JP6645943B2 - 街路構造および街路付帯工作物 - Google Patents

街路構造および街路付帯工作物 Download PDF

Info

Publication number
JP6645943B2
JP6645943B2 JP2016194169A JP2016194169A JP6645943B2 JP 6645943 B2 JP6645943 B2 JP 6645943B2 JP 2016194169 A JP2016194169 A JP 2016194169A JP 2016194169 A JP2016194169 A JP 2016194169A JP 6645943 B2 JP6645943 B2 JP 6645943B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
street
sidewalk
pedestrian
road
roadway
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016194169A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018053661A (ja
Inventor
佐川 就一
就一 佐川
中村 浩人
浩人 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Jushi Corp
Original Assignee
Sekisui Jushi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Jushi Corp filed Critical Sekisui Jushi Corp
Priority to JP2016194169A priority Critical patent/JP6645943B2/ja
Publication of JP2018053661A publication Critical patent/JP2018053661A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6645943B2 publication Critical patent/JP6645943B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Road Paving Structures (AREA)
  • Refuge Islands, Traffic Blockers, Or Guard Fence (AREA)

Description

本発明は、市街地等に設けられる、車道と歩道とを備えた街路の構造と、その街路に設置される街路付帯工作物に関する。
自動車交通の発達に伴い、従来の一般的な幹線道路は、自動車と歩行者との交通空間を分離して、互いの安全と円滑な移動を担保しようとする歩車分離の考え方に基づいて整備されてきた。しかし、その考え方に基づいて形成された自動車のための交通空間では、結果的に自動車の通行量が増加して渋滞を招いたり、場所によっては自動車の走行速度が上昇したりして、交差点や横断歩道、沿道施設への出入口など、自動車と歩行者の動線が交差する場所における互いの接触事故がなかなか無くならない状況が続いていた。
かかる状況のもと、歩車分離から歩車共存へと考え方を転換して、自動車と歩行者とが道路空間を共有することで交通の静穏化を図ろうとする概念が1970年代に登場した。その発端は、オランダの「ボンエルフ」である。生活道路を蛇行させるなどして自動車の走行速度を下げさせるというその手法は、わが国においても「コミュニティ道路」という名称で、全国数百か所の住宅地や商店街に導入されてきた(例えば、特許文献1)。
そして近年、特に都市部においては、環境志向や健康志向の高まりを背景に、自動車への依存度を下げて、歩行者や自転車を主体とする街路空間を形成しようとする取組みが増えつつある。具体的には、個々の道路を、自動車の走行や貨物車の荷捌き等の円滑性を重視して整備される自動車主体の道路と、歩行者および自転車にとっての安全性や快適性を重視して整備される歩行者主体の道路のいずれかに色分けし、後者については、歩道の幅員を優先的に確保し、路面の段差を小さくして車椅子やベビーカー等の通行を容易にしたり、ベンチや植栽ボックス、各種案内板、駐輪スタンド、屋外彫刻その他のストリートファニチャーを設置したりして、魅力的な街並みを形成することにより、来街者の回遊性や滞留性を高めて賑わいを創出しようとするものである。例えば特許文献2、3には、そのような目的にも活用できるストリートファニチャーとして、防護柵と一体化されたベンチが提案されている。
特開2002−220805号公報 特開平9−78543号公報 特開2001−245752号公報
本発明は、前述のような社会的要請に応えるべく着想されたものであって、その目的は、特に商業施設、業務施設、居住施設等が集積する都市部の街路に、自動車の交通空間から安全に区画された歩行者のための滞留スペースを設け、その滞留スペースを、例えば沿道施設と一体的に活用することも可能にして賑わいを創出することにより、来街者が快適に散策や買物を楽しむことができる魅力的な街並みを形成することにある。そして、かかる目的を達成するために本発明は、歩行者がゆったりと安全に寛げる滞留スペースを合理的に設けた街路構造と、該滞留スペースを設けるために街路に設置される、仮設式の街路付帯工作物を提供することを具体的課題とする。
なお、本発明の「車道」には、公道だけでなく、例えばショッピングセンターや公共施設の大型駐車場(車路および駐車区画)等、私道に属する自動車の交通空間も含む。
前述の目的を達成するために本発明の街路構造は、車道の少なくとも片側に幅員4m以上の歩道が並設された街路の、当該車道と歩道とを区分する歩車境界に沿って歩行者用滞留スペースが設けられた街路構造であって、前記歩行者用滞留スペースは、当該街路の延設方向を長辺とする平面視略矩形の領域に設けられて、前記街路の延設方向に交差する幅が2m以上かつ前記歩道の幅員の半分以下に設定され、前記領域上には前記歩道の舗装面とは材質を異にする歩行床が設けられるとともに、ベンチ、椅子、段差等の腰掛け部が備えられ、前記領域の車道側の長辺の全部と、該長辺に接続する一方または両方の短辺のうち車道側1.5m以上の部分が、前記歩行床の表面から1m以上の高さまで立ち上がる車両防護体によって途切れなく包囲された、との基本的構成を採用する。
この基本的構成によれば、歩車境界に沿って設けられる歩行者用滞留スペースの車道側の三辺が好ましい高さの車両防護体によって途切れなく囲まれるので、その内側は車道を走行する自動車から安全に防護された、寛ぎやすい空間となる。なお、ここでの「平面視略矩形」とは、街路の延設方向に交差する幅が略一様で、その幅よりも街路の延設方向に沿う長さが十分に(目安として1.5倍程度以上)大きい平面形状を意味しており、街路の延設方向に沿う長辺に対して短辺が直交する形状のほか、角部が隅切りされた形状、短辺が長辺に対して斜めまたは曲線的に接続する形状、長辺(街路の延設方向)自体が緩くカーブしている形状、さらにそれらの一部分が多少変形した形状等を包含する。また、ここでの「途切れなく」とは、人が横切って出入りできない、という意味である。車道を走行する自動車に対する安全性が十分に担保されていれば、車両防護体自体に小さい孔部や隙間等があっても差し支えないが、その孔部や隙間は、例えば小児や散歩中の犬が潜り抜けて車道側に飛び出すおそれのない大きさであることが望ましい。このような要件を具備して形成される歩行者用滞留スペースにベンチ、椅子、段差その他適宜の腰掛け部が備えられることにより、この空間を休憩や団らん、軽い飲食等に利用することが可能になる。
さらに、本発明の街路構造は、前述の基本的構成に加えて、前記車道と前記歩道との間に、前記車道に連通する停車帯が、前記歩道の一部を切り込むようにして設けられており、前記停車帯の上に前記歩行者用滞留スペースが仮設状態で設けられた、との構成を採用する。
この構成は、車道部分の路端に、歩道の一部を切り込んだ形状の停車帯が設けられている既存の街路において、例えば街路の利用態様の変更やイベント開催等の事情により、一時的に停車帯をつぶして、その上に歩行者用滞留スペースを仮設することを想定したものである。この発明において「仮設状態」とは、既存の街路の舗装面に掘り返しや杭打ち等を施さず、舗装面を保存したまま上物を載置し、その上物は、適宜、解体して取り除くだけで短期間に撤去することができ、撤去後は再舗装等の大掛かりな修復作業を要することなく、舗装面を再利用することができるような設置状態、という意味である。このような構成を採用すれば、歩道および車道の有効幅員を減じることなく、歩道側から利用可能な歩行者のための滞留スペースを、歩道の一部として新たに設置することができる。これにより、既存の街路を、より歩行者に配慮した形態へと手軽に改変することができるとともに、その原状回復も容易になる。
そして、前述の道路構造を実現するため、本発明の街路付帯工作物は、車道の少なくとも片側に歩道が並設された街路の、当該車道と歩道とを区分する歩車境界に沿って、歩行者用滞留スペースを設けるために仮設状態で設置される街路付帯工作物であって、当該街路の延設方向を長辺とする平面視略矩形の領域に設けられる、前記歩道の舗装面とは材質を異にする歩行床と、前記領域に備えられるベンチ、椅子、段差等の腰掛け部と、前記領域の車道側の長辺の全部と該長辺に接続する一方または両方の短辺のうち車道側1.5m以上の部分とを途切れなく包囲する車両防護体と、を具備し、前記車両防護体は、前記歩行床の表面から1m以上の高さまで立ち上げられた、との基本的構成を採用する。
この基本的構成によって形成される歩行者用滞留スペースは、車道側の三辺が適度な高さの車両防護体によって途切れなく囲まれ、車道を走行する自動車から安全に防護された、寛ぎやすい空間になる。
さらに、本発明の街路付帯工作物は、前記歩行者用滞留スペースに敷設される歩行床が、下面側に高さ調整手段を具備する所定形状の床材パネルを相互に連結して当該街路の舗装面上に敷設することにより形成され、前記歩行床の一部に、前記歩道の舗装面に連続するスロープが形成された、との構成を採用する。
これによれば、歩行者用滞留スペースに、高い精度の平坦性を備えた美麗な歩行床を効率よく形成することができる。そして、スロープを備えたその歩行床は、車椅子利用者を含む歩行困難者や、ベビーカー、大型キャリーケース等の利用者にとっても利用しやすい領域になる。
さらに、本発明の街路付帯工作物は、前述の基本的構成における前記車両防護体が、前記車道または前記歩道の舗装面上に、複数個を互いに連結した状態で載置されるコンクリート製の基礎ブロックと、前記複数個の基礎ブロックの連結体に適宜間隔で立設される複数本の柵柱と、前記柵柱間に架け渡される柵部材と、前記柵柱および前記柵部材の内外両側面を囲むようにして建て込まれる支持枠体と、前記支持枠体に取り付けられて前記柵柱および前記柵部材を被覆する化粧板材と、を含んで構成されるものとする。
これにより、歩行者用滞留スペースを包囲する車両防護体を、簡易でありながらも自動車の衝突に対して高い強度を備えた構造とすることができ、さらに、その外観も端正に仕上げることができる。
さらに、本発明の街路付帯工作物は、前記車両防護体を構成する前記基礎ブロックが、その下面に高さ調整用のスペーサを介装することにより、路面の高低差を跨いで略均等な高さに設置されるものとする。これにより、街路の歩車境界を跨ぐ部分にも車両防護体を精度よく設置することができる。
さらに、本発明の街路付帯工作物は、前記車両防護体の上部構造について、内外両面に立設される前記化粧板材の上部同士が、前記支持枠体の上部横架材を介して内外方向に結合され、前記上部横架材と前記内外両面の化粧板材の上部とによって囲まれた凹所内に植栽容器が設置された、との構成を採用する。
これにより、車両防護体の上部に、簡素な構造でボリューム感のある植栽スペースを設けることができる。この植栽は、車両防護体の上部を隠ぺいして柔和な外観を形成し、歩行者に憩いを提供する、また、前記凹所に植栽容器を載せ降ろしすることで、植栽のメンテナンスも容易に行うことができる。
前述のように構成される本発明の街路構造は、車道と歩道とを区分する歩車境界に沿って歩行者用滞留スペースが設けられており、その歩行者用滞留スペースは、車道側の三辺が車両防護体によって途切れなく囲まれた、安全で寛ぎやすい空間となる。この歩行者用滞留スペースは、ベンチや椅子、テーブルを設置するなどして、休憩や団らん、軽い飲食に供することができる。また、沿道の商業施設等と関係づけて一体的に活用することも可能である。このような歩行者用滞留スペースを街路の適所に設置すれば、来街者が、より快適に散策や買物を楽しむことができるようになり、街路の賑わいが創出されて、街並みの魅力が増大する。
また、本発明の街路付帯工作物および施工方法によれば、前述の歩行者用滞留スペースを、簡素にして合理的な構造で、短期間に設置することができる。さらに、その撤去も容易に行うことができる。
本発明が実施される街路の、実施前の利用態様(a)および実施後の利用態様(b)を示す断面図ある。 本発明の実施の形態に係る歩行者用滞留スペースの全体イメージを示す斜視図である。 前記歩行者用滞留スペースを構成する街路付帯工作物の平面図である。 同、街路付帯工作物の車道側の部分立面図である。 同、街路付帯工作物の断面図である。 前記街路付帯工作物を構成する基礎ブロックの斜視図である。 前記街路付帯工作物の施工方法(前半)を順に示す斜視図である。 前記街路付帯工作物の施工方法(後半)を順に示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1(a)は、本発明が適用される街路の具体例を示す。例示の街路は、図中右側に車道11、左側に歩道12が並設された既存の街路の一部である。車道11は、幅約3mの車線を2レーン以上有している。車道11と歩道12との間には、車道11の路面に連続する停車帯13が断続的に設けられている。停車帯13は、歩道12の一部を平面視略台形状に切り込むようにして設けられており(図3参照)、歩道12側への切り込み深さは、路端の街渠(幅0.5m)を含めて約1.5mである。また、街路の延設方向に沿う停車帯13の長さは10〜20mである。歩道12の幅は、停車帯13を除いて約6m、停車帯13が設けられていない部分では約7.5mである。ただし、例示の街路幅は一例であって、少なくとも車道11の片側に4m以上の幅員を有する歩道12が並設されていれば、車道11の幅員、車線数、自動車の進行方向等には制限されずに本発明を適用することが可能である。
本発明は、このような街路の車道11と歩道12とを区分する歩車境界(図中の▽印)に沿って、当該街路の延設方向を長辺とする平面視矩形の領域に歩行者用滞留スペース2を設けることを要部とする。図1(b)は、図1(a)に示した街路の停車帯13の上に歩行者用滞留スペース2を仮設する場合の設置範囲を示している。
例示形態にかかる歩行者用滞留スペース2は、歩道12と停車帯13との境界(図中左側の▽印)から、停車帯13側に約1.5m、歩道12側に約2m、合わせて約3.5mの幅の範囲にわたって設置されている。歩道12の一部が歩行者用滞留スペース2に占有されることで、歩道12の残余幅は、約4mになる。歩道12上を、荷物を持った歩行者、自転車、車椅子、ベビーカー等が無理なく往来できるためには、歩行者用滞留スペース2を設置した状態で、歩道12の有効幅員が最低でも2m、可能ならば4m以上、確保されることが望ましい。
歩道12の幅員に余裕がない場合、歩行者用滞留スペース2は、その幅を縮小するか、あるいは、車道11側へ、さらにせり出して設置されることになる。ただし、歩行者用滞留スペース2自体の空間的な作用効果を好ましく得るためには、街路の延設方向に交差する歩行者用滞留スペース2の幅が2m以上確保されることが望ましい。
一方、歩道12の幅員に余裕がある場合は、それに応じて、歩行者用滞留スペース2の幅を拡張することもできる。ただし、その場合でも、歩行者用滞留スペース2の幅は、歩行者用滞留スペース2を設置する前の歩道12の幅員の半分以下にとどめて、歩道12の残余幅を超えないようにするのが実用的には好ましい。
図2は、歩行者用滞留スペース2の全体イメージを示し、図3〜図6は、歩行者用滞留スペース2を構成する街路付帯工作物20の概略的な構造を示す。歩行者用滞留スペース2は、街路の延設方向を長辺とする平面視略矩形の領域に設けられる。街路の延設方向に沿う長辺の長さは、停車帯13の長さとほぼ同じである。
この領域には、歩道12の舗装面とは材質を異にする歩行床3が設けられる。歩行床3は、例えば正方形等の所定形状に形成された床材パネル31を相互に連結して形成される(図8(b)参照)。床材パネル31は、例えば簀子状に形成されたアルミ合金製のパレット32の上面に、木材や人工木材等からなるデッキ材33を張設するなどして形成される。例示形態では、歩行床3が歩道12と停車帯13とに跨って敷設されるため、各床材パネル31の裏面に高さ調整手段としてのアジャスタ34が取り付けられて、歩行床3の表面が略水平になるように調整されている。歩行床3の周縁には、表面が傾斜した見切り材35(図5参照)が敷設される。また、歩行床3の隅部には、歩道12の舗装面に連続する緩傾斜のスロープ36が形成されている。
この領域の車道11側の長辺と、該長辺に接続する一方の短辺または両方の短辺は、車両防護体4によって包囲される。ここで「一方の短辺」とは、車道11上の車両進行方向に対面する側の短辺である。つまり、図3において、車道11における車両進行方向が右向きの場合には、車両防護体4は、左側の短辺を必ず含んで設置される。
車両防護体4は、歩行者用滞留スペース2を自動車の衝突等から防護するための構造物である。したがって、物理的な安全性を備えるとともに、歩行者用スペースの利用者に心理的な安心感を与えるように構成される必要がある。そのため、車道11側の長辺についてはその全部、車両進行方向に対面する側の短辺については、車道11側1.5m以上の部分が、幅方向にわたって途切れなく包囲されるように設置される。歩行者用滞留スペース2の幅が広い場合には、該短辺における車両防護体4の設置範囲を延長してもよい。一方、車両進行方向に対面しない側の短辺については、車両防護体4の設置範囲を短縮してもよいし、周囲の交通状況に鑑みて安全性に問題がなければ、車両防護体4を設置しなくてもよい。また、車両防護体4の高さについては、歩行床3の表面から少なくとも1m、より好ましくは1.5m程度の堅牢な立ち上がりを確保するように設置される。
例示形態にかかる車両防護体4は、車道11または前記歩道12の舗装面上に、複数個を互いに連結した状態で載置される基礎ブロック41と、複数個の基礎ブロック41の連結体に適宜間隔で立設される複数本の柵柱51と、柵柱51間に架け渡される柵部材53と、柵柱51および柵部材53の内外両側面に建て込まれる支持枠体61と、支持枠体61に取り付けられる化粧板材62と、を含んで構成されている。
基礎ブロック41は、プレキャストコンクリートからなる一体成形物であり、図6に示すように、上面視略長円形で、上部が下部に対して長手方向に所定寸法ずれた形状をなしている。そして、下部の延出部分が支持部42、上部の延出部分が連結部43となされ、支持部42の上に隣接する基礎ブロック41の連結部43を重ねることにより、複数個の基礎ブロック41を長手方向に順次、連設することができる。支持部42の上面には略円錐台形状の支持凸部44が突設される一方、連結部43の下面には支持凸部44に合致する形状の連結凹部(図示せず)が形成され、それらを重ね合わせることにより基礎ブロック41同士が位置決めされるとともに、連設方向を任意の角度に屈曲させることもできる。支持部42および連結部43の中心には連結用の縦孔45が形成され、それらが上下に重ねられた状態で連結ボルト等により分離不能に結合される。基礎ブロック41の中央付近には、柵柱51を立設するための立設孔46が、長手方向の軸線から若干側方に偏心して形成されている。
この基礎ブロック41は、既存の路面に掘り返しや杭打ち等は施さず、単に置き並べただけの仮設状態で設置される。その際、基礎ブロック41の下面に高さ調整用のスペーサ(図示せず)を介装することにより、基礎ブロック41の連結体が路面の凹凸や歩車境界の段差等を跨いで略均等な高さに揃えられる。
柵柱51は、例えば上端が封止された鋼管材等からなり、略下半部が基礎ブロック41の立設孔46に挿し込まれ、立設孔46との隙間に砂、モルタル等の充填材52が注入されて直立状態に固定される。例示形態では、1個の基礎ブロック41に柵柱51が1本ずつ立設されているが、柵柱51の本数や配置間隔はこれに限るものではない。柵部材53は、柵柱51よりも細径の鋼管材、あるいは波形に賦形された鋼板、格子状パネル等からなり、適宜のブラケット金具54等を介して、柵柱51の車道11側の側面に取り付けられる。これら柵柱51および柵部材53は、一般的な道路用防護柵(ガードレール)の構成部材に準じるものであり、基本的には、基礎ブロック41と柵柱51および柵部材53との結合体の全体的強度によって、歩行者用滞留スペース2を自動車の衝突から防護する。
支持枠体61は、軽量形鋼やアルミ合金製の押出型材、あるいは木材等からなる棒状部材を枠形に接合して形成され、柵柱51および柵部材53の内外両側面を囲むようにして基礎ブロック41に取り付けられる。支持枠体61には、その適所に取付金具が取り付けられ、その取付金具が適宜のアンカー等によって基礎ブロック41の天面に固定されて、支持枠体61が基礎ブロック41の連結体と一体化される。
化粧板材62は、支持枠体61の内外両側面に取り付けられて、柵柱51および柵部材53を被覆することにより、平坦で美麗な防護壁面を形成する。例示形態では、外側(車道11側)の化粧板材62は基礎ブロック41の外側面を隠すようにして路面近傍まで延設されており、内側(歩道12側)の化粧板材62は、基礎ブロック41の天面上に配置されている。
内外の化粧板材62の上部は高さが揃えられて、支持枠体61の上部を内外方向に結合する上部横架材63を介して結合されており、その上部横架材63と内外の化粧板材62の上部とによって、上向きに開口する凹所が形成される。その凹所は、車両防護体4の延設方向に連続する植栽スペースとして利用される。すなわち、上部横架材63の上に、例えばアルミ合金製の多孔板等からなる敷板64が載置され、その敷板64の上に、上面視長矩形の植栽容器65が適宜個数、並べられる。植栽容器65は、錆びにくい金属材料や合成樹脂材料等によって形成され、その中に人工の土壌剤等を入れて植物が植え付けられる。また、植栽容器65には、図示しない適宜の給水手段や水抜き手段も設けられる。
このような構成により、車両防護体4の上部にボリューム感のある緑化面が形成される。この緑化面は、車道11側と歩道12側の両方から鑑賞することができ、街路の緑視率(路上に立つ人の視野に占める緑化植物の割合。街路の景観指標として利用される。)の向上にも寄与して、街路を往来する歩行者等に心地よさや季節感を提供する。植栽の手入れや土壌剤の入替え等は、凹所に植栽容器65を載せ降ろしすることで、一般的な園芸用の植栽容器65と同様に行うことができる。
こうして、歩行者用滞留スペース2を包囲する車両防護体4を、簡易でありながらも高い強度を備えた構造とすることができ、さらに、その外観も美麗かつ端正に仕上げることができる。
堅牢で遮蔽性の高い車両防護体4によって車道11側が包囲された歩行者用滞留スペース2内の領域は、安全で寛ぎやすい空間になる。この空間を、休憩や団らん、飲食等に利用し得るように、歩行床3の上にベンチや椅子、あるいは数十cm程度の段差等からなる腰掛け部が備えられ、それに合わせたテーブル等も適宜、配置される。それらは、自由に移動できる状態で載置されてもよいが、例示形態では、前記車両防護体4の内側面に沿って、固定式のベンチ7が設置されている。
例示のベンチ7は、木材や人工木材等からなる一様幅の座面部材71が、適宜の取付金具72やアンカー等を介して、車両防護体4の長辺部分を構成する基礎ブロック41の内側の縁部に結合されている。かかる構成を採用することで、歩行者用滞留スペース2の内側に、簡易な構造でベンチ7をしっかりと固定することができ、利用者の利便性が向上する。また、基礎ブロック41の内外両面を化粧板材62で隠してしまうと車両防護体4の厚みが大きくなりすぎるところ、基礎ブロック41の一部にベンチ7を載せて基礎ブロック41の内側を隠すことで、車両防護体4のボリューム感を適度に抑えながら、端正な外観意匠を形成することができる。
なお、車両防護体4の高さを1.5m以上にすれば、ベンチ7に座った人の頭部が車道11側から隠れることになって、より好ましい。歩行床3には、ベンチ7やテーブルだけでなく、その広さや周囲の環境に応じて、ツリーポット、遊具、日除け、照明器具、街区案内板、ゴミ箱その他の工作物が適宜、載置されてもよい。
また、車両防護体4の長辺部分と短辺部分とが接続する角部は、斜めに隅切りされていたり、適度な曲面をもって連続したりしていてもよい。特に、車両進行方向に対面しない側の角部の外側に隅切りや曲面を採用すれば、車両防護体4の背後から歩行者が飛び出すのを、走行中の自動車側から察知しやすくなる。また、車両進行方向に対面しない側の角部に、車両側から略水平に見通すことのできる欠込み部を形成するなどしても、同様の効果を得ることができる。
このような歩行者用滞留スペース2を構成する街路付帯工作物20は、仮設工作物であるため、その設置および撤去も簡単である。図7〜図8は同街路付帯工作物20の施工手順の概略を示している。
まず、図7(a)に示すように、歩行者用滞留スペース2を設ける領域の車道11側の長辺および短辺の舗装面上に、該舗装面を保存したまま、基礎ブロック41を複数個、互いに連結させて載置する。
そして、図7(b)に示すように、基礎ブロック41の連結体に柵柱51を立設し、それらの柵柱51間に柵部材53を架設して、防護柵を形成する。
次に、図7(c)に示すように、柵柱51および柵部材53の周囲に支持枠体61を建て込んで基礎ブロック41に固定し、その支持枠体61に化粧板材62を取り付ける。さらに、支持枠体61の上部に植栽容器65を載置する。
また、車両防護体4の組み上げと前後あるいは並行して、図8(a)〜(b)に示すように、歩行者用滞留スペース2を設ける領域の上に床材パネル31を敷き並べ、個々の高さを調整しながらそれらを相互に連結して、歩行床3を形成する。
最後に、図8(c)に示すように、基礎ブロック41にベンチ7を取り付ける。
このように、例示の街路付帯工作物20は、あらかじめ準備された所定の部材等を設置場所に搬入して組み立て、連結するなどにより、既存の街路に大掛かりな工事を行うことなく、短期間で効率的に設置することができる。また、その撤去も容易である。
なお、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態によって限定的に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて概念的に解釈されるべきものである。前述した実施の形態は一例であり、本発明は、前述した実施の形態と実質的に同様の作用効果が得られる範囲において、例えば全体の寸法、構成部材の細部の形状や材質、部材同士の結合形態、外観意匠、施工手順等を、設置場所の条件等に応じ適宜改変して実施することができる。
11 車道
12 歩道
13 停車帯
2 歩行者用滞留スペース
20 街路付帯工作物
3 歩行床
31 床材パネル
32 パレット
33 デッキ材
34 アジャスタ
35 見切り材
36 スロープ
4 車両防護体
41 基礎ブロック
42 支持部
43 連結部
44 支持凸部
45 縦孔
46 立設孔
51 柵柱
52 充填材
53 柵部材
54 ブラケット金具
61 支持枠体
62 化粧板材
63 上部横架材
64 敷板
65 植栽容器
7 ベンチ
71 座面部材
72 取付金具

Claims (7)

  1. 車道の少なくとも片側に幅員4m以上の歩道が並設された街路の、当該車道と歩道とを区分する歩車境界に沿って歩行者用滞留スペースが設けられた街路構造であって、
    前記歩行者用滞留スペースは、当該街路の延設方向を長辺とする平面視略矩形の領域に設けられて、前記街路の延設方向に交差する幅が2m以上かつ前記歩道の幅員の半分以下に設定され、
    前記領域上には、前記歩道の舗装面とは材質を異にする歩行床が設けられるとともに、ベンチ、椅子、段差等の腰掛け部が備えられ、
    前記領域の車道側の長辺の全部と、該長辺に接続する一方または両方の短辺のうち車道側1.5m以上の部分が、前記歩行床の表面から1m以上の高さまで立ち上がる車両防護体によって途切れなく包囲された、
    ことを特徴とする街路構造。
  2. 請求項1に記載された街路構造において、
    前記車道と前記歩道との間には、前記車道に連通する停車帯が、前記歩道の一部を切り込むようにして設けられており、
    前記停車帯の上に前記歩行者用滞留スペースが仮設状態で設けられた、
    ことを特徴とする街路構造。
  3. 車道の少なくとも片側に歩道が並設された街路の、当該車道と歩道とを区分する歩車境界に沿って、歩行者用滞留スペースを設けるために仮設状態で設置される街路付帯工作物であって、
    当該街路の延設方向を長辺とする平面視略矩形の領域に設けられる、前記歩道の舗装面とは材質を異にする歩行床と、
    前記領域に備えられるベンチ、椅子、段差等の腰掛け部と、
    前記領域の車道側の長辺の全部と該長辺に接続する一方または両方の短辺のうち車道側1.5m以上の部分とを途切れなく包囲する車両防護体と、
    を具備し、
    前記車両防護体は、前記歩行床の表面から1m以上の高さまで立ち上げられた、
    ことを特徴とする街路付帯工作物。
  4. 請求項3に記載された街路付帯工作物において、
    前記歩行床は、下面側に高さ調整手段を具備する所定形状の床材パネルを相互に連結して当該街路の舗装面上に敷設することにより形成され、
    前記歩行床の一部に、前記歩道の舗装面に連続するスロープが形成された、
    ことを特徴とする街路付帯工作物。
  5. 請求項3または4に記載された街路付帯工作物において、
    前記車両防護体は、
    前記車道または前記歩道の舗装面上に、複数個を互いに連結した状態で載置されるコンクリート製の基礎ブロックと、
    前記複数個の基礎ブロックの連結体に適宜間隔で立設される複数本の柵柱と、
    前記柵柱間に架け渡される柵部材と、
    前記柵柱および前記柵部材の内外両側面を囲むようにして建て込まれる支持枠体と、
    前記支持枠体に取り付けられて前記柵柱および前記柵部材を被覆する化粧板材と、
    を含んで構成される、
    ことを特徴とする街路付帯工作物。
  6. 請求項5に記載された街路付帯工作物において、
    前記基礎ブロックは、その下面に高さ調整用のスペーサを介装することにより、路面の高低差を跨いで略均等な高さに設置される、
    ことを特徴とする街路付帯工作物。
  7. 請求項5または6に記載された街路付帯工作物において、
    前記車両防護体の上部は、内外両面に立設される前記化粧板材の上部同士が、前記支持枠体の上部横架材を介して内外方向に結合され、
    前記上部横架材と前記内外両面の化粧板材の上部とによって囲まれた凹所内に植栽容器が設置されたことを特徴とする街路付帯工作物。
JP2016194169A 2016-09-30 2016-09-30 街路構造および街路付帯工作物 Active JP6645943B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016194169A JP6645943B2 (ja) 2016-09-30 2016-09-30 街路構造および街路付帯工作物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016194169A JP6645943B2 (ja) 2016-09-30 2016-09-30 街路構造および街路付帯工作物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018053661A JP2018053661A (ja) 2018-04-05
JP6645943B2 true JP6645943B2 (ja) 2020-02-14

Family

ID=61836186

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016194169A Active JP6645943B2 (ja) 2016-09-30 2016-09-30 街路構造および街路付帯工作物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6645943B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6980582B2 (ja) * 2018-03-21 2021-12-15 株式会社大一商会 遊技機
JP6980586B2 (ja) * 2018-03-21 2021-12-15 株式会社大一商会 遊技機
JP6980585B2 (ja) * 2018-03-21 2021-12-15 株式会社大一商会 遊技機
JP6980579B2 (ja) * 2018-03-21 2021-12-15 株式会社大一商会 遊技機
JP6980584B2 (ja) * 2018-03-21 2021-12-15 株式会社大一商会 遊技機
JP7036523B2 (ja) * 2018-03-21 2022-03-15 株式会社大一商会 遊技機
JP6980583B2 (ja) * 2018-03-21 2021-12-15 株式会社大一商会 遊技機
JP6980580B2 (ja) * 2018-03-21 2021-12-15 株式会社大一商会 遊技機
JP7363734B2 (ja) 2020-10-02 2023-10-18 トヨタ自動車株式会社 交通管理システム、交通管理方法、及び交通管理プログラム
KR102408862B1 (ko) * 2021-12-20 2022-06-15 (주)주신 박스 모듈을 이용한 거더교
KR102408853B1 (ko) * 2021-12-20 2022-06-15 (주)주신 비틀림 저항성이 우수한 박스 모듈 거더교

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08326005A (ja) * 1995-05-31 1996-12-10 Yamau Concrete Kogyo Kk 舗装用コンクリートパネル
JP4064560B2 (ja) * 1999-01-29 2008-03-19 タキロン株式会社 床材の端仕舞構造及び端仕舞部材
JP4617213B2 (ja) * 2005-08-04 2011-01-19 小岩金網株式会社 防護柵
JP2010255192A (ja) * 2009-04-21 2010-11-11 Ibigawa Concrete Kogyo Kk 屈曲ブロック
JP2010265711A (ja) * 2009-05-18 2010-11-25 Misawa Homes Co Ltd 熱環境を改善する道路

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018053661A (ja) 2018-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6645943B2 (ja) 街路構造および街路付帯工作物
JP2002281822A (ja) 植生構造
US20190276998A1 (en) Security barrier and methods
KR101184997B1 (ko) 안전성과 미관을 향상시킨 합성 목재 데크 로드 시공 방법
US6887010B2 (en) Decorative bench barrier
KR101118611B1 (ko) 도로의 경사면에 설치되어지는 자전거 및 보행자 전용도로
KR101083745B1 (ko) 보차도 포장용 투수블록틀 및 이를 이용한 보차도 시공 공법
KR200462729Y1 (ko) 보행 도로 시설물의 지주대 커버 겸용 의자
JP4764873B2 (ja) 多機能な都市型複合施設
Sen et al. Towards a typology of urban design problems and solutions for downtown revitalization: Some evidence from the Mayor's Institute on City Design
KR102649615B1 (ko) 보행자 친화적 옹벽 시스템
CN215052465U (zh) 一种花箱组合中央隔离护栏
KR102202881B1 (ko) 가로등받침 보도 틀
CN215052492U (zh) 一种花箱组合人行隔离护栏
JP3150984U (ja) 道路用仮設防護柵
CN214144999U (zh) 一种围栏
US20040211115A1 (en) Modular tree guard and bicycle park-and-lock stand
JP2005207087A (ja) 駅前交通広場
Pandit et al. Bicycling Infrastructure Design for Indian Cities and Emerging Economies
Jokanović et al. Preliminary design for the reconstruction of the access street Dragiše Mišovića in Čačak
JPS6032171Y2 (ja) 手摺り付車歩道兼用防護柵
JP3087288U (ja) 歩車道境界構造
US20120311956A1 (en) Grating systems incorporating decorative articles
Nasution et al. Analysis of Pedestrian Planning in the City of Medan
GB2322149A (en) Restricted access barrier

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20161031

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190322

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6645943

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150