JPH07138633A - 真空脱ガスによる極低炭素鋼の溶製方法 - Google Patents

真空脱ガスによる極低炭素鋼の溶製方法

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JPH07138633A
JPH07138633A JP28509893A JP28509893A JPH07138633A JP H07138633 A JPH07138633 A JP H07138633A JP 28509893 A JP28509893 A JP 28509893A JP 28509893 A JP28509893 A JP 28509893A JP H07138633 A JPH07138633 A JP H07138633A
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JP
Japan
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molten steel
decarburization
vacuum degassing
treatment
oxygen
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JP28509893A
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English (en)
Inventor
Ryusuke Yamaguchi
竜介 山口
Yoshikazu Kurose
芳和 黒瀬
Shoichi Hiwasa
章一 日和佐
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空脱ガス処理の昇熱を図りつつ溶鋼の清浄
度を低下させることなく、また処理時間の延長を伴うこ
となく定常処理時間で極低炭素鋼を溶製する。 【構成】 真空脱ガス槽14内に上吹き酸素ランス16を用
いて脱炭処理の末期に、酸素ガスを導入すると同時に、
この導入酸素ガスで燃焼する量の発熱剤(Al)を添加シ
ュート20から添加することによって溶鋼を昇熱しつつ脱
炭処理を継続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空脱ガス処理の末期
に溶鋼の昇熱を図りつつ溶鋼の清浄度を低下させること
なく、また処理時間の延長を伴うことなく定常処理時間
で脱炭処理を終了する真空脱ガスによる極低炭素鋼の溶
製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼板の深絞り性等加工性向上のた
め、鋼中の〔C〕濃度を低減した極低炭素鋼の生産量が
急増している。この極低炭素鋼の溶製は未脱酸で転炉か
ら出鋼された溶鋼を真空脱ガス法により真空処理して脱
炭反応を行わせることにより達成される。この時、品質
管理の観点からは、溶鋼の清浄度を保ちつつ、かつ真空
脱ガス終了時点で一定以上の溶鋼温度が確保されている
ことが必要である。
【0003】操業上の観点からは、脱ガス処理終了時点
での溶鋼温度は必要最小限とすることが要望されること
から、脱ガス処理中に何らかの手段で溶鋼を昇熱するこ
とにより転炉出鋼温度を低減して転炉耐火物の保護をは
かる必要がある。さらに、昇温などのための脱ガス処理
時間の延長は生産性低下を招くため避けなければならな
い。
【0004】従来、真空脱ガスにおける溶鋼昇熱の手段
としては、真空脱ガス槽の溶鋼内へ浸漬した酸素導入管
から酸素ガスを導くと共に溶鋼へ発熱剤を添加して昇熱
する方法(特開昭53−81416 号、特開昭53−81417 号公
報参照)や脱炭処理中の供給酸素量を0.3Nm3/t以下に
抑えて、脱炭処理工程終了時の温度不足はキルド処理中
のAl燃焼により溶鋼温度の上昇を図る方法(特開平3−
193815号公報参照)が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが前記従来技術
のように溶鋼中に浸漬した酸素ガス導入管から酸素ガス
を導く手段では、溶鋼中の自由酸素ポテンシャルが大と
なり、スラグの酸素ポテンシャルも増大するため、脱ガ
ス処理後の鋳造工程におけるスラグから溶鋼への再酸化
が促進され溶鋼清浄度の低下を招く。また、酸素ガスの
溶鋼中への導入と同時に発熱剤を添加することは逆に脱
炭反応に必要な自由酸素量を一時的に低下させて脱炭不
良・脱炭時間延長などをもたらす可能性が大きくなる。
【0006】また脱炭反応終了後(キルド処理時)に酸
素を溶鋼内または脱ガス槽内に導きAlを燃焼させる方法
は、発生するAl2O3 等介在物を除き溶鋼清浄度を維持す
るためにキルド処理時間を一定時間以上必要とするた
め、燃焼・昇熱に要する時間だけ処理時間延長となり、
生産性低下を招くことになる。さらに、脱炭反応により
発生するCOガスを上吹き酸素により2次燃焼させて昇熱
をはかる手段も考えられるが、溶鋼中の〔C〕濃度が低
下しCO発生量の減少する脱炭末期では大きな昇熱は望め
ず、効果は十分とはなりにくいという弱点がある。
【0007】本発明は、脱炭の末期に酸素ガスを槽内に
導きつつ発熱剤を添加することで槽内での温度上昇を図
ることにより、処理時間を延長せずに脱炭反応を十分継
続させつつ昇熱を実施し、かつ溶鋼清浄度も低下させな
い技術を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は、真空脱ガスにて極低炭素鋼を溶製するに際
し、真空脱ガス槽内に上部から挿入した上吹き酸素ラン
スを用いて、脱炭処理の末期に、真空脱ガス槽内に酸素
ガスを導入すると同時に、この導入酸素ガスで燃焼する
量の発熱剤を添加することによって溶鋼を昇熱しつつ脱
炭処理を継続し、溶鋼清浄度を低下させることなく定常
処理時間で脱炭処理を終了することを特徴とする真空脱
ガスによる極低炭素鋼の溶製方法である。
【0009】
【作用】真空脱ガスにおける脱炭反応は、溶鋼の環流量
律速である初期と、溶鋼中の〔C〕の供給律速である末
期に大別されることは周知の事実である。初期から十分
に溶鋼中〔O〕濃度が高いかまたは酸素ガスが十分に供
給されれば脱炭処理終了時点のAl(または他の発熱剤)
の燃焼による昇熱は期待できる。
【0010】しかし初期に溶鋼の酸素ポテンシャルを上
げることはスラグの酸素ポテンシャルの上昇を意味し、
ひいてはこのスラグからの溶鋼再酸化による清浄度汚染
が懸念される。溶鋼中に酸素を供給しつつ、当量分の発
熱剤を添加すれば、溶鋼の酸素ポテンシャル上昇は防げ
るものの局部的に溶鋼の過脱酸となり、酸素供給律速で
ある脱炭初期は、脱炭不良になる危険性は多大である。
これに対し脱炭末期には、溶鋼中〔O〕濃度は充分であ
るため、局部的な溶鋼の過脱酸も脱炭不良とはなりにく
い。
【0011】本発明は、溶鋼中〔O〕濃度の局部的低下
により脱炭不良となりにくい脱炭末期において、溶鋼中
でなく槽内に上吹きランスを用いて酸素ガスを導入し、
同時に燃焼に必要な量だけの発熱剤を槽上部より添加す
る。これにより、槽内の熱により酸素と発熱剤が槽内で
反応し昇熱するため、溶鋼の酸素ポテンシャル上昇(す
なわちスラグからの溶鋼再酸化の危険性)と、発熱剤に
よる溶鋼の過脱酸を最小限におさえ、処理時間延長のな
いことはもちろん、溶鋼清浄度の低下の恐れなく、脱炭
と昇熱を同時に可能とするものである。
【0012】
【実施例】転炉で吹錬したC:0.03〜0.05%、O: 500
〜700ppmの溶鋼( 250トン)を図1に示すように取鍋4
に出鋼し、この取鍋4内の溶鋼2をRH真空脱ガス処理
を行った。すなわち取鍋4内の溶鋼2は環流ガス吹込み
口8から吹き込まれる環流ガス10により上昇浸漬管12か
ら脱ガス槽14内に吸上げられ脱ガス処理される。6は取
鍋4内の溶鋼2上に浮上しているスラグを示す。
【0013】本発明では、脱ガス槽14の上部から槽内に
垂下した上吹き酸素ランス16により脱ガス処理の末期に
酸素ガスを上吹きすると同時に、この導入した酸素ガス
で燃焼する量の発熱剤としてたとえば粒状のAlを添加シ
ュート20を介して脱ガス槽14内の溶鋼上に添加する。そ
して、溶鋼上に添加したAlの燃焼によって溶鋼を昇熱し
つつ溶鋼の脱炭処理を継続し、これによって溶鋼清浄度
を低下させることなく、かつ処理時間の延長を伴うこと
なく脱炭処理を行うものである。
【0014】図2に真空脱ガス処理前・後の溶鋼温度が
同じとしたときの、従来及び本発明の酸素ガス供給方法
の違いを概念図で示す。このように従来は脱炭初期に重
点的に酸素を供給して脱炭していたのに対し、本発明で
は脱炭初期においては、脱炭に必要な酸素の供給のみに
とどめることで溶鋼汚染を防止する。さらに、脱炭末期
に酸素供給をしつつAlを当量だけ添加することで温度の
補償(上昇)を行う。
【0015】なお、脱ガスが末期であることを知って脱
ガス処理を終了する手段としては、たとえばRH脱ガス
装置による溶鋼の脱炭処理中に排ガス量を測定し、この
測定排ガス量と直近のRH脱ガス処理による脱炭終了時
の実績排ガス量との差である排ガス流量差から、その時
点の炭素濃度を推定し、この推定炭素濃度が目標炭素濃
度に到達したことを確認して溶鋼の脱炭処理を終了する
ことができる。
【0016】図3は従来法と本発明法での酸素供給方法
の違いによる溶鋼の温度変化と溶鋼中〔O〕濃度変化の
例を示す。図3に示すように本発明法によれば従来法に
比較して脱炭処理中の溶鋼中〔O〕濃度が従来法に比較
して大幅に低レベルで推移していることが分る。なお、
従来法では脱炭終了後のAl投入により溶鋼の温度上昇に
より本発明のレベルに昇熱してあるが、Al2O3 の生成に
より溶鋼が汚染される危険性が極めて高くなり、清浄度
を保つためには処理時間の延長を余儀なくされる。
【0017】図4には脱炭処理中の溶鋼〔O〕濃度とス
ラグ中(T・Fe)の変化の関係を示すが、本発明法を利
用することでスラグ中(T・Fe)の上昇を抑え、溶鋼清
浄度の向上を達成しつつ、溶鋼の昇温をはかることがで
きる。さらに図5に、本発明法と従来法の脱炭末期での
脱炭速度を比較して示すが、本発明法により、脱炭末期
の反応速度の低下は認められず従って脱炭処理時間は従
来と比べ延長の必要がないことがわかる。
【0018】なお、昇温効率は実施範囲においては酸素
供給量2400 Nm3/hrの場合には上昇温度が約5℃/分
(溶鋼量: 250トン)であり、本発明法を利用できる時
間はほぼ4分以内であるため、5℃/分×4分=20℃ま
でのレベルで、処理時間を延長することなく転炉出鋼温
度の低減を図ることが可能である。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、上吹き
酸素ランスを用いて、脱炭処理の末期に、真空脱ガス槽
内に酸素ガスを導入すると同時に、導入酸素ガスで燃焼
する量の発熱剤を添加するので、真空脱ガスにおける極
低炭素鋼の溶製において、溶鋼の清浄度を低下させるこ
となく、また処理時間延長もすることなく、溶鋼の昇熱
を図ることができる。さらに、転炉出鋼温度の低減を図
ることもできるという効果も得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるRH脱ガス処理装置による脱炭処
理状況を示す模式断面図である。
【図2】従来法と本発明法との真空脱ガス処理における
酸素ガス供給のタイミングの違いを示す概念的な線図で
ある。
【図3】本発明法と従来法との酸素供給タイミングの違
いによる溶鋼中の〔O〕濃度および溶鋼温度の推移を示
すグラフである。
【図4】本発明法および従来法における溶鋼中〔O〕濃
度とスラグ中(T・Fe)との関係を示すグラフである。
【図5】本発明法と従来法との脱炭末期における溶鋼中
〔C〕(ppm) と脱炭速度定数K C (1/min )との関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
2 溶鋼 4 取鍋 6 スラグ 8 環流ガス吹込口 10 環流ガス 12 上昇浸漬管 14 真空脱ガス槽 16 上吹き酸素ランス 18 下降浸漬管 20 添加シュート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空脱ガスにて極低炭素鋼を溶製するに
    際し、真空脱ガス槽内に上部から挿入した上吹き酸素ラ
    ンスを用いて、脱炭処理の末期に、真空脱ガス槽内に酸
    素ガスを導入すると同時に、この導入酸素ガスで燃焼す
    る量の発熱剤を添加することによって溶鋼を昇熱しつつ
    脱炭処理を継続し、溶鋼清浄度を低下させることなく定
    常処理時間で脱炭処理を終了することを特徴とする真空
    脱ガスによる極低炭素鋼の溶製方法。
JP28509893A 1993-11-15 1993-11-15 真空脱ガスによる極低炭素鋼の溶製方法 Pending JPH07138633A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009084672A (ja) * 2007-10-03 2009-04-23 Sumitomo Metal Ind Ltd 溶鋼の加熱方法および圧延鋼材の製造方法
JP2016037615A (ja) * 2014-08-05 2016-03-22 新日鐵住金株式会社 取鍋内溶鋼の加熱方法
CN109735686A (zh) * 2019-03-14 2019-05-10 中国重型机械研究院股份公司 一种新型真空精炼装置的顶枪吹氧结构及其控制方法

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