JP6632276B2 - 定着筋の定着方法 - Google Patents
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Description
上記のような構成によれば、孔の深さが定着筋の径dの15倍以上深くなるようにして、定着長さを十分に長くしている。また、孔の径Hは、τbsu(c)/τbhu×dまたはK×d以上の値を有している。更に、充填材として既存構造躯体のコンクリートよりも圧縮強度が高いものを使用している。本発明は、これらの条件を満たすことにより、大きな引張力が発生した際に、定着筋と充填材との間に、また、充填材と孔壁との間に、付着破壊を発生させず、その代わりに定着筋が降伏して伸びる構造を実現している。一旦付着破壊が発生すると、以降は破壊された部位の定着筋は、荷重を維持することができないが、降伏して伸びた鉄筋は荷重を維持し続けることが可能である。したがって、従来の構造よりも確実に引張力を伝達し続けることが可能である。
また、孔壁と定着筋の間に十分な間隙が設けられる程度に、孔の径Hは十分に大きくなっている。これにより、充填材を密実に充填することが可能となり、施工が容易となる。
また、充填材として無機系材料を使用している。上記のような構成は、上述したように高い定着性能を有しているため、充填材を膨張させて圧力を発生させるために、無機系材料に対して、膨張材を特殊に配合する必要がない。これにより、材料費を低減することが可能である。特に、孔に充填材を充填した後に定着筋を挿入する場合を考えると、高価な充填材を使用する際には、定着筋により押しだされて孔から溢れ出る無駄な充填材がないように、孔への充填量を正確に計算する必要があるし、充填量を懸念するあまり充填量が少なくなり、充填材が密実に充填されない可能性もある。安価な無機系材料を使用することによって、このような懸念をなくし、施工を容易にすることも可能である。
したがって、上記の構成によって、確実な引張力の伝達、施工の容易性、及び材料費の低減を両立させることが可能である。
また、孔への充填材の充填が、充填材が封入されたカプセルを挿入するカプセル方式ではなく、充填材を孔の中に直接注入する注入方式によって行われるため、孔が深い場合であっても、孔の中全体に確実に充填材を充填することが可能であり、また、カプセル方式の場合に生じ得た、カプセルを構成する物質の孔内への残留をなくすことが可能となる。これによって、施工を確実にし、かつ、引張力の伝達性能を更に高めることができる。
更に、孔の径Hは、τbsu(c)/τbhu×dまたはK×d以上の、十分な大きさを有しているため、孔壁の表面積が大きくなり、単位面積当たりで負担すべき付着強度が小さくなる。したがって、孔壁表面が凹凸を有さずとも、定着構造全体で十分に強い付着性能を実現することができるため、穿孔にコアドリルを使用することが可能となり、施工時の騒音を低減することができる。
このような構成によれば、定着具によって定着性能を更に向上させることができるため、定着長さを短くすることが可能となる。すなわち、定着具や充填材の量を低減することができるため、材料費を更に低減することが可能となる。
また、孔に充填材を充填した後に定着筋を挿入する場合には、孔への挿入時に、定着具が孔内に充填された充填材に圧力をかけることにより、孔内に充填材を密実に充填することが可能となる。したがって、付着性能を向上させ、更に確実に引張力を伝達することが可能である。
このような構成によれば、付着性能を向上させ、更に確実に引張力を伝達することが可能である。
上記のような構成によれば、孔の深さが定着筋の径dの15倍以上深くなるようにして、定着長さを十分に長くしている。また、孔の径Hは、τbsu(c)/τbhu×dまたはK×d以上の値を有している。更に、充填材として既存構造躯体のコンクリートよりも圧縮強度が高いものを使用している。本発明は、これらの条件を満たすことにより、大きな引張力が発生した際に、定着筋と充填材との間に、また、充填材と孔壁との間に、付着破壊を発生させず、その代わりに定着筋が降伏して伸びる構造を実現している。一旦付着破壊が発生すると、以降は破壊された部位の定着筋は、荷重を維持することができないが、降伏して伸びた鉄筋は荷重を維持し続けることが可能である。したがって、従来の構造よりも確実に引張力を伝達し続けることが可能である。
また、孔壁と定着筋の間に十分な間隙が設けられる程度に、孔の径Hは十分に大きくなっている。これにより、充填材を密実に充填することが可能となり、施工が容易となる。
また、充填材として無機系材料を使用している。上記のような構成は、上述したように高い定着性能を有しているため、充填材を膨張させて圧力を発生させるために、無機系材料に対して、膨張材を特殊に配合する必要がない。これにより、材料費を低減することが可能である。特に、孔に充填材を充填した後に定着筋を挿入する場合を考えると、高価な充填材を使用する際には、定着筋により押しだされて孔から溢れ出る無駄な充填材がないように、孔への充填量を正確に計算する必要があるし、充填量を懸念するあまり充填量が少なくなり、充填材が密実に充填されない可能性もある。安価な無機系材料を使用することによって、このような懸念をなくし、施工を容易にすることも可能である。
したがって、上記の構成によって、確実な引張力の伝達、施工の容易性、及び材料費の低減を両立させることが可能である。
また、孔への充填材の充填が、充填材が封入されたカプセルを挿入するカプセル方式ではなく、充填材を孔の中に直接注入する注入方式によって行われるため、孔が深い場合であっても、孔の中全体に確実に充填材を充填することが可能であり、また、カプセル方式の場合に生じ得た、カプセルを構成する物質の孔内への残留をなくすことが可能となる。これによって、施工を確実にし、かつ、引張力の伝達性能を更に高めることができる。
更に、孔の径Hは、τbsu(c)/τbhu×dまたはK×d以上の、十分な大きさを有しているため、孔壁の表面積が大きくなり、単位面積当たりで負担すべき付着強度が小さくなる。したがって、孔壁表面が凹凸を有さずとも、定着構造全体で十分に強い付着性能を実現することができるため、穿孔にコアドリルを使用することが可能となり、施工時の騒音を低減することができる。
例えば、定着具2aは必ずしも設置されなくてもよい。上記の実施形態において説明したように、数5、及び数7に記載の条件は、定着具2aがない場合に基づいているからである。ただし、定着具2aが設置された方が、定着性能を更に向上させることができるため、向上した定着性能に相当する分だけ、定着長さを短くすることが可能となる。
また、定着具2aが設置されたとしても、その形状は円形に限られない。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
2 定着筋
3 既存構造躯体
4 孔
5 充填材
21 増打部
22 型枠
Claims (3)
- 鉄筋コンクリート製の既存構造躯体に、新たな構造躯体を増築するに際し、
前記既存構造躯体のコンクリートに孔を設けること、
前記孔に注入方式により充填材を充填すること、
前記孔に定着筋を挿入すること、を含む、定着筋の定着方法であって、
前記孔の深さを、前記定着筋の直径dの15倍以上となるように決定し、
前記孔の直径Hを、以下の式(1)または(2)を用いて算出して決定し、
H≧τbsu(c)/τbhu×d (1)
H≧K×d (2)
(ただし、τbsu(c)は前記定着筋周長におけるコンクリートに対する単位面積あたりの付着強度、τbhuは前記孔の壁面における単位面積あたりの付着強度、Kは前記定着筋表面のコンクリートに対する付着抵抗と前記孔の壁面における付着抵抗の比である。)
前記充填材として、前記既存構造躯体のコンクリートよりも圧縮強度が高い無機系材料を使用する、定着筋の定着方法。 - 前記定着筋の挿入端に、該定着筋の直径dよりも大きな定着具が接合されている、請求項1に記載の定着筋の定着方法。
- 前記孔の壁面は粗面処理されている、請求項1または2に記載の定着筋の定着方法。
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Family Applications (1)
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