シャフト
6c・・・バット端面
8・・・グリップ
8e・・・グリップの後端
10・・・錘部材
20・・・錘本体
30・・・カバー部材
46・・・グリップ・ウェイト部
48・・・シャフト・グリップ・ウェイト部
50・・・ゴルファー
50・・・ゴルファーの手
R1・・・バットエンド領域
SP・・・スイングプレーン
G2・・・グリップ・ウェイト部の重心
G3・・・シャフト・グリップ・ウェイト部の重心
Z1・・・シャフトの中心線
Tp・・・シャフトのチップ端
Bt・・・シャフトのバット端

Claims (8)

  1. ヘッドと、
    チップ端及びバット端を有するシャフトと、
    グリップと、
    前記グリップの後端からの距離が100mm以内の領域であるバットエンド領域に配置された錘部材とを備えており、
    前記グリップと前記錘部材とで、グリップ・ウェイト部が構成されており、
    前記シャフトと前記グリップと前記錘部材とで、シャフト・グリップ・ウェイト部が構成されており、
    前記シャフトの重量が、25g以上40g以下であり、
    前記シャフトの調子率が、38%以上50%以下であり、
    前記グリップ・ウェイト部の重量が、40g以上75g以下であり、
    60度測定法によるクラブ長さが45.0インチ以上46インチ以下であり、
    前記錘部材の軸方向長さが5mm以上50mm以下であり、
    前記錘部材の前記チップ端側の端から前記グリップの後端までの長さが15mm以上70mm以下であり、
    前記グリップの重量が20g以上33g以下であり、
    前記グリップが、筒形状のグリップ本体部と、前記グリップ本体部の一端側の開口を塞ぎ前記グリップの後端面を構成しているエンドキャップ部とを有しており、前記グリップ本体部の一部が発泡ゴムであり、
    前記バットエンド領域の重量がW1(g)とされ、前記シャフト・グリップ・ウェイト部の重量がW3(g)とされるとき、W1/W3が0.40以上0.60以下であるゴルフクラブ。
    ただし、前記シャフトの順式フレックスがf1とされ、前記シャフトの逆式フレックスがf2とされるとき、前記調子率fp(%)は次の式(1)によって算出される。
    fp=[f2/(f1+f2)]×100 (1)
  2. クラブ振動数が195cpm以上215cpm以下である請求項1に記載のゴルフクラブ。
  3. 前記ゴルフクラブの重量が275g以上300g以下である請求項1又は2に記載のゴルフクラブ。
  4. 前記ヘッドの重量が195g以上210g以下である請求項1から3のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
  5. 前記シャフトのシャフトトルクが、4.0°以上7.0°以下である請求項1から4のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
  6. 前記グリップの重量が31g以下である請求項1から5のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
  7. 記エンドキャップ部が無発泡ゴムのみにより形成されており、前記グリップ本体部が発泡ゴムからなる発泡ゴム部を含む請求項1からのいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
  8. 記エンドキャップ部の比重が、前記グリップ本体部の平均比重よりも大きい請求項1からのいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
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