JP6702667B2 - コルゲート管及び複合管 - Google Patents
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そこで、管の業界では、管が過度に小さな曲げ半径で曲げられた状態で配設されるのを防止する策として、許容可能な管の曲げ半径の範囲の下限値である最小曲げ半径が、規定されている。例えば、ポリブテン製の管については、ポリブテンパイプ工業会が、最小曲げ半径を、管の呼び径毎に規定している。また、架橋ポリエチレン製の管については、架橋ポリエチレン管工業会が、最小曲げ半径を、管の呼び径毎に規定している。
しかし、施工現場において、作業者が、規定された最小曲げ半径を守っているか否かを確認しながら管を施工するのは、手間かつ困難であり、また、その確認を怠った結果、規定された最小曲げ半径よりも小さな曲げ半径で管が施工されてしまうおそれもあった。
本発明のコルゲート管によれば、構造を簡単にしつつ、コルゲート管に挿通される可撓性の内管が、該内管について予め規定された最小曲げ半径よりも小さな曲げ半径で曲げられるのを効果的に抑制できる。
を備えたことを特徴とする。
本発明の複合管によれば、コルゲート管の構造を簡単にしつつ、コルゲート管に挿通された可撓性の内管が、該内管について予め規定された最小曲げ半径よりも小さな曲げ半径で曲げられるのを効果的に抑制できる。
なお、図1は、本実施形態の複合管1の一部を、複合管1の中心軸線Oに沿う断面によって示している。複合管1の中心軸線Oは、コルゲート管4の中心軸線と同じである。複合管1の軸線方向は、コルゲート管4の軸線方向と同じであり、中心軸線Oに沿う方向である。複合管1の周方向は、コルゲート管4の周方向と同じであり、中心軸線Oに直交する平面内において中心軸線Oを中心とする円に沿って延在する方向である。
図1の例では、コルゲート管4の壁厚T(管壁の肉厚、以下同じ。)が、軸線方向に沿ってほぼ一定である。なお、コルゲート管4の壁厚は、中心軸線Oに沿った断面において、コルゲート管4の外周面の法線方向に沿って測定した値とする。したがって、コルゲート管4の内周面が、コルゲート管4の外周面に沿った波形に形成されている。
なお、コルゲート管4の凸部41及び最小径部42が、それぞれ螺旋状に延在する場合、厳密には、凸部41及び最小径部42は複数ずつ設けられるのではなく、それぞれ一続きに構成される。しかし、上記「複数の凸部41が軸線方向に沿って配列され」とは、中心軸線Oに沿った断面を観た場合の構成を指しており、コルゲート管4の凸部41及び最小径部42がそれぞれ螺旋状に延在する場合も含んでいる。
これはすなわち、コルゲート管4が最大限曲げられた状態では、コルゲート管4の中心軸線Oに対して曲げ中心C側の管壁において少なくとも一部の凸部4どうしが接触しているとともに、コルゲート管4の管壁の外周面における、凸部41どうしが接触する部分のうち、曲げ中心Cに最も近接した点を接触点Pとすると、接触点Pどうしを滑らかに繋いだ仮想曲線L1の曲率半径R1に、内管2の中心軸線に対して曲げ中心C側の内管2の外周面から仮想曲線L1までの径方向距離Hを加えた値(R1+H)が、コルゲート管4に挿通される内管2について予め規定された最小曲げ半径R2以上となるようにされている(すなわち、R1+H≧R2)ことと、等価である。これは、コルゲート管4の構造を調整することにより、より具体的には、コルゲート管4に外力が作用していない自然状態における、コルゲート管4の管壁の壁厚T、凸部41の寸法及び形状、凸部41どうしの軸線方向の間隔等を調整することにより、実現される。
内管2の外径がコルゲート管4の最小内径よりも小さい場合、内管2の外周面とコルゲート管4の内周面とが径方向に離間することから、内管2が挿通された状態でコルゲート管4を曲げた場合、厳密には、内管2の中心軸線及び曲げ中心が、コルゲート管4の中心軸線及び曲げ中心とは一致しないことがあり得る。しかし、その場合でも、コルゲート管4に挿通される内管2が、内管2について予め規定された最小曲げ半径R2よりも小さな曲げ半径で曲げられるのを、十分効果的に抑制できる。
この場合、次の関係が成り立つ。
2π(R2+D/2)=(G+W)×N ・・・(1)
2π×R1=(Cm×W)×N ・・・(2)
ここで、図1に示すように、コルゲート管4を最大限曲げた状態で求められる上記各接触点Pどうしを、コルゲート管4がまっすぐ延在した状態で繋げてなる仮想直線を、L2とする。式(1)において、Gは、コルゲート管4がまっすぐ延在した状態で、仮想直線L2に沿って測ったときの凸部41間の間隔であり、言い換えれば、互いに隣接する2つの凸部41上にある、軸線方向に互いに隣接する2つの接触点Pどうしの距離である。Nは、コルゲート管4を最大限曲げた状態で、最小曲げ半径R2の円に沿って湾曲された、中心軸線に対して曲げ中心C側の内管2の外周面の、一周分(2π分)に沿う、凸部41の数であり、言い換えれば、曲率半径R1の円を描く仮想曲線L1の一周分に沿う、凸部41の数である。Wは、コルゲート管4がまっすぐ延在した状態で、仮想直線L2に沿って測ったときの、凸部41の幅であり、言い換えれば、1つの凸部41上にある2つの接触点Pどうしの距離である。式(1)の左辺は、内管2の中心軸線に対して曲げ中心C側の内管2の外周面が最小曲げ半径R2の円に沿って湾曲した状態での、内管2の中心軸線の一周分(2π分)の長さを表している。式(1)は、内管2の中心軸線の長さが、内管2が曲げられた状態と内管2がまっすぐに延在した状態とで、変化しない、との理論のもと、立てられている。
式(2)において、Cmは、コルゲート管4をまっすぐ延在させた状態で、仮想直線L2に沿って測った凸部41の幅Wに対する、コルゲート管4を最大限曲げた状態で、仮想曲線L1に沿って測った凸部41の幅W’(図2)の、割合(W’/W)である。
G = (R2+D/2)×(Cm×W)/(R2−H) − W ・・・(3)
となる。
このように、式(3)を満たすように、凸部41どうし間隔Gや凸部41の寸法(H、W)を調整することにより、内管2が、内管2について予め規定された最小曲げ半径R2よりも小さな曲げ半径で曲げられるのを効果的に抑制できるような、コルゲート管4(ひいては、コルゲート管4を備えた複合管1)を、得ることができる。
G ≦ (R2+D/2)×(Cm×W)/(R2−H) − W ・・・(4)
Claims (4)
- 可撓性の内管が挿通されて使用され、外周側へ突出した複数の凸部が軸線方向に沿って配列されてなる波形の管壁を有する、可撓性のコルゲート管であって、
前記内管が挿通された状態で前記コルゲート管を最大限曲げたときに、
前記コルゲート管の中心軸線に対して曲げ中心側の管壁において、少なくとも一部の前記凸部どうしが接触しているとともに、
前記内管の中心軸線に対して前記曲げ中心側の該内管の外周面の曲率半径が、前記内管の中心軸線に対して前記曲げ中心側の該内管の外周面の曲率半径について許容可能な範囲の下限値として予め規定された最小曲げ半径R2以上となり、
前記コルゲート管が最大限曲げられた状態において、前記コルゲート管の管壁の外周面における、前記凸部どうしが接触する部分のうち、前記曲げ中心に最も近接した点を、接触点Pと称するとき、前記コルゲート管が最大限曲げられた状態において前記接触点Pどうしを滑らかに繋いだ仮想曲線L1に沿って測ったときの前記凸部の幅W’は、前記コルゲート管をまっすぐ延在させた状態において前記接触点Pどうしを滑らかに繋いだ仮想直線L2に沿って測ったときの前記凸部の幅Wよりも、小さく、
前記コルゲート管は、該コルゲート管の軸線方向に沿って伸縮可能である、コルゲート管。 - 前記内管について予め規定された前記最小曲げ半径R2は、前記内管の外径Dの10倍である、請求項1に記載のコルゲート管。
- 前記凸部は、該コルゲート管の周方向に沿って、環状に延在する、請求項1又は2に記載のコルゲート管。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のコルゲート管と、
前記コルゲート管に挿通された前記内管と、
を備えたことを特徴とする、複合管。
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