JP6636949B2 - 銀ナノワイヤーの製造方法、該方法で得られた銀ナノワイヤー及び該銀ナノワイヤーを含有するインク - Google Patents

銀ナノワイヤーの製造方法、該方法で得られた銀ナノワイヤー及び該銀ナノワイヤーを含有するインク Download PDF

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Description

本発明は、銀ナノワイヤーの製造方法、該方法で得られた銀ナノワイヤー及び該銀ナノワイヤーを含有するインクに関する。
タッチパネル等の透明電極に使用されるITO(酸化インジウムスズ)膜の代替となる高透明性・高導電性薄膜の原料として、銀ナノワイヤーが近年注目されている。斯かる銀ナノワイヤーは、一般に、ポリビニルピロリドンとエチレングリコール等のポリオールの存在下に銀化合物を加熱することによって製造されている(特許文献1、非特許文献1)。
しかしながら、ポリビニルピロリドンはグリコールや水に対する溶解性を有するものの、上記反応では、銀ナノワイヤーのワイヤー径をコントロールするために塩化物塩や他の無機塩を共存させることが多く(特許文献2)、これらが存在するとポリビニルピロリドンのグリコールや水に対する溶解度が低下する。そのためかこれらの存在下で成長させた銀ナノワイヤー表面にはポリビニルピロリドンが付着するように析出し反応後に洗浄によって除去することは困難であった。このようなポリビニルピロリドンが残存した銀ナノワイヤーを用いた場合には、大過剰のアルコールを用いて銀ナノワイヤーを洗浄しないと、銀ナノワイヤー上のポリビニルピロリドンを除去できないという欠点があった。銀ナノワイヤーをインク化する際には、印刷する基材によって水やアルコール、有機溶媒等を使い分ける必要があるが、銀ナノワイヤー表面にポリビニルピロリドンが残存した場合には、導電性薄膜の抵抗を下げるのに銀ナノワイヤー表面のポリビニルピロリドンを除去するための強いエネルギーが必要になる上、分散媒、特に疎水性の分散媒に対する分散性が十分でなく、更に分散剤を添加する必要があった。
米国特許第7,585,349号明細書 米国特許第8,512,438号明細書
Ducamp-Sanguesa, et al., J. Solid State Chem.,1992, 100, 272
したがって、本発明の課題は、製造後の銀ナノワイヤーの洗浄が容易な銀ナノワイヤーの製造方法、該方法で得られた銀ナノワイヤー及び該銀ナノワイヤーを含有するインクを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態は、銀ナノワイヤーの製造方法であって、R−CONHR’(Rは水素原子または炭素原子数が1〜3のアルキル基、R’は炭素−炭素二重結合を有する炭素原子数が2または3のアルケニル基)で表される第二級アミド化合物をモノマー単位に含む重量平均分子量が100000〜280000の重合体および還元剤の存在下で、銀化合物を加熱する工程を含むことを特徴とする。
上記化合物の重合体は、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)またはポリ(N−ビニルプロピオンアミド)から選ばれる1種以上の重合体であるのが好適である。
また、上記銀化合物は、硝酸銀、ヘキサフルオロホスフェート銀、硼弗化銀、過塩素酸銀、塩素酸銀、塩化銀、臭化銀、フッ化銀、炭酸銀、硫酸銀、酢酸銀、トリフルオロ酢酸銀のいずれかであるのが好適である。
ポリオールを前記還元剤および/または溶媒として含むことが好適である。また、ポリオールが、炭素原子数2〜6であり、2〜6価のアルコール化合物であることが好適である。
また、上記銀ナノワイヤーの製造方法は、銀化合物100質量部に対してポリオールを10000〜100000質量部用いるのが好適である。
また、上記銀ナノワイヤーの製造方法は、4級アンモニウム塩をさらに加えるのが好適である。
また、上記銀ナノワイヤーの製造方法は、得られた銀ナノワイヤーの表面に付着した重合体を除去する工程をさらに含む。
また、本発明の他の実施形態は、銀ナノワイヤーであって、上記いずれかの銀ナノワイヤーの製造方法で得られたことを特徴とする。
また、本発明のさらに他の実施形態は、インクであって、上記銀ナノワイヤーを含有することを特徴とする。
本発明によれば、銀ナノワイヤーの製造時の洗浄工程を大幅に簡略化できる。
実施例1で得られた銀ナノワイヤーの電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)画像を表す図である。 実施例2で得られた銀ナノワイヤーの電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)画像を表す図である。 実施例3で得られた銀ナノワイヤーの電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)画像を表す図である。 実施例4で得られた銀ナノワイヤーの電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)画像を表す図である。 実施例5で得られた銀ナノワイヤーの電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)画像を表す図である。 実施例6で得られた銀ナノワイヤーの電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)画像を表す図である。 実施例7で得られた銀ナノワイヤーの電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)画像を表す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を説明する。
本実施形態にかかる銀ナノワイヤーの製造方法は、R−CONHR’(Rは水素原子または炭素原子数が1〜3のアルキル基を表し、R’は炭素−炭素二重結合を有する炭素原子数が2または3のアルケニル基)で表される第二級アミド化合物をモノマー単位に含む重合体および還元剤の存在下で銀化合物を加熱する工程を含むことを特徴とする。銀ナノワイヤーは、直径がナノメーターオーダーである銀のナノファイバーのことをいう。
上記銀化合物としては、銀塩が挙げられ、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、後述するアルカリ金属の無機酸塩を用いる場合は、該アルカリ金属の無機酸塩を溶解する溶媒に可溶な銀化合物を用いることで、反応を均質に行うことができる。
上記銀塩は無機塩と有機塩とに大別されるが、工業的入手の容易性の観点から、無機塩が好ましい。
銀化合物の具体例としては、硝酸銀(AgNO)、ヘキサフルオロホスフェート銀(AgPF)、硼弗化銀(AgBF)、過塩素酸銀(AgClO)、塩素酸銀(AgClO)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)、フッ化銀(AgF)、炭酸銀(AgCO)、硫酸銀(AgSO)、酢酸銀(AgOCCH)、トリフルオロ酢酸銀(AgOCCF)が挙げられ、銀ナノワイヤーの製造効率及び目的の銀ナノワイヤーの形状が得られる観点から、硝酸銀、過塩素酸銀、塩素酸銀、フッ化銀、ヘキサフルオロホスフェート銀、硼弗化銀、トリフルオロ酢酸銀が好ましく、硝酸銀、ヘキサフルオロホスフェート銀、硼弗化銀、トリフルオロ酢酸銀が溶媒への溶解性の観点から、より好ましい。反応液中の銀濃度は、金属銀として0.05〜2質量%の範囲が好ましく、0.06〜1質量%の範囲がより好ましく、0.07〜0.5質量%の範囲が、細径の銀ナノワイヤーを得るためには特に好ましい。
本実施形態で用いる上記第二級アミド化合物をモノマー単位に含む重合体(ポリマー)は、銀ナノワイヤーの合成段階でキャッピング剤として作用する。キャッピング剤とは、生成してくる核の特定の面に吸着する物質(イオン,界面活性剤など)であり、その面の成長速度を抑制して、生成する粒子の形状を制御する。銀のナノワイヤーの場合にはナノワイヤーの側面の部分に吸着するようなものを選ぶことにより、細くて長いナノワイヤーを得ることが出来る。キャッピング剤に関しては、例えば以下の非特許文献に概説されている。
・Xia, et al. Acc. Chem. Res. 2007, 40, 1067.
・是津信行, 日本結晶成長学会誌, 2010, 37, No. 4, 281
上記キャッピング剤としては、R−CONHR’(Rは水素原子または炭素原子数が1〜3のアルキル基を表し、R’は炭素−炭素二重結合を有する炭素原子数が2または3のアルケニル基)で表される、比較的親水性の炭素原子数が3以下のカルボン酸であるギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸の誘導体である上記第二級アミド化合物をモノマー単位に含むポリマーが挙げられる。R’の具体例としては、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基が挙げられる。キャッピング剤の具体例としては、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルプロピオンアミド)が好適である。本実施形態では、このようなポリマーから選ばれる1種以上のポリマーおよび還元剤の存在下で、銀化合物を加熱することによって、製造した銀ナノワイヤーからのキャッピング剤の洗浄を容易に行うことができる。
なお、上記ポリマーは、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)またはポリ(N−ビニルプロピオンアミド)から選ばれる単独のポリマーあるいはポリマーとしての混合物だけでなく、上記第二級アミド化合物をモノマー単位に含む他の重合性モノマーとのコポリマーを使用することもできる。他の重合性モノマーの例としてはアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸フェニル、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。他の重合性モノマーとのコポリマーを用いる場合はコポリマー中の第二級アミドモノマー単位が20〜95mol%の範囲とすることが好ましく、30〜90mol%であることがより好ましい。ただし、これらのポリマーはアミド基を構成する窒素原子に水素原子が結合しており、後述の(親水性)反応溶媒との親和性が高いため保護コロイド性が低く、銀化合物から銀ナノワイヤーを得るためには使用出来るポリマーの分子量の範囲に制約がある。
すなわち、これらのポリマーを用いる場合には重量平均分子量が100000〜280000の範囲のポリマーを用いる必要があり、好ましくは110000〜250000、より好ましくは120000〜200000である。分子量が100000より小さいと、微粒子状の銀粒子しか得られず、また、分子量が280000を超えても、分子量が大きすぎて却って吸着しづらくなるためか、微粒子状の銀粒子の割合が増える傾向がある。
上記ポリマーの合計使用量は特に限定されないが、銀化合物1質量部に対し、通常0.5から20質量部程度であり、好ましくは1質量部から10質量部である。0.5質量部より低いと有効に吸着できず、20質量部よりも多いと反応溶液の粘度が高くなりすぎ好ましくない。
また、上記ポリマーの存在下で行う銀化合物の加熱は、上記ポリマーとともにアルカリ金属の無機酸塩の存在下で行うことができる。斯かるアルカリ金属の無機酸塩としては、アルカリ金属の硝酸塩、アルカリ金属の亜硝酸塩が好ましく、アルカリ金属の硝酸塩がより好ましい。
具体的には、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム等が挙げられ、これらのいずれかを単独で使用しても組み合わせて使用してもよい。
上記アルカリ金属の無機酸塩の合計使用量は特に限定されないが、銀化合物1モルに対し、通常0.05〜2モル当量程度であり、好ましくは0.1〜1モル当量である。
また、アルカリ金属の無機酸塩を用いる場合、これと共にアルカリ金属ハロゲン化物を用いてもよい。斯かるアルカリ金属ハロゲン化物としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物;臭化ナトリウム、臭化カリウム等のアルカリ金属臭化物;ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のアルカリ金属ヨウ化物等が挙げられ、これらのいずれかを単独で使用しても組み合わせて使用してもよい。
上記アルカリ金属ハロゲン化物の合計使用量は特に限定されないが、銀化合物1モルに対し、通常1×10−7〜3×10−1モル当量程度であり、好ましくは1×10−6〜1×10−2モル当量である。アルカリ金属ハロゲン化物の合計使用量が1×10−7モル当量未満では銀ナノワイヤー形状への選択的成長が促進されずワイヤーの収率が極端に低下する。またアルカリ金属ハロゲン化物の合計使用量が3×10−1モル当量を超える場合は粗大銀粒子の生成割合が増大し収率が極端に低下する。
また、上記加熱において、上記ポリマーとともに4級アンモニウム塩を用いてもよい。斯かる4級アンモニウム塩としては、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩化物や、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラプロピルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム等の4級アンモニウム臭化物等が挙げられ、これらのいずれかを単独で使用しても組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、得られるワイヤー形状の観点から、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウムが好ましい。
上記4級アンモニウム塩の合計使用量は特に限定されないが、銀化合物1モルに対し、通常0〜1モル当量程度であり、好ましくは0〜0.5モル当量である。
また、上記加熱は還元剤の存在下で行う。還元剤により銀化合物が還元され金属銀が析出する。還元剤としては公知の還元作用を有するもの、例えば水素ガス、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム等を使用することが可能であるが、後述の溶媒として兼用できるものを使用することが、安全性、経済性の点で好ましい。
上記加熱は銀化合物を溶解または分散させた状態で溶媒の存在下で行う必要がある。溶媒としては、ポリオール、水、1価のアルコール等が挙げられ、還元作用を得る観点から、ポリオールを含む溶媒が好ましい。ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の2価アルコール;グリセリン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパンのような4価のアルコール、ソルビトール等の6価アルコール等が挙げられ、これらのいずれかを単独で使用しても組み合わせて使用してもよい。炭素原子数が2〜6であり、2〜6価のアルコール化合物を使用すると沸点が高く常圧で温度を上げられる点と還元性の点でより好ましい。ポリオールを溶媒として使用することにより還元剤を別に用いる必要性もなくなる。
上記ポリオールの中でも、高粘度にならないという観点で2価アルコールがさらに好ましく、その中でもエチレングリコール、プロピレングリコールが経済性の点で特に好ましい。
上記ポリオールの合計使用量は特に限定されないが、銀化合物100質量部に対し、通常10000〜100000質量部程度であり、好ましくは15000〜60000質量部である。これよりも少ないと還元速度が遅くなり、多いと生産性が悪くなる傾向がある。
また、上記ポリオールを溶媒として含むまたは含まない上記溶媒の合計使用量は特に限定されないが、銀化合物100質量部に対し、通常10000〜100000質量部程度であり、好ましくは15000〜60000質量部である。
溶媒の合計使用量が10000質量部未満の場合、反応液中の銀濃度が高すぎるため球状粉生成などの副反応が起こりワイヤーの収率が低下することがある。また溶媒の合計使用量が100000質量部を超えると、反応液中の銀濃度が低すぎるため反応速度が低下し、生産性が低下する。
また、銀化合物の加熱温度は特に限定されないが、通常60〜300℃であり、好ましくは100〜200℃である。また、加熱時間は、通常0.1〜48時間であり、好ましくは0.2〜24時間である。
なお、上記加熱工程によって生成した銀ナノワイヤーは、その表面に付着したキャッピング剤を除去するために遠心分離、クロスフロー濾過等により精製するが、本実施形態で使用するキャッピング剤はポリビニルピロリドンに比べて水溶性が高いため、簡単な洗浄工程で除去することができる。洗浄に使用できる溶媒としては水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール等が挙げられるが、これらの中でもメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが工業的な入手容易性と、後工程での溶媒交換のやり易さの点で好ましい。
以上に述べた製造方法で得られる銀ナノワイヤーにはキャッピング剤由来の残存物が非常に少なく、インクを調製し塗布した後の抵抗が容易に下がるとともに、特に水系溶媒への分散性が良くなる。
また、得られる銀ナノワイヤーの直径は、20〜250nm程度であり、長さは、1〜50μm程度である。なお、銀ナノワイヤーの直径及び長さは、後述する実施例に記載の方法に従い測定すればよい。
本実施形態にかかるインクは、上記製造方法によって得られた銀ナノワイヤーを含有するものである。インク中の銀ナノワイヤーの含有量としては、インクにより形成されるパターンの導電性向上の観点からは多い方がよいが、光学特性や凝集を抑える観点からは上限があり、0.05〜60質量%が好ましく、0.1〜30質量%がより好ましい。特に透明導電膜として用いる場合には光線透過率も考慮して、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
また、本実施形態のインクに含まれる溶媒は特に限定されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール等のアルキレングリコール系溶剤;アルキレングリコールのアルキルエーテル系、ターピネオール、トルエン、ヘキサン等の炭化水素系溶剤が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、本実施形態のインクに加える溶媒として、水、低級アルコール系の溶媒を使用する場合にはポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)またはポリ(N−ビニルプロピオンアミド)を、他の有機溶媒(より疎水的な)を使用する場合には、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリ−N−ビニルカプロラクタム、ポリビニル(N−メチル)アセトアミド等を、添加することがインク中の銀ナノワイヤーの分散性の点で好適である。これらの添加量は特に限定されないが、銀ナノワイヤー100質量部に対し、通常0.01〜10質量部程度であり、好ましくは0.01〜1質量部である。量があまりに多いと低抵抗化が難しく、あまりに少ないと添加する効果を発現しない。これらはインク中の銀ナノワイヤーの分散性を保持するとともに、バインダー樹脂としての機能を備える。なお、上記以外の公知のバインダー樹脂成分(ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアルキレングリコール樹脂等)を配合することもできる。
なお、本実施形態のインクには、必要に応じて、上記以外の各種の添加剤等(例えば、界面活性剤、重合性化合物、重合体、酸化防止剤、腐食防止剤、粘度調整剤、防腐剤)を含有することができる。
また、本実施形態のインクを印刷する基材は特に限定されるものではなく、樹脂、ガラス、セラミック、紙等の絶縁性材料、半導体材料または金属等の導体が挙げられる。これらのうち、上記樹脂基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート基材、トリアセチルセルロース基材、ポリエチレンナフタレート基材、ポリカーボネート基材、ポリエステル基材、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン基材、ポリアクリル基材、ポリスチレン基材、ポリウレタン基材、エポキシ樹脂基材、ポリ塩化ビニル系基材、ポリアミド系基材等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例における各分析条件は以下に示すとおりである。
<分子量測定>
重量平均分子量Mwの測定にはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと省略する)を用い、プルラン(標準試料)に換算した値で求めた。なおGPCの測定条件は以下のとおりである。
測定装置 :Shodex製 HPLC
溶離液 :蒸留水
検出器 :shodex RI−201I
ポンプ :SHIMADZU LC−20AD
カラムオーブン :SHODEX AO−30C
解析装置 :SHIMAZU SIC 480II Deta Station
ポンプ流速 :0.7mL/min
カラム :Shodex GPC SB−806 HQ 2本
カラム温度 :40℃
試料濃度 :0.2質量%
注入量 :200μL
<銀ナノワイヤーの形状の観測>
銀ナノワイヤーの形状(長さ・直径)は、株式会社日立ハイテクノロジーズ製超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡SU8020(加速電圧3〜10kV)を用いて100本のナノワイヤーの径を観測した。
<熱重量分析>
精製サンプルの熱重量分析はNETZSCH社製TG/DTAを用いて行った。
合成例1 ポリ(N−ビニルホルムアミド)の合成
1L三口フラスコにN−ビニルホルムアミド(東京化成工業(株)製、100g、1.41mol)および純水400gを加え完全に溶解させた後、気相と液相を窒素ガスで2時間置換(気相は窒素ガスフロー、液相は窒素ガスバブリング)した。液相の窒素ガス置換のみを止め、気相を窒素ガスフローさせたまま60℃まで昇温した。重合開始剤としてV−50(和光純薬工業(株)製、0.9g、3.32mmol)を純水10gに溶解させ、シリンジを用いて系中に加えた。60℃で6時間反応を継続した後、反応液をバットにあけオーブンに入れて、常圧で乾燥具合を見ながら突沸しないように120℃までゆっくり昇温し、最終的に真空オーブンに移して24時間減圧乾燥させることでポリ(N−ビニルホルムアミド)を白色固体として77g得た。GPCによる分子量測定の結果、Mwは160000であった。
実施例1 銀ナノワイヤーの製造
東京理化機械(株)製のパーソナル有機合成装置PPS−CTRL1用反応容器に、プロピレングリコール20g、合成例1で合成したポリ(N−ビニルホルムアミド)0.68g(9.6mmol)を仕込み、60℃で1時間撹拌することで完全に溶解させた。バイアル瓶に硝酸銀(和光純薬工業(株)製)0.3g、プロピレングリコール4gを入れ室温で撹拌することで完全に溶解させた。塩化テトラブチルアンモニウム(ACROS社製)の1質量%プロピレングリコール溶液0.738g(26.6μmol)を反応容器に添加した後、反応容器上部に滴下漏斗を設置して先に調製した硝酸銀溶液を投入した。枝管より窒素ガスを300mL/minの流量で5分間流して系を窒素ガス置換した。枝管の窒素ガスを止め温度計を設置し、内温が130℃となるまで昇温した。内温130℃にて6分間かけて滴下漏斗の内容物を滴下し、さらに130℃で1時間反応を継続した。反応混合物をエタノールで5倍に希釈し、遠心分離機を用いて6000rpmの回転数で5分間処理することで銀ナノワイヤーを沈降させた。エタノール50gを添加し6000rpmで5分間処理する操作をさらに2回行い系中に残存するポリ(N−ビニルホルムアミド)及び溶媒を洗浄した。得られたワイヤーについて電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いてワイヤーの形状を測定し。得られた銀ナノワイヤーの形状を表1に、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)画像を図1に示す。
実施例2 銀ナノワイヤーの製造
合成例1で合成したポリ(N−ビニルホルムアミド)0.68g(9.6mmol)の代わりにポリ(N−ビニルアセトアミド)(以下PNVAと略する昭和電工(株)製)GP191−405(Mw:130000、0.817g、9.6mmol)を用い、130℃での反応時間を1時間から20分間に変更した以外は実施例1同様の条件により銀ナノワイヤーを得て、ワイヤーの形状を測定した。得られた銀ナノワイヤーの形状を表1に、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)画像を図2に示す。
実施例3
PNVAとしてGP191−405(Mw:260000)を用いた以外は実施例2と同様の条件により銀ナノワイヤーを得て、ワイヤーの形状を測定した。得られた銀ナノワイヤーの形状を表1に、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)画像を図3に示す。
実施例4
PNVAとしてGE191−205(Mw:180000)を用いた以外は実施例2と同様の条件により銀ナノワイヤーを得て、ワイヤーの形状を測定した。得られた銀ナノワイヤーの形状を表1に、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)画像を図4に示す。
実施例5
合成例1で合成したポリ(N−ビニルホルムアミド)0.68g(9.6mmol)の代わりにN−ビニルアセトアミドとアクリロニトリルの9対1共重合体(以下NVA/ANと略する昭和電工(株)製、Mw:150000)0.82g(9.6mmol)を用いた以外は実施例1同様の条件により銀ナノワイヤーを得て、ワイヤーの形状を測定した。得られた銀ナノワイヤーの形状を表1に、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)画像を図5に示す。
実施例6
合成例1で合成したポリ(N−ビニルホルムアミド)0.68g(9.6mmol)の代わりにN−ビニルアセトアミドとメタクリル酸メチルの9対1共重合体(以下NVA/MMAと略する昭和電工(株)製、Mw:150000)0.82g(9.6mmol)を用いた以外は実施例1同様の条件により銀ナノワイヤーを得て、ワイヤーの形状を測定した。得られた銀ナノワイヤーの形状を表1に、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)画像を図6に示す。
実施例7
東京理化機械(株)製のパーソナル有機合成装置PPS−CTRL1用反応容器に、プロピレングリコール20g、PNVA GP191−405(Mw:130000)0.54g(6.4mmol)を仕込み、60℃で1時間撹拌することで完全に溶解させた。バイアル瓶に硝酸銀(和光純薬工業(株)製)0.075g、プロピレングリコール1gを入れ室温で撹拌することで完全に溶解させた。塩化テトラブチルアンモニウム(ACROS社製)の1質量%プロピレングリコール溶液0.738g(26.6μmol)を反応容器に添加した後、反応容器上部に滴下漏斗を設置して先に調製した硝酸銀溶液を投入した。枝管より窒素ガスを300mL/minの流量で流して系を窒素ガス置換しつつ、内温が130℃となるまで昇温した。内温130℃にて1分間かけて滴下漏斗の内容物を滴下し、さらに130℃で1時間反応を継続した。反応混合物をエタノールで5倍に希釈し、遠心分離機を用いて6000rpmの回転数で5分間処理することで銀ナノワイヤーを沈降させた。エタノール50gを添加し6000rpmで5分間処理する操作をさらに2回行い系中に残存するPNVA及び溶媒を洗浄した。得られたワイヤーについて電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いてワイヤーの形状を測定した。得られた銀ナノワイヤーの形状を表1に、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)画像を図7に示す。
実施例8
1L四つ口フラスコ(メカニカルスターラー、滴下漏斗、還流管、温度計)にプロピレングリコール200g、PNVA GP191−405(Mw:130000、8.17g、96mmol)を仕込み、60℃で1時間撹拌することで完全に溶解させた。ビーカーに硝酸銀(和光純薬工業(株)製)3g、プロピレングリコール40gを入れ室温で撹拌することで完全に溶解させた。塩化テトラブチルアンモニウム(ACROS社製)の1質量%プロピレングリコール溶液7.38g(0.27mmol)をフラスコに添加した後、滴下漏斗へ先に作製した硝酸銀溶液を投入した。滴下漏斗上部より窒素ガスを300mL/minの流量で20分間流して系を窒素ガス置換した。枝管の窒素ガスを止め、内温が130℃となるまで昇温した。内温130℃にて30分間かけて滴下漏斗の内容物を滴下し、さらに130℃で60分反応を継続した。
反応混合物をメタノールで4倍に希釈し、クロスフローろ過装置(NGKフィルテック株式会社製セルフィト卓上試験機、細孔径2μm)を用いて洗浄をおこなった。洗浄条件およびTG/DTAによる分析結果を表2に示す。
比較例1
PNVAとしてGE191−104(Mw:300000)を用いた以外は実施例2と同様の条件により銀ナノワイヤーの製造工程を実施した。生成物の形状を表1に示す。
表1に示されるように、本比較例における生成物の形状は球状となり、銀ナノワイヤーは製造できなかった。これは、PNVAの重量平均分子量Mwが300000と高かったためと考えられる。
比較例2
PNVAとしてGE191−405P(Mw:80000)を用いた以外は実施例2と同条件にて銀ナノワイヤーの製造工程を実施した。生成物の形状を表1に示す。
表1に示されるように、本比較例における生成物の形状は微粒状となり、銀ナノワイヤーは製造できなかった。これは、PNVAの重量平均分子量Mwが80000と低かったためと考えられる。
比較例3
1L四つ口フラスコ(メカニカルスターラー、滴下漏斗、還流管、温度計)にプロピレングリコール200g、ポリビニルピロリドン K−90(以下PVP K−90と省略する和光純薬工業(株)製)10.7g(96mmol)を仕込み、60℃で1時間撹拌することで完全に溶解させた。ビーカーに硝酸銀(和光純薬工業(株)製)3g、プロピレングリコール80gを入れ室温で撹拌することで完全に溶解させた。塩化テトラブチルアンモニウム(ACROS社製)の1質量%プロピレングリコール溶液7.38g(0.27mmol)をフラスコに添加した後、滴下漏斗へ先に作製した硝酸銀溶液を投入した。滴下漏斗上部より窒素ガスを300mL/minの流量で20分間流して系を窒素ガス置換した。枝管の窒素ガスを止め、内温が160℃となるまで昇温した。内温160℃にて30分間かけて滴下漏斗の内容物を滴下し、さらに160℃で60分反応を継続した。
反応混合物をメタノールで4倍に希釈し、クロスフローろ過装置(NGKフィルテック株式会社製セルフィト卓上試験機、細孔径2μm)を用いて洗浄をおこなった。洗浄条件およびTG/DTAによる分析結果を表2に示す。
クロスフローろ過によるろ過洗浄工程を6回繰り返した後、PNVAを用いた実施例8では樹脂の残存量が0.05質量%であるのに対し、PVPを用いた比較例3では0.29質量%と多くの樹脂が洗浄できず残存していることが分かる。

Claims (7)

  1. R−CONHR’(Rは水素原子または炭素原子数が1〜3のアルキル基、R’は炭素−炭素二重結合を有する炭素原子数が2または3のアルケニル基)で表される第二級アミド化合物をモノマー単位に含む重量平均分子量が100000〜280000の重合体および還元剤の存在下で、銀化合物を加熱する工程を含む銀ナノワイヤーの製造方法であって、
    前記重合体が、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)またはポリ(N−ビニルプロピオンアミド)から選ばれる1種以上の重合体、または前記第二級アミド化合物をモノマー単位に含むコポリマーであって、前記コポリマー中の第二級アミドモノマー単位が20〜95mol%の範囲である重合体であり、
    ポリオールを前記還元剤および/または溶媒として含み、前記ポリオールが、炭素原子数2〜6であり、2〜6価のアルコール化合物である、銀ナノワイヤーの製造方法
  2. 前記ポリオールが、2価アルコールである、請求項1に記載の銀ナノワイヤーの製造方法。
  3. 前記2価アルコールが、エチレングリコール、プロピレングリコールの少なくとも一方である、請求項2に記載の銀ナノワイヤーの製造方法。
  4. 前記銀化合物が、硝酸銀、ヘキサフルオロホスフェート銀、硼弗化銀、過塩素酸銀、塩素酸銀、塩化銀、臭化銀、フッ化銀、炭酸銀、硫酸銀、酢酸銀、トリフルオロ酢酸銀のいずれかである請求項1〜3のいずれか一項に記載の銀ナノワイヤーの製造方法。
  5. 前記銀化合物100質量部に対して前記ポリオールを10000〜100000質量部用いる、請求項1〜のいずれか一項に記載の銀ナノワイヤーの製造方法。
  6. 4級アンモニウム塩をさらに加える、請求項1〜のいずれか一項に記載の銀ナノワイヤーの製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の銀ナノワイヤーの製造方法で得られた銀ナノワイヤーの表面に付着した前記重合体を除去する工程をさらに含む銀ナノワイヤーの製造方法。
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