JP6641087B2 - 竪樋支持具 - Google Patents
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また、上記特許文献2の竪樋支持具では、凹部に球状係止部を嵌入させた際の球状係止部の可動範囲が、軸部の凹部内における移動可能範囲に制限されてしまうので、固定部と支持部との間で角度をもたせ難く、建物の外壁面の傾斜に対応し切れない場合があるという問題があった。
上記竪樋支持具によれば、固定部材の軸部が嵌合凸部に貫通し、固定部材の軸部の一端が外壁に固定されるので、竪樋保持部材と外壁との連結部分が芯となる固定部材の軸部とその外周を被覆する取付部材との二層構造となり、竪樋保持部材と外壁との連結部分の強度が高められる。また、第1球面部を有する嵌合突状部に第2球面部を有する嵌合凸部が球面嵌合することで、竪樋保持部材が取付部材に対して回動自在に支持される。加えて、第1球面部と第2球面部とが接触しない部分に隙間が設けられているので、竪樋保持部材が回動する際に固定部材と干渉することもない。従って、竪樋保持部材の可動範囲が充分に確保される。
また、上記竪樋支持具によれば、嵌合筒部の内面に形成された球面座が凸曲面に球面嵌合するので、嵌合筒部は球面座が凸曲面に当接可能な範囲で、即ち外壁との連結部分以外の凸曲面に当接して可動となり、竪樋保持部材の可動範囲が充分に確保される。
また、上記竪樋支持具によれば、嵌合筒部は球面座が凸曲面に当接可能な範囲で、即ち外壁との連結部分以外の凸曲面と固定部材の他端の外周面からなる球面全体に当接して可動となり、竪樋保持部材の可動範囲がより充分に確保される。
上記竪樋支持具によれば、取付部材が外壁の少なくとも一部に当接可能な基台を備えているため、竪樋保持部材、取付部材、特に固定部材が外壁に安定して支持される。竪樋が風の影響を受けて大きく揺れた場合、或いは竪樋保持部材が大きく回動した場合でも、基台が振動や衝撃を外壁面に円滑に分散させると共に、固定部材の軸部への振動や衝撃の伝達を抑制する。これにより、竪樋支持具が外壁に安定して固定され、竪樋保持部材と外壁との連結部分の強度も高められる。
竪樋Tは、雨水を流下させる筒体を上下方向に複数連結して構成されている。この筒体の形状は、断面円形のものの他に、断面略矩形のもの等様々であり、特に限定されない。以下の各実施形態では、竪樋Tをなす筒体は断面円形である。
先ず、本発明を適用した第一実施形態(以下、単に第一実施形態という)の竪樋支持具1Aについて説明する。図1は竪樋支持具1Aを示す断面図である。
バンド部11は、竪樋Tの外周面に沿って嵌着されるように平面視略円形に形成されている。
嵌合筒部36の先端は縮径されている。これにより、竪樋保持部材10Aが取付部材2の嵌合凸部20を基点として回動する際に取付部材2の基台40や外壁W等に接触し難く、竪樋保持部材10Aが円滑に回動可能となる。
基台40は、取付面40aを外壁Wの少なくとも一部に当接した状態で建物の外壁Wに固定されるように形成されている。基台40の取付面40aは、軸体42と連結している板面の裏側の板面を示す。
上記構成では、嵌合筒部36が凸曲面34を有する嵌合凸部20に球面嵌合可能とされ、球面嵌合した際に、凸曲面34は嵌合筒部36により径方向の外側から囲繞されている。また、凸曲面34には嵌合筒部36の内面において球面座38が球面嵌合されている。嵌合筒部36と嵌合凸部20との嵌合部25には、第1球面部14と第2球面部22とが接触しない部分、即ち隙間Sが形成されている。この隙間Sは、嵌合筒部36の径方向の内側において、第2球面部22よりも樋側に位置している。
取付部材2には、嵌合凸部20、軸体42及び基台40を貫通する貫通孔Hが形成されている。
上記構成では、図1に示すように嵌合筒部36が凸曲面34を有する嵌合凸部20に球面嵌合した際に、第1球面部14は外周面28Rと凸曲面34からなる球面に当接して広範囲に、且つ円滑に移動可能とされている。
竪樋支持具1Aを組み立てる際には、始めに、図2に示すように外壁Wの所定位置に取付部材2の基台40の取付面40aを当接させる。次に、取付部材2の貫通孔Hに固定部材4Aのねじ軸28をねじ込み挿入すると共に、ねじ軸28の他端28bが嵌合凸部20に係止されるまでねじ軸28の一端28aを外壁Wに侵入させる。この工程により、取付部材2に固定部材4Aが貫通した状態で取付部材2及び固定部材4Aが外壁Wに固定される。また、固定部材4Aの他端28bの外周面28Rと取付部材2の凸曲面34とが段差なく連なり、全体として球面を形成する。即ち、取付部材2の嵌合凸部20と固定部材4Aの他端28bは、一体的に球体を形成する。
また、第1球面部14を有する嵌合筒部36に第2球面部22を有する嵌合凸部20が球面嵌合することで、第1球面部14が第2球面部22に当接しながら第2球面部22上を移動可能となり、竪樋保持部材10が取付部材2に対して回動自在に支持される。加えて、第1球面部14と第2球面部22とが接触しない部分に隙間Sが形成されているので、竪樋保持部材10が回動する際に固定部材4と緩衝することもない。従って、竪樋保持部材10の可動範囲が充分に確保される。
また、取付部材2と固定部材4が一体的に外壁Wに固定可能とされているため、竪樋支持具1の小型化を図ることができる。
さらに、組み立て完了時には固定部材4が外方から視認されないため、固定部材4が雨や風等の影響を受け難く、固定部材4の劣化を防ぐことができる。そして、竪樋支持具1の美観性を高めることもできる。
次に、本発明を適用した第二実施形態(以下、単に第二実施形態という)の竪樋支持具1Bについて説明する。
図3は竪樋支持具1Bを示す断面図である。なお、図3に示す竪樋支持具1Bの構成要素において、図1に示す竪樋支持具1Aの構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
加えて、竪樋支持具1Bにおいても、竪樋保持部材10Aは嵌合筒部36を有し、球面座38が凸曲面34に球面嵌合するので、嵌合筒部36は球面座38が凸曲面34に当接可能な範囲で、即ち軸体42との連結部分以外の凸曲面34に当接しながら移動可能となる。従って、竪樋保持部材10Aの可動範囲を充分に確保することができる。
このように、竪樋保持部材10Aの可動範囲が充分に確保され、且つ固定部材4の他端28bが隙間Sに配置されて竪樋保持部材10Aの回動時に緩衝しなければ、他端28bの形状は任意に変更可能であり、これにより竪樋支持具1Bに一般的なネジ等の固定部材を適用することもできる。また、竪樋支持具1Bの設計の自由度、汎用性等も拡大することができる。
次に、本発明を適用した第三実施形態(以下、単に第三実施形態という)の竪樋支持具1Cについて説明する。
図4は竪樋支持具1Cを示す断面図である。なお、図4に示す竪樋支持具1Cの構成要素において、図1に示す竪樋支持具1Aの構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
取付リブ63は、筒状体62の軸線方向に直交する断面視において略T字状に形成され、軸部56と、係止部65と、を備えている。軸部56は、筒状体62の外周面から径方向外側に突出している。係止部65は、軸部56の突出方向(即ち、樋支持軸O方向)の先端からこの突出方向に直交する方向の両側(即ち、径方向外側)へそれぞれ膨出するように形成されている。そして、竪樋Tには、筒状体62と軸部56及び係止部65に囲まれた溝部61が形成されている。
なお、取付リブ63は、筒状体62の外周面から筒状体62の径方向外側に突出していればよく、上記以外の形状を有していてもよい。
嵌合筒部36の基端部68には、嵌入溝71が形成されている。嵌入溝71は嵌合筒部36の高さに亘って鉛直方向に延びて、取付リブ63を嵌入可能とされている。嵌合筒部36の高さ中央では、嵌入溝71が隙間Sに連通している。
取付リブ把持部72,72の先端は、それぞれ隙間Sに向かって屈曲している。このように屈曲する部分によって係止片73が構成されている。一対の係止片73,73は、嵌入溝71に取付リブ63が挿入された際に係止部65に当接可能とされている。
係止片73の内周側面は筒状体62の軸線方向に直交する断面視において略円弧状に形成されている。このため、取付リブ63の係止部65を前記内周側面に押し付けると、取付リブ63が係止片73の内周側面に沿って隙間Sに向かう方向にガイドされる。
嵌合筒部36の嵌入溝71の外壁W側には、樋支持軸Oを中心として両側から姿勢確認用突出部53を挟むように一対の把持部74,74が設けられている。
また、竪樋支持具1Cにおいて、第一実施形態の竪樋支持具1Aと同様に、嵌合筒部36は球面座38が外周面28R及び凸曲面34に当接可能な範囲で、即ち軸体42との連結部分以外の凸曲面34及び外周面28Rに当接しながら移動可能となる。従って、竪樋保持部材10B及び竪樋保持部材10Bに連結可能な竪樋Tの可動範囲を充分に確保することができる。
図5及び図6はそれぞれ、外壁V1,V2のそれぞれに取り付けられた竪樋支持具1Cの一部を示す断面図である。図5及び図6に示すように、外壁V1,V2は、外壁Wとは異なり、且つ互いに異なる形状を有する。上述した作用効果によって、竪樋支持具1Cは例えば外壁V1,V2にも対応し、安定して固定される。また、外壁W,V1,V2とは互いに異なる形状の壁面等にも対応することができる。
竪樋支持具1Cを組み立てる際には、先ず取付部材2及び固定部材4Aを外壁Wに固定するまで、上述した竪樋支持具1Aを組み立てる工程と同様の工程を行う。
次いで、嵌合筒部36の把持部74,74に姿勢確認用突出部53を嵌入する。そして、竪樋Tを竪樋支持具1Cの近傍へ運び、竪樋Tの取付リブ63と嵌合筒部36の嵌入溝71とを対向させる。この際、竪樋Tが鉛直方向に延在しているか確認するために、鉛直方向の基準として姿勢確認用突出部53を参考にすればよい。
続いて、竪樋Tを嵌合筒部36側へ移動させ、取付リブ63の係止部65を取付リブ把持部72の係止片73へ押し付ける。そして、取付リブ63の係止部65を取付リブ把持部72の係止片73へ押し付け、一対の取付リブ把持部72,72を互いに離間する方向へ弾性変形させ、嵌入溝71に取付リブ63を嵌入する。これにより、図7に示すように、一対の取付リブ把持部72,72が取付リブ63を挟持する。また、取付リブ把持部72の係止片73が竪樋Tの溝部61に挿入され、竪樋Tの取付リブ63が嵌合筒部36の嵌入溝71に装着される。
その後、竪樋支持具1Aを組み立てる工程と同様に、嵌合筒部36を適宜弾性変形させて、取付部材2の嵌合凸部20及び固定部材4Aの他端28bに球面嵌合させる。なお、竪樋Tの取付リブ63は上記球面嵌合を行う前に嵌入溝71に嵌入してもよく、上記球面嵌合を行った後に嵌入溝71に嵌入してもよい。
例えば、固定部材4はネジに限定されず、軸部にねじ切りが施されておらず、且つ外壁Wに挿入及び固定可能なピン等であってもよい。
Claims (4)
- 建物の外壁に沿って竪樋を支持するための竪樋支持具であって、
前記竪樋を保持する竪樋保持部材と、
前記外壁に前記竪樋保持部材を取り付ける取付部材と、
前記取付部材を前記外壁に固定する固定部材と、
を備え、
前記竪樋保持部材は、前記取付部材に対して球面嵌合により回動自在に支持される第1球面部を有する嵌合突状部を備え、
前記取付部材は、前記嵌合突状部に球面嵌合する第2球面部を有する嵌合凸部を備え、
前記嵌合突状部と前記嵌合凸部とは、前記第1球面部と前記第2球面部とが接触しない部分に隙間を設けた状態で嵌合され、
前記固定部材は、前記嵌合凸部を貫通する軸部を有し、該軸部の一端が前記外壁に固定され、他端が前記隙間に配置され、
前記第2球面部は、球体状に形成された凸曲面をなし、
前記嵌合突状部は、前記凸曲面を径方向の外側から囲繞する嵌合筒部を有し、
前記第1球面部は、前記嵌合筒部の内面において前記凸曲面に球面嵌合し、径方向の外側に突となる球面座をなし、
前記嵌合筒部内に前記隙間が形成され、
前記固定部材の前記他端の外周面と前記凸曲面が段差なく連なり、全体として球面を呈していることを特徴とする竪樋支持具。 - 建物の外壁に沿って竪樋を支持するための竪樋支持具であって、
前記竪樋を保持する竪樋保持部材と、
前記外壁に前記竪樋保持部材を取り付ける取付部材と、
前記取付部材を前記外壁に固定する固定部材と、
を備え、
前記竪樋保持部材は、前記取付部材に対して球面嵌合により回動自在に支持される第1球面部を有する嵌合突状部を備え、
前記取付部材は、前記嵌合突状部に球面嵌合する第2球面部を有する嵌合凸部を備え、
前記嵌合突状部と前記嵌合凸部とは、前記第1球面部と前記第2球面部とが接触しない部分に隙間を設けた状態で嵌合され、
前記固定部材は、前記嵌合凸部を貫通する軸部を有し、該軸部の一端が前記外壁に固定され、他端が前記隙間に配置され、
前記竪樋は、
筒状体と、
該筒状体の外周面から前記筒状体の径方向外側に突出する取付リブと、
を備え、
前記竪樋保持部材は、前記嵌合突状部をなし、且つ基端部に前記取付リブを径方向の外側から嵌入可能な嵌合筒部であることを特徴とする竪樋支持具。 - 前記取付リブは、
前記筒状体の軸線方向に延在し、
前記外周面から前記径方向外側に突出する軸部と、
前記軸部の突出方向の先端から前記突出方向に直交する方向の両側へそれぞれ膨出する係止部と、
を備え、
前記竪樋の軸線に交差する断面で見たとき、
前記基端部には前記嵌合筒部の中心軸線を中心として互いに中央部に向かって近接する方向に延設された取付リブ把持部が設けられ、
前記取付リブ把持部の前記中央部側の端には前記隙間に向かって屈曲する係止片が設けられ、
前記基端部且つ前記嵌合筒部の中心軸線を中心として中央部には前記軸部を嵌入可能な嵌入溝が形成され、
前記軸部が前記嵌入溝に嵌入された状態において前記係止部は前記係止片に当接している、
請求項2に記載の竪樋支持具。 - 前記取付部材は前記外壁の少なくとも一部に当接可能な基台を備えている請求項1〜3のうち何れか一項に記載の竪樋支持具。
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