(第一の実施形態)
以下に図面を参照して第一の実施形態について説明する。本実施形態では、画像形成装置に設けられた光ビーム走査装置において、各光源に供給するアンダーシュート電流値を共通の電流値とすることで、光源駆動部の回路規模を縮小する。
図1は、第一の実施形態の画像形成装置を説明する図である。
本実施形態の画像形成装置1は、プロッタ装置100、給紙装置200、スキャン装置300、原稿自動搬送装置(ADF;Auto Document Feeder)400を有する。
プロッタ装置100は、中央に中間転写ユニットを有し、中間転写ユニットは、無端ベルトである中間転写ベルト10を有する。中間転写ベルト10は、3つの支持ローラ14〜16に掛け廻されており、時計廻りに回動駆動される。また、中間転写ユニットは、支持ローラ15の右に、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニングユニット17を有する。
さらに、中間転写ユニットは、中間転写ベルト10における支持ローラ14と支持ローラ15との間に設けられた、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の各色の画像作像装置20を有する。画像作像装置20は、感光体ユニット40と、帯電ユニット、現像ユニット及びクリーニングユニットを有し、プロッタ装置100に対して脱着可能に装着されている。そして、中間転写ユニットでは、画像作像装置20の上方に、各色感光体ユニット40の各感光体ドラムに画像形成のためのレーザ光を照射する光ビーム走査装置500が設けられている。
また、中間転写ユニットは、中間転写ベルト10の下方に設けられた2次転写ユニット22を有する。2次転写ユニット22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して中間転写ベルト10を押し上げ、支持ローラ16に押当てるように配置したものである。
2次転写ベルト24は、中間転写ベルト10上の画像を用紙上に転写する。2次転写ユニット22の横には、トナー像が転写された用紙が送り込まれる定着ユニット25が設けられている。定着ユニット25は、用紙上の転写画像を定着させる。
定着ユニット25は、無端ベルトである定着ベルト26に、加熱及び加圧するローラ27を押し当てたものである。2次転写ユニット22および定着ユニット25の下方には、表面に画像を形成した直後の用紙を、裏面にも画像を記録するために表裏を反転して送り出すシート反転ユニット28が設けられている。用紙は、給紙装置200から中間転写ユニットへ搬送される。
画像形成装置1において、例えばコピー等の開始指示の操作が行われると、原稿自動搬送装置(ADF)400は、原稿給紙台30上の原稿をコンタクトガラス32上に搬送する。
原稿自動搬送装置400に原稿が無い場合、画像形成装置1は、スキャン装置300を駆動させ、コンタクトガラス32上の配置された原稿を読み取る。
次に、図2を参照して画像作像装置20について説明する。図2は、第一の実施形態の画像作像装置を説明する図である。
画像作像装置20は、4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像を重ね合わせたカラー画像を形成するために4組の画像作像部20Aと4組の光ビーム走査装置500を備えている。光ビーム走査装置500の詳細は後述する。
4組の画像作像部20Aは、感光体ドラムの回りには、帯電器20B、現像ユニット20C、転写器20D、クリーニングユニット20E、除電器20Fが設けられている。
画像作像部20Aは、通常の電子写真プロセスである帯電、露光、現像、転写により中間転写ベルト10上に1色目の画像を形成し、次に2色目、3色目、4色目の順に画像を転写することにより、4色の画像が重ね合わさったカラー画像を形成する。
次に、本実施形態の光ビーム走査装置500について説明する。図3は、第一の実施形態の光走査装置を説明する第一の図である。
図3は、光ビーム走査装置500の光学系510を上から見た図である。色毎に設けられた光ビーム走査装置500は、それぞれ同様の構成である。
光学系510は、光源501、シリンダレンズ502、ポリゴンミラー503、fθレンズ504、折り返しミラー505、同期ミラー506、同期レンズ507、同期センサ508を有する。
光源501は、例えば、4chLD(Laser Diode)アレイ、8chLDアレイ等である。また、光源501は、面発光レーザ(VCSEL;Vertical Cavity Surface Emitting Laser)等であっても良い。以下の説明では、光源501をLD501と呼ぶ。
光源501から照射される光ビームは、シリンダレンズ502を通り、ポリゴンミラー503に入射する。光ビームは、ポリゴンミラー503が回転することにより偏向され、fθレンズ504を通り、折り返しミラー505によって感光体ドラム上を走査する。
また、光ビーム走査装置500では、主走査方向の書出し側端部に、同期ミラー506、同期レンズ507、同期センサ508が備わっており、fθレンズ504を透過した光ビームが同期ミラー506によって反射され、同期レンズ507によって集光され、同期センサ508に入射する。同期センサ508は、主走査方向の書き出しタイミングを決定する同期検知信号を検出する同期センサの役割を果たしている。
図4は、第一の実施形態の光走査装置を説明する第二の図である。
図4では、光ビーム走査装置500と、画像形成装置1のプロッタ装置100を制御するプリンタ制御部600と、を示している。
本実施形態の光ビーム走査装置500は、光学系510、画素クロック生成部520、LD制御部530、同期検知用点灯制御部540、ポリゴンモータ制御部550、電流値記憶部560を有する。
光ビーム走査装置500では、LD501からの光ビームが同期センサ508上を通過することにより、同期センサ508から同期検知信号XDETPが出力され、画素クロック生成部520、同期検知用点灯制御部540に送られる。
画素クロック生成部520は、同期検知信号XDETPに同期した画素クロックPCLKを生成し、LD制御部530及び同期検知用点灯制御部540に送る。
LD制御部530は、同期検知用強制点灯信号BD及び画素クロックPCLKに同期した画像データに応じてLD501の点灯/消灯を制御する。また、LD制御部530は、プリンタ制御部600から、制御信号1と制御信号2が入力される。画素クロック生成部520とLD制御部530の詳細と、制御信号1、制御信号2については後述する。
同期検知用点灯制御部540は、最初に同期検知信号XDETPを検出するために、LD501の強制点灯信号BDをONにし、LD501を強制点灯させる。また、画素クロック生成部520は、同期検知信号XDETPを検出した後は、同期検知信号XDETPと画素クロックPCLKを用いて、フレア光が発生しない程度で同期検知信号XDETPが検出できるようなタイミングでLD501を点灯させる。
また、同期検知用点灯制御部540は、同期検知信号XDETPを検出したらLD501を消灯するような光源強制点灯信号BDを生成し、LD制御部530に送る。同期検知信号XDETPは、予め設定したある1つのLD501の点灯により検出するようにしている。
さらに、同期検知用点灯制御部540は、光量制御タイミング信号APCのタイミングでLD501を点灯させ、後述する光量検出部により光量を検出し、目標光量になるように光量制御している。尚、図4の例では、LD501は4つのLDを含むものとし、同期検知用点灯制御部540は、この4つのLDのそれぞれに対して、光量制御タイミング信号APC1〜APC4を出力している。本実施形態では、この制御により、LD501から常に一定の安定した光量を出射することができる。
ポリゴンモータ制御部550は、プリンタ制御部600からの制御信号により、ポリゴンモータを規定の回転数で回転制御する。ポリゴンミラー503は、ポリゴンモータの回転により、回転する。
電流値記憶部560は、LD501に含まれる各LDの積分光量を所望の値にするための電流値が記憶されている。より具体的には、電流値記憶部560には、オーバーシュート電流値とアンダーシュート電流値とを含む電流値が記憶されている。
オーバーシュート電流とは、駆動電流の供給の開始(LDの点灯開始)と同期して、所定の時間、駆動電流に付加される第一の補助電流である。また、アンダーシュート電流とは、駆動電流の供給の停止(LDの消灯)と同期して、所定の時間、駆動電流に付加される第二の補助電流である。尚、オーバーシュート電流が駆動電流に付加される所定の時間(第一の所定時間)と、アンダーシュート電流が駆動電流に付加される所定の時間(第二の所定時間)は、同一であっても良いし同一でなくても良い。これらの所定の時間は、予め設定されていても良いし、オーバーシュート電流の値及びアンダーシュート電流の値のそれぞれの算出の際に決定されても良い。
電流値記憶部560は、プリンタ制御部からの指示により、電流値を格納したり読出したりする。プリンタ制御部600は、各制御部に対して、各種のデータを提供したり、動作の指示を行ったりする。
次に、図5を参照して、本実施形態の画素クロック生成部520について説明する。図5は、第一の実施形態の画素クロック生成部を説明する図である。
本実施形態の画素クロック生成部520は、基準クロック発生部521、VCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発振器)クロック発生部522、位相同期クロック発生部523を有する。
VCOクロック発生部522は、位相比較器524、LPF(Low-pass Filter)525、VCO526、1/N分周器527を有する。
画素クロック生成部520では、基準クロック発生部521からの基準クロック信号FREFと、VCOクロック信号VCLKを1/N分周器527でN分周した信号とが、位相比較器524に入力される。位相比較器524では、両信号の立ち下がりエッジの位相比較が行なわれ、誤差成分を定電流出力する。
位相比較器524の出力信号は、LPF525によって不要な高周波成分や雑音を除去し、VCO526に送られる。VCO526ではLPF525の出力に依存した発振周波数を出力する。
位相同期クロック発生部523は、VCOクロック発生部522で生成したVCOクロック信号VCLKから、同期検知信号XDETPに同期した画素クロック信号PCLKを生成する。
本実施形態の画素クロック生成部520では、プリンタ制御部600から送信される設定データに応じて、基準クロック信号FREFの周波数と分周比Nを変更することで、VCOクロック信号VCLKの周波数を変更できる。
次に、図6を参照して本実施形態のLD501について説明する。図6は、第一の実施形態のLDを説明する図である。
LD501は、後述するLD駆動部532により駆動される。本実施形態のLD501は、LD1〜LD4を含むLDアレイと、LD1〜LD4に対して共通のPD(Photo Diode)1とを有する。LD1〜LD4のそれぞれが、光源となる。
LD駆動部532では、プリンタ制御部600から指示された光量でLD1〜LD4を点灯させるために、PD1のモニタ電圧Vmを一定に保つようにLD1〜LD4のLD電流Idを制御する。この動作を、APC(オート・パワー・コントロール)動作と呼ぶ。
また、LD駆動部532は、LD1〜LD4の光量を変更する場合、プリンタ制御部600からの指示によりモニタ電圧Vmが変更され、変更されたモニタ電圧Vmを一定に保つように各LDのLD電流Idを制御する。尚、本実施形態では、各LDに対して共通のPD1を用いているため、APC動作はLD1〜LD4毎に異なったタイミングで行う。
次に、図7を参照して本実施形態のLD制御部530について説明する。図7は、第一の実施形態のLD制御部を説明する図である。
本実施形態のLD制御部530は、PWM(Pulse Width Modulation)信号発生部531と、LD駆動部532と、を有する。
PWM信号発生部531は、画像データ及びプリンタ制御部600からの制御信号1に応じて、点灯信号(PWM信号)をLD駆動部532に対して出力する。
LD駆動部532は、点灯信号がハイレベル(以下、Hレベル)となっている時間だけLD1〜LD4を点灯させる。
また、本実施形態のLD駆動部532は、同期検知用点灯制御部540からのLD強制点灯信号BDを受けて、LD強制点灯信号BDがHレベルとなっている時間だけあるLDを点灯させる。
また、LD駆動部532は、同期検知用点灯制御部540からLD1〜LD4のそれぞれに対応する光量制御タイミング信号APCを受け付ける。LD駆動部532は、光量制御タイミング信号APCを受けて、光量制御タイミング信号APCが示すタイミングで各LDからの光量をモニタし、各LDの光量を制御する。各LDを点灯させる時の光量は、プリンタ制御部600からの制御信号2によって設定される。
本実施形態の制御信号2は、LD1〜LD4それぞれの積分光量を所望の規定値にするためのオーバーシュート電流値及びアンダーシュート電流値も含まれる。
また、LD制御部530に入力される画像データは、1bit幅でも複数bit(2bit幅以上)でも良い。例えば、画像データが1bit幅であった場合、予め決めておいたパルス幅を発生する構成にしても良いし、または、プリンタ制御部600からの制御信号(選択信号)1によりパルス幅を選択して出力するようにしても良い。また、例えば、画像データが複数bit(2bit幅以上)の場合は、それぞれの画像データに対応したパルス幅を発生する構成にしても良く、または、プリンタ制御部600からの制御信号(選択信号)1により、画像データに対応するパルス幅を可変できる構成にしても良い。
次に、図8を参照し、LD1〜LD4の光量制御のタイミングについて説明する。図88は、第一の実施形態の光量制御のタイミングを説明する図である。
LD1〜LD4の光量を規定光量に制御するAPC動作は、点灯を伴うため、画像データの書込みを行わない領域で実行する必要がある。
そこで、同期検知用点灯制御部540は、同期検知信号XDETPを検出するための同期検知用強制点灯信号BDとは異なるタイミングで各LDに供給する光量制御タイミング信号APCを生成して、LD制御部530に出力する。
本実施形態のように、複数の光源を備えるLDアレイの場合は、光量をモニタするPD1は1個しかないので、図8に示すように、光源毎に異なったタイミングでAPC動作を実行させる。
このため、本実施形態の同期検知用点灯制御部540は、LD1〜4に対応する光量制御タイミング信号APC1〜APC4を生成する。図8の例では、LD1に対応する光量制御タイミング信号APC1がHレベルからローレベル(以下、Lレベル)となったとき、次のLD2に対応する光量制御タイミング信号APC2がHレベルになる。また、光量制御タイミング信号APC2がHレベルからLレベルとなったとき、次のLD3に対応する光量制御タイミング信号APC3がHレベルになる。そして、光量制御タイミング信号APC3がHレベルからLレベルとなったとき、次のLD4に対応する光量制御タイミング信号APC4がHレベルになるようにした。尚、各LDにおいて、APC動作が実行されるタイミングは、図8に示すものに限定されない。
次に、図9を参照して、本実施形態のLD駆動部532について説明する。図9は、第一の実施形態のLD駆動部を説明する図である。
本実施形態のLD駆動部532は、駆動電流生成部533、補助駆動電流生成部534、535、光量検出部536、加算器537、減算器538、電流値演算部700を有する。
駆動電流生成部533は、入力データのタイミングに合わせて、LD501を点灯させるための駆動電流を生成する。駆動電流生成部533に供給される入力データは、点灯信号、同期検知用強制点灯信号BD、光量制御タイミング信号APC1〜APC4を含む。
補助駆動電流生成部534は、補助駆動電流生成部534−1、534−2、534−3、534−4を含む。補助駆動電流生成部534−1は、LD1に対応したオーバーシュート電流を生成し、補助駆動電流生成部534−2は、LD2に対応したオーバーシュート電流を生成する。補助駆動電流生成部534−3は、LD3に対応したオーバーシュート電流を生成し、補助駆動電流生成部534−4は、LD4に対応したオーバーシュート電流を生成する。つまり、本実施形態の補助駆動電流生成部534は、駆動電流の供給の開始と同期して駆動電流に第一の所定時間付加される第一の補助電流を生成する第一補助駆動電流生成部である。
以下の説明では、補助駆動電流生成部534−1、534−2、534−3、534−4を区別しない場合には、補助駆動電流生成部534と呼ぶ。補助駆動電流生成部534は、点灯開始後の所定時間だけ各LDに対してオーバーシュート電流を供給する。
補助駆動電流生成部535は、LD1〜LD4のそれぞれに供給されるアンダーシュート電流を生成する。補助駆動電流生成部535は、消灯後の所定時間だけ各LDに対してアンダーシュート電流を供給する。つまり、本実施形態の補助駆動電流生成部535は、駆動電流の供給の停止と同期して駆動電流に第二の所定時間付加される第二補助電流を生成する第二補助駆動電流生成部である。
このように、本実施形態のLD駆動部532では、LD501に含まれる複数の光源に対し、共通のアンダーシュート電流を供給する。
光量検出部536は、LD1〜4の積分光量を検出し、電流値演算部700に出力する。
加算器537−1、537−2、537−3、537−4は、補助駆動電流生成部534−1、534−2、534−3、534−4で生成されたオーバーシュート電流を駆動電流に加算する。以下の説明では、加算器537−1、537−2、537−3、537−4を区別しない場合には、加算器537と呼ぶ。
減算器538−1、538−2、538−3、538−4は、補助駆動電流生成部535で生成されたアンダーシュート電流を駆動電流から減算する。以下の説明では、減算器538−1、538−2、538−3、538−4を区別しない場合には、減算器538と呼ぶ。
電流値演算部700は、光量検出部536により検出された各LDの積分光量を目標値に近づけるように、駆動電流生成部533、補助駆動電流生成部534、535を制御する。本実施形態の電流値演算部700は、例えばCPU(Central Processing Unit)等により実現される。
本実施形態の電流値演算部700では、各LDの積分光量を所望の値(目標値)に近づけるため、駆動電流生成部533に補正用駆動電流を生成させ、初めは補助電流(オーバーシュート電流及びアンダーシュート電流)を0として各LDを点灯させる。
尚、本実施形態では、積分光量が目標値となった状態が、積分光量が目標値に最も近づいた状態である。
本実施形態の補正用駆動電流は、予め決められたパターンで各LDを点灯させるための駆動電流である。補正用駆動電流の詳細は後述する。
そして、電流値演算部700は、光量検出部536で検出された各LDの積分光量が所望の値になるように、補助電流を徐々に増加減しながら繰り返し各LDを点灯させる。電流値演算部700は、各LDの積分光量が所望の値になったところで、各LDの補助電流の値を電流値記憶部560に送るとともに、この補助電流の値を補助駆動電流生成部534、535に設定する。本実施形態では、補助電流は、画像データに基づく各LDの点灯の際のみ、駆動電流に付加されても良い。本実施形態では、補助電流の付加を、画像データに基づく各LDの点灯の際のみとすることで、不要な補助電流が各LDに供給されることを防止でき、消費電力を低減することができる。
尚、本実施形態では、光量検出部536は、図6に示すPD1と同一のものであっても良いし、別途設けられたものであっても良い。
次に、図9を参照し、本実施形態の電流値演算部700の機能について説明する。図10は、第一の実施形態の電流値演算部を説明する図である。
本実施形態の電流値演算部700は、点灯パターン取得部710、オーバーシュート算出部720、アンダーシュート算出部730、記憶制御部740を有する。
本実施形態の電流値演算部700の各部は、例えば電流値演算部700を実現するCPUが、メモリに格納されたプログラムを実行することで実現される。
点灯パターン取得部710は、予め電流値演算部700において予め決められた点灯パターンを示す情報を取得して駆動電流生成部533へ出力する。駆動電流生成部533は、電流値演算部700から指示された点灯パターンで各LDを点灯させる補正用駆動電流を生成し、各LDへ出力する。
オーバーシュート算出部720は、補助駆動電流生成部534に生成させるオーバーシュート電流の値を算出する。アンダーシュート算出部730は、補助駆動電流生成部535に生成させるアンダーシュート電流の値を算出する。オーバーシュート算出部720、アンダーシュート算出部730の詳細は後述する。
記憶制御部740は、オーバーシュート算出部720により算出されたオーバーシュート電流値と、アンダーシュート算出部730により算出されたアンダーシュート電流値と、を電流値記憶部560に記憶させる。
次に、図11を参照し、本実施形態の電流値演算部700の処理について説明する。図11は、第一の実施形態の電流値演算部の処理を説明するフローチャートである。
本実施形態の電流値演算部700は、図11に示す処理を、LD1〜LD4のそれぞれについて行う。
ここでは、一例として、LD1について図11の処理を行った場合について説明する。
電流値演算部700は、点灯パターン取得部710により、補正用駆動電流を生成させるための点灯パターン1を取得し、駆動電流生成部533により点灯パターン1に基づき生成された駆動電流により、LD1を点灯させる(ステップS1101)。ここで、点灯パターン1は、1画素分光源を点灯させ、2画素分光源を消灯させるパターンである。したがって、ここでは、駆動電流生成部533は、1画素分LD1を点灯させ、2画素分LD1を消灯させる駆動電流を生成し、LD1へ供給する。
続いて、電流値演算部700は、オーバーシュート算出部720によりオーバーシュート電流値を算出する(ステップS1102)。
続いて点灯パターン取得部710は、補正用駆動電流を生成させるための点灯パターン2を取得し、駆動電流生成部533において点灯パターン2に基づき生成された駆動電流により、LD1を点灯させる(ステップS1103)。この駆動電流には、ステップS1102で算出されたオーバーシュート電流が付加されている。
点灯パターン2は、1画素分光源を点灯させ、1画素分光源を消灯させるパターンである。したがって、ここでは、駆動電流生成部533は、1画素分LD1を点灯させ、1画素分LD1を消灯させる駆動電流を生成し、LD1へ供給する。
続いて、電流値演算部700は、アンダーシュート算出部730により、アンダーシュート電流値を算出する(ステップS1104)。
続いて電流値演算部700は、点灯パターン2に基づき生成された駆動電流により、再度オーバーシュート算出部720によりオーバーシュート電流値を算出する(ステップS1105)。この駆動電流には、ステップS1104で算出されたアンダーシュート電流値電流が付加されている。
続いて電流値演算部700は、記憶制御部740により、ステップS1104で算出したアンダーシュート電流値と、ステップS1105で算出したオーバーシュート電流値とを電流値記憶部560に記憶させる(ステップS1106)。尚、ここで電流値記憶部560に記憶されるアンダーシュート電流値は、LD1〜4について求めたアンダーシュート電流値の平均値とした。
本実施形態では、以上の処理を行うことで、アンダーシュート電流値がLD1〜LD4に共有される。
以下に、図12を参照して、図11の処理について具体的に説明する。図12は、第一の実施形態の電流値演算部の処理を説明する図である。
図12における駆動電流波形1は、図11のステップS1101において駆動電流生成部533からLD1へ供給される駆動電流の波形である。尚、点灯パターン1,2に基づき生成される駆動電流の電流値は、予め電流値演算部700に設定されているものとした。
駆動電流波形1は、点灯パターン1に基づき生成された駆動電流であり、1画素分の期間がオン(ハイレベル)であり、2画素分の期間がオフ(ローレベル)の繰り返しになっている。
このときのLD1の点灯波形が、図12の点灯波形1である。点灯波形1は、光量検出部536により検出されたLD1の光量の波形である。点灯波形1では、デューティが33.3%である。このため、点灯波形1における積分光量の目標値(理想値)は、駆動電流の値と対応するLD1の光量の33.3%となる。尚、駆動電流の値と、LD1の光量との関係は、LD1の特性により予め決められている。
しかしながら、光量検出部536により検出されるLD1の積分光量は、発光開始までのディレイ、波形の鈍りによって、目標値より低くなる。
そこで、本実施形態では、まず、駆動電流波形2に示すように、点灯開始後の所定時間だけオーバーシュート電流を付加していき、積分光量を目標値に近づける。駆動電流波形2は、駆動電流波形2に示す駆動電流に、図11のステップS1102において算出されたオーバーシュート電流値を付加した場合の波形である。
点灯波形2は、駆動電流波形2がLD1に供給された際のLD1の光量を示す。点灯波形2では、オーバーシュート電流値に応じて発光時の光量が増加し、積分光量が目標値に近づいたことがわかる。
図12に示す駆動電流波形3は、点灯パターン2により生成された駆動電流にステップS1102で算出されたオーバーシュート電流値が付加された電流を示す。点灯波形3は、駆動電流波形3がLD1に供給された際のLD1の光量を示す。
駆動電流波形3では、デューティが50%であるため、点灯波形3における積分光量の目標値は、駆動電流の値と対応するLD1の光量の50%となる。
デューティが50%の場合、LD1が消灯してから再度点灯するまでの時間が最も短くなるため、LD1の消灯の際の波形の鈍り等により、消灯後の次に点灯に影響を及ぼす可能性がある。具体的には、点灯波形において、消灯の際の波形の鈍りが、次の立ち上がりまで残り、LD1が完全に消灯する前に次の点灯が開始される可能性がある。
そこで、本実施形態では、デューティが50%の場合において、LD1の消灯後の次に点灯に影響を及ぼさないようなアンダーシュート電流を駆動電流に付加する。
図12の駆動電流波形4は、点灯パターン2により生成された駆動電流にステップS1102で算出されたオーバーシュート電流値と、図11のステップS1104において算出されたアンダーシュート電流値とを付加した電流を示す。このとき、アンダーシュート電流の値は、点灯波形4の積分光量が、駆動電流の値と対応するLD1の光量の50%(目標値)となるように算出された値である。
点灯波形4は、駆動電流波形4がLD1に供給された際のLD1の光量を示す。点灯波形4では、アンダーシュート電流値に応じて消灯時の波形の鈍りが改善され、次の点灯時までに、LD1が消灯されることがわかる。つまり、本実施形態では、アンダーシュート電流値を付加することで、消灯後の次の点灯の立ち上がりに影響を及ぼすことを抑制できる。
図12の駆動電流波形5は、点灯パターン2により生成された駆動電流に、図11のステップS1104において算出されたアンダーシュート電流値と、ステップS1105で算出されたオーバーシュート電流値と、を付加した電流を示す。
本実施形態では、はじめに、点灯パターン1において、積分光量を目標値に近づけるようにオーバーシュート電流を付加した後に、点灯パターン2において積分光量を目標値に近づけるようなアンダーシュート電流を付加している。
このため、点灯パターン2の駆動電流に、アンダーシュート電流と点灯パターン1において算出されたオーバーシュート電流とを付加した場合、検出される積分光量が目標値から離れる可能性がある。言い換えれば、検出される積分光量と目標値との差分が大きくなる可能性がある。
そこで、本実施形態では、再度、点灯パターン2の駆動電流にアンダーシュート電流を付加した駆動電流波形4をLD1に供給した状態で、積分光量を目標値に近づけるように、再度オーバーシュート電流値を算出する。
駆動電流波形5は、駆動電流波形4をLD1に供給した状態で算出されたオーバーシュート電流が駆動電流の立ち上がりに付加された電流である。点灯波形5は、駆動電流波形5がLD1に供給された際のLD1の光量を示す。
本実施形態では、駆動電流波形5におけるオーバーシュート電流値を補助駆動電流生成部534−1に設定される。
また、本実施形態では、LD1〜LD4のそれぞれについて、アンダーシュート電流値の算出を行い、算出された4つのアンダーシュート電流値の平均値を共通のアンダーシュート電流値として補助駆動電流生成部535に設定する。
さらに、本実施形態では、LD1〜LD4のそれぞれについての駆動電流波形5におけるオーバーシュート電流値と、共通のアンダーシュート電流値とを電流値記憶部560に格納する。
次に、図13を参照し、本実施形態のオーバーシュート算出部720の処理について説明する。図13は、第一の実施形態のオーバーシュート算出部の処理を説明するフローチャートである。
本実施形態のオーバーシュート算出部720は、補助駆動電流生成部534−1により、オーバーシュート電流を生成し、駆動電流の立ち上がりから所定時間オーバーシュート電流を駆動電流に付加する(ステップS1301)。
尚、最初に駆動電流に付加されるオーバーシュート電流の初期値と所定時間は、予めオーバーシュート算出部720に設定されているものとした。
続いて、オーバーシュート算出部720は、光量検出部536からLD1の積分光量を検出する(ステップS1302)。
続いてオーバーシュート算出部720は、積分光量が目標値となったか否かを判定する(ステップS1303)。
ステップS1303において、積分光量が目標値でない場合、オーバーシュート算出部720は、ステップS1301へ戻り、オーバーシュート電流値を変更して付加する。
本実施形態のオーバーシュート算出部720は、予め誤差(検出値と目標値の差分)と電流値の関係を取得しておき、それを用いてオーバーシュート電流値を目標値に近づけても良い。また、オーバーシュート算出部720は、電流値の最小分解毎にオーバーシュート電流値を目標値に近づけても良い。
ステップS1303において、積分光量が目標値に最も近くなると、オーバーシュート算出部720は、算出したオーバーシュート電流値を補助駆動電流生成部534−1に設定し(ステップS1304)、処理を終了する。
尚、本実施形態では、積分光量が目標値と最も近い値となったとき、積分光量が目標値となったものとしても良い。
次に、図14を参照して本実施形態のアンダーシュート算出部730の処理について説明する。図14は、第一の実施形態のアンダーシュート算出部の処理を説明するフローチャートである。
本実施形態のアンダーシュート算出部730は、補助駆動電流生成部535により、アンダーシュート電流を生成し、駆動電流の立ち下がりから所定時間アンダーシュート電流を駆動電流に付加する(ステップS1401)。
尚、最初に駆動電流に付加されるアンダーシュート電流の初期値と所定時間は、予めアンダーシュート算出部730に設定されているものとした。
続いて、アンダーシュート算出部730は、光量検出部536からLD1の積分光量を検出する(ステップS1402)。
続いてアンダーシュート算出部730は、積分光量が目標値となったか否かを判定する(ステップS1403)。
ステップS1403において、積分光量が目標値でない場合、アンダーシュート算出部730は、ステップS1401へ戻り、アンダーシュート電流値を変更して付加する。
本実施形態のアンダーシュート算出部730は、予め誤差(検出値と目標値の差分)と電流値の関係を取得しておき、それを用いてアンダーシュート電流値を目標値に近づけても良い。また、アンダーシュート算出部730は、電流値の最小分解毎にアンダーシュート電流値を目標値に近づけても良い。
ステップS1403において、積分光量が目標値に最も近くなると、アンダーシュート算出部730は、算出したアンダーシュート電流値を保持し、(ステップS1404)、処理を終了する。
本実施形態のアンダーシュート算出部730は、LD1〜4について、図14に示す処理を実行すると、LD毎に保持されたアンダーシュート電流値の平均値を算出する。そして、本実施形態では、算出した平均値を共通のアンダーシュート電流値として補助駆動電流生成部535に設定する。
次に、図15を参照して本実施形態の光ビーム走査装置500の動作について説明する。図15は、第一の光ビーム走査装置の動作を説明する第一のフローチャートである。
本実施形態の光ビーム走査装置500は、ポリゴンモータ制御部550がプリンタ制御部600から回転指示を受けると、規定回転数でポリゴンミラー503を回転させる(ステップS1501)。尚、プリンタ制御部600は、画像形成装置1において、コピー動作等の操作が行われた際に、光ビーム走査装置500に対してポリゴンミラー503の回転指示を行う。
続いて、光ビーム走査装置500は、LD制御部530により、予め決められたLD501を点灯させ、同期センサ508から同期検知信号XDETを出力させる(ステップS1502)。
続いて、光ビーム走査装置500は、LD制御部530の有するLD駆動部532の電流値演算部700による処理を実行し、LD毎のオーバーシュート電流値及び各LDに共通するアンダーシュート電流値を算出する(ステップS1503)。尚、ステップS1503の処理は、図11で説明した処理である。
次に、光ビーム走査装置500は、ステップS1503に続いて、画像形成動作を行う(ステップS1504)。画像形成動作を終了すると、光ビーム走査装置500は、次の画像データが存在するか否かを判定する(ステップS1505)。
ステップS1505において、次の画像データが存在する場合は、光ビーム走査装置500は、ステップS1504に戻る。
ステップS1505において、次の画像データが存在しない場合、光ビーム走査装置500は、LD制御部530によりLD501を消灯させ(ステップS1506)、ポリゴンモータ制御部550により、ポリゴンモータの回転を停止させ(ステップS1507)、処理を終了する。
尚、図15では、画像形成動作を行う度に、電流値演算部700によるLD毎のオーバーシュート電流値及び各LDに共通するアンダーシュート電流値を算出するものとしたが、これに限定されない。光ビーム走査装置500は、画像形成動作を行う際に、電流値記憶部560に格納されたLD毎のオーバーシュート電流値及び各LDに共通するアンダーシュート電流値を読み出しても良い。
図16は、第一の光ビーム走査装置の動作を説明する第二のフローチャートである。
図16のステップS1601、1602の処理は、図15のステップS1501、1502の処理と同様であるから、説明を省略する。
ステップS1602に続いて、光ビーム走査装置500は、LD制御部530により、電流値記憶部560に格納されたLD毎のオーバーシュート電流値及び各LDに共通するアンダーシュート電流値を読み出す(ステップS1603)。
ステップS1604からステップS1608の処理は、図15のステップS1504からステップS1508の処理と同様であるから、説明を省略する。
以上のように、本実施形態では、複数の光源のそれぞれに供給される駆動電流に付加するアンダーシュート電流を共通のものとすることで、アンダーシュート電流を生成する回路の規模を縮小することができる。
また、本実施形態では、光源毎にオーバーシュート電流値を設定した後に、共通のアンダーシュート電流値を設定し、再度オーバーシュート電流値を算出している。したがって、本実施形態によれば、アンダーシュート電流値を共通とすることにより、光源毎の積分光量とそれぞれの目標値とに差分が生じても、2度目のオーバーシュート電流値の算出において、その差分をさらに補正することができる。
したがって、本実施形態によれば、各光源の積分光量を目標値に近づけつつ、光源の駆動部の回路規模を縮小することができる。
尚、本実施形態の電流値演算部700は、始めに点灯パターン1におけるオーバーシュート電流値を算出し、次にアンダーシュート電流値を算出し、さらに再度オーバーシュート電流値を算出するようにしたが、オーバーシュート電流値及びアンダーシュート電流値の算出順は、これに限定されない。
本実施形態の電流値演算部700は、点灯パターン1におけるオーバーシュート電流値を算出し、次に点灯パターン2によりアンダーシュート電流値を算出して、処理を終了しても良い。この場合でも、本実施形態によれば、補助駆動電流生成部535の回路規模を縮小する、という効果を得ることができる。
また、本実施形態の点灯パターン1は、1画素分光源を点灯させ、2画素分光源を消灯させるパターンとしたが、これに限定されない。点灯パターン1は、例えば、1画素分光源を点灯させ、3画素分光源を消灯させるパターンであっても良い。
電流値演算部700は、始めにアンダーシュート電流値を算出しても良い。
この場合、電流値演算部700は、LD501が含むLD1〜4について、点灯パターン2の駆動電流を供給し、積分光量が目標値に最も近くなるアンダーシュート電流値を算出し一時的に保持しておく。続いて、電流値演算部700は、LD1〜4について、アンダーシュート電流値の算出を行うと、各アンダーシュート電流値の平均値を算出する。そして、電流値演算部700は、算出した平均値をアンダーシュート電流値として、補助駆動電流生成部535に設定する。
次に、電流値演算部700は、LD1〜4について、オーバーシュート電流値を算出する。
また、電流値演算部700は、アンダーシュート電流値の平均値を共通のアンダーシュート電流値とするのではなく、オーバーシュート電流値を付加した状態で、各LDの積分光量が最も目標値に近くなるアンダーシュート電流値を共通のものとしても良い。
この場合、電流値演算部700は、始めにLD1の積分光量から算出されたアンダーシュート電流値を補助駆動電流生成部535に設定し、LD1〜4について、オーバーシュート電流値を算出し、LD1〜4のそれぞれについて、積分光量と目標値との差分を保持しておく。次に、電流値演算部700は、LD2の積分光量から算出されたアンダーシュート電流値を補助駆動電流生成部535に設定し、LD1〜4について、オーバーシュート電流値を算出し、LD1〜4のそれぞれについて、積分光量と目標値との差分を保持しておく。
同様に、電流値演算部700は、LD3の積分光量から算出されたアンダーシュート電流値を補助駆動電流生成部535に設定し、LD1〜4について、オーバーシュート電流値を算出し、LD1〜4のそれぞれについて、積分光量と目標値との差分を保持しておく。
続いて電流値演算部700は、LD4の積分光量から算出されたアンダーシュート電流値を補助駆動電流生成部535に設定し、LD1〜4について、オーバーシュート電流値を算出し、LD1〜4のそれぞれについて、積分光量と目標値との差分を保持しておく。
そして、電流値演算部700は、LD1〜4のそれぞれについて、積分光量と目標値との差分が最も小さくなるアンダーシュート電流値を選択し、このアンダーシュート電流値を補助駆動電流生成部535に設定し、電流値記憶部560に記憶させる。以上のように、本実施形態では、アンダーシュート電流値から先に算出しても良い。
また、本実施形態では、光ビーム走査装置500は、画像形成装置1に搭載されるものとしたが、これに限定されない。本実施形態の光ビーム走査装置500は、光源から照射された光を走査するものであれば、どのような装置に適用されても良い。具体的には、例えば光ビーム走査装置500は、例えばヘッドアップディスプレイやプロジェクタ等に適用されても良い。
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して第二の実施形態について説明する。第二の実施形態では、予めアンダーシュート電流値が電流値記憶部に記憶されている点のみ、第一の実施形態と相違する。よって、以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
本実施形態では、アンダーシュート電流値が予め電流値記憶部560に記憶されている。したがって、本実施形態の電流値演算部700のアンダーシュート算出部730は、電流値記憶部560に記憶されたアンダーシュート電流値を読み出して、補助駆動電流生成部535に設定する。
本実施形態のアンダーシュート電流値は、各LDが消灯してから再度点灯するまでの期間が最も短くなる点灯パターン2において、各LDの消灯後の次に点灯に影響を及ぼさない値が予め決められている。
図17は、第二の実施形態の電流値演算部の処理を説明するフローチャートである。
本実施形態の電流値演算部700は、アンダーシュート算出部730により、アンダーシュート電流値を補助駆動電流生成部535に設定する(ステップS1701)。
図17のステップS1702、1703の処理は、図11のステップS1106、1107と同様であるから、説明を省略する。
ステップS1703に続いて、電流値演算部700は、記憶制御部740により、ステップS1703で算出されたオーバーシュート電流値を補助駆動電流生成部534−1に設定し、さらに電流値記憶部560に記憶させ(ステップS1704)、処理を終了する。
図18は、第二実施形態の電流値演算部の処理を説明する図である。
図18に示す駆動電流波形1は、点灯パターン2に予め決められたアンダーシュート電流値を付加した電流を示す。
点灯波形1は、駆動電流波形1が示す電流がLD1に供給されたとき、光量検出部536により検出されたLD1の光量の波形である。
図18の駆動電流波形1では、デューティが50%であるため、点灯波形1における積分光量の目標値は、駆動電流の値と対応するLD1の光量の50%となる。
しだかって、本実施形態では、オーバーシュート算出部720により、点灯波形1の積分光量が目標値である50%に最も近くなるオーバーシュート電流値を算出する。駆動伝量波形2は、図17のステップS1703において算出されたオーバーシュート電流値が駆動電流に付加された電流を示す。
図18の点灯波形2は、駆動電流波形2が示す電流がLD1に供給されたとき、光量検出部536により検出されたLD1の光量の波形である。点灯波形2では、点灯波形1と比較して、立ち上がりの鈍りが改善されて急峻な立ち上がりとなっていることがわかる。
以上のように、本実施形態では、予めアンダーシュート電流値を決めておくことで、画像形成前の駆動電流の補正にかかる処理時間を短縮できる。尚、駆動電流の補正とは、アンダーシュート電流値及びオーバーシュート電流値を算出して付加することである。
(第三の実施形態)
以下に図面を参照して第三の実施形態について説明する。第三の実施形態では、LD501の光量が変更された場合にのみ、オーバーシュート電流値及びアンダーシュート電流値の算出を行う点が、第一の実施形態と相違する。よって、以下の第三の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
図19第三の実施形態の電流値演算部を説明する図である。本実施形態の電流値演算部700Aは、第一の実施形態の電流値演算部700に加え、光量変更判定部750を有する。
本実施形態の光量変更判定部750は、LD501に含まれるLD1〜LD4の光量が変更されたか否かを判定する。LD1〜LD4の光量は、例えば設定された画像の濃度の変更の指示がされた場合等に、変更される。また、LD1〜LD4の光量は、濃度の変更以外にも、各種の設定により変更される場合がある。LD1〜LD4の光量は、例えば駆動電流の値を変更することで、変更される。
図20は、第三の実施形態の電流値演算部の処理を説明する第一のフローチャートである。本実施形態の電流値演算部700Aは、図20に示す処理を、LD1〜LD4のそれぞれについて行う。ここでは、一例として、LD1について図20の処理を行った場合について説明する。
本実施形態の電流値演算部700Aは、光量変更判定部750により、LD1の光量が変更されたか否かを判定する(ステップS2001)。
ステップS2001において、光量が変更されていない場合、電流値演算部700Aは、
補助駆動電流生成部534、535に設定されたオーバーシュート電流値とアンダーシュート電流値をそのまま使用するため、処理を終了する。
ステップS2001において、光量が変更された場合、電流値演算部700Aは、ステップS2002へ進む、変更後の光量に応じたオーバーシュート電流値とアンダーシュート電流値の算出を行う。
図20のステップS2002からステップS2007までの処理は、図11のステップS1101からステップS1106までの処理と同様であるから、説明を省略する。
また、本実施形態の光量変更判定部750は、光量が変更され、且つ変更前の光量と変更後の光量との差分が所定値より大きい場合にのみ、変更された光量に応じてオーバーシュート電流値とアンダーシュート電流値とを算出しても良い。
図21は、第三の実施形態の電流値演算部の処理を説明する第一のフローチャートである。
図21では、電流値演算部700Aは、光量変更判定部750により、LD1の光量が変更されたか否かを判定する(ステップS2101)。ステップS2101において、光量が変更されていない場合、電流値演算部700Aは、処理を終了する。
ステップS2101において、光量が変更されていた場合、光量変更判定部750は、変更前の光量と変更後の差分である変更量が所定値より大きいか否かを判定する(ステップS2102)。ステップS2102において、変更量が所定値以下の場合、電流値演算部700Aは、処理を終了する。
ステップS2102において、変更量が所定値より大きい場合、電流値演算部700Aは、ステップS2103ら進み、変更後の光量に応じたオーバーシュート電流値とアンダーシュート電流値とを算出する。
ステップS2103からステップS2108までの処理は、図11のステップS1101からステップS1106までの処理と同様であるから、説明を省略する。
尚、本実施形態の所定値は、予め光量変更判定部750が保持していても良い。本実施形態の所定値は、例えば、検出された積分光量と目標値との差分が画像に影響しない範囲の値とした。
本実施形態では、所定値を大きく設定するほど、オーバーシュート電流値及びアンダーシュート電流値を算出する回数を減らすことができ、画像形成にかかる時間を短縮できる。より詳細には、本実施形態によれば、画像形成の指示が成されてから画像形成が開始されるまでの時間を短縮できる。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。