JP6631399B2 - 低窒素溶鉄の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気炉を用いて窒素濃度が30ppm未満の低窒素鋼を安定的に溶製する低窒素溶鉄の製造方法に関する。
従来、低窒素鋼の製造工程は、RH法などに代表される真空脱ガス法によって製造されることを前提に設計されてきた。しかし、これら真空脱ガス技術による脱窒精錬を工業的に実施する際には、周囲の空気が真空槽内へ侵入することに伴って吸窒の影響を受ける。このため、例えば現行の電気炉にて製造される溶鋼の窒素濃度は通常60〜100ppmであり、この後に真空脱ガス法を用いた場合でも、窒素濃度の低減限界は40ppm程度である。
一方で、自動車用ボディー用鋼材に代表される近年の高級鋼では、必要とされる窒素濃度は30ppm以下のものが要求される場合が多い。そこで、対策として一般的には、高炉−転炉法によって転炉で脱炭時に大量に発生するCOガスによって空気の侵入を防止すること、および気液界面積を増大させることによってのみ安定的に低窒素鋼を製造することができた。
一方、電気炉法で窒素濃度を低下させる技術も提案されている。例えば特許文献1には、電気炉で脱炭反応を発生させて発生するCOガスのシール効率を高める操業が提案されている。この技術においては、大量のフォーミングを発生させるために電気炉において多くのスラグを必要とする。現在はスラグの発生量を削減することが要求されており、このような状況においては有利な操業とは言えない。
また、特許文献2には、電気炉内でCOガスを発生させることによるシール効果を充分に得るために、炭素濃度が1重量%以上でかつ溶鋼温度が1500℃以上になった時点で通電を一旦停止して浸漬型酸素ランスによる脱炭を行う操業方法が提案されている。しかしながらこの技術では、高温、かつ高炭素濃度の条件まで溶鉄を製造した後に脱窒処理を実施する必要があるため、操業制約を伴いエネルギー効率を悪化したり、タップ時間が延長したりしてしまう。
更に、特許文献3には、脱窒反応に対し、表面吸着元素である酸素および硫黄の影響を考慮した適正操業方法が示されている。ところが、この手段を実施するためには、極めて限られた酸素および硫黄の濃度範囲を維持する必要があり、成分のばらつきある現状の製鋼工場の操業に用いるためには、事前の成分調整などが必要となるために、生産性およびコスト面で制約を伴う。
特許第3743095号公報 特開平10−46226号公報 特開平8−225819号公報
上述のように、転炉法を用いず、現在要求されている低窒素鋼を安定的に製造するためには、操業制約およびコスト面での課題が大きい。
本発明は前述の問題点を鑑み、スラグの発生量が多くならないようにして、かつ安定的に電気炉を用いて低窒素溶鉄を製造する低窒素溶鉄の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
(1)上部電極の真下に撹拌ガスを吹き込む羽口が設置された電気炉を用いて、前記電気炉内にランスから酸素ガスを吹き込み、以下の1式〜3式で規定した条件で脱窒処理を行うことを特徴とする低窒素溶鉄の製造方法。
1.2≦Fg≦18.0 ・・・・・・・・・・・・・ 1式
g=F0×K ・・・・・・・・・・・・・ 2式
K=Ac/Ad (但し、Ac>Adの場合はK=1) ・・・・・・・ 3式
ここで、Fgは前記上部電極からのアークによって形成されるアークスポットに到達する溶鉄1t当たりの前記撹拌ガスの合計流量(Nl/(min・t))を表し、F0は溶鉄1t当たりの前記撹拌ガスの合計流量(Nl/(min・t))を表す。また、Acは前記アークスポットの総面積(m2)を表し、Adは前記撹拌ガスによって形成されるバブリング撹拌域の総面積(m2)を表す。
(2)前記電気炉内において複数のアークスポットおよびバブリング撹拌域を形成して脱窒処理を行うことを特徴とする前記(1)に記載の低窒素溶鉄の製造方法。
(3)前記脱窒処理において、前記電気炉内における排ガス中の窒素濃度を5体積%以下に維持し続けることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の低窒素溶鉄の製造方法。
本発明によれば、窒素濃度が30ppm以下の低窒素溶鉄を、電気炉を用いて安定的に製造することができる。
交流型アーク電気炉の内部構造を説明するための図である。 アークスポットがバブリング撹拌域内に包括されている様子を示す図である。 アークスポットの位置とバブリング撹拌域の位置との関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図1を参照しながら説明する。なお、本発明は、ここに示す実施形態に限られるものではなく、上記課題を解決のための手段において、直流アーク電気炉などでも適宜実施できるものである。
図1は、交流型アーク電気炉の内部構造を説明するための図である。図1に示すように、交流電源4から上部電極3に電流が供給され、上部電極3から形成されるアークによって、耐火物炉体1の中の溶鉄2がアークスポット5において加熱されると共に、脱窒処理が実施される。この操業における処理後の溶鉄およびスラグは炉底に設けられたSN方式の出湯孔6から排出される。また、炉底にはガス攪拌装置であるポーラスプラグ7が各電極直下に設置されており、ポーラスプラグ7から撹拌ガス8としてアルゴンガスが吹き込まれる。ここで吹き込むガス種としては、アルゴンガス以外に操業に支障のない不活性ガスであるCO2,He等の他、例えば上底吹転炉等で用いられる二重管冷却構造を備えた羽口を用いて酸素含有ガスを使用することも適宜使用可能である。
また、溶鉄容器には、雰囲気空気の侵入を防止するためにシール蓋9、水冷パネル10、および排気ダクト11が設けられており、溶鉄容器が外部と遮断されている。
このように本実施形態では、ポーラスプラグ7からアルゴンガスがアークスポット5へ向かって吹き上がるように、ガスバブリングを行う。図2には、アークスポット5がバブリング撹拌域13内に包括されている様子を示している。脱窒反応は、活性化エネルギーの影響によって高温状態において速やかに進行する。したがって、高温状態のアークスポットでは脱窒反応が速やかに進行し、さらにバブリングに伴う液面擾乱により気液界面積が増加するとともに鋼中の溶存窒素の物質移動が促進され、効果的に高い脱窒速度を得ることができる。更に、酸素ランス12から酸素ガスを溶鉄2に吹き付けるに際し、溶鉄容器内への大気の侵入を防止するシール効果を維持できる程度の脱炭速度に調節して炭酸ガス(ここでは、COガス、CO2ガスの一方または両者の混合ガス)を発生させることと合わせて、通常の高炭からの脱炭操業に伴う脱窒よりも高い反応効率を得ることができる。
アークスポットとバブリング撹拌域との位置関係では、図3(a)に示すようなバブリング撹拌域内にアークスポット全体が包括されている関係またはその逆の関係、図3(b)に示すようなバブリング撹拌域内にアークスポットの一部が重なっている関係、図3(c)アークスポット全体がバブリング撹拌域から外れている関係、の3通りが考えられる。本発明では、下部電極の真下にポーラスプラグを設置しているため、基本的には図3(a)に示すようなパターンとなり、アークスポットとバブリング撹拌域とが重なることを前提としている。
本発明においては、このような高い反応効率を得るために、アークスポットをバブリングする際に以下の1式及び2式の条件を満たす必要がある。
1.2≦Fg≦18.0 ・・・・・・・・・・・・・ 1式
g=F0×K ・・・・・・・・・・・・・ 2式
ここで、Fgはアークスポットに到達する溶鉄1t当たりの撹拌ガスの単位時間当たりの合計流量(Nl/(min・t))を表しており、F0は、溶鉄1t当たりの撹拌ガスの単位時間当たりの合計流量(Nl/(min・t))を表している。
また、Kはラップ係数を表しており、ラップ係数Kは、以下の3式により定義される。
K=Ac/Ad (但し、Ac>Adの場合はK=1) ・・・・・・・ 3式
ここで、Acはアークスポットの総面積(m2)を表しており、Adはバブリング撹拌域の総面積(m2)を表している。アークスポットが他のアークスポットと重なっていない場合は、アークスポットの総面積Acは、アークスポットの単面積Aa(m2)の合計であり、アークスポットが他のアークスポットと重なっている場合、アークスポットの総面積Acは、アークスポットの単面積Aa(m2)の合計から、各アークスポットが重なる面積×(重複数−1)を差し引いた面積とする。また、バブリング撹拌域が他のバブリング撹拌域と重なっていない場合も同様に、バブリング撹拌域の総面積Adは、バブリング撹拌域の単面積Ab(m2)の合計であり、バブリング撹拌域が他のバブリング撹拌域と重なっている場合も同様に、バブリング撹拌域の総面積Adは、バブリング撹拌域の単面積Ab(m2)の合計から、各バブリング撹拌域の重なる面積×(重複数−1)を差し引いた面積とする。このように、アークスポット及びバブリング撹拌域の総面積は、重複カウントしないように計算する。
アークスポットの単面積Aaは、例えば以下の4式により算出することができる。
a=π(da/2+X・tan12°)2 ・・・・・4式
ここで、daは、上部電極の下部の面積に係る相当直径(m)を表しており、Xはスクラップ等が完全に溶解した段階での上部電極の下端と浴面との距離(m)を表している。また、アークスポットが別のアークスポットと重なる場合、重複する面積は、浴面の高さや上部電極の間隔などから計算によって求めることができる。
また、バブリング撹拌域の単面積Abは、例えば以下の5式により算出することができる。
b=π(db/2+L・tan12°)2 ・・・・・4式
ここで、dbは、ポーラスプラグの羽口の面積に係る相当直径(m)を表しており、Lはスクラップ等が完全に溶解した段階での羽口上端と浴面との距離(m)を表している。また、バブリング撹拌域が別のバブリング撹拌域と重なる場合、重複する面積は、浴面の高さやポーラスプラグの間隔などから計算によって求めることができる。
なお、相当直径とは、上部電極の下部およびポーラスプラグの羽口の形状が円形でない場合において、それぞれの断面積と同じ面積の円の直径を表している。
また、Ac>Adの場合にK=1とした理由については、この場合はバブリング撹拌域のほぼ全域にわたってアークスポットが形成され、バブリング撹拌域から外れた領域では、脱窒効果が小さいためである。
単位面積当たりの撹拌ガスの吹き込み流量は、撹拌ガスを吹き込むポーラスプラグが1つの場合は、バブリング撹拌域の単面積Abで規定される領域において均等であるものとして取り扱い、撹拌ガスを吹き込むポーラスプラグが複数の場合は、それぞれバブリング撹拌域の単面積Abで規定される領域からバブリング撹拌域の重なり領域を差し引いた領域において均等であるものとして取り扱う。したがって、撹拌ガスを吹き込むポーラスプラグが1つの場合は、バブリング撹拌域の単面積Abで規定される領域において撹拌ガスが均等に到達するものとして取り扱い、撹拌ガスを吹き込むポーラスプラグが複数の場合は、それぞれバブリング撹拌域の単面積Abで規定される領域からバブリング撹拌域の重なり領域を差し引いた領域において撹拌ガスが均等に到達するものとして取り扱う。
また、アークスポットの形成について、三相交流などの交流アークの場合、厳密には、周波数によって定められた振動数での振幅移動が発生するが、実用上前述の4式に規定されるアークスポットの単面積Aaと同様に扱うことで差し支え無い。更に、高温のアークスポットを溶鉄の浴面に形成することができれば、交流型のみならず直流型でも差し支え無く、また、望ましい条件としては、アークスポットの面積を容易に拡大する観点から複数のアークスポットを形成させる方式が挙げられる。また、直流型の電気炉の場合は、下部電極内にポーラスプラグを設けることによってバブリング撹拌域を生成する。
1式にて規定したアークスポットに到達する溶鉄1tあたりの撹拌ガスの単位時間当たりの合計流量Fgの下限値を1.2としたのは、本発明者らの調査研究により、それ以下の高温領域の擾乱効果が不十分であるために、目的とする低窒素鋼の製造が困難であると判断されたためである。一方、上限値を18.0としたのは、通常シャローバス型を前提としたアーク型電気炉操業においては、撹拌ガスが浴面から吹き抜けてしまい、高温領域の擾乱効果が不十分であるためであり、さらには撹拌ガスが吹き抜けることによってスプラッシュが増大するなどの操業障害が問題になるためである。
また、低窒素鋼を安定的に製造するためには、図1に示すような電気炉内の窒素雰囲気は低位に維持することが重要である。したがって、排ガスダクトにおいて測定される窒素ガスの体積率を5体積%以下に維持することが望ましい。
次に、本発明を実施例に基づいて更に説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
本発明の効果を検証するために、ヒートサイズ1t/chの交流型または直流型の電気炉を用いた操業実験を実施した。本実験の基本条件では、実施例5及び6を除き、上部電極として直径da=40mmの黒鉛を設置し、実施例3、5及び6を除き、溶鉄が完全に溶解している時の上部電極の下端と浴面との距離Xを200mmで固定した。この場合、溶鉄の深さ(溶鉄が完全に溶解している時の羽口上端と浴面との距離)Lは300mmであった。また、それぞれの上部電極の直下の炉底には、直径db=80mmのポーラスプラグを設け、上部電極と同数のポーラスプラグよりアルゴンガスを吹き込み、バブリングを実施した。このとき、各実施例および比較例において、計算の結果、実施例6を除いてアークスポット同士は重複せず、バブリング撹拌域同士で重複することもなかった。また、浴面の高さを固定したため、計算の結果、アークスポットの単面積Aaは実施例3、5及び6以外で0.0123m2であり、バブリング撹拌域の単面積Abは0.034m2であった。
溶鉄は、工業的に製造した高純度鋼を溶解して用いた。そして、溶鉄の炭素、窒素以外の不可避的成分は同等とし、初期炭素濃度はピッチカーボンを用いて変更し、窒素濃度は窒化マンガン(主成分MnN)を事前に添加することによって調整した。なお、溶解後の成分については燃焼法とカントバック(OES法)とによって確認の上、20分間の試験操業を実施した。
なお、本発明の実施例及び比較例における初期窒素濃度はいずれも70〜85ppmの範囲であり、また初期炭素濃度は0.5−0.7質量%であった。脱窒処理では、純酸素を送酸ランスから吹き付け、必要に応じた炭素を添加して、最終的な溶鉄中の炭素濃度は0.1−0.3質量%であった。目標の窒素濃度を30ppmとし、結果を以下の表1に示す。
実施例1では、三相交流型の電気炉で上部電極を3本用いて実験を行った。この場合、処理後の溶鉄中の窒素濃度は19ppmと良好な脱窒処理が可能であることを確認することができた。
実施例2では、実施例1と基本的には同じ条件で実施したものであるが、シール部劣化により、雰囲気中の窒素濃度に若干の上昇が認められた。処理中における排ガスダクト内の窒素濃度は5.8−6.3体積%と高めに推移したため、処理後の溶鉄中の窒素濃度は実施例1ほど低位ではないものの、目標の30ppmより低い29ppmという結果が得られた。
実施例3では、溶鉄の深さLを固定して下部電極の位置を下げてX=50mmとし、それ以外は実施例1と同様の条件で実験を行った。その結果、アークスポットの面積が小さくなったことからラップ係数Kが低下したため、処理後の溶鉄中の窒素濃度は実施例1ほど低位ではないものの、目標の30ppmより低い29ppmという結果が得られた。
実施例4では、直流型の電気炉で上部電極を2本用いて実験を行った。この場合、処理後の溶鉄中の窒素濃度は18ppmと良好な脱窒処理が可能であることを確認することができた。
実施例5では、実施例4の装置を用いて上部電極の直径daを120mm、電極高さ(溶鉄が完全に溶解している時の上部電極の下端と浴面との距離X)を300mmとし、それ以外は実施例4と同様の条件で実験を行った。この条件においては、アークスポットの範囲がバブリング撹拌域よりも広いため、Ac/Ad=1.4であるが、ラップ係数K=1となる。このとき、バブリング撹拌域から外れたアークスポットでは脱窒効率が低下するため、処理後の溶鉄中の窒素濃度は実施例4ほど低位ではないものの、目標の30ppmより低い27ppmという結果が得られた。
実施例6では、実施例5の条件で、上部電極間距離とポーラスプラグ間の距離とを変化させ、アークスポットには2割(個別に計算したアークスポットの単面積の4割)、バブリング撹拌域には1.5割(個別に計算したバブリング攪拌域の面積の3割)の重複領域が存在するようにし、それ以外は実施例5と同様の条件で実験を行った。その結果、処理後の溶鉄中の窒素濃度は実施例5と同様であった。
実施例7では、上部電極を1本にした点を除いて実施例4と同様の条件で実験を行った。電極数が少なかったことから反応界面積が狭くなったため、処理後の溶鉄中の窒素濃度は実施例4ほど低位ではないものの、目標の30ppmより低い28ppmという結果が得られた。
実施例8では、アルゴンガスの流量を増加させた点を除いて実施例1と同様の条件で実験を行った。この場合、操業中に浴面でアルゴンガスの吹き抜けが断続的に見られ、不安定であったため、処理後の溶鉄中の窒素濃度は実施例1ほど低位ではないものの、目標の30ppmより低い25ppmという結果が得られた。
比較例1では、アルゴンガスの流量を減少させた点を除いて実施例7と同様の条件で実験を行った。この場合、界面擾乱効果が不十分であったために、処理後の溶鉄中の窒素濃度は目標の30ppmよりも高い数値であった。
比較例2では、実施例8よりもさらにアルゴンガスの流量を増加させた点を除いて実施例1同様の実験を行った。この場合、浴面でアルゴンガスの吹き抜けが多く発生したことによってスプラッシュの発生が増大した。更に、アルゴンガスの吹き抜けが多く発生したため界面擾乱効果の不足し、処理後の溶鉄中の窒素濃度は目標の30ppmよりも高い数値であった。
本発明によれば、電気炉を用いて安定的に低窒素鋼を溶製することが可能であることから、原料裕度の拡大、設備コストの低減などが可能となり、その工業的な利用価値は極めて高いものである。
1 耐火物炉体
2 溶鉄
3 上部電極
4 交流電源
5 アークスポット
6 出湯孔
7 ポーラスプラグ
8 撹拌ガス
9 シール蓋
10 水冷パネル
11 排気ダクト
12 酸素ランス
13 バブリング撹拌域

Claims (3)

  1. 上部電極の真下に撹拌ガスを吹き込む羽口が設置された電気炉を用いて、前記電気炉内にランスから酸素ガスを吹き込み、以下の1式〜3式で規定した条件で脱窒処理を行うことを特徴とする低窒素溶鉄の製造方法。
    1.2≦Fg≦18.0 ・・・・・・・・・・・・・ 1式
    g=F0×K ・・・・・・・・・・・・・ 2式
    K=Ac/Ad (但し、Ac>Adの場合はK=1) ・・・・・・・ 3式
    ここで、Fgは前記上部電極からのアークによって形成されるアークスポットに到達する溶鉄1t当たりの前記撹拌ガスの単位時間当たりの合計流量(Nl/(min・t))を表し、F0は溶鉄1t当たりの前記撹拌ガスの単位時間当たりの合計流量(Nl/(min・t))を表す。また、Acは前記アークスポットの総面積(m2)を表し、Adは前記撹拌ガスによって形成されるバブリング撹拌域の総面積(m2)を表す。
  2. 前記電気炉内において複数のアークスポットおよびバブリング撹拌域を形成して脱窒処理を行うことを特徴とする請求項1記載の低窒素溶鉄の製造方法。
  3. 前記脱窒処理において、前記電気炉内における排ガス中の窒素濃度を5体積%以下に維持し続けることを特徴とする請求項1又は2記載の低窒素溶鉄の製造方法。
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