JP6631523B2 - 紫外線硬化性樹脂組成物及びこれを用いる積層体 - Google Patents

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Description

本発明は紫外線硬化性樹脂組成物及びこれを用いる積層体に関する。
従来、金属層の損傷を防ぐ目的から、金属層の上に紫外線硬化性樹脂組成物を塗装しハードコート層を形成することが知られている。
本出願人はこれまでに、2官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)と重量平均分子量10,000〜140,000のポリ(メタ)アクリル酸エステル(B)と光反応樹脂(C)と光重合開始剤(D)とを含有し、前記2官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)はジイソシアネート(a1)に特定の式で表される(メタ)アクリル酸エステル(a2)を反応させることによって得られ、前記2官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)と前記ポリ(メタ)アクリル酸エステル(B)と前記光反応樹脂(C)と前記光重合開始剤(D)との合計100質量部中、前記(A)成分の量が40〜70質量部、前記(B)成分の量が10〜40質量部、前記(C)成分の量が10〜40質量部、前記(D)成分の量が1〜10質量部である紫外線硬化型樹脂組成物を提案した(特許文献1)。
特開2012−77273号公報
しかし、従来の紫外線硬化性樹脂組成物は金属との密着性について昨今要求されているレベルを必ずしも満足しない場合があることを本発明者らは明らかとした。
そこで、本発明は、金属との密着性に優れる紫外線硬化性樹脂組成物及びこれを用いる積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、
(A)1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物と、
(B)モノスルフィド結合と加水分解性シリル基とを有し、前記モノスルフィド結合と前記加水分解性シリル基が有するケイ素原子とが結合するモノスルフィド化合物と、
(C)光重合開始剤と、
(D)有機溶剤とを含有し、
前記モノスルフィド化合物の量が、前記多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物100質量部に対して、0.1〜15質量部である、紫外線硬化性樹脂組成物が、金属との密着性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
1. (A)1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物と、
(B)モノスルフィド結合と加水分解性シリル基とを有し、前記モノスルフィド結合と前記加水分解性シリル基が有するケイ素原子とが結合するモノスルフィド化合物と、
(C)光重合開始剤と、
(D)有機溶剤とを含有し、
前記モノスルフィド化合物の量が、前記多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物100質量部に対して、0.1〜15質量部である、紫外線硬化性樹脂組成物。
2. 前記多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物が、1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基と少なくとも1個以上のウレタン結合とを有する(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物a1を含む、上記1に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
3. 前記モノスルフィド化合物が、更に、第2の加水分解性シリル基を有する、上記1又は2に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
4. 前記モノスルフィド化合物が、下記式(1)で表される化合物である、上記1〜3のいずれか1つに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。

(式中、R1、R2は各々独立にヘテロ原子を有してもよい炭化水素基であり、nは各々独立に1〜3の整数であり、R3は炭化水素基である。)
5. 更に、(E)シリカを含有する、上記1〜4のいずれか1つに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
6. 前記シリカの平均1次粒子径が200nm以下である、上記5に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
7. 前記シリカの量が、前記多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物100質量部に対して、1〜50質量部である、上記5又は6に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
8. 前記シリカが予め疎水化処理されたものである、上記5〜7のいずれか1つに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
9. 電極用フィルムに使用される、上記1〜8のいずれか1つに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
10. 金属層と、硬化膜とを有する積層体であって、
前記硬化膜が、上記1〜9のいずれか1つに記載の紫外線硬化性樹脂組成物を用いて形成される、積層体。
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物及び本発明の積層体は、金属との密着性に優れる。
図1は、本発明の積層体の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の積層体の別の一例を模式的に示す断面図である。
[紫外線硬化性樹脂組成物]
本発明について以下詳細に説明する。
まず、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物について以下に説明する。
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物(本発明の組成物)は、
(A)1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物と、
(B)モノスルフィド結合と加水分解性シリル基とを有し、前記モノスルフィド結合と前記加水分解性シリル基が有するケイ素原子とが結合するモノスルフィド化合物と、
(C)光重合開始剤と、
(D)有機溶剤とを含有し、
前記モノスルフィド化合物の量が、前記多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物100質量部に対して、0.1〜15質量部である、紫外線硬化性樹脂組成物である。
本明細書において、(A)多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物を、多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物、(A)又は(A)成分ということがある。(B)〜(E)として記載された成分についても同様である。
また、金属との密着性に優れることを、本発明の効果に優れるということがある。
本発明の組成物は、多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物に対してモノスルフィド化合物を用いることによって金属との密着性に優れる。
これは、モノスルフィド化合物が有する、モノスルフィド結合とケイ素原子との結合(S−Si)が、加水分解することによって、メルカプト基を有するメルカプト基含有化合物とヒドロキシ基及び加水分解性基を有するシラン化合物とを生成し、このように生成した、メルカプト基含有化合物及びシラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が金属との接着に寄与すると考えられるからである。
一般的に、多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物を含有する組成物に密着性能の付与目的でメルカプト基含有シランカップリング剤(メルカプトシラン)を添加すると、(メタ)アクリロイルオキシ基とメルカプトシランのメルカプト基が貯蔵中に反応してしまい、配合直後と比べて貯蔵後の粘度が上昇してしまうという問題があった。
このように、メルカプトシランは経時で多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物と反応するため、多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物と結合したメルカプトシランは、そのモビリティ(組成物が固まる前に、被着体表面と組成物との界面へ、メルカプトシランのような接着付与剤が到達する機動性(駆動能力)を意味する。)が損なわれ、接着剤塗工後に、界面(接着剤層/被着体)へ速やかに移行しにくくなると考えられる。
その結果、多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物とメルカプトシランとを含有する組成物は、貯蔵後では必ずしも十分な密着性(接着強度)を発現できなかった。
このため、多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物とメルカプトシランとを分けて保存する場合、作業現場で混合する必要があり作業性が悪かった。
また、従来メルカプトシランは通常臭気がきつく、メルカプトシランを使用することによって作業環境が悪くなった。
このように、従来、貯蔵安定性等を考慮するとメルカプトシランを多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物に使用することは困難であった。
これに対して、本発明の組成物に含有されるモノスルフィド化合物は、加水分解を受ける前は、メルカプト基が保護されているため、多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物に対して安定であり、貯蔵安定性に優れ、モビリティも良好であり、作業性に優れる。
また、本発明の組成物に含有されるモノスルフィド化合物は、メルカプト基が保護されているため、臭気がほとんどなく当該化合物を使用しても作業環境を悪くすることがない。
<(A)多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物>
多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物について以下に説明する。
本発明の組成物に含有される多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物は、1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物である。
なお、「(メタ)アクリロイルオキシ基」とは、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)またはメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を意味するものとし、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを意味するものとする。
多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物が1分子中に有する(メタ)アクリロイルオキシ基の数は、本発明の効果により優れ、塗装性(塗工性)、塗膜外観、添加剤との相溶性、表面硬度に優れるという観点から、2〜15個であることが好ましく、4〜12個であることがより好ましい。
多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物において、(メタ)アクリロイルオキシ基は有機基に結合することができる。有機基は特に制限されない。例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有してもよい炭化水素基が挙げられる。炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はこれらの組み合わせが挙げられる。炭化水素基が有する炭素原子又は水素原子の少なくとも1個が、置換基と置き換わってもよい。
置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基、ハロゲンのような1価の置換基;エーテル結合、イミノ結合、スルフィド結合、ポリスルフィド結合、ウレタン結合、ウレア結合、エステル結合、アミド結合のような2価の置換基が挙げられる。
多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物が1分子中に有することができる上記置換基の数は、本発明の効果により優れ、塗装性(塗工性)、塗膜外観、添加剤との相溶性、表面硬度に優れるという観点から、1〜10個であることが好ましく、2〜5個であることがより好ましい。1分子あたりの置換基の数は、0個であってもよい。
多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物は、本発明の効果により優れ、硬化性(光重合性)、反応性(短時間で光重合が可能)、表面硬度等に優れるという観点から、1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基と少なくとも1個以上のウレタン結合とを有する(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物a1、及び、1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物a2(前記(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物a1を除く。)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物a2は、1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物である。なお、本発明において、(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物a2から(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物a1を除く。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物a2は、1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基が炭化水素基に結合した化合物であることが好ましい。炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。炭化水素基は不飽和結合を有することができる。炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらの組合せが挙げられる。炭化水素基は有する炭素原子数の数は2〜8であることが好ましい。2つの炭化水素基が例えば酸素原子を介して結合してもよい。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物a2としては、例えば、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのような3官能系化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのような4官能系化合物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレートのような5官能以上の化合物が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物a2はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物a1は、1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基と少なくとも1個以上のウレタン結合とを有する化合物である。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物a1としては、例えば、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルとポリイソシアネート化合物との反応物が挙げられる。
ここで、ウレタン(メタ)アクリレートを製造する際に使用される、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、上述した多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルのうち、少なくとも1つのヒドロキシ基を有するものが挙げられる。
また、ウレタン(メタ)アクリレートを製造する際に使用される、ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの芳香族系ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂肪族系ポリイソシアネート(脂環式ポリイソシアネートを含む。);これらのイソシアヌレート体、ビューレット体、アダクト体;等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物a2はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の組合せとしては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物a2と(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物a1との組合せが挙げられ、具体的には例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと脂肪族系ポリイソシアネートとの反応物及びペンタエリスリトールトリアクリレートと脂肪族系ポリイソシアネートとの反応物からなる群から選ばれる少なくとも1種と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及びペンタエリスリトールトリアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種との組合せが挙げられる。
多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物はその製造方法について特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
モノスルフィド化合物について以下に説明する。
本発明の組成物に含有されるモノスルフィド化合物は、モノスルフィド結合と加水分解性シリル基とを有し、上記モノスルフィド結合と上記加水分解性シリル基が有するケイ素原子とが結合する化合物である。
加水分解性シリル基が有する加水分解性基(加水分解性基はケイ素原子に結合する。)は特に制限されない。加水分解性基としては例えば、R−O−で表される基(Rはヘテロ原子を有してもよい炭化水素基である。)が挙げられる。Rで表される炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基(例えば炭素数6〜10のアリール基)、これらの組合せが挙げられる。炭化水素基は例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有してもよい。
Rはアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。
1個の加水分解性シリル基が有する加水分解性基の数は1〜3個とすることができる。金属への密着性により優れるという観点から、1個の加水分解性シリル基が有する加水分解性基の数は3個であることが好ましい。
加水分解性シリル基はアルコキシシリル基が好ましい。
1個の加水分解性シリル基が有する加水分解性基の数が1〜2個である場合、加水分解性基以外に、当該加水分解性シリル基のケイ素原子に結合することができる基は特に制限されない。例えば、ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基が挙げられる。炭化水素基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜20のアルキル基)、シクロアルキル基、アリール基(例えば炭素数6〜10のアリール基)、アラルキル基(例えば炭素数7〜10のアラルキル基)、アルケニル基(炭素数2〜10のアルケニル基)、これらの組合せが挙げられる。
炭化水素基がヘテロ原子を有する場合、例えば、炭素数2以上の場合炭化水素基の中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子若しくはヘテロ原子を有する官能基(例えば、2価以上の官能基)に置換されてもよく、又は、炭化水素基(この場合炭素数は制限されない)の中の水素原子の少なくとも1つがヘテロ原子を含む官能基(例えば、1価の官能基)に置換されてもよい。
モノスルフィド結合において、上記の加水分解性シリル基以外に当該モノスルフィド結合に結合する基は特に制限されない。
モノスルフィド化合物は、金属への密着性により優れるという観点から、モノスルフィド結合に結合する加水分解性シリル基とは別に、更に、第2の加水分解性シリル基を有することが、好ましい態様の1つとして挙げられる。
第2の加水分解性シリル基は、モノスルフィド結合に結合する加水分解性シリル基と同様である。
第2の加水分解性シリル基は、モノスルフィド結合と、炭化水素基を介して結合することができる。炭化水素基は特に制限されない。炭化水素基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜10のアルキル基)、シクロアルキル基、アリール基、これらの組合せが挙げられる。炭化水素基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよい。
モノスルフィド化合物は、金属への密着性により優れるという観点から、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。

(式中、R1、R2は各々独立にヘテロ原子を有してもよい炭化水素基であり、nは各々独立に1〜3の整数であり、R3は炭化水素基である。)
1としてのヘテロ原子を有してもよい炭化水素基は、上記のR−O−で表される基が有するR(ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基)と同様である。
2としてのヘテロ原子を有してもよい炭化水素基は、上記の、1個の加水分解性シリル基が有するアルコキシ基の数が1〜2個である場合、加水分解性シリル基のケイ素原子に結合することができる基としてのヘテロ原子を有してもよい炭化水素基と同様である。
nは各々独立に3であることが好ましい。
3としての炭化水素基は、上記の、第2の加水分解性シリル基とモノスルフィド結合とを介する炭化水素基と同様である。当該炭化水素基としては例えば、−Cm2m−が挙げられる。mは1〜5の整数であることが好ましい。
モノスルフィド化合物は、金属への密着性により優れるという観点から、下記式(2)で表される化合物であることが好ましい。
モノスルフィド化合物が例えば式(2)で表される化合物である場合、当該化合物が加水分解することによってメルカプト基含有化合物(3)とシラン化合物(4)が生成すると考えられる。
モノスルフィド化合物はその製造方法について特に制限されない。例えば、メルカプトシランとテトラアルコキシシランをアミン系や金属系の触媒存在下で加温し、生じるアルコールを連続的または非連続的に留去するなどの従来公知のものが挙げられる。
モノスルフィド化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
モノスルフィド化合物の量は、多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物100質量部に対して、0.1〜15質量部であり、金属への密着性により優れ、塗膜外観、貯蔵安定性に優れ、ヘイズを低くすることができるという観点から、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.1〜8質量部であることがより好ましい。
<(C)光重合開始剤>
光重合開始剤について以下に説明する。
本発明の組成物に含有される光重合開始剤は、光によってエチレン性官能基(例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基)を重合させうるものであれば特に限定されない。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、硫黄化合物、アゾ化合物、パーオキサイド化合物、ホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。具体的には、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4′−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロなどのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物等が挙げられる。
なかでも、光安定性、光開裂の高効率性、表面硬化性、相溶性、低揮発、低臭気という点から、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンが好ましい。
光重合開始剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
光重合開始剤の量は、多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物100質量部に対して、0.1〜15質量部であることが好ましく、2〜5質量部がより好ましい。
<(D)有機溶剤>
有機溶剤について以下に説明する。
本発明の組成物に含有される有機溶剤は、特に制限されない。例えば、ケトン;エーテル;エステル;イソプロピルアルコール(IPA)のようなアルコール;シクロヘキサンのようなシクロアルカン;トルエン、キシレン、ベンジルアルコールのような芳香族炭化水素化合物が挙げられる。
なかでも、多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物及びモノスルフィド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種との溶解性、液外観に優れるという観点から、有機溶剤が、ケトン及びエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
ケトンとしては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチケトン(MIBK)、シクロヘキサノンが挙げられる。
エステルとしては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。
有機溶剤の量は、本発明の効果により優れ、相溶性に優れるという観点から、多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物100質量部に対して、20〜400質量部であることが好ましく、100〜250質量部であることがより好ましい。
(シリカ)
本発明の組成物は、アンチブロック性、易滑性に優れるという観点から、更に、(E)シリカを含有することが好ましい。
シリカは、易滑性、アンチブロック性に優れるという観点から、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカが好ましい。
シリカは、多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物への分散性、液外観、塗膜外観 に優れるという観点から、疎水性であることが好ましい。
シリカの平均1次粒子径は、多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物への分散性、液外観、塗膜外観、易滑性、アンチブロック性に優れるという観点から、200nm以下であることが好ましく、10〜100nmであることがより好ましい。
シリカがコロイダルシリカである場合、コロイダルシリカの平均1次粒子径を100nm前後以上とすることができ、70〜120nmであることが好ましい。
本発明において、シリカの平均1次粒子径は、島津製作所社製のナノ粒子径分布測定装置SALD−7100を用いてレーザー回折・散乱法で測定され、その体積累積径より算出された値である(d50)。
シリカは、液外観、塗膜外観に優れるという観点から、疎水化処理されたものであることが好ましい。疎水化処理の方法は特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
また、シリカは、例えば、(メタ)アクリレート基、エポキシ基又はメルカプト基を有するシランカップリング剤と予め混合した混合物;シリカと(A)の一部とを予め混合した混合物であってもよい。この場合、多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物への分散性、液外観、塗膜外観に優れる。
シリカの形態としては例えば、シリカ分散体が挙げられる。シリカを分散させる分散媒は特に制限されない。例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン;アルコール;エーテル;アルキレングリコールモノアルキルエーテルが挙げられる。
シリカはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
シリカの量は、液外観、塗膜外観、易滑性、アンチブロック性に優れるという観点から、多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましく、3〜30質量部であることがより好ましい。
(金属密着付与剤)
本発明の組成物は更に金属密着付与剤を含有することができる。金属密着付与剤は金属との密着性を向上させるものであれば特に制限されない。なお本発明において、金属密着性付与剤は上記モノスルフィド化合物を含まない。
金属密着付与剤としては、例えば、官能基(例えば、カルボン酸基、アミノ基)を有するポリマー、又は、官能基(例えば、カルボン酸基、アミノ基)を有するポリマー塩が挙げられる。上記ポリマー又はポリマー塩は、ホモポリマー、コポリマーのいずれであってもよい。金属密着付与剤の形態は特に制限されないが、例えば溶液が挙げられる。
金属密着付与剤として市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、BYK−4509(酸基を有するポリマー塩)、BYK−4510(酸基を有するコポリマー)、BYK−4512(官能基を有するポリマー溶液)(いずれも、ビックケミージャパン社製)が挙げられる。
金属密着付与剤の量は、多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましい。
(固形分濃度)
本発明の組成物の固形分濃度は、本発明の効果により優れ、塗膜外観(レベリング性)、光学特性に優れるという観点から、組成物中の20〜80質量%であることが好ましく、35〜65質量%であることがより好ましい。本発明において、固形分には、(A)、(B)が含まれる。本発明の組成物が更に(E)を含有する場合、固形分には、更に(E)が含まれる。本発明の組成物が更に金属密着付与剤を含有する場合、固形分には、更に金属密着付与剤が含まれる。なお本発明において、光重合開始剤は固形分に含まれない。
(その他の添加剤)
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、更に添加剤を含有することができる。添加剤としては例えば、(A)以外のエチレン性化合物、(B)以外のシランカップリング剤、紫外線吸収剤、充填剤、老化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、艶消し剤、光安定剤、染料、顔料が挙げられる。
(製造方法)
本発明の組成物は、その製造方法について特に制限されない。例えば、上記(A)〜(D)、必要に応じて使用することができる、(E)、添加剤を均一に混合することによって製造することができる。
(用途等)
本発明の組成物は、例えば、プラスチック表面保護剤、アンダーコート剤、ハードコート塗料、ハードコート剤、紫外線硬化型塗料、プライマー組成物等として使用できる。
また、本発明の組成物は例えば、電極用フィルムに使用することができる。
本発明の組成物を適用することができる基材の材質は特に制限されない。例えば、プラスチック、ゴム、ガラス、金属、セラミックなどが挙げられる。基材の形態は、例えば、フィルムとすることができる。
本発明の組成物を適用することができる金属としては例えば、銅、アルミニウム、錫や上記で挙げた金属の合金等が挙げられる。
金属層の形成方法は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
本発明の組成物を適用することができるプラスチックは熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれであってもよい。プラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィン系重合体(単独重合体、共重合体、水素添加物を含む。)、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA樹脂)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂のような難接着性樹脂が挙げられる。
基材は、例えばコロナ処理のような表面処理がなされていてもよい。
本発明の組成物を基材に適用する方法(適用方法)は、特に限定されず、例えば、はけ塗り、流し塗り、浸漬塗り、スプレー塗り、スピンコート等の公知の塗布方法を採用できる。
本発明の組成物の硬化方法としては紫外線による硬化方法が挙げられる。本発明の組成物を紫外線照射によって硬化させる場合、本発明の組成物を硬化させる際に使用する紫外線の照射量(積算光量)としては、速硬化性、作業性の観点から、50〜3,000mJ/cm2が好ましい。紫外線を照射するために使用する装置は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。硬化させるに際し加熱を併用してもよい。
[積層体]
次に、本発明の積層体について以下に説明する。
本発明の積層体は、金属層と、硬化膜とを有する積層体であって、上記硬化膜が、上述した本発明の組成物を用いて形成される積層体である。
本発明の積層体は、本発明の組成物を用いて形成される硬化膜を有するため、金属との密着性に優れる。
<金属層>
上記金属層は特に限定されない。上記と同様のものが挙げられる。金属層の厚さは特に制限されない。金属層の厚さは0.01〜100μm程度であることが好ましい。
<硬化膜>
上記硬化膜は本発明の組成物を用いて形成されるものであれば特に制限されない。硬化膜の厚さは特に制限されない。硬化膜の厚さは0.01〜50μm程度であることが好ましい。硬化膜は例えばアンダーコート層、ハードコート層となってもよい。
また、本発明の積層体の別の一例として、例えば、基材(例えば、プラスチック)の上に本発明の組成物から形成されるアンダーコート層を有し、アンダーコート層の上に金属層を有する積層体が挙げられる。プラスチックとしては上記と同様のものが挙げられる。
また、本発明の積層体の別の一例として、例えば、基材(例えば、プラスチック)の上に本発明の組成物から形成されるアンダーコート層を有し、アンダーコート層の上に金属層を有し、金属層の上に本発明の組成物から形成されるハードコート層を形成する積層体が挙げられる。
本発明の積層体の構成について、添付の図面を用いて以下に説明する。本発明は添付の図面に制限されない。
図1は、本発明の積層体の一例を模式的に示す断面図である。
図1において、積層体100は、金属層102と、本発明の組成物を用いて形成される硬化膜104とを有する。
図2は、本発明の積層体の別の一例を模式的に示す断面図である。
図2において、積層体200は、基材202(例えばプラスチック)の上に本発明の組成物から形成されるアンダーコート層206を有し、アンダーコート層206の上に金属層204を有する。
(製造方法)
本発明の積層体の製造方法は、例えば、基材(例えば、金属層、プラスチック)に、本発明の組成物を塗工し、乾燥し、紫外線を照射する工程を有する方法が挙げられる。
ここで、本発明の組成物を塗工する方法は特に限定されず、例えば、はけ塗り、流し塗り、浸漬塗り、スプレー塗り、スピンコート等の公知の塗布方法を採用できる。
また、塗工後に乾燥させる温度は、20〜110℃であることが好ましい。
また、乾燥後の紫外線照射は、本発明の組成物を硬化させる際に使用する紫外線の照射量(積算光量)として、速硬化性、作業性の観点から、50〜3,000mJ/cm2が好ましい。紫外線を照射するために使用する装置は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。硬化させるに際し加熱を併用してもよい。
本発明の積層体は、例えば、電極として使用することができる。
このような電極は電子画像表示装置、太陽電池モジュール部材等に使用することができる。
電子画像表示装置としては、例えば、パソコン、テレビ、タッチパネル、ウェラブル端末(例えば、眼鏡型、腕時計型などの身体に身につけることが可能なコンピューター端末)などのディスプレイ用途電子デバイス部品が挙げられる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
<組成物の製造>
下記第1表の各成分を同表に示す組成(質量部)で、撹拌機を用いて混合し、組成物を製造した。
なお、第1表の固形分(%)の欄に各成分の固形分含有量(質量%)を示した。(A)、(E)は固形分の他、有機溶剤を含む形態で使用された。第1表において各実施例で示した(A)、(E)の量は有機溶剤を除いた固形分の量である。(A)の固形分にはDPPA−HDI、PETA−IPDI、DPHA及びDPPAが含まれる。
<評価>
上記のとおり製造された組成物を用いて以下の評価を行った。結果を第1表に示す。
(Cu密着性)
上記のようにして製造された各組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム(PET生地:商品名A−4300、東洋紡社製、210mm×297mm、厚さ125μm)にバーコーターを用いて塗布し、塗布後、得られた試験体を80℃の条件下で1分間乾燥させ、これに川口スプリング製作所社製のGS UV SYSTEMを用いて紫外線(UV)を照射(UV照射条件:照度300mW/cm2、積算光量300mJ/cm2、UV照射装置は高圧水銀灯)して組成物を硬化させて硬化膜を形成した。硬化膜の膜厚は3μmであった。
上記のようにして製造された硬化膜の上に真空蒸着法でCuを蒸着させ金属層(Cuの膜厚:0.1〜0.5μm)を形成して積層体を製造した。
上記のとおり製造された積層体を用いて碁盤目剥離試験を以下のとおり行った。まず、金属層の上からカッターで切り目を入れて、1mm間隔の基盤目100個(縦10列×横10列)を作り、基盤目上にセロハン粘着テープ(幅18mm)を完全に付着させ、テープを積層体から瞬間的に引き離し、完全に剥がれないで残った基盤目の数を調べた。碁盤目の全数(100個)を分母とし残った基盤目の数を分子として結果を示した。この結果を初期密着性とする。
また、上記のとおり製造された積層体を98℃の条件下に3時間置いた後、上記と同様に碁盤目剥離試験を行った。結果を「98℃×3時間後の密着性」として示した。
(塗膜外観)
上記のようにして製造された各組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム(PET生地:商品名A−4300、東洋紡社製、210mm×297mm、厚さ125μm)にバーコーターを用いて塗布し、これを80℃の条件下で1分間乾燥させた後、これに川口スプリング製作所社製のGS UV SYSTEMを用いて紫外線(UV)を照射(UV照射条件:照度300mW/cm2、積算光量300mJ/cm2、UV照射装置は高圧水銀灯)して組成物を硬化させて硬化膜を形成し、積層体を製造した。積層体が有する硬化膜の膜厚は5μmであった。
上記のとおり製造した積層体の硬化膜を目視で観察した。
異物、ハジキ及び濁りが発生しない場合を硬化膜(塗膜)の外観に優れるとして「〇」と評価した。
異物、ハジキ又は濁りが発生する場合を硬化膜(塗膜)の外観が悪いとして「×」と評価した。
(アンチブロック性)
まず、上記塗膜外観を評価するために製造した積層体と同様に製造した積層体から、複数枚のサンプル(50mm×50mm)を切り出した。次に、2枚のサンプルを、一方のサンプルの硬化膜と、他方のサンプルのPETフィルムとが接する向きで重ねて擦り合わせ、アンチブロック性を評価した。
アンチブロック性の評価基準は、2枚のサンプルが貼り付かず互いによく滑る場合には「◎」、一部が貼り付いたが5回以内強くこすり合わせると滑り始めた場合には「〇」、6回以上強くこすり合わせても2枚のサンプルが貼り付いたままの場合には「×」とした。「◎」または「〇」であれば、アンチブロック性に優れるものとして評価できる。
(全光線透過率)
ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、上記のとおり塗膜外観を評価するために製造した積層体と同様に製造した積層体の全光線透過率をJIS K 7361に準じて測定した。サンプル数n=3の平均値として結果を示す。
全光線透過率は90%以上であることが好ましい。
(ヘイズ)
ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、上記のとおり塗膜外観を評価するために製造した積層体と同様に製造した積層体のヘイズをJIS K 7105に準じて測定した。サンプル数n=3の平均値として結果を示す。
本発明において、ヘイズが1.0以下である場合、曇りがなく透明性に優れる。
(貯蔵安定性)
上記のとおり製造された組成物を密閉状態で50℃の条件下に2ケ月置き、2ケ月後の組成物の状態を観察した。
以下の場合を貯蔵安定性に優れるとして「○」と評価した。
・上記2ケ月後の組成物にゲル化及び濁りがなかった場合
以下の(i)〜(iii)のいずれかである場合を貯蔵安定性に劣るとして「×」と評価した。
(i)上記2ケ月後の組成物にゲル化があった場合
(ii)上記2ケ月後の組成物に濁りがあった場合
(iii)上記2ケ月後の組成物を用いる他は上記塗膜外観の評価と同様の評価を行い、2ケ月後の組成物を用いて得られた塗膜に異物又はハジキが生じた場合
以下の場合を貯蔵安定性に非常に劣るとして「××」と評価した。
・上記2ケ月後の組成物のゲル化が塗膜にできないほど進行した場合
第1表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
・多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物:DPPA−HDI15質量部(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応物。1分子中アクリレート基を10個有し、ウレタン結合を2個有する。)と、PETA−IPDIヌレート15質量部(ペンタエリスリトールトリアクリレートとイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体との反応物。1分子中アクリレート基を9個有し、ウレタン結合を3個有する。)と、DPHA50質量部(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)と、DPPA20質量部(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート)と、有機溶剤としての酢酸エチル及び酢酸ブチルとの混合物。
・モノスルフィド化合物:下記式(2)で表される化合物。

・SH基含有シランカップリング剤:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン。商品名KBM−803、信越化学工業社製。
・光重合開始剤:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イルガキュア 184(BASF社製)
・シリカ:疎水性ヒュームドシリカ(平均1次粒子径16nm、商品名AEROSIL R972、日本アエロジル社製)20質量部と、分散媒としてのシクロヘキサノン80質量部とを混合した分散体。
・有機溶剤1:メチルエチルケトン
・有機溶剤2:酢酸エチル
第1表に示す結果から明らかなように、モノスルフィド化合物を含有しない比較例1、2は、金属への密着性がなかった。
モノスルフィド化合物を含有せず代わりにメルカプト基含有シランカップリング剤を含有する比較例3、4は、金属への密着性が低かった。
モノスルフィド化合物が所定の量より少ない比較例5は、金属への密着性が低かった。
これに対して、実施例1〜11は、金属への密着性に優れた。
さらにシリカを含有する実施例4は実施例2よりアンチブロック性に優れた。
また、シリカを特定の量で含有する実施例4〜6は実施例7より塗膜外観、貯蔵安定性に優れた。
モノスルフィド化合物の量が実施例10、11より少ない実施例1〜3は、実施例10、11よりも塗膜外観、貯蔵安定性に優れた。
100、200 積層体
102、204 金属層
104 硬化膜
202 基材
206 アンダーコート層

Claims (7)

  1. (A)1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物と、
    (B)モノスルフィド結合と加水分解性シリル基とを有し、前記モノスルフィド結合と前記加水分解性シリル基が有するケイ素原子とが結合するモノスルフィド化合物と、
    (C)光重合開始剤と、
    (D)有機溶剤とを含有し、
    前記多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物が、1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基と少なくとも1個以上のウレタン結合とを有する(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物a1を含み
    前記モノスルフィド化合物が、下記式(2)で表される化合物であり、
    前記モノスルフィド化合物の量が、前記(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物a1100質量部に対して、0.1〜15質量部である、紫外線硬化性樹脂組成物。
  2. 更に、(E)シリカを含有する、請求項1記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  3. 前記シリカの平均1次粒子径が10nm以上200nm以下である、請求項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  4. 前記シリカの量が、前記多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物100質量部に対して、1〜50質量部である、請求項又はに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  5. 前記シリカが予め疎水化処理されたものである、請求項のいずれか1項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  6. 電極用フィルムに使用される、請求項1〜のいずれか1項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  7. 金属層と、硬化膜とを有する積層体であって、
    前記硬化膜が、請求項1〜のいずれか1項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物を用いて形成される、積層体。
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