JP6648067B2 - 仕口構造及び建物 - Google Patents

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本発明は、H形鋼の柱と梁とが連結される仕口構造及びそのような仕口構造を有する建物に関する。
従来、この種の仕口構造では、柱の端面にプレートが溶接され、そのプレートが梁のフランジにボルト又は溶接等にて固定されている。また、柱からの力による梁の上下方向の圧縮・引張変形を抑えるために、梁の1対のフランジ間には、補強用スチフナが備えられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−327296号公報(段落[0016]、図2)
しかしながら、地震対策が重要視されている昨今、上述した従来のものより地震に強い仕口構造の開発が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来より地震に強い仕口構造及び建物の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、地震発生時に建物に係る負荷をシミュレーション等により解析すると、仕口の梁が柱から受ける負荷により曲げ・捻り変形することが分かる。しかしながら、仕口の梁が通常時に柱から受ける上下方向の負荷を考慮して、補強用スチフナは、梁のフランジ間のうち柱のフランジと同一の平面内に配置することが技術常識的になっている。そして、従来の地震対策では、柱の数を増やすことで仕口の数を増やしたり、柱と梁の成及び板厚を大きくすることで負荷を分散させている。しかしながら、そうすると、建物の重量が増して地震による負荷が大きくなると共に組み付け作業が増えるという問題が生じる。これらから、本願発明者は、従来の仕口構造では、圧縮・引張変形に対する強度と、曲げ・捻り変形に対する強度とのバランスが悪いと考え、従来の技術常識を覆し、補強用スチフナ同士の間隔を柱の1対のフランジの間隔より拡げて曲げ・捻り変形に対する強度を高くする、という検知を得て本願発明を完成するに至った。
即ち、請求項1の発明は、H形鋼の柱の端面に重ねて溶接されたベースプレートが、H形鋼の梁のフランジに重ねて固定される仕口構造において、前記ベースプレートに備えられ、前記柱から両側方に張り出し、前記梁のフランジに固定される1対のベース張出部と、前記梁の1対のフランジの間に備えられ、前記1対のベース張出部と直交しかつ前記柱の1対のフランジから両外側に離れた架空の1対の第1平面内に位置する補強用スチフナと、前記1対のベース張出部と前記柱の側面との間を接続する補強リブと、各前記ベース張出部の先端部から起立して前記柱の側面と対向しかつ前記補強リブに接続されると共に前記第1平面内に配置されている対向リブと、を有する仕口構造である。
請求項2の発明は、前記柱の1対のフランジを含む架空の1対の第2平面内にスチフナを有しない請求項1に記載の仕口構造である。
請求項3の発明は、前記ベースプレートのうち前記柱のフランジに対する内側部分と外側部分とが、複数のボルトによって前記梁のフランジに固定されると共に、前記第2平面と直交し、前記梁のフランジの内面に宛がわれて、前記複数のボルトの締め付けにより、前記ベースプレートとの間で前記梁のフランジを挟む当て板を備える請求項2に記載の仕口構造である。
請求項の発明は、前記梁は、1対の前記柱によって上下方向から挟まれ、それら1対の柱の前記梁側の端部の構造が同じになっている請求項1乃至の何れか1の請求項に記載の仕口構造である。
請求項の発明は、前記梁の1対のフランジの間には、前記柱の1対のフランジ間の中心面内に梁連結用スチフナが設けられ、前記柱が連結された前記梁とは別のH形鋼の梁のウェブが前記梁連結用スチフナに連結されている請求項1乃至の何れか1の請求項に記載の仕口構造である。
請求項の発明は、複数の住戸が桁行方向に並ぶ二階建て以上の鉄骨構造の集合住宅である建物であって、桁行方向又は梁間方向の一方である第1方向に延びかつ請求項1乃至の何れか1の請求項に記載の仕口構造を複数有する第1梁を、桁行方向又は梁間方向の他方である第2方向に複数備える建物である。
請求項の発明は、前記第1方向は、桁行方向であり、前記建物の桁行方向の両端部と隣り合う前記住戸同士の間とに、請求項1乃至の何れか1の請求項に記載の仕口構造と、梁間方向に延びて前記第1梁同士の間に差し渡された複数の第2梁と、前記第2梁上に配置される耐力壁又は筋交いと、が備えられている請求項に記載の建物である。
請求項の発明は、前記第1方向は、梁間方向であり、桁行方向に延びて前記第1梁同士の間に差し渡された複数の第2梁と、前記第2梁上に配置される耐力壁又は筋交いと、が備えられている請求項に記載の建物である。
請求項1の仕口構造では、梁の1対のフランジ間に備えられる補強用スチフナが、柱の1対のフランジから両外側に離れた架空の1対の第1平面内に配置されている。つまり、柱の1対のフランジと同一の面内に補強用スチフナが配置された従来のものより、梁の長手方向における補強用スチフナ同士の間隔が拡がっている。これにより、柱を捻る負荷を、その捻り中心に対して従来より離れた位置に配置された補強用スチフナで受け止めることができ、捻れ強度が向上する。また、柱を、その柱のウェブを含む面内で曲げる負荷に対しても、その曲げ中心に対して従来より離れた位置に配置された補強用スチフナで受け止めることができ、曲げ強度が向上する。ここで、梁が柱から受ける種々の負荷は、梁のフランジを介して補強用スチフナに伝達される。これに対し、本発明では、単に補強用スチフナ同士の間隔を広げただけではなく、柱の端面に溶接されるベースプレートを、柱の両側方に張り出させて1対のベース張出部とし、それら1対のベース張出部に直交する1対の第1平面内に補強用スチフナを配置したので、梁のうちその梁の長手方向で対向する補強用スチフナの間がベースプレートによって補強され、補強用スチフナを拡げたことによる梁のフランジの負荷の増加を抑えることができる。
これらにより、本発明の仕口構造では、柱から受ける負荷による梁の圧縮・引張変形に対する強度と、曲げ・捻り変形に対する強度とのバランスが向上して、従来より地震に対して強くなる。また、この仕口構造を備えた建物では、従来より柱の数を減らすことができ、建物の軽量化が図られてこのことによっても地震に強くなると共に、組み付け作業を減らすことができる。
請求項の構成のように、ベースプレートにおける1対のベース張出部と柱の側面との間を接続する補強リブを備えれば、ベース張出部の曲げ強度が向上する。またベース張出部の先端部から起立して柱の側面と対向する対向リブを補強リブに接続することで、ベース張出部の捻れ強度も向上する
なお、柱の1対のフランジを含む1対の第2平面内にスチフナを有する構造としてもよいし、有しない構造にしてもよい(請求項2の発明)。第2平面内にスチフナを有しない構造にすれば、請求項3の構成のように、第2平面と直交し、梁のフランジの内面に宛がわれる当て板を備えて、その当て板とベースプレートとの間で梁のフランジを挟むようにボルトを締め付けて柱と梁とを連結することができる。
また、本発明の仕口構造は、梁の下方のみに柱を有する仕口(例えば、天井梁を支持する梁と柱との仕口)や、梁の上方のみに柱を有する仕口(例えば、地中梁を支持する梁と柱との仕口)に適用してもよいし、請求項の構成のように、梁の上下に柱を備えた仕口に適用することで、複数階建て構造の建物を地震に強くすることができる。
請求項の仕口構造では、梁と別の梁とを連結する梁連結用スチフナによっても、梁を補強することができる。
請求項の集合住宅である建物では、桁行方向又は梁間方向の一方である第1方向に平行に延びる複数の第1梁により、建物全体が地震に対して強くなる。また、請求項及び請求項の構成によれば、第1梁同士の間に差し渡された複数の第2梁に複数の耐力壁又は筋交いが備えられているので、建物全体の強度のバランスが向上し、地震に対してより一層強くなる。
本発明の第1実施形態に係る建物の斜視図 建物の平断面図 建物の一部を拡大した平断面図 図2のA−A断面における建物の側断面図 図2のB−B断面における建物の側断面図 仕口の側面図 仕口の平断面図 仕口の側断面図 筋交いの一部を示した側断面図 (A)第2実施形態の仕口の側面図、(B)その平断面図 (A)第3実施形態の仕口の側面図、(B)その平断面図 (A)第4実施形態の仕口の側面図、(B)その平断面図 (A)第5実施形態の仕口の側面図、(B)その平断面図 第6実施形態の建物の平断面図 本発明の変形例に係る建物の側断面図
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。図1には建物10の一例が示されている。この建物10は、鉄骨3階建での集合住宅であって、桁行方向Xに長い略直方体状をなしている。
建物10の各階層の構造は略同一になっていて、図2に示すように桁行方向Xで4つの住戸11に分割され、それら住戸11を連絡する通路12が、建物10の一方の長側面に備えられると共に、階層間の通路12を連絡する階段13が建物10の一方の短側面に備えられている。なお、建物10の他方の短側面側の住戸11には、通路12側に張り出した拡張部屋11Bが備えられている。また、建物10の他方の長側面には、中央の2つの住戸11に相当する部分を外側に僅かに張り出させてなる前面張出部10Aが設けられている。
以下、建物10のうち前面張出部10Aを有する側を「前側」又は「前面側」等といい、通路12を有する側を「後側」又は「後面側」等ということとする。
図2に示すように、建物10は、拡張部屋11Bの周辺部分を除き、桁行方向Xで略面対称になっていて、図3には、その対称面より左側半分が拡大して示されている。
建物10の躯体は、主として複数のH形鋼の梁及び柱で構成されている。また、梁の全ては、H形鋼の1対のフランジが上下方向で対向した状態で使用され、柱は、桁行方向Xの両端前寄り位置の柱30Aを除き、全て、H形鋼の1対のフランジが桁行方向Xで対向した状態で使用されている。なお、桁行方向Xの両端前寄り位置の柱30Aは、H形鋼の1対のフランジが梁間方向Yで対向している。
図2に示すように、一部複数の梁は、第1梁20として建物10の桁行方向Xの全体に亘って連続して延びている。ここで、「連続して延びる」とは、第1梁20が柱によって分断されることなく連続して延びるということを意味し、第1梁20は、搬送の便宜上、複数のH形鋼を公知な連結構造(図4参照)で連結してなる。
具体的には、第1梁20は、建物10の上端及び下端及び各階層間に同じように配置され、住戸11の梁間方向Yのうち、少なくとも通路12との境界である後端と、後端寄り位置と略中央とを含む複数位置に設けられている。また、各第1梁20に対する柱30は、少なくとも各第1梁20の長手方向の両端部と、隣り合う住戸11,11同士の境界部分とを含む複数位置に配置されている。そして、図4に示すように、第1梁20と柱30とが交差する仕口19に本発明に係る仕口構造が適用されている。
図6〜図9には、建物10の階層間において第1梁20に上下から柱30,30が連結された仕口19が拡大して示されている。階層間の仕口19を構成する柱30のH形鋼と第1梁20のH形鋼とは大きさが異なり、例えば、柱30のウェブ32の幅は、第1梁20のウェブ22の幅に比べて70〜90%の大きさをなし、図7に示すように柱30のフランジ31の幅は、第1梁20のフランジ21の幅に比べて、例えば、70〜90%の大きさをなしている。
柱30の端面には、第1梁20のフランジ21と略同一の幅の短冊状をなしたベースプレート33が重ねて溶接されている。ベースプレート33の長さは、柱30のフランジ31の幅の1.5〜2.5倍(より具体的には、略2倍)の長さをなして、第1梁20の長手方向に延びている。また、図6に示すように、ベースプレート33の板厚は、第1梁20のフランジ21の板厚の2〜5倍程度になっている。
柱30は、ベースプレート33の長手方向及び幅方向の中央に配置されて溶接されている。そして、ベースプレート33のうち柱30から両側方に張り出した部分よって本発明に係る1対のベース張出部34,34が形成されている。
各ベース張出部34の幅方向の中央からは補強リブ35が起立し、ベース張出部34の先端部からは対向リブ36が起立している。対向リブ36は、柱30のフランジ31と略同じ幅の四角形の板状をなしてベース張出部34に溶接され、フランジ31に対して平行になって対向している。また、補強リブ35は、対向リブ36と同じ高さの四角形の板状をなして柱30のウェブ32と同一面内に配置されて、柱30のフランジ31とベース張出部34と対向リブ36とに溶接されている。なお、対向リブ36の板厚は、柱30のフランジ31の板厚と略同一で、補強リブ35の板厚は、柱30のウェブ32の板厚と略同一になっている。
ベースプレート33は、第1梁20のフランジ21に全体を重ねられた状態で複数のボルトBで固定されている。そのための複数のボルト挿通孔37がベースプレート33と第1梁20のフランジ21とに形成されている。図7に示すように、ボルト挿通孔37は、柱30と各対向リブ36との間において、それぞれ補強リブ35を間に挟んで2行2列に配置されている。また、柱30のフランジ31,31の間には、それぞれ各フランジ31寄り位置において、ウェブ32の両側に1つずつ配置されている。そして、フランジ31の外側の2つのボルト挿通孔37とフランジ31の内側の1つのボルト挿通孔37とが同一直線上に並んでなる3つずつのボルト挿通孔37のグループが4つ形成されている。
第1梁20のフランジ21の内面には、ボルト挿通孔37の各グループ毎に当て板38が宛がわれている。図6に示すように、当て板38は、後述する梁連結用スチフナ23と補強用スチフナ24との間に溶接のビードを避けて丁度収まる長さをなし、その板厚は、第1梁20のフランジ21の板厚の2〜5倍程度になっている。さらに、各当て板38には、1つのグループのボルト挿通孔37(即ち、3つのボルト挿通孔37)が一列に形成されている。そして、当て板38が第1梁20のフランジ21の内面に宛がわれ、その当て板38側からボルト挿通孔37にボルトBが通されてナットNと螺合され、これにより柱30が第1梁20に固定されている。
第1梁20の1対のフランジ21,21の間には、第1梁20のウェブ22を挟んだ両側に1対ずつ計4つの補強用スチフナ24が備えられている。補強用スチフナ24の板厚は、第1梁20のフランジ21の板厚の1.5〜2倍程度になっている。そして、図7に示すように、ベースプレート33の長手方向の両端部に直交する第1平面内に補強用スチフナ24が配置されて、第1梁20の1対のフランジ21,21とウェブ22とに溶接されている(図8参照)。また、図7に示すように、対向リブ36と補強用スチフナ24とは、上下方向から見て部分的に重なるように配置されている。即ち、補強用スチフナ24と対向リブ36とは、略同一の平面(本発明に係る「第1平面」に相当する)内に配置されている。
図3に示すように、少なくとも建物10の桁行方向の両端部と、隣り合う住戸11,11の境界部分とに位置する仕口19には、それぞれ第1梁20に直交する第2梁25が連結されている。そのような仕口19には、第1梁20の1対のフランジ21,21の間に梁連結用スチフナ23が備えられている。
図9に示すように、梁連結用スチフナ23は、補強用スチフナ24と同一形状をなして第1梁20のフランジ21,21に収まる本体部23Hと、本体部23Hのうち第1梁20のウェブ22とは反対側の縁部における上下方向の中間部から延設された連結突片23Aとからなる。また、連結突片23Aには、1対のボルト挿通孔23Bが上下に並べて設けられている。また、図7に示すように、梁連結用スチフナ23の板厚は、第1梁20のフランジ21の板厚と略同一程度になっている。
そして、梁連結用スチフナ23は、柱30の1対のフランジ31,31の中央でフランジ31と平行になった平面内に配置され、第1梁20の1対のフランジ21,21とウェブ22とに直交した状態に溶接されている。また、第2梁25の端部のウェブ27にも、1対のボルト挿通孔23Bが形成されている。そして、梁連結用スチフナ23の連結突片23Aが第2梁25のウェブ27に一側方から重ねられた状態で第2梁25及び梁連結用スチフナ23の連結突片23Aにボルトが通されてナットと螺合され、これにより梁連結用スチフナ23に第2梁25が連結されている。
図3に示すように、建物10の桁行方向Xにおける両端部と、隣り合う住戸11,11同士の境界部分とには筋交い50が設けられている。筋交い50は、住戸11の後端寄り位置の第1梁20上の柱30と住戸11の略中央の第1梁20上の柱30との間と、住戸11の略中央の第1梁20上の柱30とその柱30より前側の柱30との間とに設けられている。
図5に示すように、筋交い50は、梁間方向Yで対向する柱30,30における上下方向の中央に差し渡された中間梁51を有する。中間梁51は、H形鋼で構成されて、そのH形鋼の1対のフランジは上下方向で対向している。そして、中間梁51の両端部は、柱30のフランジ31のうち幅方向の中央に溶接されたプレートにボルト止めされるか、又は、柱30のフランジ31に溶接されている。
中間梁51の長手方向の中央と両端部との間に位置する2箇所には、上下の両面に連結板54が溶接されて突出している。また、第2梁25とフランジ31とのコーナー部には連結板53が固定され、連結板54と同一平面内に配置されている。図9に示すように、連結板53は、第2梁25のフランジ26に重ねられた状態でボルト止めされた固定板55と柱30のフランジ31とに溶接されている。そして、図5に示すように、上下方向に対して傾斜して延びるチャンネル材で構成された連結バー52が連結板53と連結板54との間に差し渡されてボルト止めされている。以上のようにして筋交い50が構成されている。
本実施形態の仕口19の構造及び建物10に関する説明は以上である。次に、これら仕口19の構造及び建物10の作用効果について説明する。
図2に示すように、この建物10には、桁行方向Xの全体に延びる第1梁20が梁間方向Yの複数箇所に設けられ、それら各第1梁20と柱30との仕口19の構造に本発明が適用されている。これにより、以下詳説するように建物10全体の強度のバランスが向上し、地震に対してより一層強くなる。
即ち、本発明に係る仕口19の構造では、図6に示すように、第1梁20の1対のフランジ21,21間に備えられる補強用スチフナ24が、柱30の1対のフランジ31,31から両外側に離れた架空の1対の第1平面内に配置されている。つまり、柱の1対のフランジと同一の面内に補強用スチフナが配置された従来のものに比べ、第1梁20の長手方向における補強用スチフナ24,24同士の間隔が拡がっている。これにより、柱30を捻る負荷を、その捻り中心に対して従来より離れた位置に配置された補強用スチフナ24で受け止めることができ、捻れ強度が向上する。また、柱30を、桁行方向Xに曲げる負荷に対しても、その曲げ中心に対して従来より離れた位置に配置された補強用スチフナ24で受け止めることができ、曲げ強度が向上する。
ここで、第1梁20が柱30から受ける種々の負荷は、第1梁20のフランジ21を介して補強用スチフナ24に伝達される。これに対し、本実施形態の仕口19の構造では、単に補強用スチフナ24,24同士の間隔を広げただけではなく、柱30の端面に溶接されるベースプレート33を、柱30の両側方に張り出させて1対のベース張出部34,34とし、それら1対のベース張出部34,34に直交する1対の第1平面内に補強用スチフナ24を配置したので、第1梁20のフランジ21うちその第1梁20の長手方向で対向する補強用スチフナ24の間がベースプレート33によって補強される。しかも、ベース張出部34は、その先端部から起立して柱30の側面と対向する対向リブ36と、対向リブ36とベース張出部34と柱30の側面との間を連絡する補強リブ35とによって補強されている。また、第1梁20のフランジ21の内面には、柱30のフランジ31の内外に亘る範囲に当て板38が宛われ、その当て板38とベースプレート33とに第1梁20のフランジ21が挟まれている。これらにより、補強用スチフナ24を拡げたことによる第1梁20のフランジ21の負荷を増加を抑えることができる。また、第2梁25が連結された仕口19では、その第2梁25を連結するための梁連結用スチフナ23によっても第1梁20が補強される。
以上により、本実施形態の仕口19の構造では、柱30から受ける負荷による第1梁20の圧縮・引張変形に対する強度と、曲げ・捻り変形に対する強度とのバランスが向上して、従来より地震に対して強くなる。また、この仕口19の構造を備えた建物10では、従来より柱30の数を減らすことができ、建物10の軽量化が図られ、このことによっても地震に強くなると共に、組み付け作業を減らすことができる。さらには、桁行方向Xを向いた負荷に対する建物10の強度は、上記した仕口19群によって強化されるのに対し、梁間方向Yを向いた負荷に対する建物10の強度は、筋交い50によって強化されるので、この点によっても建物10全体の強度のバランスが向上し、地震に対してより一層強くなる。
[第2実施形態]
図10には、本発明の第2実施形態に係る仕口19Aの構造が示されている。本実施形態の仕口19Aは、前記第1実施形態の仕口19における対向リブ36を排除し、補強リブ35Aが三角形になって、柱30の側面とベース張出部34とを接続している。
[第3実施形態]
図11には、本発明の第3実施形態に係る仕口19Bの構造が示されている。この仕口19Bには、梁連結用スチフナ23が設けられておらず、当て板38Aが補強用スチフナ24,24の間の略全体に亘って延びている。また、この仕口19Bでは、対向リブ36Bが、ベース張出部34の先端ではなく中間部分に配置されて、補強リブ35Bと直交している。そして、ボルト挿通孔37がベース張出部34のうち補強リブ35Bと対向リブ36Bとによって仕切られた4つの領域にそれぞれ配置されている。
[第4実施形態]
図12には、本発明の第4実施形態に係る仕口19Cの構造が示されている。この仕口19Cでは、補強リブ35及び対向リブ36の上端に、対向リブ36と同じ幅の天井板39Aが重ねられて溶接されている。また、柱30のフランジ31,31の間には、天井板39Aと同一平面内にスチフナ39Bが配置されて溶接されている。なお、ボルトB及びナットNの螺合作業を考慮して、補強リブ35及び対向リブ36は第1実施形態より高くなっている。
[第5実施形態]
図13には、本発明の第5実施形態に係る仕口19Dの構造が示されている。この仕口19Dは、ベースプレート33と同じ長さの当て板38Bを備えている。そして、上下で対向するベースプレート33,33の間に1対の補強用スチフナ24,24と梁連結用スチフナ23とを溶接してユニット19Uが構成され、そのユニット19Uが第1梁20のウェブ22の両側に嵌め込まれた状態で柱30のベースプレート33と共にボルト止めされている。
[第6実施形態]
図14には、本発明の第6実施形態に係る建物10Wの構造が示されている。この建物10Wでは、第1梁20が梁間方向Yに連続して延びていて、第1梁20と柱30とが交差する仕口19に本発明に係る仕口構造が適用されている。また、建物10Wの桁行方向に延びた第2梁25には、筋交い50が設けられている。なお、図14においては、第1梁20に相当する部分にハッチングを付して明示してある。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1実施形態の建物10の筋交い50に代えて、耐力壁を備えた構成にしてもよい。
(2)また、図15に示すように、建物10の上層階に向かって筋交い50の数が徐々に減るように構成してもよい。
(3)また、前記第1実施形態の建物10には、補強リブ35及び対向リブ36が備えられていたが、ベース張出部34上に補強リブ35及び対向リブ36を有さない構成としてもよい。
10 建物
11 住戸
19,19A〜19D 仕口
20 第1梁
21 フランジ
22 ウェブ
23 梁連結用スチフナ
24 補強用スチフナ
25 第2梁
26 フランジ
27 ウェブ
30 柱
31 フランジ
32 ウェブ
33 ベースプレート
34 ベース張出部
35,35A,35B 補強リブ
36,36B 対向リブ
38 ,38A,38B 当て板
50 筋交い
X 桁行方向
Y 梁間方向

Claims (8)

  1. H形鋼の柱の端面に重ねて溶接されたベースプレートが、H形鋼の梁のフランジに重ねて固定される仕口構造において、
    前記ベースプレートに備えられ、前記柱から両側方に張り出し、前記梁のフランジに固定される1対のベース張出部と、
    前記梁の1対のフランジの間に備えられ、前記1対のベース張出部と直交しかつ前記柱の1対のフランジから両外側に離れた架空の1対の第1平面内に位置する補強用スチフナと、
    前記1対のベース張出部と前記柱の側面との間を接続する補強リブと、
    各前記ベース張出部の先端部から起立して前記柱の側面と対向しかつ前記補強リブに接続されると共に前記第1平面内に配置されている対向リブと、を有する仕口構造。
  2. 前記柱の1対のフランジを含む架空の1対の第2平面内にスチフナを有しない請求項1に記載の仕口構造。
  3. 前記ベースプレートのうち前記柱のフランジに対する内側部分と外側部分とが、複数のボルトによって前記梁のフランジに固定されると共に、
    前記第2平面と直交し、前記梁のフランジの内面に宛がわれて、前記複数のボルトの締め付けにより、前記ベースプレートとの間で前記梁のフランジを挟む当て板を備える請求項2に記載の仕口構造。
  4. 前記梁は、1対の前記柱によって上下方向から挟まれ、それら1対の柱の前記梁側の端部の構造が同じになっている請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の仕口構造。
  5. 前記梁の1対のフランジの間には、前記柱の1対のフランジ間の中心面内に梁連結用スチフナが設けられ、前記柱が連結された前記梁とは別のH形鋼の梁のウェブが前記梁連結用スチフナに連結されている請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載の仕口構造。
  6. 複数の住戸が桁行方向に並ぶ二階建て以上の鉄骨構造の集合住宅である建物であって、
    桁行方向又は梁間方向の一方である第1方向に延びかつ請求項1乃至5の何れか1の請求項に記載の仕口構造を複数有する第1梁を、桁行方向又は梁間方向の他方である第2方向に複数備える建物。
  7. 前記第1方向は、桁行方向であり、
    前記建物の桁行方向の両端部と隣り合う前記住戸同士の間とに、
    請求項1乃至5の何れか1の請求項に記載の仕口構造と、
    梁間方向に延びて前記第1梁同士の間に差し渡された複数の第2梁と、
    前記第2梁上に配置される耐力壁又は筋交いと、
    が備えられている請求項6に記載の建物。
  8. 前記第1方向は、梁間方向であり、
    桁行方向に延びて前記第1梁同士の間に差し渡された複数の第2梁と、
    前記第2梁上に配置される耐力壁又は筋交いと、
    が備えられている請求項6に記載の建物。
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