JP4285475B2 - 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4285475B2
JP4285475B2 JP2005353815A JP2005353815A JP4285475B2 JP 4285475 B2 JP4285475 B2 JP 4285475B2 JP 2005353815 A JP2005353815 A JP 2005353815A JP 2005353815 A JP2005353815 A JP 2005353815A JP 4285475 B2 JP4285475 B2 JP 4285475B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
engine
internal combustion
combustion engine
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005353815A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007153233A (ja
Inventor
俊介 尾山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005353815A priority Critical patent/JP4285475B2/ja
Publication of JP2007153233A publication Critical patent/JP2007153233A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4285475B2 publication Critical patent/JP4285475B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

Description

本発明は、動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、エンジンからの動力とモータMG2からの動力を駆動軸に伝達して走行すると共にエンジンからの動力の一部をモータMG1により発電した電力をバッテリに蓄電可能な車載用の装置において、アクセル開度に基づいて設定される要求パワーとバッテリの残容量(SOC)に基づいて設定されるバッテリ充電電力との和としてエンジンから出力すべき目標パワーを設定し、この目標パワーがエンジンの出力に対する最適効率となる下限値未満のときには、この下限値を目標パワーとすると共にバッテリ充電電力も変更するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、こうした目標パワーの変更により燃費の向上を図っている。
また、エンジンからの動力とモータMG2からの動力を駆動軸に伝達して走行すると共にエンジンからの動力の一部をモータMG1により発電してバッテリに蓄電可能な車載用の装置において、駆動要求パワーがこもり音領域内となるパワーのときには、駆動要求パワーの履歴に基づいてエンジンの目標パワーをこもり音領域内となるパワーの下限値または上限値に変更するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この装置では、こもり音領域をさけてエンジンを運転することにより、こもり音の発生を抑制している。
特開2004−144041号公報 特開2005−127185号公報
上述の前者の動力出力装置では、燃費の向上は考慮されているが、こもり音などの異音の発生については考慮されておらず、後者の動力出力装置では、こもり音などの異音の発生を抑制しているものの、燃費の向上についてはさほど考慮されていない。従って、異音の発生の抑制と燃費の向上との両立を図る必要がある。また、動力出力装置が搭載するバッテリの状態に応じてエンジンの目標パワーを変更しないと、バッテリが過充電されたり、過放電されたりする場合が生じる。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法は、内燃機関の運転に対する制約を維持すると共に装置の燃費の向上を図ることを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法は、二次電池などの蓄電装置の過充電や過放電を生じない範囲内で装置の燃費の向上を図ることを目的の一つとする。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力を伴って前記出力軸と前記駆動軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、
前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記設定された要求駆動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき機関パワーを設定すると共に所定の制約に基づいて該設定された機関パワーを出力するための機関運転ポイントを設定する機関目標値設定手段と、
前記設定された機関パワーを増減したときに前記所定の制約に基づいて設定される機関運転ポイントの回転数の変化量に対するトルクの変化量の比である回転数トルク変化量比と所定の条件とに基づいて前記内燃機関を運転すべき目標運転ポイントを設定する目標運転ポイント設定手段と、
前記設定された目標運転ポイントで前記内燃機関が運転されると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、駆動軸に要求される要求駆動力に基づいて内燃機関から出力すべき機関パワーを設定すると共に所定の制約に基づいてこの設定した機関パワーを出力するための機関運転ポイントを設定し、設定した機関パワーを増減したときに所定の制約に基づいて設定される機関運転ポイントの回転数の変化量に対するトルクの変化量の比である回転数トルク変化量比と所定の条件とに基づいて内燃機関を運転すべき目標運転ポイントを設定し、設定した目標運転ポイントで内燃機関が運転されると共に要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを制御する。内燃機関の運転領域において回転数の増減に対するトルクの増減が大きい領域と逆にトルクの増減に対する回転数の増減が大きい領域とを比較すると、回転数の変化に伴って摺動摩擦仕事が変化することを考慮すれば、一般的にはパワーの増減に対して前者の方が内燃機関の効率の変化が大きくなる。従って、内燃機関から出力するパワーを増減したときの回転数の変化量に対するトルクの変化量の比である回転数トルク変化量比の大小によって、内燃機関から出力するパワーを増減補正した方が効率が良くなるか否かが定まるため、これにより、内燃機関から出力すべき目標パワーを設定することによって内燃機関の効率を向上させることができ、装置全体の効率を向上させることができる。この結果、内燃機関の運転に対する制約を維持すると共に装置の燃費の向上を図ることができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記目標運転ポイント設定手段は、前記回転数トルク変化量比が所定比以上のときには前記設定された機関パワーを増加したパワーと前記所定の制約とに基づく運転ポイントを目標運転ポイントとして設定し、前記回転数トルク変化量比が前記所定比未満のときには前記設定された機関パワーを目標運転ポイントとして設定する手段であるものとすることもできる。即ち、トルクの変化量が大きいときに機関パワーを増加したパワーを用いて目標運転ポイント設定するのである。これにより、内燃機関の効率を向上させることができると共に装置の燃費を向上させることができる。この場合、前記目標運転ポイント設定手段は、前記回転数トルク変化量比が前記所定比以上のときには前記設定された機関パワーに所定パワーを増加したパワーと前記所定の制約とに基づく運転ポイントを目標運転ポイントとして設定する手段であるものとすることもできる。また、前記目標運転ポイント設定手段は、前記回転数トルク変化量比が前記所定比以上のときには前記設定された機関パワーに関連して定まる所定パワーと前記所定の制約とに基づく運転ポイントを目標運転ポイントとして設定する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の動力出力装置において、前記所定の制約は、低回転高トルクの領域で生じるこもり音を低減すると共に効率よく運転する制約であるものとすることもできる。こうすれば、異音の発生の抑制と装置の効率の向上との両立を図ることができる。
さらに、本発明の動力出力装置において、前記所定の条件は、前記内燃機関の回転数が所定回転数未満となる条件であるものとすることもできる。いわゆるこもり音は低回転数で生じるため、このように内燃機関の回転数が所定回転数未満のときにだけ回転数トルク変化量比に基づいて目標運転ポイントを設定することにより、異音の発生の抑制と装置の効率の向上との両立を図ることができる。
あるいは、本発明の動力出力装置において、前記所定の条件は、前記蓄電手段から放電可能な電力量が所定の電力量範囲となる条件であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段を過充電したり過放電するのを抑制することができ、蓄電手段の過充電や過放電を生じない範囲内で装置の燃費の向上を図ることができる。
また、本発明の動力出力装置において、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力する発電機とを備える手段であるものとすることもできる。
本発明の車両は、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され電力と動力の入出力を伴って前記出力軸と前記駆動軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、前記設定された要求駆動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき機関パワーを設定すると共に所定の制約に基づいて該設定された機関パワーを出力するための機関運転ポイントを設定する機関目標値設定手段と、前記設定された機関パワーを増減したときに前記所定の制約に基づいて設定される機関運転ポイントの回転数の変化量に対するトルクの変化量の比である回転数トルク変化量比と所定の条件とに基づいて前記内燃機関を運転すべき目標運転ポイントを設定する目標運転ポイント設定手段と、前記設定された目標運転ポイントで前記内燃機関が運転されると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する制御手段と、を備える動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に接続されてなることを要旨とする。
この本発明の車両では、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置の奏する効果、例えば、内燃機関の効率を向上させることができると共に装置全体の効率を向上させることができる効果や、内燃機関の運転に対する制約を維持すると共に装置の燃費の向上を図ることができる効果などと同様な効果を奏することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され電力と動力の入出力を伴って前記出力軸と前記駆動軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき機関パワーを設定すると共に所定の制約に基づいて該設定した機関パワーを出力するための機関運転ポイントを設定し、前記設定した機関パワーを増減したときに前記所定の制約に基づいて設定される機関運転ポイントの回転数の変化量に対するトルクの変化量の比である回転数トルク変化量比と所定の条件とに基づいて前記内燃機関を運転すべき目標運転ポイントを設定し、前記設定した目標運転ポイントで前記内燃機関を運転すると共に前記要求駆動力に基づく駆動力を前記駆動軸に出力するよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する
ことを特徴とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法では、駆動軸に要求される要求駆動力に基づいて内燃機関から出力すべき機関パワーを設定すると共に所定の制約に基づいてこの設定した機関パワーを出力するための機関運転ポイントを設定し、設定した機関パワーを増減したときに所定の制約に基づいて設定される機関運転ポイントの回転数の変化量に対するトルクの変化量の比である回転数トルク変化量比と所定の条件とに基づいて内燃機関を運転すべき目標運転ポイントを設定し、設定した目標運転ポイントで内燃機関を運転すると共に要求駆動力に基づく駆動力を駆動軸に出力するよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを制御する。前述したように、内燃機関から出力するパワーを増減したときの回転数の変化量に対するトルクの変化量の比である回転数トルク変化量比の大小によって、内燃機関から出力するパワーを増減補正した方が効率が良くなるか否かが定まるため、これにより、内燃機関から出力すべき目標パワーを設定することによって内燃機関の効率を向上させることができ、装置全体の効率を向上させることができる。この結果、内燃機関の運転に対する制約を維持すると共に装置の燃費の向上を図ることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にエンジン22を低回転高トルクの領域で運転した場合に生じるこもり音を抑制してエンジン22を運転制御する際の動作について説明する。図2は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の残容量(SOC),入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される機関要求パワーP*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図3に要求トルク設定用マップの一例を示す。機関要求パワーP*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによって求めることができる。
続いて、設定した機関要求パワーP*が値P1未満の範囲または値P2以上値P3未満の範囲のいずれかの範囲に属するか否かを判定すると共に(ステップS120)、バッテリ50の残容量(SOC)が閾値Sref以下であるか否かを判定する(ステップS130)。ここで、値P1はエンジン22の運転ポイントのうちいわゆるこもり音が生じるパワー範囲の下限近傍のパワーとして設定された値であり、値P3はこもり音が生じるパワー範囲の上限近傍のパワーとして設定された値であり、値P2は値P1と値P3との中間の値である。こもり音を回避してエンジン22を効率よく運転する動作ラインLの一例を図4に示す。図示するように、こもり音が生じる領域は、実施例では低回転高トルクの領域であり、図4の例の動作ラインLはこの低回転高トルクの領域を回避するよう折線状をなしている。即ち、実施例の動作ラインLは、値P1のパワーをエンジン22から効率よく出力するための運転ポイント(回転数N1,トルクT1)からトルクを変化させずに回転数だけ変化させた直線と、値P3のパワーをエンジン22から効率よく出力するための運転ポイント(回転数N3,トルクT3)から回転数を変化させずにトルクだけ変化させた直線とにより低回転高トルクの領域を回避し、その両直線の交点のパワーを値P2としているのである。したがって、機関要求パワーP*が値P1未満の範囲や値P2以上値P3未満の範囲は、機関要求パワーP*の増加に対してエンジン22の運転ポイントは回転数は変化しないがトルクが増加する範囲となる。一方、機関要求パワーP*が値P1以上値P2未満の範囲は、機関要求パワーP*の増加に対してエンジン22の運転ポイントはトルクは変化しないが回転数が増加する範囲となる。これらを言い換えれば、機関要求パワーP*が値P1未満の範囲や値P2以上値P3未満の範囲は機関要求パワーP*の増加に対して回転数の変化量に対するトルクの変化量が大きい範囲であり、機関要求パワーP*が値P1以上値P2未満の範囲は機関要求パワーP*の増加に対して回転数の変化量に対するトルクの変化量が小さい範囲である、と言える。ステップS120の処理は、機関要求パワーP*が値P3未満でパワーの増加に対してエンジン22の運転ポイントが回転数は変化しないがトルクが増加する範囲にあるか否か、或いは、機関要求パワーP*が値P3未満でパワーの増加に対して回転数の変化量に対するトルクの変化量が大きい範囲にあるか否かを判定する処理となる。なお、閾値Srefは、バッテリ50を充電することができる程度の残容量(SOC)として設定されており、例えば、70%や80%などを用いることができる。
機関要求パワーP*が値P1未満の範囲または値P2以上値P3未満の範囲のいずれかの範囲に属すると共にバッテリ50の残容量(SOC)が閾値Sref以下であるときには、機関要求パワーP*に増加パワーΔPを加えたものを要求パワーP*として設定すると共に(ステップS140)、設定した要求パワーPe*と動作ラインLとに基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し(ステップS160)、機関要求パワーP*が値P1未満の範囲または値P2以上値P3未満の範囲のいずれの範囲にも属さないときやいずれかの範囲に属してもバッテリ50の残容量(SOC)が閾値Srefより大きいときには、機関要求パワーP*をそのまま要求パワーP*として設定すると共に(ステップS150)、設定した要求パワーPe*と動作ラインLとに基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS160)。即ち、機関要求パワーP*が値P3未満でパワーの増加に対してエンジン22の運転ポイントが回転数は変化しないがトルクが増加する範囲にあるとき、言い換えれば機関要求パワーP*が値P3未満でパワーの増加に対して回転数の変化量に対するトルクの変化量が大きい範囲にあるときであって、バッテリ50の残容量(SOC)に余裕があるときには、機関要求パワーP*に増加パワーΔPを上乗せして要求パワーPe*を設定し、そうでないときには機関要求パワーP*をそのまま要求パワーPe*に設定するのである。一般に、エンジンは、同一のパワーを出力するときには、摺動摩擦仕事を考慮すると、高回転低トルクの運転ポイントで運転するより低回転高トルクの運転ポイントで運転する方が効率が高くなる。したがって、パワーの増加に対して回転数は変化せずにトルクが増加する運転ポイントでは、パワーを増加した運転ポイントで運転する方がエンジンの効率はよくなる。実施例では、これを考慮して機関要求パワーP*が値P3未満でパワーの増加に対して回転数の変化量に対するトルクの変化量が大きい範囲にあるときに機関要求パワーP*に増加パワーΔPを加えて要求パワーPe*としているのである。なお、増加パワーΔPは、バッテリ50を過大な電力で充電しない程度のパワーとして設定されるものであり、エンジン22の性能やバッテリ50の性能により定めることができる。
次に、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS170)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図5に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、エンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで定常運転したときにエンジン22から出力されるトルクTe*がリングギヤ軸32aに伝達されるトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) (1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(3)および式(4)により計算すると共に(ステップS180)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(5)により計算し(ステップS190)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS200)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*を、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(5)は、前述した図5の共線図から容易に導き出すことができる。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (3)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (5)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS210)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、機関要求パワーP*が値P1未満の範囲または値P2以上値P3未満の範囲のいずれかの範囲に属するとき、即ち、機関要求パワーP*が値P3未満でパワーの増加に対してエンジン22の運転ポイントが回転数は変化しないがトルクが増加する範囲にあるときには、機関要求パワーP*に増加パワーΔPを加えて得られる要求パワーPe*とこもり音領域を回避しながら効率よくエンジン22を運転する動作ラインLとを用いてエンジン22の運転ポイント(目標回転数Ne*と目標トルクTe*)を設定して制御することにより、車両のエネルギ効率を向上させることができる。しかも、バッテリ50の残容量(SOC)が閾値Sref以下であるときにだけ増加パワーΔPによる増加を行なうから、バッテリ50を過充電するのを抑止することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、機関要求パワーP*が値P3未満でパワーの増加に対してエンジン22の運転ポイントが回転数は変化しないがトルクが増加する範囲にあるときには機関要求パワーP*に増加パワーΔPを加えて得られる要求パワーPe*に基づいてエンジン22の運転ポイントを設定するものとしたが、機関要求パワーP*が値P3未満の範囲はエンジン22の回転数が回転数N3未満の範囲ととらえることもできるから、エンジン22の回転数が回転数N3未満でパワーの増加に対してエンジン22の運転ポイントが回転数は変化しないがトルクが増加する範囲にあるときには機関要求パワーP*に増加パワーΔPを加えて得られる要求パワーPe*に基づいてエンジン22の運転ポイントを設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の運転制約として、低回転高トルクの領域で生じるこもり音を低減すると共に効率よく運転する動作ラインに基づいて運転ポイントを設定するものとしたが、こうした制約と異なる制約に基づいてエンジン22の運転ポイントを設定するものとしてもよい。例えば、こもり音以外の異音が生じる領域を回避すると共に効率よく運転する動作ラインに基づいて運転ポイントを設定することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、動作ラインL上でパワーの増加に対してエンジン22の運転ポイントが回転数は変化しないがトルクが増加する範囲にあるときには機関要求パワーP*に増加パワーΔPを加えて得られる要求パワーPe*に基づいてエンジン22の運転ポイントを設定するものとしたが、動作ラインLと異なる動作ライン上でパワーの増加に対してエンジン22の運転ポイントが回転数は変化しないがトルクが減少する範囲すなわちパワーを減少した運転ポイントで運転する方が効率がよくなる範囲にあるときには機関要求パワーP*から所定のパワーΔPを減じて得られる要求パワーPe*に基づいてエンジン22の運転ポイントを設定するものとしてもよい。この場合、閾値Srefは、バッテリ50を放電することができる程度の残容量(SOC)として設定することができ、残容量(SOC)に余裕があるか否かを判定するのに用いられる。こうすれば、車両のエネルギ効率を向上させることができると共にバッテリ50を過放電するのを抑止することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、バッテリ50の残容量(SOC)に余裕があるか否かに基づいて機関要求パワーP*に増加パワーΔPを加えるか否かを判断したが、こうした残容量(SOC)の条件に基づく判断をすることなく、機関要求パワーP*に増加パワーΔPを加えるか否かを判断するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、機関要求パワーP*が値P3未満でパワーの増加に対してエンジン22の運転ポイントが回転数は変化しないがトルクが増加する範囲にあるときには機関要求パワーP*に対し一律に増加パワーΔPを加えて得られる要求パワーPe*を用いてエンジン22の運転ポイントを設定するものとしたが、機関要求パワーP*が値P1未満のときには要求パワーPe*として値P1を設定し、機関要求パワーP*が値P2以上値P3未満のときには要求パワーPe*として値P3を設定するものとしてもよい。こうすれば、パワーの増加に対して回転数は変化せずにトルクが増加する範囲内で最大のトルクを出力する運転ポイントで運転することができるから車両のエネルギ効率をより向上させることができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、こもり音を生じる低回転高トルクの領域を回避するために、パワーの増加に対してトルクの増加なしに回転数が増加するラインと回転数の増加なしにトルクが増加するラインとを用いて動作ラインLを設定したが、図6に例示する変形例の動作ラインL2に示すように、若干のトルクの増加を伴って回転数が急増するラインと若干の回転数の増加を伴ってトルクが急増するラインとを用いて動作ラインを設定するものとしてもよい。この場合、パワーの増加に対して回転数の変化量に対するトルクの変化量の比が所定比以上のときに機関要求パワーP*に増加パワーΔPを加えた値を要求パワーPe*として設定し、回転数の変化量に対するトルクの変化量の比が所定比未満のときに機関要求パワーP*をそのまま要求パワーPe*として設定するものとすればよい。このように、パワーの増加に対して回転数の変化量に対するトルクの変化量の比が所定比以上であるか否かによって機関要求パワーP*に増加パワーΔPを加えた値を要求パワーP*として設定するか機関要求パワーP*をそのまま要求パワーPe*として設定するかを決定するものとすれば、こもり音を生じる低回転高トルクの領域を回避するためのラインは上述した実施例や変形例の折線状のラインでなくても曲線状のラインであっても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図7の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図7における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図8の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
また、こうしたハイブリッド自動車20に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の車両や船舶、航空機などの移動体に搭載される動力出力装置の形態としても構わない。さらに、こうした動力出力装置の制御方法の形態としてもよい。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、動力出力装置や車両の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 一実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22のこもり音回避用動作ラインの一例を示す説明図である。 動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図である。 変形例のエンジン22のこもり音回避用動作ラインの一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b,64a,64b 駆動輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (7)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力を伴って前記出力軸と前記駆動軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、
    前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
    前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
    前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記設定された要求駆動力に基づいて前記内燃機関に要求される機関要求パワーを設定する機関要求パワー設定手段と、
    前記内燃機関の運転領域のうち低回転数高トルクのこもり音が生じるこもり音領域に対応するパワー範囲の上限近傍のパワーおよび下限近傍のパワーを上限パワーおよび下限パワーとすると共に前記こもり音領域を回避して前記内燃機関を効率よく運転する動作ライン上で前記上限パワーに対応する運転ポイントから回転数が略一定でトルクが減少するラインと前記下限パワーに対応する運転ポイントからトルクが略一定で回転数が増加するラインとの交点のパワーを中間パワーとしたときに、前記設定された機関要求パワーが前記下限パワー未満の範囲または前記中間パワー以上前記上限パワー未満の範囲にあるか否かを判定するパワー範囲判定手段と、
    前記パワー範囲判定手段により前記機関要求パワーが前記下限パワー未満の範囲または前記中間パワー以上前記上限パワー未満の範囲にあると判定されたときには前記設定された機関要求パワーを増加したパワーとして前記内燃機関の実行用要求パワーを設定し、前記パワー範囲判定手段により前記機関要求パワーが前記下限パワー未満の範囲にも前記中間パワー以上前記上限パワー未満の範囲にもないと判定されたときには前記設定された機関要求パワーとして前記内燃機関の実行用要求パワーを設定する実行用要求パワー設定手段と、
    前記設定された実行用要求パワーと前記動作ラインとに基づいて前記内燃機関の目標回転数と目標トルクとからなる目標運転ポイントを設定する目標運転ポイント設定手段と、
    前記設定された目標運転ポイントで前記内燃機関が運転されると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 前記実行用要求パワー設定手段は、前記パワー範囲判定手段により前記機関要求パワーが前記下限パワー未満の範囲または前記中間パワー以上前記上限パワー未満の範囲にあると判定されたときには前記設定された機関要求パワーに所定パワーを増加したパワーとして前記内燃機関の実行用要求パワーを設定する手段である請求項記載の動力出力装置。
  3. 前記実行用要求パワー設定手段は、前記内燃機関の回転数が所定回転数未満のときに前記パワー範囲判定手段による判定結果に基づいて前記内燃機関の実行用要求パワーを設定する手段である請求項1または2記載の動力出力装置。
  4. 前記実行用要求パワー設定手段は、前記蓄電手段から放電可能な電力量が所定の電力量範囲のときに前記パワー範囲判定手段による判定結果に基づいて前記内燃機関の実行用要求パワーを設定する手段である請求項1または2記載の動力出力装置。
  5. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力する発電機とを備える手段である請求項1ないしいずれか記載の動力出力装置。
  6. 請求項1ないしいずれか記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に接続されてなる車両。
  7. 内燃機関と、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され電力と動力の入出力を伴って前記出力軸と前記駆動軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    (a)前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づいて前記内燃機関に要求される機関要求パワーを設定し、
    (b)前記内燃機関の運転領域のうち低回転数高トルクのこもり音が生じるこもり音領域に対応するパワー範囲の上限近傍のパワーおよび下限近傍のパワーを上限パワーおよび下限パワーとすると共に前記こもり音領域を回避して前記内燃機関を効率よく運転する動作ライン上で前記上限パワーに対応する運転ポイントから回転数が略一定でトルクが減少するラインと前記下限パワーに対応する運転ポイントからトルクが略一定で回転数が増加するラインとの交点のパワーを中間パワーとしたときに、前記設定した機関要求パワーが前記下限パワー未満の範囲または前記中間パワー以上前記上限パワー未満の範囲にあるか否かを判定し、
    (c)前記機関要求パワーが前記下限パワー未満の範囲または前記中間パワー以上前記上限パワー未満の範囲にあると判定したときには前記設定した機関要求パワーを増加したパワーとして前記内燃機関の実行用要求パワーを設定し、前記機関要求パワーが前記下限パワー未満の範囲にも前記中間パワー以上前記上限パワー未満の範囲にもないと判定したときには前記設定した機関要求パワーとして前記内燃機関の実行用要求パワーを設定し、
    (d)前記設定した実行用要求パワーと前記動作ラインとに基づいて前記内燃機関の目標回転数と目標トルクとからなる目標運転ポイントを設定し、
    (e)前記設定した目標運転ポイントで前記内燃機関を運転すると共に前記要求駆動力に基づく駆動力を前記駆動軸に出力するよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する
    力出力装置の制御方法。
JP2005353815A 2005-12-07 2005-12-07 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法 Expired - Fee Related JP4285475B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005353815A JP4285475B2 (ja) 2005-12-07 2005-12-07 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005353815A JP4285475B2 (ja) 2005-12-07 2005-12-07 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007153233A JP2007153233A (ja) 2007-06-21
JP4285475B2 true JP4285475B2 (ja) 2009-06-24

Family

ID=38238126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005353815A Expired - Fee Related JP4285475B2 (ja) 2005-12-07 2005-12-07 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4285475B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4371152B2 (ja) 2007-06-08 2009-11-25 ソニー株式会社 情報提供システム、情報受信装置、情報提供装置、情報提供方法およびプログラム
JP5387489B2 (ja) * 2010-04-12 2014-01-15 トヨタ自動車株式会社 車両用駆動装置の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007153233A (ja) 2007-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4200988B2 (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP4888154B2 (ja) 車両およびその制御方法
JP4135681B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載するハイブリッド車並びにこれらの制御方法
JP4215043B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法
JP4229105B2 (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP2006242096A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP2005042561A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP4222332B2 (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP2006094691A (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法
JP2006211789A (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法
JP2007069625A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP4466635B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに車両
JP2006094626A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP2006077600A (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法
JP4217234B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法
JP4349466B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法
JP4229125B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法
JP4069849B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法
JP4281731B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに車両
JP4371067B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法
JP4285475B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法
JP2007269093A (ja) 車両およびその制御方法
JP3941769B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに自動車
JP2008162346A (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに車両
JP2007176295A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081021

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090303

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090316

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120403

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120403

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130403

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees