JP6638740B2 - ダイプレクサ - Google Patents

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Description

本発明は、第1フィルタと、第2フィルタとを備えたダイプレクサに関し、さらに詳しくは、第1フィルタと、第2フィルタとが十分にアイソレーションされた、優れた周波数特性を有するダイプレクサに関する。
無線通信において、1つのアンテナで送信と受信の両方をおこなうために、ダイプレクサが利用される場合がある。
また、ケーブルテレビの回線を利用した高速データ通信においても、1つのケーブル回線で送信と受信の両方をおこなうために、ダイプレクサが利用される場合がある。なお、ケーブルテレビの回線を利用した高速データ通信の規格としては、たとえば、DOCSIS(登録商標)(Data Over Cable Service Interface Specifications)に基づくデータ通信サービスがある。
そのような用途に使用し得るダイプレクサが、特許文献1(特開2014-179967号公報)に開示されている。
特許文献1に開示されたダイプレクサは、複数の基材層が積層された多層基板(積層体)を備える。多層基板の層間には、キャパシタ電極、線路電極(パターン導体)、グランド電極(グランド導体)、配線電極が積層されている。また、基材層の両主面間を貫通して、電気的接続をはかるためのビア導体が形成されている。さらに、多層基板の非実装面(上側主面)には、インダクタが搭載されている。
特許文献1に開示されたダイプレクサは、キャパシタ電極どうし、またはキャパシタ電極とグランド電極とでキャパシタが構成されている。また、線路電極によりインダクタが構成されている。そして、これらのキャパシタ、インダクタと、さらに多層基板の非実装面に搭載されたインダクタとを使って、ローパスフィルタとハイパスフィルタとが構成されている。
しかしながら、特許文献1に開示されたダイプレクサは、多層基板の内部に、ローパスフィルタとハイパスフィルタとが隣接して形成されているにもかかわらず、ローパスフィルタとハイパスフィルタとの間をアイソレーションする手段が講じられていなかった。そのため、ローパスフィルタの内部電極パターンとハイパスフィルタの内部電極パターンとの間で、線間容量や、電磁界結合により、ハイパスフィルタを通る受信信号がローパスフィルタに回り込んだり、ローパスフィルタを通る送信信号がハイパスフィルタに回り込んだりし、周波数特性を劣化させてしまうという問題があった。
なお、特許文献1に開示されたダイプレクサは、ローパスフィルタとハイパスフィルタとを備えたダイプレクサであるが、ローパスフィルタとバンドパスフィルタとを備えたダイプレクサにおいても同じ問題がある。
上述した問題を解決するために、特許文献2(特開2006-140862号公報)に開示されたダイプレクサ(高周波モジュール)では、多層基板(積層基板)の内部において、フィルタとフィルタとの間にシールド用グランド電極(グランド用導体層)が形成され、フィルタとフィルタとのアイソレーションの向上がはかられている。なお、特許文献2に開示されたダイプレクサは、複数のローパスフィルタと複数のバンドパスフィルタとを備え、また、複数の送信信号経路と複数の受信信号経路とを備え、必要なフィルタをスイッチで切り替えて使用する複合化されたダイプレクサである。
図11(A)〜(C)に、特許文献2に開示されたダイプレクサ1100を示す。ただし、図11(A)〜(C)は、それぞれ、ダイプレクサ1100の多層基板(図示せず)を構成する19層の基材層(誘電体層)のうち、説明に必要な3層の基材層101a、101b、101cを抜き出し、その上側主面を示したものである。図11(A)は、上から7層目に積層された基材層101aを示している。図11(B)は、上から8層目に積層された基材層101bを示している。図11(C)は、上から18層目に積層された基材層101cを示している。
ダイプレクサ1100は、図11(A)、(B)における、左半分の領域に受信用フィルタが形成され、右半分の領域に送信用フィルタが形成されている。
ダイプレクサ1100の多層基板の複数の層間には、図11(A)に示す、シールド用グランド電極(グランド用導体層)102が形成されている。異なる層間に形成されたシールド用グランド電極102は、図11(A)、(B)に示す、ビア導体(スルーホール)103により相互に接続されている。ダイプレクサ1100は、シールド用グランド電極102とビア導体103とによって、受信用フィルタと送信用フィルタとのアイソレーションがはかられている。
なお、ダイプレクサ1100は、受信用フィルタのグランドと、送信用フィルタのグランドと、シールド用グランド電極102とが、図11(C)に示す、18層目の基材層101cに形成された1つのグランド電極(導体層)104にまとめられたうえで、グランド電極104が6つのグランド端子G1〜G6に接続されている。
特開2014-179967号公報 特開2006-140862号公報
ダイプレクサ1100は、全てのグランドが、いったん、1つのグランド電極104にまとめられたうえで、グランド電極104が6つのグランド端子G1〜G6に接続され、システム(ダイプレクサ1100が組込まれる通信機器)のグランドに接続される。そのため、システム側から見たダイプレクサ1100の実際の特性は、内部のグランド電極104と、システムのグランドとの間に、小さなインダクタンス成分Lや浮遊容量が付与された特性として現れる。このため、グランドが内部のグランド電極で共通となることにより、フィルタ間のアイソレーションに限界が生じるという問題があった。また、各フィルタのグランドが共通となるため、フィルタとシステムとの間に形成されるインダクタンス成分や浮遊容量を個別に調整することができず、各フィルタの特性を最大限に活かすことができないという問題があった。
以下の実験をおこない、フィルタとグランド端子との間に形成されるインダクタンス成分の大きさが、周波数特性に与える影響を調べた。具体的には、フィルタのグランド電極とグランド端子との間の長さが異なり、この部分に形成されるインダクタンス成分の大きさが異なる、試料1および試料2にかかるダイプレクサを作製した。そして、試料1と試料2の周波数特性を比較した。
試料1および試料2にかかるダイプレクサは、いずれも、内部にキャパシタ電極やグランド電極が積層された多層基板を備え、その多層基板の上側主面に複数のインダクタが搭載されている。また、多層基板の下側主面には、第1端子、第2端子、第3端子、グランド端子が形成されている。そして、多層基板内部のキャパシタ電極により構成されたキャパシタと、搭載したインダクタとで、第1端子と第2端子との間にローパスフィルタが構成され、第1端子と第3端子との間にハイパスフィルタが構成されている。なお、ローパスフィルタのグランドと、ハイパスフィルタのグランドは、いったん、多層基板の内部で共通のグランド電極にまとめられ、その共通のグランド電極が多層基板の表面に形成された各グランド端子に接続されている。
試料2のダイプレクサの共通のグランド電極からグランド端子までの線路の長さを、試料1のダイプレクサの共通のグランド電極からグランド端子までの線路の長さよりも長くした。したがって、試料2のダイプレクサにおいて共通のグランド電極からグランド端子に形成されるインダクタンス成分は、試料1のダイプレクサにおいて共通のグランド電極からグランド端子に形成されるインダクタンス成分よりも大きい。
図12に、試料1および試料2のダイプレクサの周波数特性を、それぞれ示す。なお、破線が試料1のダイプレクサの周波数特性であり、実線が試料2のダイプレクサの周波数特性である。試料2のダイプレクサのように、共通のグランド電極からグランド端子までの線路の長さを長くし、形成されるインダクタンス成分を大きくした方が、ローパスフィルタは、破線の楕円V-1で示すように、通過帯域よりも高周波側の減衰が大きくなっており好ましい。しかしながら、ハイパスフィルタは、逆に、破線の楕円V-2で示すように、通過帯域近傍の低周波側の減衰が小さくなってしまっており、好ましくない。
この実験からも分かるように、ローパスフィルタとグランド端子との間に形成されるインダクタンス成分と、ハイパスフィルタとグランド端子との間に形成されるインダクタンス成分とは、別々に調整できることが好ましい。
これに対し、特許文献2に開示されたダイプレクサ1100は、全てのグランドを、いったん、グランド電極104にまとめたうえで、グランド電極104をグランド端子G1〜G6に接続しているため、フィルタごとに、フィルタとグランド端子との間に形成されるインダクタンス成分を調整することができなかった。また、フィルタとグランド端子との間に形成される浮遊容量も調整することができなかった。
本発明は、上述した従来の問題を解決するためになされたものであり、その手段として、本発明のダイプレクサは、複数の基材層が積層されてなる、実装面と非実装面と有する多層基板と、多層基板の実装面に形成された第1端子、第2端子、第3端子、グランド端子と、を備え、第1端子と第2端子との間に第1フィルタが構成され、第1端子と第3端子との間に第2フィルタが構成され、多層基板の層間に、相互に、物理的に分離して形成され、かつ、多層基板において直接に電気的に接続されていない、第1フィルタ用グランド電極と、第2フィルタ用グランド電極と、第1フィルタと第2フィルタとの間をシールドするためのシールド用グランド電極とを備え、グランド端子が、相互に、物理的に分離して形成され、かつ、多層基板において直接に電気的に接続されていない、第1フィルタ用グランド電極に接続された第1フィルタ用グランド端子と、第2フィルタ用グランド電極に接続された第2フィルタ用グランド端子と、シールド用グランド電極に接続されたシールド用グランド端子となからなるものとした。
第1フィルタは、たとえばローパスフィルタとして構成することができ、第2フィルタは、たとえばハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタして構成することができる。
第1端子が、多層基板の層間に積層された線路電極により形成された共通インダクタを介したうえで、第1フィルタと、第2フィルタとに接続されていることが好ましい。この場合には、共通インダクタにより、第1フィルタの周波数特性をさらに改善し、かつ、第2フィルタの周波数特性をさらに改善することができる。
シールド用グランド電極が、少なくとも、第1フィルタを構成する複数のインダクタの内の第1端子と第2端子との中間に配置されたものから第2端子側に配置されたものと、第2フィルタを構成する複数のインダクタの内の第1端子と第3端子との中間に配置されたものから第3端子側に配置されたものとの間をシールドしていることが好ましい。第1フィルタと、第2フィルタとは、後半部分において結合するほど、周波数特性を劣化させる影響が大きいことが知られている。上記の構成は、第1フィルタと、第2フィルタとが、後半部分において結合することを抑制したものであり、この場合には、周波数特性の劣化を効果的に抑制することができる。また、第1端子に共通インダクタが接続されている場合には、共通インダクタとシールド用グランド電極との間隔を大きく取ることができるため、共通インダクタとシールド用グランド電極とのアイソレーションが不十分になることによる周波数特性の劣化も抑制することができる。
シールド用グランド電極が、多層基板の内部において、第1フィルタ用グランド電極と、第2フィルタ用グランド電極との間に形成されていることが好ましい。この場合には、第1フィルタと、第2フィルタとのアイソレーションがより確実になる。
第1フィルタ用グランド電極と第1フィルタ用グランド端子との間、および、第2フィルタ用グランド電極と第2フィルタ用グランド端子との間が、それぞれ、ビア導体により接続され、第1フィルタ用グランド電極からビア導体を経由して第1フィルタ用グランド端子に形成されるインダクタンス成分が、第2フィルタ用グランド電極からビア導体を経由して第2フィルタ用グランド端子に形成されるインダクタンス成分よりも大きいことが好ましい。この場合には、第1フィルタと、第2フィルタとの両者において、それぞれ、さらに周波数特性を改善することができる。
この場合において第1フィルタ用グランド電極の外縁と第2フィルタ用グランド電極の外縁とを比較した場合、第2フィルタ用グランド電極の外縁の方が、第1フィルタ用グランド電極の外縁よりも、凹凸の数が多い、および/または、大きな凹凸を備えており、第1フィルタ用グランド電極と第1フィルタ用グランド端子との間を接続するビア導体の数が、第2フィルタ用グランド電極と第2フィルタ用グランド端子との間を接続するビア導体の数よりも少ないことが好ましい。この場合には、容易に、第1フィルタ用グランド電極からビア導体を経由して第1フィルタ用グランド端子に形成されるインダクタンス成分を、第2フィルタ用グランド電極からビア導体を経由して第2フィルタ用グランド端子に形成されるインダクタンス成分よりも大きくすることができる。
第1フィルタ用グランド電極とシールド用グランド電極とが電磁界結合し、かつ、第2フィルタ用グランド電極とシールド用グランド電極とが電磁界結合していることが好ましい。この場合には、第1フィルタ用グランド電極と、第2フィルタ用グランド電極とが電磁界結合することを抑制できるため、第1フィルタと、第2フィルタとのアイソレーションがより確実になる。
シールド用グランド電極が複数からなり、それらのシールド用グランド電極が多層基板の複数の層間に積層され、異なる層間に積層されたシールド用グランド電極どうしがビア導体により接続されていることが好ましい。この場合には、複数のシールド用グランド電極と、それらを接続するビア導体とにより、第1フィルタと、第2フィルタとをアイソレーションすることができるため、第1フィルタと、第2フィルタとのアイソレーションがより確実になる。
多層基板の非実装面に、さらに、シールド用グランド電極が形成され、多層基板の非実装面に形成されたシールド用グランド電極と、多層基板の層間に積層されたシールド用グランド電極とが、ビア導体によって接続されたものとしても良い。この場合には、多層基板の非実装面に形成されたシールド用グランド電極を、このダイプレクサを真空吸着する際のチャックマークとして利用したり、このダイプレクサの各端子の位置を示すためのピンマークとして利用したりすることができる。なお、チャックマークやピンマークを、他の配線に接続されていない、いわゆる浮き電極として形成した場合には、表面に電解めっきによる保護層を形成しにくいという問題があった。しかしながら、上記のように、チャックマークやピンマークとシールド用グランド電極とを兼用させ、そのシールド用グランド電極を多層基板の内部の他のシールド用グランド電極と接続させておけば、チャックマークやピンマークの表面に電解めっきによる保護層を容易に形成することができる。
第1フィルタ用グランド電極が複数からなり、それらの第1フィルタ用グランド電極が多層基板の複数の層間に積層され、異なる層間に積層された第1フィルタ用グランド電極どうしがビア導体により接続され、第2フィルタ用グランド電極が複数からなり、それらの第2フィルタ用グランド電極が多層基板の複数の層間に積層され、異なる層間に積層された第2フィルタ用グランド電極どうしがビア導体により接続され、シールド用グランド電極が複数からなり、それらのシールド用グランド電極が多層基板の複数の層間に積層され、異なる層間に積層されたシールド用グランド電極どうしがビア導体により接続され、多層基板の積層方向に、第1フィルタ用グランド電極と第2フィルタ用グランド電極とが、シールド用グランド電極を間に挟んで積層された多層基板の層間と、第1フィルタ用グランド電極、第2フィルタ用グランド電極、およびシールド用グランド電極が全く積層されていない多層基板の層間とが、交互に、複数回、繰り返して設けられたものとすることが好ましい。この場合には、第1フィルタ用グランド電極、第2フィルタ用グランド電極、およびシールド用グランド電極が全く積層されていない多層基板の層間に、キャパシタ電極を積層すれば、そのキャパシタ電極がグランド電極との間に不要な浮遊容量を持ちにくくなり、フィルタの周波数特性の劣化を抑制することができる。
多層基板は、たとえば、低温同時焼成セラミックスにより形成することができる。この場合には、本発明のダイプレクサに必要な多層基板を、容易に作製することができる。ただし、多層基板の材質は低温同時焼成セラミックスに限定されず、他の種類のセラミックスや、樹脂等であっても良い。
本発明のダイプレクサは、多層基板の内部に、第1フィルタ用グランド電極と、第2フィルタ用グランド電極と、シールド用グランド電極とが別々に設けられるとともに、多層基板の実装面(あるいは実装面および側面)に、第1フィルタ用グランド端子と、第2フィルタ用グランド端子と、シールド用グランド端子とが別々に設けられ、さらに、各グランド電極と各グランド端子が別々に接続されている。このため、第1フィルタと第2フィルタとが、確実にアイソレーションされており、周波数特性に優れている。
また、本発明のダイプレクサは、第1フィルタと第1フィルタ用グランド端子との間に形成される浮遊容量およびインダクタンス成分と、第2フィルタと第2フィルタ用グランド端子との間に形成される浮遊容量およびインダクタンス成分とを、相互に独立して調整することができるため、他のフィルタの影響を受けることなく第1フィルタの周波数特性の最適化をはかることができ、かつ、他のフィルタの影響を受けることなく第2フィルタの周波数特性の最適化をはかることができる。
図1(A)は、第1実施形態にかかるダイプレクサ100を示す平面図である。図1(B)は、ダイプレクサ100を示す正面図である。図1(C)は、ダイプレクサ100を示す底面図である。 ダイプレクサ100の多層基板1に積層された基材層BL1〜BL8の各上側主面を示す平面図である。 ダイプレクサ100の多層基板1に積層された基材層BL9〜BL16の各上側主面を示す平面図である。 ダイプレクサ100の多層基板1に積層された基材層BL17〜BL24の各上側主面を示す平面図である。 ダイプレクサ100の多層基板1に積層された基材層BL25〜BL32の各上側主面を示す平面図である。 ダイプレクサ100の多層基板1に積層された基材層BL33〜BL35の各上側主面を示す平面図である。ただし、基材層BL35については、さらに別途、下側主面を透視して示している。 ダイプレクサ100の等価回路図である。 図8(A)、(B)は、それぞれ、ダイプレクサ100と、比較例にかかるダイプレクサの周波数特性を示すグラフである。図8(A)、(B)において、実線がダイプレクサ100の周波数特性を示し、破線が比較例にかかるダイプレクサの周波数特性を示している。なお、図8(A)は、図8(B)の一部分を拡大して示したものである。 第2実施形態にかかるダイプレクサ200の多層基板1に積層された基材層BL1〜BL5の各上側主面を示す平面図である。 第3実施形態にかかるダイプレクサ300を示す説明図(簡略化した等価回路図)である。 図11(A)は、特許文献1に開示されたダイプレクサ1100の多層基板に積層された、上から7層目の基材層101aを示す平面図である。図11(B)は、上から8層目の基材層101bを示す平面図である。図11(C)は、上から18層目の基材層101cを示す平面図である。 共通グランド電極と各グランド端子との間の長さ(インダクタンス成分の大きさ)が周波数特性に与える影響を調べるための実験における、試料1および試料2の周波数特性を示すグラフである。
以下、図面とともに、本発明を実施するための形態について説明する。
なお、各実施形態は、本発明の実施の形態を例示的に示したものであり、本発明が実施形態の内容に限定されることはない。また、異なる実施形態に記載された内容を組合せて実施することも可能であり、その場合の実施内容も本発明に含まれる。
また、図面は、実施形態の理解を助けるためのものであり、必ずしも厳密に描画されていない場合がある。たとえば、描画された構成要素ないし構成要素間の寸法の比率が、明細書に記載されたそれらの寸法の比率と一致していない場合がある。また、明細書に記載されている構成要素が、図面において省略されている場合や、個数を省略して描画されている場合等がある。
[第1実施形態]
図1(A)、(B)、(C)、図2〜図7に、第1実施形態にかかるダイプレクサ100を示す。
ただし、図1(A)はダイプレクサ100の平面図である。図1(B)はダイプレクサ100の正面図である。図1(C)はダイプレクサ100の底面図である。
図2〜図6は、ダイプレクサ100の多層基板1を構成する35層の基材層BL1〜BL35の積図である。図2には、基材層BL1〜BL8の各上側主面を示している。図3には、基材層BL9〜BL16の各上側主面を示している。図4には、基材層BL17〜BL24の各上側主面を示している。図5には、基材層BL25〜BL32の各上側主面を示している。図6には、基材層BL33〜BL35の各上側主面を示している。ただし、基材層BL35については、さらに別途、下側主面を透視して示している。なお、基材層BL35の下側主面には、ダイプレクサ100を、ベース基板等に表面実装する際に使用する各端子が形成されている。
図7は、ダイプレクサ100の等価回路図である。
ダイプレクサ100は、図1(A)〜(C)に示すように、多層基板1を備える。
本実施形態においては、多層基板1の材質に、低温同時焼成セラミックスを使用した。低温同時焼成セラミックスを使用すれば、電極や端子の形成と、多層基板1の焼成とを同時におこなうことができ、製造が容易になる。ただし、多層基板1の材質は任意であり、他の種類のセラミックスや、樹脂等であっても良い。
多層基板1の上側主面には、図1(A)に示すように、10個のインダクタL11〜L14、L21〜L26が搭載されている。
多層基板1の下側主面(底面)には、図1(C)に示すように、第1端子T1と、第2端子T2と、第3端子T3とが形成されている。また、多層基板1の下側主面には、2つのローパスフィルタ用グランド端子LGT1、LGT2(第1フィルタ用グランド端子)と、2つのハイパスフィルタ用グランド端子HGT1、HGT2(第2フィルタ用グランド端子)と、1つのシールド用グランド端子SGTとが形成されている。さらに、多層基板1の下側主面の中心部近傍には、電気的な接続をおこなわない、実装強度を高めるための4つの浮遊端子FTが形成されている。
詳しくは後述するが、ダイプレクサ100は、第1端子T1と第2端子T2との間に第1フィルタとしてローパスフィルタLPFが構成され、第1端子T1と第3端子T3との間に第2フィルタとしてハイパスフィルタHPFが構成されている。
多層基板1は、上から順に、35層の基材層BL1〜BL35が積層されたものからなる。上述したとおり、図2〜図6に各基材層BL1〜BL35の上側主面を示すが、図2〜図6においては、煩雑になることを避けるために、ビア導体、配線電極、中継電極に符号を付すことを省略している。
なお、配線電極とは、多層基板1の層間において、平面方向に離れた2点間を接続するための電極である。また、中継電極とは、多層基板1の層間に設けられた、上側の基材層に設けられたビア導体と、下側の基材層に設けられたビア電極との接続を確実にするための電極である。
図2に示すように、1層目(最上層)の基材層BL1(の上側主面)には、インダクタを実装するための10対のランド電極EL11a〜EL14a、EL11b〜EL14b、EL21a〜EL26a、EL21b〜EL26bが形成されている。また、基材層BL1には、ダイプレクサ100を真空吸着する際の目印となるチャックマークCMと、ダイプレクサ100の各端子の位置を示すためのピンマークPMが形成されている。また、基材層BL1の両主面間を貫通して、複数のビア導体が形成されている。
図1(A)に示すように、ランド電極EL11a、EL11bにインダクタL11が実装されている。同様に、ランド電極EL12a、EL12bにインダクタL12が実装されている。ランド電極EL13a、EL13bにインダクタL13が実装されている。ランド電極EL14a、EL14bにインダクタL14が実装されている。ランド電極EL21a、EL21bにインダクタL21が実装されている。ランド電極EL22a、EL22bにインダクタL22が実装されている。ランド電極EL23a、EL23bにインダクタL23が実装されている。ランド電極EL24a、EL24bにインダクタL24が実装されている。ランド電極EL25a、EL25bにインダクタL25が実装されている。ランド電極EL26a、EL26bにインダクタL26が実装されている。
再び図2を参照して、2層目〜3層目の基材層BL2〜BL3には、それぞれ、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
4層目の基材層BL4には、複数の配線電極が形成されている。また、基材層BL4には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
5層目の基材層BL5には、ローパスフィルタLPFとハイパスフィルタHPFとをシールドするためのシールド用グランド電極SGが形成されている。また、基材層BL5には、線路電極L15a(インダクタL15)が形成されている。また、基材層BL5には、複数の配線電極が形成されている。また、基材層BL5には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
6層目の基材層BL6には、9個のキャパシタ電極C11b、C12a、C13a、C14a、C21b、C22a、C23b、C24a、C25bが形成されている。なお、キャパシタ電極C11bとC12a、キャパシタ電極C21bとC22a、キャパシタ電極C23bとC24aは、それぞれ、配線電極により相互に接続されている。また、基材層BL6には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
7層目の基材層BL7には、シールド用グランド電極SGが形成されている。また、基材層BL7には、10個のキャパシタ電極C11a、C12b、C13b、C14b、C21a、C22b、C23a、C24b、C25a、C30aが形成されている。なお、キャパシタ電極C22bとC23a、キャパシタ電極C24bとC25aは、それぞれ、配線電極により相互に接続されている。また、基材層BL7には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
8層目の基材層BL8には、10個のキャパシタ電極C11b、C12a、C13a、C14a、C21b、C22a、C23b、C24a、C25b、C30bが形成されている。なお、キャパシタ電極C11bとC12a、キャパシタ電極C21bとC22a、キャパシタ電極C23bとC24aは、それぞれ、配線電極により相互に接続されている。また、基材層BL8には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
図3に示すように、9層目の基材層BL9には、シールド用グランド電極SGが形成されている。また、基材層BL9には、10個のキャパシタ電極C11a、C12b、C13b、C14b、C21a、C22b、C23a、C24b、C25a、C30aが形成されている。なお、キャパシタ電極C22bとC23a、キャパシタ電極C24bとC25aは、それぞれ、配線電極により相互に接続されている。また、基材層BL9には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
10層目の基材層BL10には、9個のキャパシタ電極C11b、C12a、C13a、C14a、C21b、C22a、C23b、C24a、C25bが形成されている。なお、キャパシタ電極C11bとC12a、キャパシタ電極C21bとC22a、キャパシタ電極C23bとC24aは、それぞれ、配線電極により相互に接続されている。また、基材層BL10には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
11層目の基材層BL11には、シールド用グランド電極SGが形成されている。また、基材層BL11には、8個のキャパシタ電極C11a、C13b、C14b、C21a、C22b、C23a、C24b、C25aが形成されている。なお、キャパシタ電極C22bとC23a、キャパシタ電極C24bとC25aは、それぞれ、配線電極により相互に接続されている。また、基材層BL11には、配線電極が形成されている。また、基材層BL11には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
12層目の基材層BL12には、6個のキャパシタ電極C14a、C21b、C22a、C23b、C24a、C25bが形成されている。なお、キャパシタ電極C21bとC22a、キャパシタ電極C23bとC24aは、それぞれ、配線電極により相互に接続されている。また、基材層BL12には、複数の配線電極が形成されている。また、基材層BL12には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
13層目の基材層BL13には、シールド用グランド電極SGが形成されている。また、基材層BL13には、キャパシタ電極C21aが形成されている。また、基材層BL13には、複数の配線電極が形成されている。また、基材層BL13には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
図3および図4に示すように、14層目〜22層目の基材層BL14〜BL22には、それぞれ、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
23層目の基材層BL23には、シールド用グランド電極SGが形成されている。また、基材層BL23には、3個のキャパシタ電極C27a、C28a、C29aが形成されている。基材層BL23には、複数の配線電極が形成されている。また、基材層BL23には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
24層目の基材層BL24には、ハイパスフィルタ用グランド電極HG(第2フィルタ用グランド電極)と、シールド用グランド電極SGとが形成されている。また、基材層BL24には、配線電極が形成されている。また、基材層BL24には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
図5に示すように、25層目の基材層BL25には、2個のキャパシタ電極C15a、C18aが形成されている。また、基材層BL25には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
26層目の基材層BL26には、ローパスフィルタ用グランド電極LG(第1フィルタ用グランド電極)と、ハイパスフィルタ用グランド電極HGと、シールド用グランド電極SGとが形成されている。また、基材層BL26には、線路電極L01dが形成されている。また、基材層BL26には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
27層目の基材層BL27には、線路電極L01cが形成されている。また、基材層BL27には、8個のキャパシタ電極C15a、C16a、C17a、C18a、C26a、C27a、C28a、C29aが形成されている。また、基材層BL27には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
28層目の基材層BL28には、ローパスフィルタ用グランド電極LGと、ハイパスフィルタ用グランド電極HGと、シールド用グランド電極SGとが形成されている。また、基材層BL28には、線路電極L01bが形成されている。また、基材層BL28には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
29層目の基材層BL29には、線路電極L01aが形成されている。また、基材層BL29には、8個のキャパシタ電極C15a、C16a、C17a、C18a、C26a、C27a、C28a、C29aが形成されている。また、基材層BL29には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
30層目の基材層BL30には、ローパスフィルタ用グランド電極LGと、ハイパスフィルタ用グランド電極HGと、シールド用グランド電極SGとが形成されている。また、基材層BL30には、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
31層目、32層目の基材層BL31、BL32には、それぞれ、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
図6に示すように、33層目、34層目の基材層BL33、BL34には、それぞれ、複数の中継電極が形成されている。また、基材層BL33、BL34には、それぞれ、両主面間を貫通して複数のビア導体が形成されている。
35層目(最下層)の基材層BL35の上側主面には、複数の中継電極が形成されている。また、基材層BL35の下側主面には、すなわち、多層基板1の下側主面には、上述したとおり、第1端子T1と、第2端子T2と、第3端子T3と、2つのローパスフィルタ用グランド端子LGT1、LGT2と、2つのハイパスフィルタ用グランド端子HGT1、HGT2と、1つのシールド用グランド端子SGTと、4つの浮遊端子FTが形成されている。
なお、上述した各電極、各端子およびビア導体の材質には、銅、銀、アルミニウム等、あるいは、これらの合金を主成分として用いることができる。なお、各端子の表面には、さらに、めっき層を形成しても良い。
第1実施形態にかかるダイプレクサ100は、以上のような35層の基材層BL1〜BL35が積層された多層基板1を備え、上述したとおり、多層基板1の上側主面に10個のインダクタL11〜L14、L21〜L26が搭載された構造からなる。
以上の構造からなるダイプレクサ100は、図7に示す等価回路を有する。
ダイプレクサ100は、第1端子T1と、第2端子T2と、第3端子T3とを備える。また、ダイプレクサ100は、第1フィルタとしてローパスフィルタLPFと、第2フィルタとしてハイパスフィルタHPFとを備える。
まず、第1端子T1に、共通インダクタL01が接続されている。そして、共通インダクタL01と第2端子T2との間に、ローパスフィルタLPFが接続されている。また、共通インダクタL01と第3端子T3との間に、ハイパスフィルタHPFが接続されている。
ローパスフィルタLPFは、共通インダクタL01と第2端子T2とを繋ぐ信号ラインに、順に、インダクタL11と、並列接続されたインダクタL12およびキャパシタC11と、並列接続されたインダクタL13およびキャパシタC12と、並列接続されたインダクタL14およびキャパシタC13と、並列接続されたインダクタL15およびキャパシタC14とが接続されている。また、インダクタL11と、並列接続されたインダクタL12およびキャパシタC11との接続点と、ローパスフィルタ用グランド電極LGとの間に、キャパシタC15が接続されている。並列接続されたインダクタL12およびキャパシタC11と、並列接続されたインダクタL13およびキャパシタC12との接続点と、ローパスフィルタ用グランド電極LGとの間に、キャパシタC16が接続されている。並列接続されたインダクタL13およびキャパシタC12と、並列接続されたインダクタL14およびキャパシタC13との接続点と、ローパスフィルタ用グランド電極LGとの間に、キャパシタC17が接続されている。並列接続されたインダクタL14およびキャパシタC13と、並列接続されたインダクタL15およびキャパシタC14との接続点と、ローパスフィルタ用グランド電極LGとの間に、キャパシタC18が接続されている。そして、ローパスフィルタ用グランド電極LGが、ローパスフィルタ用グランド端子LGT1、LGT2に接続されている。
また、ハイパスフィルタHPFは、共通インダクタL01と第3端子T3とを繋ぐ信号ラインに、順に、5個のキャパシタC21〜C25と、1個のインダクタL21とが接続されている。また、キャパシタC21とキャパシタC22との接続点と、ハイパスフィルタ用グランド電極HGとの間に、直列接続されたインダクタL22およびキャパシタC26が接続されている。キャパシタC22とキャパシタC23との接続点と、ハイパスフィルタ用グランド電極HGとの間に、直列接続されたインダクタL23およびキャパシタC27が接続されている。キャパシタC23とキャパシタC24との接続点と、ハイパスフィルタ用グランド電極HGとの間に、直列接続されたインダクタL24およびキャパシタC28が接続されている。キャパシタC24とキャパシタC25との接続点と、ハイパスフィルタ用グランド電極HGとの間に、直列接続されたインダクタL25およびキャパシタC29が接続されている。さらに、インダクタL21と第3端子T3との接続点と、ハイパスフィルタ用グランド電極HGとの間に、並列接続されたキャパシタC30およびインダクタL26が接続されている。そして、ハイパスフィルタ用グランド電極HGが、ハイパスフィルタ用グランド端子HGT1、HGT2に接続されている。
また、ローパスフィルタLPFとハイパスフィルタHPFとの間に、シールド用グランド電極SGが配置されている。そして、シールド用グランド電極SGは、シールド用グランド端子SGTに接続されている。
次に、図1〜図6に示したダイプレクサ100の構造と、図7に示したダイプレクサ100の等価回路との関係について説明する。
まず、線路電極L01a〜L01dがビア導体によって接続されて、共通インダクタL01が構成されている。共通インダクタL01は、一端が、ビア導体によって第1端子T1に接続されている。また、共通インダクタL01は、他端が、ビア導体および配線電極によって、ローパスフィルタLPFとハイパスフィルタHPFとに、それぞれ接続されている。より具体的には、共通インダクタL01の他端は、ビア導体および配線電極によって、ランド電極EL11aと、キャパシタ電極C21aとに、それぞれ接続されている。なお、ランド電極EL11aはローパスフィルタLPFの一部分をなし、キャパシタ電極C21aはハイパスフィルタHPFの一部分をなしている。
まず、ローパスフィルタLPFは、図2に示すランド電極EL11aとランド電極EL11bとの間に(電子部品の)インダクタL11が実装されている。そして、ランド電極EL11bが、ビア導体および配線電極によって、ランド電極EL12aおよびキャパシタ電極C11aに接続されている。
次に、ランド電極EL12aとランド電極EL12bとの間にインダクタL12が実装されている。また、キャパシタ電極C11aとキャパシタ電極C11bとでキャパシタC11が構成されている。そして、ランド電極EL12bおよびキャパシタ電極C11bが、ビア導体および配線電極によって、ランド電極EL13aおよびキャパシタ電極C12aに接続されている。
次に、ランド電極EL13aとランド電極EL13bとの間にインダクタL13が実装されている。また、キャパシタ電極C12aとキャパシタ電極C12bとでキャパシタC12が構成されている。そして、ランド電極EL13bおよびキャパシタ電極C12bが、ビア導体および配線電極によって、ランド電極EL14aおよびキャパシタ電極C13aに接続されている。
次に、ランド電極EL14aとランド電極EL14bとの間にインダクタL14が実装されている。また、キャパシタ電極C13aとキャパシタ電極C13bとでキャパシタC13が構成されている。そして、ランド電極EL14bおよびキャパシタ電極C13bが、ビア導体および配線電極によって、線路電極L15aの一端およびキャパシタ電極C14aに接続されている。
図2に示す線路電極L15aは、インダクタL15を構成している。また、キャパシタ電極C14aとキャパシタ電極C14bとでキャパシタC14が構成されている。そして、線路電極L15aの他端およびキャパシタ電極C14bが、ビア導体および配線電極によって、第2端子T2に接続されている。
また、ランド電極EL11bと、ランド電極EL12aと、キャパシタ電極C11aとが、ビア導体および配線電極によって、キャパシタ電極C15aに接続されている。そして、キャパシタ電極C15aとローパスフィルタ用グランド電極LGとでキャパシタC15が構成されている。
また、ランド電極EL12bと、ランド電極EL13aと、キャパシタ電極C11bと、キャパシタ電極C12aとが、ビア導体および配線電極によって、キャパシタ電極C16aに接続されている。そして、キャパシタ電極C16aとローパスフィルタ用グランド電極LGとでキャパシタC16が構成されている。
また、ランド電極EL13bと、ランド電極EL14aと、キャパシタ電極C12bと、キャパシタ電極C13aとが、ビア導体および配線電極によって、キャパシタ電極C17aに接続されている。そして、キャパシタ電極C17aとローパスフィルタ用グランド電極LGとでキャパシタC17が構成されている。
また、ランド電極EL14bと、線路電極L15aの一端と、キャパシタ電極C13bと、キャパシタ電極C14aとが、ビア導体および配線電極によって、キャパシタ電極C18aに接続されている。そして、キャパシタ電極C18aとローパスフィルタ用グランド電極LGとでキャパシタC18が構成されている。
そして、ローパスフィルタ用グランド電極LGが、ビア導体および中継電極によって、ローパスフィルタ用グランド端子LGT1、LGT2に接続されている。
一方、ハイパスフィルタHPFは、共通インダクタL01の他端に接続されキャパシタ電極C21aと、キャパシタ電極C21bとでキャパシタC21が構成されている。そして、キャパシタ電極C21bが、ビア導体および配線電極によって、キャパシタ電極C22aに接続されている。
次に、キャパシタ電極C22aとキャパシタ電極C22bとでキャパシタC22が構成されている。そして、キャパシタ電極C22bが、キャパシタ電極C23aに接続されている。
次に、キャパシタ電極C23aとキャパシタ電極C23bとでキャパシタC23が構成されている。そして、キャパシタ電極C23bが、ビア導体および配線電極によって、キャパシタ電極C24aに接続されている。
次に、キャパシタ電極C24aとキャパシタ電極C24bとでキャパシタC24が構成されている。そして、キャパシタ電極C24bが、ビア導体および配線電極によって、キャパシタ電極C25aに接続されている。
次に、キャパシタ電極C25aとキャパシタ電極C25bとでキャパシタC25が構成されている。そして、キャパシタ電極C25bが、ビア導体および配線電極によって、ランド電極EL21aに接続されている。
次に、ランド電極EL21aとランド電極EL21bとの間にインダクタL21が実装されている。さらにランド電極EL21bが、ビア導体、配線電極および中継電極によって、第3端子T3に接続されている。
また、キャパシタ電極C21bおよびキャパシタ電極C22aが、ビア導体および配線電極によって、ランド電極EL22aに接続されている。そして、ランド電極EL22aとランド電極EL22bとの間にインダクタL22が実装されている。さらにランド電極EL22bが、ビア導体および配線電極によって、キャパシタ電極C26aに接続されている。そして、キャパシタ電極C26aとハイパスフィルタ用グランド電極HGとでキャパシタC26が構成されている。
また、キャパシタ電極C22bおよびキャパシタ電極C23aが、ビア導体および配線電極によって、ランド電極EL23aに接続されている。そして、ランド電極EL23aとランド電極EL23bとの間にインダクタL23が実装されている。さらにランド電極EL23bが、ビア導体および配線電極によって、キャパシタ電極C27aに接続されている。そして、キャパシタ電極C27aとハイパスフィルタ用グランド電極HGとでキャパシタC27が構成されている。
また、キャパシタ電極C23bおよびキャパシタ電極C24aが、ビア導体および配線電極によって、ランド電極EL24aに接続されている。そして、ランド電極EL24aとランド電極EL24bとの間にインダクタL24が実装されている。さらにランド電極EL24bが、ビア導体および配線電極によって、キャパシタ電極C28aに接続されている。そして、キャパシタ電極C28aとハイパスフィルタ用グランド電極HGとでキャパシタC28が構成されている。
また、キャパシタ電極C24bおよびキャパシタ電極C25aが、ビア導体および配線電極によって、ランド電極EL25aに接続されている。そして、ランド電極EL25aとランド電極EL25bとの間にインダクタL25が実装されている。さらにランド電極EL25bが、ビア導体および配線電極によって、キャパシタ電極C29aに接続されている。そして、キャパシタ電極C29aとハイパスフィルタ用グランド電極HGとでキャパシタC29が構成されている。
また、ランド電極EL21bおよび第3端子T3が、ビア導体および配線電極によって、キャパシタ電極C30aおよびランド電極EL26aに接続されている。そして、キャパシタ電極C30aとキャパシタ電極C30bとでキャパシタC30が構成されている。また、ランド電極EL26aとランド電極EL26bとの間にインダクタL26が実装されている。そして、キャパシタ電極C30bおよびランド電極EL26bが、ビア導体および配線電極によって、ハイパスフィルタ用グランド電極HGに接続されている。
そして、ハイパスフィルタ用グランド電極HGが、ビア導体および中継電極によって、ハイパスフィルタ用グランド端子HGT1、HGT2に接続されている。
また、複数のシールド用グランド電極SGが、複数のビア導体によって、相互に接続されている。そして、最も下側である基材層BL30に設けられたシールド用グランド電極SGが、複数のビア導体および中継電極によって、シールド用グランド端子SGTに接続されている。
以上の構造および等価回路からなる、本実施形態にかかるダイプレクサ100は、従来から一般的に実施されているダイプレクサの製造方法により製造することができる。
以上の構造および等価回路からなる、本実施形態にかかるダイプレクサ100は、次のような特徴を備えている。
ダイプレクサ100は、多層基板1の内部に、ローパスフィルタ用グランド電極LGと、ハイパスフィルタ用グランド電極HGと、シールド用グランド電極SGとが別々に設けられている。また、多層基板1の表面に、ローパスフィルタ用グランド端子LGT1、LGT2と、ハイパスフィルタ用グランド端子HGT1、HGT2と、シールド用グランド端子SGTとが別々に設けられている。そして、ローパスフィルタ用グランド電極LGとローパスフィルタ用グランド端子LGT1、LGT2とが、ハイパスフィルタ用グランド電極HGとハイパスフィルタ用グランド端子HGT1、HGT2とが、シールド用グランド電極SGとシールド用グランド端子SGTとが、それぞれ、別々に接続されている。そのため、ダイプレクサ100は、ローパスフィルタLPF(第1フィルタ)と、ハイパスフィルタHPF(第2フィルタ)とが確実にアイソレーションされており周波数特性に優れている。
また、ダイプレクサ100は、ローパスフィルタ用グランド電極LGとローパスフィルタ用グランド端子LGT1、LGT2との間に形成される浮遊容量、インダクタンス成分と、ハイパスフィルタ用グランド電極HGとハイパスフィルタ用グランド端子HGT1、HGT2との間に形成される浮遊容量、インダクタンス成分とを相互に独立して調整することができる。そのため、ダイプレクサ100は、他のフィルタの影響を受けることなくローパスフィルタLPF(第1フィルタ)の周波数特性の最適化をはかることができる。また、他のフィルタの影響を受けることなくハイパスフィルタHPF(第2フィルタ)の周波数特性の最適化をはかることができる。
また、ダイプレクサ100は、第1端子T1と、ローパスフィルタLPFおよびハイパスフィルタHPFとの間に、線路電極L01a〜L01dによって共通インダクタL01が形成されており、ローパスフィルタLPF(第1フィルタ)の周波数特性、および、ハイパスフィルタHPF(第2フィルタ)の周波数特性がさらに改善されている。
また、ダイプレクサ100は、図7に示すように、シールド用グランド電極SGが、ローパスフィルタLPFの第2端子T2側の後半部分、すなわちローパスフィルタLPFのインダクタL13以降と、ハイパスフィルタHPFの第3端子T3側の後半部分、すなわちハイパスフィルタHPFのインダクタL24以降との間をシールドしている。すなわち、結合してしまうと周波数特性を劣化させる影響が大きい後半部分をシールドしているため、周波数特性の劣化が効果的に抑制されている。また、ダイプレクサ100は、同時に、多層基板1の内部において、共通インダクタL01とシールド用グランド電極SGとの距離が大きくなっており、共通インダクタL01とシールド用グランド電極SGとが不要な結合をすることによる周波数特性の劣化も抑制されている。
また、ダイプレクサ100は、シールド用グランド電極SGが、多層基板1の内部において、ローパスフィルタ用グランド電極LGと、ハイパスフィルタ用グランド電極HGとの間に形成されており、ローパスフィルタLPF(第1フィルタ)と、ハイパスフィルタHPF(第2フィルタ)とが確実にアイソレーションされている。
また、ダイプレクサ100は、図4および図5に示すように、ローパスフィルタ用グランド電極(第1フィルタ用グランド電極)LGの外縁とハイパスフィルタ用グランド電極(第2フィルタ用グランド電極)HGの外縁とを比較した場合、ハイパスフィルタ用グランド電極HGの外縁の方が、ローパスフィルタ用グランド電極LGの外縁よりも、凹凸の数が多く、かつ、大きな凹凸を備えている。また、図5の30層目の基材層BL30に、2つの破線の円X-1で示すように、ローパスフィルタ用グランド電極LGとローパスフィルタ用グランド端子LGT1、LGT2との間をそれぞれ1つのビア導体で接続しているのに対し、2つの破線の円X-2で示すように、ハイパスフィルタ用グランド電極HGとハイパスフィルタ用グランド端子HGT1、HGT2との間をそれぞれ2つのビア導体で接続している。この結果、ダイプレクサ100は、相対的に、ローパスフィルタ用グランド電極LGからビア導体を経由してローパスフィルタ用グランド端子LGT1、LGT2に形成されるインダクタンス成分が大きくなり、ハイパスフィルタ用グランド電極HGからビア導体を経由してハイパスフィルタ用グランド端子HGT1、HGT2に形成されるインダクタンス成分が小さくなっている。このため、ダイプレクサ100は、ローパスフィルタLPF(第1フィルタ)の周波数特性が改善され、かつ、ハイパスフィルタHPF(第2フィルタ)の周波数特性が改善されている。
また、ダイプレクサ100は、ローパスフィルタ用グランド電極LGとシールド用グランド電極SGとが電磁界結合し、ハイパスフィルタ用グランド電極HGとシールド用グランド電極SGとが電磁界結合している。この結果、ダイプレクサ100は、ローパスフィルタ用グランド電極LGとハイパスフィルタ用グランド電極HGとの電磁界結合が抑制されており、ローパスフィルタLPF(第1フィルタ)とハイパスフィルタHPF(第2フィルタ)とのアイソレーションがより確実になっている。
また、ダイプレクサ100は、シールド用グランド電極SGが多層基板1の複数の層間に設けられ、異なる層間に積層されたシールド用グランド電極SGどうしがビア導体により接続されている。この結果、ダイプレクサ100は、シールド用グランド電極SGとビア導体とでシールドをおこなうため、ローパスフィルタLPF(第1フィルタ)とハイパスフィルタHPF(第2フィルタ)とのアイソレーションがより確実になっている。
また、ダイプレクサ100は、たとえば、図5の基材層BL26〜BL30に示すように、シールド用グランド電極SGが形成された基材層BL26、BL28、BL30と、シールド用グランド電極SGが形成されていない基材層BL27、BL29とが交互に積層されている。すなわち、シールド用グランド電極SGは、ローパスフィルタ用グランド電極LGおよびハイパスフィルタ用グランド電極HGが形成された基材層BL26、BL28、BL30に形成されているが、キャパシタ電極C15a〜C18a、C26a〜C29aが形成された基材層BL27、BL29には形成されていない。これは、シールド用グランド電極SGと、キャパシタ電極C15a〜C18a、C26a〜C29aとの間に、不要な浮遊容量が発生し、周波数特性が劣化するのを防ぐためである。ダイプレクサ100は、シールド用グランド電極SGを1層おきに形成することにより、周波数特性の劣化が抑制されている。
本実施形態にかかるダイプレクサ100の周波数特性の優秀性を確認するために、比較例にかかるダイプレクサ(図示せず)を作製した。比較例にかかるダイプレクサは、30層目の基材層BL30において、ローパスフィルタ用グランド電極LGと、ハイパスフィルタ用グランド電極HGと、シールド用グランド電極SGとをまとめて、1つの共通グランド電極を形成した。そして、その共通グランド電極を、多層基板1(基材層BL35)の下側主面に形成された5つの共通グランド端子に接続した。なお、5つの共通グランド端子は、ダイプレクサ100のローパスフィルタ用グランド端子LGT1、LGT2、ハイパスフィルタ用グランド端子HGT1、HGT2、シールド用グランド電極SGと同じ位置に形成した。
図8(A)、(B)に、第1実施形態にかかるダイプレクサ100の周波数特性を実線で、比較例にかかるダイプレクサの周波数特性を破線で示す。なお、図8(A)は、図8(B)の一部分を拡大して示したものである。
第1実施形態にかかるダイプレクサ100は、比較例にかかるダイプレクサに比べて、破線の円Y‐1で示すように、ハイパスフィルタHPFの通過帯域近傍の減衰量が大きく改善されている。また、破線の円Y‐2で示すように、ローパスフィルタLPFの通過帯域近傍の減衰量も大きく改善されている。このように、ダイプレクサ100は優れた周波数特性を備えている。
[第2実施形態]
図9に、第2実施形態にかかるダイプレクサ200を示す。ただし、図9は、ダイプレクサ200の多層基板1の1層目から5層目までの基材層BL1〜BL5の上側主面を示している。
図1〜図7に示した、第1実施形態にかかるダイプレクサ100においては、多層基板1(基材層BL1)の上側主面にはシールド用グランド電極SGは形成されておらず、チャックマークCMとピンマークPMとが形成されていた。
ダイプレクサ200においては、図9に示すように、基材層BL1の上側主面に、チャックマークCMとピンマークPMとの機能を兼ねたシールド用グランド電極SGを形成した。そして、基材層BL1〜BL4に、それぞれ、破線の楕円Zで囲んだ領域に複数のビア導体を形成することによって、基材層BL1に形成されたシールド用グランド電極SGと、基材層BL5に形成されたシールド用グランド電極SGとを接続した。ダイプレクサ200の他の構成は、ダイプレクサ100と同じにした。
ダイプレクサ100のように、チャックマークCMやピンマークPMを、それぞれ、浮き電極で形成した場合には、電解めっきの際に必要な電位を得ることが難しく、表面に電解めっきによる保護層を形成することが難しかった。これに対し、ダイプレクサ200は、チャックマークCMやピンマークPMを、シールド用グランド電極SGと兼用させているため、表面に容易に電解めっきによる保護層を形成することができる。
[第3実施形態]
図10に、第3実施形態にかかるダイプレクサ300を示す。ただし、図10は、ダイプレクサ300を示す説明図(簡略化した等価回路図)である。
図1〜図7に示した、第1実施形態にかかるダイプレクサ100は、第1フィルタとしてのローパスフィルタLPFと、第2フィルタとしてのハイパスフィルタHPFとを備えていた。
これに対し、ダイプレクサ300は、第2フィルタとして、ハイパスフィルタHPFに代えて、バンドパスフィルタBPFを備えている。すなわち、ダイプレクサ300は、ローパスフィルタLPFとバンドパスフィルタBPFとを備えている。そして、ダイプレクサ300は、バンドパスフィルタ用グランド電極BGと、バンドパスフィルタ用グランド端子BGT1、BGT2とを、ビア導体等により接続した。ダイプレクサ300の他の構成は、ダイプレクサ100と同じにした。
ダイプレクサ300は、シールド用グランド電極SGによりローパスフィルタLPF(第1フィルタ)とバンドパスフィルタBPF(第2フィルタ)とがアイソレーションされているため、優れた周波数特性を備えている。
以上、第1実施形態〜第3実施形態にかかるダイプレクサ100〜300について説明した。しかしながら、本発明のダイプレクサが上述した内容に限定されることはなく、発明の趣旨に沿って種々の変更をなすことができる。
たとえば、上述した実施形態では、多層基板1の非実装面(上側主面)にインダクタL11〜L14、L21〜L25を搭載しているが、これに加えて、多層基板1内においてキャパシタ電極によって形成していたキャパシタを、キャパシタ素子として多層基板1の非実装面に搭載させても良い。あるいは、多層基板1の非実装面に搭載している、インダクタL11〜L14、L21〜L25の一部を、多層基板1内において線路電極によるインダクタとして構成しても良い。
また、ダイプレクサの等価回路も任意であり、上述した内容には限定されない。
また、多層基板1を構成する基材層BL1〜BL35の層数や、各基材層BL1〜BL35に形成される電極の形状や数、ビア導体の形成位置や数も任意であり、上述した内容には限定されない。
1・・・多層基板
BL1〜BL35・・・基材層
L01a〜L01d、L15a・・・線路電極
L11〜L14、L21〜L25・・・インダクタ
C11a〜C14a、C11b〜C14b、C21a〜C30a、C21b〜C30b・・・キャパシタ電極
LPF・・・ローパスフィルタ(第1フィルタ)
HPF・・・ハイパスフィルタ(第2フィルタ)
BPF・・・バンドパスフィルタ(第2フィルタ)
LG・・・ローパスフィルタ用グランド電極
HG・・・ハイパスフィルタ用グランド電極
BG・・・バンドパスフィルタ用グランド電極
SG・・・シールド用グランド電極
T1・・・第1端子
T2・・・第2端子
T3・・・第3端子
LGT・・・ローパスフィルタ用グランド端子
HGT・・・ハイパスフィルタ用グランド端子
BGT・・・バンドパスフィルタ用グランド端子
SGT・・・シールド用グランド端子
100、200、300・・・ダイプレクサ

Claims (11)

  1. 複数の基材層が積層されてなる、実装面と非実装面と有する多層基板と、
    前記多層基板の前記実装面に形成された第1端子、第2端子、第3端子、グランド端子と、を備え、
    前記第1端子と前記第2端子との間に第1フィルタが構成され、前記第1端子と前記第3端子との間に第2フィルタが構成されたダイプレクサであって、
    前記多層基板の層間に、相互に、物理的に分離して形成され、かつ、前記多層基板において直接に電気的に接続されていない、第1フィルタ用グランド電極と、第2フィルタ用グランド電極と、前記第1フィルタと前記第2フィルタとの間をシールドするためのシールド用グランド電極とを備え、
    前記グランド端子が、相互に、物理的に分離して形成され、かつ、前記多層基板において直接に電気的に接続されていない、前記第1フィルタ用グランド電極に接続された第1フィルタ用グランド端子と、前記第2フィルタ用グランド電極に接続された第2フィルタ用グランド端子と、前記シールド用グランド電極に接続されたシールド用グランド端子とからなるダイプレクサ。
  2. 前記第1フィルタがローパスフィルタからなり、前記第2フィルタがハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタからなる、請求項1に記載されたダイプレクサ。
  3. 前記第1端子が、前記多層基板の層間に積層された線路電極により形成された共通インダクタを介したうえで、前記第1フィルタと、前記第2フィルタとに接続された、請求項1または2に記載されたダイプレクサ。
  4. 前記シールド用グランド電極が、前記多層基板の内部において、
    前記第1フィルタ用グランド電極と、前記第2フィルタ用グランド電極との間に形成された、請求項1ないしのいずれか1項に記載されたダイプレクサ。
  5. 前記第1フィルタ用グランド電極と前記第1フィルタ用グランド端子との間、および、前記第2フィルタ用グランド電極と前記第2フィルタ用グランド端子との間が、それぞれ、ビア導体により接続され、
    前記第1フィルタ用グランド電極から前記ビア導体を経由して前記第1フィルタ用グランド端子に形成されるインダクタンス成分が、前記第2フィルタ用グランド電極から前記ビア導体を経由して前記第2フィルタ用グランド端子に形成されるインダクタンス成分よりも大きい、請求項1ないしのいずれか1項に記載されたダイプレクサ。
  6. 前記第1フィルタ用グランド電極の外縁と前記第2フィルタ用グランド電極の外縁とを比較した場合、前記第2フィルタ用グランド電極の外縁の方が、前記第1フィルタ用グランド電極の外縁よりも、凹凸の数が多い、および/または、大きな凹凸を備えており、
    前記第1フィルタ用グランド電極と前記第1フィルタ用グランド端子との間を接続する前記ビア導体の数が、前記第2フィルタ用グランド電極と前記第2フィルタ用グランド端子との間を接続する前記ビア導体の数よりも少ない、請求項に記載されたダイプレクサ。
  7. 前記第1フィルタ用グランド電極と前記シールド用グランド電極とが電磁界結合し、かつ、前記第2フィルタ用グランド電極と前記シールド用グランド電極とが電磁界結合している、請求項1ないし6のいずれか1項に記載されたダイプレクサ。
  8. 前記シールド用グランド電極が複数からなり、当該シールド用グランド電極が前記多層基板の複数の層間に積層され、異なる層間に積層された前記シールド用グランド電極どうしがビア導体により接続されている、請求項1ないしのいずれか1項に記載されたダイプレクサ。
  9. 前記多層基板の前記非実装面に、さらに、前記シールド用グランド電極が形成され、
    前記多層基板の前記非実装面に形成された前記シールド用グランド電極と、前記多層基板の層間に積層された前記シールド用グランド電極とが、ビア導体によって接続されている、請求項1ないしのいずれか1項に記載されたダイプレクサ。
  10. 前記第1フィルタ用グランド電極が複数からなり、当該第1フィルタ用グランド電極が前記多層基板の複数の層間に積層され、異なる層間に積層された前記第1フィルタ用グランド電極どうしがビア導体により接続され、
    前記第2フィルタ用グランド電極が複数からなり、当該第2フィルタ用グランド電極が前記多層基板の複数の層間に積層され、異なる層間に積層された前記第2フィルタ用グランド電極どうしがビア導体により接続され、
    前記シールド用グランド電極が複数からなり、当該シールド用グランド電極が前記多層基板の複数の層間に積層され、異なる層間に積層された前記シールド用グランド電極どうしがビア導体により接続され、
    前記多層基板の積層方向に、前記第1フィルタ用グランド電極と前記第2フィルタ用グランド電極とが、前記シールド用グランド電極を間に挟んで積層された前記多層基板の層間と、前記第1フィルタ用グランド電極、前記第2フィルタ用グランド電極、および前記シールド用グランド電極が全く積層されていない前記多層基板の層間とが、交互に、複数回、繰り返して設けられた、請求項1ないしのいずれか1項に記載されたダイプレクサ。
  11. 前記多層基板が低温同時焼成セラミックスにより形成された、請求項1ないし10のいずれか1項に記載されたダイプレクサ。
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