JP6640435B1 - 銅合金板材およびその製造方法ならびに電気電子機器用放熱部品およびシールドケース - Google Patents

銅合金板材およびその製造方法ならびに電気電子機器用放熱部品およびシールドケース Download PDF

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Abstract

本発明の銅合金板材は、Ni:0〜4.5質量%、Co:0〜2.0質量%、Si:0.2〜1.3質量%、Mg:0〜0.5質量%、Cr:0〜0.5質量%、Sn:0〜0.25質量%、Zn:0〜0.6質量%、Zr:0〜0.15質量%およびMn:0〜0.25質量%を含有し、NiおよびCoの合計含有量が0.8〜5.0質量%で、かつSi含有量に対するNiおよびCoの合計含有量の比{(Ni+Co)/Si}が2.0〜6.0であり、残部がCuおよび不可避不純物からなる合金組成を有し、圧延集合組織を有する銅合金板材であって、前記圧延集合組織は、EBSDによる集合組織解析から得られた、β−fiber(Φ2=45°〜90°)の方位密度の平均値が、3.0以上25.0以下の範囲内であり、圧延平行方向の引張強度が600MPa以上であり、JBMA T304:1999に準拠した条件で100mm長さの短冊状に加工した試験片のはね上がり高さが2.0mm以下であり、放熱性に優れ、十分な強度をもち、残留応力が小さく、曲げ加工性に優れている。

Description

本発明は、例えば電気電子機器の放熱部品などに使用するのに適した銅合金板材およびその製造方法ならびに電気電子機器用放熱部品およびシールドケースに関する。
例えば、電子機器に実装される半導体部品や、液晶ディスプレイの補強用の部品には、強度の高いステンレス鋼(SUS)が使用されている。しかしながら、近年の電子機器の高性能化やバッテリー容量の大型化に伴い、各実装部品からの発熱量が増加する傾向がある。このように発熱量が増加すると、端末内の部品の変形や性能低下が生じるおそれがあることから、半導体部品や液晶ディスプレイの補強用の部品として使用してきたステンレス鋼(SUS)の代替材料として、放熱性に優れた銅合金が注目されている。
銅合金、例えばCu−Ni−Si合金は、熱伝導率が175W/m・Kであり、ステンレス鋼、例えばSUS304(H)の熱伝導率(16.7W/m・K)の10倍以上であることから、ステンレス鋼に比べて顕著に優れた放熱性(熱を放散して逃がす特性)を有している。また、ステンレス鋼、例えばSUS304(H)は、1000MPa以上の引張強度を有しているが、電気電子機器用放熱部品やシールドケースでは、600MPa以上の強度があれば十分である。なお、熱伝導率は、レーザーフラッシュ法による実測に加え、導電率と線形(比例)関係にあることから、導電率を測定することによって算出することが可能である。(例えば非特許文献1参照)
また、ステンレス鋼(SUS)は、一般に高強度であるため、半導体や液晶ディスプレイを保護する材料としては適しているものの、半導体や液晶ディスプレイが発熱した際の放熱性は、バッテリー容量が大型化した電子機器等では不十分であることから、モジュール全体の発熱抑制が困難な状況にあり、結果として、モジュール全体の温度が上昇して、電気電子機器が故障するおそれがあった。
一方、従来の銅系材料は、ステンレス鋼に比べて放熱性が優れているため、例えば電気電子機器の補強ケースとして使用すれば、放熱性を改善することができるものの、補強ケースとして必要な強度(600MPa以上)を得ることは難しかった。
また、従来の銅系材料からなる板は、半導体部品や液晶ディスプレイの放熱と保護を目的とする補強ケースに用いた場合、残留応力が存在すると、組み立て後に基板や他の部品に歪みを与えてしまうことになることから、性能悪化が生じやすい。
さらに、放熱部品に用いられる材料は、所定形状の補強ケースに加工されるため、特に小型の放熱部品に加工する場合も含めて設計すると、優れた曲げ加工性を具備することも必要である。
放熱部品を構成する材料として銅系材料を用いた公知技術としては、例えば特許文献1に、純銅又は銅合金板から放熱部品を製造するプロセスの一部に650℃以上の温度に加熱するプロセスが含まれる場合における軟化や導電率の低下を抑制し、650℃以上の温度に加熱するプロセスを経て製造された放熱部品に、十分な強度と放熱性能を持たせることができる銅合金板が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の銅合金板は、組成成分と製造条件とを制御することによって製造したものであるが、銅合金板の残留応力の改善については開示がなく、加えて、曲げ加工性についても、W曲げ試験方法による90°曲げ加工の評価結果しかなく、より厳しい曲げ試験であるU曲げ試験(180°密着曲げ)による180°曲げ加工については評価がなされていない。
特許第6031549号公報
栗田敏広、「第4章 物理的性質」伸銅品データブック(第2版)、日本伸銅協会、平成21年3月、p53−58
そこで、本発明の目的は、ステンレス鋼に比べて放熱性に優れ、しかも、例えば電気電子機器の補強ケースとして使用した場合であっても十分な強度をもち、加えて、残留応力が小さく、曲げ加工性にも優れた銅合金板材およびその製造方法ならびに電気電子機器用放熱部品およびシールドケースを提供することにある。
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)Ni:0〜4.5質量%、Co:0〜2.0質量%、Si:0.2〜1.3質量%、Mg:0〜0.5質量%、Cr:0〜0.5質量%、Sn:0〜0.25質量%、Zn:0〜0.6質量%、Zr:0〜0.15質量%およびMn:0〜0.25質量%を含有し、NiおよびCoの合計含有量が0.8〜5.0質量%で、かつSi含有量に対するNiおよびCoの合計含有量の比{(Ni+Co)/Si}が2.0〜6.0であり、残部がCuおよび不可避不純物からなる合金組成を有し、圧延集合組織を有する銅合金板材であって、前記圧延集合組織は、EBSDによる集合組織解析から得られた、β−fiber(Φ2=45°〜90°)の方位密度の平均値が、3.0以上25.0以下の範囲内であり、圧延平行方向の引張強度が600MPa以上であり、JBMA T304:1999に準拠した条件で100mm長さの短冊状に加工した試験片のはね上がり高さが2.0mm以下であることを特徴とする銅合金板材。
(2)Ni:0〜4.5質量%、Co:0〜2.0質量%、Si:0.2〜1.3質量%、Mg:0〜0.5質量%、Cr:0〜0.5質量%、Sn:0〜0.25質量%、Zn:0〜0.6質量%、Zr:0〜0.15質量%およびMn:0〜0.25質量%を含有し、NiおよびCoの合計含有量が0.8〜5.0質量%で、かつSi含有量に対するNiおよびCoの合計含有量の比{(Ni+Co)/Si}が2.0〜6.0であり、残部がCuおよび不可避不純物からなる合金組成を有し、圧延集合組織を有する銅合金板材であって、前記圧延集合組織は、EBSDによる集合組織解析から得られた、β−fiber(Φ2=45°〜90°)の方位密度の平均値が、3.0以上25.0以下の範囲内であり、圧延平行方向の引張強度が600MPa以上であり、90°曲げ加工と180°曲げ加工をそれぞれ行なった後の各試験片の屈曲加工部の外面上で、レーザー顕微鏡を用いて、曲げの軸方向に対して垂直な方向に測定した高さプロファイルにて、曲げシワもしくはクラックの深さをM(μm)、板厚をt(μm)とするとき、M/t比がいずれも0.2以下であることを特徴とする銅合金板材。
(3)導電率が35〜80%IACSであり、圧延平行方向の縦弾性係数が110〜145GPaであることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の銅合金板材。
(4)前記合金組成は、Mg:0.05〜0.5質量%、Cr:0.05〜0.5質量%、Sn:0.05〜0.25質量%、Zn:0.2〜0.6質量%、Zr:0.05〜0.15質量%およびMn:0.05〜0.25質量%からなる群から選択される少なくとも1種の成分を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の銅合金板材。
(5)前記圧延平行方向の引張強度が600〜950MPaであることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の銅合金板材。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の銅合金板材を製造する方法であって、Ni:0〜4.5質量%、Co:0〜2.0質量%、Si:0.2〜1.3質量%、Mg:0〜0.5質量%、Cr:0〜0.5質量%、Sn:0〜0.25質量%、Zn:0〜0.6質量%、Zr:0〜0.15質量%およびMn:0〜0.25質量%を含有し、NiおよびCoの合計含有量が0.8〜5.0質量%で、かつSi含有量に対するNiおよびCoの合計含有量の比{(Ni+Co)/Si}が2.0〜6.0である合金組成を有する銅合金素材に、鋳造[工程1]、均質化熱処理[工程2]、熱間圧延[工程3]、冷却[工程4]、面削[工程5]、第1冷間圧延[工程6]、溶体化熱処理[工程7]、時効析出熱処理[工程8]、第2冷間圧延[工程9]、テンションアニール[工程10]、第3冷間圧延[工程11]および最終焼鈍[工程12]を順次行い、前記テンションアニール[工程10]は、到達温度が200〜450℃であり、かつ150MPa以上の応力を付与する条件で連続焼鈍することを特徴とする銅合金板材の製造方法。
(7)上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の銅合金板材を用いた電気電子機器用放熱部品。
(8)上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の銅合金板材を用いたシールドケース。
本発明の銅合金板材は、Ni:0〜4.5質量%、Co:0〜2.0質量%、Si:0.2〜1.3質量%、Mg:0〜0.5質量%、Cr:0〜0.5質量%、Sn:0〜0.25質量%、Zn:0〜0.6質量%、Zr:0〜0.15質量%およびMn:0〜0.25質量%を含有し、NiおよびCoの合計含有量が0.8〜5.0質量%で、かつSi含有量に対するNiおよびCoの合計含有量の比{(Ni+Co)/Si}が2.0〜6.0であり、残部がCuおよび不可避不純物からなる合金組成を有し、圧延集合組織を有する銅合金板材であって、前記圧延集合組織は、EBSDによる集合組織解析から得られた、β−fiber(Φ2=45°〜90°)の方位密度の平均値が、3.0以上25.0以下の範囲内であり、圧延平行方向の引張強度が600MPa以上であり、そして、JBMA T304:1999に準拠した条件で100mm長さの短冊状に加工した試験片のはね上がり高さが2.0mm以下であること、および、90°曲げ加工と180°曲げ加工をそれぞれ行なった後の各試験片の屈曲加工部の外面上で、レーザー顕微鏡を用いて、曲げの軸方向に対して垂直な方向に測定した高さプロファイルにて、曲げシワもしくはクラックの深さをM(μm)、板厚をt(μm)とするとき、M/t比がいずれも0.2以下であることの少なくとも一方を満足することによって、ステンレス鋼に比べて放熱性に優れ、しかも、例えば電気電子機器の補強ケースとして使用した場合であっても十分な強度をもち、加えて、残留応力が小さく、曲げ加工性にも優れた銅合金板材およびその製造方法ならびに電気電子機器用放熱部品およびシールドケースを提供することが可能になった。
図1は、EBSDにより測定し、ODF(方位分布関数)解析から得られた、銅合金板材の代表的な結晶方位分布図であって、圧延面内の2軸直交方向である、圧延方向と平行な方向RDおよび板幅方向TDと、圧延面の法線方向NDの3方向のオイラー角で示し、すなわち、RD軸の方位回転をΦ、ND軸の方位回転をΦ1、TD軸の方位回転をΦ2として示す。 図2は、スリット歪測定方法に用いられる短冊状の試験片を、銅合金板材から切り出したときの形状を示す概略平面図である。
以下、本発明の銅合金板材の好ましい実施形態について、詳細に説明する。
本発明に従う銅合金板材は、Ni:0〜4.5質量%、Co:0〜2.0質量%、Si:0.2〜1.3質量%、Mg:0〜0.5質量%、Cr:0〜0.5質量%、Sn:0〜0.25質量%、Zn:0〜0.6質量%、Zr:0〜0.15質量%およびMn:0〜0.25質量%を含有し、NiおよびCoの合計含有量が0.8〜5.0質量%で、かつSi含有量に対するNiおよびCoの合計含有量の比{(Ni+Co)/Si}が2.0〜6.0であり、残部がCuおよび不可避不純物からなる合金組成を有し、圧延集合組織を有する銅合金板材であって、前記圧延集合組織は、EBSDによる集合組織解析から得られた、β−fiber(Φ2=45°〜90°)の方位密度の平均値が、3.0以上25.0以下の範囲内であり、圧延平行方向の引張強度が600MPa以上であり、そして、JBMA T304:1999に準拠した条件で100mm長さの短冊状に加工した試験片のはね上がり高さが2.0mm以下であること、および、90°曲げ加工と180°曲げ加工をそれぞれ行なった後の各試験片の屈曲加工部の外面上で、レーザー顕微鏡を用いて、曲げの軸方向に対して垂直な方向に測定した高さプロファイルにて、曲げシワもしくはクラックの深さをM(μm)、板厚をt(μm)とするとき、M/t比がいずれも0.2以下であることの少なくとも一方を満足するものである。
ここで、「銅合金」とは、(加工前であって所定の合金組成を有する)銅合金素材が所定の形状(例えば、板、条、箔、棒、線など)に加工されたものを意味する。また、「板材」とは、特定の厚みを有し形状的に安定しており面方向に広がりをもつものを指し、広義には条材を含む意味である。本発明において、板材の厚さは、特に限定されるものではないが、好ましくは0.05〜1.0mm、さらに好ましくは0.1〜0.8mmである。なお、本発明の銅合金板材は、その特性を圧延板の所定の方向における原子面の集積率で規定するものであるが、これは銅合金板材としてそのような特性を有していればよいのであって、銅合金板材の形状は板材や条材に限定されるものではない。なお、本発明では管材も板材に含まれる形状であると解釈して取り扱うことができるものとする。
<合金組成>
本発明の銅合金板材の合金組成とその作用について説明する。なお、以下の合金組成の各成分の説明では、「質量%」を単に「%」として示す。ここで、上記合金組成の成分のうち、含有範囲の下限値が「0%」と記載されている元素成分は、適宜、必要に応じて任意に銅合金板材に添加される成分であることを意味する。すなわち、元素成分が「0%」の場合、その元素成分は銅合金板材(または銅合金素材)に含まれないか、または検出限界値未満の含有量であることを意味する。
[Ni:0〜4.5%、Co:0〜2.0%、かつNiおよびCoの合計含有量が0.8〜5.0%]
Ni(ニッケル)およびCo(コバルト)は、Si(シリコン)とともに化合物を形成し、母相に分散させることで析出強化を発現する作用を有する成分であり、本発明では、NiおよびCoの少なくとも1成分を含有させることが必要であり、具体的には、NiおよびCoの合計含有量で0.8〜5.0%とする。NiおよびCoの合計含有量が0.8%未満だと、上述した作用を十分に発揮することができない。一方、NiおよびCoの合計含有量が5.0%超えだと、溶質元素の母相への固溶が進行し、導電率が低下するという問題が生じる。また、NiおよびCoの各含有量の少なくとも1成分が上記適正範囲を超えると、導電率と強度が悪化する。このため、本発明では、Ni含有量は0〜4.5%、Co含有量は0〜2.0%とし、かつNiおよびCoの合計含有量は0.8〜5.0%とする。なお、NiおよびCoの各含有量の下限値は、特に限定はしないが、最低限の析出強化を発現させるという観点から、いずれも0.2%とすることが好ましい。
[Si:0.2〜1.3%、かつ(Ni+Co)/Si比が2.0〜6.0]
Si(ケイ素)は、半田付け時の耐熱剥離性や耐マイグレーション性を向上させる作用を有する元素である。かかる作用を発揮させる場合には、Si含有量を0.2%以上とすることが必要である。しかしながら、Si含有量が1.3%を超えると、導電性が低下して十分な放熱性が得られない。このため、Si含有量は、0.2〜1.3%とする。
また、本発明では、さらに、Si含有量に対するNiおよびCoの合計含有量の比{(Ni+Co)/Si}が2.0〜6.0であることが必要である。前記(Ni+Co)/Si比が2.0未満であると、Siの固溶により導電率が低下するという問題があり、また、前記(Ni+Co)/Si比が6.0超えだと、導電率の低下と引張強度の低下の問題があるからである。
本発明では、NiおよびCoの少なくとも1成分と、Siとを含有する合金組成を基本とするものであるが、その他の任意含有成分として、Mg:0〜0.5%、Cr:0〜0.5%、Sn:0〜0.25%、Zn:0〜0.6%、Zr:0〜0.15%およびMn:0〜0.25%から選択される少なくとも1種の成分を、要求される性能に応じて適宜含有させることができる。
[Mg:0〜0.5%]
Mg(マグネシウム)は、応力緩和特性と向上させる作用を有する元素である。かかる作用を発揮させる場合には、Mg含有量を0.05%以上とすることが好ましい。しかしながら、Mg含有量が0.5%を超えると、導電性を低下させる傾向がある。このため、Mg含有量は、0〜0.5%とし、好ましくは0.05〜0.5%とする。
[Cr:0〜0.5%]
Cr(クロム)は、化合物や単体で微細に析出し、析出硬化に寄与する。また、化合物として50〜500nmの大きさで析出し、粒成長を抑制することによって結晶粒径を微細にする効果があり、曲げ加工性を良好にする。かかる作用を発揮させる場合には、Cr含有量を0.05%以上とすることが好ましい。しかしながら、Cr含有量が0.5%を超えると、導電率と曲げ加工性を低下させる傾向がある。このため、Cr含有量は、0〜0.5%とし、好ましくは0.05〜0.5%とする。
[Sn:0〜0.25%]
Sn(スズ)は、添加することで耐応力緩和特性を向上する。それぞれを添加した場合よりも併せて添加した場合に相乗効果によって更に耐応力緩和特性が向上する。また、半田脆化が著しく改善する効果がある。かかる作用を発揮させる場合には、Sn含有量を0.05%以上とすることが好ましい。しかしながら、Sn含有量が0.25%を超えると、導電率を低下させる傾向がある。このため、Sn含有量は、0〜0.25%とし、好ましくは0.05〜0.25%とする。
[Zn:0〜0.6%]
Zn(亜鉛)は、曲げ加工性を改善するとともに、Snめっきやはんだめっきの密着性やマイグレーション特性を改善する作用を有する元素である。かかる作用を発揮させる場合には、Zn含有量を0.2%以上とすることが好ましい。しかしながら、Zn含有量が0.6%を超えると、導電性を低下させる傾向がある。このため、Zn含有量は、0〜0.6%とし、好ましくは0.2〜0.6%とする。
[Zr:0〜0.15%]
Zr(ジルコニウム)は、化合物や単体で微細に析出し、析出硬化に寄与する。また、化合物として50〜500nmの大きさで析出し、粒成長を抑制することによって結晶粒径を微細にする効果があり、曲げ加工性を良好にする。かかる作用を発揮させる場合には、Zr含有量を0.05%以上とすることが好ましい。しかしながら、Zr含有量が0.15%を超えると、導電率を低下させる傾向がある。このため、Zr含有量は、0〜0.15%とし、好ましくは0.05〜0.15%とする。
[Mn:0〜0.25%]
Mn(マンガン)は、添加すると熱間加工性を向上させるとともに、強度を向上する。かかる作用を発揮させる場合には、Mn含有量を0.05%以上とすることが好ましい。しかしながら、Mn含有量が0.25%を超えると、導電率、曲げ加工性を低下させる傾向がある。このため、Mn含有量は、0〜0.25%とし、好ましくは0.05〜0.25%とする。
[残部:Cuおよび不可避不純物]
上述した成分以外の残部は、Cu(銅)および不可避不純物である。不可避不純物は、製造工程上、不可避的に含まれうる含有レベルの不純物を意味する。不可避不純物は、含有量によっては加工性を低下させる要因にもなりうるため、加工性の低下を加味して不可避不純物の含有量をある程度抑制することが好ましい。不可避不純物として挙げられる成分としては、例えば、Fe、Ti、C、S等の元素が挙げられる。なお、不可避不純物の含有量の上限値は、上記成分毎に0.05%以下、上記成分の合計で0.15%以下とすればよい。
<圧延集合組織>
本発明の銅合金板材は、圧延集合組織を有し、この圧延集合組織は、EBSDによる集合組織解析から得られた、β−fiber(Φ2=45°〜90°)の方位密度の平均値が、3.0以上25.0以下、好ましくは4.0以上22.5以下である。ここで、「方位密度」とは、結晶粒方位分布関数(ODF:crystal orientation distribution function)とも表され、集合組織の結晶方位の存在比率および分散状態を定量的に解析する際に用いる。方位密度は、EBSDおよびX線回折測定結果により、(100)正極点図、(110)正極点図、(111)正極点図などの3種類以上の正極点図の測定データを基にして、級数展開法による結晶方位分布解析法により算出される。
放熱性と各種部品の保護を兼ね備えるためには、材料強度と放熱性の両立が不可欠であり、金属または合金からなる板材を、例えば電気電子機器用放熱部品やシールドケースとして使用する場合、この板材は、600MPa以上の引張強度TSと、35%IACS以上の導電率を具備することが必要とされる。また、上記板材を補強板として使用する場合には、板材を押し込んだ際の弾性変形量が小さい方が、部品と補強板および放熱板との接触の可能性が低くなり、部品を保護することができるため好ましく、かかる保護を可能にするには、例えば板材の縦弾性係数が110GPa以上とすることが好ましい。さらに、板材の残留応力を低減することで、周囲の部品や基板への応力負荷がなくなり、部品が板材の影響により歪み変形することもなくなる。さらに、板材の導電率を高めることは、放熱性の向上にもつながる。特に、電子部品の保護を目的としたシールドケースの用途に使用する場合には、圧延平行方向の引張強度が600〜950MPaであることが好ましい。また、電子部品の放熱部材の用途に使用する場合には、導電率が35〜80%IACSであり、圧延平行方向の縦弾性係数が110〜145GPaであることが好ましい。
本発明者らは、銅合金板材の引張強度、導電率および曲げ加工性を高めるために、圧延集合組織との関係について鋭意検討した。その結果、合金組成を上記範囲に限定した上で、EBSD測定結果より得られる、β−fiber(Φ2=45°〜90°)の方位密度の平均値が、3.0以上25.0以下に制御することによって、600MPa以上の引張強度TSおよび110GPa以上の縦弾性係数が得られるとともに、優れた放熱性(35%IACS以上の導電率)と、優れた曲げ加工性も得られる。特に、縦弾性係数を110〜145GPaに制御するには、β-fiberの制御が重要であり、β-fiberの方位密度が3.0未満になると、縦弾性係数が110GPa未満に、方位密度25.0超えになると、縦弾性係数が145GPaを超えてしまう。また、板材の伸びは、0.5〜10.0%、板材の表面粗さ(Ra)は、0.1μm以上とすることが、シールドケースへの加工性、放熱性が良好になる点で好ましい。伸びを制御するには、最終焼鈍[工程12]での焼鈍の到達温度を調整することが必要である。板材の表面粗さを制御するには、各種冷間圧延での圧延ロールの表面粗さの調整が必要である。
[EBSD測定による結晶方位の測定および解析]
本発明における上記圧延集合組織の解析にはEBSD法を用いた。EBSD法とは、Electron BackScatter Diffractionの略で、走査電子顕微鏡(SEM)内で試料に電子線を照射したときに生じる反射電子菊池線回折を利用した結晶方位解析技術のことである。EBSD法により、測定面積64×10μm(800μm×800μm)とし、スキャンステップは、微細な結晶粒を測定するため、0.1μmとして、EBSD測定を行った。解析では、64×10μmのEBSD測定結果から、解析にて逆極点図IPF(Inverse Pole Figure)を確認した。電子線は、走査電子顕微鏡のタングステン(W)フィラメントからの熱電子を発生源とした。なお、測定時のプローブ径は、約0.015μmである。EBSD法の測定装置には、(株)TSLソリューションズ社製 OIM5.0(商品名)を用いた。EBSDによる結晶粒の解析において得られる情報は、電子線が試料に侵入する数10nmの深さまでの情報を含んでいる。また、板厚方向の測定箇所は、試料表面から板厚tの1/8倍〜1/2倍の位置付近とすることが好ましい。
図1は、EBSDにより測定し、ODF(方位分布関数)解析から得られた、銅合金板材の代表的な結晶方位分布図であって、圧延面内の2軸直交方向である、圧延方向と平行な方向RDおよび板幅方向TDと、圧延面の法線方向NDの3方向のオイラー角で示し、すなわち、RD軸の方位回転をΦ、ND軸の方位回転をΦ1、TD軸の方位回転をΦ2として示す。ここで、α−fiberはΦ1=0°〜45°の範囲に集積し、β−fiberはΦ2=45°〜90°の範囲に集積している。
本発明では、JBMA T304:1999に準拠した条件で板材を100mm長さの短冊状に加工後のはね上がり高さを2.0mm以下に制御すること、および、90°曲げ加工と180°曲げ加工をそれぞれ行なった後の各試験片の屈曲加工部の外面上で、レーザー顕微鏡を用いて、曲げの軸方向に対して垂直な方向に測定した高さプロファイルにて、曲げシワもしくはクラックの深さをM(μm)、板厚をt(μm)とするとき、M/t比をいずれも0.2以下に制御することの少なくとも一方を満たすことによって、放熱性と加工後の寸法変化(残留歪み量)の小さい、補強用板材として好適な銅合金板材が得られる。Cuの母相中に、CoおよびNiの少なくとも1成分とSiからなる第二相粒子が析出することで、析出物が転位移動を抑制して、材料強度が上昇する。また、Coは、Niに比べて固溶した際の導電率の低下割合が大きいが、時効処理における析出量は、Cu−Ni−Si系合金でのNiSi化合物よりCu−Co−Si系でのCoSi化合物の方が多く、導電率が高くなる傾向がある。例えば、一般的なCu−Ni−Si系合金(Cu−2.3%Ni−0.65%Si)は、導電率が35%IACS程度であるが、Cu−Co−Si系合金は、50%IACS以上となり、高い導電率が得られる。また、Cu−Co−Si系合金は、製造条件にもよるが、時効析出後の(圧延平行方向の)引張強度が600MPa以上となり、Cu-Ni-Si合金と同等レベルの強度が得られる。
なお、板材を100mm長さの短冊状に加工した後のはね上がり高さを2.0mm以下に制御する方法や、M/t比が0.2以下に制御する方法としては、例えば、本発明の銅合金板材の製造方法において、後述する、冷間圧延2[工程9]と冷間圧延3[工程11]の間で、到達温度200〜450℃、150MPa以上の応力を付与しながら連続焼鈍するテンションアニール[工程10]を行うことにより、銅合金板材内部の組織の残留歪みを適度に開放し、残留(内部)応力を低くする方法が挙げられる。
また、M/t比の算出方法は、90°曲げ加工と180°曲げ加工をそれぞれ行なった後の各試験片の屈曲加工部の外面上で、レーザー顕微鏡を用いて、曲げの軸方向に対して垂直な方向に高さプロファイルを測定し、測定された高さプロファイルの中で、隣り合う山と谷の高低差が最も高い値をシワもしくはクラックの深さM(μm)として求めることによって、M/t比を算出することができる。
<銅合金板材の用途>
本発明の銅合金板材は、種々の用途に使用することができ、例えば電気電子機器の放熱部品やシールドケースなどに使用するのに適している。
<本発明の銅合金板材の製造方法>
次に、本発明の銅合金板材の製造方法の一例を以下で説明する。
本発明の銅合金板材の製造方法は、上記合金組成を有する銅合金素材を溶解・鋳造[工程1]して得た鋳塊(被圧延材)に対して、800〜1100℃の温度で10分間〜20時間保持する均質化熱処理を行う均質化熱処理工程[工程2]と、均質化熱処理工程後に前記被圧延材に対して、合計加工率が10〜90%で1パス以上の熱間圧延を行う熱間圧延工程[工程3]と、熱間圧延工程後に10℃/sec以上の平均冷却速度で急冷を行う冷却工程[工程4]と、冷却工程後に、前記被圧延材の両面(片面当たり1.0mm程度)の面削を行う面削工程[工程5]と、面削工程後に、合計加工率が75%以上で1パス以上の冷間圧延を行う第1冷間圧延工程[工程6]と、第1冷間圧延工程後に、昇温速度が100℃/sec以上、到達温度が700〜1000℃、保持時間が1秒〜30分および冷却速度が10〜100℃/secの条件で熱処理を施す溶体化熱処理工程[工程7]と、溶体化熱処理工程後に、昇温速度が10〜200℃/sec、到達温度が300〜800℃、保持時間が10秒〜1時間および冷却速度が10〜200℃/secの条件で熱処理を行なう時効析出熱処理工程[工程8]と、合計加工率が10〜60%で1パス以上の冷間圧延を行う第2冷間圧延工程[工程9]と、昇温速度が1〜100℃/秒、到達温度が200〜450℃、150MPa以上の張力(応力)を付与しながら連続焼鈍を行なうテンションアニール工程[工程10]と、合計加工率が10〜60%で1パス以上の冷間圧延を行なう第3冷間圧延[工程11]と、最終焼鈍[工程12]とを順次行なう。このようにして、本発明の銅合金板材を製造することができる。
ここでいう「圧延加工率」とは、圧延前の断面積から圧延後の断面積を引いた値を圧延前の断面積で除して100を乗じ、パーセントで表した値である。すなわち、下記式で表される。
[圧延加工率]={([圧延前の断面積]−[圧延後の断面積])/[圧延前の断面積]}×100(%)
本発明では、上記製造方法の中で、特に第1冷間圧延工程[工程6]、溶体化熱処理工程[工程7]、時効析出熱処理工程[工程8]、第2冷間圧延工程[工程9]、テンションアニール工程[工程10]、第3冷間圧延[工程11]および最終焼鈍[工程12]を制御することが重要である。すなわち、第1冷間圧延工程[工程6]における合計加工率を75%以上と大きくすることにより、圧延集合組織を十分に発達させることができる。
また、第1冷間圧延工程の後、溶体化熱処理工程[工程7]を、昇温速度が100℃/sec以上、到達温度が700〜1000℃、保持時間が1秒〜30分および冷却速度が10〜100℃/secの条件で行なうことによって、圧延集合組織を部分的に回復させ、φ=0〜10°、φ2=0〜90°の範囲の方位密度を制御することができる。一方、溶体化熱処理工程[工程7]を、昇温速度、到達温度、保持時間および冷却速度の少なくとも一つが上記適正範囲から外れた条件で行なうと、その後に行なう時効析出熱処理工程[工程8]で再結晶組織がランダム化し、規定の方位密度の適正範囲にすることはできなくなるおそれがある。
さらに、溶体化熱処理工程の後に、時効析出熱処理工程[工程8]を、昇温速度が10〜200℃/sec、到達温度が300〜800℃、保持時間が10秒〜1時間および冷却速度が10〜200℃/secの条件で行なうことにより、β−fiberの方位密度を適正範囲へ制御することができる。
さらにまた、時効析出熱処理工程の後に、第2冷間圧延工程[工程9]を、合計加工率が10〜60%で行うことによって、再結晶組織を形成し、Φ=0〜10°、Φ2=0〜90°の範囲の方位密度を規定の範囲に制御することができる。
加えて、第2冷間圧延工程の後に、テンションアニール工程[工程10]を、昇温速度が1〜100℃/秒、到達温度が200〜450℃、150MPa以上の張力(応力)を付与する条件で行なうことによって、加工による転位の導入と熱処理による転位の回復のバランスが良好となり、圧延集合組織ならびに引張強度を適切に制御することができる。
加えてまた、テンションアニール工程の後に、第3冷間圧延[工程11]を、合計加工率が10〜60%で行なうことによって、圧延集合組織を発達させることができ、その後、最終焼鈍[工程12]を行なうことによって、β−fiber(Φ2=45°〜90°)の方位密度の平均値が、3.0以上25.0以下の範囲である、目標とする組織および特性を得ることができる。
以下に、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
(実施例1〜13および比較例1〜8)
実施例1〜13および比較例1〜8は、表1に示す成分組成となるように、それぞれNiおよびCoの少なくとも1成分およびSn、ならびに必要に応じて添加する任意添加成分を含有し、残部がCuと不可避不純物からなる銅合金素材を高周波溶解炉により溶解し、これを鋳造[工程1]して鋳塊を得た。鋳塊に対して、保持温度800〜1100℃、保持時間10分から20時間の均質化熱処理[工程2]を行い、その後、合計加工率を10〜90%とする熱間圧延[工程3]を行った後、水冷による急冷[工程4]を行う。この後、表面の酸化膜の除去のため、圧延材の表裏の両面をそれぞれ1.0mm程度の面削[工程5]を行う。その後、合計加工率を75%以上とする第1冷間圧延[工程6]を行った後、昇温速度が100℃/sec以上、到達温度が700〜1000℃、保持時間が1秒〜30分および冷却速度が10〜100℃/secの条件で溶体化熱処理工程[工程7]を行ない、その後、昇温速度が10〜200℃/sec、到達温度が300〜800℃、保持時間が10秒〜1時間および冷却速度が10〜200℃/secの条件で時効析出熱処理工程[工程8]を行った後、合計加工率を10〜60%とする第2冷間圧延工程[工程9]を行い、次いで、昇温速度を1〜100℃/秒とし、表2に示す到達温度および付与する張力(応力)の条件でテンションアニール工程[工程10]を行い、その後、合計加工率を10〜60%とする第3冷間圧延[工程11]を行い、その後、200〜600℃、1秒〜1時間の条件で最終焼鈍[工程12]を行ない、銅合金板材(供試材)を作製した。各実施例および各比較例での製造条件と、得られた供試材の特性を表2に示す。
これらの供試材について下記の特性調査を行った。
[EBSD測定による結晶方位の測定及び解析]
EBSD法により、測定面積64×10μm(800μm×800μm)とし、スキャンステップは、微細な結晶粒を測定するため、0.1μmとして、EBSD測定を行った。解析では、64×10μmのEBSD測定結果から、解析にて逆極点図IPF(Inverse Pole Figure)を確認した。電子線は、走査電子顕微鏡のタングステン(W)フィラメントからの熱電子を発生源とした。なお、測定時のプローブ径は、約0.015μmである。EBSD法の測定装置には、(株)TSLソリューションズ社製 OIM5.0(商品名)を用いた。EBSDによる結晶粒の解析において得られる情報は、電子線が試料に侵入する数10nmの深さまでの情報を含んでいる。また、板厚方向の測定箇所(n=4)は、試料表面から板厚tの1/8倍〜1/2倍の位置付近とし、これらの測定箇所の情報から、β−fiber(Φ2=45°〜90°)の方位密度の平均値を算出した。
[引張強度および縦弾性係数の算出]
引張強度と縦弾性係数(ヤング率)は、圧延方向と平行な方向(圧延平行方向)に所定の試験片の寸法で切り出した各供試材(n=3)について、JIS Z 2241:2011に準じた引張試験を行なうことにより得られたデータから算出した。算出した引張強度と縦弾性係数の平均値(MPa)を表2に示す。
[残留歪み(応力)の評価]
残留歪み(応力)は、JBMA T304:1999(スリット歪み測定方法)に準拠して評価を行なった。まず、各供試材から、図2に示すように、長さLが220mm、幅Wが12mm以上、板厚が0.1〜0.8mmの試験片を、圧延平行方向に切り出し、試験片の一端(図2のB端)側から他端(図2のA端)側に向かって、幅2mm、長さ(図2の寸法X1と寸法X2の合計寸法)120mmの切込み(スリット)を0.5〜1.0mm間隔で10本以上入れた後、B端側を寸法X2(20mm)だけ切断して、スリット長さX1が100mmとなるように作製した。そして、作製した各試験片について、つり下げ法によってはね上がり高さ(反り)を測定し、この反りの測定値(mm)から残留歪み(応力)を評価した。表2にその結果を示す。本試験は、JBMA T304:1999の測定方法に対し、より微小な歪みを観察するために、切込み数を増やしている。
[導電率(EC)]
各供試材の導電率は、20℃(±0.5℃)に保たれた恒温槽中で四端子法により比抵抗の数値を計測し、計測した比抵抗の数値から算出した。なお、端子間距離は100mmとした。表2にその結果を示す。本実施例では、供試材の導電率が35%IACS以上である場合を合格レベルとした。
[曲げ加工性の評価]
曲げ加工性は、W曲げ試験方法による90°曲げ加工と、U曲げ試験(180°密着曲げ)による180°曲げ加工の2種類の曲げ加工で評価した。
<90°曲げ加工>
各実施例と各比較例の供試材について、圧延方向に対して垂直に、幅10mm、長さ25mmとなるように採取した圧延垂直方向試験片と、圧延方向に対して平行に、幅10mm、長さ25mmとなるように採取した圧延平行方向試験片を、試験に供した。圧延平行方向試験片に対して曲げの軸が圧延方向に対して直角になるようにW曲げしたものをGW(Good Way)、圧延垂直方向試験片に対して曲げの軸が圧延方向に対して平行になるようにW曲げしたものをBW(Bad Way)とし、日本伸銅協会技術標準JCBA―T307(2007)に準拠して90°W曲げ加工を行った。板材の板厚は0.05〜0.4mmであり、90°W曲げ試験時の内側曲げ半径Rと、板厚tの関係で示すR/tが、圧延平行方向、圧延垂直方向ともに0となる条件での曲げ加工を行った。
<180°曲げ加工>
各実施例と各比較例の供試材について、圧延方向に対して垂直に、幅1mm、長さ10mmとなるように採取した圧延垂直方向試験片と、圧延方向に対して平行に、幅1mm、長さ10mmとなるように採取した圧延平行方向試験片を、試験に供した。圧延平行方向試験片に対して曲げの軸が圧延方向に対して直角になるようにW曲げしたものをGW(Good Way)、圧延垂直方向試験片に対して曲げの軸が圧延方向に対して平行になるようにW曲げしたものをBW(Bad Way)とし、日本伸銅協会技術標準JCBA−T307(2007)に準拠して90°W曲げ加工後、圧縮試験機にて内側半径を付けずに180°密着曲げ加工を行った。板材の板厚は0.05〜0.4mmであり、180°U曲げ試験時の内側曲げ半径Rと、板厚tの関係で示すR/tが、圧延平行方向、圧延垂直方向ともに2.0となる条件での曲げ加工を行った。
曲げ加工性は、90°曲げ加工と180°曲げ加工をそれぞれ行なった後の各試験片の屈曲加工部の外面上で、レーザー顕微鏡を用いて、曲げの軸方向に対して垂直な方向に測定した高さプロファイルから算出したM/t比の数値によって評価することができる。具体的には、90°曲げ加工と180°曲げ加工をそれぞれ行なった後の各試験片の表面上で、レーザー顕微鏡を用いて、曲げの軸方向に対して垂直な方向に高さプロファイルを測定し、測定された高さプロファイルの中で、隣り合う山と谷の高低差が最も高い値をシワもしくはクラックの深さM(μm)として求めることによって、M/t比を算出する。なお、高さプロファイルは板厚の0.5倍以上の距離を試験片幅の中央位置の1箇所と、中央位置から左右に試験片幅の4分の1の距離だけ離れた左右位置2箇所の合計3箇所で測定した。本実施例では、M/tが0.2以下となる場合を曲げ加工性が合格レベルにあるとした。
Figure 0006640435
Figure 0006640435
表2に示す結果から、実施例1〜15はいずれも、合金組成、圧延集合組織およびテンションアニール工程(工程10)の条件がいずれも適正であるため、圧延平行方向の引張強度が600MPa以上であって、はね上がり高さ(反り)が2.0mm以下と残留歪み(応力)が小さいか、もしくは90°曲げ加工および180°曲げ加工の双方で測定したM/t比が0.2以下と小さく、曲げ加工性が優れている、加えて、実施例1〜15はいずれも、導電性が35%IACS以上と高く、圧延平行方向の縦弾性係数も110〜145GPaの範囲であった。特に、実施例1〜13はいずれも、はね上がり高さ(反り)が2.0mm以下と残留歪み(応力)が小さく、かつ90°曲げ加工および180°曲げ加工の双方で測定したM/t比が0.2以下と小さく、曲げ加工性も優れている。
一方、銅合金板材中の(Ni+Co)/Si比が本発明の適正範囲を超えている比較例1は、引張強度が590MPaと600MPa未満であり、導電率も33.0IACS%と低かった。また、銅合金板材中のNi含有量、NiとCoの合計含有量、および(Ni+Co)/Si比のいずれもが本発明の適正範囲を超えている比較例2は、曲げ加工性が劣っており、導電率も24.0IACS%と低かった。さらに、銅合金板材中のCo含有量、および(Ni+Co)/Si比が本発明の適正範囲を超えている比較例3は、曲げ加工性が劣っており、導電率も33.0IACS%と低かった。さらにまた、銅合金板材中のNi含有量、NiとCoの合計含有量、および(Ni+Co)/Si比のいずれもが本発明の適正範囲を超えている比較例4は、曲げ加工性が劣っており、導電率も22.5IACS%と低かった。加えて、テンションアニール工程における到達温度および付与応力のいずれかが本発明の適正範囲外であって、β―fiberの方位密度の平均値が本発明の適正範囲外である比較例5〜8は、いずれもはね上がり高さ(反り)が2.0mmよりも大きく、残留歪み(応力)が大きく、また、比較例8は曲げ加工性も劣っていた。
本発明によれば、ステンレス鋼に比べて放熱性に優れ、しかも、例えば電気電子機器の補強ケースとして使用した場合であっても十分な強度をもち、加えて、残留応力が小さく、曲げ加工性にも優れた銅合金板材およびその製造方法ならびに電気電子機器用放熱部品およびシールドケースを提供することが可能になった。
W (残留歪み評価用)試験片の幅
L 試験片の長さ
X1 スリット長さ
X2 (端の切捨て)寸法

Claims (9)

  1. Ni:0〜4.5質量%、Co:0〜2.0質量%、Si:0.2〜1.3質量%、Mg:0〜0.5質量%、Cr:0〜0.5質量%、Sn:0〜0.25質量%、Zn:0〜0.6質量%、Zr:0〜0.15質量%およびMn:0〜0.25質量%を含有し、
    NiおよびCoの合計含有量が0.8〜5.0質量%で、かつ
    Si含有量に対するNiおよびCoの合計含有量の比{(Ni+Co)/Si}が2.0〜6.0であり、
    残部がCuおよび不可避不純物からなる合金組成を有し、
    圧延集合組織を有する銅合金板材であって、
    前記圧延集合組織は、EBSDによる集合組織解析から得られた、
    β−fiber(Φ2=45°〜90°)の方位密度の平均値が、3.0以上25.0以下の範囲内であり、
    圧延平行方向の引張強度が600MPa以上であり、
    JBMA T304:1999に準拠した条件で100mm長さの短冊状に加工した試験片のはね上がり高さが2.0mm以下であることを特徴とする銅合金板材。
  2. Ni:0〜4.5質量%、Co:0〜2.0質量%、Si:0.2〜1.3質量%、Mg:0〜0.5質量%、Cr:0〜0.5質量%、Sn:0〜0.25質量%、Zn:0〜0.6質量%、Zr:0〜0.15質量%およびMn:0〜0.25質量%を含有し、
    NiおよびCoの合計含有量が0.8〜5.0質量%で、かつ
    Si含有量に対するNiおよびCoの合計含有量の比{(Ni+Co)/Si}が2.0〜6.0であり、
    残部がCuおよび不可避不純物からなる合金組成を有し、
    圧延集合組織を有する銅合金板材であって、
    前記圧延集合組織は、EBSDによる集合組織解析から得られた、
    β−fiber(Φ2=45°〜90°)の方位密度の平均値が、3.0以上25.0以下の範囲内であり、
    圧延平行方向の引張強度が600MPa以上であり、
    90°曲げ加工と180°曲げ加工をそれぞれ行なった後の各試験片の屈曲加工部の外面上で、レーザー顕微鏡を用いて、曲げの軸方向に対して垂直な方向に測定した高さプロファイルにて、曲げシワもしくはクラックの深さをM(μm)、板厚をt(μm)とするとき、M/t比がいずれも0.2以下であることを特徴とする銅合金板材。
  3. Ni:0〜4.5質量%、Co:0〜2.0質量%、Si:0.2〜1.3質量%、Mg:0〜0.5質量%、Cr:0〜0.5質量%、Sn:0〜0.25質量%、Zn:0〜0.6質量%、Zr:0〜0.15質量%およびMn:0〜0.25質量%を含有し、
    NiおよびCoの合計含有量が0.8〜5.0質量%で、かつ
    Si含有量に対するNiおよびCoの合計含有量の比{(Ni+Co)/Si}が2.0〜6.0であり、
    残部がCuおよび不可避不純物からなる合金組成を有し、
    圧延集合組織を有する銅合金板材であって、
    前記圧延集合組織は、EBSDによる集合組織解析から得られた、
    β−fiber(Φ2=45°〜90°)の方位密度の平均値が、3.0以上25.0以下の範囲内であり、
    圧延平行方向の引張強度が600MPa以上であり、
    JBMA T304:1999に準拠した条件で100mm長さの短冊状に加工した試験片のはね上がり高さが2.0mm以下であり、
    90°曲げ加工と180°曲げ加工をそれぞれ行なった後の各試験片の屈曲加工部の外面上で、レーザー顕微鏡を用いて、曲げの軸方向に対して垂直な方向に測定した高さプロファイルにて、曲げシワもしくはクラックの深さをM(μm)、板厚をt(μm)とするとき、M/t比がいずれも0.2以下であることを特徴とする銅合金板材。
  4. 導電率が35〜80%IACSであり、圧延平行方向の縦弾性係数が110〜145GPaであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅合金板材。
  5. 前記合金組成は、Mg:0.05〜0.5質量%、Cr:0.05〜0.5質量%、Sn:0.05〜0.25質量%、Zn:0.2〜0.6質量%、Zr:0.05〜0.15質量%およびMn:0.05〜0.25質量%からなる群から選択される少なくとも1種の成分を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の銅合金板材。
  6. 前記圧延平行方向の引張強度が600〜950MPaであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の銅合金板材。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の銅合金板材を製造する方法であって、
    Ni:0〜4.5質量%、Co:0〜2.0質量%、Si:0.2〜1.3質量%、Mg:0〜0.5質量%、Cr:0〜0.5質量%、Sn:0〜0.25質量%、Zn:0〜0.6質量%、Zr:0〜0.15質量%およびMn:0〜0.25質量%を含有し、NiおよびCoの合計含有量が0.8〜5.0質量%で、かつSi含有量に対するNiおよびCoの合計含有量の比{(Ni+Co)/Si}が2.0〜6.0である合金組成を有する銅合金素材に、
    鋳造[工程1]、均質化熱処理[工程2]、熱間圧延[工程3]、冷却[工程4]、面削[工程5]、第1冷間圧延[工程6]、溶体化熱処理[工程7]、時効析出熱処理[工程8]、第2冷間圧延[工程9]、テンションアニール[工程10]、第3冷間圧延[工程11]および最終焼鈍[工程12]を順次行い、
    前記第1冷間圧延[工程6]は、合計加工率が75%以上で1パス以上の冷間圧延を行い、
    前記溶体化熱処理[工程7]は、第1冷間圧延工程後に、昇温速度が100℃/sec以上、到達温度が700〜1000℃、保持時間が1秒〜30分および冷却速度が10〜100℃/secの条件で熱処理を施し、
    前記時効析出熱処理[工程8]は、溶体化熱処理工程後に、昇温速度が10〜200℃/sec、到達温度が300〜800℃、保持時間が10秒〜1時間および冷却速度が10〜200℃/secの条件で熱処理を行ない、
    前記第2冷間圧延[工程9]は、合計加工率が10〜60%で1パス以上の冷間圧延を行い、
    前記テンションアニール[工程10]は、昇温速度が1〜100℃/秒、到達温度が200〜450℃、150MPa以上の張力(応力)を付与しながら連続焼鈍を行ない、
    前記第3冷間圧延[工程11]は、合計加工率が10〜60%で1パス以上の冷間圧延を行ない、そして、
    前記最終焼鈍[工程12]は、200〜600℃、1秒〜1時間の条件で行うことを特徴とする銅合金板材の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の銅合金板材を用いた電気電子機器用放熱部品。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の銅合金板材を用いたシールドケース。
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