以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているので、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
〔第1の実施の形態〕
1. 包装システム及び物品の概要
図1は包装システム1の側面図であり、図2は包装システム1の平面図であり、図3は包装システム1のブロック図である。図1及び図2において、方向を表す補助線としてX軸、Y軸及びZ軸が図示されているが、これらX軸、Y軸及びZ軸は互いに直交し、X軸方向及びY軸方向は水平な方向であり、Z軸方向は鉛直な方向である。
図1及び図2に示すように、包装システム1は、物品2をフィルム6により順次包装することによって包装物5(図4参照)を作製する装置である。物品2は、例えば薄板状食品(例えば、煎餅、成型ポテトチップス、ビスケット、クリームサンドビスケット)、PTP包装体(ブリスタ包装体)、ストリップ包装体、カード、プリント回路基板、板紙、メダル、コイン、硬質なシート又は電子部品である。図4に示すように、包装物5はピロー包装体であり、包装物5の包装フィルム6が扁平筒状に丸められた状態にあり、これら物品2の裏面側又は表面側において包装フィルム6の重なり合った部位が包装フィルム6の長手方向にシールされることによって、折り畳まれたフィン状の縦綴じ目(センターシール部)7が包装フィルム6に形成された状態にある。また、包装フィルム6の端部がシールされることによって横綴じ目(エンドシール部)8が形成された状態にある。ここで、包装フィルム6の長さ(一方の横綴じ目8の縁から他方の横綴じ目8の縁までの長さ)をL5[mm]とする。
図1〜図3に示すように、包装システム1は、搬送テーブル10と、物品列3(X軸方向に一列に配列された複数の物品2からなる列3)を搬送テーブル10に一列ずつ順次供給する供給装置20と、供給装置20によって搬送テーブル10上に供給された物品列3を搬送テーブル10上でX軸方向に搬送することによって物品2を一体ずつ順次供給する第一搬送装置30と、第一搬送装置30によって供給された物品2の間隔を調整しつつ物品2をX軸方向に搬送する第二搬送装置40と、第二搬送装置40によって搬送された物品2を順次包装する包装装置50と、第一搬送装置30の下流側部位を通過する物品2を検出する物品センサ61と、第二搬送装置40の中流側部位における物品2の有無を検出する物品センサ62,63と、第二搬送装置40の下流側部位における物品2の有無を検出する物品センサ64と、制御部70と、を備える。
第二搬送装置40は、第一搬送装置30から包装装置50に物品2を一体ずつ個別に順次供給するが、搬送中の物品2の搬送速度を調整することによって物品供給周期を包装装置50の包装周期に一致させる。ここで、物品供給周期とは、第二搬送装置40によって包装装置50に物品2が供給された時から次の物品2が供給される時までの時間をいい、包装周期とは、包装装置50によって物品2が包装された時から次の物品2が包装される時までの時間をいう。物品供給周期の逆数が物品供給速度(単位時間当たりに供給される物品2の数)であり、包装周期の逆数が包装速度(単位時間当たりに包装される物品2の数)である。
2. 制御部
制御部70は、例えばプログラマルロジックコントローラ(PLC)等を有する制御回路によって構成される。制御部70は、供給装置20、第一搬送装置30、第二搬送装置40及び包装装置50を制御する。
3. 搬送テーブル
図1及び図2に示すように、搬送テーブル10のX軸方向上流側の部位11が下流側の部位13よりも高く、上流部位11と下流部位13の間の部位12が下流部位13に向けて下りに傾斜する。その中間部位12から下流部位13の端部にかけてスリット14がX軸方向に延在するように形成されている。中間部位12は、第一搬送装置30から第二搬送装置40に物品2が受け渡される第一受渡箇所P4である。搬送テーブル10のX軸方向下流側端部は、第二搬送装置40から包装装置50に物品2が受け渡される第二受渡箇所P5である。物品2の搬送経路は、上から見てスリット14に重なっているとともに、スリット14からX軸方向上流側及びX軸方向下流側へ直線状に延びている。物品2の搬送経路のうち中間部位12(第一受渡箇所P4)の上流側の範囲は、第一搬送装置30によって物品2が搬送される搬送される区間であり、中間部位12から搬送テーブル10のX軸方向下流側端部(第二受渡箇所P5)までの範囲は、第二搬送装置40によって物品2が搬送される区間であり、搬送テーブル10のX軸方向下流側端部(第二受渡箇所P5)から下流側の範囲は、包装装置50によって物品2が搬送される区間である。
4. 物品センサ
物品センサ61は搬送テーブル10の中間部位12の上方、特にスリット14のX軸方向上流側端部の上方に配置されている。物品センサ62は搬送テーブル10の下流部位13の中間部の上方に配置されている。物品センサ63は、物品センサ62よりもX軸方向下流側且つ包装装置50よりも上流側に配置されており、特にスリット14の上方に配置されている。物品センサ64は、物品センサ63よりもX軸方向下流側且つ第二受渡箇所P5の僅かに上流側に配置されており、特にスリット14の上方に配置されている。
物品センサ61は、投光器により下方へ投光するとともに、下方からの反射光を受光器で受光する反射型光センサである。物品センサ61の下方に物品2が位置して光が物品2によって遮断されると、その物品2が物品センサ61によって検出される。物品センサ61は、物品2を検出する場合にその旨の検出信号(例えばハイレベルの信号)を制御部70に出力し、物品2を検出しない場合にその旨の信号(例えばローレベルの信号)を制御部70に出力する。
物品センサ62,63も物品センサ61と同様に反射型光センサである。
5. 供給装置
図5は、供給装置20及び第一搬送装置30の側面図であり、図6は、供給装置20及び第一搬送装置30の平面図である。図5及び図6に示すように、搬送テーブル10の上方であってY軸方向の上流側には、物品2が複数列でY軸方向に配列されているが、以下では、Y軸方向に並んだ物品2の列4を縦列4という。これら縦列4は、振動フィーダー等によってY軸方向下流側へ搬送テーブル10の上方に搬送される。これら縦列4の先頭の先方であって搬送テーブル10の上方には、供給装置20が設けられている。供給装置20は、各縦列4の先頭の物品2をX軸方向に配列した状態で同時にピックアップし(ピックアップされた物品2のX軸方向の列が物品列3である)、物品列3を維持した状態で物品列3の物品2を裏返して、これら物品2を解放することによってこれら物品2の列3を搬送テーブル10の上流部位11上に供給する。
供給装置20は、回転ドラム21、回転モータ22及び複数の吸着ノズル23等を備える。回転ドラム21は、搬送テーブル10の上流部位11の上方に、且つ、縦列4の先頭の先方に配置されている。この回転ドラム21の回転軸がX軸方向に延在し、回転ドラム21がその回転軸を中心にして回転可能に設けられている。回転モータ22の外周面には、複数の吸着ノズル23が周方向及び軸方向に一定間隔で配列されるように設けられている。
回転モータ22により駆動される回転ドラム21の回転によって吸着ノズル23が周回するが、吸着ノズル23はY軸方向の上流側に向いた際に縦列4の先頭の物品2を負圧により吸着し、下方に向いた際に物品2を正圧により解放する。
包装システム1の定常運転中には、回転モータ22の回転速度が制御部70によって制御されることによって、物品列3の供給周期及び供給速度が制御される(運転処理)。物品列3の供給周期とは、供給装置20によって搬送テーブル10に物品列3が供給された時から次の物品列3が供給される時までの時間をいい、その逆数が物品列3の供給速度である。回転ドラム21の回転速度をn[1/sec]とし、物品列3の供給速度をN0[1/sec]とし、物品列3の供給周期をT0[sec]とし、周方向に配列された吸着ノズル23の数をK0とすると、N0=1/T0=n×K0である。
ここで、吸着ノズル23による物品2の吸着ミスが生じることがある。また、吸着ノズル23に吸着された物品2の裏面(吸着ノズル23に接触した面の反対面)が検査器(例えば電子カメラ)65によって検査されるが、物品2の裏面が不良である場合には、その物品2が吸着ノズル23によって吹き飛ばされ、吹き飛ばされた物品2が物品列3から抜ける。そのため、供給装置20によって搬送テーブル10の上流部位11に供給された物品列3は一部が欠落した状態となっていることもあり、欠落箇所を間に置いて隣り合う物品2の間隔は欠落の無い隣り合う物品2の間隔よりも広くなっている。ここで、検査器65は、回転ドラム21の外周面の周辺において回転ドラム21の母線に沿うように設けられている。
6. 第一搬送装置
第一搬送装置30は、搬送テーブル10の上流部位11上に設けられたサイドフィンガーコンベアである。第一搬送装置30は、第一プーリー31、第二プーリー32、無端ベルト33、複数の押送フィンガー34及び搬送モータ35等を備える。
第一プーリー31は、搬送テーブル10のX軸方向上流側の端部に回転可能に設けられている。第二プーリー32は、搬送テーブル10の中間部位12に回転可能に設けられている。プーリー31,32の回転軸が鉛直である。無端ベルト33は、搬送テーブル10の上側において第一プーリー31及び第二プーリー32に掛け渡されている。第一プーリー31及び第二プーリー32によって無端ベルト33が折り返されることによって、上から見て無端ベルト33が角丸長方形型(オーバル型)に形成されている。そして、無端ベルト33の等しい長さの2つの平行線部は、X軸方向に延在しているとともに、回転ドラム21のX軸方向の長さよりも長い。第一プーリー31には搬送モータ35が連結され、搬送モータ35によって第一プーリー31が回転駆動され、これにより無端ベルト33が周回する。
なお、無端ベルト33を無端チェーンに変更し、プーリー31,32をスプロケットに変更してもよい。
無端ベルト33には、複数の押送フィンガー34が所定間隔で取り付けられている。より具体的には、押送フィンガー34の配列のピッチは、X軸方向に配列された吸着ノズル23の配列のピッチに等しい。これら押送フィンガー34は、無端ベルト33の外周面から外方に延出している。一方の平行線部に取り付けられた押送フィンガー34の列は回転ドラム21の回転軸の直下においてX軸方向に配列されていて、その列のX軸方向下流側からスリット14がX軸方向下流側へ延びている。
上述のように下方に向いた吸着ノズル23が物品2を解放すると、物品2は回転ドラム21の回転軸の直下の列の押送フィンガー34の間に落下する。また、無端ベルト33が搬送モータ35により周回されることによって、回転ドラム21の回転軸の直下の列の押送フィンガー34がX軸方向下流側のスリット14に向かって移動するので、吸着ノズル23から搬送テーブル10上に落下した物品2がその上流側から押送フィンガー34によって押されて送られる。そして、押送フィンガー34によって押送された物品2が搬送テーブル10の中間部位12に至って、第二搬送装置40に供給される。
包装システム1の定常運転中には、搬送モータ35の回転速度が制御部70(図3参照)によって制御されることによって、第一搬送装置30による物品2の搬送速度、供給周期及び供給速度が制御される(運転処理)。第一搬送装置30による物品2の搬送速度をV1[mm/sec]とし、第一搬送装置30による物品2の供給周期をT1[sec]とし、第一搬送装置30による物品2の供給速度をN1[1/sec]とし、押送フィンガー34のピッチ(X軸方向に配列された吸着ノズル23のピッチ)をL1[mm]とすると、V1=L1/T1=L1×N1である。押送フィンガー34のピッチがL1に固定されているので、第一搬送装置30によって搬送される物品2のピッチもL1に固定される。つまり、この第一搬送装置30は、動作中に物品2のピッチを調整・制御できるものではない。なお、上述のように第一搬送装置30によって搬送される物品2の列に欠落が発生する場合もあり、勿論、その欠落部分を挟んで隣り合う物品2の間隔はL1よりも広い。
ここで、吸着ノズル23から落下した物品2の列3のうち最上流側の物品2(但し、上述のように欠落する場合もある)を押送する押送フィンガー34がX軸方向の吸着ノズル23の列の先頭23a(X軸方向の最下流側)の下を通過するタイミングは、その列の周方向隣りの列の吸着ノズル23が下方に向くとともに物品2を解放するタイミングに同期する。つまり、X軸方向に配列された吸着ノズル23の数をJ0とすると、T1=T0/J0、N1=N0×J0である。従って、包装システム1の定常運転中には、第一搬送装置30の供給周期T1と供給装置20の供給周期T0がこの関係を満たすように、搬送モータ35と回転モータ22が制御部70によって同調制御される(運転処理)。
押送フィンガー34によって押送される物品2が搬送テーブル10の中間部位12に至ると、その物品2が物品センサ61の下方を通過するので、その物品2が物品センサ61によって検出される。
また、押送フィンガー34によって押送される物品2の表面が検査器(例えば電子カメラ)66によって検査されるが、物品2の表面が不良である場合には、その物品2が不良品除外機構67によって取り除かれる。そのため、第一搬送装置30によって搬送される物品2の列に欠落が発生する。不良品除外機構67は、不良な物品2を吹き飛ばすブロア、不良な物品2を突き出すエアシリンダ(又はソレノイド)、又は不良な物品2をつまみ上げるピックアップ機構である。ここで、検査器66は供給装置20よりもX軸方向下流側に設けられ、不良品除外機構67は検査器66よりもX軸方向下流側に設けられている。
7. 第二搬送装置
図7は第二搬送装置40の側面図であり、図8は第二搬送装置40の平面図である。図7及び図8に示すように、第二搬送装置40は、搬送テーブル10の中間部位12及び下流部位13の下方に設けられた角丸長方形型(オーバル型)のガイド41と、ガイド41に取り付けられているとともにガイド41に沿って移動可能に設けられた複数の移動体(走行体)42と、各移動体42に設けられた押送フィンガー43と、これら移動体42を独立的にガイド41に沿って移動させるようこれら移動体42を個別に駆動するリニアモータ46と、を備える。
ガイド41は、X軸方向に延在するよう直線状に形成された上側の往路部41aと、X軸方向下流側へ凸円弧状に形成された下流側の下降軌道部41bと、X軸方向に延在するよう直線状に形成された下側の復路部41cと、X軸方向上流側へ凸円弧状に形成された上流側の上昇軌道部41dと、を有する。
往路部41aは、搬送テーブル10のスリット14の上流側部位の下方からスリット14に沿って水平に延びている。上昇軌道部41dは、スリット14の上流側部位の下方に配置されているともに、往路部41aの上流側端部から下方に半円状に延びている。下降軌道部41bは、スリット14の下流側部位の下方に配置されているとともに、往路部41aの下流側端部から下方に半円状に延びている。復路部41cは、往路部41aの下方において往路部41aに対して平行に設けられているとともに、上昇軌道部41dと下降軌道部41bの下端同士を接続するように設けられている。
移動体42は、門形或いはコ字型(U字型)に形作られており、ガイド41の外周面を横に跨ぐようにしてガイド41に支持されている。移動体42の内側には走行ローラが回転可能に設けられている。走行ローラがガイド41に対して転動することにより移動体42がガイド41に沿って滑らかに移動する。
移動体42には押送フィンガー43が設けられている。ガイド41の往路部41aによって案内される移動体42に設けられた押送フィンガー43は、スリット14から上方に突出する。ここで、押送フィンガー43が移動体42に揺動可能に設けられ、その押送フィンガー43にカムフォロワーが設けられ、ガイド41に沿って溝カムが設けられ、カムフォロワーが溝カムによって案内されてもよい。この場合、移動体42がガイド41の上昇軌道部41d或いは下降軌道部41bに沿って移動する際に、カムフォロワー及び溝カムによって押送フィンガー43が移動体42に対して揺動することによって、押送フィンガー43が水平面に対して垂直に起立した姿勢を維持する。
リニアモータ46は、ガイド41に沿って延在するようにガイド41の内周側に取り付けられたステータ44と、移動体42にそれぞれ設けられた可動子45と、を有する。ステータ44はガイド41よりも小さな角丸長方形に設けられており、ステータ44の上側直線部44a及び下側直線部44cがそれぞれガイド41の往路部41a及び復路部41cと平行に配され、ステータ44の円弧部44b及び円弧部44dがそれぞれガイド41の下降軌道部41b及び上昇軌道部41dと同心状に配されている。可動子45が移動体42の内側に設けられて、ステータ44に対してY軸方向に対向する。可動子45とステータ44のどちらか一方が電機子(armature)を有し、他方が永久磁石等の界磁子(field system)を有する。
各移動体42に可動子45が設けられているので、これら移動体42が互いに独立してリニアモータ46によって駆動される。このリニアモータ46が制御部70によってシーケンス制御されることによって、移動体42ごとに位置及び移動速度が制御されて、移動体42がリニアモータ46によりガイド41に沿って推進させられる。ここで、リニアモータ46及び制御部70の相互通信により、制御部70が移動体42ごとに位置及び移動速度を認識する。
リニアモータ46による移動体42の移動の向きは、図7のように横から見た場合、時計回りの向きである。つまり、移動体42は、ガイド41の往路部41aをX軸方向下流へ移動し、下降軌道部41bを下方へ移動し、復路部41cをX方向上流へ移動し、上昇軌道部41dを上方へ移動する。
包装システム1の定常運転中には、複数の移動体42が復路部41cの上流側部位及び上昇軌道部41dに沿って配列した状態で待機しており、上昇軌道部41dの上部(位置P1)に位置する先頭の移動体42(以下、その移動体42を特定移動体42という)は次のようにしてリニアモータ46によってガイド41に沿って一周する。
つまり、押送フィンガー43によって押送される物品2が物品センサ61によって検出されると(以下、その検出された物品2を特定物品2という)、特定移動体42が上昇軌道部41dの上部から往路部41aのX軸方向上流側端部に移動し、その際に特定移動体42の押送フィンガー43(以下、この押送フィンガー43を特定フィンガー43という)が特定物品2の上流側においてスリット14から上に突き出る。この際、特定物品2が中間部位12の傾斜によって中間部位12から下流部位13の上流側端部に滑り落ちるとともに、特定物品2を押送した押送フィンガー34が第二プーリー32の周方向に移動するので、特定物品2とそれを押送した押送フィンガー34が離間する。これにより、特定物品2が第一搬送装置30から第二搬送装置40に供給される。なお、特定移動体42が上昇軌道部41dの上部から往路部41aのX軸方向上流側端部(位置P2)に移動する際には、後続の移動体42が移動体42の一体分の距離だけ前(図7の時計回りの向き)に移動した後に待機する。
その後、その特定移動体42が位置P2からX軸方向下流へ移動するので、特定物品2が特定フィンガー43によって後ろから押されて送られる。この際、その特定移動体42は先行の移動体42に追い着くので、特定物品2とそれよりも先行して搬送される物品2との間隔が狭くなる。この際の特定移動体42の移動速度をV2[mm/sec]とすると、V2>V1である。
その後、特定移動体42と1つ先行の移動体42との間隔が所定値L3[mm]になったら、特定移動体42が先行の移動体42の移動速度と等しい速度V3[mm/sec]に減速する。そのため、特定移動体42は、1つ先行の移動体42からの間隔を所定値L3に維持した状態で、移動速度V3で先行の移動体42に追従する。なお、V3<V2である。
その後、特定移動体42が往路部41aのX軸方向下流側端部(位置P3)に至った後に下降軌道部41bに沿って下降するので、その特定移動体42の押送フィンガー43がスリット14の下へ引き込む。この際、特定物品2が特定移動体42の特定フィンガー43から離間して、搬送テーブル10から包装装置50(具体的には、後述のフォーマ52)に供給される。
その後、特定移動体42は、下降軌道部41bに至った後に、速度V3よりも高速で復路部41cに沿って移動する。そして、その特定移動体42は、復路部41cに配列された移動体42の最後尾の後ろにまで至ると、その列に並んで待機する。
以上が包装システム1の定常運転中の特定移動体42の一周の動作であるが、制御部70がリニアモータ46を制御することによって上述のような特定移動体42が周回する(運転処理)。また、制御部70がリニアモータ46を制御することによって、特定移動体42の後続の移動体42についても一体ずつ同様にして移動するので、物品2が物品センサ61によって検出される毎に、位置P1の後ろに配列された移動体42の先頭が出発(移動開始)して、位置P2及び位置P3を経由してガイド41を周回する(運転処理)。そのため、包装システム1の定常運転中には、第一搬送装置30から第二搬送装置40に供給された物品2が一体ずつ搬送テーブル10のX軸方向下流側端部に順次搬送されて、包装装置50に供給される。
ここで、第一搬送装置30によって搬送されている物品2の列に欠落が発生し、隣り合う押送フィンガー34の間に物品2が存在しない場合には、物品センサ61によって物品2が検出されないので、位置P1に位置する先頭の移動体42が位置P1から出発せずに待機する。その後、物品2が物品センサ61によって検出されると、上述のように移動体42が移動し、物品2がその移動体42の押送フィンガー43によって押送される。そのため、第一搬送装置30において物品欠落が発生したものとしても、包装装置50の上流側(具体的には、移動体42が移動速度V3で移動しながら配列している区間S)において複数の物品2が常に等間隔で配列された状態で搬送されて、包装装置50に供給される。第二搬送装置40によって、その欠落の分だけ物品2を詰めて包装装置50に供給することができる。そのため、第一搬送装置30によって搬送されている物品2の列に欠落が発生しても、包装装置50の一時的な停止を行わずとも、空の包装物5の発生を抑えることができる。
ここで、物品2の搬送速度が移動体42の移動速度V3に等しく、物品2のピッチも移動体42のピッチL3に等しいので、第二搬送装置40による物品2の供給周期をT3[sec]とし、物品2の供給速度をN3[1/sec]とすると、V3=L3/T3=L3×N3である。
第一搬送装置30によって搬送されている物品2の列に欠落が発生すると、移動体42が位置P1から移動開始しないため、欠落の発生の度に区間Sにある物品2及び移動体42が減少する。そのため、包装システム1の運転時間が長期になると、区間Sに物品2及び移動体42が存在しなくなる虞があり、更に包装装置50への物品の供給に欠落が発生して、空の包装物5が作製されてしまう虞がある。しかし、本実施形態では、区間Sにある物品2及び移動体42の数がゼロにならないようになっている。これについては、後に詳述する(「9. 速度制御・周期制御(第一例)」、「10. 速度制御・周期制御(第二例)」、「11. 速度制御・周期制御(第三例)」、「12. 速度制御・周期制御(第四例)」、「13. 速度制御・周期制御(第五例)」、「14. 速度制御・周期制御(第六例)」参照)。
物品センサ62,63,64はその下方の物品2の有無を検出するものである。物品センサ62,63,64は周期的に検出を行うものであり、物品センサ62,63,64の検出周期は第二搬送装置40の供給周期T3及び包装周期T4に等しい。従って、移動体42及び物品2が物品センサ62の下方を順次通過するにもかかわらず、区間Sにおける物品2の列が物品センサ62をX軸方向上流側に越えていれば、物品センサ62によって物品2が検出されるが、それら物品2の列が物品センサ62をX軸方向上流側に越えていなければ、物品センサ62によって物品2が検出されない。物品センサ63,64についても同様である。
8. 包装装置
図9は包装装置50の側面図であり、図10は包装装置50の平面図である。包装装置50は、フィルム供給機51、フォーマ(製袋器)52、受け板53、縦方向シール機(センターシール機)54、横方向シール機(エンドシール機)55及び搬出機56等を備える。
複数の物品2が上述のように第二搬送装置40によってフォーマ52に順次供給される。また、帯状のフィルム6はフィルム供給機51によってフォーマ52に連続的に供給されて、フォーマ52から縦方向シール機54を経由して横方向シール機54に搬送される。そのフィルム6がフォーマ52により連続的に扁平筒状に丸められることによって、フィルム6の両側部の縦綴じ目7が重なり合うとともに、物品2がフィルム6に包み込まれる。フォーマ52よりも下流側では、丸められたフィルム6の縦綴じ目7が縦方向シール機54により連続的にシールされて密閉される。その後、物品2の間の部位が横方向シール機55によりシールされて、切断される。これにより、物品2の間の部位に横綴じ目8が形成される。こうして作製された包装物5が搬出機56によって下流へ搬送される。
以下、包装装置50の各構成要素について詳細に説明する。
搬送テーブル10のX軸方向下流側には、一対の水平な受け板53が搬送テーブル10の下流部位13の上面に高さが揃うように設けられている。一対の受け板53はY軸方向に並べられており、これら受け板53の間にスリット(隙間)が形成されている。搬送テーブル10と受け板53との間にはフォーマ52が設けられており、このフォーマ52は第二受渡箇所P2に、つまり搬送テーブル10のX軸方向下流側端部に配置されている。そのため、押送フィンガー43によって搬送テーブル10のX軸方向下流側端部まで押送された物品2はフォーマ52に供給される。
フィルム供給機51は、原反ロール51aから繰り出された帯状のフィルム6を折り返してフォーマ52へ案内するピンチロール51bと、ピンチロール51bを回転駆動する送りモータ51cとを備える。ピンチロール51bが送りモータ51cによって回転駆動されることによって、フィルム6が原反ロール51aから繰り出されて、フォーマ52へ供給される。そして、そのフィルム6がフォーマ52を通過してX軸方向下流側へ搬送される。
帯状のフィルム6がフォーマ52をX軸方向下流側へ通過する際に、フィルム6の両側部(以下、縦綴じ目7という)がフォーマ52によって下方に曲げられて重ね合わされて、その重ね合わされた縦綴じ目7は一対の受け板53の間を通って受け板53の下へ突出する。これにより、フィルム6がフォーマ52によって扁平筒状に丸められるが、押送フィンガー43によってフォーマ52まで押送された物品2が筒状に丸められたフィルム6の内側に入り込む。フォーマ52よりもX軸方向下流側では、第二搬送装置40によって順次供給された複数の物品2が受け板53上で筒状のフィルム6の長手方向(X軸方向)に配列された状態でそのフィルム6に従動して下流側へ搬送される。ここで、送りモータ51cの回転速度が制御部70によって制御されることによって、フィルム6及びその内側の物品2の搬送速度が制御される。フィルム6及びその内側の物品2の搬送速度をV4[mm/sec]とすると、V4<V2である。また、その搬送速度V4が区間Sにおける移動体42の移動速度V3に等しければ、フィルム6の内側の物品2のピッチは区間Sにおける移動体42のピッチL3に等しい。なお、搬送速度V4と移動速度V3が等しくなくてもよい。
縦方向シール機54は、フォーマ52の下流側且つ受け板53の下方に設けられている。この縦方向シール機54は、一対の受け板53の間から下に突き出た縦綴じ目7を両側から連続的に挟み込みながら加熱することでシールする。この図示例では、縦方向シール機54は、受け板53の下側に設けられた左右一対の棒状ヒータ54aと、棒状ヒータ54aの下流側に設けられた一対のプレスローラ54bと、を有する。一対の棒状ヒータ54aの間の隙間を縦綴じ目7が通過することによって加熱される。加熱された縦綴じ目7がプレスローラ54bによって所定の圧力で挟み込まれることによって、縦綴じ目7がシールされる。シールされた縦綴じ目7は、縦方向シール機54から横方向シール機55に搬送される際に、筒状のフィルム6の下面に接するように折り畳まれる。なお、受け板53の下側であって縦方向シール機54の上流側や下流側に、縦綴じ目7を挟むピンチロールが設けられ、そのピンチロールが送りモータ51cによって回転駆動されることによって、フィルム6が搬送されてもよい。
縦方向シール機54のX軸方向下流側には横方向シール機55が設けられており、フィルム6及びその内側の物品2が横方向シール機55をX軸方向下流側へ通過する。横方向シール機55は、筒状フィルム6に対して間欠的な熱圧着を行う。横方向シール機55が筒状フィルム6を熱圧着するタイミングは、物品2が横方向シール機55を通過してから次の物品2が横方向シール機55を通過するまでの間である。
横方向シール機55は、回転式のシール機である。つまり、横方向シール機55は、フィルム6の搬送経路の上側と下側に回転可能に設けられた回転軸55a,55bと、回転軸55a,55bにそれぞれ設けられた圧接部55c,55dと、回転軸55a,55bを回転駆動する駆動モータ55gと、圧接部55c,55dにそれぞれ内蔵されたヒータと、圧接部55c,55dにそれぞれ設けられた切断刃55e,55fと、を備える。回転軸55a,55bが駆動モータ55gによって回転駆動されることによって、圧接部55c,55dが上下方向に互いに接離する。具体的には、物品2が回転軸55a,55bの間を下流側へ通過した後、次の物品2が回転軸55a,55bの間を下流側へ通過する前に、圧接部55c,55dがこれらの間にフィルム6を挟み込む。これにより、圧接部55c,55dを通過前の物品2と通過後の物品2との間の部分の筒状フィルム6が圧接部55c,55dによって加圧・加熱され、横綴じ目8が形成され、更に横綴じ目8が切断刃55e,55fによって切断される。これにより、包装物5が完成して、横方向シール機55の上流側のフィルム6から切り離される。
なお、横方向シール機55が、圧接部55c,55dが回転軸55a,55bの回りを回転するような回転式のシール機ではなく、ボックスモーション式のシール機であってもよい。横方向シール機55がボックスモーション式のシール機である場合、駆動モータ55gの動力が伝動機構によって圧接部55c,55dの周期的な接離運動の動力に変換される。これにより、圧接部55c,55dがこれらの間にフィルム6を挟み込んだ状態でフィルム6と同速度でX軸方向下流側に移動することと、圧接部55c,55dが互いに離間した状態でX軸方向上流側に移動することとが交互に繰り返される。横方向シール機55がボックスモーション式のシール機である場合、切断刃55fが設けられておらず、圧接部55c,55dがフィルム6を挟み込んだ時に切断刃55eが直動駆動機構によって圧接部55cの内部から圧接部55dに突き出ることによって下降してフィルム6を切断し、圧接部55c,55dが離間する時に切断刃55eが圧接部55cに引き込む。
ここで、包装装置50の包装周期とは、横方向シール機55の間欠的な熱圧着の周期のことをいう。つまり、圧接部55c,55dが互いに近づいて突き当たった時から次ぎに突き当たった時までの時間が包装装置50の包装周期である。包装装置50の包装周期をT4[sec]とし、包装速度をN4[1/sec]としたら、N4=1/T4であり、L5/T4=L5×N4=V4である。駆動モータ55gの回転速度が制御部70によって制御されることによって、包装周期T4及び包装速度N4が制御される。包装周期T4は第二搬送装置40による物品2の供給周期T3[sec]に等しく、包装速度N4は第二搬送装置40による物品2の供給速度N3に等しい。完成した包装物5の何れもが長さL5が等しくなるように、駆動モータ55g及び送りモータ51cが制御部70によって同調制御される(運転処理)。
横方向シール機55の下流側には、ベルトコンベア型の搬出機56が設けられている。横方向シール機55によって切り離された包装物5が搬出機56によってX軸方向下流側へ搬送される。搬出機56の搬送速度は制御部70によってフィルム6の搬送速度V4以上に制御される。
9. 速度・周期制御(第一例)
包装システム1の定常運転中には、供給装置20、第一搬送装置30、第二搬送装置40及び包装装置50が制御部70によって以下のように制御される。
9−1. 定速制御
包装装置50は制御部70によって定速運転される。つまり、制御部70が送りモータ51c及び駆動モータ55gを定速制御することによって、フィルム6及びその内側の物品2の搬送速度V4が一定に維持される上、包装周期T4及び包装速度N4が一定に維持される。そのため、フィルム6の張力が適切に保たれ、皺の発生を防止できる。また、物品2がフィルム6に対して搬送方向に滑ることも防止できる(もしフィルム6の搬送速度V4が変化すると、物品2が慣性力によってフィルム6に対して滑る虞がある)。
制御部70が第二搬送装置40のリニアモータ46を制御することによって、区間Sにおける移動体42の移動速度V3、供給周期T3及び供給速度N3が一定に維持される。ここで、上述したように、供給周期T3と包装周期T4が等しく、供給速度N3と包装速度N4が等しくなるように、制御部70がリニアモータ46、送りモータ51c及び駆動モータ55gを制御する。
制御部70がリニアモータ46を制御することによって、移動体42が往路部41aのX軸方向下流側端部(位置P3)から下降するタイミングが送りモータ51c及び駆動モータ55gの回転周期の所定位相に同期する。そのため、物品2が第二搬送装置40(特に搬送テーブル10)から包装装置50(特にフォーマ52)に供給されるタイミングが包装周期T4の所定位相に同期する。これにより、物品2が横方向シール機55の圧接部55c,55dに噛み込まれることがない。
9−2. 変速制御
上述したように搬送モータ35と回転モータ22が制御部70によって同調制御されて、第一搬送装置30の供給速度N1と供給装置20の供給速度N0が「N1=N0×J0」を満たす。ここで、制御部70が所定周期T[sec]毎に次のようなカウント処理及び比較・変速処理を実行することによって、供給速度N1及び供給速度N0が以下のように所定周期T毎に変化する。この所定周期Tは第一搬送装置30の供給周期T1よりも十分に長く、例えば包装速度N4が7.5[1/sec]であれば、供給周期T1は2〜20秒程度とする。
所定周期Tが開始したら、制御部70が所定周期Tの終了時までカウント処理を実行する(図11参照)。つまり、制御部70は所定周期Tの開始時にカウント値(計数値)Aをゼロにリセットした上で(ステップS1)、所定周期Tの終了時までの間(ステップS4:YES)、物品センサ61から検出信号を入力する毎に(ステップS2:YES)、カウント値Aに1を加算する(ステップS3)。従って、物品2が物品センサ61の下を通過する毎にカウント値Aが1ずつ増加し、所定周期Tの間に物品センサ61の下を通過する物品2の数が計数される。制御部70はこのようなカウント処理を繰り返し実行する。
所定周期Tが終了したら、制御部70が比較・変速処理を実行する(図12参照)。つまり、制御部70は、カウント処理で計数されたカウント値Aを所定の上閾値A1及び下閾値A2と比較する(ステップS11,ステップS12)。ここで、A1>N4×T>A2>0である。
比較の結果、カウント値Aが上閾値A1を超えている場合(ステップS11:YES)、制御部70が搬送モータ35及び回転モータ22の回転速度を所定差分だけ減速する。そうすると、第一搬送装置30の供給速度N1が所定差分ΔN1だけ低下し、供給装置20の供給速度N0が所定差分ΔN0だけ低下する(ステップS13)。つまり、変速前の第一搬送装置30の供給速度N1が包装装置50の包装速度N4よりも高かったり、第一搬送装置30により搬送されている物品列に欠落が殆ど発生していなかったりすると、第一搬送装置30から第二搬送装置40に物品2が過剰に供給されるので(ステップS11:YES)、供給装置20及び第一搬送装置30の運転速度が低下される(ステップS13)。
いっぽう、比較の結果、カウント値Aが下閾値A2未満である場合(ステップS12:YES)、制御部70が搬送モータ35及び回転モータ22の回転速度を所定差分だけ増速する。そうすると、第一搬送装置30の供給速度N1が所定差分ΔN1だけ上昇し、供給装置20の供給速度N0が所定差分ΔN0だけ上昇する(ステップS14)。つまり、変速前の第一搬送装置30の供給速度N1が包装装置50の包装速度N4よりも低かったり、第一搬送装置30により搬送されている物品列に多くの欠落が発生したりすると、第一搬送装置30から第二搬送装置40へ物品供給が不足するので(ステップS12:YES)、供給装置20及び第一搬送装置30の運転速度が上昇される(ステップS14)。
いっぽう、比較の結果、カウント値Aが下閾値A2以上且つ上閾値A1以下である場合(ステップS11,S12:NO)、制御部70が搬送モータ35及び回転モータ22の回転速度を維持する。そうすると、第一搬送装置30の供給速度N1及び供給装置20の供給速度N0が維持される(ステップS15)。つまり、ステップS15の前の第一搬送装置30の供給速度N1や包装装置50の包装速度N4に関わらず、更に第一搬送装置30により搬送されている物品列の欠落の有無に関わらず、第一搬送装置30から第二搬送装置40へ供給される物品2の数が包装装置50の包装速度N4に適切であると(ステップS11,S12:NO)、供給装置20及び第一搬送装置30の運転速度が維持される(ステップS15)。
制御部70は1回のカウント処理を終了する度に、上述の比較・変速処理を実行する。
以上のように、第一搬送装置30により搬送されている物品列に欠落が発生して、第一搬送装置30から第二搬送装置40へ実際に単位時間当たりに供給される物品2の数が安定しなくても、安定した数の物品2が包装装置50の上流側において配列されてプールされた状態が保たれる。よって、包装システム1が長期間運転されても、第二搬送装置40から包装装置50への物品供給に欠落が発生せず、空の包装物5が作製されない。つまり、包装物5の作製についての歩留まりが非常に高い。
なお、制御部70がカウント処理及び比較・変速処理が繰り返し実行する際に、カウント値Aが下閾値A2未満であっても(ステップS12:YES)、ステップS14の増速前の第一搬送装置30の供給速度N1が所定の最大値N1max[1/sec]である場合、制御部70が搬送モータ35及び回転モータ22の回転速度を維持する。この状態が継続されると、区間Sにある物品2及び移動体42が減少する。そうすると、物品センサ64によって物品2が検出されなくなるので、制御部70がオンデマンド運転処理を実行する。オンデマンド運転処理とは、物品センサ64によって物品2が検出されなくなる度に制御部70が包装装置50の送りモータ51c及び駆動モータ55gを一時的に停止し、物品センサ64によって物品2が検出されたら、制御部70が包装周期T4に等しい時間だけ送りモータ51c及び駆動モータ55gを駆動する処理である。つまり、オンデマンド運転処理中は、物品センサ64によって物品2が検出される度に、包装装置50が一体の包装物5を作製するだけの動作を行う。
10. 速度・周期制御(第二例)
包装システム1の定常運転中には、供給装置20、第一搬送装置30、第二搬送装置40及び包装装置50が制御部70によって以下のように制御される。
10−1. 定速制御
「9−1. 定速制御」と同様な制御が制御部70によって行われる。
10−2. 変速制御
上述したように搬送モータ35と回転モータ22が制御部70によって同調制御されて、第一搬送装置30の供給速度N1と供給装置20の供給速度N0が「N1=N0×J0」を満たす。ここで、制御部70は、供給周期T3又はその整数倍毎に、包装装置50よりも上流側の区間Sにおいて移動速度V3で移動しながら配列している移動体42の数を計数し、その計数値Bに基づいて搬送モータ35及び回転モータ22の回転速度を制御する。そのため、供給速度N1及び供給速度N0が以下のように供給周期T3又はその整数倍毎に変化する。なお、制御部70は、上述のように移動体42ごとに位置及び移動速度を認識するので、区間Sにおける移動体42の数を計数することができる。
具体的には、制御部70は、計数値Bを所定の上閾値B1及び下閾値B2と比較する。ここで、B1>B2>0であり、B1は、位置P3から物品センサ62の下方にまでピッチL3で配列される移動体42の数に等しく、B2は、位置P3から物品センサ63の下方にまでピッチL3で配列される移動体42の数に等しい。
比較の結果、計数値Bが上閾値B1を超えている場合、制御部70が搬送モータ35及び回転モータ22の回転速度を所定差分だけ減速する。そうすると、第一搬送装置30の供給速度N1が所定差分ΔN1だけ低下し、供給装置20の供給速度N0が所定差分ΔN0だけ低下する。つまり、変速前に物品2が包装装置50の上流側の区間Sにおいて長く配列されているので、供給装置20及び第一搬送装置30の運転速度が低下される。これにより、その後のその区間Sの物品2の列がそれ以上長くならないか、次第に短くなる。
いっぽう、比較の結果、計数値Bが下閾値B2未満である場合、制御部70が搬送モータ35及び回転モータ22の回転速度を所定差分だけ増速する。そうすると、第一搬送装置30の供給速度N1が所定差分ΔN1だけ上昇し、供給装置20の供給速度N0が所定差分ΔN0だけ上昇する。つまり、変速前に物品2が包装装置50の上流側の区間Sにおいて短く配列されているので、供給装置20及び第一搬送装置30の運転速度が上昇される。これにより、その後のその区間Sの物品2の列がそれ以上短くならないか、次第に長くなる。
いっぽう、比較の結果、計数値Bが下閾値B2以上閾値B1以下である場合、制御部70が搬送モータ35及び回転モータ22の回転速度を維持する。そうすると、第一搬送装置30の供給速度N1及び供給装置20の供給速度N0が維持される。つまり、包装装置50の上流側の区間Sにおける物品2の配列が適切な長さであるので、供給装置20及び第一搬送装置30の運転速度が維持される。
従って、第一搬送装置30により搬送されている物品2の列に欠落が発生して、第一搬送装置30から第二搬送装置40へ実際に単位時間当たりに供給される物品2の数が安定しなくても、安定した数の物品2が包装装置50の上流側において配列されてプールされた状態が保たれる。よって、第二搬送装置40から包装装置50への物品供給に欠落が発生せず、物品の無い包装物5が作製されない。つまり、包装物5の作製についての歩留まりが非常に高い。
なお、上述の変速制御が継続されている際に、計数値Bが下閾値B2未満であっても、増速前の第一搬送装置30の供給速度N1が所定の最大値N1max[1/sec]である場合、制御部70が搬送モータ35及び回転モータ22の回転速度を維持する。この状態が継続されると、区間Sにある物品2及び移動体42が減少する。そうすると、物品センサ64によって物品2が検出されなくなるので、制御部70がオンデマンド運転処理を実行する。オンデマンド運転処理については、前述した通りである。
11. 速度・周期制御(第三例)
包装システム1の定常運転中には、供給装置20、第一搬送装置30、第二搬送装置40及び包装装置50が制御部70によって以下のように制御される。
11−1. 定速制御
「9−1. 定速制御」と同様な制御が制御部70によって行われる。
11−2. 変速制御
上述したように搬送モータ35と回転モータ22が制御部70によって同調制御されて、第一搬送装置30の供給速度N1と供給装置20の供給速度N0が「N1=N0×J0」を満たす。ここで、制御部70は、供給周期T3又はその整数倍毎に物品センサ62,63の出力を監視して、物品センサ62,63の出力に基づいて搬送モータ35及び回転モータ22の回転速度を制御する。そのため、供給速度N1及び供給速度N0が以下のように供給周期T3又はその整数倍毎に変化する。
具体的には、図13の真理値表に示すように、物品センサ62,63の両方によって物品2が検出されて、その検出信号が制御部70に入力されたら、制御部70が搬送モータ35及び回転モータ22の回転速度を所定差分だけ減速する。そうすると、第一搬送装置30の供給速度N1が所定差分ΔN1だけ低下し、供給装置20の供給速度N0が所定差分ΔN0だけ低下する。つまり、変速前に物品2が包装装置50の上流側の区間Sにおいて長く配列されているので、供給装置20及び第一搬送装置30の運転速度が低下される。これにより、その後のその区間Sの物品2の列がそれ以上長くならないか、次第に短くなるか。
いっぽう、物品センサ62,63の両方によって物品2が検出されず、その検出信号が制御部70に入力されないので、制御部70が搬送モータ35及び回転モータ22の回転速度を所定差分だけ増速する。そうすると、第一搬送装置30の供給速度N1が所定差分ΔN1だけ上昇し、供給装置20の供給速度N0が所定差分ΔN0だけ上昇する。つまり、変速前に物品2が包装装置50の上流側の区間Sにおいて短く配列されているので、供給装置20及び第一搬送装置30の運転速度が上昇される。これにより、その後のその区間Sの物品2の列がそれ以上短くならないか、次第に長くなる。
いっぽう、上流側の物品センサ62によって物品2が検出され、下流側の物品センサ63によって物品2が検出されると、その検出信号が物品センサ63から制御部70に入力されるが、物品センサ62から制御部70に入力されないので、制御部70が搬送モータ35及び回転モータ22の回転速度を維持する。そうすると、第一搬送装置30の供給速度N1及び供給装置20の供給速度N0が維持される。つまり、包装装置50の上流側の区間Sにおける物品2の配列が適切な長さであるので、供給装置20及び第一搬送装置30の運転速度が維持される。
従って、第一搬送装置30により搬送されている物品2の列に欠落が発生して、第一搬送装置30から第二搬送装置40へ実際に単位時間当たりに供給される物品2の数が安定しなくても、安定した数の物品2が包装装置50の上流側において配列されてプールされた状態が保たれる。よって、第二搬送装置40から包装装置50への物品供給に欠落が発生せず、物品の無い包装物5が作製されない。つまり、包装物5の作製についての歩留まりが非常に高い。
なお、上述の変速制御が継続されている際に、物品センサ62,63の両方によって物品2が検出されない場合であっても、増速前の第一搬送装置30の供給速度N1が所定の最大値N1max[1/sec]である場合、制御部70が搬送モータ35及び回転モータ22の回転速度を維持する。この状態が継続されると、区間Sにある物品2及び移動体42が減少する。そうすると、物品センサ64によって物品2が検出されなくなるので、制御部70がオンデマンド運転処理を実行する。オンデマンド運転処理については、前述した通りである。
12. 速度・周期制御(第四例)
包装システム1の定常運転中には、供給装置20、第一搬送装置30、第二搬送装置40及び包装装置50が制御部70によって以下のように制御される。
12−1. 定速制御
供給装置20及び第一搬送装置30は定速運転される。つまり、制御部70が回転モータ22及び搬送モータ35を定速制御することによって、供給装置20の回転ドラム21の回転速度n及び第一搬送装置30の搬送速度V1が一定に維持される上、供給装置20の供給速度N0及び供給周期T0並びに第一搬送装置30の供給速度N1及び供給周期T1が一定に維持される。ここで、上述したように搬送モータ35と回転モータ22が制御部70によって同調制御されて、第一搬送装置30の供給速度N1と供給装置20の供給速度N0が「N1=N0×J0」を満たす。
12−2. 変速制御
上述したように、供給周期T3と包装周期T4が等しく、供給速度N3と包装速度N4が等しくなるように、制御部70がリニアモータ46、送りモータ51c及び駆動モータ55gを制御する。また、制御部70がリニアモータ46を制御することによって、移動体42が往路部41aのX軸方向下流側端部(位置P3)から下降するタイミングが送りモータ51c及び駆動モータ55gの回転周期の所定位相に同期する。そのため、物品2が第二搬送装置40(特に搬送テーブル10)から包装装置50(特にフォーマ52)に供給されるタイミングが包装周期T4の所定位相に同期する。これにより、物品2が横方向シール機55の圧接部55c,55dに噛み込まれることがない。
ここで、制御部70が所定周期T[sec]毎に次のようなカウント処理及び比較・変速処理を実行することによって、供給速度N3及び包装速度N4が以下のように所定周期T毎に変化する。この所定周期Tは、第一搬送装置30の供給周期T1よりも十分に長い。
所定周期Tが開始したら、制御部70が所定周期Tの終了時までカウント処理を実行する(図11参照)。このカウント処理は、「9−2. 変速制御」の項において説明したカウント処理と同様である。
所定周期Tが終了したら、制御部70が比較・変速処理を実行する(図15参照)。つまり、制御部70は、カウント処理で計数されたカウント値Aを所定の上閾値A3及び下閾値A4と比較する(ステップS21,ステップS22)。ここで、A3>N4×T>A4>0であるが、包装速度N4は次の通りに変化する前の値である。
比較の結果、カウント値Aが上閾値A3を超えている場合(ステップS21:YES)、制御部70が駆動モータ55g及び送りモータ51cの回転速度を所定差分だけ増速するとともに、リニアモータ46による移動体42の移動速度V3を所定差分だけ増速する。そうすると、包装装置の包装速度N4が所定差分ΔN4だけ上昇し、第二搬送装置40の供給速度N3が所定差分ΔN3だけ上昇する(ステップS23)。つまり、変速前の包装装置50の包装速度N4が第一搬送装置30の供給速度N1よりも低かったり、第一搬送装置30により搬送されている物品列に欠落が殆ど発生していなかったりすると、第一搬送装置30から第二搬送装置40に物品2が過剰に供給されるので(ステップS21:YES)、それに合わせて、包装装置50の運転速度が上昇される(ステップS23)。
いっぽう、比較の結果、カウント値Aが下閾値A4未満である場合(ステップS22:YES)、駆動モータ55g及び送りモータ51cの回転速度を所定差分だけ減速するとともに、リニアモータ46による移動体42の移動速度V3を所定差分だけ減速する。そうすると、包装装置の包装速度N4が所定差分ΔN4だけ低下し、第二搬送装置40の供給速度N3が所定差分ΔN3だけ低下する(ステップS24)。つまり、変速前の包装装置50の包装速度N4が第一搬送装置30の供給速度N1よりも高かったり、第一搬送装置30により搬送されている物品列に多くの欠落が発生したりすると、第一搬送装置30から第二搬送装置40へ物品供給が不足するので(ステップS22:YES)、それに合わせて、包装装置50の運転速度が低下される(ステップS24)。
いっぽう、比較の結果、カウント値Aが下閾値A4以上且つ上閾値A3以下である場合(ステップS21,S22:NO)、制御部70が駆動モータ55g及び送りモータ51cの回転速度を維持するとともに、リニアモータ46による移動体42の移動速度V3を維持する。そうすると、そうすると、包装装置の包装速度N4が維持され、第二搬送装置40の供給速度N3が維持される(ステップS25)。つまり、ステップS25の前の第一搬送装置30の供給速度N1や包装装置50の包装速度N4に関わらず、更に第一搬送装置30により搬送されている物品列の欠落の有無に関わらず、第一搬送装置30から第二搬送装置40へ供給される物品2の数が包装装置50の包装速度N4に適切であると(ステップS21,S22:NO)、包装装置50の運転速度が維持される(ステップS25)。
制御部70は1回のカウント処理を終了する度に、上述の比較・変速処理を実行する。
以上のように、第一搬送装置30により搬送されている物品列に欠落が発生して、第一搬送装置30から第二搬送装置40へ実際に単位時間当たりに供給される物品2の数が安定しなくても、安定した数の物品2が包装装置50の上流側において配列されてプールされた状態が保たれる。よって、第二搬送装置40から包装装置50への物品供給に欠落が発生せず、物品の無い包装物5が作製されない。つまり、包装物5の作製についての歩留まりが非常に高い。
なお、制御部70がカウント処理及び比較・変速処理が繰り返し実行する際に、カウント値Aが上閾値A3を超えても(ステップS23:YES)、ステップS23の増速前の包装装置50の包装速度N4が所定の最大値N4max[1/sec]である場合、制御部70が駆動モータ55g及び送りモータ51cの回転速度を維持するとともに、リニアモータ46による移動体42の移動速度V3を維持する。
13. 速度・周期制御(第五例)
包装システム1の定常運転中には、供給装置20、第一搬送装置30、第二搬送装置40及び包装装置50が制御部70によって以下のように制御される。
13−1. 定速制御
「12−1. 定速制御」と同様な制御が制御部70によって行われる。
13−2. 変速制御
上述したように、供給周期T3と包装周期T4が等しく、供給速度N3と包装速度N4が等しくなるように、制御部70がリニアモータ46、送りモータ51c及び駆動モータ55gを制御する。また、制御部70がリニアモータ46を制御することによって、移動体42が往路部41aのX軸方向下流側端部(位置P3)から下降するタイミングが送りモータ51c及び駆動モータ55gの回転周期の所定位相に同期する。そのため、物品2が第二搬送装置40(特に搬送テーブル10)から包装装置50(特にフォーマ52)に供給されるタイミングが包装周期T4の所定位相に同期する。これにより、物品2が横方向シール機55の圧接部55c,55dに噛み込まれることがない。
ここで、制御部70は、供給周期T3又はその整数倍毎に、包装装置50よりも上流側の区間Sにおいて移動速度V3で移動しながら配列している移動体42の数を計数し、その計数値Bに基づいて駆動モータ55g及び送りモータ51cの回転速度を制御するとともに、リニアモータ46による移動体42の移動速度V3を制御する。そのため、供給速度N3及び包装速度N4が以下のように供給周期T3又はその整数倍毎に変化する。なお、制御部70は、上述のように移動体42ごとに位置及び移動速度を認識するので、区間Sにおける移動体42の数を計数することができる。
具体的には、制御部70は、計数値Bを所定の上閾値B1及び下閾値B2と比較する。ここで、B1>B2>0である。
比較の結果、計数値Bが上閾値B1を超えている場合、制御部70が駆動モータ55g及び送りモータ51cの回転速度を所定差分だけ増速するとともに、リニアモータ46による移動体42の移動速度V3を所定差分だけ増速する。そうすると、包装装置50の包装速度N4が所定差分ΔN4だけ上昇し、第二搬送装置40の供給速度N3が所定差分ΔN3だけ上昇する。つまり、変速前に物品2が包装装置50の上流側の区間Sにおいて長く配列されているので、包装装置50の運転速度が上昇される。これにより、その後のその区間Sの物品2の列がそれ以上長くならないか、次第に短くなる。
いっぽう、比較の結果、計数値Bが下閾値B2未満である場合、制御部70が駆動モータ55g及び送りモータ51cの回転速度を所定差分だけ減速するとともに、リニアモータ46による移動体42の移動速度V3を所定差分だけ減速する。そうすると、包装装置50の包装速度N4が所定差分ΔN4だけ低下し、第二搬送装置40の供給速度N3が所定差分ΔN3だけ低下する。つまり、変速前に物品2が包装装置50の上流側の区間Sにおいて短く配列されているので、包装装置50の運転速度が低下される。これにより、その後のその区間Sの物品2の列がそれ以上短くならないか、次第に長くなる。
いっぽう、比較の結果、計数値Bが下閾値B2以上閾値B1以下である場合、制御部70が駆動モータ55g及び送りモータ51cの回転速度を維持するとともに、リニアモータ46による移動体42の移動速度V3を維持する。そうすると、包装装置の包装速度N4が維持され、第二搬送装置40の供給速度N3が維持される。つまり、包装装置50の上流側の区間Sにおける物品2の配列が適切な長さであるので、包装装置50の運転速度が維持される。
従って、第一搬送装置30により搬送されている物品列に欠落が発生して、第一搬送装置30から第二搬送装置40へ実際に単位時間当たりに供給される物品2の数が安定しなくても、安定した数の物品2が包装装置50の上流側において配列されてプールされた状態が保たれる。よって、第二搬送装置40から包装装置50への物品供給に欠落が発生せず、物品の無い包装物5が作製されない。つまり、包装物5の作製についての歩留まりが非常に高い。
なお、上述の変速制御が継続されている際に、計数値Bが上閾値B1を超えている場合であっても、増速前の包装装置50の包装速度N4が所定の最大値N4max[1/sec]である場合、制御部70が駆動モータ55g及び送りモータ51cの回転速度を維持するとともに、リニアモータ46による移動体42の移動速度V4を維持する。
14. 速度・周期制御(第六例)
包装システム1の定常運転中には、供給装置20、第一搬送装置30、第二搬送装置40及び包装装置50が制御部70によって以下のように制御される。
14−1. 定速制御
「12−1. 定速制御」と同様な制御が制御部70によって行われる。
14−2. 変速制御
上述したように、供給周期T3と包装周期T4が等しく、供給速度N3と包装速度N4が等しくなるように、制御部70がリニアモータ46、送りモータ51c及び駆動モータ55gを制御する。また、制御部70がリニアモータ46を制御することによって、移動体42が往路部41aのX軸方向下流側端部(位置P3)から下降するタイミングが送りモータ51c及び駆動モータ55gの回転周期の所定位相に同期する。そのため、物品2が第二搬送装置40(特に搬送テーブル10)から包装装置50(特にフォーマ52)に供給されるタイミングが包装周期T4の所定位相に同期する。これにより、物品2が横方向シール機55の圧接部55c,55dに噛み込まれることがない。
ここで、制御部70は、供給周期T3又はその整数倍毎に物品センサ62,63の出力を監視して、物品センサ62,63の出力に基づいて駆動モータ55g及び送りモータ51cの回転速度を制御するとともに、リニアモータ46による移動体42の移動速度V3を制御する。そのため、供給速度N3及び包装速度N4が以下のように供給周期T3又はその整数倍毎に変化する。
具体的には、図15の真理値表に示すように、物品センサ62,63の両方によって物品2が検出されて、その検出信号が制御部70に入力されたら、制御部70が駆動モータ55g及び送りモータ51cの回転速度を所定差分だけ増速するとともに、リニアモータ46による移動体42の移動速度V3を所定差分だけ増速する。そうすると、包装装置50の包装速度N4が所定差分ΔN4だけ上昇し、第二搬送装置40の供給速度N3が所定差分ΔN3だけ上昇する。つまり、変速前に物品2が包装装置50の上流側の区間Sにおいて長く配列されているので、包装装置50の運転速度が上昇される。
いっぽう、物品センサ62,63の両方によって物品2が検出されず、検出信号が制御部70に入力されないので、制御部70が駆動モータ55g及び送りモータ51cの回転速度を所定差分だけ減速するとともに、リニアモータ46による移動体42の移動速度V3を所定差分だけ減速する。そうすると、包装装置50の包装速度N4が所定差分ΔN4だけ低下し、第二搬送装置40の供給速度N3が所定差分ΔN3だけ低下する。つまり、変速前に物品2が包装装置50の上流側の区間Sにおいて短く配列されているので、包装装置50の運転速度が低下される。
いっぽう、上流側の物品センサ62によって物品2が検出され、下流側の物品センサ63によって物品2が検出されると、その検出信号が物品センサ63から制御部70に入力されるが、物品センサ62から制御部70に入力されないので、制御部70が駆動モータ55g及び送りモータ51cの回転速度を維持するとともに、リニアモータ46による移動体42の移動速度V3を維持する。そうすると、包装装置の包装速度N4が維持され、第二搬送装置40の供給速度N3が維持される。つまり、包装装置50の上流側の区間Sにおける物品2の配列が適切な長さであるので、包装装置50の運転速度が維持される。
従って、第一搬送装置30により搬送されている物品列に欠落が発生して、第一搬送装置30から第二搬送装置40へ実際に単位時間当たりに供給される物品2の数が安定しなくても、安定した数の物品2が包装装置50の上流側において配列されてプールされた状態が保たれる。よって、第二搬送装置40から包装装置50への物品供給に欠落が発生せず、物品の無い包装物5が作製されない。つまり、包装物5の作製についての歩留まりが非常に高い。
なお、上述の変速制御が継続されている際に、物品センサ62,63の両方によって物品2が検出されている場合であっても、増速前の包装装置50の包装速度N4が所定の最大値N4max[1/sec]である場合、制御部70が駆動モータ55g及び送りモータ51cの回転速度を維持するとともに、リニアモータ46による移動体42の移動速度V4を維持する。
〔第2の実施の形態〕
図16は、包装システム101の平面図である。包装システム101は、搬送テーブル10と、作業台180、供給装置110、第一搬送装置30、第二搬送装置40、包装装置50、物品センサ61〜63及び制御部70を備える。
第一搬送装置30、第二搬送装置40、包装装置50及び物品センサ61〜63は第一実施形態と同様であるので、これらの説明は省略する。
搬送テーブル10についても第一実施形態の場合と同様に、上流部位11が下流部位13よりも高く、これらの間の部位12が下流部位13に向けて下りに傾斜し、その中間部位12から下流部位13の端部にかけてスリット14がX軸方向に延在するように形成されている。ここで、第一搬送装置30のX軸方向上流側の部位の下方には、搬送テーブル10ではなく、供給装置110が配置されている。この供給装置110は、第一搬送装置30のX軸方向上流側の部位の下方からY軸方向上流側にかけて設けられている。
供給装置110は、物品2をY軸方向に搬送しながらこれら物品2を一列に整列して、これら物品2を第一搬送装置30に順次供給するものである。供給装置110は、Y軸方向に配列されたベルトコンベア111,112,113と、ベルトコンベア111上に設けられた減列ベルトコンベア115と、ベルトコンベア112上に設けられた減列ベルトコンベア116と、を有する。
ベルトコンベア111が作業台180のY軸方向下流側に隣接して配置され、ベルトコンベア112がベルトコンベア112のY軸方向下流側に隣接して配置され、ベルトコンベア113がベルトコンベア112のY軸方向下流側に隣接して配置されている。そして、搬送テーブル10がベルトコンベア113のX軸方向下流側に隣接して配置されており、第一搬送装置30はベルトコンベア113のY軸方向下流側端部から搬送テーブル10の中間部位にかけてその上方に配置されている。これらベルトコンベア111〜113の搬送面は水平に設けられているとともに、高さが互いに揃っている。また、ベルトコンベア113の搬送面は搬送テーブル10の上面に高さが揃っている。
減列ベルトコンベア115は、その搬送面がベルトコンベア111の搬送面に対して直交するようにベルトコンベア111上に設けられている。減列ベルトコンベア115の搬送面は、Y軸方向に平行な鉛直面に対して傾斜する。減列ベルトコンベア116は、その搬送面がベルトコンベア112の搬送面に対して直交するようにベルトコンベア112上に設けられている。減列ベルトコンベア116の搬送面は、減列ベルトコンベア115の搬送面の傾斜方向とは反対の向きに、Y軸方向に平行な鉛直面に対して傾斜する。減列ベルトコンベア116のY軸方向上流側端部は、減列ベルトコンベア115のY軸方向下流側端部よりもX軸方向下流側にずれている。
作業者が作業台180の物品2を滑らすようにベルトコンベア111上に送ると、これら物品2が多列の状態でベルトコンベア111によってY軸方向下流側に搬送される。これら物品2が減列ベルトコンベア115に当たると、Y軸方向の流れに抵抗が生じるので、Y軸方向に対して斜めの方向に整列されながら搬送される。物品2が減列ベルトコンベア115のY軸方向下流側端部に至ると、ベルトコンベア111によってY軸方向下流へ搬送されて、ベルトコンベア111からベルトコンベア112に移載される。ベルトコンベア112に移載された物品2はベルトコンベア112によってY軸方向下流へ搬送されて、減列ベルトコンベア116に当たる。減列ベルトコンベア116においても、物品2がY軸方向に対して斜めの方向に整列されながら搬送される。減列ベルトコンベア116の下流側においては物品2が一列に配列されており、物品2が一体ずつ減列ベルトコンベア116の下流側端部からY軸方向下流へベルトコンベア112によって搬送される。そして、ベルトコンベア112のY軸方向下流側端部に至った物品2がベルトコンベア113によってY軸方向下流へ搬送される。ベルトコンベア113の搬送速度はベルトコンベア111,112の搬送速度よりも高く、物品2がベルトコンベア112からベルトコンベア113に移載される際に、間隔が広がる。ベルトコンベア113によって搬送された物品2は、第一搬送装置30の隣り合う押送フィンガー34の間に入り込む。
以上のように、供給装置110のY軸方向下流側端部においては、供給装置110によって物品2がY軸方向に一列に配列された状態で一体ずつ第一搬送装置30に順次供給される。ところが、ベルトコンベア113上における物品2の間隔は不規則であるので、第一搬送装置30によってX軸方向に搬送される物品2の列には欠落が生じる。
そのため、第一実施形態の場合と同様に、第一搬送装置30、第二搬送装置40及び包装装置50が制御部70によって制御されることによって、第二搬送装置40から包装装置50への物品供給に欠落が発生せず、物品の無い包装物5が作製されない。
なお、第一実施形態では、第一搬送装置30の搬送速度V1と供給装置20の運転速度(回転ドラム21の回転速度n)が正比例の関係にあったが、第二実施形態では、第一搬送装置30の搬送速度V1と供給装置110の運転速度(特に、ベルトコンベア113の搬送速度)が正比例の関係にある。
〔変形例〕
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明の実施形態は本発明の趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。以上の実施形態からの変更点について以下に説明する。以下に説明する各変更点を組み合わせて適用してもよい。
(1) 上記実施形態では、包装装置50が正ピロー包装装置(縦方向シール機54が受け板53の下方に配置され、原反ロール51aがフォーマ52の上方に配置され、帯状のフィルム6の両側部がフォーマ52によって下方に曲げられる。)であったが、逆ピロー包装装置であってもよい。逆ピロー包装装置の場合、縦方向シール機54が受け板53の上方に配置され、原反ロール51aがフォーマ52の下方に配置され、帯状のフィルム6の両側部がフォーマ52によって上方に曲げられる。
(2) また、包装装置50が三方シール包装装置であってもよい。三方シール包装装置の場合、原反ロール51aがフォーマ52の側方に配置され、原反ロール51aから繰り出された帯状のフィルム6が水平面に対して直交した状態でフォーマ52に搬送され、そのフィルム6がフォーマ52によって2つ折りにされ、横方向シール機54が2つ折りにされたフィルム6の経路の側方に配置されていて、その横方向シール機54がフィルム6の重なり合った縁部を上下に挟み込んでシールする。
(3) また、包装装置50が四方シール包装装置であってもよい。四方シール包装装置の場合、2つの原反ロール51aが上下に配置され、これら原反ロール51aから繰り出された2枚のフィルム6が搬送テーブル10のX軸方向下流側端部において上下に重ねられて、X軸方向下流側へ搬送され、2体の横方向シール機54が重ねられた2枚のフィルム6の経路の両側の側方に配置されていて、それら横方向シール機54がフィルム6の重なり合った両側の縁部を上下に挟み込んでシールする。
(4) 切断刃55e,55fを省略してもよい。この場合、複数の包装物5が連なった連包包装体が作製される。
(5) 切断刃55e,55fを目打ち刃に変更してもよい。この場合、複数の包装物5が連なった連包包装体が作製されるが、包装物5と包装物5との間に目打ち線(ミシン目)が形成される。
(6) 物品センサ61〜64は、物品2を検出できるものであれば、光センサではなく、別の種類のセンサ(例えば、リミットスイッチ、タッチセンサ、静電センサ)であってもよい。