JP6636271B2 - 複合管 - Google Patents
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また、従来のコルゲート管は、作業性が良くないという問題があった。例えば、本管が管継手に接続される際における、上述したようなコルゲート管を縮めたり元に戻したりする作業が、容易ではなかった。また、本管が管継手に接続された後に、いったん縮められたコルゲート管が、十分に元に戻らない場合もあり、そのような場合、本管が部分的に外部に露出したままとなってしまって、施工後の状態の見栄えを損ねていた。
この発明の複合管によれば、他の管(本発明の複合管も含む。)に当たったときに発生する音を抑制でき、また、コルゲート層の作業性を向上できる。
なお、図1は、本実施形態の複合管1の一部を、複合管1の中心軸線Oに沿う断面によって示している。複合管1の中心軸線Oは、コルゲート層4の中心軸線と同じとする。複合管1の軸線方向は、中心軸線Oに沿う方向とする。
なお、環状大径部41とは、コルゲート層4のうち、その外径及び内径が最大となる部分であり、すなわち波形の管壁における山の部分である。環状小径部42とは、コルゲート層4のうち、その外径及び内径が最小となる部分であり、すなわち波形の管壁における谷の部分である。
ただし、コルゲート層4は、環状大径部41と環状小径部42とが軸線方向に交互に配置されてなる波形の管壁からなる限り、図1とは異なる形状に形成されてもよい。例えば、コルゲート層4は、よりアールの少ない、角張った波形に形成されてもよい。より具体的には、環状大径部41と環状小径部42とを、それぞれ軸線方向に沿って所定長さにわたってまっすぐ延在させてもよい。また、これに加えて、又はこれに代えて、コルゲート層4の管壁のうち、環状大径部41と環状小径部42とを連結する管壁部分は、径方向に沿って、又は、径方向及び軸線方向に対して交わる方向に沿って、まっすぐ延在してもよい。
図1の例では、緩衝層3の外周面の全体が、コルゲート層4の内周面に対して固定されている。緩衝層3をコルゲート層4へ固定する手法としては、例えば溶着による固定又は接着剤による固定がある。緩衝層3は、本例のように他の層を介さずにコルゲート層4に対して直接固定されてもよいし、あるいは、他の層を介してコルゲート層4に対して固定されてもよい。ただし、緩衝層3は、その外周面の一部又は全体において、コルゲート層4に対して固定されていなくてもよい。
図1の例では、緩衝層3の層厚T2が、軸線方向に沿ってほぼ一定である。しかし、緩衝層3の層厚T2は、軸線方向に沿って変動してもよい。なお、本例において、緩衝層3の層厚T2は、中心軸線Oに沿った断面において、緩衝層3の外周面の法線方向に沿って測定した値とする。
緩衝層3の内周面は、本管部2の外周面に対しては固定されていない。
なお、複合管1は、緩衝層3を備えていなくてもよい。
これにより、仮に、本実施形態の複合管1が他の管(本実施形態の複合管1も含む。)に隣接して配設された場合に、例えばいずれか一方の管がウォーターハンマーによって振動する等して、複合管1の外周面(ひいてはコルゲート層4の外周面)が該他の管の外周面に当たったとき(複合管1同士が当たったときも含む。)に発生する音を、抑制できる。
本実施形態の複合管1によれば、上述のように、コルゲート層4の層厚T1が80〜200μmと薄くされているので、コルゲート層4が軸線方向に伸縮され易い。よって、本管部2が管継手に接続される際に、作業員は、より小さな力でコルゲート層4を縮めることができ、また、いったん縮められたコルゲート層4は、作業員が手を離せば自然と元に戻るので、作業性が向上される。また、従来のように、本管部2が外部に露出したままとなるおそれがないので、施工後の状態の見栄えも向上される。
緩衝層3の層厚(肉厚)T2は、350〜5000μm(またはコルゲート層4の層厚T1の2.5〜60倍)であると好適である。
なお、本例のように、緩衝層3をコルゲート層4に沿った波形の管状に形成した場合は、比較的薄く形成されたコルゲート層4の形状を、より効果的に維持できる点、好適である。
例えば、緩衝層3は、コルゲート層4に沿った波形の管状に形成される必要はなく、他の形状に形成されてもよい。図2、図3にそれぞれ示す変形例は、緩衝層3の構成のみが、図1の例と異なる。
図2に示す変形例において、緩衝層3は、まっすぐな円管状に形成されている。より具体的に、緩衝層3の外周面及び内周面は、軸線方向に沿ってまっすぐに延在している。この場合でも、緩衝層3の外周面の少なくとも一部はコルゲート層4の内周面に固定されていることが好ましい。また、緩衝層3の内周面は、本管部2の外周面に固定されない。図2の例のように、緩衝層3の内周面を軸線方向にまっすぐ延在させた場合は、図1の例に比べて、より広い面積で緩衝層3が本管部2に接触し得るので、作業員が複合管1を持った際に、よりしっかりと本管部2を保持できる点、好適である。また、図2の例の場合、同様の観点から、緩衝層3の内周面が、他の層を介さずに、本管部2の外周面に直接接していると、より好適である。なお、本例において、緩衝層3の層厚T2は、径方向に沿って測定した値とする。緩衝層3の層厚T2の好ましい値は、図1の例と同様である。
Claims (4)
- 本管部と、
前記本管部の外周側に配置され、環状大径部と前記環状大径部よりも小径の環状小径部とが軸線方向に交互に配置されてなる波形の管壁からなる、樹脂製のコルゲート層と、
前記本管部と前記コルゲート層との間に、緩衝材により構成される管状の緩衝層と、を備え、
前記コルゲート層の層厚が80〜200μmであり、
前記緩衝層の外周面及び内周面が、前記コルゲート層に沿った波形であり、
前記本管部が、該本管部の全長にわたって円筒状に構成されており、前記本管部の外径が、軸線方向に沿って一定であり、
前記緩衝層の内周面は、その径の最小部分が前記本管部の外周面に接触しているとともに、その径の最大部分が前記本管部の外周面に対し非接触であり、
前記コルゲート層及び前記緩衝層は、軸線方向に伸縮可能であることを特徴とする、複合管。 - 前記緩衝層の層厚は、前記コルゲート層の層厚の2.5〜60倍である、請求項1に記載の複合管。
- 前記緩衝層の層厚は、350〜5000μmである、請求項1又は2に記載の複合管。
- 前記コルゲート層は、アール付きの滑らかな波形に形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の複合管。
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