JP6634011B2 - ポリカーボネート共重合体、塗工液、電子写真感光体、および電気機器 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、ビフェノール化合物やビスフェノール化合物等の二価フェノール化合物から誘導されるビスクロロホーメートオリゴマーと、二価フェノール化合物とを重縮合させてなるポリカーボネート共重合体が記載されている。特許文献2には、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルビフェニルと、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、または2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールC)からなるポリカーボネート共重合体が記載されている。特許文献3には、二価フェノール成分と3−tertブチルイソフタル酸を含有する芳香族ジカルボン酸成分とからなるポリアリレート樹脂が記載されている。
また、電子写真感光体は、その感光層の表面に、種々の操作(例えば、コロナ帯電、トナー現像、紙への転写、およびクリーニング処理等)が繰返し行われるため、これら操作を行う度に電気的な外力および機械的な外力の少なくともいずれかが加えられる。従って、長期間に亘って電子写真の画質を維持するためには、電子写真感光体の表面に設けた感光層に、これら外力に対する耐久性が要求される。
例えば、溶解性の良好なビスフェノールZ骨格に耐摩耗性の良好なビフェノールを共重合してポリカーボネート共重合体を製造する技術が知られている。特許文献1には、オリゴマーの量体数を低減した原料から製造したポリマーが開示されている。当該ポリマーは、耐摩耗性の良好なビフェノール等の骨格の共重合比を25〜47モル%まで向上しており、機械強度が良好になることが報告されている。しかしながら、機械強度がさらに向上したポリカーボネート樹脂が求められている。
特許文献2に記載のポリカーボネート共重合体は、耐摩耗性に優れるが、電気的強度が十分ではなく、機能的な製品に応用するには性能不十分であった。
また、特許文献3に記載のポリアリレート樹脂は、電気的強度に優れるが、機械的強度については十分でなく、近年の高耐久化ニーズには性能不十分であった。
本発明の一態様に係る電子写真感光体は、本発明の一態様に係るポリカーボネート共重合体を含む。
本発明の一態様に係る電子写真感光体は、基板と、前記基板上に設けられた感光層と、を有し、前記感光層は、本発明の一態様に係るポリカーボネート共重合体を含む。
本発明の一態様に係る電気機器は、本発明の一態様に係る電子写真感光体を有する。
本実施形態のPC共重合体は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位Aを有し、連鎖末端が一価の芳香族基または一価のフッ素含有脂肪族基により封止されている。
平均繰り返し数nは、8〜13の数であることがさらにより好ましい。
一価の芳香族基は、アルキル基等の脂肪族基を含有する基であってもよい。
一価のフッ素含有脂肪族基は、芳香族基を含有する基であってもよい。
また、一価の芳香族基および一価のフッ素含有脂肪族基には、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、およびアリール基等の置換基が付加していてもよい。これらの置換基には、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、およびアリール基等の置換基がさらに付加していてもよい。また、置換基が複数ある場合、これらの置換基同士が互いに結合して環を形成してもよい。
芳香族基に付加する置換基、および芳香族基に付加しているアルキル基に付加する置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、および臭素原子等のハロゲン原子が挙げられる。また、芳香族基に付加する置換基として、例えば、炭素数1〜20のアルキル基等が挙げられる。このアルキル基は、上記のようにハロゲン原子が付加した基であってもよく、アリール基が付加した基であってもよい。
さらに、一価のフッ素含有脂肪族基としては、エーテル結合を2つ以上有するフッ素含有アルコールから誘導される一価の基でも好ましい。このようなフッ素含有アルコールを用いることで、塗工液におけるPC共重合体の分散性が良くなり、成形体および電子写真感光体における耐摩耗性を向上させ、摩耗後の、表面潤滑性、撥水性および撥油性を保持することができる。
F(CF2)m1CH2OH・・・(31)
F−(CF2CF2)n 32−(CF2CF2O)n 33−CF2CH2OH・・・(33)
C(R)3−(CF2)n 35−O−(CF2CF2O)n 34−CF2CH2OH・・・(34)
前記一般式(33)において、n32は0〜5の整数であり、好ましくは、0〜3の整数である。n33は1〜5の整数であり、好ましくは、1〜3の整数である。
前記一般式(34)において、n34は1〜5の整数であり、好ましくは、1〜3の整数である。n35は0〜5の整数であり、好ましくは、0〜3の整数である。Rは、CF3またはFである。
前記一般式(10)において、Rfは、炭素数が5以上、かつ、フッ素原子数が11以上であるパーフルオロアルキル基、あるいは下記一般式(11)で表されるパーフルオロアルキルオキシ基を示す。
水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のフルオロアルキル基、または
炭素数1〜3のアルコキシ基である。
Xは、
単結合、
−O−、
−CO−、
−CR13R14−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜10のシクロアルキリデン基、または
置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリーレン基である。
R13およびR14は、各々独立に、
水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、または
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基である。
sおよびtは、各々独立に、1〜4の整数である。芳香環にR11が2つ以上置換する場合、すなわちs≧2である場合、複数のR11は互いに同じまたは異なる。芳香環にR12が2つ以上置換する場合、すなわちt≧2である場合、複数のR12は互いに同じまたは異なる。
中でも、前記一般式(2)で表される繰り返し単位として、下記一般式(4)で表される繰り返し単位Bおよび下記一般式(6)で表される繰り返し単位Cを有することが好ましい。
水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のフルオロアルキル基、または
炭素数1〜3のアルコキシ基である。
X1は、
−CR4R5−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜10のシクロアルキリデン基、または
置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリーレン基である。
R4およびR5は、各々独立に、
水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、または
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基である。但し、R4およびR5がともに水素原子であることはない。
qおよびrは、各々独立に、1〜4の整数であり、芳香環にR2が2つ以上置換する場合、すなわちq≧2である場合、複数のR2は互いに同じまたは異なる。芳香環にR3が2つ以上置換する場合、すなわちr≧2である場合、複数のR3は互いに同じまたは異なる。
水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のフルオロアルキル基、または
炭素数1〜3のアルコキシ基である。
X2は、
単結合、
−O−、
−CO−、または
−CR8R9−である。
R8およびR9は、各々独立に、
水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、または
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基である。
R11、R12、R2、R3、R6、およびR7を構成する炭素数1〜3のフルオロアルキル基としては、上記の炭素数1〜3のアルキル基に1または2以上のフッ素原子が置換した基が挙げられる。好ましくは、パーフルオロアルキル基であり、例えば、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
R11、R12、R2、R3、R6、およびR7を構成する炭素数1〜3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、および各種のプロポキシ基が挙げられる。
PC共重合体における繰り返し単位Aのモル百分率:
{MA/(MA+MB+MC)}×100
は、1モル%以上7モル%以下であることが好ましく、より好ましくは2モル%以上6モル%以下、さらに好ましくは2モル%以上5モル%以下である。
なお、上記のモル%は、モル共重合組成をパーセントで示した値である。モル共重合組成は、核磁気共鳴スペクトルから測定することができ、具体的には実施例に記載の方法で求めることができる。
{MB/(MA+MB+MC)}×100
は、15モル%以上89モル%以下であることが好ましく、より好ましくは30モル%以上79モル%以下、さらに好ましくは50モル%以上69モル%以下、さらにより好ましくは54モル%以上62モル%以下である。
繰り返し単位Bのモル百分率が89モル%以下であれば、溶解性が高くなりすぎることがないため、耐溶剤性が良好となり、クラックの発生を防止することができる。繰り返し単位Bのモル百分率が15モル%以上であれば、溶解性を適度に保つことができ、有機溶媒に溶解させた場合にポリマー溶液が白濁することもない。
{MC/(MA+MB+MC)}×100
は、10モル%以上80モル%以下であることが好ましく、より好ましくは20モル%以上70モル%以下、さらに好ましくは30モル%以上49モル%以下、さらにより好ましくは35モル%以上43モル%以下である。
繰り返し単位Cのモル百分率が80モル%以下であれば、繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの割合が減ることなく、繰り返し単位Aによる効果と、繰り返し単位Bと、繰り返し単位Cとによる効果をバランスよく得られる。そのため、電気的強度に加え、適度な溶解性もあり、有機溶媒に溶解させた場合にポリマー溶液が白濁するという不都合がなく、耐溶剤性も併せ持つことでクラックの発生も抑制できる。繰り返し単位Cのモル百分率が10モル%以上であれば、繰り返し単位Cの耐摩耗性改善の効果が十分に得られ、PC共重合体において、耐摩耗性が十分となる。
繰り返し単位Aの重量%が60重量%以下であれば、繰り返し単位Aによる効果と、繰り返し単位Bと、繰り返し単位Cとによる効果をバランスよく得られる。そのため、電気的強度に加え、適度な溶解性もあり、有機溶媒に溶解させた場合にポリマー溶液が白濁するという不都合がない。繰り返し単位Aの重量%が3重量%以上であれば、繰り返し単位Aの耐摩耗性、および電気的強度の効果が十分に得られ、PC共重合体において、耐久性が十分となる。
上記一般式(8)で表されるPC共重合体は、ブロック共重合体、交互共重合体、およびランダム共重合体等、いずれであってもよいが、上述のように塗工液に用いる場合には、繰り返し単位C同士が結合したブロックを含まないことが、溶解性の面でより好ましい。
なお、還元粘度の測定は、自動粘度測定装置を用い、自動粘度用ウッベローデ改良型粘度計(RM型)で測定した値である。
以下に、前記一般式(8)で表されるPC共重合体を例に、PC共重合体の製造方法を示す。
本実施形態のPC共重合体は、例えば、下記一般式(100)で示すビスクロロホーメートオリゴマーと、下記一般式(14)に示す二価フェノール性化合物と、下記一般式(12)に示すポリフェニレンエーテルとを酸結合剤存在下で界面重縮合をさせることで、好適に炭酸エステル結合を形成させて、得られる。また、本実施形態のPC共重合体は、下記一般式(100)で示すビスクロロホーメートオリゴマーと、下記一般式(13)に示す二価フェノール性化合物と、下記一般式(14)に示す二価フェノール性化合物と、下記一般式(12)に示すポリフェニレンエーテルとを酸結合剤存在下で界面重縮合させることで、好適に炭酸エステル結合を形成させて、得られる。PC共重合体のこれらの合成反応は、例えば、前記一般式(9)で表される末端封止剤および下記一般式(10)で表される末端封止剤の少なくともいずれかの存在下で行われる。また、PC共重合体のこれらの合成反応において、必要に応じて分岐剤も使用される。
平均量体数n11の算出方法は、後述する実施例において説明する方法が挙げられる。
例えば、p−tert−ブチル−フェノール、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノール、p−パーフルオロノニルフェノール、p−(パーフルオロノニルフェニル)フェノール、p−(パーフルオロヘキシル)フェノール、p−tert−パーフルオロブチルフェノール、p−パーフルオロオクチルフェノール、1−(p−ヒドロキシベンジル)パーフルオロデカン、p−〔2−(1H,1H−パーフルオロトリドデシルオキシ)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル〕フェノール、3,5−ビス(パーフルオロヘキシルオキシカルボニル)フェノール、p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロドデシル、p−(1H,1H−パーフルオロオクチルオキシ)フェノール、および2H,2H,9H−パーフルオロノナン酸等が好適に用いられる。
これら分岐剤の添加割合は、共重合組成比で30モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。分岐剤の添加割合が30モル%以下であると、成形性の低下を抑制できる。
さらに、必要に応じて、本実施形態のPC共重合体の反応系に亜硫酸ナトリウムおよびハイドロサルファイト塩等の酸化防止剤を少量添加してもよい。
まず、前記一般式(13)の二価フェノール性化合物を塩化メチレン等の疎水性溶媒に懸濁させ、さらにホスゲンを加えて第一の溶液を形成する。一方、トリエチルアミン等の第三級アミンを塩化メチレン等の疎水性溶媒に溶解させて第二の溶液を形成し、この第二の溶液を前記第一の溶液に滴下して、反応させる。得られた反応混合物を含む第三の溶液に塩酸と純水を加えて洗浄し、低量体数のポリカーボネートオリゴマーを含む有機層を得る。
滴下温度や反応温度は、通常−10℃以上40℃以下であり、好ましくは0℃以上30℃以下である。滴下時間および反応時間は、共に、通常15分間以上4時間以下、好ましくは30分間以上3時間以下程度である。このようにして得られるポリカーボネートオリゴマーの平均量体数(n11)は、好ましくは1.0以上1.3以下であり、さらに好ましくは1.0以上1.2以下である。
当該製造方法により製造されたポリカーボネートオリゴマーを用いると、PC共重合体製造時の洗浄工程を簡略化できること等の点で好ましい。
反応圧力は、減圧、常圧、または加圧のいずれでもよいが、通常は、常圧または反応系の自圧程度で好適に行い得る。反応時間は、反応温度によって左右されるが、通常0.5分間以上10時間以下であり、好ましくは1分間以上3時間以下程度である。
また、このPC共重合体は、本発明の目的達成を阻害しない範囲で、繰り返し単位A、繰り返し単位Bおよび繰り返し単位C以外の構造単位を有するポリカーボネート単位や、ポリエステル構造を有する単位、ポリエーテル構造を有する単位を含有していてもよい。
また、得られた反応生成物(粗生成物)は、公知の分離精製法等の各種の後処理を施して、所望の純度(精製度)のPC共重合体として回収することができる。
本実施形態の塗工液は、少なくとも本実施形態のPC共重合体、および当該PC共重合体を溶解、または分散可能な有機溶剤を含む。また、塗工液には上記PC共重合体および有機溶剤以外に低分子化合物、着色剤(例えば、染料および顔料等)、機能性化合物(例えば、電荷輸送材、電子輸送材、正孔輸送材、および電荷発生材料等)、充填材(例えば、無機または有機のフィラー、ファイバー、および微粒子等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、並びに酸捕捉剤等の添加剤を含んでいても良い。PC共重合体以外に含まれても良い物質の例は、例えば後述する電子写真感光体の構成成分に含まれる物質が挙げられる。また、塗工液には、本発明の効果を損なわない限り他の樹脂を含んでいても良く、その例は下記電子写真感光体の構成成分の例として挙げられる。また、本実施形態で使用される有機溶剤は本実施形態のPC共重合体、他の材料の溶解性、分散性、粘度、蒸発速度、化学的安定性、および物理的変化に対する安定性等を考慮し、単独、あるいは複数の溶媒を混合して使用することができる。その例は、後述する電子写真感光体の構成成分の例として挙げられる。
また当該塗工液中のPC共重合体と電荷輸送物質との割合は、通常、質量比で20:80〜80:20、好ましくは30:70〜70:30とすることが望ましい。
本実施形態の塗工液中、本実施形態のPC共重合体は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態のPC共重合体および本実施形態の塗工液の少なくとも一方を用いて、成形体を形成することができる。
成形体としては、例えば、光学部材が挙げられ、光学部材としては、例えば、電子写真感光体、および光学レンズ等が挙げられる。また、基材がフィルム状である場合、成形体の一態様としての積層フィルムは、例えば、インモールド成型用フィルムおよび加飾フィルムとして適用できる。その他、当該積層フィルムは、液晶および有機ELディスプレイ等に使用されるタッチパネル用フィルム、光学補償フィルムおよび反射防止フィルム等の光学フィルム、並びに導電性フィルム等としても適用できる。
本実施形態のPC共重合体を含む成形体は、白化がなく、透明性に優れるとともに、耐摩耗性等の機械的強度および電気的強度に優れる。
本発明の電子写真感光体は、本実施形態のPC共重合体を含んでいる。
本発明の一実施形態に係る電子写真感光体は、基板と、前記基板上に設けられた感光層とを有し、前記感光層に、本実施形態のPC共重合体を含んでいる。
電子写真感光体には、適用される電子写真プロセスに応じて、所定の感度、電気特性、および光学特性を備えていることが要求される。この電子写真感光体は、その感光層の表面に、コロナ帯電、トナー現像、紙への転写、クリーニング処理等の操作が繰り返し行われるため、これら操作を行う度に電気的、機械的な外力が加えられる。したがって、長期間にわたって電子写真の画質を維持するためには、電子写真感光体の表面に設けた感光層に、これら外力に対する耐久性が要求される。また、電子写真感光体は、通常、機能性材料と共にバインダー樹脂を有機溶剤に溶解し、導電性基板等にキャスト製膜する方法で製造される事から、有機溶剤への溶解性・安定性が求められる。
本実施形態の電子写真感光体において、本実施形態のPC共重合体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。また、所望に応じて本発明の目的を阻害しない範囲で、他のポリカーボネート等のバインダー樹脂成分を含有させてもよい。さらに、酸化防止剤等の添加物を含有させてもよい。
さらに、各層間の接着性を向上させるための接着層あるいは電荷のブロッキングの役目を果すブロッキング層等の中間層等が形成されていてもよい。
前記した電荷発生層や電荷輸送層のバインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知の各種の樹脂を使用することができる。具体的には、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリケトン、ポリアクリルアミド、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、メタクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、メラミン樹脂、ポリエーテル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ビニルトルエン−スチレン共重合体、大豆油変性アルキッド樹脂、ニトロ化ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリイソプレン、ポリチオカーボネート、ポリアリレート、ポリハロアリレート、ポリアリルエーテル、ポリビニルアクリレート、およびポリエステルアクリレート等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いることもできるし、また、2種以上を混合して用いることもできる。なお、電荷発生層および/または電荷輸送層におけるバインダー樹脂としては、前記した本実施形態のPC共重合体を使用することが好適である。
この電荷輸送層において、本実施形態のPC共重合体は1種単独で用いることもでき、また2種以上混合して用いることもできる。また、本発明の目的を阻害しない範囲で、他のバインダー樹脂を本実施形態のPC共重合体と併用することも可能である。
本実施形態のPC共重合体と共に使用できる電荷輸送物質としては、公知の各種の化合物を使用することができる。このような化合物としては、例えば、カルバゾール化合物、インドール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、ピラゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ピラゾリン化合物、チアジアゾール化合物、アニリン化合物、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン化合物、脂肪族アミン化合物、スチルベン化合物、フルオレノン化合物、ブタジエン化合物、キノン化合物、キノジメタン化合物、チアゾール化合物、トリアゾール化合物、イミダゾロン化合物、イミダゾリジン化合物、ビスイミダゾリジン化合物、オキサゾロン化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンズイミダゾール化合物、キナゾリン化合物、ベンゾフラン化合物、アクリジン化合物、フェナジン化合物、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリ−9−ビニルフェニルアントラセン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール樹脂、あるいはこれらの構造を主鎖や側鎖に有する重合体等が好適に用いられる。これら化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これら電荷輸送物質の中でも、特開平11−172003号公報において具体的に例示されている化合物、および以下の構造で表される電荷輸送物質が特に好適に用いられる。
また、前記導電性基体と感光層との間には、通常使用されるような公知のブロッキング層を設けることができる。このブロッキング層としては、前記のバインダー樹脂と同種の樹脂を用いることができる。また本実施形態のPC共重合体を用いてもよい。このブロッキング層の厚みは、0.01μm以上20μm以下、好ましくは0.1μm以上10μm以下である。この厚みが0.01μm以上であると、ブロッキング層を均一に形成することが可能となり、また20μm以下であると電子写真特性が低下することを抑制できる。
このような酸化防止剤の具体例としては、特開平11−172003号公報の明細書に記載された化学式[化94]〜[化101]の化合物が好適である。
これら酸化防止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい、そして、これらは前記感光層のほか、表面保護層や下引き層、ブロッキング層に添加してもよい。
各層の塗布は公知の装置等各種の塗布装置を用いて行うことができ、具体的には、例えば、アプリケーター、スプレーコーター、バーコーター、チップコーター、ロールコーター、ディップコーター、およびドクタブレード等を用いて行うことができる。
クリーニング特性は、感光体表面に付着したトナーを光学顕微鏡を用いて観察することで確認することができる。
本実施形態の電気機器は、本実施形態の電子写真感光体(例えば、本実施形態の電子写真感光体を用いた感光体ドラム等)を有する。このような電気機器としては、例えば、複写機、およびレーザープリンター等のプリンター等が挙げられる。
本実施形態の電気機器は、耐摩耗性に優れる本実施形態の電子写真感光体を有しているため、感光体ドラム等の交換頻度が少なくなり、コスト的なメリットが大きい。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変更、改良等は、本発明に含まれる。
水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のフルオロアルキル基、または
炭素数1〜3のアルコキシ基である。
X3は、
−CR17R18−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜10のシクロアルキリデン基、または
置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリーレン基である。
R17およびR18は、各々独立に、
水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、または
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基である。
uおよびvは、各々独立に、1〜4の整数であり、芳香環にR15が2つ以上置換する場合(u≧2)、R15は互いに同じまたは異なり、芳香環にR16が2つ以上置換する場合(v≧2)、R16は互いに同じまたは異なる。
水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のフルオロアルキル基、または
炭素数1〜3のアルコキシ基である。
X4は、
単結合、または
−O−である。
wおよびyは、各々独立に、1〜4の整数であり、芳香環にR19が2つ以上置換する場合(w≧2)、R19は互いに同じまたは異なり、芳香環にR20が2つ以上置換する場合(y≧2)、R20は互いに同じまたは異なる。
zは、0または1である。
また、前記繰り返し単位Dのモル百分率:{MD/(MA+MD+ME)}×100が15モル%以上89モル%以下であり、
前記繰り返し単位Eのモル百分率:{ME/(MA+MD+ME)}×100が10モル%以上80モル%以下であることが好ましい。
繰り返し単位Aの重量%が60重量%以下であれば、繰り返し単位Aによる効果と、繰り返し単位Dと、繰り返し単位Eとによる効果をバランスよく得られる。そのため、電気的強度に加え、適度な溶解性もあり、有機溶媒に溶解させた場合にポリマー溶液が白濁するという不都合がない。繰り返し単位Aの重量%が3重量%以上であれば、繰り返し単位Aの耐摩耗性、および電気的強度の効果が十分に得られ、PC共重合体において、耐久性が十分となる。
<製造例1:BisZオリゴマー(ビスクロロホーメート)の合成>
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)56.6kg(224モル)を塩化メチレン1080Lで懸濁し、そこにホスゲン66.0kg(667モル)を加えて溶解させた。これに、トリエチルアミン44.0kg(435モル)を塩化メチレン120Lに溶解させた液を2.2℃〜17.8℃で2時間50分かけて滴下した。17.9℃〜19.6℃で30分間撹拌後、14℃〜20℃で塩化メチレン900Lを留去した。残液に純水210L、濃塩酸1.2kg、およびハイドロサルファイト450gを加え洗浄した。その後、純水210Lで5回洗浄を繰り返し、分子末端にクロロホーメート基を有するビスフェノールZオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。
得られた溶液のクロロホーメート濃度は1.14モル/L、固形物濃度は0.22kg/L、平均量体数は1.02であった。以後、製造例1で得られた原料をZ−CFという。
平均量体数(n11)=1+(Mav−M1)/M2・・・(数1)
(式(数1)において、Mavは(2×1000/(CF価))であり、M2は(M1−98.92)であり、M1は前記一般式(100)において、n11=1のときのビスクロロホーメート化合物の分子量であり、CF価(N/kg)は(CF値/濃度)であり、CF値(N)は反応溶液1Lに含まれる前記一般式(100)で表されるビスクロロホーメート化合物中のクロル原子数であり、濃度(kg/L)は反応溶液1Lを濃縮して得られる固形分の量である。ここで、98.92は、ビスクロロホーメート化合物同士の重縮合で脱離する2個の塩素原子、1個の酸素原子および1個の炭素原子の合計の原子量である。)
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)210g(0.867mol)、塩化メチレン1058mL、およびホスゲン183g(1.85mol)の混合液中に、トリエチルアミン200.8g(1.98mol)を塩化メチレン460mLで希釈した溶液を14℃〜18.5℃で2時間50分かけて滴下した。反応混合物を18.5℃〜19℃で1時間撹拌後、10℃〜22℃で塩化メチレン600mLを留去した。反応混合物に、濃塩酸15.0mL、純水150mL、およびハイドロサルファイト0.100gを加え洗浄した。その後、水層が中性になるまで水洗を繰り返し、分子末端にクロロホーメート基を有するビスフェノールBオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。
得られた溶液のクロロホーメート濃度は1.16モル/L、固形物濃度は0.24kg/L、平均量体数は1.08であった。以後、製造例2で得られた原料をB−CFという。
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールC)152g(0.595mol)、塩化メチレン1020mL、ホスゲン187g(1.89mol)の混合液に、トリエチルアミン199.4g(1.97mol)を塩化メチレン460mLで希釈した溶液を13℃〜16℃で3時間6分かけて滴下した。反応混合物を14℃〜16℃で1時間38分撹拌した。反応混合物に濃塩酸5.0mLと純水200mLを加え洗浄した。その後、水層が中性になるまで水洗を繰り返し、分子末端にクロロホーメート基を有するビスフェノールCオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。
得られた溶液のクロロホーメート濃度は1.04モル/L、固形物濃度は0.23kg/L、平均量体数は1.05であった。以後、製造例3で得られた原料をC−CFという。
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールCZ)243g(0.821mol)、塩化メチレン1058mL、およびホスゲン187g(1.89mol)の混合液に、トリエチルアミン199.4g(1.97mol)を塩化メチレン460mLで希釈した溶液を13℃〜16℃で3時間6分かけて滴下した。反応混合物を14℃〜16℃で1時間38分撹拌した。反応混合物に濃塩酸5.0mLと純水200mLを加え洗浄した。その後、水層が中性になるまで水洗を繰り返し、分子末端にクロロホーメート基を有するビスフェノールCZオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。
得られた溶液のクロロホーメート濃度は1.10モル/L、固形物濃度は0.24kg/L、平均量体数は1.01であった。以後、製造例4で得られた原料をCZ−CFという。
4,4−ジヒドロキシジフェニルエーテル(DHPE)45.2kg(224モル)を塩化メチレン1080Lで懸濁し、そこにホスゲン66.0kg(667モル)を加えて溶解させた。これに、トリエチルアミン44.0kg(435モル)を塩化メチレン120Lに溶解させた液を2.2℃〜17.8℃で2時間50分かけて滴下した。17.9℃〜19.6℃で30分間撹拌後、14℃〜20℃で塩化メチレン900Lを留去した。残液に純水210L、濃塩酸1.2kg、およびハイドロサルファイト450gを加え洗浄した。その後、純水210Lで5回洗浄を繰り返し、分子末端にクロロホーメート基を有するDHPEオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。
得られた溶液のクロロホーメート濃度は1.14モル/L、固形物濃度は0.19kg/L、平均量体数は1.03であった。以後、製造例5で得られた原料をDHPE−CFという。
(PC共重合体の製造)
メカニカルスターラー、撹拌羽根、および邪魔板を装着した反応容器に、製造例1で得られた原料Z−CF(160mL)と塩化メチレン(324mL)とを注入した。これに前記一般式(12)に表されるポリフェニレンエーテル(2.28g)、および末端封止剤としてp−tert−ブチルフェノール(以下、PTBPと表記)(0.235g)を添加し、十分に混合されるように撹拌した。反応容器内の温度が15℃になるまで冷却した後、この溶液に調製した4,4’−ビフェノール溶液(4,4’−ビフェノール溶液調製法:1.5Nの水酸化ナトリウム水溶液160mL(水酸化ナトリウム10.3g)を調製し、室温以下に冷却した後、酸化防止剤としてハイドロサルファイト0.25gを添加し、さらに4,4’−ビフェノール15.1gを添加し、完全に溶解して調製した)を全量添加し、撹拌しながらトリエチルアミン水溶液(7vol%)を1.5mL添加し、1時間撹拌を継続した。
得られた反応混合物を塩化メチレン0.2L、および水0.1Lで希釈し、洗浄を行った。下層を分離し、さらに水0.1Lで1回、0.03N塩酸0.1Lで1回、水0.1Lで3回の順で洗浄を行った。得られた塩化メチレン溶液を、撹拌下メタノールに滴下投入し、得られた再沈物をろ過および乾燥することにより下記構造のPC共重合体(PC−1)を得た。
このようにして得られたPC共重合体(PC−1)を塩化メチレンに溶解して、濃度0.5g/dLの溶液を調製し、20℃における還元粘度[ηsp/C]を測定したところ、1.23dL/gであった。なお、得られたPC共重合体(PC−1)の構造および組成を1H−NMRスペクトルおよび13C−NMRスペクトルにより分析したところ、下記の繰り返し単位、および組成からなるPC共重合体であることが確認された。
なお、還元粘度の測定は、離合社製、自動粘度測定装置VMR−042を用い、自動粘度用ウッベローデ改良型粘度計(RM型)で測定した。
b= 56.6
c= 42.2
導電性基体としてアルミニウム金属を蒸着したポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムを用い、その表面に、電荷発生層と電荷輸送層とを順次積層して積層型感光層を形成した電子写真感光体を製造した。
電荷発生物質としてオキソチタニウムフタロシアニン0.5gを用い、バインダー樹脂としてブチラール樹脂0.5gを用いた。これらを溶媒の塩化メチレン19gに加え、ボールミルにて分散し、この分散液をバーコーターにより、前記導電性基体フィルム表面に塗工し、乾燥させることにより、膜厚約0.5μmの電荷発生層を形成した。
つぎに、電荷輸送物質として下記式(23)の化合物(CTM−1)0.5g、および前記実施例で得られたPC共重合体(PC−1)0.5gを10mLのテトラヒドロフランに分散させて、塗工液を調製した。この塗工液をアプリケーターにより、前記電荷発生層の上に塗布し、乾燥し、膜厚約20μmの電荷輸送層を形成した。
PC共重合体の溶解性は前述の塗工液の調製時に、調製した塗工液の白濁度を目視で観察することにより評価した。PC共重合体が溶解し白濁が認められない場合を「溶解」、不溶解部分がある場合を「不溶」、白濁した場合を「白濁」とした。
PC共重合体(PC−1)(2g)を塩化メチレン(12mL)に溶解し、アプリケーターを用い市販のPETフィルム上にキャスト製膜した。このフィルムを減圧下加熱し溶剤を除去し、厚み約30μmのフィルムサンプルを得た。
PC共重合体(PC−1)(1g)、および上記CTM−1(0.67g)を塩化メチレン(10mL)に溶解し、アプリケーターを用い市販のPETフィルム上にキャスト製膜した。このフィルムを減圧下加熱し溶剤を除去し、厚み約30μmのフィルムサンプルを得た。
〔評価3−1〕耐摩耗性の評価
前記〔作製1〕および〔作製2〕で作製したフィルムのキャスト面の耐摩耗性をテーバー摩耗試験機(東洋精機製作所社製)を用いて評価した。試験条件は500gの荷重をかけた摩耗輪(型番:CS−10)をフィルム表面と接触させて、〔作製1〕の場合1,000回転後、〔作製2〕の場合500回転後、質量減少量を測定した。
前記〔作製1〕および〔作製2〕で作製したキャストサンプルについて、コロナ表面処理機AGI−020S(春日電気社製)を用いて、表面を処理後、水の接触角を測定した。放電処理前と処理後の接触角の差を変化量Δとして求め、耐プラズマ性の評価指標とした。試験条件としては、放電量を58W・min/m2で実施した。
次に、前述の通り製造した電子写真感光体について、電子写真特性を静電気帯電試験装置EPA−8100(川口電機製作所社製)を用いて測定した。スタティックモード、−6kVのコロナ放電を行い、初期表面電位(V0),光照射(10Lux)5秒後の残留電位(初期残留電位(VR)),および半減露光量(E1/2)を測定した。また、市販のプリンター(FS−600、京セラ製)を改造し、感光体の表面電位を測定可能にし、前記感光体をドラム状に装着・評価可能とし、高温・高湿条件下(35℃、85%)で、トナー、紙は通さない条件で24時間繰り返し運転前後の帯電特性(繰り返し残留電位(VR))の評価を行った。
市販のFS−600から使用ドラムを取り出し、感光層を溶剤で除去した後、得られたアルミ素管に、電荷発生物質(CGM)としてY型チタニルフタロシアニン顔料をジルコニアビーズを用いたボールミルで分散して塗液(バインダー樹脂:ポリビニルブチラール、CGM:樹脂=3:2の比率で固形分濃度が4重量%になるようにTHFに溶解および分散して調製)を調製し、得られた塗液をディッピングにより塗布した。
得られたドラムを減圧条件、70℃で30分乾燥した後、電荷輸送層としての塗液(PC共重合体(PC−1)60g、電荷輸送物質(CTM)としてスチルベン系化合物(23)40gを、THF500gに溶解した溶液)をディッピングにより塗布し、得られたドラムを減圧条件、110℃で2時間乾燥し、積層型電子写真感光体を得た。得られたドラムを再びFS600にセットした。
室温条件下(25℃)で、2000枚印字を繰り返した後、運転前後での感光体表面のトナー付着の度合いを光学顕微鏡で観察し、下記の基準で評価を行った。
[評価基準]
A:感光体表面の付着トナーが極めて少ない
B:感光体表面の付着トナーが少ない
C:感光体表面の付着トナーがやや多い
D:感光体表面の付着トナーがひどく多い(不良)
実施例1において、前記一般式(12)に表されるポリフェニレンエーテルの量を7.04gに変更した以外は、実施例1と同様の操作で、下記の構造からなるPC共重合体(PC−2)を得た。
PC共重合体(PC−2)の還元粘度[ηsp/C]は1.17dL/gであり、構造はNMRにおいて、下記の繰り返し単位および組成からなるPC共重合体であることが確認された。
b= 55.6
c= 40.4
メカニカルスターラー、撹拌羽根、および邪魔板を装着した反応容器に、製造例4で得られた原料CZ−CF(152mL)と塩化メチレン(340mL)とを注入した。これに前記一般式(12)に表されるポリフェニレンエーテル(2.28g)、および末端封止剤としてPTBP(0.235g)を添加し、十分に混合されるように撹拌した。反応容器内の温度が15℃になるまで冷却した後、この溶液に調製した4,4’−ビフェノール溶液(4,4’−ビフェノール溶液調製法:1.5Nの水酸化ナトリウム水溶液160mL(水酸化ナトリウム10.3g)を調製し、室温以下に冷却した後、酸化防止剤としてハイドロサルファイトを0.25gを添加し、さらに4,4’−ビフェノール15.1gを添加し、完全に溶解して調製した)を全量添加し、撹拌しながらトリエチルアミン水溶液(7vol%)を1.5mL添加し、1時間撹拌を継続した。
得られた反応混合物を塩化メチレン0.2L、および水0.1Lで希釈し、洗浄を行った。下層を分離し、さらに水0.1Lで1回、0.03N塩酸0.1Lで1回、水0.1Lで3回の順で洗浄を行った。得られた塩化メチレン溶液を、撹拌下メタノールに滴下投入し、得られた再沈物をろ過および乾燥することにより下記構造のPC共重合体(PC−3)を得た。
PC共重合体(PC−3)の還元粘度[ηsp/C]は1.15dL/gであり、構造はNMRにおいて、下記の繰り返し単位および組成からなるPC共重合体であることが確認された。
b= 57.6
c= 41.0
メカニカルスターラー、撹拌羽根、および邪魔板を装着した反応容器に、製造例3で得られた原料C−CF(160mL)と塩化メチレン(324mL)とを注入した。これに前記一般式(12)に表されるポリフェニレンエーテル(2.28g)、および末端封止剤としてPTBP(0.245g)を添加し、十分に混合されるように撹拌した。反応容器内の温度が15℃になるまで冷却した後、この溶液に調製した4,4’−ビフェノール溶液(4,4’−ビフェノール溶液調製法:1.5Nの水酸化ナトリウム水溶液160mL(水酸化ナトリウム10.3g)を調製し、室温以下に冷却した後、酸化防止剤としてハイドロサルファイト0.25gを添加し、さらに4,4’−ビフェノール15.1gを添加し、完全に溶解して調製した)を全量添加し、撹拌しながらトリエチルアミン水溶液(7vol%)を1.5mL添加し、1時間撹拌を継続した。
得られた反応混合物を塩化メチレン0.2L、および水0.1Lで希釈し、洗浄を行った。下層を分離し、さらに水0.1Lで1回、0.03N塩酸0.1Lで1回、水0.1Lで3回の順で洗浄を行った。得られた塩化メチレン溶液を、撹拌下メタノールに滴下投入し、得られた再沈物をろ過および乾燥することにより下記構造のPC共重合体(PC−4)を得た。
PC共重合体(PC−4)の還元粘度[ηsp/C]は1.18dL/gであり、構造はNMRにおいて、下記の繰り返し単位および組成からなるPC共重合体であることが確認された。
b= 55.5
c= 40.3
メカニカルスターラー、撹拌羽根、および邪魔板を装着した反応容器に、製造例2で得られた原料B−CF(144mL)と塩化メチレン(324mL)とを注入した。これに前記一般式(12)に表されるポリフェニレンエーテル(4.76g)、および末端封止剤としてPTBP(0.238g)を添加し、十分に混合されるように撹拌した。反応容器内の温度が15℃になるまで冷却した後、この溶液に調製したビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル溶液(ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル溶液調製法:1.5Nの水酸化ナトリウム水溶液160mL(水酸化ナトリウム10.3g)を調製し、室温以下に冷却した後、酸化防止剤としてハイドロサルファイト0.25gを添加し、さらにビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル16.0gを添加し、完全に溶解して調製した)を全量添加し、撹拌しながらトリエチルアミン水溶液(7vol%)を1.5mL添加し、1時間撹拌を継続した。
得られた反応混合物を塩化メチレン0.2L、および水0.1Lで希釈し、洗浄を行った。下層を分離し、さらに水0.1Lで1回、0.03N塩酸0.1Lで1回、水0.1Lで3回の順で洗浄を行った。得られた塩化メチレン溶液を、撹拌下メタノールに滴下投入し、得られた再沈物をろ過および乾燥することにより下記構造のPC共重合体(PC−5)を得た。
PC共重合体(PC−5)の還元粘度[ηsp/C]は1.15dL/gであり、構造はNMRにおいて、下記の繰り返し単位および組成からなるPC共重合体であることが確認された。
b= 55.6
c= 40.1
実施例1において、前記一般式(12)に表されるポリフェニレンエーテルの量を22.20gに、4,4’−ビフェノールの量を11.70gに変更した以外は、実施例1と同様の操作で、下記の構造からなるPC共重合体(PC−6)を得た。
PC共重合体(PC−6)の還元粘度[ηsp/C]は1.16dL/gであり、構造はNMRにおいて、下記の繰り返し単位および組成からなるPC共重合体であることが確認された。
b= 54.4
c= 35.4
メカニカルスターラー、撹拌羽根、および邪魔板を装着した反応容器に、製造例2のB−CF(59.6mL)、製造例5のDHPE−CF(143.7mL)と塩化メチレン(400mL)とを注入した。これに、前記一般式(12)に表されるポリフェニレンエーテル(4.76g)、および末端停止剤としてPTBP(0.189g)を添加し、十分に混合されるように撹拌した。反応器内の温度が15℃になるまで冷却した後、この溶液に調製した4,4−ジヒドロキシジフェニルエーテル溶液(4,4−ジヒドロキシジフェニルエーテル溶液調製法:2.0Nの水酸化カリウム水溶液200mL(水酸化カリウム26.6g)を調製し、室温以下に冷却した後、酸化防止剤としてハイドロサルファイトを0.1g、4,4−ジヒドロキシジフェニルエーテル24.25gを添加し、完全に溶解して調製した)を全量添加し、撹拌しながらトリエチルアミン水溶液(7vol%)を2.0mL添加し、1時間撹拌を継続した。
得られた反応混合物を塩化メチレン0.3Lで希釈し、洗浄を行った。下層を分離し、さらに水0.2Lで1回、0.03N塩酸0.2Lで1回、水0.2Lで3回の順で洗浄を行った。得られた塩化メチレン溶液を、撹拌下メタノールに滴下投入し、得られた再沈物をろ過および乾燥することにより下記構造のPC共重合体(PC−7)を得た。
PC共重合体(PC−7)の還元粘度[ηsp/C]は1.21dl/gであり、構造はNMRにおいて、下記の繰り返し単位および組成からなるPC共重合体であることが確認された。
b= 27.6
c= 68.1
メカニカルスターラー、撹拌羽根、および邪魔板を装着した反応容器に、製造例1で得られた原料Z−CF(160mL)と塩化メチレン(324mL)とを注入した。これに、末端封止剤としてPTBP(0.235g)を添加し、十分に混合されるように撹拌した。反応器内の温度が15℃になるまで冷却した後、この溶液に調製した4,4’−ビフェノール溶液(4,4’−ビフェノール溶液調製法:2.0Nの水酸化カリウム水溶液162mL(水酸化カリウム10.3g)を調製し、室温以下に冷却した後、酸化防止剤としてハイドロサルファイトを0.25g、4,4’−ビフェノール15.80gを添加し、完全に溶解して調製した)を全量添加し、撹拌しながらトリエチルアミン水溶液(7vol%)を2.0mL添加し、1時間撹拌を継続した。
得られた反応混合物を塩化メチレン0.2L、および水0.1Lで希釈し、洗浄を行った。下層を分離し、さらに水0.1Lで1回、0.03N塩酸0.1Lで1回、水0.1Lで3回の順で洗浄を行った。得られた塩化メチレン溶液を、撹拌下メタノールに滴下投入し、得られた再沈物をろ過および乾燥することにより下記構造のPC共重合体(PC−8)を得た。
PC共重合体(PC−8)の還元粘度[ηsp/C]は1.17dL/gであり、構造はNMRにおいて、下記の繰り返し単位およびモル共重合比からなるPC共重合体であることが確認された。
b= 40.1
表1に実施例1から7および比較例1の評価結果を示す。実施例1から7と、比較例1とを比較すると、実施例1から7のPC共重合体では、良好な耐摩耗性を示し、放電処理による接触角変化量Δが小さく、帯電劣化が起こりにくいことが確認された。
実施例1から5,7のPC共重合体は、繰り返し単位Aのモル百分率が、1モル%以上7モル%以下であり、より良好な耐摩耗性を示すことが確認された。
特に、実施例1から5のPC共重合体は、繰り返し単位Aのモル百分率が、1モル%以上7モル%以下、繰り返し単位Bのモル百分率が、50モル%以上69モル%以下、繰り返し単位Cのモル百分率が、30モル%以上49モル%以下、の関係を満たしており、極めて良好な耐摩耗性を示すことが確認された。
また、実施例1から7の電子写真感光体も、良好な耐摩耗性を示し、放電処理による接触角変化量Δが小さく、帯電劣化が起こりにくいことが確認された。
さらに、上述の〔評価3−4〕によるクリーニング特性の評価において、実施例1のPC共重合体を用いた電子写真感光体の評価結果はAであり、良好なクリーニング特性を示した。
これに対して、比較例1の共重合体は、耐摩耗性は良好であるが、放電処理による接触角変化量Δが大きく、帯電劣化し易く電気的強度が不足していることが確認された。
また、比較例1の電子写真感光体は、耐摩耗性は良好であるが、放電処理による接触角変化量Δが大きく、帯電劣化し易いことが確認された。また、クリーニング特性の評価結果もCで、感光体表面の付着トナーがやや多いことが確認された。
Claims (16)
- 下記一般式(1)で表される繰り返し単位A、下記一般式(4)で表される繰り返し単位Bおよび下記一般式(6)で表される繰り返し単位Cを有し、連鎖末端が一価の芳香族基または一価のフッ素含有脂肪族基により封止されていることを特徴とするポリカーボネート共重合体。
(前記一般式(1)中、R1は水素原子または炭素数1〜2のアルキル基であり、平均繰り返し数nは6〜40の数であり、Lは1〜4の整数であり、芳香環にR1が2つ以上置換する場合(L≧2)、R1は、互いに同じまたは異なる。)
(前記一般式(5)中、R 2 およびR 3 は、各々独立に、
水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のフルオロアルキル基、または
炭素数1〜3のアルコキシ基である。
X 1 は、
−CR 4 R 5 −、
置換もしくは無置換の炭素数5〜10のシクロアルキリデン基、または
置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリーレン基である。
R 4 およびR 5 は、各々独立に、
水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、または
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基である。但し、R 4 およびR 5 がともに水素原子であることはない。
qおよびrは、各々独立に、1〜4の整数であり、芳香環にR 2 が2つ以上置換する場合(q≧2)、R 2 は互いに同じまたは異なり、芳香環にR 3 が2つ以上置換する場合(r≧2)、R 3 は互いに同じまたは異なる。)]
[前記一般式(6)中、Ar 2 は下記一般式(7)で表される基である。但し、Ar 2 はAr 1 と異なる骨格である。
(前記一般式(7)中、R 6 およびR 7 は、各々独立に、
水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のフルオロアルキル基、または
炭素数1〜3のアルコキシ基である。
X 2 は、
単結合、
−O−、
−CO−、または
−CR 8 R 9 −である。
R 8 およびR 9 は、各々独立に、
水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、または
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基である。)] - 請求項1に記載のポリカーボネート共重合体であって、
前記一般式(1)中の平均繰り返し数nが6〜15の数であることを特徴とするポリカーボネート共重合体。 - 請求項1または請求項2に記載のポリカーボネート共重合体であって、
前記繰り返し単位Aのモル数をMA、前記繰り返し単位Bのモル数をMB、前記繰り返し単位Cのモル数をMCとし、前記繰り返し単位A、B、およびCを合わせた繰り返し単位のモル数(MA+MB+MC)のモル百分率を100モル%としたとき、
前記繰り返し単位Aのモル百分率:{MA/(MA+MB+MC)}×100が1モル%以上7モル%以下であることを特徴とするポリカーボネート共重合体。 - 請求項3に記載のポリカーボネート共重合体であって、
前記繰り返し単位Bのモル百分率:{MB/(MA+MB+MC)}×100が15モル%以上89モル%以下であり、
前記繰り返し単位Cのモル百分率:{MC/(MA+MB+MC)}×100が10モル%以上80モル%以下であることを特徴とするポリカーボネート共重合体。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のポリカーボネート共重合体であって、
前記繰り返し単位Aの重量%が前記ポリカーボネート共重合体全量基準で3重量%以上60重量%以下であることを特徴とするポリカーボネート共重合体。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のポリカーボネート共重合体であって、
前記繰り返し単位Aのモル数をMA、前記繰り返し単位Bのモル数をMB、前記繰り返し単位Cのモル数をMCとし、前記繰り返し単位A、B、およびCを合わせた繰り返し単位のモル数(MA+MB+MC)のモル百分率を100モル%としたとき、
前記繰り返し単位Aのモル百分率:{MA/(MA+MB+MC)}×100が1モル%以上7モル%以下であり、
前記繰り返し単位Bのモル百分率:{MB/(MA+MB+MC)}×100が50モル%以上69モル%以下であり、
前記繰り返し単位Cのモル百分率:{MC/(MA+MB+MC)}×100が30モル%以上49モル%以下であることを特徴とするポリカーボネート共重合体。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のポリカーボネート共重合体であって、
前記連鎖末端が、下記一般式(9)で表されるフェノールから誘導される一価の基または下記一般式(10)で表されるフッ素含有アルコールから誘導される一価の基により封止されていることを特徴とするポリカーボネート共重合体。
(前記一般式(9)において、R 10 は炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数1〜10のフルオロアルキル基であり、pは1〜3の整数であり、
前記一般式(10)において、R f は炭素数5以上かつフッ素原子数11以上のパーフルオロアルキル基、または下記一般式(11)によって表されるパーフルオロアルキルオキシ基である。)
(前記一般式(11)において、R f2 は炭素数1〜6の直鎖又は分岐パーフルオロアルキル基であり、mは1〜3の整数である。) - 下記一般式(1)で表される繰り返し単位A、下記一般式(18)で表される繰り返し単位Dおよび下記一般式(20)で表される繰り返し単位Eを有し、連鎖末端が一価の芳香族基または一価のフッ素含有脂肪族基により封止されていることを特徴とするポリカーボネート共重合体。
(前記一般式(1)中、R 1 は水素原子または炭素数1〜2のアルキル基であり、平均繰り返し数nは6〜40の数であり、Lは1〜4の整数であり、芳香環にR 1 が2つ以上置換する場合(L≧2)、R 1 は、互いに同じまたは異なる。)
[前記一般式(18)中、Ar3は下記一般式(19)で表される基である。
(前記一般式(19)中、R15およびR16は、各々独立に、
水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のフルオロアルキル基、または
炭素数1〜3のアルコキシ基である。
X3は、
−CR17R18−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜10のシクロアルキリデン基、または
置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリーレン基である。
R17およびR18は、各々独立に、
水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、または
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基である。但し、R17およびR18がともに水素原子であることはない。
uおよびvは、各々独立に、1〜4の整数であり、芳香環にR15が2つ以上置換する場合(u≧2)、R15は互いに同じまたは異なり、芳香環にR16が2つ以上置換する場合(v≧2)、R16は互いに同じまたは異なる。)]
[前記一般式(20)中、Ar4は下記一般式(21)で表される基である。但し、Ar4はAr3と異なる骨格である。
(前記一般式(21)中、R19およびR20は、各々独立に、
水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のフルオロアルキル基、または
炭素数1〜3のアルコキシ基である。
X4は、
単結合、または
−O−である。
wおよびyは、各々独立に、1〜4の整数であり、芳香環にR19が2つ以上置換する場合(w≧2)、R19は互いに同じまたは異なり、芳香環にR20が2つ以上置換する場合(y≧2)、R20は互いに同じまたは異なる。
zは、0または1である。)] - 請求項8に記載のポリカーボネート共重合体であって、
前記繰り返し単位Aのモル数をMA、前記繰り返し単位Dのモル数をMD、前記繰り返し単位Eのモル数をMEとし、前記繰り返し単位A、D、およびEを合わせた繰り返し単位のモル数(MA+MD+ME)のモル百分率を100モル%としたとき、
前記繰り返し単位Aのモル百分率:{MA/(MA+MD+ME)}×100が1モル%以上7モル%以下であることを特徴とするポリカーボネート共重合体。 - 請求項9に記載のポリカーボネート共重合体であって、
前記繰り返し単位Dのモル百分率:{MD/(MA+MD+ME)}×100が15モル%以上89モル%以下であり、
前記繰り返し単位Eのモル百分率:{ME/(MA+MD+ME)}×100が10モル%以上80モル%以下であることを特徴とするポリカーボネート共重合体。 - 請求項8から請求項10のいずれか1項に記載のポリカーボネート共重合体であって、
前記連鎖末端が、下記一般式(9)で表されるフェノールから誘導される一価の基または下記一般式(10)で表されるフッ素含有アルコールから誘導される一価の基により封止されていることを特徴とするポリカーボネート共重合体。
(前記一般式(9)において、R 10 は炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数1〜10のフルオロアルキル基であり、pは1〜3の整数であり、
前記一般式(10)において、R f は炭素数5以上かつフッ素原子数11以上のパーフルオロアルキル基、または下記一般式(11)によって表されるパーフルオロアルキルオキシ基である。)
(前記一般式(11)において、R f2 は炭素数1〜6の直鎖又は分岐パーフルオロアルキル基であり、mは1〜3の整数である。) - 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のポリカーボネート共重合体であって、
前記ポリカーボネート共重合体の還元粘度[ηsp/C]が0.60dL/g以上4.0dL/g以下であることを特徴とするポリカーボネート共重合体。 - 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のポリカーボネート共重合体と有機溶剤とを含むことを特徴とする塗工液。
- 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のポリカーボネート共重合体を含むことを特徴とする電子写真感光体。
- 基板と、
前記基板上に設けられた感光層と、を有し、
前記感光層は、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のポリカーボネート共重合体を含むことを特徴とする電子写真感光体。 - 請求項14または請求項15に記載の電子写真感光体を有することを特徴とする電気機器。
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