JP6648644B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車両の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6648644B2
JP6648644B2 JP2016126151A JP2016126151A JP6648644B2 JP 6648644 B2 JP6648644 B2 JP 6648644B2 JP 2016126151 A JP2016126151 A JP 2016126151A JP 2016126151 A JP2016126151 A JP 2016126151A JP 6648644 B2 JP6648644 B2 JP 6648644B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
remaining capacity
control
downhill
vehicle
charge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016126151A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018001768A (ja
Inventor
友希 小川
友希 小川
啓介 森崎
啓介 森崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2016126151A priority Critical patent/JP6648644B2/ja
Publication of JP2018001768A publication Critical patent/JP2018001768A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6648644B2 publication Critical patent/JP6648644B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/7072Electromobility specific charging systems or methods for batteries, ultracapacitors, supercapacitors or double-layer capacitors
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

本発明は、ハイブリッド車両がこれから走行する下り坂区間に進入する前に、当該車両に搭載された蓄電池の残容量を予め低下させるハイブリッド車両の制御装置に関する。
ハイブリッド車両(以下、単に「車両」とも称呼される。)の蓄電池の残容量(以下、単に「SOC(State Of Charge)」 とも称呼する。)が極めて大きい状態又は極めて小さい状態において変化を繰り返すと、蓄電池の性能劣化が早まることが知られている。そこで、従来から蓄電池の劣化防止を目的としてSOCが管理されている。具体的には、SOCの上限及び下限が規定され、制御装置は、SOCが上限と下限との範囲(以下、「管理幅」と称呼される。)を超えないように管理する。
即ち、制御装置は、SOCがその上限よりも大きくなると蓄電池への充電を禁止するとともに内燃機関の運転を停止して蓄電池に蓄えられた電力を用いて電動走行を行うことにより蓄電池を放電する制御を実行する。以下、この制御を「強制放電」とも称呼する。このとき、制御装置は回生制動により生じる電気エネルギーを回収することができない。これに対し、SOCがその下限よりも小さくなると、制御装置は内燃機関を強制的に運転させ、その出力を用いて蓄電池を充電する制御を実行する。以下、この制御を「強制充電」とも称呼する。この結果、燃料が車両走行以外の理由で多く消費されてしまう。従って、車両の走行中、SOCが管理幅内となるようにすることが、車両の燃費性能向上に効果的である。
例えば、内燃機関及び発電電動機のトルク(駆動力)を用いることなく車両が加速するような下り坂を車両が走行する場合、運転者がアクセルペダルから足を離すこと、及び、場合によっては更に、ブレーキペダルを踏むことによって車両制動力が要求される。このとき、発電電動機の回生制動力によって車速の上昇が抑えられるとともに回生制動により発生した電力が蓄電池に供給される。その結果、蓄電池のSOCは増加する。そのため、車両が長い下り坂(即ち、距離が比較的長く且つ標高差が比較的大きい区間)を走行すると、その下り坂の途中でSOCがその上限を上回る場合がある。この場合、制御装置はSOCを低下させるために「強制放電」を実行する。
そこで、従来のハイブリッド車両の制御装置の一つ(以下、「従来装置」と称呼する。)は、走行する経路の状態や走行状態に基づいて、走行経路の先に標高差の大きな下り区間があるか否かを予測する。従来装置は、標高差の大きな下り区間があることを予測したとき、更に、下り区間走行前にSOC管理幅を拡大し、拡大した管理幅の下限値付近までSOCを低下させることにより、下り坂区間における回生(充電)可能なエネルギー量を増加させる(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2005−160269号公報
ところで、前述したように、SOCがSOC管理幅の下限より小さくなると強制充電が開始され、その結果、燃費の悪化を招いてしまう。そこで、SOCが低下してSOC管理幅の下限に達する前に早期に蓄電池への充電を行う制御(以下、「早期回復充電制御」とも称呼される。)を行うことにより強制充電が開始される機会を減少させる制御が行われ得る。
より具体的に述べると、「早期回復充電制御」は、SOCがSOC管理幅の下限よりも大きく且つ通常走行時の目標SOCよりも小さい所定のSOC(以下、「充電開始SOC」と称呼される。)以下となり、且つ運転者によりアクセル踏込み操作があった(機関要求出力が所定の閾値より大きくなった)ときに、通常走行時の充電要求出力よりも大きい充電要求出力に基づいて開始される。更に「早期回復充電制御」は、SOCが充電開始SOCよりも大きく且つ通常走行時の目標SOCよりも小さい所定のSOC(以下、「充電終了SOC」と称呼される。)に達したとき又はアクセル開度が小さくなり機関要求出力が所定の閾値以下となったときに終了される。
ところが、従来装置において「下り坂の手前にて予め蓄電池のSOCを低下させる制御(以下、「下り坂制御」とも称呼される。)」が行われているとき、SOCが充電開始SOCに達すると、上記「早期回復充電制御」が実行され、SOCを低下させる制御と早期回復充電制御とが干渉してしまう虞がある。即ち、下り坂制御における目標SOCが充電開始SOCよりも小さい場合、SOCはその目標SOCに到達する前に早期回復充電制御により増やされてしまう。その結果、下り坂に進入する前にSOCを十分に(計画通りに)低下させておくことができず、下り坂において回生(充電)することができる電力量が減ってしまう虞がある。
本発明は上記問題に対処するために為されたものである。即ち、本発明の目的の一つは、下り坂制御と早期回復充電制御とが実行される制御装置において、両者を干渉させることなく、もって燃費の悪化を防止することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することにある。
そこで、本発明のハイブリッド車両の制御装置(以下、「本発明装置」とも称呼する。)は、車両(10)の駆動源としての内燃機関(20)及び同駆動源としての発電電動機(MG1、MG2)、並びに、前記発電電動機に電力を供給する蓄電池(64)を搭載し、前記発電電動機を用いて回生制動を行うとともに同回生制動により発生した電力を前記蓄電池に充電可能であり且つ前記内燃機関の出力により前記発電電動機を用いて発電した電力を前記蓄電池に充電可能に構成されたハイブリッド車両(10)に適用される。
更に、本発明装置は、前記車両に要求される要求駆動力(要求トルク)を満たすように且つ前記蓄電池の残容量(SOC)が目標残容量(SOCcntr)に近付くように前記内燃機関及び前記発電電動機を制御する制御部(70〜74)を備える(図7のフローチャートを参照。)。
前記制御部は、
(1)前記車両の位置を示す位置情報、経路情報及び道路情報を取得し、
(2)前記位置情報、前記経路情報及び前記道路情報に基づいて前記車両の走行予定経路を取得し、
(3)前記道路情報であって前記走行予定経路を構成する道路区間に関する道路情報に基づいて同走行予定経路内の、第1所定条件を満たす対象下り坂区間を抽出し、
(4)前記対象下り坂区間が前記走行予定経路に含まれている場合には、同対象下り坂区間の開始地点(Dk)よりも所定距離だけ手前にある下り坂制御開始地点(Ds)から同対象下り坂区間の終了地点(De)までの区間である制御対象区間を決定し、
更に、前記制御部は、
(5)前記残容量が、前記目標残容量として設定された標準残容量(SOCcntr-n)と、前記標準残容量よりも小さい第1残容量(SOCers) と、の間にある場合、前記残容量と前記標準残容量との差(SOC−SOCcntr-n)に応じて定まる第1充電電力(Pbn*) にて前記蓄電池を充電するように前記内燃機関及び前記発電電動機を制御する「通常充電制御」を実行し、
(6)前記残容量が、前記第1残容量以下となる条件を含む開始条件が成立した場合、前記残容量と前記標準残容量との差が所定値であるとき、前記「通常充電制御」において定まる前記第1充電電力よりも大きい所定の第2充電電力(Pber*)にて前記蓄電池を充電するように前記内燃機関及び前記発電電動機を制御する「早期回復充電制御」を実行し(ステップ870での「Yes」,ステップ860)、
(7)前記制御対象区間を前記車両が走行するとき、同車両が前記下り坂制御開始地点から少なくとも前記対象下り坂区間の開始地点に到達するまでの間、前記「通常充電制御」及び前記「早期回復充電制御」の両方を禁止するとともに、前記目標残容量を前記第1残容量よりも小さい第2残容量(SOCcntr-d)に変更し、前記残容量が前記第2残容量に近付くように前記内燃機関及び前記発電電動機を制御する(ステップ830での「Yes」,ステップ840)ように構成される。
このように、本発明装置は残容量が第2残容量に近付くように内燃機関及び発電電動機を制御する制御(下り坂制御)の対象区間を車両が走行しているときは、早期回復充電制御のための条件が成立したときであっても早期回復充電制御を実行しない。或いは、本発明装置は早期回復充電制御中に車両が下り坂制御を実行する制御対象区間に進入したときは、早期回復充電制御を中止して下り坂制御を実行する。従って、本発明装置によれば、下り坂制御によって蓄電池のSOCを低下させているにもかかわらず早期回復充電制御によって蓄電池が充電されてしまうという問題を解消することができる。これにより、下り坂制御の当初の計画通りに回生エネルギーを回収することができる。
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置が適用されるハイブリッド車両及び同制御装置の概略図である。 図2は、図1に示したハイブリッド車両の制御装置が実行する通常制御及び下り坂制御における蓄電池の残容量の推移を模式的に示した図である。 図3は、図1に示したハイブリッド車両の制御装置が実行する下り坂制御における蓄電池の残容量の推移をより詳細に示した図である。 図4は、図1に示したハイブリッド車両のパワーマネジメントECU(PMECU)のCPUが参照するルックアップテーブルであり、図4(A)は目標残容量が標準残容量のときのテーブル、図4(B)は目標残容量が低残容量のときのテーブルである。 図5は、図1に示したハイブリッド車両の制御装置が実行する下り坂制御における蓄電池の残容量と充電要求出力との関係を示した図である。 図6は、図1に示したハイブリッド車両のPMECUのCPUが早期回復充電制御時に参照するルックアップテーブルである。 図7は、図1に示したハイブリッド車両のPMECUのCPUが実行する「車両走行制御ルーチン」を示したフローチャートである。 図8は、図1に示したハイブリッド車両のPMECUのCPUが実行する「充放電要求出力決定ルーチン」を示したフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る「ハイブリッド車両の制御装置」(以下、「本制御装置」と称呼する。)について説明する。
(構成)
本制御装置は、図1に示したハイブリッド車両10(以下、単に「車両」とも称呼する。)に適用される。
車両10は、第1発電電動機MG1、第2発電電動機MG2、内燃機関20、動力分配機構30、駆動力伝達機構50、第1インバータ61、第2インバータ62、昇降圧コンバータ63、蓄電池64、パワーマネジメントECU70、バッテリECU71、モータECU72、エンジンECU73及びナビゲーションECU74等を備えている。これらのECUは本発明の制御部に対応している。なお、これらのECUは一つのECUに統合されてもよい。
ECUは、エレクトリックコントロールユニットの略称であり、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM(又は不揮発性メモリ)及びインタフェース等を含むマイクロコンピュータを主要構成部品として有する電子制御回路である。CPUは、メモリ(ROM)に格納されたインストラクション(ルーチン)を実行することにより後述する各種機能を実現する。
第1発電電動機MG1は、発電機及び電動機の何れとしても機能することができる同期発電電動機である。第1発電電動機MG1は本例において主として発電機としての機能を発揮する。第1発電電動機MG1は、出力軸である第1シャフト41を備えている。
第2発電電動機MG2は、第1発電電動機MG1と同様、発電機及び電動機の何れとしても機能することができる同期発電電動機である。第2発電電動機MG2は本例において主として電動機としての機能を発揮する。第2発電電動機MG2は、出力軸である第2シャフト42を備えている。
内燃機関(以下、単に「機関」とも称呼する。)20は、4サイクル・火花点火式・多気筒内燃機関である。機関20は、周知のエンジンアクチュエータ21を備えている。例えば、エンジンアクチュエータ21には、燃料噴射弁を含む燃料供給装置、点火プラグを含む点火装置、スロットル弁開度変更用アクチュエータ及び可変吸気弁制御装置(VVT)等が含まれる。
機関20は、スロットル弁アクチュエータにより図示しない吸気通路に配設されたスロットル弁の開度を変更することによって吸入空気量を変更すること、及び、その吸入空気量に応じて燃料噴射量を変更すること等により、機関20の発生するトルク及び機関回転速度(即ち、機関出力)を変更することができるように構成されている。機関20は、機関20の出力軸であるクランクシャフト22にトルクを発生する。
動力分配機構30は周知の遊星歯車装置31を備えている。遊星歯車装置31はサンギア32と、複数のプラネタリギア33と、リングギア34と、を含んでいる。
サンギア32は第1発電電動機MG1の第1シャフト41に接続されている。従って、第1発電電動機MG1はサンギア32にトルクを出力することができる。第1発電電動機MG1は、サンギア32から第1発電電動機MG1に入力されるトルクによって回転駆動されることにより発電することができる。
複数のプラネタリギア33のそれぞれは、サンギア32と噛合するとともにリングギア34と噛合している。プラネタリギア33の回転軸(自転軸)はプラネタリキャリア35に設けられている。プラネタリキャリア35はサンギア32と同軸に回転可能となるように保持されている。プラネタリキャリア35は機関20のクランクシャフト22に接続されている。
リングギア34は、サンギア32と同軸に回転可能となるように保持されている。
プラネタリギア33からサンギア32にトルクが入力されたときには、そのトルクによってサンギア32が回転駆動される。プラネタリギア33からリングギア34にトルクが入力されたときには、そのトルクによってリングギア34が回転駆動される。逆に、サンギア32からプラネタリギア33にトルクが入力されたときには、そのトルクによってプラネタリギア33が回転駆動される。リングギア34からプラネタリギア33にトルクが入力されたときには、そのトルクによってプラネタリギア33が回転駆動される。
リングギア34はリングギアキャリア36を介して第2発電電動機MG2の第2シャフト42に接続されている。従って、第2発電電動機MG2はリングギア34にトルクを出力することができる。第2発電電動機MG2は、リングギア34から第2発電電動機MG2に入力されるトルクによって回転駆動されることにより、発電することができる。
更に、リングギア34はリングギアキャリア36を介して出力ギア37に接続されている。従って、出力ギア37は、リングギア34から出力ギア37に入力されるトルクによって回転駆動され得る。リングギア34は、出力ギア37からリングギア34に入力されるトルクによって回転駆動され得る。
駆動力伝達機構50は、ギア列51、ディファレンシャルギア52及び駆動軸(ドライブシャフト)53を含んでいる。
ギア列51は、出力ギア37とディファレンシャルギア52とを動力伝達可能に歯車機構により接続している。ディファレンシャルギア52は駆動軸53に取り付けられている。駆動軸53の両端には駆動輪54が取り付けられている。従って、出力ギア37からのトルクはギア列51、ディファレンシャルギア52、及び、駆動軸53を介して駆動輪54に伝達される。この駆動輪54に伝達されたトルクによりハイブリッド車両10は走行することができる。
第1インバータ61は、第1発電電動機MG1及び昇降圧コンバータ63に電気的に接続されている。昇降圧コンバータ63は更に、蓄電池64に電気的に接続されている。従って、第1発電電動機MG1が発電しているとき、第1発電電動機MG1が発生した電力は第1インバータ61及び昇降圧コンバータ63を介して蓄電池64に供給される。反対に、第1発電電動機MG1は昇降圧コンバータ63及び第1インバータ61を介して蓄電池64から供給される電力によって回転駆動させられる。
第2インバータ62は、第2発電電動機MG2及び昇降圧コンバータ63に電気的に接続されている。従って、第2発電電動機MG2は昇降圧コンバータ63及び第2インバータ62を介して蓄電池64から供給される電力によって回転駆動させられる。反対に、第2発電電動機MG2が発電しているとき、第2発電電動機MG2が発生した電力は第2インバータ62及び昇降圧コンバータ63を介して蓄電池64に供給される。
なお、第1発電電動機MG1の発生する電力は第2発電電動機MG2に直接供給可能であり、且つ、第2発電電動機MG2の発生する電力は第1発電電動機MG1に直接供給可能である。
蓄電池64は、第1発電電動機MG1又は第2発電電動機MG2を駆動するための電気エネルギーを蓄える蓄電手段であり、充電と放電とを繰り返すことができるリチウムイオン電池等の二次電池により構成されている。蓄電池64には、SOCの検出に用いられる図示しないSOCセンサが取り付けられており、バッテリECU71が蓄電池64のSOCを監視することができるようになっている。
なお、蓄電池64は、放電及び充電が可能な蓄電装置であればよく、リチウムイオン電池だけでなく、ニッケル水素電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池及び他の二次電池であってもよい。
パワーマネジメントECU70(以下、「PMECU70」とも表記する。)は、後述するバッテリECU71、モータECU72、エンジンECU73及びナビゲーションECU74とCAN(Controller Area Network) 通信により情報交換可能に接続されている。
PMECU70は、ハイブリッド車両10のシステム起動用スイッチであるパワースイッチ81、アクセル操作量センサ82、ブレーキ操作量センサ83及び車速センサ84等からの出力信号を受信するようになっている。
アクセル操作量センサ82は、運転者により操作可能に設けられた図示しないアクセルペダルの操作量(以下、「アクセル操作量AP」と称呼する。)を表す出力信号を発生するようになっている。アクセル操作量APは加速操作量と表現することもできる。
ブレーキ操作量センサ83は、運転者により操作される図示しないブレーキペダルの操作量(以下、「ブレーキペダル操作量BP」と称呼する。)を表す出力信号を発生するようになっている。
車速センサ84は、ハイブリッド車両10の車速SPDを表す出力信号を発生するようになっている。
PMECU70は、バッテリECU71により取得される蓄電池64の残容量SOCを入力するようになっている。残容量SOCは、蓄電池64に流出入する電流の積算値等に基づいて周知の手法により算出される。
PMECU70は、モータECU72を介して、第1発電電動機MG1の回転速度を表す信号及び第2発電電動機MG2の回転速度を表す信号を入力するようになっている。第1発電電動機MG1の回転速度を表す信号は「MG1回転速度Nm1」と称呼される。第2発電電動機MG2の回転速度を表す信号は「MG2回転速度Nm2」と称呼される。
MG1回転速度Nm1は、モータECU72によって「第1発電電動機MG1に設けられ且つ第1発電電動機MG1のロータの回転角度に対応する出力値を出力するレゾルバ97の出力値」に基づいて算出される。同様に、MG2回転速度Nm2は、モータECU72によって「第2発電電動機MG2に設けられ且つ第2発電電動機MG2のロータの回転角度に対応する出力値を出力するレゾルバ98の出力値」に基づいて算出される。
PMECU70は、エンジンECU73を介して、エンジン状態量センサ99により検出されるエンジン状態を表す出力信号を入力するようになっている。このエンジン状態を表す出力信号には、機関回転速度NE、スロットル弁開度TA及び機関の冷却水温THW等が含まれている。
モータECU72は、第1インバータ61、第2インバータ62及び昇降圧コンバータ63に接続されている。モータECU72は、PMECU70からの指令(例えば、「MG1指令トルクTm1*及びMG2指令トルクTm2*」)に基づいて、第1インバータ61、第2インバータ62及び昇降圧コンバータ63に指示信号を送出するようになっている。これにより、モータECU72は、第1インバータ61及び昇降圧コンバータ63を用いて第1発電電動機MG1を制御し、且つ、第2インバータ62及び昇降圧コンバータ63を用いて第2発電電動機MG2を制御するようになっている。
エンジンECU73は、PMECU70からの指令及びエンジン状態量センサ99からの信号に基づいてエンジンアクチュエータ21に指示信号を送出することにより、機関20を制御するようになっている。
ナビゲーションECU(以下、「NVECU」とも表記する。)74は、ナビゲーションデータベース86、走行データ取得部87、走行環境データ取得部88及び走行データ記憶部89等と電気的に接続されている。
ナビゲーションデータベース(以下、「NVDB」とも表記する。)86は、地図データ、経路計算データ、画像データ及び音声データ等の各種データを格納している。これらのデータは、運転者(又は搭乗者)へのナビゲーションサービスの提供、機関20及び/又は第2発電電動機MG2の運転スケジュールの決定(以下、「計画」とも称呼する。)、及び、蓄電池64の「目標残容量」の決定等に用いられる。
NVDB86の有する各種データは、磁気ディスク(HDD)及び半導体メモリ等の記憶装置に格納されている。
地図データは、地図データ上の各道路を識別するための道路識別情報を含む道路データ、及びルート案内に用いられる交差点名称等を含む誘導データ等を含んでいる。
経路計算データは、道路ネットワークの道路部分に関する情報である「リンク情報」、道路ネットワークの交差点に関する情報である「ノード情報」、及び、道路規制に関する情報である「規制情報」等を含んでいる。ノード情報及びリンク情報は、後述する「下り坂探索(対象下り坂区間の探索)」、「下り坂制御」及び「渋滞制御」等において利用される。なお、各リンクにはそのリンクに対応した道路区間の勾配データ及び/又はそのリンクに対応した道路区間の両端の地点の標高データが付随している。
走行データ取得部87は、車両のパワースイッチ81がオンしてからオフするまでの間、所定間隔毎に車両10の現在位置及び走行速度等の走行データを取得する。所定間隔とは、所定時間間隔(例えば、100msec)及び所定距離間隔(例えば、100m)等をいう。
走行データ取得部87は、GPS(Global Positioning System )受信装置を備えている。走行データ取得部87は、このGPS受信装置を用いてGPS衛星が送信するGPS情報を受信する。走行データ取得部87は、受信したGPS情報を解析して車両の位置情報(緯度及び経度)を取得する。
走行環境データ取得部88は、VICS(登録商標)の情報を取得する装置を備えている。走行環境データ取得部88は、渋滞情報、交通規制情報及び気象情報等の車両走行時における車両周辺の走行環境に関する情報、即ち、経路情報を取得して走行環境データとしてNVECU74に提供する。
走行データ記憶部89は、走行データ取得部87が取得した走行データと、走行環境データ取得部88が取得した走行環境データとを記憶する。この場合、車両の1回の走行における走行データと走行環境データとは、相互に対応付けられて記憶される。これにより、車両10が実際に走行した道路に対応したリンクの両端地点の標高が学習され得る。このような道路に関する情報は道路情報と称呼される。なお、標高はエンジン状態量センサ99が有する大気圧センサからの信号により算出される。
(作動の概要)
次に、本制御装置の作動の概要について説明する。
車両10が下り坂を走行しているときには、アクセル操作量APは頻繁に「0」になり、ブレーキ操作量BPは頻繁に大きい値になる。よって、車両10が下り坂を走行している場合、第1発電電動機MG1を用いた回生制動により発生した電力が蓄電池64に供給される。更に、車両10が下り坂を走行している場合、車両10を加速する要求は発生し難いので電力の消費は少ない。従って、車両10の下り坂走行中は蓄電池64の残容量SOCは大きく増加してしまう。
一方、蓄電池64はその残容量SOCが極めて大きい状態又は極めて小さい状態において変化を繰り返すと、容量低下等の性能劣化が進んでしまう。そこで、本制御装置は蓄電池64の性能劣化防止を目的として残容量SOCの上限及び下限を設定し、残容量SOCがこれら上限と下限との間の範囲を逸脱しない(超えない)ように管理している。以下、この範囲は「許容範囲」又は「管理幅MGR」とも称呼される。
より具体的に述べると、本制御装置は、残容量SOCが管理幅MGRの上限値(以下、「上限残容量SOCuplmt 」とも称呼する。)よりも大きくなると蓄電池64に対し強制放電を実行する。強制放電は蓄電池64への充電を禁止するとともに機関20の運転を停止して蓄電池64に蓄えられた電力により第2発電電動機MG2を用いて車両10を電動走行させる(残容量SOCを強制的に上限残容量SOCuplmt よりも小さくする)制御である。この場合、車両10の運転者がアクセルペダルから足を離すこと、及びブレーキペダルを踏むことにより生じる制動力は、電気エネルギーとして蓄電池64に回収されない。強制放電は例えば、図2に破線にて示したように車両10が下り坂を走行しているときに発生する。
更に、本制御装置は、残容量SOCが管理幅MGRの下限値(以下、「下限残容量SOClolmt 」とも称呼する。)よりも小さくなると蓄電池64に対し強制充電を実行する。強制充電は機関20を強制的に運転させてその出力を用いて蓄電池64を充電する(残容量SOCを強制的に下限残容量SOClolmt よりも大きくする)制御である。その結果、燃料は車両走行以外の理由により多く消費されてしまう。このように、強制放電及び強制充電の実行は燃費の悪化に繋がってしまう。
そこで、本制御装置(本例において、NVECU74)は、車両10の走行予定経路中に下り坂区間(以下、「対象下り坂区間」とも称呼される。)があるか否かをNVDB86に格納されたデータ及び走行データ取得部87により取得されたデータ(車両10の位置情報、経路情報及び道路情報)等に基づいて予測する。そして、本制御装置(本例において、PMECU70)は、走行予定経路中に対象下り坂区間を抽出したとき、車両10が対象下り坂区間を通過し終えるまでに蓄電池64の残容量SOCが上限残容量SOCuplmt に達しないように、予め残容量SOCを小さくしておく。
ところで、車両10の通常走行時において、本制御装置は、蓄電池64の残容量SOCが通常の目標残容量SOCcntrとなるように機関20、第1発電電動機MG1及び第2発電電動機MG2を制御する。このとき、実残容量SOCと目標残容量SOCcntrとの差に応じた充放電要求出力によって蓄電池64が充電され又は放電する。
図2に実線にて示したように、本制御装置は車両10が「抽出された対象下り坂区間」の開始地点Dkより所定距離だけ前の地点Dsから蓄電池64の残容量SOCを通常の目標残容量SOCcntrから低下させ、対象下り坂区間の開始地点Dkにおいて通常の目標残容量SOCcntrよりも小さく下限残容量SOClolmt よりも大きい残容量SOC1となるように機関20、第1発電電動機MG1及び第2発電電動機MG2を制御する。
以下、この制御を「下り坂制御」と称呼する。その後、車両10が対象下り坂区間を走行すると、回生制動により残容量SOCが増加するが、車両10が対象下り坂区間の終了地点Deに到達しても残容量SOCは上限残容量SOCuplmt に達しない。これにより、本制御装置は強制放電の実行を回避でき、回生制動により生じる電気エネルギーを最大限回収することができる。対象下り坂区間の開始地点Dkより所定距離だけ前の地点Dsから対象下り坂区間の終了地点Deまでの区間は下り坂制御区間とも称呼され、地点Dsは下り坂制御開始地点とも称呼される。下り坂制御開始地点Dsから対象下り坂区間の開始地点Dkまでの区間はプレユース区間とも称呼される。所定距離は、蓄電池64の残容量SOCを通常の目標残容量SOCcntrから残容量SOC1まで低下させるのに十分な距離として設定される。
ところで、前述したように、実残容量SOCが下限残容量SOClolmt に達すると、「強制充電」が実行され、その結果燃費が悪化する。そこで、強制充電の発生を回避するため、PMECU70は、以下に示す所定の開始条件が成立したとき、通常走行時における充電要求出力よりも大きい充電要求出力によって蓄電池64を充電する充電制御を実行する。つまり、この充電制御は残容量SOCを通常走行時における通常の制御よりも早期に回復(増加)させる。従って、この充電制御は以下、「早期回復充電制御」とも称呼される。
(早期回復充電制御開始条件)
早期回復充電制御の開始条件は以下に述べる条件1−1及び条件1−2が同時に成立したとき成立する。
(条件1−1)実残容量SOCが標準残容量SOCcntr-nよりも小さい制御開始残容量(第1残容量)SOCers 以下である。
(条件1−2)アクセル操作量APが増加し、その結果、機関要求出力Pe*が機関始動閾値Pethを超えている。
(早期回復充電制御終了条件)
一方、早期回復充電制御の終了条件は以下に述べる条件2−1及び条件2−2の何れか一方が成立したとき成立し、条件2−1及び条件2−2の双方が不成立のとき不成立となる。(条件2−1)実残容量SOCが制御開始残容量(第1残容量)SOCers よりも大きい制御終了残容量SOCere 以上である。
(条件2−2)アクセル操作量APが減少し、その結果、機関要求出力Pe*が機関始動閾値Peth以下となっている。
更に、早期回復充電制御開始条件が成立してから早期回復充電制御終了条件が成立するまでの期間は早期回復充電制御実行条件が成立している期間と言うこともできる。
ところが、条件1−1の制御開始残容量SOCers が残容量SOC1よりも大きい値に設定されている場合に、「下り坂制御」と同時に「早期回復充電制御」が実行されると、下り坂制御が蓄電池64の残容量SOCを残容量SOC1まで低下させようとする一方で、早期回復充電制御が蓄電池64の残容量SOCを増加させることとなる。即ち、両者の制御が干渉してしまう。そこで、本制御装置(本例において、PMECU70)は、下り坂制御を実行している間は、早期回復充電制御を禁止する。以下、本制御装置の作動について図3乃至図6を参照しながらより詳細に説明する。
(作動)
<下り坂制御の作動>
図3は、走行予定経路の距離に対する道路の標高、蓄電池64の残容量SOC及び早期回復充電制御フラグXERCを示している。早期回復充電制御フラグXERCは、その値が「1」であるとき早期回復充電制御が実行されていることを示し、その値が「0」であるとき早期回復充電制御が実行されていないことを示す。換言すると、早期回復充電制御フラグXERCの値は、前述した早期回復充電制御開始条件が成立すると「0」から「1」に変更され、その後、早期回復充電制御終了条件が成立すると「1」から「0」に変更される。
図3に示した走行予定経路は、リンク#0からリンク#4に対応する5つの道路区間によって構成されている。隣接するリンク同士の接続点はノードと称呼される。走行予定経路は、標高Hsの平坦な道路から、標高He(標高Hs>標高He)の平坦な道路へと続く下り坂を含んでいる。下り坂の前の平坦な道路は、リンク#0〜リンク#1に対応する2つの区間により構成されている。下り坂は、リンク#2〜リンク#3に対応する2つの区間により構成されている。下り坂の後の平坦な道路は、リンク#4に対応する1つの区間により構成されている。
本制御装置は、「下り坂制御区間」を除く通常走行区間においては、目標残容量SOCcntrを、上限残容量SOCuplmt よりも小さく下限残容量SOClolmt よりも大きい値である標準残容量SOCcntr-nに設定する。例えば、上限残容量SOCuplmt は満充電の80%、下限残容量SOClolmt は満充電の40%、標準残容量SOCcntr-nは満充電の60%に相当する値にそれぞれ設定される。
通常走行時において、PMECU70は、車両10に要求される駆動力及び/又は制動力を満たすように、且つ、実際の残容量SOCが標準残容量SOCcntr-nに近付くように、機関20、第2発電電動機MG2及び第1発電電動機MG1を制御する。図3に示した例において、地点D0における蓄電池64のSOCは、標準残容量SOCcntr-n近傍の値に制御されている。
より具体的に説明すると、図4(A)に示したように、PMECU70は、ルックアップテーブルMap Pbn*(SOC−SOCcntr-n)に現時点の実残容量SOCを適用することにより、通常走行時の充放電要求出力Pbn* を決定する。通常走行時の充放電要求出力Pbn* は便宜上、「第1充電電力」とも称呼される。
このテーブルの横軸である(SOC−SOCcntr-n)は、現時点の実残容量SOCと標準残容量SOCcntr-nとの差分であり、以下、「ΔSOCn 」とも称呼される。この差分ΔSOCnが正の値であるとき(即ち、SOC>SOCcntr-nの場合)、充電要求出力Pbn*は負の値となり、差分ΔSOCの絶対値が大きいほど絶対値が大きくなるように決定される。一方、差分ΔSOCn が負の値であるとき(即ち、SOC<SOCcntr-n)、充電要求出力Pbn* は正の値となり、差分ΔSOCn の絶対値が大きいほど絶対値が大きくなるように決定される。
更に、PMECU70は、機関要求出力Pe*を車両要求出力Pv*、充電要求出力Pb*(=Pbn*) 及び損失(一定値)Plossの和として算出する(Pe*=Pv*+Pb*+Ploss)。このようにして決定された機関要求出力Pe*に従ってPMECU70及びエンジンECU73は機関20を制御する。
NVECU74は、所定時間(本例においては、VICS情報が更新される時間間隔である5分)が経過する毎に「下り坂探索」を行う。いま、下り坂探索を行うタイミングにおいて車両10が地点D1に到達していると仮定する。この時点においては、車両10は通常走行中であってNVECU74は下り坂制御を実行していない。以下、リンク#2〜リンク#3に対応する2つの区間が、下り坂制御が実行される対象下り坂区間に該当するとして説明を続ける。
NVECU74は、この「下り坂探索」において、走行経路中の「下り坂制御」の対象となる対象下り坂区間を抽出(特定)する。具体的には、NVECU74は、NVDB86の情報に基づいて、走行予定経路に対応するリンク群のうちの単数又は複数の連続したリンク(以下、「第1リンク群」と称呼する。)であり、以下のすべての条件を満たす第1リンク群に対応する区間を「対象下り坂区間」として特定する。これらの条件は「対象下り坂区間特定条件」又は「第1所定条件」とも称呼される。)但し、以下の条件は一例に過ぎず、これに限定されない。
(対象下り坂区間特定条件)
(1)第1リンク群の各リンクに対応する区間が車両10の現在位置から一定距離(例えば、半径10km)以内である。
(2)第1リンク群の各リンクに対応する区間が何れも所定閾値勾配未満の下り勾配を有する。なお、勾配は、急な登り坂であるほど大きい正の値であり、急な下り坂であるほど小さい(絶対値が大きい)負の値として定義される。
(3)第1リンク群の開始地点の標高Hsが第1リンク群の終了地点の標高Heよりも高く(Hs>He)、且つ、その差の絶対値(標高差ΔHa=|Hs−He|)が所定標高差(SOC_STL_H)以上である。
(4)第1リンク群に対応する区間の合計距離ΔDaが所定距離(SOC_STL_D)以上である。
図3に示した例においては、リンク#2及びリンク#3からなる第1リンク群が上記(1)乃至(4)の条件を満たすので、リンク#2及びリンク#3に対応する道路区間(即ち、地点D7から地点D9までの区間)が対象下り坂区間として抽出される。NVECU74は、抽出された対象下り坂区間の開始地点Dk(即ち、地点D7)の緯度・経度及び特定された対象下り坂区間の終了地点De(即ち、地点D9)の緯度・経度を記憶する。
更に、NVECU74は、対象下り坂区間の開始地点Dkから所定の第1距離(「残容量調整距離SOCC_DIST) だけ手前にある地点Dsを特定する。し、その地点の緯度・経度を「下り坂制御の開始地点Ds」の緯度・経度として、「対象下り坂区間の開始地点Dk」及び「対象下り坂区間の終了地点De」の緯度・経度とともにPMECU70に通知する。なお、NVECU74は、地点Dsに最も近く且つ地点Dsよりも車両10に近いノードの地点を地点Dsと特定し直してもよい。換言すると、第1距離はある程度の幅がある距離であってもよい。下り坂制御開始地点Ds(即ち、地点D2)から対象下り坂区間の開始地点Dk(地点D7)までの区間(即ち、リンク#1)は「プレユース区間」とも称呼される。「プレユース区間」における下り坂制御は特に「プレユース制御」とも称呼される。なお、図3に示した例においては、残容量調整距離SOCC_DIST とリンク#1に対応する区間の距離とが一致している。プレユース区間と対象下り坂区間とを合わせた区間は、下り坂制御を実行する区間であるので、「下り坂制御区間」と一致する。
更に、NVECU74は、下り坂制御開始地点Ds(即ち、地点D2)、対象下り坂区間の開始地点Dk(即ち、地点D7)、及び、下り坂制御終了地点De(対象下り坂区間の終了地点De、即ち、地点D9)が更新されたとき、これらの地点についてPMECU70に通知する。
PMECU70(及びバッテリECU71)は、車両10の現在地(現在位置)をNVECU74から随時取得している。下り坂制御区間が決定された場合において、車両10の現在地が下り坂制御開始地点Dsに一致すると(即ち、車両10が図3の地点D2に到達すると)、下り坂制御(プレユース制御)を実行する。より具体的に述べると、PMECU70(及びバッテリECU71)は、車両10の現在地が下り坂制御開始地点Dsに一致すると、目標残容量SOCcntrを標準残容量SOCcntr-nから下り坂制御時の目標残容量(便宜上、「低残容量」又は「第2残容量」とも称呼される。)SOCcntr-dに変更する。下り坂制御時の目標残容量SOCcntr-dは通常時の目標残容量SOCcntr-n(満充電時の60%)よりも小さく下限残容量SOClolmt (満充電時の40%)よりも大きい値であり、例えば、満充電時の50%に設定される。
より具体的に説明すると、図4(B)に示したように、PMECU70は、ルックアップテーブルMap Pbfes*(SOC−SOCcntr-d)に現時点の実残容量SOCを適用することにより、下り坂制御時の充放電要求出力Pbfes* を決定する。下り坂制御時の充放電要求出力Pbfes* は便宜上、「第3充電電力」とも称呼される。
このテーブルの横軸である(SOC−SOCcntr-d)は、現時点の実残容量SOCと低残容量SOCcntr-dとの差分であり、以下、「ΔSOCd」とも称呼される。このテーブルは、その横軸が図4(A)の横軸と異なっている点を除き同一である。
図5に上記2つのルックアップテーブルの関係を示す。図5の横軸は残容量SOCであり、縦軸は充電要求出力Pb*である。実線Nが通常走行時に参照するテーブル Map Pbn*(SOC−SOCcntr-n)に対応し、破線Dが下り坂制御中に参照するテーブルMap Pbfes*(SOC−SOCcntr-d)に対応している。横軸上の点S0及び点S1はそれぞれ標準残容量SOCcntr-n及び低残容量(第2残容量)SOCcntr-dを表している。
例えば、残容量SOCが点S0及び点S1よりも大きいSaであったとき、下り坂制御中の充電要求出力Pbfes* は通常走行時の充電要求出力Pbn* よりも小さい(負に大きい)。従って、機関要求出力Pe*は、通常走行時に比べ下り坂制御中に小さくなる。従って、下り坂制御中は通常走行時に比べ機関20が運転される機会が減少するので、発電電動機MG2による消費、即ち、放電量が多い。
ところで、ハイブリッド車両10は、ハイブリッド走行モード(HVモード)にて走行する。ハイブリッド走行モードは、例えば、特開2013−154718号公報及び特開2013−154715号公報等に記載された周知のモードである。
簡単に述べると、ハイブリッド走行モードは、車両10を走行させるにあたり、第2発電電動機MG2に加えて内燃機関20を用いることを許容する走行モードである。具体的には、ハイブリッド走行モードは、第2発電電動機MG2を駆動するとともに内燃機関20をその運転効率が最大となる動作点にて運転し、これら両方の出力により車両10に要求される要求トルク(要求駆動力、即ち、ユーザが要求するユーザ要求トルク)を満たしながら車両10を走行させるモードである。
この走行モードにおいては、内燃機関20に要求される出力が閾値未満であるとき(即ち、内燃機関20を最適動作点にて運転できない場合)、内燃機関20の運転は停止される。一方、内燃機関20に要求される出力が閾値以上であるとき内燃機関20がその要求出力を満足するように最適動作点にて運転され、その結果として要求トルクに対して不足するトルク(駆動力)が第2発電電動機MG2により補われ、同時に内燃機関20の出力によって蓄電池64が充電される。更に、残容量SOCが目標残容量SOCcntrに対して小さくなるほど、内燃機関20に対する「蓄電池64を充電するために要求される出力」は大きくなる。そのため、残容量SOCが小さくなると内燃機関20が運転され易くなる。
<早期回復充電制御の作動>
ところで、前述したように、制御開始残容量SOCers が低残容量SOCcntr-dよりも大きい値に設定されている場合、仮に下り坂制御中に早期回復充電制御が実行されると、下り坂制御と早期回復充電制御とが干渉して所望の回生エネルギーを回収することができない。この場合、実際の残容量SOCは図3において破線L2にて示されるように変化し、残容量SOCが下り坂の走行中に上限残容量SOCuplmt に達してしまう。
より具体的に説明すると、車両10が下り坂制御開始地点Ds(地点D2)を通過して下り坂制御が開始されると、地点D2にて目標残容量SOCが標準残容量SOCcntr-nから低残容量SOCcntr-dに変更される(図3の実線C1を参照。)。よって、実際の残容量SOCは車両10の走行とともに目標残容量である低残容量SOCcntr-dに向かって低下していく。地点D4において残容量SOCが制御開始残容量SOCers を下回ったとき、アクセル操作量APが所定閾値操作量APth以上であると、早期回復充電制御開始条件が成立するので、早期回復充電制御が開始される。制御開始残容量SOCers は標準残容量SOCcntr-n(60%)より小さく低残容量(第2残容量)SOCcntr-d(40%)よりも大きい値であり、例えば、満充電時の53%に設定される。
PMECU70は、予め定められた充放電要求出力Pber*に従って蓄電池64の充電を行う。より具体的に述べると、充放電要求出力Pber*は、図6に示したように、「実残容量SOC、車速SPD及び充放電要求出力Pber*」との関係を規定するルックアップテーブルMapPber*(SOC−SOCcntr-n,SPD)に、現時点の実残容量SOC及び取得した車速SPDを適用することにより取得される。このルックアップテーブルは予め実験により得られたデータに基づいて作成されROMに格納されている。このテーブルの横軸(SOC−SOCcntr-n)は図4(A)の横軸と同一である。このテーブルの傾きL4は、図4(A)の傾きL3よりも大きく、車速SPDが高いほど大きくなる。早期回復充電制御時の充放電要求出力Pber*は便宜上、「第2充電電力」とも称呼される。即ち、図6において残容量SOCと標準残容量SOCcntr-nとの差(SOC−SOCcntr-n)が所定値Sbであるとき、所定の第2充電電力Pber*1は、通常充電制御において定まる第1充電電力Pbn*1よりも大きい。
その後、運転者によるアクセル操作が継続して機関要求出力Pe*が機関始動閾値Pethを超えた状態を維持したまま、地点D5にて実残容量SOCが終了閾値SOCere を上回ると、早期回復充電制御終了条件が成立し、早期回復充電制御が終了される。制御終了残容量SOCere は制御開始残容量SOCers (53%)より大きく標準残容量SOCcntr-n近傍の値であり、例えば、標準残容量SOCcntr-nと等しい満充電時の60%に設定される。早期回復充電制御が終了した後も下り坂制御は継続している。従って、車両10が地点D5通過後、残容量SOCは低残容量SOCcntr-dに向かって再び低下を始める。
車両10は、残容量SOCが低残容量SOCcntr-dまで低下する前に対象下り坂区間の開始地点Dk(地点D6)に到達する。即ち、地点D6における残容量SOCは下り坂制御による当初の計画の値(SOCcntr-d)よりも大きい。車両10が地点D6を通過して、対象下り坂区間の走行を開始すると、第1発電電動機MG1及び第2発電電動機MG2を用いた回生制動が頻繁に行われるようになる。その結果、回生制動により発生した電力(回生エネルギー)が蓄電池64に供給されるので、残容量SOCは徐々に上昇していく。換言すると、NVECU74は、回生エネルギーが走行のために使用されるエネルギーを上回り、その結果、残容量SOCが上昇するような下り坂を対象下り坂区間として特定する。
更に、その後、地点D8にて、実残容量SOCは残容量上限値SOCuplmt (満充電の80%)に達する。実残容量SOCが残容量上限値SOCuplmt に達すると、PMECU70は「下り坂制御」を停止(中止)して「強制放電」を開始する。この場合、PMECU70は例えば実残容量SOCが満充電の75%となるまで「強制放電」を実行する。
PMECU70は「強制放電」を終了すると、「下り坂制御」を再開する。その後、車両10が地点D9(即ち、下り坂制御の終了地点De)に到達すると、PMECU70は目標SOCを低残容量SOCcntr-dから標準残容量SOCcntr-nに変更して(戻して)「下り坂制御」を終了する。
このように、仮にプレユース制御(下り坂制御)中に「早期回復充電制御」が実行された場合、下り坂の途中で実残容量SOCが残容量上限値SOCuplmt に達し、強制放電が発生してしまう場合がある。この場合、本来回収できるはずであった回生エネルギーが回収されず、無駄にされてしまう。
本制御装置は、このように回生エネルギーを計画通りに回収することができない問題を次のようにして解決する。即ち、本制御装置は、下り坂制御中の早期回復充電制御を禁止する。換言すると、本制御装置は、下り坂制御中に早期回復充電制御開始条件が成立した場合であっても、早期回復充電制御を実行しない。或いは、早期回復充電制御中に車両10が下り坂制御区間に進入すると、早期回復充電制御を中止する。
例えば、図3に実線L1にて示したように、本制御装置(PMECU70)は、車両10が下り坂制御開始地点Dsを通過すると下り坂制御を開始するが、地点D4において早期回復充電制御開始条件が成立しても、早期回復充電制御を実行しない。従って、その後車両10が下り坂の始点Dk(地点D6)に到達するまでに実残容量SOCは低残容量SOCcntr-dに低下する。
車両10が地点D6を通過して、対象下り坂区間の走行を開始すると、第1発電電動機MG1及び第2発電電動機MG2を用いた回生制動が頻繁に行われるようになる。その結果、回生制動により発生した電力(回生エネルギー)が蓄電池64に供給され、残容量SOCは徐々に上昇していく。換言すると、NVECU74は、回生エネルギーが走行のために使用されるエネルギーを上回り、その結果、残容量SOCが上昇するような下り坂を対象下り坂区間として特定する。
次に、プレユース区間において、早期回復充電制御が禁止される(実行されない)場合(即ち、プレユース区間中、早期回復充電制御実行フラグXERCの値が常に「0」である場合)における作動を説明する。この場合、プレユース区間において、PMECU70は残容量SOCが低残容量(第2残容量)SOCcntr-dに近付くように、第2発電電動機MG2を運転させて電力を消費することにより残容量SOCを低下させる(図3の実線L1を参照。)。
図3に示した例においては、車両10がプレユース区間を走行して対象下り坂区間の開始地点Dk(地点D6)に到達するまでに、残容量SOCが低残容量SOCcntr-dまで低下する。つまり、前述の残容量調整距離SOCC_DIST は、第2発電電動機MG2を作動させて蓄電池64に蓄えられた電力を消費することにより、蓄電池64の残容量SOCを標準残容量SOCcntr-nから低残容量SOCcntr-dに近付けるために十分な距離として設定される。残容量調整距離SOCC_DIST は、例えば5km程度に設定されるが、車両10の走行経路や走行条件によっては、5kmよりも短くてもよいし、長くてもよい。
次いで、車両10が対象下り坂区間の走行を開始すると、第1発電電動機MG1及び第2発電電動機MG2を用いた回生制動が頻繁に行われるようになる。その結果、回生制動により発生した電力(回生エネルギー)が蓄電池64に供給されるので、残容量SOCは徐々に上昇していく。換言すると、NVECU74は、回生エネルギーが走行のために使用されるエネルギーを上回り、その結果、残容量SOCが上昇するような下り坂を対象下り坂区間として特定する。
PMECU70(及びバッテリECU71)は、車両10の現在地が下り坂制御終了地点Deに一致すると(即ち、車両10が図3の地点D9に到達すると)、下り坂制御を終了する。より具体的に述べると、PMECU70(及びバッテリECU71)は、目標残容量SOCcntrを、低残容量SOCcntr-dから標準残容量SOCcntr-nに変更する(戻す)。その後、車両10は平坦路(リンク♯4に対応する区間)を走行する。従って、残容量SOCは次第に標準残容量SOCcntr-nに近付く。なお、NVECU74がPMECU70に対し、車両の現在地が「地点Ds,Dk及びDe」に到達した旨の通知を行い、PMECU70はその通知に従って下り坂制御の開始及び終了を行っても良い。
このように本例においては、下り坂制御終了地点Deにおいて、仮に早期回復充電制御が実行された場合の実残容量SOC(破線L2により示された値)は本制御装置による制御による実残容量SOC(実線L1により示された値)よりも小さくなる。
(実際の作動)
次に、本制御装置の実際の作動について説明する。
<車両走行制御>
PMECU70(実際にはそのCPU)は、十分に短い一定時間(例えば、8ms)が経過する毎に図7にフローチャートにより示した「車両走行制御ルーチン」を実行するようになっている。従って、PMECU70は所定のタイミングにてステップ700から処理を開始してステップ705に進み、ユーザ要求トルクTuをアクセル操作量AP及び車速SPDに基づいて取得するとともに、ユーザ要求トルクTuに車速SPDを乗じることにより車両要求出力Pv*(ユーザ要求出力Pu*)を取得する。
次いで、PMECU70はステップ710に進み、以下に述べる「充放電要求出力決定ルーチン」を実行する。
<充放電要求出力決定>
即ち、PMECU70はステップ710に進むと、図8のルーチンのステップ800を経由してステップ810に進み、通常走行時の充放電要求出力Pbn*、 下り坂制御時の充放電要求出力Pbfes* 及び早期回復充電制御時の充放電要求出力Pber*をそれぞれ以下のように算出する。
PMECU70は、図4(A)に示したルックアップテーブルMap Pbn*(SOC−SOCcntr-n)に現時点の実残容量SOCを適用することにより、通常走行時の充放電要求出力Pbn* を決定する。
PMECU70は、図4(B)に示したルックアップテーブルMap Pbfes*(SOC−SOCcntr-d)に現時点の実残容量SOCを適用することにより、下り坂制御(プレユース制御)時の充放電要求出力Pbfes* を決定する。
PMECU70は、図6に示したルックアップテーブルMapPber*(SOC−SOCcntr-n,SPD)に現時点の実残容量SOC及び車速SPDを適用することにより、早期回復充電制御時の充放電要求出力Pber*を決定する。
次いで、PMECU70はステップ820に進み、蓄電池64への充放電要求出力Pb*の値を「通常走行時の充放電要求出力Pbn* 」に設定してステップ830に進み、「下り坂制御」が実行中であるか否かを判定する。「下り坂制御」が実行中である場合、PMECU70はステップ830にて「Yes」と判定してステップ840に進み、充放電要求出力Pb*の値を「下り坂時の充放電要求出力Pbfes* 」に設定してステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。その後、PMECU70はステップ895を経由してステップ715に進む。
一方、「下り坂制御」が実行されていない場合、PMECU70はステップ830にて「No」と判定してステップ850に進み、早期回復充電制御が実行中であるか否かを判定する。
「早期回復充電制御」が実行中である場合、PMECU70はステップ850にて「Yes」と判定してステップ860に進む。
これに対し、「早期回復充電制御」が実行されていない場合、PMECU70はステップ850にて「No」と判定してステップ870に進み、早期回復充電制御開始条件が成立したか否かを判定する。早期回復充電制御開始条件が成立したときは、PMECU70はステップ870にて「Yes」と判定してステップ860に進む。
ステップ860に進むと、PMECU70は充放電要求出力Pb*の値を「早期回復充電制御時の充放電要求出力Pber*」に設定してステップ880に進み「早期回復充電制御終了条件」が成立したか否かを判定する。
「早期回復充電制御終了条件」が成立したとき、PMECU70はステップ880にて「Yes」と判定してステップ890に進み、充放電要求出力Pb*の値を「通常走行時の充放電要求出力Pbn* 」に設定してステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。一方、「早期回復充電制御終了条件」が成立していないとき、PMECU70はステップ880にて「No」と判定してステップ895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。その後、PMECUはステップ895を経由してステップ715に進む。
なお、PMECU70はステップ870にて「早期回復充電制御開始条件」が成立していないときは、「No」と判定してステップ895に直接進んで本ルーチンを一旦終了し、ステップ895を経由してステップ715に進む。
PMECU70はステップ715に進み、実残容量SOC が残容量下限値SOClolmtよりも大きいか否かを判定する。実残容量SOCが残容量下限値SOClolmt よりも大きい場合、PMECU70はステップ715にて「Yes」と判定してステップ720に直接進む。一方、実残容量SOCが残容量下限値SOClolmt 以下である場合、PMECU70はステップ715にて「No」と判定してステップ725に進み、充放電要求出力Pb*の値を非常に大きい値(後述する機関始動閾値Pethよりも大きい値) Pblargeに設定し、その後、ステップ720に進む。
PMECU70はステップ720にて、車両要求出力Pv*と充電要求出力Pb*と損失(一定値)Plossとの和を機関要求出力Pe*として算出する。
次いで、PMECU70はステップ730に進み、機関要求出力Pe*が機関始動閾値Pethよりも大きいか否かを判定する。機関始動閾値Pethは内燃機関20が所定の運転効率よりも高い運転効率にて運転され得る値に設定されている。
機関要求出力Pe*が機関始動閾値Pethよりも大きい場合、PMECU70はステップ730にて「Yes」と判定してステップ735に進み、機関停止中(内燃機関20の運転が停止中)であるか否かを判定する。機関停止中であると、PMECU70はステップ735にて「Yes」と判定してステップ740に進んで内燃機関20を始動させ、ステップ745に進む。これに対し、機関停止中でなければ、PMECU70はステップ735にて「No」と判定してステップ745に直接進む。そして、PMECU70は、ステップ745において、内燃機関20及び第2発電電動機MG2(実際には、更に第1発電電動機MG1)を周知の手法に従って制御し、内燃機関20及び第2発電電動機MG2の両方からの出力を用いて車両10を走行させる。即ち、車両10はハイブリッド走行を行う。
一方、機関要求出力Pe*が機関始動閾値Peth以下である場合、PMECU70はステップ730にて「No」と判定してステップ750に進み、機関運転中(内燃機関20が運転中)であるか否かを判定する。機関運転中であると、PMECU70はステップ750にて「Yes」と判定してステップ755に進んで内燃機関20の運転を停止させ、ステップ760に進む。これに対し、機関運転中でなければ、PMECU70はステップ750にて「No」と判定してステップ760に直接進む。そして、PMECU70は、ステップ760において、第2発電電動機MG2を周知の手法に従って制御し、第2発電電動機MG2の出力のみを用いて車両10を走行させる。即ち、車両10は電動機走行(電気走行)を行う。
なお、係る駆動力制御は周知であり、例えば、特開2009−126450号公報(米国公開特許番号 US2010/0241297)、特開平9−308012号公報(米国出願日1997年3月10日の米国特許第6,131,680号)、特開2013−154720号公報、特開2013−154718号公報及び特開2013−154715号公報等に詳細に記載されている。
以上、説明したように、本制御装置は、
残容量SOCが、第1残容量SOCers 以下となる条件を含む開始条件(条件1−1及び条件1−2)が成立した場合、残容量SOCと標準残容量SOCcntr-nとの差が所定値であるとき、通常充電制御において定まる第1充電電力Pbn* よりも大きい所定の第2充電電力Pber*にて蓄電池64を充電するように内燃機関20及び発電電動機MG2を制御する早期回復充電制御を実行し、
制御対象区間を車両10が走行するとき、車両10が下り坂制御開始地点Dsから少なくとも前記対象下り坂区間の開始地点Dkに到達するまでの間、「通常充電制御」及び「早期回復充電制御」の両方を禁止するとともに、目標残容量を第1残容量SOCers よりも小さい第2残容量SOCcntr-dに変更し、残容量SOCが第2残容量SOCcntr-dに近付くように内燃機関20及び発電電動機MG2を制御するように構成される。
これにより、本制御装置によれば、下り坂制御によって蓄電池の残容量SOCを低下させているにもかかわらず充電制御(早期回復充電制御)によって蓄電池が充電されてしまうという問題を解消することができる。その結果、下り坂制御の当初の計画通りに回生エネルギーを回収することができる。なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。以下、そのような変形例を列挙する。
(1)PMECU70は、下り坂制御を車両10が制御開始地点Dsを通過してから対象下り坂区間の開始地点Dkに到達するまでの間、即ち、プレユース区間にのみ実行してもよい。
(2)PMECU70は、車両10が下り坂制御開始地点Dsに到達する前に早期回復充電制御を実行していた場合、車両10が下り坂制御開始地点Dsに到達したときに直ちに早期回復充電制御を中止してもよい。
(3)早期回復充電制御の開始条件及び/又は終了条件としてアクセル操作量APに対する閾値である所定閾値操作量APthが設定されてもよい。この場合、前述の条件1−2は、「アクセル操作量APが所定閾値操作量APth以上である。」と、条件2−2は、「アクセル操作量APが所定閾値操作量APth未満である。」と書き換えられる。
(4)所定閾値操作量APthにはヒステリシスが設けられてもよい。より具体的に述べると、条件1−2における所定閾値操作量をAPth1、条件2−2における所定閾値操作量をAPth2とすると、APth1>APth2なる関係が成立するようにこれらの値が設定されてもよい。
(5)NVECU74は、図3を参照して説明した「下り坂探索」を、車両10が所定距離を走行する毎に実行してもよい。
(6)NVECU70が、図7及び/又は図8に示したルーチンの一部又は全部を実行してもよい。その場合、PMECU70はNVECU74から必要な情報を取得すればよい。
10…ハイブリッド車両、20…内燃機関、50…駆動力伝達機構、64…蓄電池、70…パワーマネジメントECU、71…バッテリECU、72…モータECU、73…エンジンECU、74…ナビゲーションECU。

Claims (1)

  1. 車両の駆動源としての内燃機関及び同駆動源としての発電電動機、並びに、前記発電電動機に電力を供給する蓄電池を搭載し、前記発電電動機を用いて回生制動を行うとともに同回生制動により発生した電力を前記蓄電池に充電可能であり且つ前記内燃機関の出力により前記発電電動機を用いて発電した電力を前記蓄電池に充電可能に構成されたハイブリッド車両に適用され、
    前記車両に要求される要求駆動力を満たすように且つ前記蓄電池の残容量が目標残容量に近付くように前記内燃機関及び前記発電電動機を制御する制御部を備えるハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記制御部は、
    前記車両の位置を示す位置情報、経路情報及び道路情報を取得し、
    前記位置情報、前記経路情報及び前記道路情報に基づいて前記車両の走行予定経路を取得し、
    前記道路情報であって前記走行予定経路を構成する道路区間に関する道路情報に 基づいて同走行予定経路内の、第1所定条件を満たす対象下り坂区間を抽出し、
    前記対象下り坂区間が前記走行予定経路に含まれている場合には、同対象下り坂区間の開始地点よりも所定距離だけ手前にある下り坂制御開始地点から同対象下り坂区間の終了地点までの区間である制御対象区間を決定し、
    前記残容量が、前記目標残容量として設定された標準残容量と、前記標準残容量よりも小さい第1残容量と、の間にある場合、前記残容量と前記標準残容量との差に応じて定まる第1充電電力にて前記蓄電池を充電するように前記内燃機関及び前記発電電動機を制御する通常充電制御を実行し、
    前記残容量が、前記第1残容量以下となる条件を含む開始条件が成立した場合、前記残容量と前記標準残容量との差が所定値であるとき、前記通常充電制御において定まる前記第1充電電力よりも大きい所定の第2充電電力にて前記蓄電池を充電するように前記内燃機関及び前記発電電動機を制御する早期回復充電制御を実行し、
    前記制御対象区間を前記車両が走行するとき、同車両が前記下り坂制御開始地点から少なくとも前記対象下り坂区間の開始地点に到達するまでの間、前記通常充電制御及び前記早期回復充電制御の両方を禁止するとともに、前記目標残容量を前記第1残容量よりも小さい第2残容量に変更し、前記残容量が前記第2残容量に近付くように前記内燃機関及び前記発電電動機を制御する、
    ように構成されたハイブリッド車両の制御装置。

JP2016126151A 2016-06-27 2016-06-27 ハイブリッド車両の制御装置 Active JP6648644B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016126151A JP6648644B2 (ja) 2016-06-27 2016-06-27 ハイブリッド車両の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016126151A JP6648644B2 (ja) 2016-06-27 2016-06-27 ハイブリッド車両の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018001768A JP2018001768A (ja) 2018-01-11
JP6648644B2 true JP6648644B2 (ja) 2020-02-14

Family

ID=60945714

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016126151A Active JP6648644B2 (ja) 2016-06-27 2016-06-27 ハイブリッド車両の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6648644B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7063752B2 (ja) * 2018-07-13 2022-05-09 日野自動車株式会社 充放電制御装置
JP7207919B2 (ja) * 2018-09-25 2023-01-18 株式会社Subaru エンジン電気ハイブリッド車両の制御装置
JP7327350B2 (ja) * 2020-10-27 2023-08-16 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置及びハイブリッド車両の制御方法
JP7191920B2 (ja) * 2020-11-13 2022-12-19 本田技研工業株式会社 車両の制御装置
CN113071335B (zh) * 2021-04-06 2022-10-14 浙江吉利控股集团有限公司 增程式车辆能量控制方法及其控制系统和存储介质

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4100335B2 (ja) * 2003-11-28 2008-06-11 株式会社エクォス・リサーチ 駆動制御装置、及びハイブリッド車両
JP2011219039A (ja) * 2010-04-13 2011-11-04 Toyota Motor Corp 車両用ハイブリッド駆動装置
JP2011225079A (ja) * 2010-04-19 2011-11-10 Toyota Motor Corp ハイブリッド自動車
JP2014100928A (ja) * 2012-11-16 2014-06-05 Toyota Motor Corp ハイブリッド自動車
JP5811148B2 (ja) * 2013-07-11 2015-11-11 トヨタ自動車株式会社 回生発電機付車両
JP2015073420A (ja) * 2013-10-04 2015-04-16 三菱電機株式会社 車載バッテリの充電制御装置
JP6087870B2 (ja) * 2014-07-23 2017-03-01 トヨタ自動車株式会社 車両

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018001768A (ja) 2018-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6344429B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP6304165B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP6347235B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP6648644B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
US9758153B2 (en) Hybrid vehicle control apparatus
JP4637443B2 (ja) 車両の制御システム及び制御方法
US11097718B2 (en) Hybrid vehicle
JP5716779B2 (ja) ハイブリッド自動車
US10913442B2 (en) Hybrid vehicle
US20130024055A1 (en) Adaptive energy management in a hybrid vehicle
KR101836250B1 (ko) 구동 모터를 구비한 차량의 dc 컨버터의 출력 전압을 제어하는 방법 및 장치
JP2010241396A (ja) ハイブリッド車両の電源システム
JP2010202119A (ja) ハイブリッド車両およびその制御方法
JP6813430B2 (ja) 車両制御装置
JP2017035964A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP6753206B2 (ja) ハイブリッド車両
JP2017094832A (ja) ハイブリッド車両及びその制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191230

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6648644

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151