JP2011225079A - ハイブリッド自動車 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関と、内燃機関からの動力の少なくとも一部を用いて発電可能な発電機と、駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、発電機および電動機と電力のやり取りが可能な二次電池とを備えたハイブリッド自動車において、二次電池の充電割合をより適正な値に維持して二次電池の強制的な放電や充電の実行を抑制する。
【解決手段】イグニッションスイッチ80がオンされてからオフされるまでの間において、バッテリ50が強制的に放電される強制放電制御の実行回数C1が、バッテリ50が強制的に充電される強制充電制御の実行回数C1よりも多いときには、バッテリ50の制御中心SOC*を所定量ΔS低下させる。また、イグニッションスイッチ80がオンされてからオフされるまでの間において、強制充電制御の実行回数C2が強制放電制御の実行回数C1よりも多いときには、バッテリ50の制御中心SOC*を所定量ΔS上昇させる。
【選択図】図4
【解決手段】イグニッションスイッチ80がオンされてからオフされるまでの間において、バッテリ50が強制的に放電される強制放電制御の実行回数C1が、バッテリ50が強制的に充電される強制充電制御の実行回数C1よりも多いときには、バッテリ50の制御中心SOC*を所定量ΔS低下させる。また、イグニッションスイッチ80がオンされてからオフされるまでの間において、強制充電制御の実行回数C2が強制放電制御の実行回数C1よりも多いときには、バッテリ50の制御中心SOC*を所定量ΔS上昇させる。
【選択図】図4
Description
本発明は、内燃機関と、内燃機関からの動力の少なくとも一部を用いて発電可能な発電機と、駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、発電機および電動機と電力のやり取りが可能な二次電池とを備えたハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、エンジンと、エンジンの出力を用いて発電する発電機と、車両走行用のモータと、発電機およびモータと電力をやり取りするバッテリとを備え、バッテリの充電割合(SOC)が目標範囲の上限を上回っているときには、発電機の発電出力の制御目標を強制的に値0に設定することにより、バッテリの放電出力のみによりモータの駆動電力を賄う状態とすることでバッテリの充電割合を低下させると共に、バッテリの充電割合が目標範囲の下限を下回っているときには、発電機の発電出力の制御目標を強制的に最大値に設定することにより、発電機で発電した電力によりバッテリを充電することでバッテリの充電割合を上昇させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、上述の制御を実行することにより、バッテリの充電割合を目標範囲内に維持している。また、この種のハイブリッド自動車として、電池のメモリ効果の発生が検出されたときに、当該電池の蓄電量(SOC)の制御中心を変更し、電池の蓄電量を適正蓄電量範囲の上限値又は下限値の近傍で推移させることでメモリ効果を解消するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
ところで、上述のようなハイブリッド自動車の運転者の運転態様や走行環境などによっては、バッテリの充電割合が目標範囲の上下限を超えることもあり、そのような場合には、上述したバッテリを強制的に放電させたり充電させたりする制御が行われることになるが、そのような制御が頻繁に実行されると、エンジンの燃費やエネルギ効率を改善し得なくなるおそれがある。
本発明のハイブリッド自動車は、内燃機関と、内燃機関からの動力の少なくとも一部を用いて発電可能な発電機と、駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、発電機および電動機と電力のやり取りが可能な二次電池とを備えたハイブリッド自動車において、二次電池の充電割合をより適正な範囲に維持して二次電池の強制的な放電や充電の実行を抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、内燃機関と、該内燃機関からの動力の少なくとも一部を用いて発電可能な発電機と、駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやり取りが可能な二次電池と、前記二次電池の充電割合が目標充電割合となると共に走行に要求される要求駆動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記発電機とを制御する制御手段とを備えたハイブリッド自動車において、
前記制御手段は、前記二次電池の前記充電割合が強制放電開始閾値以上になったときには該充電割合が該強制放電開始閾値よりも小さな強制放電停止閾値になるまで該二次電池が強制的に放電されると共に前記要求駆動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記発電機とを制御する強制放電制御を実行し、前記二次電池の充電割合が強制充電開始閾値以下になったときには該充電割合が該強制充電開始閾値よりも大きな強制充電停止閾値になるまで該二次電池が強制的に充電されると共に前記要求駆動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記発電機とを制御する強制充電制御を実行する手段であり、
所定期間内における前記制御手段による前記強制放電制御の実行回数が前記強制充電制御の実行回数よりも多いときには前記目標充電割合を所定量低下させると共に、前記所定期間内における前記制御手段による前記強制充電制御の実行回数が前記強制放電制御の実行回数よりも多いときには前記目標充電割合を所定量上昇させることを特徴とする。
前記制御手段は、前記二次電池の前記充電割合が強制放電開始閾値以上になったときには該充電割合が該強制放電開始閾値よりも小さな強制放電停止閾値になるまで該二次電池が強制的に放電されると共に前記要求駆動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記発電機とを制御する強制放電制御を実行し、前記二次電池の充電割合が強制充電開始閾値以下になったときには該充電割合が該強制充電開始閾値よりも大きな強制充電停止閾値になるまで該二次電池が強制的に充電されると共に前記要求駆動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記発電機とを制御する強制充電制御を実行する手段であり、
所定期間内における前記制御手段による前記強制放電制御の実行回数が前記強制充電制御の実行回数よりも多いときには前記目標充電割合を所定量低下させると共に、前記所定期間内における前記制御手段による前記強制充電制御の実行回数が前記強制放電制御の実行回数よりも多いときには前記目標充電割合を所定量上昇させることを特徴とする。
本発明のハイブリッド自動車では、所定期間内において、二次電池の充電割合が強制放電開始閾値以上になったときに充電割合が強制放電開始閾値よりも小さな強制放電停止閾値になるまで二次電池を強制的に放電させる強制放電制御の実行回数が、二次電池の充電割合が強制充電開始閾値以下になったときに充電割合が強制充電開始閾値よりも大きな強制充電停止閾値になるまで二次電池を強制的に充電する強制充電制御の実行回数よりも多いときには、二次電池の目標充電割合を所定量低下させる。これにより、二次電池の充電割合が比較的低めに維持されるので、強制放電制御の実行が抑制される。また、所定期間内において、強制充電制御の実行回数が強制放電制御の実行回数よりも多いときには、二次電池の目標充電割合を所定量上昇させる。これにより、二次電池の充電割合が比較的高めに維持されるので、強制充電制御の実行が抑制される。すなわち、本発明のハイブリッド自動車では、運転者の運転態様や走行環境などに違いがあったとしても、二次電池の充電割合を当該二次電池の強制放電制御および強制充電制御がなるべく実行されないような範囲に設定することができる。従って、本発明のハイブリッド自動車によれば、二次電池の充電割合をより適正な範囲に維持して二次電池の強制的な放電や充電の実行を抑制することが可能となる。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るハイブリッド自動車20の概略構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料とするエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介してキャリア34が接続されたプラネタリギヤ30と、プラネタリギヤ30のサンギヤ31に接続されたモータMG1と、プラネタリギヤ30のリングギヤ32に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに連結された減速ギヤ35と、この減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに接続されたモータMG2と、リングギヤ軸32aにギヤ機構37およびディファレンシャルギヤ38を介して接続された駆動輪39a,39bと、モータMG1と電力ライン54との間に介設されたインバータ41と、モータMG2と電力ライン54との間に介設されたインバータ42と、インバータ41,42を介してモータMG1およびMG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40と、電力ライン54に接続されたバッテリ50と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52と、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52と通信しながら車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「ハイブリッドECU」という)70とを備える。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動することができる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。
バッテリ50は、実施例ではニッケル水素二次電池あるいはリチウムイオン二次電池として構成されており、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理される。そして、バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからのバッテリ温度、バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に設置された図示しない電流センサからの充放電電流等が入力される。また、バッテリECU52は、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU70やエンジンECU24に出力する。更に、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(充電割合)SOCを算出したり、残容量SOCとバッテリ温度とに基づいてバッテリ50の充電に許容される電力である充電許容電力としての入力制限とバッテリ50の放電に許容される電力である放電許容電力としての出力制限とを算出したりする。
また、バッテリECU52は、残容量SOCに基づいてバッテリ50の充放電要求パワーPb*を算出する。すなわち、実施例では、バッテリ残容量SOCと充放電要求パワーPb*との関係が充放電要求パワー設定用マップとして予め定められてバッテリECU52の図示しないROMに記憶されており、バッテリECU52は、算出した残容量SOCに対応する充放電要求パワーPb*を充放電要求パワー設定用マップから導出して設定する。図2中の実線に充放電要求パワー設定用マップの一例を示す。実施例では、図示するように、残容量SOCが制御中心(目標充電割合)SOC*(例えば、60%程度)のときには、値0が充放電要求パワーPb*に設定される。そして、残容量SOCが制御中心SOC*より大きいときには、残容量SOCが制御中心SOC*よりも大きい値Shに至るまで残容量SOCが大きくなるほど大きくなる傾向に充放電要求パワーPb*が設定されると共に、残容量SOCが値Sh以上になると、充放電最大電力Pbmaxが充放電要求パワーPb*に設定される。一方、残容量SOCが制御中心SOC*より小さいときには、残容量SOCが制御中心SOC*より小さい値Slに至るまで残容量SOCが小さくなるほど小さくなる傾向に充放電要求パワーPb*が設定されると共に、残容量SOCが値Sl以下になると、充放電最小電力Pbminが充放電要求パワーPb*に設定される。ここで、充放電最大電力Pbmaxとしてはバッテリ50から放電してもよい最大電力より若干小さい電力を用いることができ、充放電最小電力Pbminとしてはバッテリ50を充電してもよい最小電力(負の値、かつ、負側に最大の電力)より若干大きな(負側に若干小さな)電力を用いることができる。このように充放電要求パワーPb*を設定し、この充放電要求パワーPb*によりバッテリ50を充放電することによってバッテリ50の残容量SOCを目標充電割合としての制御中心SOC*に近づけることができる。したがって、制御中心SOC*を大きくすればバッテリ50の残容量SOCが比較的高めの範囲に維持されるようになり、制御中心SOC*を小さくすればバッテリ50の残容量SOCが比較的低めの範囲に維持されるようになる。
上述のように構成された実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御モードとしては、車軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*に見合うパワーがエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力されるパワーのすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求トルクTr*とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合うパワーがエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力されるパワーの全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求トルクTr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード等がある。
実施例のハイブリッド自動車20の走行に際して、イグニッションスイッチ80がオンされると、ハイブリッドECU70は、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、車速センサ88からの車速Vに基づいて要求トルクTr*を設定すると共に、設定した要求トルクTr*やバッテリ50の充放電要求パワーPb*に基づいて車両全体に要求される要求パワーPe*を設定する。そして、設定した要求パワーPe*からエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*やモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*といった車両全体を制御するのに必要な指令信号を生成し、生成した各指令信号をエンジンECU24,モータECU40に送信する。ハイブリッドECU70から目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受け取ったエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とからなる運転ポイントでエンジン22が運転されるようエンジン22における吸入空気量調節制御や燃料噴射制御、点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受け取ったモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。このような制御により、ハイブリッド自動車20は、バッテリ50の充放電を伴いながら走行することができる。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、バッテリ50の過充電を抑制するために、バッテリ50の残容量SOCが所定量以上になると、バッテリ50を強制的に放電させる強制放電制御が実行される。図3中の一点鎖線は、強制放電制御時に用いられる充放電要求パワー設定用マップを示す。図示するように、バッテリECU52は、バッテリ50の残容量SOCが上述の値Shよりも若干大きな強制放電開始閾値S1以上となったときに、残容量SOCが強制放電停止閾値S2以下となるまでバッテリ50の充放電要求パワーPb*を充放電最大電力Pbmaxに設定する。ここで、強制放電開始閾値S1は、少なくとも制御中心SOC*よりも大きく、かつ、バッテリ50が過充電状態に至らないようにする残容量SOCのガード値として実験・解析等により予め定められる。また、強制放電停止閾値S2は、少なくとも強制放電開始閾値S1よりも小さな値であり、実施例では、制御中心SOC*よりも小さな値として予め定められる。これにより、バッテリ50の残容量SOCが強制放電開始閾値S1以上になってバッテリ50の過充電を招くおそれがあるときに、残容量SOCが強制放電停止閾値S2に達するまで充放電最大電力Pbmaxでバッテリ50が放電されるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とがハイブリッドECU70により制御されることになるので、バッテリ50の残容量SOCの上昇に起因したバッテリ50の過充電を抑制することができる。
更に、実施例のハイブリッド自動車20では、バッテリ50の過放電を抑制するために、バッテリ50の残容量SOCが所定量以下になると、バッテリ50を強制的に放電させる強制充電制御が実行される。図3中の二点鎖線は、強制充電制御時に用いられる充放電要求パワー設定用マップを示す。図示するように、バッテリECU52は、バッテリ50の残容量SOCが上述の値Slよりも若干小さな強制充電開始閾値S3以下となったときに、残容量SOCが強制充電停止閾値S4以上となるまでバッテリ50の充放電要求パワーPb*を充放電最小電力Pbminに設定する。ここで、強制充電開始閾値S3は、少なくとも制御中心SOC*よりも小さく、かつ、バッテリ50が過放電状態に至らないようにする残容量SOCのガード値として実験・解析等により予め定められる。また、強制充電停止閾値S4は、少なくとも強制充電開始閾値S3よりも大きな値であり、実施例では、制御中心SOC*よりも大きな値として予め定められる。これにより、バッテリ50の残容量SOCが強制充電開始閾値S3よりも小さくなってバッテリ50の過放電を招くおそれがあるときに、残容量SOCが強制充電停止閾値S4に達するまで充放電最小電力Pbminでバッテリ50が充電されるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とがハイブリッドECU70により制御されることになるので、バッテリ50の残容量SOCの低下に起因したバッテリ50の過放電を抑制することができる。なお、実施例では、強制放電制御および強制充電制御の一方の終了時に、直ちに他方の制御へと移行することのないように、強制放電停止閾値S2は、強制充電開始閾値S3よりも大きな値として定められると共に、強制充電停止閾値S4は強制放電開始閾値S1よりも小さな値として定められる。また、強制放電制御時の充放電要求パワーPb*としては、充放電最大電力Pbmaxよりも若干小さな一定値を設定するものとしてもよいし、放電最大電力Pbmaxから徐々に減少する傾向に設定するものとしてもよい。更に、強制充電制御時の充放電要求パワーPb*としては、充放電最小電力Pbminよりも若干大きな一定値を設定するものとしてもよいし、充放電最小電力Pbminから徐々に増加する傾向に設定するものとしてもよい。
ここで、実施例のハイブリッド自動車20において、運転者の運転態様や走行環境などによって、上述したバッテリ50の強制放電制御や強制充電制御が頻繁に行われると、エンジンの燃費やエネルギ効率を改善し得なくなるおそれがある。そのため、実施例のハイブリッド自動車20では、イグニッションスイッチ80がオフされてからシステムが完全にシャットダウンされる前に、バッテリECU52により図3に例示するSOC制御中心設定ルーチンが実行される。
SOC制御中心設定ルーチンが実行されると、バッテリECU52は、まず、強制放電制御の実行回数C1および強制充電制御の実行回数C2の値を入力する(ステップS100)。ここで、強制放電制御の実行回数C1および強制充電制御の実行回数C2は、イグニッションスイッチ80がオンされてからオフされるまでの間に強制放電制御および強制充電制御が実行された回数をそれぞれカウントしておき、バッテリECU52の図示しないRAMに記憶しておくものとする。続いて、強制放電制御の実行回数C1の値と強制充電制御の実行回数C2の値との大小を比較し(ステップS110)、強制放電制御の実行回数C1と強制充電制御の実行回数C2とが同一であると判定されたときには、本ルーチンを終了する。
これに対して、強制放電制御の実行回数C1の値が強制充電制御の実行回数C2の値よりも大きいと判定されたときには、バッテリ50の残容量SOCの制御中心SOC*から所定量ΔS(例えば、0.5%程度)を減じた値と予め定められた下限制御中心SOC*min(例えば、50%程度)との大きい方を制御中心SOC*に設定すると共にバッテリECU52の図示しないRAMに記憶し(ステップS120)、本ルーチンを終了する。下限制御中心SOC*minは、制御中心SOC*が低下し過ぎることで却って燃費やエネルギ効率を悪化させてしまうことのない制御中心SOC*の下限値として実験・解析等により予め定められる値である。これにより、次回にイグニッションスイッチ80がオンされた後には、図2中の点線に示すように、前回のトリップ時よりも制御中心SOC*が低下し、バッテリ50の残容量SOCが変更後の制御中心SOC*に維持されるようにエンジン22やモータMG1,MG2が制御されるため、残容量SOCの上昇に起因して強制放電制御が実行されることが抑制される。
また、強制充電制御の実行回数C2の値が強制放電制御の実行回数C1の値よりも大きいと判定されたときには、バッテリ50の残容量SOCの制御中心SOC*に所定量ΔSを加えた値と予め定められた上限制御中心SOC*max(例えば、70%程度)との小さい方を制御中心SOC*に設定すると共にバッテリECU52の図示しないRAMに記憶し(ステップS130)、本ルーチンを終了する。上限制御中心SOC*maxは、制御中心SOC*が上昇しすぎることで却って燃費やエネルギ効率を悪化させてしまうことのない制御中心SOC*の上限値として実験・解析等により予め定められる値である。これにより、図2中の破線に示すように、次回にイグニッションスイッチ80がオンされた後には、前回のトリップ時よりも制御中心SOC*が上昇し、バッテリ50の残容量SOCが変更後の制御中心SOC*に維持されるようにエンジン22やモータMG1,MG2が制御されるため、残容量SOCの低下に起因して強制放電制御が実行されることが抑制される。なお、所定量ΔSは、制御中心SOC*を大きく変更しすぎて強制放電制御や強制充電制御が交互に実行されてしまわない程度の変更量として実験・解析等により予め定められ、ステップS120とステップS130で同様の値を用いるものとしても良いし、それぞれ別の値を用いるものとしてもよい。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20では、イグニッションスイッチ80がオンされてからオフされるまでの間において、バッテリ50の残容量SOC*が強制放電開始閾値S1以上になったときに残容量SOCが強制放電開始閾値S1よりも小さな強制放電停止閾値S2になるまでバッテリ50が強制的に放電される強制放電制御の実行回数C1が、バッテリ50の残容量SOCが強制充電開始閾値S3以下になったときに残容量SOCが強制充電開始閾値S3よりも大きな強制充電停止閾値S4になるまでバッテリ50が強制的に充電される強制充電制御の実行回数C2よりも多いときには、バッテリ50の制御中心SOC*を所定量ΔS低下させる。これにより、バッテリ50の残容量SOCが比較的低めに維持されるので、強制放電制御の実行が抑制される。また、実施例のハイブリッド自動車20では、イグニッションスイッチ80がオンされてからオフされるまでの間において、強制充電制御の実行回数C2が強制放電制御の実行回数C1よりも多いときには、バッテリ50の制御中心SOC*を所定量ΔS上昇させる。これにより、バッテリ50の残容量SOCが比較的高めに維持されるので、強制充電制御の実行が抑制される。すなわち、本発明のハイブリッド自動車20では、運転者の運転態様や走行環境などに違いがあったとしても、バッテリ50の残容量SOCを当該バッテリ50の強制放電制御および強制充電制御をなるべく実行しないような値に設定することができる。従って、本発明のハイブリッド自動車20によれば、バッテリ50の残容量SOCをより適正な値に維持してバッテリ50の強制的な放電や充電の実行を抑制することが可能となる。
なお、本実施例では、イグニッションスイッチ80がオンされてからオフされるまでの間における強制放電制御および強制充電制御の実行回数C1およびC2をカウントし、イグニッションオフされてからシステムが完全にシャットダウンされる前に、上述のSOC制御中心設定ルーチンを実行するものとしたが、イグニッションオフされてからシステムが完全にシャットダウンされる前に、カウントした強制放電制御および強制充電制御の実行回数C1およびC2の値をバッテリECU52の図示しないRAMに記憶しておき、次回イグニッションスイッチ80がオンされたときにSOC制御中心設定ルーチンを実行するものとしてもよい。また、数時間毎や数十分毎に強制放電制御および強制充電制御の実行回数C1,C2をカウントすると共に、当該数時間毎や数十分毎にSOC制御中心設定ルーチンを実行するものとしてもよい。
更に、ハイブリッド自動車20がナビゲーションシステムを備える場合において、運転者によりナビゲーションシステムに新規の目的地や経路が設定されたときには、それまでに学習したバッテリ50の制御中心SOC*のデータを用いて車両を制御することは、必ずしも燃費やエネルギ効率を向上させるとは限らない可能性がある。そのため、運転者によりナビゲーションシステムに新規の目的地や経路が設定されたときには、制御中心SOC*をデフォルト値(60%)に設定するものとしてもよい。この場合において、運転者によりナビゲーションシステムにすでに設定されたことのある目的地や経路が再度設定されたときには、制御中心SOC*をデフォルト値に設定する以前に学習したデータを用いて制御中心SOC*の値を設定するものとしてもよい。
なお、本実施例では、バッテリECU52によりバッテリ50の充放電要求パワーPb*の設定やSOC制御中心設定ルーチンの実行等が行われるものとしたが、これらの処理の一部または全部がハイブリッドECU70等の他のECUや複数のECUの組み合わせにより行われるものとしてもよい。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業に利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、34 キャリア、35 減速ギヤ、37 ギヤ機構、38 ディファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(ハイブリッドECU)、80 イグニッションスイッチ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ。
Claims (1)
- 内燃機関と、該内燃機関からの動力の少なくとも一部を用いて発電可能な発電機と、駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやり取りが可能な二次電池と、前記二次電池の充電割合が目標充電割合となると共に走行に要求される要求駆動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記発電機とを制御する制御手段とを備えたハイブリッド自動車において、
前記制御手段は、前記二次電池の前記充電割合が強制放電開始閾値以上になったときには該充電割合が該強制放電開始閾値よりも小さな強制放電停止閾値になるまで該二次電池が強制的に放電されると共に前記要求駆動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記発電機とを制御する強制放電制御を実行し、前記二次電池の充電割合が強制充電開始閾値以下になったときには該充電割合が該強制充電開始閾値よりも大きな強制充電停止閾値になるまで該二次電池が強制的に充電されると共に前記要求駆動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記発電機とを制御する強制充電制御を実行する手段であり、
所定期間内における前記制御手段による前記強制放電制御の実行回数が前記強制充電制御の実行回数よりも多いときには前記目標充電割合を所定量低下させると共に、前記所定期間内における前記制御手段による前記強制充電制御の実行回数が前記強制放電制御の実行回数よりも多いときには前記目標充電割合を所定量上昇させることを特徴とするハイブリッド自動車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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2010
- 2010-04-19 JP JP2010096093A patent/JP2011225079A/ja active Pending
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