JP6632344B2 - ウェハ搬送装置 - Google Patents

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Description

本発明はウェハ搬送装置に関するものである。
従来、半導体製造装置では、半導体ウエハ(以下、「ウェハ」という)を各種処理工程間で搬送する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1で知られる、半導体ウェハの裏面(一方の面)を研削する平面加工装置は、ウェハを吸着保持するチャックと、粗研削用砥石と、精研削用砥石と、研磨装置等を備えている。その平面加工装置によれば、ウェハの加工処理は、前記チャックによりウェハの表面(他方の面)が吸着保持された後、ウェハの裏面に前記粗研削用砥石を押し付け、更にチャック及びその砥石を回転させることによって裏面を粗研削する。また、粗研削終了したウェハは、次に前記精研削用砥石によって精研削される。更に、精研削を終了したウェハは、洗浄装置に搬送されて、その裏面が洗浄される。以上で、前記平面加工装置による1枚のウェハの裏面研削加工が終了する構成になっている。
そして、上記平面加工装置では、裏面の研削加工が終了したウェハは、次の工程である洗浄工程に移行される。すなわち、裏面の研削加工を行った第1の位置から次の洗浄工程を行う第2の位置へと順に移行させるが、その際、ウェハを吸引保持する吸引保持手段と、その吸引保持手段を第1の位置から第2の位置へと移動させる搬送装置を用いて搬送する方法が知られている。
図16は、従来における裏面研削加工装置(以下、「加工装置」という)の一例を示し、図17、図18及び図19は、その搬送装置の一例を示している。
図16に示す加工装置101は、装置本体102に取り付けられた回転機構部103に連結されて回転するポーラスチャック104と、そのポーラスチャック104と対向して設けられた研削装置105等を備えている。一方、図17〜図19に示す搬送装置110は、吸引保持手段111、及び、その吸引保持手段111を第1の位置から第2の位置へと移動させる搬送手段110等を備えている。
前記ポーラスチャック104は、例えばセラミック製のポーラス部106とセラミック製のボディ107とからなり、図16に示すようにボディ107の中心部に設けた配管108でバキューム引き(真空引き)をし、ポーラス部106を通して負をかけることができるようになっている。そして、ポーラスチャック104上に載せられたウェハWを、そのポーラス部106で真空吸着してチャックできるようになっている。
研削装置105は、先端(下端)部に水平に回転する砥石109を取り付けている。そして、ポーラスチャック104と一体に回転するウェハWに、同じく回転する砥石109を押し付け、ウェハWと砥石109とを回転させて該ウェハWの裏面の研削加工を行うようになっている。
図17〜図19に示す前記搬送装置110は、例えば裏面研削加工を行う第1の位置と洗浄工程を行う第2の位置とに移動可能であり、その先端(下端)部に前記吸引保持手段111を取り付けている。
前記吸引保持手段111は、前記ポーラスチャック104と略同様なポーラスチャックであり、例えばセラミック製のポーラス部112とセラミック製のハンド113とからなる。そして、その搬送装置110及びハンド113の中心部に設けた配管114によりバキューム引きをするものであり、バキューム引きすることにより、吸引保持手段111の下面にポーラス部112を通して負圧がかかるようになっている。そして、ポーラスチャック104上にフリーの状態で載せられているウェハWを、ポーラス部112により真空吸着をしてチャックし、搬送装置110と共に第1の位置から第2の位置へと搬送して、その第2の位置に設けられたポーラスチャック(図示せず)上に載置できるようになっている。
次に、ウェハWを、裏面研削加工を行った第1の位置から次の洗浄工程を行う第2の位置に移行させて、その第2の位置に設けられた図示しないポーラスチャック上に載置する場合の動作を、図17〜図19に従って説明する。
まず、図17に示すように、裏面研削加工装置101の第1の位置では、吸引保持手段111は搬送装置110により、裏面研削加工を終えたウェハWを載置するポーラスチャック104の上方に配置される。この図17の状態では、研削加工時に生じた例えば研削及び研磨屑、研磨時に使用されるスラリー液などのスラッジ115が、ウェハWの裏面上に付着していることが少なくない。そこで、本例ではウェハWの裏面にスラッジ115が付着していると想定して説明する。
また、ポーラスチャック104の上方に搬送された吸引保持手段111は、図18に示すように、搬送装置110により、ポーラス部112がウェハWの裏面に押し付けられるまで下降される。その後、ポーラス部112に負圧を発生させてウェハWをポーラス部112に真空吸着して、そのウェハWをチャック保持する。
また、ポーラス部112による吸着保持(チャック)を終えたら、搬送装置110により、吸引保持手段111がウェハWと共に洗浄工程を行う第2の位置に移動され、その第2の位置におけるポーラスチャック104上にウェハWを介して押し付けられる。その後、図18に示すようにリリースエアをポーラス部112側に送り、ポーラス部112側からリリースエア116を噴出させて、ウェハWをポーラス部112から引き剥がす。同時に、第2の位置におけるポーラスチャック104側に負圧を発生させ、そのウェハWを第2の位置におけるポーラスチャック104側にチャックさせて受け渡す。受渡し後、吸引保持手段111は搬送装置110と共に第1の位置に戻され、以後、この動作を繰り返す。これにより、ウェハWの第1の位置から第2の位置への搬送が繰り返し行われる。なお、図20は、図19のA部拡大図である。図20では、ウェハWをポーラス部112から引き剥がされた後に、ポーラス部112及びウェハWの裏面にスラッジ115が付着されたままになっている状態と、ポーラス部112の粗い表面によりウェハWの裏面に傷117が付着している状態とを示している。
特開2010−124006号公報。
しかしながら、図16〜図19に示した従来におけるウェハの搬送装置では、吸引保持手段111のポーラス部112の面にウェハWを吸着させて保持するので、次の(1)から(4)のような問題点があった。
(1)ウェハWを吸着させて保持する際にウェハWが変形する等、ウェハWに強いストレスを与える。
(2)ウェハWの裏面に表面の粗いポーラス部112を接触させることで、図20に示すように、ウェハWの表面に傷117を付けてしまう虞がある。
(3)ウェハWを加工した際、簡易洗浄が行われるが、スラッジ115が洗い落としきれずに残る場合がある。そして、スラッジ115が残っている場合には、図20に示すように、ポーラス部112にウェハWを真空吸着する際、ポーラス部112がスラッジ115を吸い込み、ポーラス部112に目詰まりを起す、あるいは、ポーラス部112にスラッジ115を転写させてしまうことがある。
(4)また、スラッジ115が残っている場合に、真空吸着及び図20に示すエアブローリリース(リリースエア116)により、ポーラス部112上及びウェハW上でスラッジ115をそれぞれ乾燥、固着させて、洗浄をしづらくする。
そこで、ウェハの搬送時に、ウェハの表面及びポーラス部の表面を液体で洗浄してスラッジを取り除くとともに、ウェハの表面及びポーラス部の表面を保湿し、かつ、安定した状態で搬送可能にするウェハ搬送装置を提供するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、ウェハを吸引保持する吸引保持手段と、吸引保持手段を第1の位置から第2の位置へと移動させる搬送手段と、を備えるウェハ搬送装置において、前記吸引保持手段は、前記ウェハと対向して外周側から中心側に向かって昇るように傾斜する断面円錐状の下面を備え、前記搬送手段に連結した非接触ハンドと、前記下の中心側から外周側に向かって液体を噴射し、前記下面と前記ウェハとの間に該液体による液膜を形成するとともに前記下面の略全体に負圧領域を形成し、該負圧領域の負圧で前記ウェハを前記液膜を介して前記非接触ハンド側に吸引する負圧発生手段と、を備える、ウェハ搬送装置を提供する。
この構成によれば、負圧発生手段により、非接触ハンドの下面から液体を噴射させると、非接触ハンドの下面側に該液体による液膜と負圧領域が形成される。そして、その非接触ハンドの下面側に形成された負圧により、非接触ハンドがウェハを、そのウェハの保持面と非接触ハンドのパッド面との間に形成された薄い液膜を介して非接触状態で保持し、そのウェハを非接触ハンドと共に第1の位置から第2の位置へと移動させることができる。この移動時には、非接触ハンドとウェハとの間に液体が常に流され、その液体により薄い液膜が形成され続ける。したがって、
(1)第1の位置から第2の位置まで、非接触ハンドの下面(以下、「パッド面」という)とウェハの面(以下、「保持面」という)を保湿した状態で搬送することができる。
(2)また、搬送開始時(チャック保持時)及び搬送中に、保持面及びパッド面も同時に洗浄される。
(3)パッド面と保持面との間に薄い液膜を形成することで、薄いウェハや反りの強いウェハを反りのない状態に矯正して、そのウェハにストレスを与えることなく、ウェハを安定した状態で搬送することができる。
(4)パッド面と保持面との間に薄い液膜を形成することで、ウェハの保持面に傷を付けずに搬送することができる。
(5)パッド面と保持面との間に薄い液膜を形成することで、その液膜がクッションとなり、搬送時におけるウェハの振動を液膜で抑制できる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の構成において、前記負圧発生手段は、前記液体を前記非接触ハンドの下面から放射状に噴射する、ウェハ搬送装置を提供する。
その構成によれば、ウェハの保持面と非接触ハンドのパッド面との間で負圧発生手段より放射状に噴射される、液体の流れによるベルヌーイ効果によりパッド裏面に形成される負圧で、ウェハを、非接触ハンドのパッド面に非接触状態で保持して搬送することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の構成において、前記負圧発生手段は、前記液体を前記非接触ハンドの下面側からサイクロン状に噴射する、ウェハ搬送装置を提供する。
その構成によれば、ウェハの保持面と非接触ハンドのパッド面との間で、負圧発生手段からサイクロン状に噴射される、その液体の流れによるサイクロン効果によりパッド面に形成される負圧で、ウェハを非接触ハンドのパッド面に非接触状態で保持して搬送することができる。
請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3に記載の構成において、前記吸引保持手段は、前記非接触ハンドの外周に沿って環状に形成された、前記液体を回収する樋部を有する、ウェハ搬送装置を提供する。
その構成によれば、非接触ハンドの下面に沿って該非接触ハンドの外周に流れた液体は、非接触ハンドの外周に沿って環状に形成されている樋部内に回収される。これにより、液体の回収を容易にすることができる。
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の構成において、前記樋部は、内面全周に亘って、前記ウェハと対向する下端側から前記非接触ハンドに向かって徐々に内径が前記ウェハの略外径まで縮小してなる傾斜ガイド面を形成してなる、ウェハ搬送装置を提供する。
その構成によれば、前記非接触ハンド側に吸引されるウェハは、傾斜ガイド面にガイドされて非接触ハンド側に浮上し、該非接触ハンドに対して所定の位置に精度良く位置決めできる。また、非接触ハンド側に浮上させたウェハと樋部との間の隙間を小さくして、液体がウェハの下側に流れるのを少なくすることができる。
請求項6記載の発明は、請求項4又は5に記載のウェハ搬送装置において、前記第1の位置には、前記ウェハの下面から水を供給して該ウェハを前記非接触ハンドに向けて前記樋部内上部まで浮上させる給水手段を有する、ウェハ搬送装置を提供する。
その構成によれば、第1の位置において、給水手段によりウェハを樋部内上部まで浮上させることにより、ウェハと樋部との隙間を小さくする。そして、負圧発生手段から液体が噴射されて作られる負圧で非接触ハンドがウェハを保持する際、ウェハの下側に液体が流れにくくなり、負圧を安定させてチャックを確実に行わせることができる。
請求項7記載の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6に記載の構成において、少なくとも前記第2の位置には、前記吸引保持手段により保持され前記搬送手段で搬送されて来たウェハに対する前記負圧保持が解かれた際、前記ウェハを吸引保持するためのポーラスチャックを設けてなる、ウェハ搬送装置を提供する。
その構成によれば、吸引保持手段により非接触状態で保持され、かつ、搬送手段による移動により第1の位置から第2の位置に搬送されて来たウェハは、その後、吸引保持手段による負圧保持が解かれと、第2の位置に設けられたポーラスチャック側に強制的に引き渡されて、その第2の位置側のポーラスチャックに確実に吸引保持される。
本発明によれば、移動時に、非接触ハンドの下面に液体を流し、その下面とウェハとの間にウェハを吸引保持する負圧領域と薄い液膜を形成して、その液膜を介してウェハを非接触の状態で吸引保持し、第1の位置から第2の位置まで搬送するので、
(1)第1の位置から第2の位置まで、非接触ハンドのパッド面とウェハの保持面をそれぞれ乾燥させること無く、保湿した状態で搬送することができる。
(2)搬送開始時及び搬送中に保持面及びパッド面も同時に洗浄し、スラッジを無くした状態で保持することができる。
(3)パッド面と保持面との間に薄い液膜を形成し、非接触ハンドにウェハを非接触状態でチャックすることができるので、ウェハの保持面に傷を付けることなく搬送することができる。さらに形成した液膜がクッションとなり、その液膜で搬送時におけるウェハの振動を抑制でき、薄いウェハや反りの強いウェハにストレスを与えることなく、そのウェハを安定した状態で搬送することができる。
本発明の実施の形態に係る第1の実施例として示すウェハ搬送装置の全体斜視図である。 図1に示したウェハ搬送装置のウェハ研削ステージの構造を、液体を噴射する前の状態で示す図である。 図1に示したウェハ搬送装置のウェハ研削ステージの構造を、液体を噴射した直後の状態で示す図である。 図1に示したウェハ搬送装置のウェハ研削ステージの構造を、液体を噴射してウェハが非接触ハンドに非接触状態で保持された直後の状態で示す図である。 図1に示したウェハ搬送装置のウェハ研削ステージの構造を、液体が噴射されて、非接触ハンドがウェハを非接触状態で保持して搬送を開始した直後の状態で示す図である。 図1に示したウェハ搬送装置のウェハ洗浄ステージの構造を、液体が噴射されて、非接触ハンドがウェハを非接触状態で保持している状態で示す図である。 図1に示したウェハ搬送装置のウェハ洗浄ステージの構造を、液体の噴射を停止して、ウェハがウェハ洗浄加工部のポーラスチャックに保持されている状態で示す図である。 本発明の実施の形態に係る第2の実施例として一部を破断して示すウェハ搬送装置の全体斜視図である。 図8に示したウェハ搬送装置における吸引保持手段の内部構造を示す図である。 図9に示した非接触保持パッドの斜視図である。 図9に示したウェハ搬送装置のウェハ研削ステージの構造を、液体を噴射する前の状態で示す図である。 図9に示したウェハ搬送装置のウェハ研削ステージの構造を、液体を噴射してウェハが非接触ハンドに非接触状態で保持された直後の状態で示す図である。 図9に示したウェハ搬送装置のウェハ研削ステージの構造を、液体が噴射されて、非接触ハンドがウェハを非接触状態で保持して搬送を開始した直後の状態で示す図である。 図9に示した非接触ハンドがウェハを非接触状態で保持してウェハ洗浄加工部のポーラスチャックに保持される直前の状態で示す図である。 図9に示した非接触ハンドがウェハをウェハ洗浄加工部のポーラスチャックに保持された後の状態で示す図である。 従来の加工装置の一例を、加工装置の一部を破断して示す側面図である。 図16に示した従来の加工装置における研削ステージの構造を、吸引保持手段がウェハを保持する前の状態で示す図である。 図16に示した従来の加工装置における研削ステージの構造を、吸引保持手段がウェハを保持した直後の状態で示す図である。 図16に示した従来の加工装置における洗浄ステージの構造を、吸引保持手段がウェハをウェハ洗浄ステージのポーラス部に受け渡した直後の状態で示す図である。 図16のA部拡大断面図である。
本発明はウェハの搬送時に、ウェハの表面及びポーラス部の表面を液体で洗浄してスラッジを取り除くとともに、ウェハの表面及びポーラス部の表面を保湿し、かつ、安定した状態で搬送可能にするウェハ搬送装置を提供するという目的を達成するために、ウェハを吸引保持する吸引保持手段と、吸引保持手段を第1の位置から第2の位置へと移動させる搬送手段と、を備えるウェハ搬送装置において、前記吸引保持手段は、前記ウェハと対向して外周側から中心側に向かって昇るように傾斜する断面円錐状の下面を備え、前記搬送手段に連結した非接触ハンドと、前記下の中心側から外周側に向かって液体を噴射し、前記下面と前記ウェハとの間に該液体による液膜を形成するとともに前記下面の略全体に負圧領域を形成し、該負圧領域の負圧で前記ウェハを前記液膜を介して前記非接触ハンド側に吸引する負圧発生手段と、を備えることにより実現した。
以下、本発明の実施形態によるウェハ搬送装置を、図1乃至図15を参照しながら好適な2つの実施例について詳細に説明する。
図1〜図7は、本発明の実施形態によるウェハ搬送装置の第1の実施例を示し、図1はそのウェハ搬送装置の全体斜視図である。図1におけるウェハ搬送装置11は、半導体製造装置10における研削加工部12及び洗浄加工部13に跨がって形成されている。その第1の位置である研削加工部12には、研削装置14及びポーラスチャック15が設けられており、第2の位置である洗浄加工部13には、洗浄装置16及びポーラスチャック17が設けられている。
前記研削加工部12において、ポーラスチャック15と対向して配置される研削装置14の先端部には、水平に回転する砥石19を取り付けている。また、研削加工部12のポーラスチャック15は、研削装置14の砥石19と上下方向で対応する研削加工位置と、研削装置14の真下の位置から外れた搬送可能位置とへ水平移動可能になっている。なお、図1では、ポーラスチャック15が搬送可能位置に移動された状態で示している。そして、この研削加工部12では、ポーラスチャック15と共に回転するウェハWに、回転する砥石19を押し付けて、ウェハWと砥石19を回転させて該ウェハWの裏面の研削加工を行うようになっている。
前記洗浄加工部13には、前記洗浄装置(詳細な構造は省略している)16と、該洗浄装置16内に設けられたポーラスチャック17等が設けられている。そして、この洗浄加工部13では、研削加工部12での研削加工を経て洗浄装置16に搬送されて、洗浄装置16内のポーラスチャック17上にセットされたウェハWの裏面を洗浄することができるようになっている。
前記ウェハ搬送装置11は、ウェハWを吸引保持する吸引保持手段22と、吸引保持手段22を第1の位置(研削加工位置)から第2の位置(研削加工位置)へと往復移動させる搬送手段23とを備えている。
前記搬送手段23は、図1に示すように、吸引保持手段22をX軸方向(第1の位置と第2の位置を結ぶ水平方向)に往復移動可能なX軸方向ガイド部24と、吸引保持手段22をY軸方向(上下方向)に往復移動可能なY軸方向ガイド部25とを有する。そして、搬送手段23がY軸方向に動作を行うことにより、吸引保持手段22を上下方向に移動させることができる。また、搬送手段23がX軸方向に動作を行うことにより、吸引保持手段22を水平方向に移動させて、該吸引保持手段22を第1の位置から第2の位置、及び、第2の位置から第1の位置へと、それぞれ往復移動させることができるようになっている。
図2〜図7に詳細に示すように、前記吸引保持手段22は、搬送手段23のY軸方向ガイド部25に連結された保持本体部26と、その保持本体部26の先端部(下端部)に取り付けられた非接触ハンド27と、その非接触ハンド27に設けられた負圧発生手段28とを備えている。
前記非接触ハンド27は、図1に示すように概略円板状に形成されている。また、図2乃至図7に示すように、非接触ハンド27は、ウェハWと対向する下面が外周側から中心側に向かって緩やかに昇るように傾斜してなる、断面円錐状をした凹曲面、すなわちパッド面27aを有している。また、非接触ハンド27の中央部には、上下に貫通している中央貫通孔29が設けられている。そして、その中央貫通孔29の一端側(パッド面27aと反対側)には、保持本体部26内を通って設けられたエア配管30が取り付けられている。一方、他端側(パッド面27a側)には、ウェハWの外径よりも小さく、かつ、短円柱状をした中心円柱部31が設けられ、該中心円柱部31の外周に中央貫通孔29内に通じている複数個の水噴出孔37が互いに離間して放射状に形成されている。これら複数個の水噴出孔37は、エア配管30から送られて来る後述する液体35を、中心円柱部31の周面から略直角に、かつ、全体として放射状に噴出して、非接触ハンド27の下面側、すなわちパッド面27aに、流状体35による薄い液膜を形成すると共に、ウェハWをパッド面27a側に吸引保持するための負圧領域を形成し、その液膜を介してウェハWを非接触ハンド27のパッド面27aに非接触状態で保持する前記負圧発生手段28を形成している。なお、中心円柱部31は、図2乃至図7に示すように、非接触ハンド27の凹曲面内に収納された状態で設けられている。
前記エア配管30には、例えば水(純水)等の前記液体35を高圧で供給可能な液体貯蔵タンク(図示せず)が接続されており、その液体貯蔵タンクから高圧な液体が供給され、それが中央貫通孔29を通って複数個の水噴出孔37(図2参照)から噴出され、更にパッド面27aの表面に沿って非接触ハンド27の外面側から排出できるようになっている。なお、前記中心円柱部31に設けられた複数個の水噴出孔37は、液体35の流れを下面中央から外側に向けて放射状に噴射されるように制御する。そして、中央貫通孔29から複数個の水噴出孔37を通って噴出された液体35は、パッド面27aに沿って、非接触ハンド27のパッド面27aとウェハWの保持面との間に薄い前記液膜を形成して放射状に流れる。したがって、本実施例では、この液体35の流れによって、パッド面27aの略全体にベルヌーイの原理により負圧領域が形成され、その負圧でウェハWを、非接触ハンド27のパッド面27aとウェハWの保持面との間に形成された薄い液膜を介して、パッド面27aに非接触状態で吸引する、所謂、ベルヌーイタイプの非接触チャックが形成されるようになっている。
前記ポーラスチャック15及びポーラスチャック17は略同じ構造で形成されている。そのポーラスチャック15、17は、例えばセラミック製のポーラス部32とセラミック製のボディ33とからなり、そのボディ33の中央部に設けたエア配管34によりチャック時にはバキューム引きをして、ウェハWをポーラスチャック15上にチャックし、リリース時にはリリースエア36(図4参照)の供給を行うようにしたものである。
次に、このように構成された半導体製造装置10において、第1の位置である研削加工部12での研削加工を終えて第2の位置である洗浄加工部13にウェハWを搬送するウェハ搬送装置11の搬送動作の一例を、図2乃至図7を使用して順に説明する。
まず、研削加工を終えたウェハWをチャックしているポーラスチャック15は、図1に示すように研削装置14と外れた搬送可能位置に移動されている。
図2は、その研削加工部12において、その搬送可能位置に、研削加工後のウェハWを載置しているポーラスチャック15が配置されている状態を示している。なお、ここではウェハWの裏面等にスラッジ20が付着していると想定して説明する。
そして、図2に示すようにポーラスチャック15の上方に搬送された吸引保持手段22は、搬送手段23により、非接触ハンド27のパッド面27aがウェハWの裏面に非接触状態で接近配置される。また、この状態ではポーラスチャック15側におけるウェハWへの吸引チャックも取り除かれる。
次いで、図3に示すように、エア配管30を通して供給されて来る液体35である水が、中央貫通孔29と水噴出孔37を通って、すなわち負圧発生手段28からパッド面27aに沿って中央(中心円柱部31)から外側に向けて放射状に噴射される。また、その液体35の流れで、ウェハWの裏面とボディ33等に付着されていたスラッジ20が洗われ、そのスラッジ20がウェハWの外周側及びポーラスチャック15の外周側に流されて排出除去される。
また、負圧発生手段28からの噴射水で満たされると、非接触ハンド27のパッド面27aの全体に負圧領域が形成される。そして、その負圧領域内の負圧により、図4に示すように、ポーラスチャック15上のウェハWが非接触ハンド27のパッド面27a側に、その間に薄い水膜(液膜35a)を介した状態で吸い付けられて保持される。このとき、ポーラスチャック15側からリリースエア36を供給する。このリリースエア36は、負圧発生手段28による吸引だけで、ウェハWをポーラスチャック15上から容易に引き剥がすことができる状態ならば、必ずしも必要なものではない。
また、非接触ハンド27のパッド面27aの全体に前記負圧領域が形成されて、その負圧領域内の負圧でポーラスチャック15上のウェハWが、図4に示すように非接触ハンド27のパッド面27a側に吸い付け保持されたら、その状態を保持したまま、吸引保持手段22は、図5に示すよう搬送手段23により上方に移動され、その後、第2の位置である洗浄加工部13に移動される。そして、図6に示すように、非接触ハンド27のパッド面27aに吸着されているウェハWが、洗浄加工部13のポーラスチャック17上に接近配置される。
その後、管体30からの液体35の供給が断たれる。液体35の供給が断たれると、負圧発生手段28で生成されていた負圧も無くなり、図7に示すように非接触ハンド27のパッド面27aの負圧が解かれる。そして、非接触ハンド27のパッド面27aに非接触で保持されていたウェハWが、洗浄加工部13のポーラスチャック17上に落下されて、該ポーラスチャック17上に受け渡される。この際、ポーラスチャック17側に負圧を発生させると、非接触ハンド27のパッド面27aから洗浄加工部13のポーラスチャック17側に、ウェハWをスムーズに受け渡すことができる。
したがって、このように構成されたウェハの搬送装置では、負圧発生手段28により、非接触ハンド27の下面側(パッド面27a)に負圧領域を形成するとともに、その負圧領域の負圧により、そのウェハWの保持面と非接触ハンド27のパッド面27aとの間に形成された薄い液膜35aを介して、非接触ハンド27がウェハWを非接触状態で保持し、第1の位置から第2の位置へと移動させることができる。そして、この移動時には、非接触ハンド27とウェハWとの間に液体35が流され、その液体35により、ウェハWの保持面及び非接触ハンド27のパッド面27aも同時に洗浄されてスラッジ20を無くした状態で保持することができる。また、非接触ハンド27のパッド面27aとウェハWの保持面との間に薄い液膜35aを常に形成して、その薄い液膜35aを介して、パッド面27aにウェハWを非接触状態でチャックすることができる。これにより、ウェハWの保持面に傷を付けることなく安定して搬送することができる。さらに、液膜35aがクッションとなり、その液膜35aで搬送時におけるウェハWの振動を抑制することができ、薄いウェハWや反りの強いウェハWにストレスを与えることなく、安定した状態で搬送することが可能になる。
なお、上記第1の実施例では、負圧発生手段28を形成している中央貫通孔29と円柱部31は、非接触ハンド27の中央部一箇所に設けた構成を開示したが、中央貫通孔29と円柱部は必ずしも中央部一箇所だけでなく、パッド面27aの複数箇所に、例えば環状に点在させて設けてもよい。
また、ベルヌーイタイプの非接触チャックを形成して、非接触ハンド27のパッド面27aにウェハWを吸引保持する構成を開示したが、この構成に変えて、複数個の水噴出孔37の配置を、パッド面27aの中央側から外側に向けてサイクロン状に噴射させるように水噴出孔37等を設け、サイクロンタイプの非接触チャックとして構成してもよい。この構成では、中央貫通孔29及び水噴出孔37を通って噴出された液体35は、パッド面27aの下側でサイクロン状に流される。そして、そのサイクロン状の流れにより、パッド面27aの下面側に、ウェハWをパッド面27a側に吸引する負圧を発生する負圧領域が形成される。そして、その負圧でパッド面27aがウェハWを、パッド面27aとウェハWの保持面との間に形成された薄い液膜35aを介して非接触状態で吸引保持する。
さらに、上記第1の実施例では、負圧発生手段28を、中央貫通孔29と複数個の水噴出孔37とでなる構成を開示したが、中央貫通孔29及び水噴出孔37の形状及び配設位置、または配設個数等を変更して、前記液体35の前記放射状や前記サイクロン状の流れを形成するようにしてもよい。
図8〜図15は、本発明の実施形態によるウェハ搬送装置の第2の実施例を示し、図8はそのウェハ搬送装置の全体斜視図である。図8におけるウェハ搬送装置51は、半導体製造装置50における研削加工部52及び洗浄加工部53に跨がって形成されている。その第1の位置である研削加工部52には、研削装置54及びポーラスチャック55が設けられており、第2の位置である洗浄加工部53には、洗浄装置56及びポーラスチャック57が設けられている。また、ウェハ搬送装置51には、吸引源80及び水供給源81が設置されている。
前記研削加工部52において、ポーラスチャック55と対向して配置される研削装置54の先端部には、水平に回転する砥石59を取り付けている。また、研削加工部52のポーラスチャック55は、研削装置54の砥石59と上下方向で対応する研削加工位置と、研削装置54の真下の位置から外れた搬送可能位置とへ水平移動可能になっている。なお、図8では、ポーラスチャック55が搬送可能位置に移動された状態で示している。そして、この研削加工部52では、ポーラスチャック55と共に回転するウェハWに、回転する砥石59を押し付けて、ウェハWと砥石59を回転させて該ウェハWの裏面の研削加工を行うようになっている。
前記洗浄加工部53には、前記洗浄装置(詳細な構造は省略している)56と、該洗浄装置56内に設けられたポーラスチャック57等が設けられている。そして、この洗浄加工部53では、研削加工部52での研削加工を経て洗浄装置56に搬送されて、洗浄装置56内のポーラスチャック57上にセットされたウェハWの裏面を洗浄することができるようになっている。
前記ウェハ搬送装置51は、ウェハWを吸引保持する吸引保持手段62と、吸引保持手段62を第1の位置(研削加工位置)から第2の位置(研削加工位置)へと移動させる搬送手段63とを備えている。
前記搬送手段63は、図8に示すように、吸引保持手段62をX軸方向(第1の位置と第2の位置を結ぶ水平方向)に往復移動可能なX軸方向ガイド部64と、吸引保持手段62をY軸方向(上下方向)に往復移動可能なY軸方向ガイド部65とを有する。そして、搬送手段63がY軸方向に動作を行うことにより、吸引保持手段62を上下方向に移動させる。また、搬送手段63がX軸方向に動作を行うことにより、吸引保持手段62を水平方向に移動させて、該吸引保持手段62を第1の位置から第2の位置、及び、第2の位置から第1の位置へと、それぞれ往復移動させることができるようになっている。
図9〜図15に詳細に示すように、前記吸引保持手段62は、搬送手段63のY軸方向ガイド部65に連結された保持本体部66と、その保持本体部66の先端部(下端部)に取り付けられた非接触ハンド67と、その非接触ハンド67に設けられた負圧発生手段78とを備えている。
前記非接触ハンド67は、図1に示した第1実施例の場合と同様に、概略円板状に形成されている。また、図9乃至図15に示すように、非接触ハンド67は、ベース167と非接触パッド267と樋部としてのカバー367とを有してなる。
前記ベース167は、ウェハWの外径と略等しい外径を有した円板状の板材として形成されており、中心部には給水配管68aの一端側が挿入されて取り付けられる給水配管取付孔167aが設けられている。また、ウェハWと対向するベース167の裏面(下面側)には、前記非接触パッド267を収納固定した状態で取り付けているパッド収容凹部167bが、前記給水配管取付孔167aと同心的に設けられている。
前記非接触パッド267は、図10に一部を破断して単体で示している。その図10と図11乃至図15を用いて非接触パッド267の構成を詳細に説明すると、前記パッド収容凹部167b内に収納して取り付けられた非接触パッド267は、ウェハWと対向するパッド保持面(下面)267a側に、そのパッド保持面267aの中心部267bを円柱状に残し、その中心部267b(以下、これを「中心円柱部267b」という)の外側部分を、非接触パッド267の外周側から中心円柱部267bの外周まで緩やかに傾斜して昇る、概略断面ドーム状をした凹曲面267cを設けている。したがって、パッド保持面(下面)267aと中心円柱部267bの下面の高さは同一である。また、非接触パッド267の厚みは、パッド収容凹部167b内の深さに等しい。したがって、パッド収納凹部167bに収納された非接触パッド267は、ベース167の下面と略面一に配設される。さらに、非接触パッド267には、ベース167の給水配管取付孔167aに対応して、上面(ベース167と対向する面)から中心円柱部267b内に亘って貫通してない凹部としてなる給水配管取付孔267dが設けられている。その中心円柱部267bには、外周面から給水配管取付孔267d内まで通じている複数個の水噴出孔267eが互いに離間して放射状に形成されている。これら、複数個の水噴出孔267eは、給水配管取付孔167aから送られて来る後述する液体75を、中心円柱部267bの周面から略直角に、かつ、全体として放射状に噴出して、非接触ハンド67の下面側、すなわち非接触パッド267のパッド保持面267aに、液体75による薄い液膜を形成すると共に、ウェハWをパッド保持面267a側に吸引保持するための負圧領域を形成し、その非接触ハンド67のパッド保持面267aに該液膜を介してウェハWを非接触状態で保持する前記負圧発生手段78を形成している。
前記給水配管68aは、その一端側が給水配管取付孔267dに接続され、他端側は、図8に示すように例えば水(純水)等の前記液体75を高圧で供給を可能にする液体貯蔵タンク(図示せず)等の水供給源81に接続されている。その給水配管68aには、ウェハWの搬送を必要とするときに水供給源81から高圧な液体75が供給され、それが給水配管取付孔267d、水噴出孔267eを通って噴射され、更にその液体75を凹曲面267c及びパッド保持面267aに沿って非接触保持パッド267の外周から外側に向かって放射状に排出できるようになっている。そして、この第2実施例の場合でも、水噴出孔267eから噴射された液体75は、非接触保持パッド267のパッド保持面267aとウェハWの保持面との間に薄い前記液膜を形成して放射状に流れる。また、その放射状の液体75の流れで、パッド面267aの略全体にベルヌーイの原理により負圧領域が形成され、その負圧でウェハWを、非接触ハンド67のパッド保持面267aとウェハWの保持面との間に形成された薄い液膜を介して、パッド保持面267aに非接触状態で吸引する、所謂、ベルヌーイタイプの非接触チャックが形成されるようになっている。
樋部としての前記カバー367(以下、「樋部367」という)は、前記ベース167の上面外周部分を覆って該ベース167に固定して取り付けられたドーナツ状の上面部367aと、その上面部367aの外周端から下側(ポーラスチャック55側)に向かって略直角に折り曲げられた外周筒部367bと、その外周筒部367bの下端から内側に向かって略直角に、前記ベース167の外周端と対応する位置まで折り曲げられた同じくドーナツ状の下面部367cと、その下面部367cの内周端からベース167の下面近傍まで上側に向かって折り曲げられた内周筒部367dとが一体に設けられている。
なお、樋部367の内周筒部367dの内径は、下端側(ポーラスチャック55側)がウェハWの外径よりも大きく、上面側(ベース167側)がウェハWの外径よりもほんの僅か大きくなるようにして形成されており、そして面全周に亘って、前記ウェハWと対向する下端側から上端部側(ベース167d側)に向かって、徐々に内径が前記ウェハの略外径と略近似となる大きさまで縮小した状態になっている。すなわち、樋部367の内周筒部367dは、ウェハWと対向する下端側からベース167dに向かって徐々に内径がウェハWの略外径まで縮小してなる傾斜ガイド面を形成している。したがって、以下の説明では、樋部367の内周筒部367dは、傾斜ガイド面367dとして説明する。
前記ポーラスチャック55は、図11乃至図13に示すように、例えばセラミック製のポーラス部55aとボディ55bとからなり、そのボディ55bの中央部には、給水配管68bの一端とエア配管69aの一端がそれぞれ接続されて設けられている。その給水配管68bの他端は前記水供給源81に接続されている。その給水配管68bには、ウェハWの搬送を必要とするときに水供給源81から高圧な液体75が供給されるようになっており、液体75が供給されると該液体75がポーラス部55aを通ってウェハWの下面に噴射され、その液体75の噴射で浮揚力が働き、ウェハWをボディ55bから浮上させることができるようになっている。一方、エア配管69aの他端は吸引源80に接続にされている。そのエア配管69aには、ウェハWのチャックを必要とするときに、吸引源80によりバキューム引き力が付与され、ウェハWをポーラス部55a上にチャックできるようにしたものである。
前記ポーラスチャック57は、図14及び図15に詳細に示すように、例えばセラミック製のポーラス部57aとボディ57bとからなり、そのボディ57bの中央部には、エア配管69bの一端が接続されて設けられている。そのエア配管69bの他端は前記吸引源80に接続されている。そのエア配管69bには、ウェハWのチャックを必要とするときに、吸引源80によりバキューム引き力が付与され、ウェハWをポーラス部57a上にチャックできるようにしたものである。
次に、このように構成された半導体製造装置50において、第1の位置である研削加工部52での研削加工を終えて、第2の位置である洗浄加工部53にウェハWを搬送するウェハ搬送装置51の搬送動作の一例を、図11乃至図15と必要に応じて図8乃至図10を使用して順に説明する。
まず、研削加工を終えたウェハWをチャックしているポーラスチャック55は、図8に示すように研削装置54と外れた搬送可能位置に移動されている。
図11は、その研削加工部52において、その搬送可能位置で、ポーラスチャック55上に研削加工後のウェハWが配置されている状態を示している。そのポーラスチャック55では、吸引源80からの吸引で、ウェハWがポーラス部55aに吸引チャックされている。
そして、図12に示すように、搬送手段63によりポーラスチャック55の上方に搬送された吸引保持手段62は、非接触ハンド67における非接触保持パッド267のパッド保持面267a側が、ウェハWの裏面に非接触状態で接近配置されようにして、非接触ハンド67をポーラスチャック55に被せる。また、この状態ではポーラスチャック55側のエア吸引が断たれ、ウェハWに対する吸引拘束も取り除かれる。
次いで、図12に示すように、ポーラスチャック55に水供給源81から給水配管68bを通して給水し、ウェハWを樋部367内で非接触保持パッド267と接近するまで、すなわち傾斜ガイド面367dの上端部と略同じ高さとなるまで浮上させる。同時に、非接触保持パッド267に水供給源81から給水配管68bを通して給水される。その給水により、液体75が、負圧発生手段78により接触保持パッド267の下面で、その中央から外側に向けてパッド保持面267aに沿って放射状に噴射され、非接触保持パッド267のパッド保持面267aの全体に負圧領域が形成される。そして、その負圧領域内の負圧により、ウェハWが非接触ハンド67のパッド保持面267a側に、その間に薄い水膜(液膜75a)を介した状態で吸い付けられ、保持される。これにより、ポーラスチャック55上のウェハWを吸引保持手段62の非接触ハンド67側にスムーズに受け渡すことができる。その後、ポーラスチャック55側においては、給水配管68bからの液体75の供給が断たれる。液体75の供給が断たれる。
ここで、そのウェハW保持動作過程において非接触保持パッド267から勢いよく排出された液体75は、ウェハWの上を通り、スラッジを洗い流して洗浄しながら樋部367の溝367e内に入り、更に排水口367fを通って外部に排水される。また、ポーラスチャック55側からのウェハWの浮上は、傾斜ガイド面367dにガイドされて非接触保持パッド267の中心位置に移動される。さらに、この浮上で、ウェハWは傾斜ガイド面367dの上端部と略同じ高さとなるまで浮上するので、非接触保持パッド267からの液体75はウェハWの裏面側に回り込んで流れることがなく、溝367e内へ確実に流れ込んで、排水口367fを通して回収される。
また、非接触ハンド67側にウェハWが吸い付けられて保持されたら、図13に示すようにその状態を保持したまま、吸引保持手段62は搬送手段63により上方に移動され、その後、第2の位置である洗浄加工部13に移動される。そして、図14に示すように、非接触ハンド67に吸着保持されているウェハWが、洗浄加工部53のポーラスチャック57上に被さるようにして接近配置される。
その後、非接触ハンド67側においては、給水配管68aからの液体75の供給量を徐々に減らしてベルヌーイ効果による負圧を減らしながら、最終的に液体75の供給を断つ。非接触ハンド67側の液体75の供給が断たれると、負圧発生手段78で形成されていた負圧も無くなる。そして、非接触ハンド67のパッド保持面267aに非接触で保持されていたウェハWが、洗浄加工部53のポーラスチャック57上に落下されて、該ポーラスチャック57上に受け渡される。また、ポーラスチャック57上に置かれたウェハWの上面は、液膜(75a)を形成して保湿される。
次いで、図15に示すように、ポーラスチャック57において、吸引源80によるエアの吸引により、ウェハWをポーラス部82上に吸引保持する。そして、ウェハWの受け渡しを終えた非接触ハンド67は、搬送手段63により所定の位置まで上昇された後、切削加工部52に向けて戻され、以後この動作を繰り返す。
したがって、このように構成された第2の実施例におけるウェハの搬送装置でも、負圧発生手段78により、非接触ハンド67の下面側(パッド保持面267a)に負圧領域を形成するとともに、その負圧領域の負圧により、そのウェハWの保持面と非接触ハンド67との間に形成された薄い液膜75aを介して、非接触ハンド67がウェハWを非接触状態で保持し、第1の位置から第2の位置へと移動させることができる。そして、この移動時には、非接触ハンド67とウェハWとの間に液体75が流され、その液体75により、ウェハWの保持面及び非接触ハンド67の下面も同時に洗浄されてスラッジを無くした状態で保持することができる。また、非接触ハンド67のパッド保持面267aとウェハWの保持面との間に薄い液膜を常に形成して、その薄い液膜75aを介して、パッド保持面267aにウェハWを非接触状態でチャックすることができる。これにより、ウェハWの保持面に傷を付けることなく安定して搬送することができる。さらに、液膜75aがクッションとなり、その液膜75aで搬送時におけるウェハWの振動を抑制することができ、また薄いウェハWや反りの強いウェハWにストレスを与えることなく、安定した状態で搬送することが可能になる。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
本発明は半導体製造装置においてウェハを搬送する場合について説明したが、半導体製造装置以外、例えば薄板を搬送する装置等にも応用できる。
10 半導体製造装置
11 ウェハ搬送装置
12 研削加工部(第1の位置)
13 洗浄加工部(第2の位置)
14 研削装置
15 ポーラスチャック
16 洗浄装置
17 ポーラスチャック
19 砥石
20 スラッジ
22 吸引保持手段
23 搬送手段
24 X軸方向ガイド部
25 Y軸方向ガイド部
26 保持本体部
27 非接触ハンド
27a パッド面
28 負圧発生手段
29 中央貫通孔
30 給水配管
31 中心円柱部
32 ポーラス部
33 ボディ
34 エア配管
35 液体
35a 液膜
36 リリースエア
37 水噴出孔
50 半導体製造装置
51 ウェハ搬送装置
52 研削加工部(第1の位置)
53 洗浄加工部(第2の位置)
54 研削装置
55 ポーラスチャック
55a ポーラス部
55b ボディ
56 洗浄装置
57 ポーラスチャック
57a ポーラス部
57b ボディ
59 砥石
20 スラッジ
62 吸引保持手段
63 搬送手段
64 X軸方向ガイド部
65 Y軸方向ガイド部
66 保持本体部
67 非接触ハンド
167 ベース
167a 給水配管取付孔
167b パッド収容凹部
267 非接触保持パッド
267a パッド保持面
267b 中心部(中心円柱部)
267c 凹曲面
267d 給水配管取付孔
267e 水噴出孔
367 カバー(樋部)
367a 上面部
367b 外周筒部
367c 下面部
367d 内周筒部(傾斜ガイド面)
367e 溝
367f 排水口
68a 給水配管
68b 給水配管
69a エア配管
69b エア配管
75 液体
75a 液膜
78 負圧発生手段
80 吸引源
81 水供給源
82 ポーラス部
83 ボディ
W ウェハ

Claims (7)

  1. ウェハを吸引保持する吸引保持手段と、吸引保持手段を第1の位置から第2の位置へと移動させる搬送手段と、を備えるウェハ搬送装置において、
    前記吸引保持手段は、
    前記ウェハと対向して外周側から中心側に向かって昇るように傾斜する断面円錐状の面を備え、前記搬送手段に連結した非接触ハンドと、
    記下の中心側から外周側に向かって液体を噴射し、前記下面と前記ウェハとの間に該液体による液膜を形成するとともに前記下面の略全体に負圧領域を形成し、該負圧領域の負圧で前記ウェハを前記液膜を介して前記非接触ハンド側に吸引する負圧発生手段と、を備える、
    ことを特徴とするウェハ搬送装置。
  2. 前記負圧発生手段は、前記液体を前記非接触ハンドの下面から放射状に噴射する、ことを特徴とする請求項1に記載のウェハ搬送装置。
  3. 前記負圧発生手段は、前記液体を前記非接触ハンドの下面からサイクロン状に噴射する、ことを特徴とする請求項1に記載のウェハ搬送装置。
  4. 前記吸引保持手段は、前記非接触ハンドの外周に沿って環状に形成してなる、前記液体を回収する樋部を有する、ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載のウェハ搬送装置。
  5. 前記樋部は、内面全周に亘って、前記ウェハと対向する下端側から前記非接触ハンドに向かって徐々に内径が前記ウェハの略外径まで縮小してなる傾斜ガイド面を形成してなる、ことを特徴とする請求項4に記載のウェハ搬送装置。
  6. 前記第1の位置には、前記ウェハの下面から水を供給して該ウェハを前記非接触ハンドに向けて前記樋部内上部まで浮上させる給水手段を有する、ことを特徴とする請求項4又は5に記載のウェハ搬送装置。
  7. 少なくとも前記第2の位置には、前記吸引保持手段により保持され前記搬送手段で搬送されて来たウェハに対する前記負圧保持が解かれた際、前記ウェハを吸引保持するためのポーラスチャックを設けてなる、ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載のウェハ搬送装置。
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